以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る揺動操作型スイッチ装置(以下、単に「スイッチ装置」という)1の全体構成を示す分解斜視図である。なお、以下においては、説明の便宜上、図1に示す左方側を「スイッチ装置1の左方側」又は単に「左方側」と呼び、図1に示す右方側を「スイッチ装置1の右方側」又は単に「右方側」と呼ぶものとする。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1は、上方に開口したハウジング2と、ハウジング2から一部が露出した状態で揺動動作可能に配置される操作部材3とを備えている。ハウジング2の底面部には、ハウジング2内に上端部を露出した状態で一対の固定端子4、5が設けられている。また、ハウジング2内の空間には、後述する可動接点10を固定端子4に設けられた固定接点403に接離させるスナップアクション機構6が収納されている。以下、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1を構成する各部材について説明する。
ハウジング2は、例えば、ポリアセタールやポリアミドなどの熱可塑性の樹脂材料で形成されている。上述したように、ハウジング2は、上方に開口した箱状を有しており、その内部に収納部201が設けられている。ハウジング2は、平面視して長方形状を有し、長手方向に沿って延在する一対の側壁部202と、短手方向に沿って延在する一対の側壁部203とを有する。一対の側壁部202の上方側中央には、後述する操作部材3の軸部302が係合する円形状の孔204が形成されている。ハウジング2の底面部には、一対の固定端子4、5が挿入される不図示のスリットが形成されている。
操作部材3は、例えば、ポリアセタールやポリアミドなどの熱可塑性の樹脂材料で形成されている。操作部材3は、下方に開口した概して箱状を有する操作部301を有している。操作部301は、その下方側の一部をハウジング2の収納部201に収納可能な寸法に設けられている。操作部301の側面部中央には、側方側に突出する一対の軸部302が設けられている。軸部302は、概して円柱形状を有し、ハウジング2の孔204に挿入可能な寸法に設けられている。
図2は、第1の実施の形態に係る揺動操作型スイッチ装置1が有する操作部材3の説明図である。図2A及び図2Bは、それぞれ操作部材3の側断面図及び下面図である。なお、図2Aにおいては、スイッチ装置1の左右方向(ハウジング2の長手方向)に沿った操作部材3の中央の断面を示している。
図2A、図2Bに示すように、操作部材3の下面の左方側端部近傍には、凹部303が設けられている。凹部303は、操作部材3がハウジング2に収納された状態で、ハウジング2の左方側の側壁部203の内壁面に向かって僅かに傾斜した状態で開口して設けられている。この凹部303は、後述するスナップアクション機構6の駆動体7の一部を収納可能に構成されている。一方、操作部材3の下面の右方側端部近傍には、一対の押圧片304a、304bが設けられている(図2B参照)。押圧片304a、304bは、操作部材3の短手方向に沿って一定距離だけ離間して配置されている。押圧片304a、304bは、右方側端部側から内側に向けて下方側に延出する傾斜面部305を備えている。
固定端子4は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して構成される。固定端子4は、上下方向に延伸する端子本体401と、この端子本体401の上端部に設けられた折り曲げ部402とを有している。端子本体401は、ハウジング2の側壁部202と平行な平板形状を有している。折り曲げ部402は、端子本体401の上端部から略直交して折り曲げられている。この折り曲げ部402の上面には、固定接点403が設けられている。固定接点403は、後述する可動接点10の接点部と接触可能な位置に接点部を上方側に露出した状態で折り曲げ部402と一体化されている。
固定端子5は、固定端子4と同様に、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して構成される。固定端子5は、上下方向に延伸する端子本体501と、端子本体501の上端部に設けられた支持面部502とを有している。端子本体501は、ハウジング2の側壁部202と平行な平板形状を有している。支持面部502は、端子本体501と略直交して上方側に延在して設けられている。支持面部502は、概して矩形状を有しており、その中央に係止孔503が形成されている。この係止孔503は、後述するスナップアクション機構6のコイルばね8の一端を係止可能に構成されている。支持面部502には、側方側(ハウジング2の側壁部202側)に突出する一対の係合片504が設けられている。これらの係合片504は、後述するスナップアクション機構6の駆動体7の一部と係合可能に構成されている。
スナップアクション機構6は、駆動体7と、引っ張りコイルばね(以下、単に「コイルばね」という)8と、導体板9とを含んで構成されている。詳細について後述するように、スナップアクション機構6においては、一端801が固定端子5の支持面部502に係止されたコイルばね8の他端802を導体板9に係止させると共に、支持面部502と導体板9との間に駆動体7を介在させて一体化されている。スナップアクション機構6においては、コイルばね8の引っ張り力を利用して、操作部材3における揺動動作に応じて導体板9を瞬時に上下方向に回動させることで、固定端子4の固定接点403と後述する可動接点10との接離状態を切り替える。なお、コイルばね8は、導電性を有する金属線材により構成されている。以下、第1の実施の形態に係るスナップアクション機構6を構成する各部材について説明する。
図3は、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有する駆動体7の説明図である。図3Aは、駆動体7を左方側から示す側面図であり、図3Bは、駆動体7の前面図であり、図3Cは、駆動体7を右方側から示す側面図である。駆動体7は、例えば、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して構成される。図3に示すように、駆動体7は、対向して配置される一対の板状部701、702と、これらの上端部で板状部701、702を連結する連結部703とを有している。板状部701、702は、ハウジング2の側壁部202と平行な平板形状を有している。連結部703は、これらの板状部701、702と略直交して延在して設けられている。
