JP2003239698A - 樹脂ボルト - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 主にトンネル工事で穿孔ボルトやアンカーボ
ルト等として用いられる樹脂ボルトにおいて、削孔壁面
との接触による摩耗を防止し耐ねじれ破壊強度を高める
とともに、ねじ金具の内端側端部の薄肉部を無くして当
該ねじ部の剛性を高めた樹脂ボルトを提供する。 【解決手段】 繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の
両端部に、外周面にねじ部を有するねじ金具が装着され
てなる樹脂ボルトにおいて、前記ねじ金具にねじ山のな
いストレート部分を設け、さらに前記中空ボルト本体部
のほぼ中央部に金属製または合成樹脂製の保護スリーブ
を外嵌固着したことを特徴とする。
ルト等として用いられる樹脂ボルトにおいて、削孔壁面
との接触による摩耗を防止し耐ねじれ破壊強度を高める
とともに、ねじ金具の内端側端部の薄肉部を無くして当
該ねじ部の剛性を高めた樹脂ボルトを提供する。 【解決手段】 繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の
両端部に、外周面にねじ部を有するねじ金具が装着され
てなる樹脂ボルトにおいて、前記ねじ金具にねじ山のな
いストレート部分を設け、さらに前記中空ボルト本体部
のほぼ中央部に金属製または合成樹脂製の保護スリーブ
を外嵌固着したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にトンネル工事
で穿孔ボルトやアンカーボルト等として用いられる樹脂
ボルトに係り、より詳しくはボルト本体の両端部にねじ
金具を装着してなる樹脂ボルトに関するものである。
で穿孔ボルトやアンカーボルト等として用いられる樹脂
ボルトに係り、より詳しくはボルト本体の両端部にねじ
金具を装着してなる樹脂ボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネル工事用資材として、鋼鉄
製のボルトに替えて、ポリエステル、エポキシレジン等
の熱硬化性樹脂等の合成樹脂製のボルト(単に樹脂ボル
トともいう)が耐食性および軽量化等の点で優れている
ことから多く採用されつつある。例えば、特公平5−2
0559号公報には、ガラス繊維強化合成樹脂からなる
中実ボルトを、炭坑等の坑道壁部を支持するためのアン
カーボルトとして使用することが開示されており、また
特開平9−184400号公報には、繊維強化合成樹脂
からなる中空ボルトを、トンネル工事での穿孔機能およ
び注入材料(硬化材等)の充填機能を兼備させた自穿孔
ボルトとして使用することが開示されている。
製のボルトに替えて、ポリエステル、エポキシレジン等
の熱硬化性樹脂等の合成樹脂製のボルト(単に樹脂ボル
トともいう)が耐食性および軽量化等の点で優れている
ことから多く採用されつつある。例えば、特公平5−2
0559号公報には、ガラス繊維強化合成樹脂からなる
中実ボルトを、炭坑等の坑道壁部を支持するためのアン
カーボルトとして使用することが開示されており、また
特開平9−184400号公報には、繊維強化合成樹脂
からなる中空ボルトを、トンネル工事での穿孔機能およ
び注入材料(硬化材等)の充填機能を兼備させた自穿孔
ボルトとして使用することが開示されている。
【0003】ところで、この種の樹脂ボルトにおいて
は、他の部材(例えばアンカーボルトの場合加圧ナッ
ト、自穿孔ボルトの場合削孔クラウンおよび穿孔機等)
と自在に結合するために、端部にねじ部を形成する必要
があり、またそのねじ部の剛性を高めるために、外周面
にねじ部を有する金属製の部材すなわちねじ金具をボル
ト本体の端部に装着することが通常行われている(特開
平9−184400号公報参照)。図5、図6はその樹
脂ボルトを例示したもので、その構造は繊維強化合成樹
脂製の中空ボルト本体11の両端部に、外周面にねじ部
13を有するステンレス製のねじ金具12が装着された
もので、ねじ金具12は中空ボルト本体11の端部に予
め形成したねじ部14にねじ込まれかつ両者間に充填し
た二液性硬化型エポキシ樹脂等の接着剤により固着され
