JP5937904B2 - 太陽電池電極用ペースト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ファイヤースルー法で形成する太陽電池電極用に好適な導電性ペースト組成物に関する。
例えば、一般的なシリコン系太陽電池は、p型多結晶半導体であるシリコン基板の上面にn+層を介して反射防止膜および受光面電極が備えられると共に、下面にp+層を介して裏面電極(以下、これらを区別しないときは単に「電極」という。)が備えられた構造を有しており、受光により半導体のpn接合に生じた電力を電極を通して取り出すようになっている。上記反射防止膜は、十分な可視光透過率を保ちつつ表面反射率を低減して受光効率を高めるためのもので、窒化珪素、二酸化チタン、二酸化珪素等の薄膜から成る。
上記の反射防止膜は電気抵抗値が高いことから、半導体のpn接合に生じた電力を効率よく取り出すことの妨げとなる。そこで、太陽電池の受光面電極は、例えば、ファイヤースルーと称される方法で形成される。この電極形成方法では、例えば、前記反射防止膜をn+層上の全面に設けた後、例えばスクリーン印刷法を用いてその反射防止膜上に導電性ペーストを適宜の形状で塗布し、焼成処理を施す。上記導電性ペーストは、例えば、銀粉末と、ガラスフリット(ガラス原料を溶融し急冷した後に必要に応じて粉砕したフレーク状または粉末状のガラスのかけら)と、有機質ベヒクルと、有機溶媒とを主成分とするもので、焼成過程において、この導電性ペースト中のガラス成分が反射防止膜を破るので、導電性ペースト中の導体成分とn+層とによってオーミックコンタクトが形成される(例えば、特許文献1を参照。)。この導電性ペーストには、燐、バナジウム、ビスマス、タングステン等の金属或いは化合物等から成る各種微量成分を配合することで導通性を得ることが行われている。上記電極形成方法によれば、反射防止膜を部分的に除去してその除去部分に電極を形成する場合に比較して工程が簡単になり、除去部分と電極形成位置との位置ずれの問題も生じない。
このような太陽電池の受光面電極形成において、ファイヤースルー性を向上させてオーミックコンタクトを改善し、延いては曲線因子(FF値)やエネルギー変換効率を高める等の目的で、従来から種々の提案が為されている。例えば、導電性ペーストに燐・バナジウム・ビスマスなどの5族元素を添加することによって、ガラスおよび銀の反射防止膜に対する酸化還元作用を促進し、ファイヤースルー性を向上させたものがある(例えば、前記特許文献1を参照。)。また、導電性ペーストに塩化物、臭化物、或いはフッ化物を添加することで、ガラスおよび銀が反射防止膜を破る作用をこれら添加物が補助してオーミックコンタクトを改善するものがある(例えば、特許文献2を参照。)。上記フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化ニッケル、フッ化アルミニウムが示されている。また、上記各添加物に加えて5族元素を添加することも示されている。なお、上記ガラスは例えば硼珪酸ガラスである。
また、特許文献3に記載のペーストは、有機バインダ、溶剤、導電性粒子、ガラスフリットを混合してペーストを調製する際に、錫化合物を添加することでFF値の向上を図ったものである。このペーストによれば、形成した電極の接触抵抗が低くなって、優れたFF値が得られるものとされている。
また、85〜99(wt%)の銀および1〜15(wt%)のガラスを含む銀含有ペーストにおいて、そのガラスを15〜75(mol%)のPbOおよび5〜50(mol%)のSiO2を含み、B2O3を含まない組成とすることが提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。この銀含有ペーストは、太陽電池の電極形成に用いるものであって、上記組成のガラスを用いることによって、オーミックコンタクトが改善されるものとされている。上記ガラス中には、P2O5を0.1〜8.0(mol%)、或いはSb2O5を0.1〜10.0(mol%)含むことができ、更に、0.1〜15.0(mol%)のアルカリ金属酸化物(Na2O,K2O,Li2O)を含むことができる。
また、本願出願人は、ガラスフリットがPbOを46〜57(mol%)、B2O3を1〜7(mol%)、SiO2を38〜53(mol%)の範囲内で含むガラスから成る太陽電池電極用ペースト組成物を先に提案した(例えば特許文献5を参照。)。このペースト組成物は、太陽電池の焼成工程において最適焼成温度範囲を広くすることにより、製造ロット当たりの平均出力を向上させたものである。
また、本願出願人は、ガラスフリットがLi2Oを0.6〜18(mol%)、PbOを20〜65(mol%)、B2O3を1〜18(mol%)、SiO2を20〜65(mol%)の範囲内で含むガラスから成る太陽電池電極用ペースト組成物を提案した(例えば特許文献6を参照。)。このペースト組成物によれば、優れたファイヤースルー性が得られることから、オーミックコンタクトやライン抵抗を悪化させることなく受光面電極を細線化できるので、光電変換効率の高い太陽電池セルが得られると共に、高シート抵抗のシャローエミッタに好適に用い得る。上記ガラスは、ドナーであるLiを従来に比べて多量に含むもので、Liは一般に半導体用途では避けられるが、太陽電池用途では適度に含むと良好なファイヤースルー性および浸食性が得られるのである。
特開昭62−049676号公報 特開平11−213754号公報 特開2008−010527号公報 特表2008−520094号公報 特開2010−199334号公報 特開2011−066354号公報
ところで、上述した太陽電池において、受光面側に位置するn層を薄くすることによって表面再結合速度を低下させ、より多くの電流を取り出せるようにしたシャローエミッタが提案されている。シャローエミッタ化すると、特に400(nm)付近の短波長側も発電に寄与するようになるため、太陽電池の効率向上の面では理想的な解と考えられている。その反面で、セルを高シート抵抗にする必要があること、表面近傍のドナー元素(例えば燐)濃度が低下するためAg-Si間のバリア障壁が増加し、受光面電極のオーミックコンタクトの確保が困難になること、pn接合が浅くなるためファイヤースルーで反射防止膜を十分に破り且つpn接合に電極が侵入しないような侵入深さ制御が非常に困難であること、などの不都合がある。
なお、従来のシリコン太陽電池セルのn層厚みは100〜200(nm)であり、シャローエミッタのそれは70〜100(nm)である。このように薄くなることで、受光により発生した電気のうちpn接合に達する前に熱に変わって有効に利用できなかった部分が減じられるので、短絡電流が増大し、延いては発電効率が高められる。
上述した特許文献1,2,4,5に記載されたペースト組成物は、従来構造の太陽電池において特性を改善しようとするものであったが、未だ十分とは言えなかった。しかも、シャローエミッタに用いる高シート抵抗セルには対応できず、良好なオーミックコンタクトが得られない問題があった。
これに対して、前記特許文献6に記載のペースト組成物によれば、オーミックコンタクトが更に改善されており、前述したようにシャローエミッタにも適用可能である。しかしながら、このペースト組成物では、ファイヤースルー性およびおよび侵入量を共に適切に制御し、特にシャローエミッタのような浅いpn接合に侵入させないようにすることは困難であった。また、シャローエミッタ用の高シート抵抗セルではドナー濃度も不足するが、Liのドナー補償効果のみでは不足する問題もあった。すなわち、FF値や変換効率を十分に高めることが困難であった。
また、前記特許文献3では、Sn化合物を含むペースト組成とすることにより、接触抵抗を低下させ、延いてはFF値を高めることが示されているが、本発明者等が追試を行ったところ、Sn化合物を添加することで若干の改善効果は認められるものの未だ不十分な特性に留まる結果となった。本発明者等は、更に検討を重ねた結果、上記Sn化合物の添加による効果は、Snがガラスの構造中に入り込み、これにより、ガラスへのAgの溶解度が高められて再結晶により生ずるAg結晶核が大きくなり、延いては接触抵抗が低下させられるものと推測するに至った。ガラス中に陽イオンの外殻電子数が18個、または18+2個持つような起分極性が強い元素、例えば、Sn、Zn、In、Pb、Sb、Bi、Fe、Cd、Teイオン等やアルカリ金属イオンを含むと強い余剰結合力が発生し、他の金属とガラス間の分子間力を強めることになり、ガラス中へのAg溶解量が増大するものと考えられる。
図1(a)、(b)は、上記Ag結晶核によって特性が変化する作用を説明するための模式図である。上述したファイヤースルーによる受光面電極形成では、焼成過程においてシリコン基板50と受光面電極52との界面にガラス層54が形成され、そのガラス層54とシリコン基板50との界面に、高温でガラス中に溶け込んだAgが降温時に析出して再結晶する。再結晶Agは高い導電性を有するので、シリコン基板50から受光面電極52への導電パスとなるが、その導電パスは、この再結晶Agの発生状態で変化する。
図1(a)は、比較的大きい再結晶Ag56が生成される場合である。Agの溶解度が大きいガラス(Te等の添加によるものを含む)を用いると、再結晶Ag56は大きくなり、数が減ってガラス-Si界面近傍に存在する個数が少なくなる。この構造では、図示の通り、発生した電子はシリコン基板50(n+層)内および再結晶Ag56内を通って、これに接する銀粒子58を経由して受光面電極52まで移動する。そのため、低抵抗である再結晶Ag56内部を通ることから直列抵抗 Rsは低下するが、再結晶Ag56の数が少ないことから再結合速度が速いn+層内を通る距離が長くなるので、電流が減少して変換効率が低くなる。前記特許文献3のSn化合物の添加は、このような作用により接触抵抗 Rcを低下させ、FF値を高くすることで効率改善を図ったものと思われるが、前述したように十分な効果を奏する追試結果は得られていない。