板状部701は、図3Bに示すように、概して水平方向(スイッチ装置1の左右方向)に延在する基部701aと、この基部701aの上端部から上方側に延出して設けられた延出部701bとを有する。同様に、板状部702は、概して水平方向(スイッチ装置1の左右方向)に延在する基部702aと、この基部702aの上端部から上方側に延出して設けられた延出部702bとを有する。連結部703は、延出部701bの上端部と延出部702bの上端部とを連結している。なお、これらの延出部701b、702b及び連結部703は、駆動体7に設けられた突出部を構成する。
基部701a、702aの左方側端部には、左方側に開口した凹部704が設けられている。これらの凹部704は、上述した固定端子5の支持面部502に設けられた係合片504と係合可能に構成されている。一方、基部701a、702aの右方側端部には、右方側に突出する突出片705が設けられている。これらの突出片705は、後述する導体板9の凹部905と係合可能に構成されている。この突出片705の外側には、更に右方側に突出する規制片706が設けられている。この規制片706は、突出片705と係合した導体板9が位置ずれするのを規制する役割を果たす。
図4は、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有する導体板9の説明図である。図4Aは、導体板9の上面図であり、図4Bは、前面図であり、図4Cは、導体板9を右方側から示す側面図である。導体板9は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して構成される。導体板9は、図4に示すように、スイッチ装置1の左右方向に延在する基部901と、この基部901から左方側に延出して設けられた一対の係合アーム902、903とを有している。
基部901は、平板形状を有しており、上面視にて概して長方形状を有している(図4A参照)。基部901の左方側部分には、係止孔904が形成されている。この係止孔904は、コイルばね8の他端802を係止可能に構成されている。一対の係合アーム902、903は、それぞれ基部901の左方側端部の端面に連続して設けられている。一対の係合アーム902、903は、ハウジング2の側壁部202と平行な平板形状を有しており、互いに対向して配置されている。一対の係合アーム902、903の左方側端部には、凹部905が設けられている(図4B参照)。この凹部905は、駆動体7の基部701a、702aに設けられた突出片705と係合可能に構成されている。
基部901の右方側部分には、可動接点10が設けられている。可動接点10は、導体板9(より具体的には基部901)に溶接等により接合されている。可動接点10は、固定接点403の接点部と接触可能な位置に接点部を下方側に露出した状態で基部901に一体化されている。
図5は、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有するスナップアクション機構6の斜視図である。図5においては、説明の便宜上、固定端子5を示している。図5に示すように、スナップアクション機構6において、コイルばね8の一端801は、固定端子5の支持面部502に形成された係止孔503に係止される。一方、コイルばね8の他端802は、導体板9の基部901に形成された係止孔904に係止される。
駆動体7は、基部701a、702aの凹部704で支持面部502に設けられた係合片504を収容し、これらと係合している。導体板9は、係合アーム902、903に設けられた凹部905で基部701a、702aに設けられた突出片705を収容し、これらと係合している。コイルばね8は、負荷が掛かっていない初期状態から押し広げられた状態で両端部を係止されている。このため、スナップアクション機構6においては、導体板9を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。
延出部701b、702b及び連結部703で構成される突出部は、左右方向の側面から見た場合に概してU字形状に駆動体7に設けられている。また、駆動体7は、コイルばね8を挟む位置に配置された2箇所(より具体的には、基部701a、702aの2箇所の凹部704)で支持面部502に支持されている。これにより、コイルばね8の引っ張り力をバランス良く分散しながら駆動体7を支持面部502で支持できるので、駆動体7を安定して回動させることが可能となる。
このような構成を有するスイッチ装置1を組み立てると、図6に示すように、ハウジング2の収納部201内にスナップアクション機構6が収納されると共に、ハウジング2に対してスナップアクション機構6の上方側に操作部材3が取り付けられる。図6は、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1の側断面図である。なお、図6においては、初期状態におけるスナップアクション機構6について示している。また、図6においては、図2Aと同様に、スイッチ装置1の左右方向(ハウジング2の長手方向)に沿った操作部材3の中央の断面を示している。図7〜図11においても同様である。
図6に示すように、スイッチ装置1において、ハウジング2の底面部には、導体板9の延在方向に沿って固定端子4、5が離間して配置されている。操作部材3は、凹部303で駆動体7(板状部701、702)の延出部701b、702b及び連結部703(すなわち、駆動体7に設けられた突出部)を収納した状態でハウジング2に取り付けられる。このように凹部303に収納された状態において、延出部701b、702bの左方側端部は、凹部303を規定する左方側の内壁面に接触した状態となっている。
ここで、凹部303を規定する左右の内壁部は、操作部材3の揺動操作に伴って駆動体7の延出部701b、702bを押圧駆動する一対の駆動部を構成する。以下においては、説明の便宜上、凹部303を規定する左方側の内壁部を第1の駆動部303aと呼び、凹部303を規定する右方側の内壁部を第2の駆動部303bと呼ぶものとする。延出部701b、702b及び連結部703で構成される駆動体7の突出部は、これらの第1、第2の駆動部303a、303b間に配置される。
