JP4901551B2 - 羽根駆動装置及び撮像装置 - Google Patents

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本発明は、羽根駆動装置及びそれを用いた撮像装置に関する。
近年、携帯電話に採用されるカメラやデジタルカメラは、更なる薄型化が要請されている。従って、このような携帯電話に搭載されるカメラについても更なる薄型化、小型化が要請されている。
特許文献1には、光軸方向に小型化された羽根駆動装置について開示されている。
特開2005−37866号公報
このような羽根駆動装置は、一般的に、開口を開閉する羽根と、羽根の光軸方向の位置を規制する羽根基板とを備えている。また、羽根基板には、羽根の開口に対する開位置又は閉位置を規定するために、規制ピンが一体的に突設している。羽根が規制ピンに当接することにより、羽根の開口に対する開位置又は閉位置を規制することができる。これにより、羽根の位置精度が維持される。
近年、このような羽根駆動装置についても更なる小型化が望まれており、例えば、羽根の光軸方向の位置を規制する羽根基板についても可能な限り薄型化であることが望ましい。
しかし、樹脂により羽根基板を成形した場合、ある程度の厚みよりも薄く成形すると、強度が弱くなり、また、規制ピンを一体的に成形することが困難となる。
また、金属により羽根基板を成形すると、樹脂成形の場合のよりも薄く成形でき、強度も維持することができるが、規制ピンを設けることが困難となり、また製造コストも増大する。
そこで本発明は、光軸方向に小型化されていると共に羽根の位置決め精度を維持できる羽根駆動装置及びそれを用いた撮像装置を提供する。
上記目的は、開口を有する羽根基板と、開口から退避する開位置と開口の少なくとも一部を覆う閉位置との間を移動自在に羽根基板に支持された羽根とを有する羽根駆動装置であって、羽根駆動装置が取り付けられる撮像装置には取付部材が設けられ、当該取付部材には、羽根駆動装置の固定位置を規定する位置決め部が設けられ、位置決め部により羽根の開位置及び閉位置の少なくとも一方が規定される構成によって達成できる。この構成により、羽根駆動装置の位置決め部が、羽根の開位置及び閉位置の少なくとも一方を規定するため、羽根駆動装置に従来のような規制ピンを設ける必要はない。これにより、羽根駆動装置を構成する羽根基板の厚みを薄くすることができる。
また、羽根駆動装置は、羽根を支持する第1の羽根基板と第1の羽根基板に光軸方向に対向して設けられ羽根室を構成する第2の羽根基板とを有し、これら2枚の羽根基板の少なくとも一方が位置決め部に当接して、固定位置が規定される構成を採用できる。
また、上記目的は、上記の羽根駆動装置を備えた撮像装置であって、取付部材には、開口を通った被写体光を受光する撮像素子が備わっている、ことを特徴とする撮像装置によって達成できる。
この構成により、取付部材に形成された羽根駆動装置の位置決め部が、羽根の開位置及び閉位置の少なくとも一方を規定するため、羽根駆動装置に従来のような規制ピンを設ける必要はない。これにより、羽根駆動装置を構成する羽根基板の厚みを薄くすることができる。従って、羽根駆動装置自体の厚みが薄くなるので、撮像装置自体の光軸方向の厚みも減少し、光軸方向に小型化される。また、羽根は取付部材に形成された位置決め部により、羽根の開位置及び閉位置の少なくとも一方の停止位置が規定されるので、羽根の位置決め精度を維持できる。
また、上記構成において、取付部材は、レンズを保持するレンズ鏡筒であったり、レンズを駆動するレンズ駆動装置である、構成を採用できる。
本発明によれば、光軸方向に小型化されていると共に羽根の位置決め精度を維持できる羽駆動装置及びそれを用いた撮像装置を提供できる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。
図1乃至図4は、本実施例に係る撮像装置の構成を示した図であり、図1は、撮像装置の透視正面図、図2は、撮像装置の簡略化した断面図である。
