JP5941628B2 - 地山補強用グラウトパイプ及びその設計方法 - Google Patents

地山補強用グラウトパイプ及びその設計方法 Download PDF

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本発明は、法面や山留め壁の安定化を図る際に用いられる地山補強用グラウトパイプ及びその設計方法に関する。
グランドアンカー工法は、法面に配置された法枠等の法面構造体と該法面の背後に拡がる地山に定着されたアンカーとを引張材を介して相互連結するとともに該引張材に緊張力を導入するものであって、引張材に導入された緊張力が法面構造体を介して法面に作用して地山のせん断抵抗が大きくなり、その崩壊を未然に防止することが可能となる。
これに対し、ネイリング工法は、芯材となる鉄筋を地山に差し込んでその周囲と地山との間にグラウト材を充填するものであって、鉄筋をその全長にわたって地山に定着することで、地山が動き出そうとするときの変形が鉄筋のせん断、曲げあるいは引張剛性で拘束されるものであり、グランドアンカー工法と同様、法面の崩落を防止しその安定化を図ることができる。
一方、芯材とそれを取り囲むように配置された袋体とを、地山に先行形成された補強材挿入孔に挿入し、しかる後、袋体の周面が補強材挿入孔の内面に当接するように該袋体にグラウト材を加圧注入する工法が知られている(特許文献1)。
かかる工法においては、袋体は、グラウト注入による膨張に伴い、補強材挿入孔を押し拡げるように周面が削孔内面に当接するので、グラウト材が固化した後は、周辺地山と強固に一体化する。
すなわち、同工法は、芯材全長にわたる地山への定着力に、袋体の押し拡げ作用による定着力が加わった形で地山の変形を拘束するものであって、ハイスペックネイリング(登録商標)の名称でもわかる通り、従前のネイリング工法よりも定着力が格段に優れたあらたな工法として大いに期待されている。
特開2006−188845号公報
上述した地山補強工法において、グラウト材を加圧注入するためのグラウト注入パイプを中空ボルトで構成するとともに、該グラウト注入パイプを地山に残置して芯材とする場合、該芯材の引張強度が地山の変形抑制性能に大きく寄与するため、芯材を設計する際には、中空ボルトに形成されたグラウト材の吐出口が引張荷重を負担する上での断面欠損となることを考慮する必要がある。
しかしながら、吐出口による断面欠損分を補うべく、許容応力度の高いパイプや断面積が大きいパイプを選択すると、他の断面位置では過剰設計となって経済性に欠ける結果となるのみならず、芯材の重量が大きくなって作業性も低下するという問題を生じていた。
また、地山の変形によってグラウト注入パイプに生じる引張荷重は、一般的には先端で小さく、基端側で大きくなるため、断面を基端側に合わせて製作すれば、安全側に設計することができるものの、先端側では安全側に過ぎる状況となり、やはり経済性に欠けるとともに作業性の低下も引き起こす。
加えて、上述した各問題は、芯材の全長が長ければ長いほど、より深刻となるため、規模が大きな地山補強工事を行う場合には、あらたな技術が求められていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、全長が長い場合であっても、経済性を損なわずかつ作業性も良好な地山補強用グラウトパイプ及びその設計方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る地山補強用グラウトパイプは請求項1に記載したように、グラウト材を圧送する中空空間が管軸方向に沿ってそれぞれ形成された2本のパイプ本体と、前記2本のパイプ本体のうち、一方のパイプ本体の端部が一端に他方のパイプ本体の端部が他端にそれぞれ接続され該各端につながる連通路が形成されたジョイント部材とを備えるとともに、前記連通路の中空空間が外部に連通するように該連通路を取り囲む周壁に吐出口を設け、前記ジョイント部材を、各端に形成された筒状凹部に前記各パイプ本体の端部がそれぞれ嵌合又は螺合自在となるように構成するとともに、前記筒状凹部のうち、一方の筒状凹部の底面から他方の筒状凹部の底面に抜ける貫通空間を前記連通路とし、前記一方のパイプ本体の内径が前記他方のパイプ本体の内径よりも小さくなるように形成するとともに、前記連通路を、その内径が前記他方の筒状凹部側で前記他方のパイプ本体の内径となるとともに前記一方の筒状凹部側で前記一方のパイプ本体の内径となり、かつこれらの間の内径が滑らかに変化するように構成したものである。