ている。また、中空ボルト本体11の開口端部には、鍔
部15aを有する鋼鉄製の筒体15がその鍔部15aを
ボルト本体11の開口端面に当接させる位置まで圧入さ
れている。なお、トンネル工事用の樹脂ボルトの全長は
2m〜6m、ねじ金具12の長さは100mm、肉厚は
0.5〜0.8mm、ねじ部14は山部および谷部に丸
みを持たせたいわゆるロープねじである。
は、他の部材(例えばアンカーボルトの場合加圧ナッ
ト、自穿孔ボルトの場合削孔クラウンおよび穿孔機等)
と自在に結合するために、端部にねじ部を形成する必要
があり、またそのねじ部の剛性を高めるために、外周面
にねじ部を有する金属製の部材すなわちねじ金具をボル
ト本体の端部に装着することが通常行われている(特開
平9−184400号公報参照)。図5、図6はその樹
脂ボルトを例示したもので、その構造は繊維強化合成樹
脂製の中空ボルト本体11の両端部に、外周面にねじ部
13を有するステンレス製のねじ金具12が装着された
もので、ねじ金具12は中空ボルト本体11の端部に予
め形成したねじ部14にねじ込まれかつ両者間に充填し
た二液性硬化型エポキシ樹脂等の接着剤により固着され
ている。また、中空ボルト本体11の開口端部には、鍔
部15aを有する鋼鉄製の筒体15がその鍔部15aを
ボルト本体11の開口端面に当接させる位置まで圧入さ
れている。なお、トンネル工事用の樹脂ボルトの全長は
2m〜6m、ねじ金具12の長さは100mm、肉厚は
0.5〜0.8mm、ねじ部14は山部および谷部に丸
みを持たせたいわゆるロープねじである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、図5、図6
に示すような構造の従来の樹脂ボルトには、次に記載す
る問題点がある。例えば掘削中のトンネルの天端部に前
記樹脂ボルトを打込んで地山を補強する場合は、図7に
示すように先端に削孔ビット17を螺着した樹脂ボルト
Aの後端に注入孔付きの接続スリーブ(継手)16を介
して後続の樹脂ボルトAを順次接続しながら回転穿孔機
によって高速で回転させて穿孔しながら打込み、その打
込んだ樹脂ボルトAを岩盤に残存させたまま最後尾の樹
脂ボルトAの基端部に注入アダプター18を接続し、注
入機によりモルタル等の硬化材を地山に注入するが、樹
脂ボルトAを回転穿孔機によって高速で回転させて地山
に打込む際、図8に示すように長尺の樹脂ボルトの場合
穿孔機によってかかる大きな押圧力によって当該樹脂ボ
ルトが縄跳びの縄のように弓状に湾曲し、当該樹脂ボル
トAの両端のねじ金具12を除く中空ボルト本体11の
ほぼ中央部分が削孔壁面19に接触して摩耗し、過度に
摩耗するとその部分からねじれ破壊を起こすことがあ
る。また、従来の樹脂ボルトの場合は、図6に拡大して
示すように中空ボルト本体11の端部にねじ込まれ接着
剤にて固着されたねじ金具12の内端側端部のボルト本
体の外周面に必然的に溝11aが形成されて当該部分の
ボルトの肉厚が薄肉となり、当該部分の剛性強度が低下
することにより樹脂ボルトが前記のように弓状に湾曲し
たりすると前記薄肉部分への応力集中により当該部分か
ら折損することがあった。
に示すような構造の従来の樹脂ボルトには、次に記載す
る問題点がある。例えば掘削中のトンネルの天端部に前
記樹脂ボルトを打込んで地山を補強する場合は、図7に
示すように先端に削孔ビット17を螺着した樹脂ボルト
Aの後端に注入孔付きの接続スリーブ(継手)16を介
して後続の樹脂ボルトAを順次接続しながら回転穿孔機
によって高速で回転させて穿孔しながら打込み、その打
込んだ樹脂ボルトAを岩盤に残存させたまま最後尾の樹
脂ボルトAの基端部に注入アダプター18を接続し、注
入機によりモルタル等の硬化材を地山に注入するが、樹
脂ボルトAを回転穿孔機によって高速で回転させて地山
に打込む際、図8に示すように長尺の樹脂ボルトの場合
穿孔機によってかかる大きな押圧力によって当該樹脂ボ
ルトが縄跳びの縄のように弓状に湾曲し、当該樹脂ボル
トAの両端のねじ金具12を除く中空ボルト本体11の
ほぼ中央部分が削孔壁面19に接触して摩耗し、過度に
摩耗するとその部分からねじれ破壊を起こすことがあ
る。また、従来の樹脂ボルトの場合は、図6に拡大して
示すように中空ボルト本体11の端部にねじ込まれ接着
