JP5939694B1 - 流体用スクリーンチェンジャー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、回転困難を防止して操作性の向上を図ると共に作業性の向上を図ることができる流体用スクリーンチェンジャーを提供する。【解決手段】ケーシング本体10内に円筒形空間13が設けられ、ケーシング本体10に固定入口11及び固定出口12が形成され、円筒形空間13の軸方向に濾過手段20が着脱自在に装着され、固定入口11に開閉弁30が設けられ、固定出口12に軸方向に回転する回転出口部40が設けられ、回転出口部40の内部に濾過手段20と固定出口12を連通する回転出口通路41が形成され、回転出口通路41の一端は濾過手段20の出口通路23と接続し、回転出口通路41の他端には可動出口42が形成され、回転出口部40を回転させることにより可動出口42と固定出口12を連通可能にした。【選択図】図1

Description

本発明は、更なる操作性及び作業性の向上を図ることを可能にした流体用スクリーンチェンジャーに関するものである。
従来から流体の濾過装置の連続運転を行うため、通常2つの濾過装置の入口及び出口にそれぞれ切換弁を設けることが考えられている。しかし、高品質で濾過精度が高くなるにつれて、切換弁の運動隙間からの漏れや滞留部の劣化物の流出によって、製品に悪い影響を及ぼすことになる。特に、出口切換弁は、直接製品に悪影響を及ぼすため、弁切換式による連続化はほとんど行われていないのが現状である。そのため、本願出願人は、このような切換弁の弊害をなくすために、以下に示すような回転円筒方式によって濾過装置の入口、出口の開閉を行う流体用スクリーンチェンジャーに関する発明を提案している。
特開2012−66527号公報(特許文献1)には、濾過面積の減少を招くことなく、小型化,軽量化を可能とした流体用スクリーンチェンジャーを提供することを目的とし、円柱状の回動棒がその中心軸線周りに回動できるよう案内する回動棒孔を有するケーシング本体と、回動棒孔に回動自在に挿入され、可動通路を外円周面に持ち、軸方向に並列した複数本の回動棒を持ち、また、該回動棒の一端又は両端に結合された回動駆動軸と、回動棒と同軸に挿入された濾過手段とを持ち、ケーシング本体に設けられ、可動通路に入口連通路および出口連通路を介して連通するように、回動棒孔の軸方向で離置された入口主通路および出口主通路とを含む「流体用スクリーンチェンジャー」が提案されており、本願出願人は、既に特許権(特許文献2、特許第5618327号公報)を取得している。
また、本願出願人は、上記技術に更に改良を施して、小型化,軽量化、操作性の向上を図ると共に、単筒又は複筒のいずれでも使用可能とした流体用スクリーンチェンジャーについて特許出願を行っている(特願2014−224631号、PCT/JP2014/79880)。
特開2012−66527号公報 特許第5618327号公報
しかし、上記の回転円筒方式によると、流体の圧力が回転円筒の底部に働き回転力を妨げるため、特に高圧又は大型になると特別な動力装置が必要になる場合が考えられる。
そこで、本発明は、上記の回転円筒方式による更なる課題の解決を図ること、即ち回転困難を防止して操作性の向上を図ると共に作業性の向上を図ることができる流体用スクリーンチェンジャーを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ケーシング内に1又は複数の円筒形空間が設けられ、前記ケーシングに1又は複数の固定入口及び固定出口が形成され、前記円筒形空間の軸方向に1又は複数の濾過手段が着脱自在に装着され且つ前記円筒形空間内の連通路に固定されており、前記ケーシングの固定入口側に1又は複数の開閉弁又は切換弁が設けられ、前記ケーシングの固定出口側に軸方向に回転する1又は複数の回転出口部が設けられ、前記回転出口部の内部に前記濾過手段と前記ケーシングの固定出口を連通する回転出口通路が形成され、前記回転出口通路の一端は前記濾過手段の出口通路と接続し、前記回転出口通路の他端には可動出口が形成され、前記回転出口部を回転させることにより前記可動出口と前記ケーシングの固定出口を連通可能にし、前記