一方、図1(b)は、比較的小さい、例えばナノメートルオーダーの再結晶Ag60が多数生成される場合である。Agの溶解度が小さいガラス(例えばLiを含まない或いは少ないもの)を用いることで、再結晶Ag60が小さくなり且つ数が増えるので、シリコン基板50−ガラス層54界面近傍に存在する個数が多くなる。この構造では、図示の通り、発生した電子は界面の再結晶Ag60まで到達すると、一部は銀粒子58に直接伝導させられるが、多くはAg-ガラス-Ag-・・・というホッピング伝導が主となって抵抗値が高いガラス内を通り受光面電極52に至るので直列抵抗 Rsが高くなる。そのため、抵抗が高いガラス内で一部の電子は熱に変わって失われるものの、再結合速度は遅いので電流値は高くなるが、抵抗が高いためにFF値が低くなる。また、Ag溶解度の小さいガラスは、適当な組成のときはガラス層54全体にAg結晶核が析出し、その後比較的穏やかに結晶成長するため上記図1(b)に示す構造が得られる。しかしながら、例えばアルカリやPbが少なくSiが多い組成など、温度低下でAgの溶解度が急激に下がるガラス組成では、Si量やAg量の変化でAg溶解度や侵食速度が容易に変化する。溶解度が著しく低下すると、ガラス層54とシリコン基板50および受光面電極52との界面近傍で結晶核が生成し、結晶成長も急激になり再結晶Agも極めて大きくなることから、シリコン基板表面近傍のpn接合が損傷してリーク電流が発生し延いては出力特性が低下する。すなわち、Ag溶解度の小さいガラスは組成の最適範囲が狭くなる傾向にある。なお、前記図1(a)の場合でも微細な再結晶Ag60は存在するが、図1(b)の場合に比べて極めて少なく、電子の伝達経路の説明上無用であるため省略した。
本発明は、以上の事情を背景として為されたもので、その目的は、ファイヤースルー法による太陽電池の受光面電極形成、特にn層の薄いシャローエミッタ構造の太陽電池に好適に用いられ、接触抵抗を低下させ且つ発生した電子の再結合を抑制することにより、太陽電池セルのFF値および電流値を増大させ延いては変換効率を高くできる太陽電池電極用ペースト組成物を提供することにある。
斯かる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、導電性粉末と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含む太陽電池電極用ペースト組成物であって、前記ガラスフリットは、酸化物換算でSnを0.5〜20.0(mol%)、Li Oを0.6〜18(mol%)、PbOを24〜64(mol%)、B O を1〜18(mol%)、SiO を11〜40(mol%)、POを1.0〜6.0(mol%)、Bi O を1〜15(mol%)の範囲でそれぞれ含む鉛ガラスを含むことにある。
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、導電性粉末と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含む太陽電池電極用ペースト組成物であって、前記ガラスフリットは、酸化物換算でSnを0.5〜12.0(mol%)、PbOを55〜65(mol%)、B O を1〜8(mol%)、SiO を21〜36(mol%)、P O を1.0〜4.0(mol%)、Bi O を1〜2(mol%)の範囲でそれぞれ含み、Li Oを含まない鉛ガラスを含むことにある。
第1発明によれば、太陽電池電極用ペースト組成物は、ガラスフリットがSnを0.5〜20.0(mol%)、Li Oを0.6〜18(mol%)、PbOを24〜64(mol%)、B O を1〜18(mol%)、SiO を11〜40(mol%)、POを1.0〜6.0(mol%)、Bi O を1〜15(mol%)の範囲で、それぞれ含む鉛ガラスを含み、第2発明によれば、太陽電池電極用ペースト組成物は、ガラスフリットがSnを0.5〜12.0(mol%)、PbOを55〜65(mol%)、B O を1〜8(mol%)、SiO を21〜36(mol%)、P O を1.0〜4.0(mol%)、Bi O を1〜2(mol%)の範囲でそれぞれ含み、Li Oを含まない鉛ガラスを含むことから、これを用いてファイヤースルー法でシリコン基板上に受光面電極を形成すると、ガラス中へのAg溶解量が増大すると共にAg結晶核が適度に発生させられる。すなわち、前記図1(a)、(b)に示す状態の間の適切な状態とすることができる。そのため、シリコン基板と受光面電極との間に形成されるガラス層内を電子がホッピング伝導で移動すると共に、ガラス層から受光面電極への電子の移動は直接伝導の割合が多くなることから、十分に直列抵抗が低くなり且つ再結合も生じ難くなるので、FF値および電流値が大きく延いては変換効率の高い太陽電池セルが得られる。上記Snの含有量は、0.5(mol%)以上であることが必要であり、0.5(mol%)未満ではAg溶解量が過少になり延いては再結晶Agの大きさが小さくなり過ぎるので、直列抵抗が高くなって曲線因子が小さくなる。また、20.0(mol%)を越えるとAg溶解量が過剰になり延いては再結晶Agの大きさが大きくなり過ぎるので、再結合が生じ易くなって変換効率が低くなる。また、POは、n層に対するドナーであり且つSiへの不純物溶解度が2×10−21(atm/cm)程度と高いことから、POが含まれることにより、基板と受光面電極とのオーミックコンタクトが一層得られ易くなり、接触抵抗が一層低くなる。ガラス中にドナー元素が含まれていると、電極形成の際の浸食過剰による出力低下がドナーの働きによって抑制される。そのため、出力低下を伴うことなく、導通確保のために僅かに浸食過剰の状態とすることができるので、容易にオーミックコンタクトを確保できるのである。しかしながら、POが多くなると軟化点が高くなるため、上記範囲とすることが必要である。また、Bi O は、ガラスの軟化点を低下させる成分で、低温焼成を可能とするために必要である。
しかも、本発明によれば、Snを含むガラスフリットを用いることでAg溶解量が増大させられることから、浸食量の制御が容易な利点もある。因みに、Pb、Sb、Bi、Te量を十分に多くすることや、アルカリ量を十分に多くすること等でもAg溶解量を増大させ得るが、組成の変更、特にPb/Si比の変更は浸食量制御に影響を及ぼす問題がある。また、アルカリ量を多くして粘性を下げると浸食速度が速くなるので、適正な焼成温度範囲が狭くなる問題がある。
なお、溶解したAg2OはNa2O等と同様にガラス構造中で網目修飾酸化物(-Si-O-Ag)として存在しているが、電極形成のための焼成処理が施される際に、多価原子価イオンによってAgイオンが熱的還元され、Ag結晶核の生成とAg結晶の成長が起こって再結晶Agが析出する。再結晶Agの析出挙動は、一般的な核生成および成長理論と同様であり、Ag溶解量、焼成温度、時間、冷却速度の影響を受ける。
因みに、前記特許文献3に記載のペーストは、Snを含まないガラスが用いられ、ペーストを調製する際にSn化合物が添加されるが、前述したように、そのペースト中に含まれるSnがガラス構造中に入ることで、上述したようにAgイオンが熱的還元されて再結晶Agが析出するものと推定される。そのため、このような構成ではガラス構造中に入るSnは僅かな量に留まることから十分な添加効果が得られず、本発明のようにSnを含むガラス組成とすることにより、再結晶Agの析出を適切に制御することができる。
なお、前記ガラスフリットは、1種類の鉛ガラスであってもよいが、軟化点が相互に異なる2種類以上のガラスを混合したものであってもよい。混合するガラスは、全て鉛ガラスでもよく、上記Snを含む鉛ガラスの他は無鉛ガラスとしてもよい。
また、本発明のペースト組成物は、安定なオーミック抵抗性を有し、低シート抵抗の基板だけでなく80〜120(Ω/□)程度の高シート抵抗基板に対しても十分低い接触抵抗が得られる利点もある。そのため、pn接合に電極が侵入しないように制御することにより、リーク電流が低くすなわち並列抵抗が高く、曲線因子が大きく、電流値が大きく、かつ光電変換率の高い太陽電池セルが得られる。
ここで、好適には、前記鉛ガラスは、酸化物換算でSnを0.5〜20.0(mol%)、Li2Oを0.6〜18(mol%)、PbOを24〜64(mol%)、B2O3を1〜18(mol%)、SiO2を11〜40(mol%)、P2O51.0〜6.0(mol%)の範囲で含むものである。このようにすれば、Liを含む組成において、各成分量が一層適切な範囲に定められていることから、FF値が一層大きく且つ変換効率Effが一層高い太陽電池セルが得られる。
また、好適には、前記鉛ガラスは、酸化物換算でSnを0.5〜12.0(mol%)、PbOを55〜65(mol%)、B2O3を1〜8(mol%)、SiO2を21〜36(mol%)、P2O51.0〜4.0(mol%)の範囲で含み、Li2Oを含まないものである。このようにすれば、Liを含まない組成において、各成分量が一層適切な範囲に定められていることから、曲線因子FFが一層大きく且つ変換効率Effが一層高い太陽電池セルが得られる。