剤にて固着されたねじ金具12の内端側端部のボルト本
体の外周面に必然的に溝11aが形成されて当該部分の
ボルトの肉厚が薄肉となり、当該部分の剛性強度が低下
することにより樹脂ボルトが前記のように弓状に湾曲し
たりすると前記薄肉部分への応力集中により当該部分か
ら折損することがあった。
【0005】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決するためになされたもので、削孔壁面との接触による
摩耗を防止し耐ねじれ破壊強度を高めるとともに、ねじ
金具の内端側端部の薄肉部を無くして当該ねじ部の剛性
を高めた樹脂ボルトを提供しようとするものである。
決するためになされたもので、削孔壁面との接触による
摩耗を防止し耐ねじれ破壊強度を高めるとともに、ねじ
金具の内端側端部の薄肉部を無くして当該ねじ部の剛性
を高めた樹脂ボルトを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂ボルト
は、繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の両端部に、
外周面にねじ部を有するねじ金具が装着されてなる樹脂
ボルトにおいて、前記両端部のねじ金具間の中空ボルト
本体に金属製または合成樹脂製の保護スリーブが少なく
とも1つ外嵌固着されていることを特徴とするものであ
る。また、前記ねじ金具は内端側端部にねじ山のないス
トレート部分を有するものを用いることを特徴とする。
さらに、本発明は前記ストレート部分を有するねじ金具
と、中空ボルト本体部のほぼ中央部に前記保護スリーブ
を備えたものを特徴とするものである。なお、前記金属
製または合成樹脂製保護スリーブは、一体物または複数
分割構造からなるものを選択して用いることができる。
また、前記金属製または合成樹脂製保護スリーブの部分
に、中空ボルト本体内部に通ずる注入孔を設け、当該部
分からもモルタル等の硬化材を地山に注入できるように
することもできる。
は、繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の両端部に、
外周面にねじ部を有するねじ金具が装着されてなる樹脂
ボルトにおいて、前記両端部のねじ金具間の中空ボルト
本体に金属製または合成樹脂製の保護スリーブが少なく
とも1つ外嵌固着されていることを特徴とするものであ
る。また、前記ねじ金具は内端側端部にねじ山のないス
トレート部分を有するものを用いることを特徴とする。
さらに、本発明は前記ストレート部分を有するねじ金具
と、中空ボルト本体部のほぼ中央部に前記保護スリーブ
を備えたものを特徴とするものである。なお、前記金属
製または合成樹脂製保護スリーブは、一体物または複数
分割構造からなるものを選択して用いることができる。
また、前記金属製または合成樹脂製保護スリーブの部分
に、中空ボルト本体内部に通ずる注入孔を設け、当該部
分からもモルタル等の硬化材を地山に注入できるように
することもできる。
【0007】本発明において、中空ボルト本体の両端部
のねじ金具間に金属製または合成樹脂製保護スリーブを
装着することとしたのは、穿孔機によりかかる大きな押
圧力によって当該樹脂ボルトが弓状に湾曲した際に削孔
壁面に接触してボルト自体が摩耗するのを防止するため
と、樹脂ボルト自体の剛性強度をより高めるためであ
る。したがって、この保護スリーブは1個の場合は樹脂
ボルトのほぼ中央部付近に設けるのが好ましく、複数の
場合は樹脂ボルトの中央部と他の任意の位置に設ければ
よい。また、ねじ金具にねじ山のないストレート部分を
設けたのは、ねじ金具の内端側端部の薄肉部を無くして
当該ねじ部の剛性を高めるためである。さらに、前記保
護スリーブおよび中空ボルト本体に、該ボルト本体内部
に通ずる注入孔を設けて、当該部分からもモルタル等の
硬化材を地山に注入できるようにすれば、樹脂ボルトの
最先端部および継手部分だけでなく、この保護スリーブ
の部分にも地山補強部が形成され、樹脂ボルトと地山の
一体性がより強固になって樹脂ボルトの引張強度が増大
することとなる。なお、前記保護スリーブは金属製の場
合はねじ金具と同じ材質のステンレス製が一般的であ