濾過手段を交換する際は、前記開閉弁又は切換弁を開から閉に切り換え、前記回転出口部を回転させて前記可動出口を閉状態とすることにより、定常運転を中止して前記濾過手段を交換することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記ケーシング内に1つの円筒形空間が設けられ、前記ケーシングに固定入口及び固定出口が形成され、前記円筒形空間の軸方向に濾過手段が着脱自在に装着され、前記ケーシングの固定入口側に方向切換弁が設けられ、前記ケーシングの固定出口側に軸方向に回転する回転出口部が設けられ、前記ケーシングの固定入口側に設けられた方向切換弁を介して前記ケーシングの固定入口と固定出口を接続するバイパスを備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記バイパスの途中に補助フィルターを設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記ケーシング内に2つの円筒形空間が設けられ、前記ケーシングに固定主入口及び固定主出口が形成され、前記固定主入口及び前記固定主出口にそれぞれ連通する2つの固定入口及び固定出口が形成され、前記各円筒形空間の軸方向に濾過手段がそれぞれ着脱自在に装着され且つ前記各円筒形空間内の各連通路に固定されており、前記ケーシングの固定主入口側に前記各固定入口に分流させる方向切換弁が設けられ、前記ケーシングの固定出口側に軸方向に回転する2つの回転出口部が設けられ、前記各回転出口部の内部に前記各濾過手段と前記各固定出口を連通する回転出口通路がそれぞれ形成され、前記各回転出口通路の一端は前記各濾過手段の出口通路とそれぞれ接続し、前記各回転出口通路の他端には可動出口がそれぞれ形成され、前記各回転出口部をそれぞれ回転させることにより前記各可動出口と前記各固定出口を連通可能にし、前記各濾過手段を交換する際は、前記方向切換弁を切り換えて流体の入口を閉とし、前記各回転出口部を回転させて前記各可動出口を閉状態とすることにより、定常運転から前記各濾過手段を交換することができることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記各濾過手段のスクリーンに付いた不純物を流体と共にはがして外部に排出するための逆洗排出通路を前記各連通路に面する蓋又は上部位置に形成したことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記濾過手段を交換した後に流体を外部に放出して確認するための固定放出通路を形成し、前記各回転出口部を回転させることにより前記各可動出口と前記各固定放出通路を連通可能にしたことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6に記載の前記回転出口部の回転面は軸方向に平行な直円筒状外面又は軸方向に対して傾斜した円錐状テーパー外面に形成されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7に記載の前記ケーシング内の円筒形空間の天部に圧力バランス用部材が前記濾過手段の底部に連結された連結部材に固定されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項7に記載の前記ケーシング内の円筒形空間の天部に設ける圧力バランス用部材と前記濾過手段とを一体化して連結固定されていることを特徴とする。
以上のように、本発明にかかる流体用スクリーンチェンジャーによれば、回転出口部を回転させて回転出口通路の可動出口とケーシングの固定出口を連通可能にしたことにより、従来よりも更なる小型化,軽量化、操作性及び作業性の向上を図ることができる。