詳細について後述するように、初期状態のスイッチ装置1において、スナップアクション機構6には導体板9の右方側部分を反時計回り方向に回動させる力が作用しており、可動接点10が固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態となっている。この導体板9の回動は、操作部材3の下面に設けられた押圧片304a、304bと基部901との当接により規制される。すなわち、押圧片304a、304bは、導体板9の回動を規制するストッパとして機能する。
ここで、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有するスナップアクション機構6の各構成部材の回動支点について説明する。図6に示すように、駆動体7は、基部701a、702aに設けられた凹部704で支持面部502の係合片504(図6に不図示)を収容しており、この凹部704と接触する係合片504の一部を第1の回動支点Aとして回動可能に構成されている。
導体板9は、係合アーム902、903に設けられた凹部905で駆動体7の基部701a、702aに設けられた突出片705を収容しており、この凹部905と接触する突出片705の一部を第2の回動支点Bとして回動可能に構成されている。
コイルばね8は、一端801を支持面部502に形成された係止孔503に係止されており、この係止孔503を規定する支持面部502の一部を回動支点として回動可能に構成されている。この場合、コイルばね8は、駆動体7の回動支点である第1の回動支点Aを共通の回動支点として回動可能に構成されている。一方、コイルばね8は、他端802を基部901に形成された係止孔904に係止されており、この係止孔904を規定する基部901の一部を第3の回動支点Cとして回動可能に構成されている。
初期状態において、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線よりも下方側に配置されている。コイルばね8には、上述のように、導体板9(より具体的には基部901)を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。このため、導体板9には、第2の回動支点Bを回動支点として基部901を反時計回り方向に回動させる力が作用する。したがって、初期状態においては、基部901に設けられた可動接点10を上方側に移動させる力が作用しており、固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態となっている。このため、固定端子4、5間は非導通状態であり、スイッチ装置1がオフ状態となっている。
以下、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有するスナップアクション機構6のスナップアクション動作について図7〜図11を参照しながら説明する。第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有するスナップアクション機構6においては、操作部材3における揺動動作に伴って、上述した複数の回動支点(第1〜第3の回動支点A〜C)で各構成部材が回動しながらスナップアクション動作を行う。特に、揺動操作により操作部301の一端部(右方側端部)が一定位置以上に押し込まれると、スナップアクション機構6が下方側に反転して固定端子4、5間が導通状態に切り替えられる。一方、揺動操作により操作部301の他端部(左方側端部)が一定位置以上に押し込まれると、スナップアクション機構6が上方側に反転して固定端子4、5間が非導通状態に切り替えられる。
図6に示す初期状態から操作部301の一端部(右方側端部)が揺動操作によりハウジング2内に押し込まれると、収納部201内において、操作部材3が軸部302を回動支点として回動する。この操作部材3の回動に伴って第2の駆動部303bが駆動体7の延出部701b、702bの右方側端部と当接し、延出部701b、702bを左方側に押圧駆動する。第2の駆動部303bによる押圧駆動を受けると、駆動体7は、第1の回動支点Aを回動支点として反時計回り方向に回動する。
一方、導体板9は、操作部材3の回動に伴って押圧片304a、304bの押圧を受ける。押圧片304a、304bの押圧を受けると、導体板9は、第2の回動支点Bを回動支点として時計回り方向に回動する。このような駆動体7及び導体板9の回動に伴い、突出片705が上方側に移動する一方、導体板9の基部901が下方側に移動する。この結果、第2の回動支点Bが上方側に移動する一方、第3の回動支点Cが下方側に移動して図7に示す状態となる。図7においては、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1において、反転する直前の状態のスナップアクション機構6について示している。
図7に示すように、スナップアクション機構6が反転する直前の状態に移行した場合において、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線上に配置される。この場合、コイルばね8の引っ張り力は、導体板9(より具体的には基部901)を第1の回動支点A側に移動する力として作用する。このため、導体板9は、中立状態となり、上方側及び下方側のいずれの方向にも回動する力が作用することはない。したがって、図7に示す状態では、可動接点10が固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態を維持している。
図7に示す状態から操作部301の一端部(右方側端部)が更にハウジング2内に押し込まれると、収納部201内で更に操作部材3が時計回り方向に回動する。この操作部材3の回動に伴って第2の駆動部303bが更に駆動体7の延出部701b、702bを左方側に押圧駆動する。また、押圧片304a、304bは、導体板9の基部901を下方側に押圧駆動する。これらの押圧駆動に応じて第1の回動支点Aを回動支点として反時計回り方向に駆動体7が回動すると共に、第2の回動支点Bを回動支点として時計回り方向に導体板9が回動すると、この駆動体7及び導体板9の回動に伴って突出片705が上方側に移動して図8に示す状態となる。図8においては、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1において、反転した直後の状態のスナップアクション機構6について示している。