り、樹脂製の場合はボルト本体と同じ材質、例えばポリ
エステル、エポキシレジン等の熱硬化性樹脂を用いるこ
とができる。
のねじ金具間に金属製または合成樹脂製保護スリーブを
装着することとしたのは、穿孔機によりかかる大きな押
圧力によって当該樹脂ボルトが弓状に湾曲した際に削孔
壁面に接触してボルト自体が摩耗するのを防止するため
と、樹脂ボルト自体の剛性強度をより高めるためであ
る。したがって、この保護スリーブは1個の場合は樹脂
ボルトのほぼ中央部付近に設けるのが好ましく、複数の
場合は樹脂ボルトの中央部と他の任意の位置に設ければ
よい。また、ねじ金具にねじ山のないストレート部分を
設けたのは、ねじ金具の内端側端部の薄肉部を無くして
当該ねじ部の剛性を高めるためである。さらに、前記保
護スリーブおよび中空ボルト本体に、該ボルト本体内部
に通ずる注入孔を設けて、当該部分からもモルタル等の
硬化材を地山に注入できるようにすれば、樹脂ボルトの
最先端部および継手部分だけでなく、この保護スリーブ
の部分にも地山補強部が形成され、樹脂ボルトと地山の
一体性がより強固になって樹脂ボルトの引張強度が増大
することとなる。なお、前記保護スリーブは金属製の場
合はねじ金具と同じ材質のステンレス製が一般的であ
り、樹脂製の場合はボルト本体と同じ材質、例えばポリ
エステル、エポキシレジン等の熱硬化性樹脂を用いるこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかる樹脂ボルト
の一実施例を一部省略して示す側面図、図2は同上樹脂
ボルトの一方のねじ金具の部分を拡大して示す縦断側面
図、図3は同上樹脂ボルトの保護スリーブの部分を拡大
して示す縦断側面図、図4は本発明の他の実施例を示す
図3相当図であり、1は中空ボルト本体、2はねじ金
具、3はねじ金具のねじ部、3aはねじ部のないストレ
ート部、4はボルト本体のねじ部、5は筒体、Sは保護
スリーブである。
の一実施例を一部省略して示す側面図、図2は同上樹脂
ボルトの一方のねじ金具の部分を拡大して示す縦断側面
図、図3は同上樹脂ボルトの保護スリーブの部分を拡大
して示す縦断側面図、図4は本発明の他の実施例を示す
図3相当図であり、1は中空ボルト本体、2はねじ金
具、3はねじ金具のねじ部、3aはねじ部のないストレ
ート部、4はボルト本体のねじ部、5は筒体、Sは保護
スリーブである。
【0009】すなわち、図1に示す樹脂ボルトAは、ガ
ラス繊維等の強化繊維を内包した繊維強化合成樹脂製
(例えばポリエステル製)の中空ボルト本体1と、この
ボルト本体の両端部にそれぞれ装着されたステンレス製
のねじ金具2と、中空ボルト本体1のほぼ中央部に外嵌
固着されたステンレス製の保護スリーブSを備えてい
る。
ラス繊維等の強化繊維を内包した繊維強化合成樹脂製
(例えばポリエステル製)の中空ボルト本体1と、この
ボルト本体の両端部にそれぞれ装着されたステンレス製
のねじ金具2と、中空ボルト本体1のほぼ中央部に外嵌
固着されたステンレス製の保護スリーブSを備えてい
る。
【0010】中空ボルト本体1は、従来のものと同様、
両端部にねじ部4が形成され、このねじ部の中空孔端部
内には鍔部5aを有する鋼鉄製の筒体5がその鍔部5a
をボルト本体1の端面に当接させる位置まで圧入されて
いる。なお、ねじ部4は従来のものと同様、山部および
谷部に丸みを持たせたいわゆるロープねじである。
両端部にねじ部4が形成され、このねじ部の中空孔端部
内には鍔部5aを有する鋼鉄製の筒体5がその鍔部5a
をボルト本体1の端面に当接させる位置まで圧入されて
いる。なお、ねじ部4は従来のものと同様、山部および
谷部に丸みを持たせたいわゆるロープねじである。
【0011】ねじ金具2は、中空ボルト本体1のねじ部
4に対応した形状のねじ部3と、前記筒体5と反対側の
端部にこのねじ部3と連続して設けたねじ部のないスト
レート部3aとからなり、ストレート部3aの内径は中
空ボルト本体1の外径とほぼ同一サイズであり、その軸
方向長さlは該金具全体の長さLの約1/5〜2/5程
度である。このねじ金具2は、ストレート部3aが該ボ
ルト本体1のねじ部のない外周面部に外嵌されるととも
に、ねじ部3が該ボルト本体1のねじ部4にねじ込ま
れ、かつ該ねじ金具2のストレート部3aおよびねじ部