本発明の第一実施例を示す断面説明図である。 図1のX−X線断面説明図である。 本発明の圧力バランスの一例を示す説明図である。 本発明の圧力バランスの他例を示す説明図である。 本発明の第二実施例を示す断面説明図である。 本発明の第二実施例の通常運転時の作動状態を示す説明図である。 本発明の第二実施例の濾過手段交換時の作動状態を示す説明図である。 本発明の第三実施例を示す断面説明図である。 本発明の第三実施例の通常運転時の作動状態を示す説明図である。 本発明の第三実施例の濾過手段交換時の作動状態を示す説明図である。 本発明の第三実施例の逆洗時の作動状態を示す説明図である。 本発明の第三実施例の流体確認時の作動状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の一形態について図面を参酌しながら説明する。なお、本発明の流体用スクリーンチェンジャーの各構成については、以下の実施例に限定されるものではなく、使用状況によって適宜変更することができる。
図1は本発明の第一実施例を示す断面説明図、図2は図1のX−X線断面説明図である。ケーシング本体10は、外形が直方体をなした鋼のブロック状のものである。ケーシング本体10には、図1又は図2に示すように、その一方外面から円筒形空間13の連通路13aを連通して他方外面に開口するように、固定入口通路11と固定出口通路12が設けられる。なお、ケーシング本体は本実施例で図示する内容に限定されるものではなく、例えば厚肉鋼管又はステンレス鋼管等を溶接した構造物であってもよい。
円筒形空間13の連通路13aの開口端には、蓋50がケーシング本体10にボルト等で固定される。円筒形空間13の連通路13a内には、図1又は図2に示すように、円筒形空間13の軸方向と同軸に濾過手段20が着脱自在に装着される。濾過手段20は有底濾過筒からなり、例えば次のように構成される。補強多孔筒21は直円筒を呈しおり、その外周(または内周)に円筒スクリーン22が装着される。補強多孔筒21の一端にネジ等で取り付けられた凸部材24は、外側中央が外側に凸となっている。補強多孔筒21の他端は、ネジ等で底部に取り付けられる。これにより、円筒スクリーン22と連通路13aの内面との間には間隔が保たれ、この間隔と補強多孔筒21の内側には、濾過室が構成される。
ケーシング本体10の固定入口通路11の外側には、図1に示すように、開閉弁30が設けられる。開閉弁30は、入口30aと出口30bを持ち、この開閉弁30を介して流体入口通路110、111と固定入口通路11が連通される。なお、ケーシング本体10の内部に固定入口通路11を設けてもよい。
ケーシング本体10の固定出口通路12の内側には、図1又は図2に示すように、円筒形空間13の軸方向に回転する回転出口部40が設けられる。回転出口部40の内部には、濾過手段20とケーシング本体10の固定出口通路12とを連通する回転出口通路41が形成される。この回転出口通路41の一端は、濾過手段20の出口通路23と接続している。また、回転出口通路41の他端には、可動出口42が形成される。これにより、回転出口部40を軸方向に回転させると、可動出口42とケーシング本体10の固定出口通路12が連通可能になる。濾過手段20を交換する際は、開閉弁30を開から閉に切り換え、同時に回転出口部40を回転させて可動出口42を閉状態とすることにより、定常運転を中止して濾過手段20を簡単に交換することができる。また、回転出口部40の回転面40aは、軸方向に平行な直円筒状外面又は軸方向に対して傾斜した円錐状テーパー外面に形成される。ここで、直円筒状に形成されている場合は回転隙間があるため、この隙間より小さな異物が混入するおそれがある。この問題を解決するためには、相互に密着するテーパー面を採用することが効果的である。また、円錐状テーパー外面については、回転出口通路41の入口側から出口方向に向かって次第に小径又は大径となる円錐状テーパー面のいずれも適用可能であるが、回転出口通路41の入口側から出口方向に向かって次第に大径となる円錐状テーパー面を採用した場合、分離作業が簡単になるため一層実用的になる。
図3は本発明の圧力バランスの一例を示す説明図である。図3に示すように、ケーシング本体10内の円筒形空間13の天部には流体圧による押しつけ力を低減するための圧力バランス用部材60がネジ止め等により濾過手段20の底部25に連結された連結部材70に固定されている。これは、入口圧力P1をもった液体がフィルター内部に充満し、濾過手段20によって濾過され出口通路を通り次工程に至ることになるが、入口圧力P1は濾過手段20で圧力損失がおこりP2となる(P1>P2)。そのため、流体圧は下部への押しつけ力だけでなく蓋部50にも大きな力がかかる。そこで、このような大きな力をバランスさせるために、円筒形空間13の天部には圧力バランス用部材60が濾過手段20の底部25に連結された連結部材70に固定されている。これにより、蓋部50を大きく軽量化することが可能になり、また締め付けボルトの径・数量を減らし、蓋部50の分解、組み立て作業が容易になる。また、圧力バランス用部材60の圧力のかかる面積(図3の破線60aで示す部分)を減らすことにより、バランスを変えられ、蓋部50にかかる圧力を調整できる。
また、図4は本発明の圧力バランスの他例を示す説明図である。図4に示すように、ケーシング本体10内の円筒形空間13の天部に設ける圧力バランス用部材61と濾過手段20とを一体化して連結固定することにより、流体圧による押しつけ力を低減することができる。また、上記と同様に圧力バランス用部材61の圧力のかかる面積(図4の破線61aで示す部分)を減らすことにより、蓋部50にかかる圧力を調整できる。ここで、図3及び図4の実施例で説明した圧力バランスについては、本発明にかかる流体用スクリーンチェンジャーだけでなく、従来の回転円筒方式、市販されている固定式の全てのタイプに適用でき、蓋部の軽量化と作業性の向上を図り、圧力の調整機能を有する。
次に、図5は本発明の第二実施例を示す断面説明図である。ケーシング本体10は、外形が直方体をなした鋼のブロック状のものである。ケーシング本体10には、図5に示すように、その一方外面から円筒形空間13の連通路13aを連通して同一外面に開口するように、固定入口通路11と固定出口通路12が設けられる。なお、ケーシング本体は本実施例で図示する内容に限定されるものではなく、例えば厚肉鋼管又はステンレス鋼管等を溶接した構造物であってもよい。
円筒形空間13の連通路13aの開口端には、蓋50がケーシング本体10にボルト等で固定される。円筒形空間13の連通路13a内には、図5に示すように、上述した第一実施例と同様に円筒形空間13の軸方向と同軸に濾過手段20が着脱自在に装着される。濾過手段20は有底濾過筒からなり、例えば次のように構成される。補強多孔筒21は直円筒を呈しおり、その外周(または内周)に円筒スクリーン22が装着される。補強多孔筒21の一端にネジで取り付けられた凸部材24は、外側中央が外側に凸となっている。補強多孔筒21の他端は、ネジ等で底部に取り付けられる。これにより、円筒スクリーン22と連通路13aの内面との間には間隔が保たれ、この間隔と補強多孔筒21の内側には、濾過室が構成される。
ケーシング本体10の固定入口通路11の外側には、図5に示すように、方向切換弁31が設けられる。また、方向切換弁31を介してケーシング本体10の固定入口通路11と固定出口通路12を接続するバイパス通路32を備えている。方向切換弁31は、通路口31a、31b、31cと外部に流体を排出する可動排出路31dを持ち、この方向切換弁31を介して流体入口通路110、111と固定入口通路11が連通されると共に、バイパス通路32と流体出口通路120、121と固定出口通路12が連通される。なお、方向切換弁31とバイパス通路32の構成は、ケーシング本体10内に設けてもよい。
ケーシング本体10の固定出口通路12の内側には、図5に示すように、上述した第一実施例と同様に円筒形空間13の軸方向に回転する回転出口部40が設けられる。回転出口部40の内部には、濾過手段20とケーシング本体10の固定出口通路12とを連通する回転出口通路41が形成される。この回転出口通路41の一端は、濾過手段20の出口通路23と接続している。また、回転出口通路41の他端には、可動出口42が形成される。これにより、回転出口部40を軸方向に回転させると、可動出口42とケーシング本体10の固定出口通路12が連通可能になる。また、回転出口部40の回転面40aは、軸方向に平行な直円筒状外面又は軸方向に対して傾斜した円錐状テーパー外面に形成される。ここで、直円筒状に形成されている場合は回転隙間があるため、この隙間より小さな異物が混入するおそれがある。この問題を解決するためには、相互に密着するテーパー面を採用することが効果的である。
