JP5941034B2 - フィルタ羽根及びカメラ用羽根駆動装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このNDフィルタ羽根は、補強板にNDフィルタ羽根を熱溶着する際に、開口部を覆うように又補強板の外輪郭からはみ出さないように位置決めして熱溶着しなければならず、補強板に対するNDフィルタ板の位置決めが容易ではなく、組付け作業に手間を要するものであるが故に容易に作製できるものではなかった。
この構成によれば、補強板の主位置決め孔は、接合後において支軸を通す支軸孔として使用されるため、フィルタ羽根を(カメラ用羽根駆動装置等の地板の)所定の支軸に揺動自在に組み込んで使用する際に、フィルタ羽根の組込み時のバラツキ等を低減させることができ、それ故に、フィルタ羽根を所定の限られた狭い空間内で他の部品と干渉することなく高精度に作動させることができる。
この構成によれば、フィルタ羽根として、NDフィルタ板を用いたNDフィルタ羽根を用いることにより、開口部を通過する被写体光等を所望の光量に調節することができる。
この構成によれば、羽根部材として、高い寸法精度で形成されると共に、小型化、幅狭化、薄型化、軽量化、低コスト化が達成されるフィルタ羽根を適用するため、薄型化、小型化、高機能化等が要求されるカメラに対応可能なカメラ用羽根駆動装置を得ることができる。
本願発明のフィルタ羽根は、所定の開口部を覆うべく揺動自在に支持されて駆動されるフィルタ羽根であって、開口部を覆う有効領域から自由端側の領域を形成するフィルタ板と、開口部を覆う有効領域から外れた揺動支点側の領域を形成するべくフィルタ板の片面に接合される補強板を含み、フィルタ板は、第1主位置決め孔及び第2従位置決め孔を有し、補強板は、第2主位置決め孔及び第2従位置決め孔を有し、第1従位置決め孔及び第2従位置決め孔は、第1主位置決め孔が冶具の第1位置決めピンに通され、第2主位置決め孔が冶具の第1位置決めピンとは異なる位置に設けられた第2位置決めピンに通された状態で、第1位置決めピン及び第2位置決めピンとは異なる位置に設けられた共通位置決めピンにそれぞれ通される、ことを特徴としている。
この実施形態に係るカメラ用羽根駆動装置は、図1に示すように、略円板状の地板10、地板10の平行に配置される裏板20、地板10と裏板20の間に配置される二つの仕切板30,30、二つの仕切板30,30の間に配置される羽根部材及びフィルタ羽根としてのNDフィルタ羽根40、地板10に設けられた駆動源としての電磁アクチュエータ50(ロータ51、ヨーク52、コイル53、ボビン一体型の押え板54等)等を備えている。
また、地板10は、略円形の主外輪郭部10mと、NDフィルタ羽根40が後退位置に位置するときNDフィルタ羽根40の後側外縁部40bを覆うように主外輪郭部10mから突出した凸状外輪郭部10nを含むように形成されている。
また、裏板20は、略円形の主外輪郭部20mと、NDフィルタ羽根40が後退位置に位置するときNDフィルタ羽根40の後側外縁部40bを覆うように主外輪郭部20mから突出した凸状外輪郭部20nを含むように形成されている。
そして、裏板20は、二つの仕切板30,30、NDフィルタ羽根40が組み込まれた後に、全体を覆うようにして地板10に組み付けられ、ネジBにより締結されるようになっている。
また、NDフィルタ板41と補強板42との接合作業には、図5及び図6に示す冶具60が用いられる。
冶具60は、図5及び図6に示すように、所定の間隔をおいて直線L上に配列して形成された、第1位置決めピン61、第2位置決めピン62、共通位置決めピン63、段差部64等を備えている。
第1位置決めピン61は、図5及び図6に示すように、NDフィルタ板41の主位置決め孔41aに隙間なく挿入される円柱状に形成されている。
第2位置決めピン62は、図5及び図6に示すように、補強板42の主位置決め孔42aに隙間なく挿入される円柱状に形成されている。