なお、上記各鉛ガラスの組成において、PbOは、ガラスの軟化点を低下させる成分で、低温焼成を可能とするための成分で、良好なファイヤースルー性を得るためには、Li含有組成においてはPbOが24(mol%)以上且つ64(mol%)以下、Li非含有組成においてはPbOが55(mol%)以上且つ65(mol%)以下であることがそれぞれ好ましい。何れの組成系においても、PbO量が下限値を下回ると軟化点が高くなり過ぎる傾向があり、ガラス化が困難になると共に反射防止膜へ浸食し難くなり、延いては良好なオーミックコンタクトを得ることが困難になる。一方、上限値を越えると軟化点が低くなり過ぎる傾向があり、浸食性が強くなり過ぎてpn接合が破壊され、延いてはFF値が小さくなる等の問題が生じ易い。PbO量は、Li含有組成においては30〜61(mol%)の範囲が一層好ましく、35〜60(mol%)の範囲が特に好ましい。また、Li非含有組成においては55〜62(mol%)の範囲が一層好ましく、58〜62(mol%)の範囲が特に好ましい。
また、B2O3は、ガラス形成酸化物(すなわちガラスの骨格を作る成分)であり、ガラスの軟化点を低くするための成分で、良好なファイヤースルー性を得るためには、Li含有組成においてはB2O3が1(mol%)以上且つ18(mol%)以下、Li非含有組成においてはB2O3が1(mol%)以上且つ8(mol%)以下であることがそれぞれ好ましい。何れの組成系においても、B2O3量が下限値を下回るとガラスの粘性が高くなる傾向があり、反射防止膜へ浸食し難くなり、延いては良好なオーミックコンタクトが得られ難くなると共に、耐湿性も低下し易い。また、B2O3量が少なくなり過ぎるとVocが低下すると共にリーク電流が増大する傾向が生じ易い問題もある。一方、上限値を越えても却ってVocが低下すると共にリーク電流が増大し、更に、ガラスの粘性が低くなり過ぎる傾向が生じ易く、延いては浸食性が強くなり過ぎてpn接合が破壊される等の問題が生じ易い。B2O3量は、Li含有組成においては2.8〜12(mol%)の範囲が一層好ましく、4〜8(mol%)の範囲が更に好ましい。
また、SiO2は、ガラス形成酸化物であり、ガラスの耐化学性を高くするための成分で、良好なファイヤースルー性を得るためには、Li含有組成においてはSiO2が11(mol%)以上且つ40(mol%)以下、Li非含有組成においてはSiO2が21(mol%)以上且つ36(mol%)以下であることがそれぞれ好ましい。何れの組成系においても、SiO2量が下限値を下回ると耐化学性が不足すると共にガラス形成が困難になり易い。一方、上限値を越えると軟化点が高くなり過ぎてガラス化し難くなって反射防止膜へ浸食し難くなり、延いては良好なオーミックコンタクトが得られなくなり易い。SiO2量は、Li含有系においては20〜36(mol%)の範囲が一層好ましく、24〜32(mol%)の範囲が特に好ましい。また、Li非含有系においては25〜29(mol%)の範囲が一層好ましく、27〜29(mol%)の範囲が特に好ましい。
また、PbOおよびSiO2がそれぞれ上記の範囲内にあるだけでなく、更にPb/Si(mol比)が、Li含有系においては0.6以上且つ5.0以下、Li非含有系においては1.5以上且つ2.9以下であることが、それぞれ好ましい。何れの組成系においても、Pb/Siモル比が下限値を下回ると、ファイヤースルー性が低下し、受光面電極とn層との接触抵抗が高くなり易い。一方、Pb/Siモル比が上限値を超えると、リーク電流が著しく大きくなり易いので、何れにしてもFF値が低下し、十分な出力特性が得られなくなり易い。Pb/Si(mol比)は、Li含有系においては1〜2.5の範囲が一層好ましく、1.19〜2.13の範囲が更に好ましい。また、Li非含有系においては2.14〜2.44の範囲が一層好ましく、2.14〜2.30の範囲が更に好ましい。
また、Li2Oは、ガラスの軟化点を低下させる成分で、これを含む組成系においては、良好なファイヤースルー性を得るためには、Li2Oが0.6(mol%)以上且つ18(mol%)以下であることが好ましい。Li2Oが0.6(mol%)未満では軟化点が高くなり過ぎ延いては反射防止膜への浸食性が不十分になる。一方、18(mol%)を越えるとアルカリが溶出すると共に浸食性が強くなり過ぎるので却って電気的特性が低下する。因みに、Liは、拡散を促進することから一般に半導体に対しては不純物であって、特性を低下させる傾向があることから半導体用途では避けることが望まれるものである。特に、通常はPb量が多い場合にLiを含むと浸食性が強くなり過ぎて制御が困難になる傾向がある。しかしながら、上記のような太陽電池用途においては、Liを含むガラスを用いても特性低下が認められず、却って適量が含まれていることでファイヤースルー性が改善され、特性向上が認められた。また、Liはドナー元素であり、接触抵抗を低くする作用もある。しかも、Liを含む組成とすることにより、良好なファイヤースルー性を得ることのできるガラスの組成範囲が広くなる利点もある。Li2O量は、1〜15(mol%)の範囲が一層好ましい。
また、P2O5は、前述したように、n層に対するドナーであり且つSiへの不純物溶解度が2×10-21(atm/cm3)程度と高いことから、基板と受光面電極とのオーミックコンタクトが一層得られ易くなり、接触抵抗を一層低くできる利点がある。P2O5が多くなると軟化点が高くなる傾向があるため、P2O5の含有量はLi含有系においては6.0(mol%)以下、Li非含有系においては4.0(mol%)以下に、それぞれ留めることが好ましい。また、Li含有系においては2.0(mol%)以下に留めることが一層好ましく、Li非含有系においては1.0〜4.0(mol%)の範囲内とすることが一層好ましく、1.0〜2.0(mol%)の範囲内とすることが特に好ましい。
因みに、シャローエミッタを構成する高シート抵抗のセルでは、例えばSi3N4から成る反射防止膜の厚さ寸法を80(nm)程度として、電極による浸食量を90〜110(nm)の範囲に制御すること、すなわち20(nm)の精度で制御することが望ましい。しかしながら、このような制御は極めて困難であり、導通確保のためには僅かに浸食過剰となった状態に制御せざるを得ない。上記のようにガラス中にドナー元素が含まれていると、その浸食過剰による出力低下がドナーの働きによって抑制されるので、オーミックコンタクトが得られ易くなる。
なお、前述したようにガラスフリットを軟化点が相互に異なる2種類以上のガラスを混合したものとする場合には、相対的に低軟化点のものをSnを含む鉛ガラス(以下、“侵食ガラス”という)とし、相対的に高軟化点のものをドナー量の多いガラス(以下、“ドナーガラス”という)とすることが好ましい。ドナーとしては、Pが好ましいが、侵食ガラスをPを多く含む組成にすると軟化点が高くなり易いので最適組成を得ることが困難になる。上記のように2種類以上のガラスを混合すれば、前述したSnの添加効果を十分に享受できると共に、十分なドナー補償効果も享受できる。ドナーガラスは、全ガラス量の10〜30(wt%)程度とすることが好ましい。また、ドナーガラスは、侵食ガラスよりも軟化点が50〜200(℃)程度高く、電極用ペーストに単独で用いた場合に50〜73程度のFF値が得られるものが好ましい。Ag粉の焼結開始温度付近にドナーガラスの軟化点を設定すれば、低軟化点の鉛ガラスで反射防止膜を侵食できなかった部分にドナーガラスが供給され、その反射防止膜を侵食させて一層安定したオーミックコンタクトが得られるようになる。Li含有系、非含有系の何れにおいても、侵食ガラスの軟化点は350〜500(℃)の範囲内が好ましく、400〜450(℃)の範囲内が特に好ましい。また、ドナーガラスの軟化点は450〜650(℃)の範囲内が好ましく、500〜600(℃)の範囲が特に好ましい。また、ドナーガラスは、リーク電流の低いガラスであることが好ましい。また、ドナーガラスを硫黄を含む組成にすると、ガラスの表面張力が低下するため、電極−基板界面への迅速なガラス供給に効果的である。
また、上記各成分および後述する各成分は、ガラス中に如何なる形態で含まれているか必ずしも特定が困難であるが、これらの割合は何れも酸化物換算した値とした。
また、好適には、前記ガラスは、Al2O3、TiO2、ZnOの少なくとも一種を、Li含有系においてはAl2O3を9(mol%)以下、TiO2を6(mol%)以下、ZnOを15(mol%)以下、Li非含有系においてはAl2O3を6(mol%)以下、TiO2を3(mol%)以下、ZnOを4.5(mol%)以下の範囲でそれぞれ含むものである。これらを含む組成とすれば、PbO量を少なくできる利点がある。また、並列抵抗を向上させてリーク電流を小さくできると共に、開放電圧および短絡電流を大きくできる利点もある。その一方、これらが多くなるほどリーク電流が増大する傾向もあるので、これらは上記の量を上限とすることが好ましい。
なお、Al2O3はガラスの安定性を得るために有効な成分であって、Al2O3が含まれるとガラスの粘性や軟化点が高くなる傾向があり、更に、直列抵抗を低下させて曲線因子を大きくすると共に焼成温度範囲が広くなる傾向があるが、上述したようにリーク電流を増大させると共に過剰になると開放電圧を却って低下させる作用もあるため、Li含有系においては7(mol%)以下に留めることが一層好ましく、6(mol%)以下とすることが更に好ましい。また、Li非含有系においては6(mol%)以下に留めることが一層好ましく、1(mol%)以下に留めることが更に好ましい。
また、TiO2はFF値を高める傾向があるが、過剰に添加すると軟化点が上昇し延いては接触抵抗が高くなる傾向があると共に、上述したようにリーク電流を増大させる作用もあるため、TiO2量は、Li含有系においては3(mol%)以下とすることが一層好ましく、Li非含有系においては含まない組成とすることが一層好ましい。
また、ZnOの含有量が過剰になると開放電圧が低下するため、ZnO量は、Li含有系においては12(mol%)以下に留めることが一層好ましく、8.5(mol%)以下に留めることが更に好ましい。また、Li非含有系においては2(mol%)以下に留めることが一層好ましい。