すなわち、図7に示す状態から突出片705が上方側に移動すると、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線よりも上方側に配置された状態となる。コイルばね8には、導体板9(より具体的には基部901)を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。このため、導体板9には、第2の回動支点Bを回動支点として基部901を時計回り方向に回動させる力が作用する。したがって、図8に示す状態においては、基部901に設けられた可動接点10を下方側に移動させる力が作用しており、固定端子4上に設けられた固定接点403に当接した状態となっている。これにより、固定端子4、5間が導電性を有する駆動体7及び導体板9等を介して導通状態とされ、スイッチ装置1がオン状態に切り替えられる。
第1の実施の形態に係るスイッチ装置1において、スナップアクション機構6が反転して可動接点10が固定接点403に当接した直後の状態(図8に示す状態)では、コイルばね8の引っ張り力を残存する構成としている。このため、コイルばね8の引っ張り力により、導体板9(より具体的には基部901)は、図8に示す状態から更に支持面部502側に引っ張られて図9に示す状態となる。なお、図9においては、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1がオン状態とされた場合のスナップアクション機構6の状態を示している。
図8に示す状態から図9に示すオン状態に移行する際、可動接点10は、コイルばね8の引っ張り力により固定接点403に当接した状態で支持面部502側に移動することとなる。すなわち、可動接点10は、固定接点403上を左方側に摺動する。このように可動接点10が固定接点403上を摺動することから、スナップアクション機構6による可動接点10の摺動に伴って固定接点403の表面に付着した埃等を除去できるので、可動接点10と固定接点403との間の接触安定性を確保できるものとなっている。
一方、図9に示す状態から操作部301の他端部(左方側端部)が揺動操作によりハウジング2内に押し込まれると、収納部201内において、操作部材3が軸部302を回動支点として反時計回り方向に回動する。この操作部材3の回動に伴って第1の駆動部303aが駆動体7の延出部701b、702bの左方側端部と当接し、延出部701b、702bを右方側に押圧駆動する。第1の駆動部303aによる押圧駆動を受けると、駆動体7は、第1の回動支点Aを回動支点として時計回り方向に回動する。このような駆動体7の回動に伴い、突出片705が下方側に移動する。この結果、第2の回動支点Bが下方側に移動して図10に示す状態となる。図10においては、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1において初期状態への復帰時に反転する直前の状態のスナップアクション機構6について示している。
図10に示すように、スナップアクション機構6が初期状態への復帰時に反転する直前の状態に移行した場合において、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線上に配置される。この場合、コイルばね8の引っ張り力は、導体板9(より具体的には基部901)を第1の回動支点A側に移動する力として作用する。このため、導体板9は、中立状態となり、上方側及び下方側のいずれの方向にも回動する力が作用することはない。したがって、図10に示す状態では、可動接点10が固定端子4上に設けられた固定接点403と当接した状態を維持している。
図10に示す状態から操作部301の他端部(左方側端部)が更にハウジング2内に押し込まれると、収納部201内で更に操作部材3が反時計回り方向に回動する。この操作部材3の回動に伴って第1の駆動部303aが更に駆動体7の延出部701b、702bを右方側に押圧駆動する。この押圧駆動に応じて第1の回動支点Aを回動支点として時計回り方向に駆動体7が回動すると、この駆動体7の回動に伴って突出片705が下方側に移動して図11に示す状態となる。図11においては、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1が有するスナップアクション機構6が初期状態への復帰時に反転した直後の状態を示している。
すなわち、図10に示す状態から突出片705が上方側に移動すると、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線よりも下方側に配置された状態となる。コイルばね8には、導体板9(より具体的には基部901)を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。このため、導体板9には、第2の回動支点Bを回動支点として基部901を反時計回り方向に回動させる力が作用する。したがって、図11に示す状態においては、基部901に設けられた可動接点10を上方側に移動させる力が作用しており、固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態となっている。これにより、固定端子4、5間が非導通状態とされ、スイッチ装置1がオフ状態に切り替えられる。なお、導体板9の反時計回り方向への回動は、操作部材3の下面に設けられた押圧片304a、304bと基部901との当接により規制される。
このように第1の実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作部材3に対する揺動操作に伴って、第1の回動支点Aと第3の回転支点Cとを結んだ直線より第2の回動支点Bが上方側に移動すると、コイルばね8の引っ張り力によりスナップアクション機構6は下方側に導体板9を反転する(所謂、スナップアクション動作)。この結果、固定端子4、5間が導通状態に切り替えられ、スイッチ装置1がオン状態となる。一方、第1の回動支点Aと第3の回転支点Cとを結んだ直線より第2の回動支点Bが下方側に移動すると、コイルばね8の引っ張り力によりスナップアクション機構6は上方側に導体板9を反転する。この結果、固定端子4、5間が非導通状態に切り替えられ、スイッチ装置1がオフ状態となる。
