JP5941973B2 - ハイブリッド車両及びその制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両及びその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5941973B2
JP5941973B2 JP2014254450A JP2014254450A JP5941973B2 JP 5941973 B2 JP5941973 B2 JP 5941973B2 JP 2014254450 A JP2014254450 A JP 2014254450A JP 2014254450 A JP2014254450 A JP 2014254450A JP 5941973 B2 JP5941973 B2 JP 5941973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
power
hybrid vehicle
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014254450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015071423A (ja
Inventor
山崎 雄一郎
雄一郎 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014254450A priority Critical patent/JP5941973B2/ja
Publication of JP2015071423A publication Critical patent/JP2015071423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5941973B2 publication Critical patent/JP5941973B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Description

本発明は、動力伝達断接部を締結又は開放して、走行のための駆動源の形態を切り替えるハイブリッド車両及びその制御方法に関する。
特許文献1に開示されているシリーズパラレル複合電気自動車(SPHV)では、シリーズハイブリッド車(SHV)モード又はパラレルハイブリッド車(PHV)モードに切り替えられる。SHVモードでは、内燃機関の機械出力によって発電機が駆動され、発電機の発電電力及び電池の放電電力により電動機が駆動し、当該電動機により車輪が駆動される。PHVモードでは、内燃機関の機械出力によって車輪が駆動され、発進、加速又は制動等の際には、要求駆動力に対して内燃機関の機械出力では供給できない分が電動機により補われる。
SHVモードからPHVモードへ切り替える場合、車速(電動機回転数)が所定値V1に至った時点で発電機のトルクを制御し、発電機回転数を電動機回転数に徐々に近付けていく。その後、両回転数が一致し且つ車速が所定値V2に至った時点でクラッチをオンし、発電機と電動機を機械連結させる。また、PHVモード時に電動機回転数が所定値より低くなった場合に、クラッチを開放することにより発電機と電動機の間の機械的連結を開くと、SHVモードに切り替えられる。
日本国特許第3052753号公報 日本国特開平9−224304号公報 国際公開第2011/074482号 国際公開第2011/074483号
上記説明した特許文献1のSPHVでは、SHVモードからPHVモードへ切り替える際に行うクラッチ締結のための条件として、発電機回転数と電動機回転数の一致を条件としている。しかし、これら2つの回転数が一致していても、発電機の出力と電動機の出力が異なる状態でクラッチを締結するとショックが発生すると考えられる。すなわち、特許文献1のSPHVでは、発電機の回転数を電動機の回転数に一致させるだけでなく、各回転数の角速度の符号が一致し、かつ、発電機の出力を電動機の出力に近づける必要がある。
図11及び図12は、発電機を駆動する内燃機関の特性の一例を示すグラフである。当該グラフの縦軸は内燃機関のトルクを示し、横軸は内燃機関の回転数を示す。図11及び図12中の太い実線は、燃料消費率が最も良い内燃機関の運転点を結んだ線(以下「BSFCボトムライン」という)である。SHVモードのとき、内燃機関は当該線上の運転点で運転される。また、図11及び図12中の一点鎖線は、トルク及び回転数は異なるが出力が同じとなる内燃機関の運転点を結んだ線(以下「等出力線」という)である。
特許文献1のSPHVのモードがSHVモードであって内燃機関が図11に示す運転点Aで運転されている状態からPHVモードへ切り替える際に、発電機の回転数を電動機の回転数に近付けるために内燃機関の回転数を図11中の二点鎖線で示される値(所望回転数)まで落とす場合には、燃料消費率を維持しようとすると運転点がBSFCボトムラインに沿ってAからBに移る。その結果、内燃機関のトルクも回転数も下がるため、内燃機関の出力が低下する。このとき、発電機は電動機が要求する全ての電力を発電機が供給できず、電力の不足分は電池が供給するといった状況が生じ得る。
一方、同様の条件下で、内燃機関の出力を維持するために運転点を等出力線に沿ってAからCに移すと、運転点はBSFCボトムラインから外れるため、燃料消費率は低下する。
一方、SHVモードからPHVモードへ切り替える際に内燃機関のトルクを変更する場合も同様である。図12に示すように、内燃機関が運転点Aで運転されている状態からPHVモードへ切り替える際に、内燃機関のトルクを図12中の二点鎖線で示される値(所望トルク)まで落とす場合には、燃料消費率を維持しようとすると運転点がBSFCボトムラインに沿ってAからDに移る。その結果、内燃機関の回転数に応じた発電機の回転数が電動機の回転数に一致しないため、この状態でクラッチを締結するとショックが発生すると考えられる。また、内燃機関の回転数もトルクも下がるため、内燃機関の出力が低下する。このとき、発電機は電動機が要求する全ての電力を発電機に供給できず、電力の不足分は電池が供給するといった状況が生じ得る。
一方、同様の条件下で、内燃機関の出力を維持するために運転点を等出力線に沿ってAからEに移すと、運転点はBSFCボトムラインから外れるため、燃料消費率は低下する。
また、上記説明した特許文献1のSPHVがPHVモード時には、内燃機関の機械出力と状況に応じては電動機のアシスト出力とから要求駆動力が得られる。一方、SHVモード時には、電動機の出力のみから要求駆動力が得られる。したがって、PHVモードからSHVモードへ切り替える際に、クラッチ開放の条件が成立してすぐにクラッチを開放しても、電動機に要求される出力の変化が大きいと、要求駆動力にすぐに対応できない場合がある。