また、好適には、前記ガラスは、ZrO2をLi含有系およびLi非含有系の何れにおいても0.5(mol%)以下の範囲で含むものである。ZrO2は、ガラスの化学的耐久性を高めると共に、FF値を高める成分であるが、本発明では必須成分ではなく、含まれていなくとも差し支えない。
また、好適には、前記ガラスは、Bi2O3をLi含有系においては15(mol%)以下、Li非含有系においては2(mol%)以下の範囲でそれぞれ含むものである。Bi2O3は、ガラスの軟化点を低下させる成分で、低温焼成を可能とするために含まれることが好ましい。Bi2O3量は、Li含有系においては12(mol%)以下が一層好ましく、3(mol%)以下が更に好ましい。また、Li非含有系においてはBiを含まない組成とすることが一層好ましい。
また、好適には、前記ガラスは、Li含有系においてはNa2Oを1(mol%)以下の範囲で含むものである。Na2OはLi2Oと同様にガラスの軟化点を低下させる成分であるが、1(mol%)を越えると軟化点が低すぎる値になり、侵食が過剰になるため、リーク電流が増大し、太陽電池の電気的特性が不十分になる。
また、好適には、前記ガラスは、SO2をLi含有系においては2(mol%)以下、Li非含有系においては0.5(mol%)以下の範囲でそれぞれ含むものである。SO2はガラスが軟化したときの粘性を低下させ延いては表面張力を低下させることから、ガラス成分が速やかに電極−基板界面に供給されるので、その界面に均一な薄いガラス層が形成され、良好な電気的特性が得られる。そのため、電極材料の侵入量の制御が容易になり、オーミックコンタクトが一層容易に得られる。
また、好適には、前記ガラスは、Ag2OをLi含有系においては2(mol%)以下、Li非含有系においては0.5(mol%)以下の範囲でそれぞれ含むものである。ガラス構造中に初期的に含まれるAgは、電極の焼成過程でガラス構造中に入るAgと共に還元されて再結晶させられるから、直列抵抗を一層低くできる。また、高温で保持される時間が短い高速焼成により電極形成が行われると、Agのガラス中への溶解が不十分となる場合があるが、初期的にガラス構造中にAgが存在することで焼成のプロセスマージンが広くなる効果がある。
また、前記ガラスフリットは平均粒径(D50)が0.3〜3.0(μm)の範囲内である。ガラスフリットの平均粒径が小さすぎると電極の焼成時に融解が早すぎるため電気的特性が低下するが、0.3(μm)以上であれば適度な融解性が得られるので電気的特性が一層高められる。しかも、凝集が生じ難いのでペースト調製時に一層良好な分散性が得られる。また、ガラスフリットの平均粒径が導電性粉末の平均粒径よりも著しく大きい場合にも粉末全体の分散性が低下するが、3.0(μm)以下であれば一層良好な分散性が得られる。しかも、ガラスの一層の溶融性が得られる。したがって、一層良好なオーミックコンタクトを得るためには上記平均粒径が好ましい。
なお、上記ガラスフリットの平均粒径は空気透過法による値である。空気透過法は、粉体層に対する流体(例えば空気)の透過性から粉体の比表面積を測定する方法をいう。この測定方法の基礎となるのは、粉体層を構成する全粒子の濡れ表面積とそこを通過する流体の流速および圧力降下の関係を示すコゼニー・カーマン(Kozeny-Carmann)の式であり、装置によって定められた条件で充填された粉体層に対する流速と圧力降下を測定して試料の比表面積を求める。この方法は充填された粉体粒子の間隙を細孔と見立てて、空気の流れに抵抗となる粒子群の濡れ表面積を求めるもので、通常はガス吸着法で求めた比表面積よりも小さな値を示す。求められた上記比表面積および粒子密度から粉体粒子を仮定した平均粒径を算出できる。
また、好適には、前記導電性粉末は平均粒径(D50)が0.3〜3.0(μm)の範囲内の銀粉末である。導電性粉末としては銅粉末やニッケル粉末等も用い得るが、銀粉末が高い導電性を得るために最も好ましい。また、銀粉末の平均粒径が3.0(μm)以下であれば一層良好な分散性が得られるので一層高い導電性が得られる。また、0.3(μm)以上であれば凝集が抑制されて一層良好な分散性が得られる。なお、0.3(μm)未満の銀粉末は著しく高価であるため、製造コストの面からも0.3(μm)以上が好ましい。また、導電性粉末、ガラスフリット共に平均粒径が3.0(μm)以下であれば、細線パターンで電極を印刷形成する場合にも目詰まりが生じ難い利点がある。
なお、前記銀粉末は特に限定されず、球状や鱗片状等、どのような形状の粉末が用いられる場合にも導電性を保ったまま細線化が可能であるという本発明の基本的効果を享受し得る。但し、球状粉を用いた場合が印刷性に優れると共に、塗布膜における銀粉末の充填率が高くなるため、導電性の高い銀が用いられることと相俟って、鱗片状等の他の形状の銀粉末が用いられる場合に比較して、その塗布膜から生成される電極の導電率が高くなる。そのため、必要な導電性を確保したまま線幅を一層細くすることが可能となることから、特に好ましい。
また、好適には、前記太陽電池電極用ペースト組成物は、25(℃)−20(rpm)における粘度が150〜250(Pa・s)の範囲内、粘度比(すなわち、[10(rpm)における粘度]/[100(rpm)における粘度])が3〜8である。このような粘度特性を有するペーストを用いることにより、スキージングの際に好適に低粘度化してスクリーンメッシュを透過し、その透過後には高粘度に戻って印刷幅の広がりが抑制されるので、スクリーンを容易に透過して目詰まりを生じないなど印刷性を保ったまま細線パターンが容易に得られる。ペースト組成物の粘度は、180〜220(Pa・s)の範囲が一層好ましく、粘度比は3.2〜6.5の範囲が一層好ましい。また、設計線幅が100(μm)以下の細線化には粘度比4〜6が望ましい。
なお、線幅を細くしても断面積が保たれるように膜厚を厚くすることは、例えば、印刷製版の乳剤厚みを厚くすること、テンションを高くすること、線径を細くして開口径を広げること等でも可能である。しかしながら、乳剤厚みを厚くすると版離れが悪くなるので印刷パターン形状の安定性が得られなくなる。また、テンションを高くし或いは線径を細くすると、スクリーンメッシュが伸び易くなるので寸法・形状精度を保つことが困難になると共に印刷製版の耐久性が低下する問題がある。しかも、太幅で設けられることから膜厚を厚くすることが無用なバスバーも厚くなるため、材料の無駄が多くなる問題もある。
また、好適には、前記太陽電池電極用ペースト組成物は、前記導電性粉末を64〜90重量部、前記ベヒクルを3〜20重量部の範囲内の割合で含むものである。このようにすれば、印刷性が良好で線幅の細く導電性の高い電極を容易に形成できるペースト組成物が得られる。
また、好適には、前記導電性ペースト組成物は、前記ガラスフリットを前記導電性粉末100重量部に対して1〜10重量部の範囲で含むものである。1重量部以上含まれていれば十分な浸食性(ファイヤスルー性)が得られるので、良好なオーミックコンタクトが得られる。また、10重量部以下に留められていれば絶縁層が形成され難いので十分な導電性が得られる。導電性粉末100重量部に対するガラス量は、1〜8重量部が一層好ましく、1〜7重量部が更に好ましい。
また、前記ガラスフリットを構成する鉛ガラスは、前記組成範囲でガラス化可能な種々の原料から合成することができ、例えば、酸化物、炭酸塩、硝酸塩等が挙げられるが、例えば、Sn源としては一酸化錫 SnOを、Li源としては炭酸リチウム Li2CO3を、P源としては燐酸二水素アンモニウム NH4H2PO4を、Si源としては二酸化珪素 SiO2を、B源としては硼酸 B2O3を、Pb源としては鉛丹 Pb3O4を用い得る。
また、上記成分の他にAl、Ti、Zn、Zr等の他の成分を含む組成とする場合には、例えばそれらの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等を用いればよい。
また、本発明の導電性ペーストを構成する前記ガラスは、その特性を損なわない範囲で他の種々のガラス構成成分や添加物を含み得る。例えば、Ca、Mg、K、Ba、Sr等が含まれていても差し支えない。これらは例えば合計30(mol%)以下の範囲で含まれ得る。
(a)、(b)は再結晶Agの析出態様とそれぞれの場合の受光面電極への導電パスを説明するための模式図である。 本発明の一実施例の電極用ペースト組成物が受光面電極の形成に適用された太陽電池を備えた太陽電池モジュールの断面構造を示す模式図である。 図2の太陽電池の受光面電極パターンの一例を示す図である。 図2の太陽電池における受光面電極への導電パスを説明するための図1に対応する図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図2は、本発明の一実施例の導電性組成物が適用されたシリコン系太陽電池10を備えた太陽電池モジュール12の断面構造を模式的に示す図である。図2において、太陽電池モジュール12は、上記太陽電池10と、これを封止する封止材14と、受光面側において封止材14上に設けられた表面ガラス16と、裏面側から太陽電池10および封止材14を保護するために設けられた保護フィルム(すなわちバックシート)18とを備えている。上記封止材14は、例えば、EVAから成るもので、十分な耐候性を有するように、架橋剤、紫外線吸収剤、接着保護剤等が適宜配合されている。また、上記保護フィルム18は、例えば弗素樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、或いはPETやEVA等から成る樹脂フィルムを複数枚貼り合わせたもの等から成るもので、高い耐候性や水蒸気バリア性等を備えている。