3がそれぞれ中空ボルト本体1との間に充填した二液性
硬化型エポキシ樹脂等の接着剤により固着されている。
したがって、このねじ金具2の場合は、ストレート部3
aが中空ボルト本体1のねじ部のない表面フラットの外
周面部に外嵌されるので、該中空ボルト本体1のねじ部
の剛性が確実に保持される。
4に対応した形状のねじ部3と、前記筒体5と反対側の
端部にこのねじ部3と連続して設けたねじ部のないスト
レート部3aとからなり、ストレート部3aの内径は中
空ボルト本体1の外径とほぼ同一サイズであり、その軸
方向長さlは該金具全体の長さLの約1/5〜2/5程
度である。このねじ金具2は、ストレート部3aが該ボ
ルト本体1のねじ部のない外周面部に外嵌されるととも
に、ねじ部3が該ボルト本体1のねじ部4にねじ込ま
れ、かつ該ねじ金具2のストレート部3aおよびねじ部
3がそれぞれ中空ボルト本体1との間に充填した二液性
硬化型エポキシ樹脂等の接着剤により固着されている。
したがって、このねじ金具2の場合は、ストレート部3
aが中空ボルト本体1のねじ部のない表面フラットの外
周面部に外嵌されるので、該中空ボルト本体1のねじ部
の剛性が確実に保持される。
【0012】また保護スリーブSは、ステンレス製のパ
イプ体からなり、長さは特に限定するものではないが、
30〜100mm、肉厚は0.3〜1.0mmである。
この保護スリーブSは一体物に限らず、狭幅のリングを
複数個重ねて構成した複数分割構造のものでもよい。こ
の保護スリーブSも前記ねじ金具2と同様、二液性硬化
型エポキシ樹脂等の接着剤により固着されている。この
保護スリーブSを設ける位置は、その目的からして1個
の場合は中空ボルト本体1のほぼ中央部付近に設けるの
が好ましく、複数の場合は樹脂ボルトの中央部と他の任
意の位置に設ければよい。
イプ体からなり、長さは特に限定するものではないが、
30〜100mm、肉厚は0.3〜1.0mmである。
この保護スリーブSは一体物に限らず、狭幅のリングを
複数個重ねて構成した複数分割構造のものでもよい。こ
の保護スリーブSも前記ねじ金具2と同様、二液性硬化
型エポキシ樹脂等の接着剤により固着されている。この
保護スリーブSを設ける位置は、その目的からして1個
の場合は中空ボルト本体1のほぼ中央部付近に設けるの
が好ましく、複数の場合は樹脂ボルトの中央部と他の任
意の位置に設ければよい。
【0013】さらに、図4に示す本発明の他の実施例
は、中空ボルト本体1と保護スリーブSに、該ボルト本
体1内部に通ずる注入孔1a、Saを設けて、当該部分
からもモルタル等の硬化材を地山に注入できるようにし
たものである。
は、中空ボルト本体1と保護スリーブSに、該ボルト本
体1内部に通ずる注入孔1a、Saを設けて、当該部分
からもモルタル等の硬化材を地山に注入できるようにし
たものである。
【0014】上記構成の樹脂ボルトは、中空ボルト本体
1の両端部のねじ金具2間のほぼ中央部に金属製または
合成樹脂製保護スリーブSを装着した場合には、穿孔中
に当該樹脂ボルトが弓状に湾曲する現象が起こり削孔壁
面に接触するような事態が発生しても、この保護スリー
ブSで保護されるためボルト自体の摩耗は防止される。
さらに、この保護スリーブSによってボルト自体の剛性
強度も高められる。また、ねじ金具2にねじ山のないス
トレート部分3aを設けたことにより、ねじ金具2自体
の剛性強度が高められるばかりでなく、ねじ金具2の内
端側端部に溝等の応力集中部が全くできないため耐ねじ
れ破壊強度も強い。さらに、中空ボルト本体1の端部に
形成したねじ部4の部分は、当該ボルトの肉厚内に長手
方向に配向した補強繊維がねじの山と谷の部分で切れて
いるためねじ部の剛性が他の部分(ねじのない部分)に
比べて弱いが、ねじ山のないストレート部分3aを有す
るねじ金具2の作用によりこのねじ部4の剛性強度を高
めることができる。さらにまた、保護スリーブおよび中
空ボルト本体に、該ボルト本体内部に通ずる注入孔を設
けた場合には、当該保護スリーブの部分からもモルタル
等の硬化材を地山に注入することができる。
1の両端部のねじ金具2間のほぼ中央部に金属製または
合成樹脂製保護スリーブSを装着した場合には、穿孔中
に当該樹脂ボルトが弓状に湾曲する現象が起こり削孔壁