第1の実施の形態に係るスイッチ装置1によれば、操作部材3における揺動動作に伴って一対の駆動部303a、303bが駆動体7の突出部(延出部701b、702b及び連結部703)を押圧駆動することで導体板9をスナップアクション動作させて可動接点10と固定接点403とを接離させることから、コイルばね8の屈曲を利用することなくスナップアクション動作を行うことができるので、コイルばね8(引いてはスイッチ装置1全体)を長寿命化することができる。また、操作部材3における双方向の揺動動作に伴って導体板9をスナップアクション動作させることができることから、可動接点10と固定接点403との接離状態を瞬時に切り替えることができるので、オン操作及びオフ操作のいずれの場合も瞬時にオン状態とオフ状態とを切り替えることができる。この結果、スイッチ装置1全体の長寿命化を図りつつ、オン操作及びオフ操作のいずれの場合も瞬時にオン状態とオフ状態とを切り替えることが可能となる。しかも、オン操作及びオフ操作のいずれの場合も瞬時にオン状態とオフ状態とが切り替えられることから、切断すべき電流が大きい場合においても、アーク放電が長く続く事態を回避でき、可動接点10及び固定接点403を長寿命化することが可能となる。
特に、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作部材3の下面に、操作部材3における一方側への揺動操作に伴って導体板9を押圧する一対の押圧片304a、304bを設けている。これにより、操作部材3の揺動操作に伴って一対の押圧片304a、304bで導体板9が押圧されることから、駆動体7を介在させることなく導体板9を直接的に回動できるので、確実に導体板9をスナップアクション動作させることが可能となる。
また、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作部材3の下面に設けられた凹部303で駆動体7の突出部(延出部701b、702b及び連結部703)を収納すると共に、この凹部303を規定する内壁部(第1、第2の駆動部303a、303b)で突出部が押圧駆動されることから、操作部材3の揺動動作に伴う凹部303の移動を利用して突出部を押圧駆動できるので、確実に突出部を押圧駆動することが可能となる。
しかも、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1においては、操作部材3の凹部303を規定する内壁部で第1、第2の駆動部303a、303bが構成されることから、これらの第1、第2の駆動部303a、303bを操作部材3の一部で構成することができる。これにより、第1、第2の駆動部303a、303bを操作部材3に固着する等の作業を排除できるので、操作部材3の製造コストを低減することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に係るスイッチ装置1においては、コイルばね8の引っ張り力によって可動接点10を固定接点403に接触させる場合について説明している。第2の実施の形態に係るスイッチ装置は、コイルばね8の引っ張り力に加えて操作部材による押し付け力によって可動接点10を固定接点403に接触させる点で、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1と相違する。以下、第2の実施の形態に係るスイッチ装置の構成について、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1との相違点を中心に説明する。
図12は、第2の実施の形態に係る揺動操作型スイッチ装置(以下、単に「スイッチ装置」という)11の全体構成を示す分解斜視図である。なお、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11の構成について、第1の実施の形態に係るスイッチ装置1と共通する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
操作部材12は、下方に開口した概して箱状を有する操作部121を有している。操作部121は、その下方側の一部をハウジング2の収納部201に収納可能な寸法に設けられている。操作部121の側面部中央には、側方側に突出する一対の軸部122が設けられている。軸部122は、概して円柱形状を有し、ハウジング2の孔204に挿入可能な寸法に設けられている。操作部121の側面部下面の右方側端部近傍には、一対の突起部123が設けられている。突起部123は、概して三角形状を有し、その先端部は操作部121において最も下方側に突出している。
操作部材12の下面の左方側端部近傍には、凹部124が設けられている(図13参照)。凹部124は、操作部材12がハウジング2に収納された状態で、ハウジング2の左方側の側壁部203の内壁部に向かって僅かに傾斜した状態で開口して設けられている。この凹部124には、後述するスナップアクション機構13の駆動体14の一部を収納可能に構成されている。
スナップアクション機構13は、駆動体14と、コイルばね8と、導体板15とを含んで構成されている。駆動体14は、対向して配置される一対の板状部141、142と、これらの上端部で板状部141、142を連結する連結部143とを有している。板状部141、142は、ハウジング2の側壁部202と平行な平板形状を有している。連結部143は、これらの板状部141と略直交して延在して設けられている。
板状部141は、概して水平方向(スイッチ装置11の左右方向)に延在する基部141aと、この基部141aの上端部から上方側に延出して設けられた延出部141bとを有する。同様に、板状部142は、概して水平方向(スイッチ装置11の左右方向)に延在する基部142aと、この基部142aの上端部から上方側に延出して設けられた延出部142bとを有する。連結部143は、延出部141bの上端部と延出部142bの上端部とを連結している。なお、これらの延出部141b、142b及び連結部143は、駆動体14に設けられた突出部を構成する。