また、上記の太陽電池10は、例えばp型多結晶半導体であるシリコン基板20と、その上下面にそれぞれ形成されたn層22およびp+層24と、そのn層22上に形成された反射防止膜26および受光面電極28と、そのp+層24上に形成された裏面電極30とを備えている。上記シリコン基板20の厚さ寸法は例えば100〜200(μm)程度である。
上記のn層22およびp+層24は、シリコン基板20の上下面に不純物濃度の高い層を形成することで設けられたもので、その高濃度層の厚さ寸法はn層22が例えば70〜100(nm)程度、p+層24が例えば500(nm)程度である。n層22は、一般的なシリコン系太陽電池では100〜200(nm)程度であるが、本実施例ではそれよりも薄くなっており、シャローエミッタと称される構造を成している。なお、n層22に含まれる不純物は、n型のドーパント、例えば燐(P)で、p+層24に含まれる不純物は、p型のドーパント、例えばアルミニウム(Al)や硼素(B)である。
また、前記の反射防止膜26は、例えば、窒化珪素 Si3N4等から成る薄膜で、例えば可視光波長の1/4程度の光学的厚さ、例えば80(nm)程度で設けられることによって10(%)以下、例えば2(%)程度の極めて低い反射率に構成されている。
また、前記の受光面電極28は、例えば一様な厚さ寸法の厚膜導体から成るもので、図3に示されるように、受光面32の略全面に、多数本の細線部を有する櫛状を成す平面形状で設けられている。
上記の厚膜導体は、Agを100重量部に対してガラスを1〜10重量部の範囲で、例えば4.5重量部程度含む厚膜銀から成るもので、そのガラスはLi含有鉛ガラス或いはLi非含有鉛ガラスである。
Li含有鉛ガラスの場合の組成は、酸化物換算した値で、PbOを24〜64(mol%)の範囲内、例えば51.0(mol%)程度、B2O3を1〜18(mol%)の範囲内、例えば6.0(mol%)程度、SiO2を11〜40(mol%)の範囲内、例えば24.0(mol%)程度、Al2O3を0〜9(mol%)の範囲内、例えば3.0(mol%)程度、Li2Oを0.6〜18(mol%)の範囲内、例えば3.0(mol%)程度、TiO2を0〜6(mol%)の範囲内、例えば3.0(mol%)程度、ZnOを0〜15(mol%)の範囲内、例えば5.5(mol%)程度、ZrO2を0〜0.5(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、P2O5を0〜6(mol%)の範囲内、例えば2.0(mol%)程度、Bi2O3を0〜15(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、Na2Oを0〜1(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、SnOを0.5〜20(mol%)の範囲内、例えば2.0(mol%)程度、SO2を0〜2(mol%)の範囲内、例えば0.5(mol%)程度、Ag2Oを0〜2(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、それぞれ含む鉛ガラスである。また、この鉛ガラスにおいて、PbOとSiO2は、Pb/Siモル比が0.6〜5.0の範囲内、例えば2.13程度の割合となるように含まれている。
また、Li非含有鉛ガラスの場合の組成は、酸化物換算した値で、PbOを55〜65(mol%)の範囲内、例えば62.0(mol%)程度、B2O3を1〜8(mol%)の範囲内、例えば4.0(mol%)程度、SiO2を21〜36(mol%)の範囲内、例えば27.0(mol%)程度、Al2O3を0〜6(mol%)の範囲内、例えば1.0(mol%)程度、TiO2を0〜3(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、ZnOを0〜4.5(mol%)の範囲内、例えば2.0(mol%)程度、ZrO2を0〜0.5(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、P2O5を0〜4(mol%)の範囲内、例えば2.0(mol%)程度、Bi2O3を0〜2(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、SnOを0.5〜12(mol%)の範囲内、例えば2.0(mol%)程度、SO2を0〜0.5(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲内、例えば0(mol%)、それぞれ含む鉛ガラスである。また、この鉛ガラスにおいて、PbOとSiO2は、Pb/Siモル比が1.5〜2.9の範囲内、例えば2.30程度の割合となるように含まれている。
また、上記の導体層の厚さ寸法は例えば20〜30(μm)の範囲内、例えば25(μm)程度で、細線部の各々の幅寸法は例えば60〜130(μm)の範囲内、例えば80(μm)程度で、十分に高い導電性を備えている。
また、前記の裏面電極30は、p+層24上にアルミニウムを導体成分とする厚膜材料を略全面に塗布して形成された全面電極34と、その全面電極34上に帯状に塗布して形成された厚膜銀から成る帯状電極36とから構成されている。この帯状電極36は、裏面電極30に半田リボン38や導線等を半田付け可能にするために設けられたものである。前記受光面電極28にも裏面側と同様に半田リボン38が溶着されている。
本実施例の太陽電池10は、受光面電極28が前述した組成を有しSnOが0.5〜20(mol%)の範囲内の割合で含まれるLi含有鉛ガラス、或いは、SnOが0.5〜12(mol%)の範囲内の割合で含まれるLi非含有鉛ガラスを、銀100重量部に対して1〜10重量部の範囲で含む厚膜銀で構成されていることから、ファイヤースルーで受光面電極28を形成するに際して、ガラス中へのAg溶解量が十分に多くなると共にAg結晶核が適度に発生させられている。そのため、直列抵抗が低く且つ発生した電子の再結合も生じ難いので、FF値および電流値が大きく延いては変換効率が高い性能を有している。また、浸食量が90〜110(nm)程度すなわち反射防止膜18の厚さ寸法よりも最大で30(nm)程度だけ大きい深さに制御されているので、線幅が80(μm)程度に細くされているにも拘わらず、n層22との間で良好なオーミックコンタクトが得られ、接触抵抗が低くなっている。
図4は、上記太陽電池10におけるシリコン基板20表面近傍から受光面電極28までの導電パスを説明するための模式図である。シリコン基板20と受光面電極28との間にはファイヤースルーの際にガラス層40が形成されている。本実施例のようにSnを含むガラス組成が選択されることによって適度なAg溶解量が実現されていると、上記ガラス層40内には、ナノメートルオーダーの再結晶Ag42と、それよりも大きい再結晶Ag44とが、それぞれ適量生成される。このような再結晶Ag42,44の生成状態は、前記図1(a)、(b)に示したAg溶解度が大きい場合と小さい場合との中間の状態であり、導電パスもそれらを混合した態様となる。
すなわち、シリコン基板20内で発生した電子は、ガラス層40内の再結晶Ag42,44に到達すると、層面に沿った方向(図4における横方向)では概ねAg-ガラス-Ag-・・・の経路を通るホッピング伝導が主となるが、ガラス層40から受光面電極20への移動経路(図4における縦方向)は、ホッピング伝導の他に再結晶Ag42,44から受光面電極20内の銀粒子46への直接伝導があり、後者が主となる。そのため、横方向の電子伝導がシリコン基板20内を通らないので再結合が生じ難く、しかも、縦方向の電子伝導が直接伝導によって低抵抗になることから、前述したように、直列抵抗が低く且つ再結合も生じ難い太陽電池10が得られるのである。
しかも、本実施例の受光面電極42は、前述したようにガラス量が4.5重量部程度と少量にされていることから高い導電性を有しているため、膜厚および線幅が何れも小さくされているにも拘わらずライン抵抗が低いので、接触抵抗が低いことと相俟って太陽電池10の光電変換効率が高められている。
上記のような受光面電極20は、例えば、導体粉末と、ガラスフリットと、ベヒクルと、溶剤とから成る電極用ペーストを用いて良く知られたファイヤースルー法によって形成されたものである。その受光面電極形成を含む太陽電池10の製造方法の一例を以下に説明する。
まず、上記ガラスフリットを作製する。Sn源として一酸化錫 SnOを、Li源として炭酸リチウム Li2CO3を、P源としてリン酸二水素アンモニウム NH4H2PO4を、Si源として二酸化珪素 SiO2を、B源として硼酸 B2O3を、Pb源として鉛丹 Pb3O4を、Al源として酸化アルミニウム Al2O3を、Ti源として酸化チタン TiO2を、Zn源として酸化亜鉛 ZnO等をそれぞれ用意し、前述した範囲内の適宜の組成となるように秤量して調合する。これを坩堝に投入して組成に応じた900〜1200(℃)の範囲内の温度で、30分〜1時間程度溶融し、急冷することでガラス化させる。このガラスを遊星ミルやボールミル等の適宜の粉砕装置を用いて粉砕する。粉砕後の平均粒径(D50)は例えば0.3〜3.0(μm)程度である。なお、上記ガラス粉末の平均粒径は空気透過法を用いて算出したものである。
一方、導体粉末として、例えば、平均粒径(D50)が0.3〜3.0(μm)の範囲内の市販の球状の銀粉末を用意する。このような平均粒径が十分に小さい銀粉末を用いることにより、塗布膜における銀粉末の充填率を高め延いては導体の導電率を高めることができる。また、前記ベヒクルは、有機溶剤に有機結合剤を溶解させて調製したもので、有機溶剤としては、例えばブチルカルビトールアセテートが、有機結合剤としては、例えばエチルセルロースが用いられる。ベヒクル中のエチルセルロースの割合は例えば15(wt%)程度である。また、ベヒクルとは別に添加する溶剤は、例えばブチルカルビトールアセテートである。すなわち、これに限定されるものではないが、ベヒクルに用いたものと同じ溶剤でよい。この溶剤は、ペーストの粘度調整の目的で添加される。