面に接触するような事態が発生しても、この保護スリー
ブSで保護されるためボルト自体の摩耗は防止される。
さらに、この保護スリーブSによってボルト自体の剛性
強度も高められる。また、ねじ金具2にねじ山のないス
トレート部分3aを設けたことにより、ねじ金具2自体
の剛性強度が高められるばかりでなく、ねじ金具2の内
端側端部に溝等の応力集中部が全くできないため耐ねじ
れ破壊強度も強い。さらに、中空ボルト本体1の端部に
形成したねじ部4の部分は、当該ボルトの肉厚内に長手
方向に配向した補強繊維がねじの山と谷の部分で切れて
いるためねじ部の剛性が他の部分(ねじのない部分)に
比べて弱いが、ねじ山のないストレート部分3aを有す
るねじ金具2の作用によりこのねじ部4の剛性強度を高
めることができる。さらにまた、保護スリーブおよび中
空ボルト本体に、該ボルト本体内部に通ずる注入孔を設
けた場合には、当該保護スリーブの部分からもモルタル
等の硬化材を地山に注入することができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の樹脂ボル
トは、以下に記載する効果を奏する。 (1)中空ボルト本体の両端部のねじ金具間に装着した
金属製または合成樹脂製保護スリーブの作用により、削
孔壁面との接触によるボルト自体の摩耗を防止できる
上、樹脂ボルト自体の剛性強度もより一層高められるた
め、削孔壁面との摩耗による折損を防止できる。 (2)ねじ金具にねじ山のないストレート部分を設けた
ことにより、ねじ金具自体の剛性が高められるのみなら
ずねじ金具の内端側端部の薄肉部も無くなるので、ボル
トのねじ部の剛性が高められるとともに応力集中等も皆
無となるので、ボルトのねじれ破壊、折損を防止でき
る。 (3)保護スリーブの部分からもモルタル等の硬化材を
地山に注入できるので、この保護スリーブの部分にも地
山補強部を形成することができ、樹脂ボルトと地山の一
体性がより強固になって樹脂ボルトの引張強度を増大で
きる。(4)耐久性に優れ、高寿命が得られるため、ト
ンネル掘削工事での穿孔機能および注入材料(硬化材
等)の充填機能を兼備させた自穿孔ボルトとして極めて
実用性に富む。
トは、以下に記載する効果を奏する。 (1)中空ボルト本体の両端部のねじ金具間に装着した
金属製または合成樹脂製保護スリーブの作用により、削
孔壁面との接触によるボルト自体の摩耗を防止できる
上、樹脂ボルト自体の剛性強度もより一層高められるた
め、削孔壁面との摩耗による折損を防止できる。 (2)ねじ金具にねじ山のないストレート部分を設けた
ことにより、ねじ金具自体の剛性が高められるのみなら
ずねじ金具の内端側端部の薄肉部も無くなるので、ボル
トのねじ部の剛性が高められるとともに応力集中等も皆
無となるので、ボルトのねじれ破壊、折損を防止でき
る。 (3)保護スリーブの部分からもモルタル等の硬化材を
地山に注入できるので、この保護スリーブの部分にも地
山補強部を形成することができ、樹脂ボルトと地山の一
体性がより強固になって樹脂ボルトの引張強度を増大で
きる。(4)耐久性に優れ、高寿命が得られるため、ト
ンネル掘削工事での穿孔機能および注入材料(硬化材
等)の充填機能を兼備させた自穿孔ボルトとして極めて
実用性に富む。
【図1】本発明にかかる樹脂ボルトの一実施例を一部省
略して示す側面図である。
略して示す側面図である。
【図2】同上樹脂ボルトの一方のねじ金具の部分を拡大
して示す縦断側面図である。
して示す縦断側面図である。
【図3】同上樹脂ボルトの保護スリーブの部分を拡大し
て示す縦断側面図である。
て示す縦断側面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す図3相当図である。
【図5】本発明の対象とする従来の樹脂ボルトの一例を
一部省略して示す側面図である。
一部省略して示す側面図である。
【図6】同上の樹脂ボルトの一方のねじ金具の部分を拡
大して示す半截側面図である。
大して示す半截側面図である。
【図7】同上の樹脂ボルトを複数本接続して穿孔する際
の状態の一例を一部省略して示す側面図である。
の状態の一例を一部省略して示す側面図である。
【図8】同上の樹脂ボルトが削孔内で弓状に湾曲し削孔