例えば、SHVモードに切り替えられたときの電池の残容量が低いと、内燃機関の機械出力によって発電機を駆動し、発電機の発電電力により電動機を駆動する必要がある。しかし、内燃機関及び発電機の応答性は高くないため、クラッチが開放された直後は要求駆動力に応じた電力が電動機に供給されない場合がある。このとき、電動機は要求駆動力を出力できないため、クラッチを開放した際にショックが発生し、ドライバが違和感を覚える可能性がある。また、クラッチが開放された直後の要求駆動力に応じて電動機が必要とする電力と発電機の発電電力の差分を電池が補うためには、当該電池が十分な容量を有する必要がある。
本発明の目的は、総合的なエネルギー効率を考慮して動力伝達断接部の締結又は開放の判断を行うハイブリッド車両及びその制御方法を提供することである。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明のハイブリッド車両は、内燃機関(例えば、実施の形態での内燃機関111)と、前記内燃機関の駆動によって発電する発電機(例えば、実施の形態での発電機113)と、電動機に電力を供給する蓄電器(例えば、実施の形態での蓄電器101)と、駆動輪(例えば、実施の形態での駆動輪133)に接続され、前記蓄電器及び前記発電機の少なくとも一方からの電力供給によって駆動する前記電動機(例えば、実施の形態での電動機109)と、前記発電機と前記駆動輪の間に配置され、前記内燃機関から前記発電機を介した前記駆動輪までの動力の伝達経路を断接する動力伝達断接部(例えば、実施の形態でのクラッチ117)と、を備え、前記電動機及び前記内燃機関の少なくとも一方からの動力によって走行するハイブリッド車両であって、前記動力伝達断接部を開放して、前記ハイブリッド車両が前記内燃機関の動力による前記発電機の発電電力によって駆動される前記電動機を駆動源としたシリーズ走行を行うか、前記動力伝達断接部を締結して、前記ハイブリッド車両が少なくとも前記内燃機関を駆動源としたエンジン直結走行を行うかを判断する制御部(例えば、実施の形態でのマネジメントECU123)を備え、前記制御部は、前記ハイブリッド車両におけるアクセル操作に応じたアクセルペダル開度及び前記ハイブリッド車両の走行速度に基づいて、前記ハイブリッド車両に要求される駆動力を算出する要求駆動力算出部(例えば、実施の形態での要求駆動力導出部201)と、前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器が最大限出力可能な最大補助電力を導出する最大補助電力導出部(例えば、実施の形態での最大補助電力導出部203)と、前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器の最大充電電力を導出する最大充電電力導出部(例えば、実施の形態での最大充電電力導出部205)と、前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行を行うときの、前記要求駆動力算出部が算出した要求駆動力に対する前記内燃機関の回転数で、前記最大補助電力が前記電動機に供給される場合の前記内燃機関の仮想運転点と、前記最大充電電力が前記蓄電器に充電される場合の前記内燃機関の仮想運転点とが、前記ハイブリッド車両におけるエネルギー効率が前記シリーズ走行時よりも前記エンジン直結走行時の方が高くなる前記内燃機関の運転点の領域であるエンジン直結効率向上領域の内側に位置すれば、前記シリーズ走行から前記エンジン直結走行への移行を許可するエンジン直結移行判断部(例えば、実施の形態でのエンジン直結移行判断部207)と、を有し、前記エンジン直結効率向上領域は、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器から出力可能な補助電力に応じた上限トルクと、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器に充電可能な電力に応じた下限トルクとによって囲まれた領域であることを特徴としている。
さらに、請求項2に記載の発明のハイブリッド車両では、前記エンジン直結移行判断部は、前記エンジン直結走行中の前記ハイブリッド車両における前記内燃機関の回転数で、前記最大補助電力が前記電動機に供給される場合の前記内燃機関の仮想運転点、又は前記最大充電電力が前記蓄電器に充電される場合の前記内燃機関の仮想運転点が前記エンジン直結効率向上領域の外側に位置する場合、前記エンジン直結走行の解除を決定することを特徴としている。
さらに、請求項3に記載の発明のハイブリッド車両では、前記エンジン直結移行判断部は、前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行に移行するために必要な電力が、前記蓄電器の充放電可能な電力の範囲外であるとき、前記シリーズ走行から前記エンジン直結走行への移行を禁止することを特徴としている。
さらに、請求項4に記載の発明のハイブリッド車両では、前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行を行うときの前記内燃機関の仮想運転点が、燃料消費率が最も良い運転点を結んだ燃費最良ラインに近い運転点となるように、前記制御部は、前記要求駆動力と前記仮想運転点とに基づいて、前記電動機が出力するエネルギー又は前記内燃機関によって前記電動機が発電するエネルギーを設定することを特徴としている。
さらに、請求項5に記載の発明のハイブリッド車両では、前記エンジン直結効率向上領域は、前記電動機による出力補助及び前記内燃機関による前記電動機の発電に基づいて設定されることを特徴としている。
さらに、請求項6に記載の発明のハイブリッド車両では、前記動力伝達断接部が締結されると、前記内燃機関の出力が機械エネルギーとして1段の固定ギアに基づく特定の変速比で変換されて前記駆動輪に伝達されることを特徴としている。
さらに、請求項に記載の発明のハイブリッド車両の制御方法では、内燃機関(例えば、実施の形態での内燃機関111)と、前記内燃機関の駆動によって発電する発電機(例えば、実施の形態での発電機113)と、電動機に電力を供給する蓄電器(例えば、実施の形態での蓄電器101)と、駆動輪(例えば、実施の形態での駆動輪133)に接続され、前記蓄電器及び前記発電機の少なくとも一方からの電力供給によって駆動する前記電動機(例えば、実施の形態での電動機109)と、前記発電機と前記駆動輪の間に配置され、前記内燃機関から前記発電機を介した前記駆動輪までの動力の伝達経路を断接する動力伝達断接部(例えば、実施の形態でのクラッチ117)と、を備え、前記電動機及び前記内燃機関の少なくとも一方からの動力によって走行するハイブリッド車両の制御方法であって、前記ハイブリッド車両は、前記動力伝達断接部を開放して、前記ハイブリッド車両が前記内燃機関の動力による前記発電機の発電電力によって駆動される前記電動機を駆動源としたシリーズ走行を行うか、前記動力伝達断接部を締結して、前記ハイブリッド車両が少なくとも前記内燃機関を駆動源としたエンジン直結走行を行うかを判断する制御部(例えば、実施の形態でのマネジメントECU123)を備え、前記制御部は、前記ハイブリッド車両におけるアクセル操作に応じたアクセルペダル開度及び前記ハイブリッド車両の走行速度に基づいて、前記ハイブリッド車両に要求される駆動力を算出し、前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器が最大限出力可能な最大補助電力を導出し、前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器の最大充電電力を導出し、前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行を行うときの、前記要求駆動力に対する前記内燃機関の回転数で、前記最大補助電力が前記電動機に供給される場合の前記内燃機関の仮想運転点と、前記最大充電電力が前記蓄電器に充電される場合の前記内燃機関の仮想運転点とが、前記ハイブリッド車両におけるエネルギー効率が前記シリーズ走行時よりも前記エンジン直結走行時の方が高くなる前記内燃機関の運転点の領域であるエンジン直結効率向上領域の内側に位置すれば、前記シリーズ走行から前記エンジン直結走行への移行を許可し、前記エンジン直結効率向上領域は、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器から出力可能な補助電力に応じた上限トルクと、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器に充電可能な電力に応じた下限トルクとによって囲まれた領域であることを特徴としている。
請求項1〜に記載の発明のハイブリッド車両及び請求項に記載の発明のハイブリッド車両の制御方法によれば、総合的なエネルギー効率を考慮して動力伝達断接部の締結又は開放の判断を行うことができる。
シリーズ/パラレル方式のHEVの内部構成を示すブロック図 図1に示したハイブリッド車両における駆動システムの主要部を概略的に示した図 ハイブリッド車両が(a)EV走行モード時、(b)シリーズ走行モード時、(c)エンジン走行モード時及び(d)パラレル走行モード時の各駆動状態を示す図 内燃機関111の熱効率に関する特性を示すグラフ シリーズ走行モード時の内燃機関111の運転点を示すグラフ シリーズ走行モード時の電動機109の要求電力に対する内燃機関111の出力及び蓄電器101の出力の変化を示すグラフ ハイブリッド車両がエンジン直結走行時の内燃機関111の運転点を示すグラフ ハイブリッド車両における総合的なエネルギー効率がシリーズ走行モード時よりもエンジン直結走行時の方が高くなる領域を示す図 マネジメントECU123の内部構成を示すブロック図 エンジン直結移行電力が蓄電器101の充放電可能な電力の範囲外であるために、エンジン直結移行判断部207がエンジン直結走行への移行を禁止する場合のタイミングチャートの一例 発電機を駆動する内燃機関の特性の一例を示すグラフ 発電機を駆動する内燃機関の特性の一例を示すグラフ
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
HEV(Hybrid Electrical Vehicle:ハイブリッド電気自動車)は、電動機及び内燃機関を備え、当該HEVの走行状態に応じて電動機及び/又は内燃機関の駆動力によって走行する。HEVには、大きく分けてシリーズ方式とパラレル方式の2種類がある。シリーズ方式のHEVは、電動機の駆動力によって走行する。内燃機関は発電のためだけに用いられ、内燃機関の駆動力によって発電機で発電された電力は蓄電器に充電されるか、電動機に供給される。
シリーズ方式のHEVの走行モードには、「EV走行モード」及び「シリーズ走行モード」の2つがある。EV走行モードでは、HEVは、蓄電器からの電源供給によって駆動する電動機の駆動力によって走行する。このとき内燃機関は駆動されない。また、シリーズ走行モードでは、HEVは、蓄電器及び発電機の双方からの電力の供給や発電機のみからの電力の供給等によって駆動する電動機の駆動力によって走行する。このとき、内燃機関は発電機における発電のために駆動される。
パラレル方式のHEVは、電動機及び内燃機関のいずれか一方又は双方の駆動力によって走行する。特に、パラレル方式のHEVが内燃機関のみの駆動力によって走行するモードを「エンジン走行モード」という。また、パラレル方式のHEVが内燃機関及び電動機の双方からの駆動力によって走行するモードを「パラレル走行モード」という。
上記両方式を複合したシリーズ/パラレル方式のHEVも知られている。当該方式では、当該HEVの走行状態に応じてクラッチを開放又は締結する(断接する)ことによって、駆動力の伝達系統をシリーズ方式及びパラレル方式のいずれかの構成に切り替える。
図1は、シリーズ/パラレル方式のHEVの内部構成を示すブロック図である。図1に示すシリーズ/パラレル方式のHEV(以下「ハイブリッド車両」という)は、蓄電器(BATT)101と、温度センサ(TEMP)103と、コンバータ(CONV)105と、第1インバータ(第1INV)107と、電動機(MOT)109と、内燃機関(ENG)111と、発電機(GEN)113と、第2インバータ(第2INV)115と、クラッチ117と、ギアボックス(以下、単に「ギア」という。)119と、車速センサ121と、マネジメントECU(FI/MG ECU)123と、モータECU(MOT/GEN ECU)125と、バッテリECU(BATT ECU)127とを備える。さらに、ハイブリッド車両は、電動機109の回転数を検出するレゾルバ等のセンサ(図示せず)及び発電機113の回転数を検出するレゾルバ等のセンサ(図示せず)を備える。
蓄電器101は、直列に接続された複数の蓄電セルを有し、例えば100〜200Vの高電圧を供給する。蓄電セルは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池である。温度センサ103は、蓄電器101の温度(以下「バッテリ温度」という)を検出する。温度センサ103によって検出されたバッテリ温度を示す信号は、バッテリECU127に送られる。
コンバータ105は、蓄電器101の直流出力電圧を直流のまま昇圧又は降圧する。第1インバータ107は、直流電圧を交流電圧に変換して3相電流を電動機109に供給する。また、第1インバータ107は、電動機109の回生動作時に入力される交流電圧を直流電圧に変換して蓄電器101に充電する。
電動機109は、ハイブリッド車両が走行するための動力を発生する。電動機109で発生したトルクは、ギア119を介して駆動軸131に伝達される。なお、電動機109の回転子はギア119に直結されている。また、電動機109は、回生ブレーキ時には発電機として動作し、電動機109で発電された電力は蓄電器101に充電される。