図6は第二実施例の通常運転時の作動状態を示す説明図である。通常運転時には、方向切換弁31を経由してケーシング本体10の固定入口通路11より入った流体は連通路13aから濾過室に入り、円筒スクリーン22を通り、補強多孔筒21の円周に開けられた孔より補強多孔筒21内を通り、出口通路23を経て回転出口通路41と固定出口通路12を通り、流体出口通路121、120を経由して次の機器に入る。この間に円筒スクリーン22で流体の不純物が濾過される。また、図6に示すように、流体一部はバイパス通路32を逆流して、方向切換弁31内の滞留物を可動排出路31dより外部に排出する。
図7は第二実施例の濾過手段交換時の作動状態を示す説明図である。濾過手段20を交換する際は、方向切換弁31を切り換えて流体の入口を閉とし、同時に回転出口部40を回転させて可動出口42を閉状態とすることにより、定常運転から濾過手段20を簡単に交換することができる。この間、流体は方向切換弁31を経由してバイパス通路32と流体出口通路120を通り、次の機器に入る。したがって、濾過手段交換中も流体の流れは切れず、製品は採れないが生産ラインを停止する必要はない。また、バイパス通路32の途中に補助フィルター(図示省略)を設けることにより、連続した製品生産が可能となる。
次に、図8は本発明の第三実施例を示す断面説明図である。ケーシング本体10は、外形が直方体をなした鋼のブロック状のものである。ケーシング本体10には、図8に示すように、その一方外面から2つの円筒形空間13の連通路13aを連通して他方外面に開口するように、固定主入口通路112と固定主出口通路122が設けられる。また、固定主入口通路112と固定主出口通路122にそれぞれ連通する2つの固定入口通路11と固定出口通路12が設けられる。また、流体を外部に放出する2つの固定放出通路14が設けられる。なお、ケーシング本体は本実施例で図示する内容に限定されるものではなく、例えば厚肉鋼管又はステンレス鋼管等を溶接した構造物であってもよい。
各円筒形空間13の各連通路13aの開口端には、各蓋50がケーシング本体10にボルト等で固定される。各円筒形空間13の各連通路13a内には、図8に示すように、上述した第一実施例と同様に円筒形空間13の軸方向と同軸に濾過手段20が着脱自在に装着される。濾過手段20は有底濾過筒からなり、例えば次のように構成される。補強多孔筒21は直円筒を呈しおり、その外周(または内周)に円筒スクリーン22が装着される。補強多孔筒21の一端にネジで取り付けられた凸部材24は、外側中央が外側に凸となっている。補強多孔筒21の他端は、ネジ等で底部に取り付けられる。これにより、円筒スクリーン22と連通路13aの内面との間には間隔が保たれ、この間隔と補強多孔筒21の内側には、濾過室が構成される。
ケーシング本体10の固定主入口通路112には、図8に示すように、流体を各固定入口通路11に分流させる方向切換弁31が設けられる。方向切換弁31は、3つの通路口を持ち、この方向切換弁31を介して固定主入口通路112と各固定入口通路11が連通される。
ケーシング本体10の固定主出口通路122は、図8に示すように、各固定出口通路12と連通し、そして各固定出口通路12には、上述した第一実施例と同様に各円筒形空間13の軸方向に回転する各回転出口部40が設けられる。各回転出口部40の内部には、各濾過手段20とケーシング本体10の各固定出口通路12とを連通する各回転出口通路41が形成される。これらの各回転出口通路41の一端は、各濾過手段20の各出口通路23と接続している。また、各回転出口通路41の他端には、各可動出口42が形成される。これにより、各回転出口部40を軸方向に回転させると、各可動出口42とケーシング本体10の各固定出口通路12が連通可能になる。また、回転出口部40の回転面40aは、軸方向に平行な直円筒状外面又は軸方向に対して傾斜した円錐状テーパー外面に形成される。ここで、直円筒状に形成されている場合は回転隙間があるため、この隙間より小さな異物が混入するおそれがある。この問題を解決するためには、相互に密着するテーパー面を採用することが効果的である。