基部141a、142aの左方側端部には、左方側に開口した凹部144が設けられている。これらの凹部144は、固定端子5の支持面部502に設けられた係合片504と係合可能に構成されている。一方、基部141a、142aの右方側端部には、右方側に開口した凹部145が設けられている。これらの凹部145は、後述する導体板15の凹部154と係合可能に構成されている。
導体板15は、導電性を有する金属板材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施して構成される。導体板15は、スイッチ装置11の左右方向に延在する基部151と、この基部151から右方向に延出し、上方側に折り曲げられた接点取付部152とを有している。
基部151は、平板形状を有している。基部151は、上面視にて左方側に開口する略U字状を有しており、一対のアーム部151aが設けられている。基部151の右方側部分には、係止孔153が形成されている。この係止孔153は、コイルばね8の他端802を係止可能に構成されている。一対のアーム部151aの左方側端部には、凹部154がそれぞれ設けられている。この凹部154は、駆動体14の基部141a、142aに設けられた凹部145と係合可能に構成されている。
接点取付部152には、可動接点10が取り付けられている。可動接点10は、接点取付部152に溶接等により接合されている。可動接点10は、固定接点403の接点部と接触可能な位置に接点部を下方側に露出した状態で接点取付部152に一体化されている。
このような構成を有するスイッチ装置11を組み立てると、図13に示すように、ハウジング2の収納部201内にスナップアクション機構13が収納されると共に、ハウジング2に対してスナップアクション機構13の上方側に操作部材12が取り付けられる。図13は、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11の側断面図である。なお、図13においては、初期状態におけるスナップアクション機構13について示している。また、図13においては、スイッチ装置11の左右方向(ハウジング2の長手方向)に沿った操作部材12の中央の断面を示している。図14〜図16においても同様である。
図13に示すように、スイッチ装置11において、ハウジング2の底面部には、導体板15の延在方向に沿って固定端子4、5が離間して配置されている。操作部材12は、凹部124内で駆動体14(板状体141、142)の延出部141b、142b及び連結部143(すなわち、駆動体14に設けられた突出部)を収納した状態でハウジング2に取り付けられる。このように凹部124に収納された状態において、延出部141b、142bの左方側端部は、凹部124を規定する左方側の内壁面に接触した状態となっている。
ここで、凹部124を規定する左右の内壁部は、操作部材12の揺動操作に伴って駆動体14の延出部141b、142bを押圧駆動する一対の駆動部を構成する。以下においては、説明の便宜上、凹部124を規定する左方側の内壁部を第1の駆動部124aと呼び、凹部124を規定する右方側の内壁部を第2の駆動部124bと呼ぶものとする。延出部141b、142b及び連結部143で構成される駆動体14の突出部は、これらの第1、第2駆動部124a、124b間に配置される。
詳細について後述するように、初期状態のスイッチ装置11において、スナップアクション機構13には導体板15の右方側部分を反時計回りに回動させる力が作用しており、可動接点10が固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態となっている。この導体板15の回動は、操作部材12の下面から突出する突起部123と基部151との当接により規制される。すなわち、突起部123は、コイルばね8を避けるようにして対向して設けられており、導体板15の回動を規制するストッパとして機能する。
ここで、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11が有するスナップアクション機構13の各構成部材の回動支点について説明する。図13に示すように、駆動体14は、基部141a、142aに設けられた凹部144で支持面部502の係合片504(図13に不図示)を収容しており、この凹部144と接触する係合片504の一部を第1の回動支点Aとして回動可能に構成されている。
導体板15は、一対のアーム部151aにそれぞれ設けられた凹部154と駆動体14の基部141a、142aに設けられた凹部145とを係合して配置しており、この凹部154と接触する凹部145の一部を第2の回動支点Bとして回動可能に構成されている。
コイルばね8は、一端801を支持面部502に形成された係止孔503に係止されており、この係止孔503を規定する支持面部502の一部を回動支点として回動可能に構成されている。この場合、コイルばね8は、駆動体14の回動支点である第1の回動支点Aを共通の回動支点として回動可能に構成されている。一方、コイルばね8の他端802は、他端802を基部151に形成された係止孔153に係止されており、この係止孔153を規定する基部151の一部を第3の回動支点Cとして回動可能に構成されている。
初期状態において、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線よりも下方側に配置されている。コイルばね8には、上述のように、導体板15(より具体的には基部151)を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。このため、導体板15には、第2の回動支点Bを回動支点として基部151を反時計回りに回動させる力が作用する。したがって、初期状態においては、基部151に設けられた可動接点10を上方側に移動させる力が作用しており、固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態となっている。このため、固定端子4、5間は非導通状態であり、スイッチ装置11がオフ状態となっている。