撮像装置は、羽根駆動装置であるシャッタ機構1、取付部材であるレンズ駆動部90、基板98、撮像素子99などから構成される。尚、図2において、シャッタ機構1及びレンズ駆動部90は、基板98に固定される前の状態を示している。
シャッタ機構1は、ベース板10、羽根20、30、上板40、下板50などから構成される。
シャッタ機構1は、レンズ駆動部90に固定されている。詳細には、図2に示すように、下板50のプリント基板98側の面と、レンズ駆動部90の被写体側の面とが向かい合うように固定されている。レンズ駆動部90は、AFやズーム等のレンズ駆動を行うものであり、レンズ駆動用アクチュエータ(不図示)、開口92、レンズ93等を備えている。
ベース板10は、詳しくは後述するが、羽根20、30の駆動源であるモータユニットを支持するものである。
羽根20、30は、図2に示すように、第2の羽根基板である上板40及び羽根20,30を支持する第1の羽根基板である下板50の間に挟みこまれるように収納されている。従って、上板40、下板50は、羽根20、30を収納するための羽根室Sを画定する。また、上板40、下板50は、薄板状に形成されている。
上板40、下板50には、それぞれ同心円状の開口41、51を有している。また、開口41、51と同様に、レンズ駆動部90についても、開口92を有している。開口92内には、図2に示すように、レンズ93を保持している。従って、開口41、51を通過した被写体光は、開口92を通過して、レンズ93により、撮像素子99上に結像される。従って、開口41、51、92が光路を画定する機能を有する。
羽根20、30については詳しくは後述する。
ベース板10は、図2に示すように、下板50の撮像素子99側の面に固定されている。また、ベース板10には、光軸方向と直交する方向に延伸した、固定軸16が形成されている。固定軸16は、モータユニットのロータ61を回転自在に支持する。
位置決めピン91は、図1に示すように、レンズ駆動部90からシャッタ機構1側に突出して設けられている。この位置決めピン91は、下板50の側端部に形成された切欠部52に係合することにより、レンズ駆動部90に対するシャッタ機構1の固定位置を規定する。
次に、モータユニットについて説明する。図3は、撮像装置の平面図であり、モータユニットのみを簡略化して示した図である。
モータユニットは、ロータ61、ステータ63、コイル65、コイルボビン66、端子ピン67などから構成される。
ロータ61は、周方向に異なる磁極に着磁されている。
コイルボビン66には、コイル65が巻回され、コイル65の端部は、端子ピン67に絡まされている。コイルボビン66には、ステータ63の一方の脚部が貫通している。コイル65への通電により、ステータ63が励磁され、第1磁極部64a、第2磁極部64bは、互いに異なる極性が生じる。これにより、第1磁極部64a、第2磁極部64bと、ロータ61との間で磁気的吸引力、反発力が発生し、ロータ61は所定の角度を回転する。
また、図2及び図3に示すように、ロータ61には、ロータ61の径方向に突出した駆動ピン62aが圧入されている。駆動ピン62aは、樹脂により成形され、ロータ61の回動を、羽根20へ伝達する機能を有する。ロータ61が回動することにより、図3に示した移動範囲A内で、駆動ピン62aが揺動する。駆動ピン62aは、詳しくは後述するが、羽根20に形成された切欠部22と係合することにより、その回動が羽根20へと伝達される。また、羽根20が駆動すると、羽根30もそれに連動して駆動する。これにより、羽根20、30は、開口41、51、92を開閉する。
尚、図3に示したように、下板50には、駆動ピン62aの揺動を逃がすための逃げ穴56が形成されている。また、図2に示すように、モータユニットは、蓋部80によって閉じられる。尚、モータ基板70はコイル65への通電を制御するためのものであり、モータ基板70とコイル65とは、端子ピン67がモータ基板70を貫通して半田部71により固定されることにより、その電気的な接続が確保されている。尚、図3においては、モータ基板70、半田部71については省略して記載してある。