共通位置決めピン63は、図5及び図6に示すように、NDフィルタ板41の従位置決め孔41b及び補強板42の従位置決め孔42bに挿入される円柱状に形成されている。
段差部64は、図6に示すように、補強板42の厚さと接着剤Grの厚さを加えた高さ寸法に形成されている。
また、NDフィルタ板41は、図4、図5、図6に示すように、補強板42との接合時に用いられる主位置決め孔41a及び従位置決め孔41bを備えている。
また、補強板42は、地板10の支軸10fを通す支軸孔として機能すると共にフィルタ板41との接合時に用いられる主位置決め孔42a、NDフィルタ板41との接合時に従位置決め孔41bと同一位置に重ねるように配置される従位置決め孔42b、ロータ51の駆動ピン51aを連結する駆動孔42c等を備えている。
また、補強板42の主位置決め孔42aは、図5及び図6に示すように、冶具60の第2位置決めピン62が隙間なく通される円孔として形成され、又、補強板42の従位置決め孔42bは、図4、図5、図6に示すように、NDフィルタ板41との接合時において、冶具60の共通位置決めピン63が通されるべく主位置決め孔41a(中心)と主位置決め孔42a(の中心)を結ぶ直線L上に位置する(配置される)ように、かつ、直線Lの方向に伸長する長孔として形成されている。
この際に、補強板42とNDフィルタ板41との直線L方向の寸法は、第1位置決めピン61及び第2位置決めピン62により規定され、接合時の寸法のバラツキ等が共通位置決めピン63が挿入された(同一位置に重ねられた)従位置決め孔41b,42bにおいて吸収されつつ調整され、その状態において、予め塗布した接着剤Grの硬化により、両者が接着固定される。
尚、NDフィルタ板41と補強板42との接合手法としては、接着剤Grに限るものではなく、両面テープを使用してもよく、又、熱溶着にて接合してもよく、それ以外の接合手法を用いてもよい。
また、NDフィルタ板41と補強板42とを接合する際に、所定の冶具60を用いて、NDフィルタ板41の主位置決め孔41aを冶具60の第1位置決めピン61に嵌め込み、補強板42の主位置決め孔42aを冶具60の第2位置決めピン62に嵌め込み、NDフィルタ板41の従位置決め孔41b及び補強板42の従位置決め孔42bを冶具60の共通位置決めピン63に重なるように嵌め込んで、NDフィルタ板41と補強板42とを位置決めしつつ接合作業を行うことができるため、NDフィルタ板41と補強板42とを高精度に位置決めして接合することができる。
特に、NDフィルタ板41及び補強板42の従位置決め孔41b、42bが、NDフィルタ板41の主位置決め孔41aと補強板42の主位置決め孔42aを結ぶ直線L上に配置されかつ直線Lの方向に伸長する長孔に形成されているため、共通位置決めピン63が挿入されたNDフィルタ板41の従位置決め孔41bと補強板42の従位置決め孔42bで寸法の誤差、製造誤差等を吸収させつつ、NDフィルタ板41と補強板42との接合作業を行うことができ、それ故に、NDフィルタ板41と補強板42とをより高精度に位置決めして接合することができる。
ここでは、補強板42の主位置決め孔42aが支軸10fを通す支軸孔として兼用されている(NDフィルタ羽根40を製造する際に使用した基準孔を装置に組み込んで作動させる際の基準孔としても使用する)ため、NDフィルタ羽根40を、カメラ用羽根駆動装置等の地板10支軸10fに揺動自在に組み込んで使用する際に、NDフィルタ羽根40の組込み時のバラツキ等を低減させることができ、それ故に、NDフィルタ羽根40を所定の限られた狭い空間内で、他の部品と干渉することなく、高精度に作動させることができる。
ロータ51は、NDフィルタ羽根40の駆動孔42cに連結される駆動ピン51a、円筒状のマグネット51b等を備え、地板10の支軸10bにより所定の角度範囲を回動自在に支持されている。