以下、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11が有するスナップアクション機構13のスナップアクション動作について図14〜図16を参照しながら説明する。第2の実施の形態に係るスイッチ装置11が有するスナップアクション機構13においては、操作部材12における揺動動作に伴って、上述した複数の回動支点(第1〜第3の回動支点A〜C)で各構成部材が回動しながらスナップアクション動作を行う。特に、揺動操作により操作部121の一端部(右方側端部)が一定位置以上に押し込まれると、スナップアクション機構13が下方側に反転して固定端子4、5間が導通状態に切り替えられる。一方、揺動操作により操作部121の他端部(左方側端部)が一定位置以上に押し込まれると、スナップアクション機構13が上方側に反転して固定端子4、5間が非導通状態に切り替えられる。
図13に示す初期状態から操作部121の一端部(右方側端部)が揺動操作によりハウジング2内に押し込まれると、収納部201内において、操作部材12が軸部122を回動支点として回動する。この操作部材12の回動に伴って第2の駆動部124bが駆動体14の延出部141b、142bの右方側端部と当接し、延出部141b、142bを左方側に押圧駆動する。第2の駆動部124bによる押圧駆動を受けると、駆動体14は、第1の回動支点Aを回動支点として反時計回りに回動する。
一方、導体板15は、操作部材12の回動に伴って突起部123による押圧を受ける。突起部123による押圧を受けると、導体板15は、第2の回動支点Bを回動支点として時計回りに回動する。このような駆動体14及び導体板15の回動に伴い、凹部145が上方側に移動する一方、導体板15の基部151が下方側に移動する。この結果、第2の回動支点Bが上方側に移動する一方、第3の回動支点Cが下方側に移動して図14に示す状態となる。図14においては、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11において、反転する直前の状態のスナップアクション機構13について示している。
図14に示すように、スナップアクション機構13が反転する直前の状態に移行した場合において、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線上に配置される。この場合、コイルばね8の引っ張り力は、導体板15(より具体的には基部151)を第1の回動支点A側に移動する力として作用する。このため、導体板15は、中立状態となり、上方側及び下方側のいずれの方向にも回動する力が作用することはない。したがって、図14に示す状態では、可動接点10が固定端子4上に設けられた固定接点403から離間した状態を維持している。
図14に示す状態から操作部121の一端部(右方側端部)が更にハウジング2内に押し込まれると、収納部201内で更に操作部材12が時計回り方向に回動する。この操作部材12の回動に伴って第2の駆動部124bが更に駆動体14の延出部141b、142bを左方側に押圧駆動する。また、突起部123は、導体板15の基部151を下方側に押圧駆動する。これらの押圧駆動に応じて第1の回動支点Aを回動支点として反時計回り方向に駆動体14が回動すると共に、第2の回動支点Bを回動支点として時計回り方向に導体板15が回動すると、この駆動体14及び導体板15の回動に伴って凹部145が上方側に移動して図15に示す状態となる。図15においては、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11において、反転した直後の状態のスナップアクション機構13について示している。
すなわち、図14に示す状態から凹部145が上方側に移動すると、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線よりも上方側に配置された状態となる。コイルばね8には、導体板15(より具体的には基部151)を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。このため、導体板15には、第2の回動支点Bを回動支点として基部151を時計回り方向に回動させる力が作用する。更に、導体板15には、操作部材12の突起部123が導体板15の基部151を下方側に押圧することにより、第2の回動支点Bを回動支点として基部151を時計回り方向に回動させる力が作用する。したがって、図15に示す状態においては、接点取付部152に設けられた可動接点10を下方側に移動させる力が作用しており、固定端子4上に設けられた固定接点403に接触した状態となっている。これにより、固定端子4、5間が導電性を有する駆動体14及び導体板15を介して導通状態とされ、スイッチ装置11がオン状態に切り替えられる。このように、スイッチ装置11は、コイルばね8に作用するばね張力に加え、操作部材12が導体板15を押し付ける力も作用して、可動接点10を固定接点403に接触させる構成であるため、接点の接触圧を大きくすることができ、可動接点10と固定接点403との間の接触安定性を確保できるものとなっている。
一方、図15に示す状態から操作部121の他端部(左方側端部)が揺動操作によりハウジング2内に押し込まれると、収納部201内において、操作部材12が軸部122を回動支点として反時計回りに回動する。この操作部材12の回動に伴って第1の駆動部124aが駆動体14の延出部141b、142bの左方側端部と当接し、延出部141b、142bを右方向に押圧駆動する。また、操作部材12の回動に伴って突起部123は導体板15の基部151から離間する。第1の駆動部124aによる押圧駆動を受けると、駆動体14は、第1の回動支点Aを回動支点として時計回り方向に回動する。このような駆動体14の回動に伴い、凹部145が下方側に移動する。この結果、第2の回動支点Bが下方側に移動して図16に示す状態となる。図16においては、第2の実施の形態に係るスイッチ装置11において初期状態への復帰時に反転する直前のスナップアクション機構13について示している。