内燃機関111は、クラッチ117が切断されてハイブリッド車両がシリーズ走行する際には、発電機113のためだけに用いられる。但し、クラッチ117が締結されると、内燃機関111の出力は、ハイブリッド車両が走行するための機械エネルギーとして、発電機113、クラッチ117及びギア119を介して駆動軸131に伝達される。内燃機関111は、発電機113の回転子に直結されている。
発電機113は、内燃機関111の動力によって電力を発生する。発電機113によって発電された電力は、蓄電器101に充電されるか電動機109に供給される。第2インバータ115は、発電機113で発生した交流電圧を直流電圧に変換する。第2インバータ115によって変換された電力は蓄電器101に充電されるか、第1インバータ107を介して電動機109に供給される。
クラッチ117は、マネジメントECU123からの指示に基づいて、内燃機関111から駆動輪133までの駆動力の伝達経路を断接する。ギア119は、例えば5速相当の1段の固定ギアである。したがって、ギア119は、発電機113を介した内燃機関111からの駆動力又は電動機109からの駆動力を、特定の変速比での回転数及びトルクに変換して、駆動軸131に伝達する。車速センサ121は、ハイブリッド車両の走行速度(車速)を検出する。車速センサ121によって検出された車速を示す信号は、マネジメントECU123に送られる。
マネジメントECU123は、ハイブリッド車両のドライバのアクセル操作に応じたアクセルペダル開度(AP開度)及び車速に基づく要求駆動力の算出、駆動力の伝達系統の切り替え、クラッチ117の断接に関する制御、内燃機関111の運転制御、及び蓄電器101の充放電制御等を行う。図1には、マネジメントECU123による内燃機関111の制御が一点鎖線で示されている。マネジメントECU123の詳細については後述する。
モータECU125は、コンバータ105、第1インバータ107及び第2インバータ115をそれぞれ構成するスイッチング素子をスイッチング制御して、電動機109又は発電機113の動作を制御する。図1には、モータECU125によるコンバータ105、第1インバータ107及び第2インバータ115の制御が一点鎖線で示されている。
バッテリECU127は、温度センサ103から得られたバッテリ温度や、蓄電器101の充放電電流及び端子電圧等の情報に基づいて、蓄電器101の残容量(SOC:State of Charge)等を導出する。
図2は、図1に示したハイブリッド車両における駆動システムの主要部を概略的に示した図である。また、図3は、ハイブリッド車両が(a)EV走行モード時、(b)シリーズ走行モード時、(c)エンジン走行モード時及び(d)パラレル走行モード時の各駆動状態と走行モード間の遷移を示す図である。
EV走行モード時のハイブリッド車両では、図3の(a)に示すように、クラッチ117は開放され、内燃機関111は停止されている。ハイブリッド車両は、蓄電器101からの電源供給によって駆動する電動機109の駆動力によって走行する。
シリーズ走行モード時のハイブリッド車両では、図3の(b)に示すように、クラッチ117は開放され、AP開度及び車速等に基づく要求駆動力を電動機109が出力可能な電力を供給するべく内燃機関111が運転される。ハイブリッド車両は、発電機113からの電力供給によって駆動する電動機109の駆動力によって走行する。なお、シリーズ走行モード時のハイブリッド車両では、内燃機関111をBSFCボトムライン上の運転点で駆動し、図3の(b)に一点鎖線で示すように、余剰電力分を蓄電器101に充電しても良い。また、内燃機関111をBSFCボトムライン上の運転点で駆動して得られる電力が要求駆動力に満たない場合には、発電機113からの電力供給に加え、図3の(b)に二点鎖線で示すように、蓄電器101からの補助電力を電動機109に供給しても良い。
エンジン走行モード時のハイブリッド車両では、図3の(c)に示すように、クラッチ117は締結され、ハイブリッド車両は、内燃機関111の駆動力によって走行する。エンジン走行モードでの走行時、電動機109の回転子及び発電機113の回転子は、内燃機関111の駆動と共に連れ回される。但し、モータECU125は、発電機113が無負荷状態となるようゼロ電流制御を行う。なお、エンジン走行モード時のハイブリッド車両では、内燃機関111をBSFCボトムライン上の運転点で駆動し、図3の(c)に一点鎖線で示すように、発電機として駆動される電動機109で発生した電力を蓄電器101に充電しても良い。
パラレル走行モード時のハイブリッド車両では、図3の(d)に示すように、クラッチ117は締結され、ハイブリッド車両は、内燃機関111及び電動機109の双方の駆動力によって走行する。パラレル走行モードでの走行時、発電機113の回転子は、内燃機関111の駆動と共に連れ回される。但し、第2インバータ115は、発電機113が無負荷状態となるようゼロ電流制御を行う。
低中速の加速走行時にはクラッチ117を開放してEV走行モード又はシリーズ走行モードに設定される。また、中高速の定常走行(クルーズ走行)時にはクラッチ117を締結してエンジン走行モードに設定され、中高速の加速走行時にはパラレル走行モードに設定される。走行モードの設定は、図1に示したマネジメントECU123が、アクセルペダル開度(AP開度)及び車速等に基づいて走行フェーズを判断した上で行う。例えば、走行フェーズが「低中速加速走行」から「中速定常走行」に変わると、マネジメントECU123は、クラッチ117を締結し、走行モードを「シリーズ走行モード」から「エンジン走行モード」に切り替える。
図4は、内燃機関111の熱効率に関する特性を示すグラフである。当該グラフの縦軸は内燃機関111のトルクを示し、横軸は内燃機関111の回転数を示す。図4中の太い実線は、燃料消費率が最も良い内燃機関111の運転点を結んだ線(BSFCボトムライン)である。また、図4中の一点鎖線は、トルク及び回転数は異なるが出力が同じとなる内燃機関111の運転点を結んだ線(等出力線)である。また、図4中の楕円形の点線は、内燃機関111の出力効率が同じとなる運転点を結んだ線(等効率線)であり、内側の等効率線ほど出力効率が高い。なお、図4に示す最も内側の等効率線で囲まれた領域内のBSFCボトムライン上の運転点を「最高効率運転点」という。また、最高効率運転点で運転される内燃機関111の出力を「最高効率出力」という。
以下、クラッチ117を開放してシリーズ走行モードでハイブリッド車両が走行する際の内燃機関111の運転について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、シリーズ走行モード時の内燃機関111の運転点を示すグラフである。図6は、シリーズ走行モード時の電動機109の要求電力に対する内燃機関111の出力及び蓄電器101の出力の変化を示すグラフである。なお、電動機109の要求電力とは、AP開度及び車速等に基づく要求駆動力を電動機109が出力するために必要な電力である。マネジメントECU123は、要求駆動力に機械損失及び電気損失の各推定値を加えた値から、電動機109の要求電力を算出する。