以上のペースト原料をそれぞれ用意して、例えば導体粉末を77〜90(wt%)、ガラスフリットを1〜6(wt%)、ベヒクルを5〜14(wt%)、溶剤を3〜5(wt%)の割合で秤量し、攪拌機等を用いて混合した後、例えば三本ロールミルで分散処理を行う。これにより、前記電極用ペーストが得られる。
上記のようにして電極用ペーストを調製する一方、適宜のシリコン基板に例えば、熱拡散法やイオンプランテーション等の良く知られた方法で不純物を拡散し或いは注入して前記n層22およびp+層24を形成することにより、前記シリコン基板20を作製する。次いで、これに例えばPE−CVD(プラズマCVD)等の適宜の方法で窒化珪素薄膜を形成し、前記反射防止膜26を設ける。
次いで、上記の反射防止膜26上に前記図3に示すパターンで前記電極用ペーストをスクリーン印刷する。これを例えば150(℃)で乾燥し、更に、近赤外炉において700〜900(℃)の範囲内の温度で焼成処理を施す。これにより、その焼成過程で電極用ペースト中のガラス成分が反射防止膜26を溶かし、その電極用ペーストが反射防止膜26を破るので、電極用ペースト中の導体成分すなわち銀とn層22との電気的接続が得られ、前記図2に示されるようにシリコン基板20と受光面電極28とのオーミックコンタクトが得られる。受光面電極28は、このようにして形成される。
なお、前記裏面電極30は、上記工程の後に形成してもよいが、受光面電極28と同時に焼成して形成することもできる。裏面電極30を形成するに際しては、上記シリコン基板20の裏面全面に、例えばアルミニウムペーストをスクリーン印刷法等で塗布し、焼成処理を施すことによってアルミニウム厚膜から成る前記全面電極34を形成する。更に、その全面電極34の表面に前記電極用ペーストをスクリーン印刷法等を用いて帯状に塗布して焼成処理を施すことによって、前記帯状電極36を形成する。これにより、裏面全面を覆う全面電極34と、その表面の一部に帯状に設けられた帯状電極36とから成る裏面電極30が形成され、前記の太陽電池10が得られる。上記工程において、同時焼成で製造する場合には、受光面電極20の焼成前に印刷処理を施すことになる。
ガラス組成を種々変更して、上記の製造工程に従って太陽電池10を製造し、市販のソーラーシミュレータを用いてその出力を測定して、曲線因子FF値、変換効率Eff、およびリーク電流Ivを評価した結果を、ガラス組成と併せて表1〜表4に示す。表1(No.1〜12)はLi非含有鉛ガラスを用いたもの、表2、3(No.13〜82)はLi含有鉛ガラスを用いたもの、表4はBi含有系で最適組成を検討したものである。FF値は良好なオーミックコンタクトが得られているか否かの判定であり、一般に、太陽電池はFF値が70以上であれば使用可能とされているが、高いほど好ましいのはもちろんであり、本実施例においては、FF値が75より大きいものを合格とした。また、変換効率は高い方がよく、電流値等の低下がなく総合的に変換効率が良好であるか否かを判定したもので、17(%)以上を合格とした。また、リーク電流は低い方が好ましく、pn接合に電極の侵入が起きたか否かの判定基準となる。リーク電流は10(V)における数値で0.1(A)以下を◎、0.2(A)以下を○、0.5(A)以下を△、0.5(A)超を×とした。
Figure 0005937904
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なお、各試料は平均粒径1.6(μm)の球状のAg粉と平均粒径1.5(μm)のガラスフリットとを用いて作製した。調合割合はAg粉 86(wt%)、ガラスフリット 4(wt%)、ベヒクル 6(wt%)、溶剤 4(wt%)を基本とし、印刷性を同等とするために、25(℃)−20(rpm)における粘度が200〜220(Pa・s)になるようにベヒクル量および溶剤量を適宜調整した。また、受光面電極28を形成する際の印刷製版は、線径23(μm)のSUS325製スクリーンメッシュに20(μm)厚の乳剤を設けたものとした。また、グリッドラインの幅寸法が80(μm)となるように印刷条件を設定した。また、5インチ単結晶基板を用い、基板のシート抵抗は90±10(Ω/□)を用いて評価を行った。
上記表1に示すLi非含有鉛ガラスを用いた評価では、No.2〜4、6〜11が実施例、その他(No.1、5、12)が比較例である。この表1には、実施例として、基本骨格を構成するPbO-B2O3-SiO2にSnOが添加された4成分系と、これに更に、Al2O3、TiO2、ZnO、ZrO2、P2O5、Bi2O3、SO2、Ag2Oのうちのいくつかが添加された5成分系〜9成分系のガラスが示されている。
比較例No.1と実施例No.2〜4等とを対比すると、Pb量が61.0〜68.0(mol%)、B量が4.0〜8.0(mol%)、Si量が22.0〜26.0(mol%)、Al量が0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜1.5(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が0〜4.0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Sn量が0.5〜12.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が2.35〜2.96の範囲内の組成では、Pb量が61.0〜65.0(mol%)、B量が4.0〜8.0(mol%)、Si量が22.0〜26.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が0〜4.0(mol%)、Sn量が0.5〜12.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Pb/Si比が2.35〜2.82の範囲で、すなわち、Pb量に関しては、65.0(mol%)以下であればFF値が75以上、Effが17.0(%)以上と十分に高く、Ivが0.2(A)以下と十分に小さい特性が得られた。Pb量が68.0(mol%)と多く、結果的にPb/Siも2.96と大きい比較例No.1では、FF値が74、Effが16.7(%)に留まり、Ivも0.5(A)以下の結果となった。
また、実施例No.3に示すように、B量を8.0(mol%)、P量を4.0(mol%)まで増し、Sn量を0.5(mol%)と減じても、FF値が76、Effが17.1(%)、Ivが0.2(A)以下と良好な結果が得られた。
また、実施例No.4、6、比較例No.5とを対比すると、Pb量が59.5〜62.0(mol%)、B量が4.0〜6.0(mol%)、Si量が20.0〜22.0(mol%)、Al量が0〜3.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜3.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Sn量が2.0〜15.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が2.82〜3.00の範囲内の組成では、Pb量が59.5〜62.0(mol%)、B量が4.0〜6.0(mol%)、Si量が21.0〜22.0(mol%)、Al量が0〜3.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜3.0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Sn量が2.0〜12.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Pb/Si比が2.82〜2.83の範囲内で、すなわち、Si量を21.0(mol%)まで減じ、Sn量を12.0(mol%)まで増し、結果的にPb/Siを2.83まで増しても、FF値が75以上、Effが17.0(%)以上、Ivが0.2(A)以下と良好な結果が得られるが、Si量を20.0(mol%)まで減じ、Sn量を15.0(mol%)まで増すと、FF値が72、Effが16.4(%)に留まり、Ivも0.5(A)以上に増大する結果となった。なお、No.4に示すように、本発明における必須成分Pb、B、Si、Snのみの4成分系でも、十分な結果が得られる。
また、実施例No.7〜10に示すように、Pb量が58.0〜62.0(mol%)、B量が4.0(mol%)、Si量が25.0〜29.0(mol%)、Al量が1.0〜6.0(mol%)、Ti量が3.0(mol%)以下、Zn量が2.0(mol%)以下、Zr量が0(mol%)、P量が1.0〜2.0(mol%)、Bi量が2.0(mol%)以下、Sn量が1.0〜2.0(mol%)、S量が0.5(mol%)以下、Ag量が0.5(mol%)以下の組成で、FF値が77〜78、Effが17.4〜17.6(%)、Ivが0.2(A)以下と、優れた特性が得られた。特に、Pb量が62.0(mol%)、Si量が27.0〜29.0(mol%)、Al量が1.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Zn量が1.0〜2.0(mol%)、P量が1.0〜2.0(mol%)、Bi量が0(mol%)のNo.8、9では、FF値が78、Effが17.6(%)、Ivが0.1(A)以下の極めて高い特性が得られた。また、No.8では、焼成温度範囲も720〜770(℃)と広い結果であり、Li非含有鉛ガラスを用いたペースト組成では最も優れた結果となった。