壁面に接触した状態の一例を示す概略図である。
壁面に接触した状態の一例を示す概略図である。
1 中空ボルト本体
2 ねじ金具
3 ねじ金具のねじ部
3a ねじ部のないストレート部
4 ボルト本体のねじ部
5 筒体
S 保護スリーブ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 佐々木 光成
大阪府柏原市玉手町25番32号
(72)発明者 斉城 稔
神奈川県平塚市東八幡5丁目1番13号 協
和電線株式会社内
(72)発明者 吉野 義弘
大阪府大阪市西淀川区佃5丁目2番36号
清和工機株式会社内
Fターム(参考) 2D041 GA01 GC14
Claims (5)
- 【請求項1】 繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の
両端部に、外周面にねじ部を有するねじ金具が装着され
てなる樹脂ボルトにおいて、前記両端部のねじ金具間の
中空ボルト本体に金属製または合成樹脂製保護スリーブ
が少なくとも1つ外嵌固着されていることを特徴とする
樹脂ボルト。 - 【請求項2】 繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の
両端部に、外周面にねじ部を有するねじ金具が装着され
てなる樹脂ボルトにおいて、前記ねじ金具は内端側端部
にねじ山のないストレート部分を有することを特徴とす
る樹脂ボルト。 - 【請求項3】 繊維強化合成樹脂製の中空ボルト本体の
両端部に、外周面にねじ部を有するねじ金具が装着され
てなる樹脂ボルトにおいて、前記ねじ金具は内端側端部
にねじ山のないストレート部分を有し、前記中空ボルト
本体部のほぼ中央部に金属製または合成樹脂製保護スリ
ーブが外嵌固着されていることを特徴とする樹脂ボル
ト。 - 【請求項4】 前記金属製または合成樹脂製保護スリー
ブは、一体物または複数分割構造からなることを特徴と
する請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の樹脂ボ
ルト。 - 【請求項5】 前記金属製または合成樹脂製保護スリー
ブの部分に、中空ボルト本体内部に通ずる注入孔を有す
ることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1
項記載の樹脂ボルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002036914A JP2003239698A (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 樹脂ボルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002036914A JP2003239698A (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 樹脂ボルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003239698A true JP2003239698A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27778664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002036914A Pending JP2003239698A (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 樹脂ボルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003239698A (ja) |
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-
2002
- 2002-02-14 JP JP2002036914A patent/JP2003239698A/ja active Pending
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