また、本発明に係る地山補強用グラウトパイプは、前記パイプ本体に形成された中空空間が外部に連通するように該パイプ本体に吐出口が設けられたものである。
また、本発明に係る地山補強用グラウトパイプの設計方法は、請求項1又は請求項2記載の地山補強用グラウトパイプを設計する方法であって、地山変形時に生じる引張荷重を前記地山補強用グラウトパイプの管軸方向に沿って求め、該引張荷重を下回らない許容引張荷重となるように、前記パイプ本体及び前記ジョイント部材の仕様をそれぞれ決定するものである。
本発明に係る地山補強用グラウトパイプを用いてグラウト工事を行う際には、ジョイント部材は、圧送されてきたグラウト材を連通路を介して他方のパイプ本体から一方のパイプ本体へと流しつつ、連通路を取り囲む周壁に設けられた吐出口を介してグラウト材を外部に吐出する役目を果たす。
一方、工事終了後においては、地山補強用グラウトパイプは、硬化したグラウト材を介して地山に定着されるとともに、該地山補強用グラウトパイプを構成するジョイント部材は、地山が変形しようとしたとき、パイプ本体とともに芯材として機能し、主として引張力でその変形に抵抗して地山の変形を抑制する。
ここで、ジョイント部材やパイプ本体は、上述した引張力に基づいて断面設計する必要があるが、吐出口を設けたことによるジョイント部材の断面欠損分は、該吐出口が設けられている周壁を厚くすることでこれを補うことができる。
そのため、引張荷重に対し、ジョイント部材を十分な強度で設計製作することができるとともに、吐出口による断面欠損の影響をジョイント部材だけにとどめることができる。
また、ジョイント部材を利用してその両側に互いに種類が異なるパイプ本体を接続することができるので、地山変形時の引張荷重に対し、より合理的な断面となるようにパイプ本体を設計することが可能となり、かくしてパイプ本体を過剰に安全設計することなく、経済的でかつ作業性にも優れた地山補強用グラウトパイプを製作することができる。
本発明は、地山補強用グラウトパイプとして組み立てられたときに互いに隣り合う箇所に位置決めされる2本のパイプ本体であれば、それらすべてに適用できるものであって、全体が何本のパイプ本体で構成されているかは問わないし、他の接続箇所が本発明のジョイント部材で接続されているのか、あるいは別のジョイント部材で接続されているのかも問わない。
パイプ本体やジョイント部材の外径については任意であり、例えば一方のパイプ本体の外径が他方のパイプ本体の外径よりも小さくなるように選択する、すなわち、一方のパイプ本体を断面積が小さい部材で構成してこれを先端側に配置するとともに、他方のパイプ本体を断面積が大きい部材で構成してこれを基端側に配置するようにすれば、地山変形時に生じる引張荷重に対し、地山補強用グラウトパイプの部材断面を合理的に設計しやすくなる。
ここで、発明に係る地山補強用グラウトパイプにおいては、前記一方のパイプ本体の内径が前記他方のパイプ本体の内径よりも小さくなるように形成するとともに、前記連通路を、その内径が前記他方の筒状凹部側で前記他方のパイプ本体の内径となるとともに前記一方の筒状凹部側で前記一方のパイプ本体の内径となり、かつこれらの間の内径が滑らかに変化するように構成する。このようにしたならば、内径が異なるパイプ本体を用いる場合であっても、地山変形時に生じる引張荷重に対して合理的に断面設計を行いつつ、ジョイント部材の連通路を流れるグラウト材の圧力損失を低減することが可能となる。
本発明においては、上述したように、2本のパイプ本体を相互接続するジョイント部材の周壁に吐出口を設けるとともに、該周壁の厚みを適宜設定することで、該吐出口による断面欠損を補うようにしたものであり、かかる構成により、各パイプ本体については、吐出口による断面欠損の影響を受けずに断面設計を行うことが可能となるが、各パイプ本体に生じる引張荷重に対し、断面に余裕があるために、吐出口による断面欠損を考慮してもなお、その引張荷重を十分に支持できるのであれば、該パイプ本体に吐出口を設けるようにしてもかまわない。
このようにすれば、発生引張荷重に対する断面の合理化という面では十分ではないとしても、部材点数が大幅に減少するため、断面について多少安全側に設計したとしても、全体としては十分合理的なコストで地山補強用グラウトパイプを製作することが可能となる。