ヨーク52は、略U字状に形成されて二つの磁極部がロータ51の外周面に対向するように押え板54の嵌合孔に嵌合されて固定されるように形成されている。
コイル53は、押え板54に一体形成されたボビン部分に巻回されている。
押え板54は、ヨーク52を嵌め込む嵌合孔、コイル53を巻回するボビン部分を一体的に有すると共に、支軸10bに嵌め込まれたロータ51の抜け落ちを防止するように、地板10の固定部10dに固定されるようになっている。
先ず、電磁アクチュエータ50が地板10の表側に取り付けられた状態において、図7(a)に示すように、地板10の裏側において、一つの仕切板30が取り付けられる。
続いて、図7(b)に示すように、一つの仕切板30上から、この仕切板30に隣接するようにしてNDフィルタ羽根40が取り付けられる。
続いて、図8(c)に示すように、NDフィルタ羽根40の上から、他の仕切板30が配置されて取り付けられる。
最後に、図8(d)に示すように、仕切板30の上から、裏板20が取り付けられてネジBにより地板10に締結される。
このように、装置の組み付けに際しても、各々の部品を順次に重ね合わせるようにして取り付けていくことで、装置の組付けが完了するため、組付け作業を容易に行うことができる。
上記実施形態においては、羽根部材として、NDフィルタ羽根40を備えたカメラ用羽根駆動装置を示したが、これに限定されるものではなく、NDフィルタ羽根40の他に、開口部10aを開閉するシャッタ羽根あるいは開口部10aを絞る絞り羽根を備えた構成において、本発明を採用してもよい。
10f 支軸
10a 開口部
20 裏板
30 仕切板
40 NDフィルタ羽根(フィルタ羽根、羽根部材)
41 NDフィルタ板(フィルタ板)
41a 主位置決め孔
41b 従位置決め孔
42 補強板
42a 主位置決め孔(支軸孔)
42b 従位置決め孔
42c 駆動孔
50 電磁アクチュエータ(駆動源)
51 ロータ
51a 駆動ピン
60 冶具
61 第1位置決めピン
62 第2位置決めピン
63 共通位置決めピン
64 段差部
Claims (3)
- 所定の開口部を覆うべく揺動自在に支持されて駆動されるフィルタ羽根であって、
前記開口部を覆う有効領域から自由端側の領域を形成するフィルタ板と、
前記開口部を覆う有効領域から外れた揺動支点側の領域を形成するべく前記フィルタ板の片面に接合される補強板を含み、
前記フィルタ板は、主位置決め孔及び従位置決め孔を有し、
前記補強板は、主位置決め孔及び従位置決め孔を有し、
前記フィルタ板及び前記補強板の従位置決め孔は、直線の方向に伸長する長孔として形成され、
前記フィルタ板及び前記補強板とは、前記フィルタ板および前記補強板の従位置決め孔同士が重ねられかつ略同一位置で接合され、
前記フィルタ板の主位置決め孔は、前記接合された状態では前記直線上の前記フィルタ板及び前記補強板の従位置決め孔に対する一方側に配置され、
前記補強板の主位置決め孔は、前記接合された状態では前記直線上の前記フィルタ板及び前記補強板の従位置決め孔に対する他方側に配置される、
ことを特徴とするフィルタ羽根。 - 前記補強板は、駆動源の駆動ピンを連結する駆動孔と、揺動自在に支持する支軸を通す支軸孔を有し、
前記補強板の主位置決め孔は、前記支軸孔を兼ねる、
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ羽根。 - 光路用の開口部を有する地板と、前記地板と平行に配置される裏板と、前記地板及び裏板の間に収容されると共に前記開口部に臨む位置と前記開口部から後退した位置との間を移動する羽根部材と、前記羽根部材を揺動自在に駆動する駆動源とを備えたカメラ用羽根駆動装置であって、
前記羽根部材は、請求項1又は2に記載のフィルタ羽根である、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。
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