図9は第三実施例の通常運転時の作動状態を示す説明図である。通常運転時には、ケーシング本体10の固定主入口通路112より入った流体は方向切換弁31を経由して2方向に分けられ各固定入口通路11を通って各連通路13aから濾過室に入り、各円筒スクリーン22を通り、各補強多孔筒21の円周に開けられた孔より各補強多孔筒21内を通り、各出口通路23を経て各回転出口通路41と各固定出口通路12を通り、合流して固定主出口通路122を経由して次の機器に入る。この間に各円筒スクリーン22で流体の不純物が濾過される。
図10は第三実施例の濾過手段交換時の作動状態を示す説明図である。濾過手段20を交換する際は、図10に示すように、方向切換弁31を切り換えて一方(左側)の固定入口通路11を閉とし、他方(右側)の固定入口通路11に流体を全て流す。また同時に一方(左側)の回転出口部40を回転させて可動出口42を閉状態とすることにより、流体の出入りがなくなり一方(左側)の濾過手段20を簡単に交換することができる。また他方(右側)の濾過手段20についても同様の手順で簡単に交換することができる。これを繰り返すことによって、連続運転が可能となる。
図11は第三実施例の逆洗時の作動状態を示す説明図である。濾過手段20を逆洗する際は、図10に示すように、通常運転時の状態(図9)から方向切換弁31を切り換えて一方(左側)の固定入口通路11を閉とし、他方(右側)の固定入口通路11に流体を全て流す。出口付近の流体は圧力により一方(左側)の濾過手段20を逆流して一方(左側)の濾過手段20のスクリーンに付いた不純物を流体と共にはがして一方(左側)の蓋50に設けられた逆洗排出通路51を経由して外部に排出される。また他方(右側)の濾過手段20についても同様の手順で逆洗することができる。なお、逆洗排出通路51を設ける箇所は蓋50に限定されず、ケーシング本体10の連通路13aの上部(図11の破線で示す逆洗排出通路51a)であってもよい。
図12は第三実施例の流体確認時の作動状態を示す説明図である。一方(左側)の濾過手段20を交換したときは、すぐに通常運転に戻すのではなく、一方(左側)の回転出口部40を回転させることにより、可動出口42と固定放出通路14とを連通させて流体を一旦外部に放出して流体のクリーニング状態をチェックする。このように、流体がきれいなことを確認してから、図9の状態(通常の運転状態)に戻すようにする。また他方(右側)の濾過手段20についても同様の手順で流体のクリーニング状態をチェックすることができる。なお、濾過手段を交換した後に流体を外部に放出して確認するための固定放出通路を形成し、回転出口部を回転させることにより可動出口と固定放出通路を連通可能にする構成については、第三実施例で説明した複数の濾過手段を有する場合に限定されるものではなく、第一実施例(図1参照)又は第二実施例(図5参照)に示すような1つの濾過手段を有する流体用スクリーンチェンジャーにも設けることが可能である。
10 ケーシング本体
11 固定入口通路
110 流体入口通路
111 流体入口通路
112 固定主入口通路
12 固定出口通路
120 流体出口通路
121 流体出口通路
122 固定主出口通路
13 円筒形空間
13a 連通路
14 固定放出通路
20 濾過手段
21 補強多孔筒
22 円筒スクリーン
23 出口通路
24 凸部材
25 底部
30 開閉弁
31 方向切換弁
32 バイパス通路
40 回転出口部
40a 回転面
41 回転出口通路
42 可動出口
50 蓋
51 逆洗排出通路
51a 逆洗排出通路
60 圧力バランス用部材
61 圧力バランス用部材
70 連結部材

Claims (9)

  1. ケーシング内に1又は複数の円筒形空間が設けられ、前記ケーシングに1又は複数の固定入口及び固定出口が形成され、前記円筒形空間の軸方向に1又は複数の濾過手段が着脱自在に装着され且つ前記円筒形空間内の連通路に固定されており、前記ケーシングの固定入口側に1又は複数の開閉弁又は切換弁が設けられ、前記ケーシングの固定出口側に軸方向に回転する1又は複数の回転出口部が設けられ、前記回転出口部の内部に前記濾過手段と前記ケーシングの固定出口を連通する回転出口通路が形成され、前記回転出口通路の一端は前記濾過手段の出口通路と接続し、前記回転出口通路の他端には可動出口が形成され、前記回転出口部を回転させることにより前記可動出口と前記ケーシングの固定出口を連通可能にし、前記濾過手段を交換する際は、前記開閉弁又は切換弁を開から閉に切り換え、前記回転出口部を回転させて前記可動出口を閉状態とすることにより、定常運転を中止して前記濾過手段を交換することを特徴とする流体用スクリーンチェンジャー。