シリーズ走行モードでハイブリッド車両が走行する際、マネジメントECU123は、クラッチ117を開放し、電動機109に要求電力を供給するべく内燃機関111の運転を制御する。但し、電動機109の要求電力は要求駆動力に応じて変化するため、発電機113が要求電力を出力するよう内燃機関111を運転すると、内燃機関111を常に最高効率運転点で運転できるとは限らない。しかし、エネルギー効率を鑑みると、最高効率運転点で内燃機関111を運転した方が好ましい。
本実施形態では、シリーズ走行モードでハイブリッド車両が走行する際、マネジメントECU123は、内燃機関111を最高効率運転点に近い運転点で運転するよう制御する。但し、内燃機関111の動力による発電機113の発電電力が電動機109の要求電力よりも大きい場合、マネジメントECU123は、余剰電力分を蓄電器101に充電するよう制御する。また、内燃機関111の動力による発電機113の発電電力が電動機109の要求電力に満たない場合、マネジメントECU123は、発電機113からの電力に加え、蓄電器101が補助電力を電動機109に供給するよう制御する。したがって、電動機109の要求電力が変化しても、マネジメントECU123は、図5にハッチングした丸で示される運転点で内燃機関111を運転するよう制御する。
図6には、電動機109の要求電力に対して本実施形態の制御が行われる内燃機関111の出力が一点鎖線で示され、内燃機関111の動力による発電機113の発電電力を補う蓄電器101の出力電力又は蓄電器101を充電する電力が二点鎖線で示される。また、発電機113が要求電力を発電するよう内燃機関111を運転する場合であって、充電も電力補助も行われない内燃機関111の出力が点線で示される。
図6に示すように、発電機113の要求電力が“Pa”であるとき、マネジメントECU123は、内燃機関111を図6に“A”で示す運転点で運転するよう制御する。運転点Aで運転される内燃機関の出力は、発電機113が要求電力Paを発電するよう内燃機関111を運転する場合の運転点aと比較して高い。したがって、マネジメントECU123は、この出力の差分に相当する余剰電力分を蓄電器101に充電するよう制御する。
また、発電機113の要求電力が“Pb”であるとき、マネジメントECU123は、内燃機関111を図6に“B”で示す運転点で運転するよう制御する。運転点Bで運転される内燃機関の出力は、発電機113が要求電力Pbを発電するよう内燃機関111を運転する場合の運転点bと比較して低い。したがって、マネジメントECU123は、運転点bで運転される内燃機関の出力に満たない分の補助電力を蓄電器101が供給するよう制御する。
なお、マネジメントECU123は、バッテリECU127が導出した蓄電器101のSOC及びバッテリ温度に基づいて、余剰電力の最大充電電力及び最大補助電力を設定する。例えば、蓄電器101のSOCがしきい値よりも高いとき、マネジメントECU123は、最大充電電力を0に近い値に設定し、最大補助電力を蓄電器101が出力可能な最大電力値に設定する。マネジメントECU123は、余剰電力が最大充電電力を超えないようよう、また、補助電力が最大補助電力を超えないよう、内燃機関111の運転点を制御する。
次に、クラッチ117を締結してエンジン走行モード又はパラレル走行モードでハイブリッド車両が走行する際の内燃機関111の運転について、図7を参照して説明する。なお、以下、エンジン走行モード又はパラレル走行モードでの走行を「エンジン直結走行」という。図7は、ハイブリッド車両がエンジン直結走行時の内燃機関111の運転点を示すグラフである。
エンジン直結走行時、マネジメントECU123は、クラッチ117を締結し、要求駆動力を出力する内燃機関111の運転を制御する。但し、要求駆動力はドライバのアクセル操作及び車速等に応じて変化するため、要求駆動力を出力するよう内燃機関111を運転すると、内燃機関111を常に最高効率運転点で運転できるとは限らない。しかし、エネルギー効率を鑑みると、最高効率運転点で内燃機関111を運転した方が好ましい。
本実施形態では、ハイブリッド車両がエンジン直結走行する際、マネジメントECU123は、内燃機関111を最高効率運転点に近い運転点で運転するよう制御する。但し、内燃機関111の出力が要求駆動力よりも大きい場合、マネジメントECU123は、余剰出力によって電動機109を発電機として駆動し、電動機109が発電した電力を蓄電器101に充電するよう制御する。また、内燃機関111の出力が要求駆動力に満たない場合、マネジメントECU123は、蓄電器101が補助電力を電動機109に供給するよう制御する。これは、電動機109の動力が内燃機関111の出力を補う、上記説明したパラレル走行モードである。したがって、要求駆動力が変化しても、マネジメントECU123は、図7にハッチングした丸で示される運転点で内燃機関111を運転するよう制御する。
以上説明したマネジメントECU123の制御に基づく本実施形態のハイブリッド車両における総合的なエネルギー効率が導出される。図8は、ハイブリッド車両における総合的なエネルギー効率がシリーズ走行モード時よりもエンジン直結走行時の方が高くなる領域を示す図である。
図8に(a)で示すグラフでは、蓄電器101からの電力補助が行われる状態において、シリーズ走行モードよりもクラッチを締結してエンジン直結走行した方がエネルギー効率が向上する領域がハッチングによって示される。また、当該グラフには、エンジン直結走行時に蓄電器101から出力可能な補助電力に応じた当該領域の上限トルクが一点鎖線で示される。
図8に(b)で示すグラフでは、蓄電器101の充電が行われる状態において、シリーズ走行モードよりもクラッチを締結してエンジン直結走行した方がエネルギー効率が向上する領域がハッチングによって示される。また、当該グラフには、エンジン直結走行時に蓄電器101に充電可能な電力に応じた当該領域の下限トルクが二点鎖線で示される。なお、(a)に一点鎖線で示す上限トルク及び(b)に二点鎖線で示す下限トルクは、蓄電器101のSOC及びバッテリ温度に応じて異なる蓄電器101の充放電可能な電力範囲によって変化する。
(a)に一点鎖線で示す上限トルクと(b)に二点鎖線で示す下限トルクを1つのグラフに重ねると、図8の(c)にハッチングした領域で示すように、シリーズ走行モードよりもクラッチを締結してエンジン直結走行した方が総合的なエネルギー効率が向上する領域(以下「エンジン直結効率向上領域」という)が得られる。
図9は、マネジメントECU123の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、マネジメントECU123は、要求駆動力導出部201と、最大補助電力導出部203と、最大充電電力導出部205と、エンジン直結移行判断部207とを有する。