参考発明に係る地山補強材においては、パイプ本体は、圧送されてきたグラウト材を、従来と同様、吐出口を介して外部に吐出する役目を果たすが、パイプ本体に配置された補剛部材は、吐出口が露出するように配置されるため、グラウト工事には何ら差し支えない。
一方、工事終了後においては、従来と同様、パイプ本体は芯材として機能し、主として引張力でその変形に抵抗して地山の変形を抑制するので、その引張力に基づいてパイプ本体を断面設計する必要があるが、パイプ本体には、吐出口の周囲に拡がる外周面が覆われるように補剛部材を配置してある。
そのため、吐出口を介したグラウト材の吐出を何ら妨げることなく、吐出口によるパイプ本体の断面欠損分を補剛部材で補うことが可能となり、かくしてパイプ本体を過剰に安全設計することなく、経済的でかつ作業性にも優れた地山補強用グラウトパイプを製作することが可能となる。
補剛部材は、パイプ本体の吐出口が露出し、かつその周囲に拡がるパイプ本体の外周面が覆われるように、該パイプ本体に配置できる限り、どのような構成とするかは任意であって、例えば、吐出口を露出させる露出開口が設けられたスリーブ材で構成することができるし、炭素繊維やアラミド繊維などからなる補強繊維シートを巻き付け、しかる後、露出開口を形成し、又は予め露出開口を形成することで構成が可能である。
なお、補剛部材は、圧着によって周面摩擦力を介在させる構成をはじめ、溶着、接着、螺着、嵌着その他パイプ本体の引張剛性を高めることが可能な取付け手段でパイプ本体に取り付けるものとする。
露出開口は、スリーブ材をパイプ本体に配置したとき、吐出口と重なるように同径同寸とするほか、吐出口よりも一回り大きく形成するなどの構成が可能である。
発明に係る地山補強用グラウトパイプを設計するにあたり、地山変形時に生じる引張荷重を地山補強用グラウトパイプの管軸方向に沿って求め、次いで、該引張荷重を下回らない許容引張荷重となるように、パイプ本体及びジョイント部材の仕様、例えば鋼種や断面積を決定するようにすれば、与えられた引張荷重に対して合理的な断面となるようにパイプ本体を設計することが可能となり、かくしてパイプ本体を過剰に安全設計することなく、経済的でかつ作業性にも優れた地山補強用グラウトパイプを製作することができる。
第1実施形態に係る地山補強用グラウトパイプの図であり、(a)は全体図、(b)はジョイント部材周辺の詳細図、(c)はA−A線方向に沿う断面図。 本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプを設計する際の様子を示した説明図。 変形例に係る地山補強用グラウトパイプの管軸方向に沿った詳細断面図。 別の変形例に係る地山補強用グラウトパイプの管軸方向に沿った詳細断面図。 別の変形例に係る地山補強用グラウトパイプを示した全体図。 第2実施形態に係る地山補強用グラウトパイプの図であり、(a)は全体図、(b)は管軸方向に沿った詳細断面図。
以下、本発明に係る地山補強用グラウトパイプ及びその設計方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプを示した全体図である。同図でわかるように、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ1は、5本のパイプ本体2a〜2eとそれらを列状に相互接続する4つのジョイント部材4とを備えており、パイプ本体2aとパイプ本体2eに両端がそれぞれ固定された袋体3内にグラウトを注入するとともに、グラウトが硬化して袋体3が地山に定着された後は、主として引張力によって地山の変形を抑制する芯材として機能するようになっている。なお、地山補強用グラウトパイプ1は、袋体3とともに地山補強材を構成する。
5本のパイプ本体2a〜2eは、グラウト材を圧送する中空空間が管軸方向に沿って形成された鋼製の中空ボルトでそれぞれ構成してあるとともに、引張許容荷重が、地山に形成された補強材挿入孔の最も奥に配置される先端側のパイプ本体2aで最小で、基端側に沿って段階的に大きくなり、最も手前に配置される基端側のパイプ本体2eで最大となるようにそれぞれ構成してある。
引張許容荷重は、地山変形時に各パイプ本体2a〜2eに生じる引張荷重を越えないように適宜設定すればよい。
ジョイント部材4は図1(b)及び(c)に示すように概ねスリーブ状をなし、一端に筒状凹部5を、他端に筒状凹部6を形成してあるとともに、該各筒状凹部の内面に雌ネジを切ってあり、パイプ本体2aの端部8に形成された雄ネジを筒状凹部5の雌ネジに、パイプ本体2bの端部8に形成された雄ネジを筒状凹部6の雌ネジにそれぞれ螺合することで、パイプ本体2a,2bを相互接続できるようになっている。