  2. 請求項1に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記ケーシング内に1つの円筒形空間が設けられ、前記ケーシングに固定入口及び固定出口が形成され、前記円筒形空間の軸方向に濾過手段が着脱自在に装着され、前記ケーシングの固定入口側に方向切換弁が設けられ、前記ケーシングの固定出口側に軸方向に回転する回転出口部が設けられ、前記ケーシングの固定入口側に設けられた方向切換弁を介して前記ケーシングの固定入口と固定出口を接続するバイパスを備えたことを特徴とする流体用スクリーンチェンジャー。
  3. 請求項2に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記バイパスの途中に補助フィルターを設けたことを特徴とする流体用スクリーンチェンジャー。
  4. 請求項1に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記ケーシング内に2つの円筒形空間が設けられ、前記ケーシングに固定主入口及び固定主出口が形成され、前記固定主入口及び前記固定主出口にそれぞれ連通する2つの固定入口及び固定出口が形成され、前記各円筒形空間の軸方向に濾過手段がそれぞれ着脱自在に装着され且つ前記各円筒形空間内の各連通路に固定されており、前記ケーシングの固定主入口側に前記各固定入口に分流させる方向切換弁が設けられ、前記ケーシングの固定出口側に軸方向に回転する2つの回転出口部が設けられ、前記各回転出口部の内部に前記各濾過手段と前記各固定出口を連通する回転出口通路がそれぞれ形成され、前記各回転出口通路の一端は前記各濾過手段の出口通路とそれぞれ接続し、前記各回転出口通路の他端には可動出口がそれぞれ形成され、前記各回転出口部をそれぞれ回転させることにより前記各可動出口と前記各固定出口を連通可能にし、前記各濾過手段を交換する際は、前記方向切換弁を切り換えて流体の入口を閉とし、前記各回転出口部を回転させて前記各可動出口を閉状態とすることにより、定常運転から前記各濾過手段を交換することができることを特徴とする流体用スクリーンチェンジャー。
  5. 請求項4に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記各濾過手段のスクリーンに付いた不純物を流体と共にはがして外部に排出するための逆洗排出通路を前記各連通路に面する蓋又は上部位置に形成したことを特徴とする流体用スクリーンチェンジャー。
  6. 請求項4に記載の流体用スクリーンチェンジャーにおいて、前記濾過手段を交換した後に流体を外部に放出して確認するための固定放出通路を形成し、前記各回転出口部を回転させることにより前記各可動出口と前記各固定放出通路を連通可能にしたことを特徴とする流体用スクリーンチェンジャー。
  7. 前記回転出口部の回転面は軸方向に平行な直円筒状外面又は軸方向に対して傾斜した円錐状テーパー外面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の流体用スクリーンチェンジャー。
  8. 前記ケーシング内の円筒形空間の天部に圧力バランス用部材が前記濾過手段の底部に連結された連結部材に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の流体用スクリーンチェンジャー。
  9. 前記ケーシング内の円筒形空間の天部に設ける圧力バランス用部材と前記濾過手段とを一体化して連結固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の流体用スクリーンチェンジャー。
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