要求駆動力導出部201は、AP開度及び車速に基づいて、ハイブリッド車両に対する要求駆動力を導出する。最大補助電力導出部203は、バッテリECU127が導出した蓄電器101のSOC及びバッテリ温度に基づいて、蓄電器101が最大限出力可能な最大補助電力を導出する。最大充電電力導出部205は、バッテリECU127が導出した蓄電器101のSOC及びバッテリ温度に基づいて、蓄電器101の最大充電電力を導出する。
エンジン直結移行判断部207は、ハイブリッド車両がエンジン直結走行を行うときの、要求駆動力に対する内燃機関111の回転数Naで、最大補助電力導出部203が導出した最大補助電力が電動機109に供給される場合の内燃機関111の仮想運転点(図8の(c)に示す運転点A)、及び、最大充電電力導出部205が導出した最大充電電力が蓄電器101に充電される場合の内燃機関111の仮想運転点(図8の(c)に示す運転点B)の双方がエンジン直結効率向上領域の内側に位置すれば、エンジン直結走行への移行を許可する。このように、エンジン直結移行判断部207がシリーズ走行モードからエンジン直結走行への移行を許可した際には、マネジメントECU123はクラッチ117の締結要求を行う。
一方、エンジン直結移行判断部207は、エンジン直結走行中のハイブリッド車両において内燃機関111が例えば回転数NEbで運転されている時、最大補助電力導出部203が導出した最大補助電力が電動機109に供給される場合の内燃機関111の仮想運転点(図8の(c)に示す運転点C)、又は、最大充電電力導出部205が導出した最大充電電力が蓄電器101に充電される場合の内燃機関111の仮想運転点(図8の(c)に示す運転点D)がエンジン直結効率向上領域の外側に位置する場合、エンジン直結走行の解除を決定する。このように、エンジン直結移行判断部207がエンジン直結走行の解除を決定した際には、マネジメントECU123はクラッチ117の開放要求を行う。
また、エンジン直結移行判断部207は、蓄電器101の充放電可能な電力の範囲と、エンジン直結走行に移行するために必要な電力とに基づいて、エンジン直結走行への移行を禁止する。シリーズ走行モードで走行するハイブリッド車両がエンジン直結走行に移行するために必要な電力(以下「エンジン直結移行電力」という)は、エンジン直結走行時の内燃機関111の目標出力と、エンジン直結移行時に内燃機関111の回転数を目標回転数に合わせるために発電機113のトルクを調整するための電力と、電動機109に供給する電力との総和である。
エンジン直結走行への移行時には、内燃機関111の回転数を目標回転数に合わせているとき、内燃機関111のトルクをエンジン直結走行時の目標トルクに合わせるために必要な発電機113のトルクは大きくなる。但し、このとき、エンジン直結移行電力が蓄電器101の充放電可能な電力の範囲外であると、発電機113のトルクが制限されることが想定される。エンジン直結走行への移行時に発電機113のトルクが制限されると、内燃機関111のトルクの方が上回り、内燃機関111の回転数が上昇してしまう。したがって、本実施形態では、エンジン直結移行電力が蓄電器101の充放電可能な電力の範囲外であるとき、エンジン直結移行判断部207はエンジン直結走行への移行を禁止する。
図10は、エンジン直結移行電力が蓄電器101の充放電可能な電力の範囲外であるために、エンジン直結移行判断部207がエンジン直結走行への移行を禁止する場合のタイミングチャートの一例である。なお、図10に示すタイミングチャートでは、エンジン直結移行電力が蓄電器101の充放電可能な電力の範囲外であってもエンジン直結走行への移行が行われる場合の変化が一点鎖線で示される。
以上説明したように、本実施形態では、ハイブリッド車両がシリーズ走行モードで走行するときには、蓄電器101の充放電を前提に内燃機関111が最高効率運転点に近い運転点で運転され、ハイブリッド車両がエンジン直結走行するときも、蓄電器101の充放電を前提に内燃機関111が最高効率運転点に近い運転点で運転される。内燃機関111の出力効率はハイブリッド車両の総合的なエネルギー効率に大きな影響を与えるため、内燃機関111が最高効率運転点で運転されると、ハイブリッド車両の総合的なエネルギー効率が向上する。但し、シリーズ走行モード時のエネルギー効率とエンジン直結走行時のエネルギー効率はそれぞれ異なるため、シリーズ走行モードよりもエンジン直結走行した方が総合的なエネルギー効率が向上する「エンジン直結効率向上領域」を想定できる。
本実施形態では、シリーズ走行モードで走行するハイブリッド車両がエンジン直結走行に移行するか否かの判断を、エンジン直結走行時に蓄電器101からの電力補助が最大限行われる場合の内燃機関111の仮想運転点及びエンジン直結走行時に蓄電器101の充電が最大限行われる場合の内燃機関111の仮想運転点の双方が「エンジン直結効率向上領域」の内側に位置するか否かによって行う。このように、エンジン直結走行への移行の判断は、総合的なエネルギー効率の向上の如何に基づいて行われる。なお、シリーズ走行モードで走行するハイブリッド車両がエンジン直結走行に移行するために必要な電力であるエンジン直結移行電力が蓄電器101の充放電可能な電力の範囲外である際には、エンジン直結走行への移行が禁止される。
さらに、本実施形態では、エンジン直結走行中のハイブリッド車両において、蓄電器101からの電力補助を最大限行う場合の内燃機関111の仮想運転点及び蓄電器101の充電を最大限行う場合の内燃機関111の仮想運転点の少なくともいずれか一方が「エンジン直結効率向上領域」の外側に位置すれば、エンジン直結走行の解除が決定される。このように、エンジン直結走行の解除の判断も、総合的なエネルギー効率の向上の如何に基づいて行われる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
101 蓄電器(BATT)
103 温度センサ(TEMP)
105 コンバータ(CONV)
107 第1インバータ(第1INV)
109 電動機(MOT)
111 内燃機関(ENG)
113 発電機(GEN)
115 第2インバータ(第2INV)
117 クラッチ
119 ギアボックス
121 車速センサ
123 マネジメントECU(FI/MG ECU)
125 モータECU(MOT/GEN ECU)
127 バッテリECU(BATT ECU)
131 駆動軸
133 駆動輪
201 要求駆動力導出部
203 最大補助電力導出部
205 最大充電電力導出部
207 エンジン直結移行判断部

Claims (7)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関の駆動によって発電する発電機と、
    電動機に電力を供給する蓄電器と、
    駆動輪に接続され、前記蓄電器及び前記発電機の少なくとも一方からの電力供給によって駆動する前記電動機と、
    前記発電機と前記駆動輪の間に配置され、前記内燃機関から前記発電機を介した前記駆動輪までの動力の伝達経路を断接する動力伝達断接部と、を備え、前記電動機及び前記内燃機関の少なくとも一方からの動力によって走行するハイブリッド車両であって、