図16に示すように、スナップアクション機構13が初期状態への復帰時に反転する直前の状態に移行した場合において、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線状に配置される。この場合、コイルばね8の引っ張り力は、導体板15(より具体的には基部151)を第1の回動支点A側に移動する力として作用する。このため、導体板15は、中立状態となり、上方側及び下方側のいずれの方向にも回動する力が作用することはない。したがって、図16に示す状態では、可動接点10が固定端子4上に設けられた固定接点403と接触した状態を維持している。
図16に示す状態から操作部121の他端部(左方側端部)が更にハウジング2内に押し込まれると、収納部201内で更に操作部材12が反時計回り方向に回動する。この操作部材12の回動に伴って第1の駆動部124aが更に駆動体14の延出部141b、142bを右方向に押圧駆動する。この押圧駆動に応じて第1の回動支点Aを回動支点として時計回り方向に駆動体14が回動すると、この駆動体14の回動に伴って凹部145が下方側に移動する。
すなわち、図16に示す状態から凹部145が上方側に移動すると、第2の回動支点Bは、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線よりも下方側に配置された状態となる。コイルばね8には、導体板15(より具体的には基部151)を支持面部502側に引っ張る力が作用した状態となっている。このため、導体板15には、第2の回動支点Bを回動支点として基部151を反時計回り方向に回動させる力が作用する。したがって、接点取付部152に取り付けられた可動接点10を上方側に移動させる力が作用し、可動接点10は、固定端子4上に設けられた固定接点403から離間する。これにより、固定端子4、5間が非導通状態とされ、スイッチ装置11がオフ状態に切り替えられる。なお、導体板15の反時計回り方向への回動は、操作部材12の下面に設けられた突起部123と基部151との当接により規制される。
このように第2の実施の形態に係るスイッチ装置11においては、操作部材12に対する揺動操作に伴って、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線より第2の回動支点Bが上方側に移動すると、コイルばね8の引っ張り力によりスナップアクション機構13は下方側に導体板15を反転する(所謂、スナップアクション動作)。この結果、固定端子4、5間が導通状態に切り替えられ、スイッチ装置11がオン状態となる。一方、第1の回動支点Aと第3の回動支点Cとを結んだ直線より第2の回動支点Bが下方側に移動すると、コイルばね8の引っ張り力によりスナップアクション機構13は上方側に導体板15を反転する。この結果、固定端子4、5間が非導通状態に切り替えられ、スイッチ装置11がオフ状態となる。
第2の実施の形態に係るスイッチ装置11においては、操作部材12の下面に、操作部材12における一方側への揺動操作に伴って導体板15を押圧する突起部123を設けている。これにより、操作部材12の揺動操作に伴って突起部123で導体板15が押圧されることから、駆動体14を回在させることなく導体板15を直接的に回動できるので、確実に導体板15をスナップアクション動作させることが可能となる。また、スイッチ装置11においては、オン状態において、コイルばね8に作用するばね張力に加え、操作部材12が導体板15を押し付ける力も作用して、可動接点10を固定接点403に接触させる構成であるため、接点の接触圧を大きくすることができ、可動接点10と固定接点403との間の接触安定性を確保できるものとなっている。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本考案の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本考案の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、駆動体7(14)の延出部701b、702b(141b、142b)を押圧駆動する第1、第2の駆動部303a、303b(124a、124b)を、操作部材3(12)の凹部303(124)を規定する左右の内壁部で構成する場合について説明している。しかし、これらの第1、第2の駆動部303a、303b(124a、124b)の構成については、これらに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、操作部材3(12)の下面に下方側に突出する一対の突出片を設けると共に、これらの突出片の間に延出部701b、702b(141b、142b)を挟んで配置する。そして、一方の突出片を第1の駆動部303a(124a)とする一方、他方の突出片を第2の駆動部303b(124b)とする構成としても良い。このように構成した場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
あるいは、例えば、図17に示すように、操作部材3(12)の凹部303(124)内に、操作部材3(12)の短手方向に延在する駆動突起16が設けられると共に、駆動体7(14)に駆動突起16を摺動自在に挟む対向壁17aを有する被駆動部17を設ける構成としてもよい。このように構成した場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。すなわち、操作部材3(12)における一方側への揺動動作に伴って駆動突起16の一部が被駆動部17を規定する対向壁17aの一方を押圧駆動して、導体板9(15)をスナップアクション動作させて可動接点10と固定接点403とを当接させ、操作部材3(12)における他方側への揺動動作に伴って駆動突起16の一部と異なる他部が被駆動部17を規定する対向壁17aの他方を押圧駆動して、導体板9(15)をスナップアクション動作させて可動接点10を固定接点403から離間させることから、コイルばね8の屈曲を利用することなくスナップアクション動作を行うことができる。
また、一対の駆動部303a、303b(124a、124b)を構成する突出片については、操作部材3(12)の一部で構成するのではなく(例えば、樹脂材料の成形工程で操作部材3(12)の一部として構成するのではなく)、別途、操作部材3(12)の下面に固着するようにしても良い。このように構成する場合においても、上記実施の形態と同様に、操作部材3(12)の揺動動作に伴って駆動体7(14)を押圧駆動することが可能である。