また、実施例No.11、比較例No.12とを対比すると、Pb量が53.0〜55.0(mol%)、B量が1.0〜4.0(mol%)、Si量が36.0〜37.0(mol%)、Al量が1.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Zn量が2.0〜4.5(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が1.0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Sn量が1.0(mol%)、S量が0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が1.43〜1.53の範囲内の組成では、Pb量が55.0(mol%)、B量が1.0(mol%)、Si量が36.0(mol%)、Zn量が4.5(mol%)、Zr量が0(mol%)、Pb/Si比が1.53の組成で、すなわち、Pb量を55.0(mol%)まで、B量を1.0(mol%)まで減じ、Si量を36.0(mol%)まで、Zn量を4.5(mol%)まで増し、結果的にPb/Siが1.53まで減じても、FF値が76、Effが17.2(%)、Ivが0.2(A)以下と高い特性が得られるが、Pb量を53.0(mol%)まで減じ、Si量を37.0(mol%)まで増し、結果的にPb/Siを1.43まで減じると、FF値が74、Effが16.7(%)まで低下する結果となった。
これらの評価結果によれば、Li非含有鉛ガラスを用いた電極ペーストでは、他の元素との兼ね合いもあるが、Pb量は55.0〜65.0(mol%)、B量は1.0〜8.0(mol%)、Si量は21.0〜36.0(mol%)、Al量は6.0(mol%)以下、Ti量は3.0(mol%)以下、Zn量は4.5(mol%)以下、Zr量は0.5(mol%)、P量は4.0(mol%)以下、Bi量は2.0(mol%)以下、Sn量は0.5〜12.0(mol%)、S量は0.5(mol%)以下、Ag量は0.5(mol%)以下、Pb/Siは1.5〜2.9の範囲が好ましいと推定される。
また、特に良好な結果が得られた実施例から、Pb量は55.0〜62.0(mol%)、Si量は25.0〜29.0(mol%)、Al量は1.0(mol%)以下、Ti量は0(mol%)、Zn量は2.0(mol%)以下、Zr量は0(mol%)、P量は1.0〜4.0(mol%)、Bi量は0(mol%)、Sn量は1.0〜2.0(mol%)、Pb/Siは2.1〜2.5の範囲が一層好ましい。また、Pb量は58.0〜62.0(mol%)、Si量は27.0〜29.0(mol%)、P量は1.0〜2.0(mol%)、Pb/Siは2.1〜2.3の範囲が特に好ましいと言える。
また、前記表2,3に示すLi含有鉛ガラスを用いた評価では、No.14〜20、22〜28、31〜42、44、45、48〜63、65、66、69〜81が実施例、その他(No.13、21、29、30、43、46、47、64、67、68、82)が比較例である。これら表2,3には、実施例として、基本骨格を構成するPbO-B2O3-SiO2にLi2OおよびSnOが添加された5成分系と、これに更に、Al2O3、TiO2、ZnO、ZrO2、P2O5、Bi2O3、Na2O、SO2、Ag2Oのうちのいくつかが添加された6成分系〜12成分系のガラスが示されている。
比較例No.13、実施例No.14等を対比すると、Pb量が64.0〜65.0(mol%)、B量が4.0(mol%)、Si量が24.0〜28.0(mol%)、Al量が0(mol%)、Li量が1.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜1.0(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が0〜1.0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が0.5〜2.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が2.29〜2.71の範囲内の組成では、Pb量が64.0(mol%)、Si量が28.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Zn量が1.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が1.0(mol%)、Na量が0(mol%)、Sn量が0.5(mol%)、S量が0.5(mol%)、Pb/Si比が2.29の組成で、すなわち、Pb量が64.0(mol%)以下であれば、FF値が75以上、Effが17.0(%)以上と十分に高く、Ivが0.2(A)以下と十分に小さい特性が得られた。Pb量が65.0(mol%)と多い比較例No.13では、FF値が74、Effが16.8(%)に留まり、Ivも0.5(A)以下の結果となった。
また、実施例No.66等と比較例No.67とを対比すると、Pb量が20.0〜24.0(mol%)、B量が4.0〜8.0(mol%)、Si量が32.0〜34.0(mol%)、Al量が3.0(mol%)、Li量が12.0(mol%)、Ti量が3.0(mol%)、Zn量が15.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜5.0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が2.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が0.59〜0.75の範囲内の組成では、Pb量が24.0(mol%)、B量が4.0(mol%)、Si量が32.0(mol%)、P量が0(mol%)、Bi量が5.0(mol%)、Na量が0(mol%)、S量が0(mol%)、Pb/Si比が0.75の組成で、すなわち、Pb量が24.0(mol%)以上であれば、FF値が75以上、Effが17.0(%)以上と十分に高く、Ivが0.5(A)以下と十分に小さい特性が得られた。Pb量が20.0(mol%)と少ない比較例No.67では、FF値が73、Effが16.5(%)に留まる結果となった。
また、実施例No.44、45等、比較例No.43、46を対比すると、Pb量が45.0〜52.0(mol%)、B量が0〜21.0(mol%)、Si量が19.0〜28.0(mol%)、Al量が0〜3.0(mol%)、Li量が6.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Zn量が0〜13.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Na量が0(mol%)、Sn量が2.0〜5.0(mol%)、S量が0(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が1.61〜2.74の範囲内の組成では、B量が1.0〜18.0(mol%)、Si量が22.0〜27.0(mol%)、Pb/Si比が1.67〜2.36の範囲で良好な結果が得られた。すなわち、B量が1.0〜18.0(mol%)の範囲ではFF値が75以上、Effが17.0(%)以上、Ivが0.5(A)以下の良好な結果が得られたが、B量が21.0(mol%)、0(mol%)では、FF値が73〜74、Effが16.5〜16.6(%)と不十分な結果であった。
また、実施例No.31〜42、44、45、48、49、比較例No.30、47を対比すると、Pb量が40.0〜55.0(mol%)、B量が1.0〜18.0(mol%)、Si量が9.0〜42.0(mol%)、Al量が0〜6.0(mol%)、Li量が3.0〜6.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜13.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜17.0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が1.0〜10.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0〜2.0(mol%)、Pb/Si比が1.14〜5.56の範囲内の組成では、Si量が11.0〜40.0(mol%)、Bi量が0〜15.0(mol%)、Pb/Si比が1.23〜4.55の範囲で良好な結果が得られた。すなわち、Si量が11.0〜40.0(mol%)の範囲では、FF値が75〜78、Effが17.0〜17.9(%)、Ivが0.5(A)以下の良好な結果が得られた。Si量が9.0、42.0(mol%)では、FF値が71〜73、Effが15.8〜16.5(%)と不十分な結果であった。なお、No.36では、後述するNo.18と共に焼成温度範囲も720〜780(℃)と広く、Li含有鉛ガラスを用いたペースト組成で最も優れた結果となった。これらはLi量が1.0〜3.0(mol%)であり、少量のLiを含む組成は、前記No.8のようなLiを含まない組成のものに比べても焼成温度範囲が一層広く、好ましい。