    前記動力伝達断接部を開放して、前記ハイブリッド車両が前記内燃機関の動力による前記発電機の発電電力によって駆動される前記電動機を駆動源としたシリーズ走行を行うか、前記動力伝達断接部を締結して、前記ハイブリッド車両が少なくとも前記内燃機関を駆動源としたエンジン直結走行を行うかを判断する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記ハイブリッド車両におけるアクセル操作に応じたアクセルペダル開度及び前記ハイブリッド車両の走行速度に基づいて、前記ハイブリッド車両に要求される駆動力を算出する要求駆動力算出部と、
    前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器が最大限出力可能な最大補助電力を導出する最大補助電力導出部と、
    前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器の最大充電電力を導出する最大充電電力導出部と、
    前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行を行うときの、前記要求駆動力算出部が算出した要求駆動力に対する前記内燃機関の回転数で、前記最大補助電力が前記電動機に供給される場合の前記内燃機関の仮想運転点と、前記最大充電電力が前記蓄電器に充電される場合の前記内燃機関の仮想運転点とが、前記ハイブリッド車両におけるエネルギー効率が前記シリーズ走行時よりも前記エンジン直結走行時の方が高くなる前記内燃機関の運転点の領域であるエンジン直結効率向上領域の内側に位置すれば、前記シリーズ走行から前記エンジン直結走行への移行を許可するエンジン直結移行判断部と、を有し、
    前記エンジン直結効率向上領域は、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器から出力可能な補助電力に応じた上限トルクと、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器に充電可能な電力に応じた下限トルクとによって囲まれた領域であることを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両であって、
    前記エンジン直結移行判断部は、
    前記エンジン直結走行中の前記ハイブリッド車両における前記内燃機関の回転数で、前記最大補助電力が前記電動機に供給される場合の前記内燃機関の仮想運転点、又は前記最大充電電力が前記蓄電器に充電される場合の前記内燃機関の仮想運転点が前記エンジン直結効率向上領域の外側に位置する場合、前記エンジン直結走行の解除を決定することを特徴とするハイブリッド車両。
  3. 請求項1に記載のハイブリッド車両であって、
    前記エンジン直結移行判断部は、
    前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行に移行するために必要な電力が、前記蓄電器の充放電可能な電力の範囲外であるとき、前記シリーズ走行から前記エンジン直結走行への移行を禁止することを特徴とするハイブリッド車両。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両であって、
    前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行を行うときの前記内燃機関の仮想運転点が、燃料消費率が最も良い運転点を結んだ燃費最良ラインに近い運転点となるように、前記制御部は、前記要求駆動力と前記仮想運転点とに基づいて、前記電動機が出力するエネルギー又は前記内燃機関によって前記電動機が発電するエネルギーを設定することを特徴とするハイブリッド車両。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両であって、
    前記エンジン直結効率向上領域は、前記電動機による出力補助及び前記内燃機関による前記電動機の発電に基づいて設定されることを特徴とするハイブリッド車両。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両であって、
    前記動力伝達断接部が締結されると、前記内燃機関の出力が機械エネルギーとして1段の固定ギアに基づく特定の変速比で変換されて前記駆動輪に伝達されることを特徴とするハイブリッド車両。
  7. 内燃機関と、
    前記内燃機関の駆動によって発電する発電機と、
    電動機に電力を供給する蓄電器と、
    駆動輪に接続され、前記蓄電器及び前記発電機の少なくとも一方からの電力供給によって駆動する前記電動機と、
    前記発電機と前記駆動輪の間に配置され、前記内燃機関から前記発電機を介した前記駆動輪までの動力の伝達経路を断接する動力伝達断接部と、を備え、前記電動機及び前記内燃機関の少なくとも一方からの動力によって走行するハイブリッド車両の制御方法であって、
    前記ハイブリッド車両は、
    前記動力伝達断接部を開放して、前記ハイブリッド車両が前記内燃機関の動力による前記発電機の発電電力によって駆動される前記電動機を駆動源としたシリーズ走行を行うか、前記動力伝達断接部を締結して、前記ハイブリッド車両が少なくとも前記内燃機関を駆動源としたエンジン直結走行を行うかを判断する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記ハイブリッド車両におけるアクセル操作に応じたアクセルペダル開度及び前記ハイブリッド車両の走行速度に基づいて、前記ハイブリッド車両に要求される駆動力を算出し、
    前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器が最大限出力可能な最大補助電力を導出し、
    前記蓄電器の状態に基づいて、前記蓄電器の最大充電電力を導出し、
    前記ハイブリッド車両が前記エンジン直結走行を行うときの、前記要求駆動力に対する前記内燃機関の回転数で、前記最大補助電力が前記電動機に供給される場合の前記内燃機関の仮想運転点と、前記最大充電電力が前記蓄電器に充電される場合の前記内燃機関の仮想運転点とが、前記ハイブリッド車両におけるエネルギー効率が前記シリーズ走行時よりも前記エンジン直結走行時の方が高くなる前記内燃機関の運転点の領域であるエンジン直結効率向上領域の内側に位置すれば、前記シリーズ走行から前記エンジン直結走行への移行を許可し、
    前記エンジン直結効率向上領域は、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器から出力可能な補助電力に応じた上限トルクと、前記エンジン直結走行時に前記蓄電器に充電可能な電力に応じた下限トルクとによって囲まれた領域であることを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