なお、ジョイント部材4は図1(a)に示したように、5本のパイプ本体2a〜2eのうち、他の隣り合う2本のパイプ本体、すなわちパイプ本体2b,2c、パイプ本体2c,2d、パイプ本体2d,2eについても相互に接続できるようになっているが、いずれもパイプ本体2a,2bの相互接続と同様であるので、以下、特記なき限り、パイプ本体2a,2bの符号を置き換えることで、他の接続についての説明として読み替えるものとする。
ジョイント部材4には、筒状凹部5の底面から筒状凹部6の底面に抜ける貫通空間が、各端につながる連通路9として形成してあるとともに、該連通路の中空空間が外部に連通するように該連通路を取り囲む周壁11に吐出口12を設けてある。
ここで、連通路9は、パイプ本体2a及びパイプ本体2bと同一内径の円形断面空間となるように構成してある。
図2は、地山補強用グラウトパイプ1を設計する際の様子を示した説明図である。同図でわかるように、地山補強用グラウトパイプ1を設計するにあたっては、まず、地山変形時に生じる引張荷重を管軸方向に沿って求め(同図右上がり斜線)、次いで、該引張荷重を下回らない許容引張荷重となるように(同図階段状の折れ線)、パイプ本体2a〜2eの鋼種及び断面積並びにジョイント部材4の周壁11の厚さ(断面積)を設定する。なお、同図では、図面の便宜上、パイプ本体2b〜2dについてのみ図示し、先端側のパイプ本体2a及び基端側のパイプ本体2eは省略した。
同図でわかるように、接合箇所では、ジョイント部材4とパイプ本体2b〜2dとの重複部分で許容引張荷重が大きくなり、その間に挟まれた吐出口12の設置領域で許容引張荷重が小さくなっているが、吐出口12を設けたことによる断面欠損状態では、一点鎖線で示すように許容引張荷重が引張荷重を下回る場合であっても、周壁11を厚くすることで断面積が大きくなり、許容引張荷重が引張荷重を上回っていることがわかる。
本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ1を用いてグラウト工事を行う際には、まず、パイプ本体2eの基端側にグラウト圧送ポンプ(図示せず)を接続し、該グラウト圧送ポンプを駆動することで、グラウト材をパイプ本体2e、パイプ本体2d、パイプ本体2c、パイプ本体2b、パイプ本体2aの順に圧送するが、ジョイント部材4は、圧送されてきたグラウト材を連通路9を介して上流側のパイプ本体から下流側のパイプ本体へと流しつつ、連通路9を取り囲む周壁11に設けられた吐出口12を介してグラウト材を吐出して袋体3に注入する役目を果たす。
一方、工事終了後においては、地山補強用グラウトパイプ1は、硬化したグラウト材を介して地山に定着されるとともに、ジョイント部材4は、地山が変形しようとしたとき、パイプ本体2a〜2eとともに芯材として機能し、主として引張力でその変形に抵抗して地山の変形を抑制する。
ここで、ジョイント部材4には吐出口12を設けてあるため、その開口面積が断面欠損となるが、その分、周壁11を厚くしてあるので、地山変形時の引張荷重を支持する断面としては何ら問題はない。
以上説明したように、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ1及びその設計方法によれば、ジョイント部材4やパイプ本体2a〜2eは、地山変形時に生じる引張力に基づいて断面設計する必要があるが、吐出口12を設けたことによるジョイント部材4の断面欠損分は、該吐出口が設けられている周壁11を厚くすることでこれを補うことができる。
そのため、引張荷重に対し、ジョイント部材4を十分な強度で設計製作することが可能になるとともに、吐出口12による断面欠損の影響をジョイント部材4だけにとどめることができる。
また、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ1及びその設計方法によれば、ジョイント部材4を利用してその両側に互いに種類が異なるパイプ本体2a〜2eを接続することができるので、地山変形時の引張荷重に対し、より合理的な断面となるようにパイプ本体2a〜2eを選択あるいは設計することが可能となり、かくしてパイプ本体2a〜2eを過剰に安全設計することなく、経済的でかつ作業性にも優れた地山補強用グラウトパイプ1を製作することができる。