次に、羽根20、30について詳細に説明する。
図4は、羽根20の説明図である。
羽根20は、切欠部22、係合孔23を有している。羽根20は、ベース板10に形成された軸部11によって揺動自在に支持されている。軸部11は、光軸方向被写体側に突出して形成されている。
また、切欠部22は、羽根20の上端部に形成され、切欠部22は、駆動ピン62aを挟み込むようにU字状に形成されている。
係合孔23には、後述する係合突部35aが係合する。係合孔23は、係合突部35aの大きさよりも若干大きめに形成されている。
駆動ピン62aが移動範囲A内で移動することにより、羽根20は、軸部11を支点として、所定の範囲を揺動する。
図5は、羽根30の透視説明図である。
羽根30は、係合孔33を有し、羽根30の背面側に、即ち撮像素子99側に駆動片30aが配置されている。駆動片30aと羽根30とは摺動自在に重なるように配置されている。駆動片30aは、所定方向に向かって次第に細くなるくさび状に形成されている。
図5(a)は、羽根30と駆動片30aとの重なり具合を示した図であり、図5(b)は、駆動片30aのみを示した図である。
羽根30、駆動片30aのそれぞれに形成された、軸孔32、32aに、ベース板10に形成された軸部12が摺動自在に嵌合する。
また、駆動片30aの先端部には、係合突部35aが光軸方向に突出して形成されている。係合突部35aは、係合孔33と係合すると共に、図4に示したように、係合孔23とも係合する。これにより、羽根20が揺動すると、係合孔23と係合突部35aとが当接して、駆動片30aは、軸部12を支点として揺動する。駆動片30aが揺動すると、係合孔33と係合突部35aとが当接して、羽根30が揺動する。尚、上板40には、図1に示すように、係合突部35aを逃がす長孔42が形成されている。
次に、羽根20、30の動作について詳細に説明する。
図6は、開口41、51を開放する開位置での、羽根20、30の状態を模式的に示した透視図である。図7は、開口41、51を閉じる閉位置での、羽根20、30の状態を模式的に示した透視図である。
羽根30は、図6に示すように、開位置に位置する際に、羽根30の下端部と位置決めピン91とが当接する。位置決めピン91は、図1に示すように、シャッタ機構1をレンズ駆動部90へ固定するための機能を有している。
図6に示した状態から、駆動ピン62aが図6において示した移動範囲Aの範囲内を右方向に移動することにより、羽根20は、軸部11を支点として図6に示した状態から時計方向に(羽根20の下端部が開口41、51に向かうように)揺動する。
羽根20が揺動すると、駆動片30aは、係合孔23と係合突部35aとが係合するので、軸部12を支点として、図6に示した状態から反時計方向に揺動する。
駆動片30aが揺動すると、羽根30は、係合孔33と係合突部35aとが係合しているので、駆動片30aの動きと連動して、軸部12を支点として、羽根30の下端部が位置決めピン91から離れて図6に示した状態から反時計方向に(開口41、51へ向かうように)揺動する。
以上の動作により、羽根20、30は協働して開口41,51を覆い、図7に示すように、開口41、51を閉じる。
尚、駆動ピン62aの移動範囲Aは、羽根20、30が、開位置及び閉位置の間を揺動するように設定されている。
また、図7に示した状態から、再び図6に示した状態に移行する際には、駆動ピン62aは、再度左方向に移動することにより、羽根20、30は、開位置に位置付けられる。羽根30は、開位置に位置付けられる際に、位置決めピン91と羽根30の下端部とが再び当接する。
以上のように、レンズ駆動部90に形成された位置決めピン91が、羽根30の開位置を規定するため、シャッタ機構1にこのような位置決め部を新たに設ける必要はない。
従って、上板40又は下板50に、羽根30の開位置を規定するための位置決め部を設ける必要がないので、上板40又は下板50を、薄く形成することができる。従って、シャッタ機構1自体の厚みが薄くなるので、撮像装置自体の光軸方向の厚みも減少し、光軸方向に小型化される。また、羽根30は、レンズ駆動部90に形成された位置決めピン91により、開位置が規定されるので、羽根30の位置決め精度を維持できる。
また、図6に示したように、羽根30は、開位置で軸部11にも当接する。これにより、更に羽根30の開位置での位置決め精度が向上する。
また、羽根30の開位置での位置精度が向上することにより、駆動片30aを介して、羽根20の位置精度も向上する。従って、羽根30の開位置での位置精度の向上に伴い、羽根20についても開位置での位置精度が向上する。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
例えば、絞り羽根装置や絞り羽根を有するシャッタ装置に本発明を採用してもよい。
また、位置決めピンを、閉位置での羽根に当接させるように構成してもよい。また、取付部材としてレンズ駆動部90を例に挙げたが、取付部材はこれに限らず、レンズを保持するレンズ鏡筒や撮像素子を有する枠体等であってもよい。また、2枚の羽根基板で羽根室を形成するタイプの羽根駆動装置に限らず、2枚の羽根を平行にスライドさせて開口を開閉させ羽根基板が1枚のタイプの羽根駆動装置にしてもよい。また、位置決めピンに係合する羽根駆動装置の切欠部は、穴部であってもよい。
撮像装置の透視正面図である。 撮像装置の簡略化した断面図である。 撮像装置の平面図であり、モータユニットのみを簡略化して示した図である。 羽根の説明図である。 羽根の透視説明図である。 開位置での羽根の状態を模式的に示した透視図である。 閉位置での羽根の状態を模式的に示した透視図である。
符号の説明
1 シャッタ機構(羽根駆動装置)
10 ベース板
11、12 軸部
16 固定軸
20、30 羽根
22 切欠部
23、33 係合孔
30a 駆動片
32、32a 軸孔部
35a 係合突部
40 上板(羽根基板)
41、51 開口
42 長孔
50 下板(羽根基板)
61 ロータ
62a 駆動ピン
63 ステータ
64a 第1磁極部
64b 第2磁極部
65 コイル
66 コイルボビン
67 端子ピン
70 モータ基板
71 半田部
80 蓋部
90 レンズ駆動部
91 位置決めピン
92 開口
93 レンズ
98 基板
99 撮像素子

Claims (5)

  1. 開口を有する羽根基板と、
    前記開口から退避する開位置と前記開口の少なくとも一部を覆う閉位置との間を移動する羽根とを有する羽根駆動装置であって、
    前記羽根は、第1及び第2羽根を含み、
    前記羽根を駆動する駆動源を支持するベース板には、前記第1羽根を揺動自在に支持する軸部が設けられ、
    前記羽根駆動装置が取り付けられる撮像装置には取付部材が設けられ、当該取付部材には、前記羽根駆動装置の固定位置を規定する位置決め部が設けられ、
    前記位置決め部及び前記軸部により前記第2羽根の前記開位置及び閉位置の少なくとも一方が規定される、
    ことを特徴とする羽根駆動装置。
  2. 前記羽根基板は、第1の羽根基板と前記第1の羽根基板に光軸方向に対向して設けられ羽根室を構成する第2の羽根基板とを有し、前記第1及び第2の羽根基板の少なくとも一方が前記位置決め部に当接して、前記固定位置が規定される、ことを特徴とする請求項1に記載の羽根駆動装置。
  3. 請求項1又は2に記載の羽根駆動装置を備えた撮像装置であって、前記取付部材には、前記開口を通った被写体光を受光する撮像素子が備わっている、ことを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1又は2に記載の羽根駆動装置を備えた撮像装置であって、前記取付部材は、レンズを保持するレンズ鏡筒である、ことを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1又は2に記載の羽根駆動装置を備えた撮像装置であって、前記取付部材は、レンズを駆動するレンズ駆動装置であることを特徴とする撮像装置。
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