JP2014254450A 2014-12-16 2014-12-16 ハイブリッド車両及びその制御方法 Active JP5941973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254450A JP5941973B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 ハイブリッド車両及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254450A JP5941973B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 ハイブリッド車両及びその制御方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013524284A Division JPWO2014109063A1 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 ハイブリッド車両及びその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015071423A JP2015071423A (ja) 2015-04-16
JP5941973B2 true JP5941973B2 (ja) 2016-06-29

Family

ID=53014128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014254450A Active JP5941973B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 ハイブリッド車両及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5941973B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6183409B2 (ja) 2015-05-26 2017-08-23 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3624821B2 (ja) * 2000-11-22 2005-03-02 日産自動車株式会社 車両用制御装置
JP4066822B2 (ja) * 2003-01-23 2008-03-26 日産自動車株式会社 車両の制御装置
JP3777164B2 (ja) * 2003-02-19 2006-05-24 日野自動車株式会社 ハイブリッド自動車
JP4258513B2 (ja) * 2005-10-26 2009-04-30 トヨタ自動車株式会社 駆動装置の制御装置
JP4483860B2 (ja) * 2006-12-25 2010-06-16 株式会社デンソー 動力発生源制御装置、およびその動力発生源制御装置を備えたハイブリッド車両
JP2009040094A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Toyota Motor Corp ハイブリッド式の車両の出力制御装置、及び方法
WO2011074482A1 (ja) * 2009-12-16 2011-06-23 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両及びその制御方法
WO2011078189A1 (ja) * 2009-12-22 2011-06-30 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
BR112012025246A2 (pt) * 2010-04-05 2016-06-21 Honda Motor Co Ltd unidade de controle para veículo híbrido
JP5212749B2 (ja) * 2010-10-18 2013-06-19 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015071423A (ja) 2015-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5624995B2 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
JP5624996B2 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
WO2014109063A1 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
WO2014109064A1 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
JP6620134B2 (ja) ハイブリッド車両
WO2014109065A1 (ja) ハイブリッド車両の制御装置および制御方法
CN102958775B (zh) 混合动力车辆的控制装置以及具有该控制装置的混合动力车辆
CN103380047B (zh) 混合动力车辆的驱动控制装置
JP6156303B2 (ja) ハイブリッド車両
CN102883934A (zh) 混合动力车辆的控制装置及具有该控制装置的混合动力车辆
JP5811107B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置およびそれを備えるハイブリッド車両、ならびにハイブリッド車両の制御方法
CN102883933A (zh) 混合动力车辆的控制装置及具有该控制装置的混合动力车辆
CN103517841A (zh) 混合动力车辆的发动机启动控制装置
JP5941973B2 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
US10189345B2 (en) Control of internal combustion engine and rotating electrical machine for vehicle
JP2015013517A (ja) 車両の制御装置
WO2014038442A1 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2017154582A (ja) ハイブリッド車両

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150213

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5941973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150