また、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ1によれば、ジョイント部材4の連通路9を、パイプ本体2a〜2eと同一内径の円形断面空間となるように構成したので、グラウト材を圧送する際の圧力損失を最小限にとどめることが可能となる。
本実施形態では、各パイプ本体2a〜2eの外径を同一としたが、各パイプ本体の外径をどのように設定するかは任意であり、例えば図3に示すように、最も基端側に近いパイプ本体22eの外径を、他のパイプ本体2a〜2dの外径よりも大きくするとともに、ジョイント部材24においては、筒状凹部6′の内径を筒状凹部5の内径よりも大きく構成し、筒状凹部6′にパイプ本体22eの端部8′を螺合するすることで、パイプ本体2d及びパイプ本体22eを相互に接続することができる。
かかる構成によれば、引張荷重が大きい基端側において、より大きな断面積のパイプ本体を用いることができるので、地山変形時に生じる引張荷重に対し、地山補強用グラウトパイプの部材断面を合理的に設計しやすくなる。
なお、上述した変形例では、基端側に近い一箇所でのみ、外径が異なるパイプ本体同士を相互接続するようにしたが、いずれの箇所に適用するかは任意であって、例えばすべての接続箇所に上述した異径接続を適用するようにしてもかまわない。
かかる構成によれば、パイプ本体の許容引張荷重をより細かく段階設定することが可能となり、地山変形時に生じる引張荷重に対し、さらなる設計の合理化が可能となる。
また、内径についても同様に任意であり、例えば図4に示すように、最も基端側に近いパイプ本体32eを、他のパイプ本体2a〜2dよりも内外径とも大きく構成し、ジョイント部材34を、その連通路9′の内径が筒状凹部5側でパイプ本体2dの内径となるとともに、パイプ本体32eが接続される筒状凹部6″側でパイプ本体32eの内径となり、かつこれらの間の内径が滑らかに変化するように構成することができる。
かかる構成によれば、引張荷重が大きい基端側において、より大きな断面積のパイプ本体32eを用いることができるので、地山補強用グラウトパイプの断面をより合理的に設計することが可能となる。
また、内径が異なるパイプ本体を用いる場合であっても、発生引張荷重に対して合理的に断面設計を行いつつ、ジョイント部材34の連通路9′を流れるグラウト材の圧力損失を低減することが可能となる。
また、本実施形態では、パイプ本体が接続されるすべての箇所で本発明のジョイント部材を用いるようにしたが、すべての接続箇所を本発明のジョイント部材で接続する必要はない。
また、本実施形態では、パイプ本体に吐出口を設けないようにしたが、各パイプ本体に生じる引張荷重に対し、断面に余裕があるために、吐出口による断面欠損を考慮してもなお、その引張荷重を十分に支持できるのであれば、該パイプ本体に吐出口を設けるようにしてもかまわない。
図5は、かかる変形例を示したものであり、3つの吐出口12が設けられたパイプ本体52とパイプ本体2eとをジョイント部材4で相互接続してある。
このようにすれば、発生引張荷重に対する断面の合理化という面では十分ではないとしても、部材点数が大幅に減少するため、断面について多少安全側に設計したとしても、全体としては十分合理的なコストで地山補強用グラウトパイプを製作することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)は、第2実施形態に係る地山補強用グラウトパイプを示した全体図である。同図でわかるように、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ61は、パイプ本体2と該パイプ本体に配置された補剛部材としてのスリーブ材62とを備えており、パイプ本体2に両端が固定された袋体3内にグラウトを注入するとともに、グラウトが硬化して袋体3が地山に定着された後は、主として引張力によって地山の変形を抑制する芯材として機能するようになっている。なお、地山補強用グラウトパイプ61は、袋体3とともに地山補強材を構成する。
パイプ本体2は、グラウト材を圧送する中空空間が管軸方向に沿って形成された鋼製の中空ボルトで構成してあるとともに、該中空ボルトには、中空空間が外部に連通するように吐出口12を設けてある。
スリーブ材62は、パイプ本体2に設けられた吐出口12が塞がらないように露出させる露出開口63を形成してあり、該露出開口が吐出口12に重なるようにパイプ本体2に配置することにより、グラウト材の吐出を妨げることなく、吐出口12の周囲に拡がるパイプ本体2の外周面を覆うようになっている。
スリーブ材62は、パイプ本体2の引張剛性を補剛できるよう、例えば鋼製スリーブで構成するとともに、該鋼製スリーブを溶接によってパイプ本体2に固着するようにすればよい。
本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ61を用いてグラウト工事を行う際には、従来と同様、パイプ本体2の基端側に接続されたグラウト圧送ポンプ(図示せず)を用いてグラウト材を圧送するとともに、該グラウト材をパイプ本体2に設けられた吐出口12を介して吐出し、袋体3に注入するが、スリーブ材62は、その露出開口63がパイプ本体2の吐出口12に一致するように配置してあるため、吐出口12は、スリーブ材62で塞がれることなく露出し、グラウト材の吐出作業には何ら支障はない。
一方、工事終了後においては、地山補強用グラウトパイプ61は、硬化したグラウト材を介して地山に定着されるとともに、地山が変形しようとしたときに芯材として機能し、主として引張力でその変形に抵抗して地山の変形を抑制する。
ここで、吐出口12の開口面積がパイプ本体2の断面欠損となるが、かかる断面欠損は、スリーブ材62で補うことができるので、地山変形時の引張荷重を支持する断面としては何ら問題はない。
以上説明したように、本実施形態に係る地山補強用グラウトパイプ61によれば、パイプ本体2の吐出口12が露出しかつその周囲に拡がるパイプ本体2の外周面が覆われるようにスリーブ材62を配置したので、吐出口12を介したグラウト材の吐出を何ら妨げることなく、吐出口12を設けたことによるパイプ本体2の断面欠損分をスリーブ材62で補うことができる。
そのため、吐出口12による断面欠損の影響を考慮することなく、パイプ本体2を設計することが可能となり、かくしてパイプ本体2を過剰に安全設計することなく、経済的でかつ作業性にも優れた地山補強用グラウトパイプを製作することが可能となる。
本実施形態では、パイプ本体2に設けられた吐出口12の全てにスリーブ材62を配置するようにしたが、引張荷重が小さいために吐出口12による断面欠損を考慮してもなお、その引張荷重を十分に支持できるのであれば、地山補強用グラウトパイプ61のスリーブ材62のうち、例えば先端側に配置されたスリーブ材を省略することができる。
1,61 地山補強用グラウトパイプ
2,2a〜2e,22e,32e,52
パイプ本体
袋体
4,24,34 ジョイント部材
5 筒状凹部
6,6′,6″ 筒状凹部
8,8′,8″ パイプ本体の端部
9 連通路
11 周壁
12 吐出口
62 スリーブ材(補剛部材)
63 露出開口

Claims (3)

  1. グラウト材を圧送する中空空間が管軸方向に沿ってそれぞれ形成された2本のパイプ本体と、前記2本のパイプ本体のうち、一方のパイプ本体の端部が一端に他方のパイプ本体の端部が他端にそれぞれ接続され該各端につながる連通路が形成されたジョイント部材とを備えるとともに、前記連通路の中空空間が外部に連通するように該連通路を取り囲む周壁に吐出口を設け、前記ジョイント部材を、各端に形成された筒状凹部に前記各パイプ本体の端部がそれぞれ嵌合又は螺合自在となるように構成するとともに、前記筒状凹部のうち、一方の筒状凹部の底面から他方の筒状凹部の底面に抜ける貫通空間を前記連通路とし、前記一方のパイプ本体の内径が前記他方のパイプ本体の内径よりも小さくなるように形成するとともに、前記連通路を、その内径が前記他方の筒状凹部側で前記他方のパイプ本体の内径となるとともに前記一方の筒状凹部側で前記一方のパイプ本体の内径となり、かつこれらの間の内径が滑らかに変化するように構成したことを特徴とする地山補強用グラウトパイプ。
  2. 前記パイプ本体に形成された中空空間が外部に連通するように該パイプ本体に吐出口が設けられた請求項1記載の地山補強用グラウトパイプ。
  3. 請求項1又は請求項2記載の地山補強用グラウトパイプを設計する方法であって、地山変形時に生じる引張荷重を前記地山補強用グラウトパイプの管軸方向に沿って求め、該引張荷重を下回らない許容引張荷重となるように、前記パイプ本体及び前記ジョイント部材の仕様をそれぞれ決定することを特徴とする地山補強用グラウトパイプの設計方法。
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