また、実施例No.14〜20等と、比較例No.68とを対比すると、Pb量が36.8〜64.0(mol%)、B量が4.0〜5.8(mol%)、Si量が25.5〜31.0(mol%)、Al量が0〜12.0(mol%)、Li量が1.0〜12.0(mol%)、Ti量が0〜2.0(mol%)、Zn量が0〜2.5(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜2.0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が0.5〜5.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が1.21〜2.31の範囲内の組成では、Pb量が55.0〜64.0(mol%)、B量が4.0(mol%)、Al量が0〜9.0(mol%)、Li量が1.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Pb/Si比が1.97〜2.31の範囲内で、良好な結果が得られた。すなわち、Al量が0〜9.0(mol%)の範囲では、FF値が75〜78、Effが17.0〜17.8(%)の良好な結果が得られた。特に、Pb量が59.5(mol%)、B量が4.0(mol%)、Si量が30.0(mol%)、Al量が3.0(mol%)、Li量が1.0(mol%)、P量が1.0(mol%)、Sn量が1.0(mol%)、S量が0.5(mol%)のNo.18では、FF値が78、Effが17.8(%)と極めて優れた結果が得られた。一方、Al量が12.0(mol%)ではFF値が74、Effが16.6(%)の不十分な結果であった。
また、実施例No.22〜28、50、65、比較例No.21、29、64を対比すると、Pb量が38.0〜53.5(mol%)、B量が6.0(mol%)、Si量が18.0〜32.0(mol%)、Al量が0〜3.0(mol%)、Li量が3.0〜12.0(mol%)、Ti量が0〜5.0(mol%)、Zn量が0〜12.9(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が0.1〜25.0(mol%)、S量が0〜1.0(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が1.19〜2.78の範囲内の組成では、Pb量が39.0〜53.5(mol%)、Si量が18.0〜31.5(mol%)、Al量が0.5〜3.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜12.5(mol%)、Zr量が0(mol%)、Sn量が0.5〜20.0(mol%)、Pb/Si比が1.24〜2.78の範囲で良好な結果が得られた。すなわち、Sn量が0.5〜20.0(mol%)の範囲では、FF値が75〜78、Effが17.0〜17.8(%)の良好な結果が得られた。特に、Pb量が50.0(mol%)、B量が6.0(mol%)、Si量が25.0(mol%)、Al量が3.0(mol%)、Li量が3.0(mol%)、Zn量が5.5〜8.5(mol%)、P量が2.0(mol%)、Sn量が2.0〜5.0(mol%)、S量が0.5(mol%)のNo.24、25では、FF値が78、Effが17.7〜17.8(%)と極めて優れた結果が得られた。一方、Sn量が0.1(mol%)ではFF値が74〜75、Effが16.7〜16.9(%)、25.0(mol%)では、FF値が72、Effが16.3(%)と、何れも不十分な結果であった。
また、実施例No.28、31〜33、比較例No.30を対比すると、Pb量が50.0(mol%)、B量が6.0(mol%)、Si量が9.0〜21.0(mol%)、Al量が3.0(mol%)、Li量が3.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Zn量が0〜4.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜17.0(mol%)、Na量が0(mol%)、Sn量が5.0〜20.0(mol%)、S量が0(mol%)、Ag量が0(mol%)、Pb/Si比が2.38〜5.56の範囲内の組成では、Si量が11.0〜21.0(mol%)、Bi量が0〜15.0(mol%)、Pb/Si比が2.38〜4.55の範囲で、良好な結果が得られた。すなわち、Bi量が0〜15.0(mol%)の範囲では、FF値が75〜77、Effが17.0〜17.4(%)の良好な結果が得られた。一方、Bi量が17.0(mol%)ではFF値が71、Effが15.8(%)と、不十分な結果であった。
また、実施例No.34〜42は、Tiを含む組成などで最適な条件を検討したもので、Pb量が49.0〜55.0(mol%)、B量が6.0(mol%)、Si量が20.0〜30.0(mol%)、Al量が3.0〜6.0(mol%)、Li量が3.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜6.5(mol%)、P量が1.0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜12.0(mol%)、Na2O量が0〜0.5(mol%)、Sn量が1.0〜5.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0〜2.0(mol%)の範囲では、FF値が75〜79、Effが17.0〜17.9(%)の良好な結果が得られた。特に、Pb量が49.0〜51.0(mol%)、Si量が24.0〜26.0(mol%)、Al量が3.0(mol%)、Ti量が3.0(mol%)、Zn量が5.5〜6.5(mol%)、P量が2.0(mol%)、Bi量が0(mol%)、Na2O量が0(mol%)、Sn量が2.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)の範囲では、FF値が78〜79、Effが17.7〜17.9(%)の優れた結果が得られた。
また、実施例No.51〜52に示すように、P量が4.0〜6.0(mol%)の範囲でも、FF値が75、Effが17.0(%)の良好な結果が得られた。
また、実施例No.53〜63は、種々組成を変更してTi量、Na量、S量の上限等を検討したもので、Pb量が35.6〜54.8(mol%)、B量が2.8〜12.0(mol%)、Si量が23.5〜35.4(mol%)、Al量が0〜6.0(mol%)、Li量が6.0〜9.0(mol%)、Ti量が0〜6.0(mol%)、Zn量が0〜12.0(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜3.0(mol%)、Na2O量が0〜1.0(mol%)、Sn量が1.0〜7.5(mol%)、S量が0〜2.0(mol%)の範囲では、FF値が75〜79、Effが17.0〜17.9(%)の良好な結果が得られた。特に、Pb量が44.0〜53.0(mol%)、Si量が5.0〜6.0(mol%)、Al量が0〜3.0(mol%)、Li量が6.0(mol%)、Ti量が0(mol%)、Zn量が0〜3.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が1.0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜3.0(mol%)、Na2O量が0〜0.5(mol%)、Sn量が2.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)の範囲では、FF値が78〜79、Effが17.7〜17.9(%)の優れた結果が得られた。
また、実施例No.70〜79は、種々組成を変更して最適条件を検討したもので、Pb量が30.0〜44.0(mol%)、B量が3.5〜8.0(mol%)、Si量が25.0〜36.0(mol%)、Al量が0〜7.0(mol%)、Li量が12.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜11.0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜2.0(mol%)、Na2O量が0〜1.0(mol%)、Sn量が1.0〜10.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0〜0.5(mol%)の範囲では、FF値が76〜79、Effが17.3〜17.9(%)の極めて良好な結果が得られた。特に、Pb量が35.0〜41.0(mol%)、B量が6.0〜8.0(mol%)、Si量が27.0〜32.0(mol%)、Al量が3.0〜6.0(mol%)、Li量が12.0(mol%)、Ti量が3.0(mol%)、Zn量が3.0〜4.0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が0〜1.0(mol%)、Na2O量が0(mol%)、Sn量が1.0〜5.0(mol%)、S量が0(mol%)、Ag量が0(mol%)の範囲では、FF値が78〜79、Effが17.5〜17.9(%)の優れた結果が得られた。
また、実施例No.80、81、比較例No.82は、Li量の上限を検討したもので、Pb量が38.0(mol%)、B量が4.0(mol%)、Si量が32.0〜35.0(mol%)、Al量が3.0(mol%)、Li量が15.0〜18.0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Sn量が2.0〜5.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0〜0.5(mol%)の組成では、FF値が75〜78、Effが17.0〜17.7(%)の良好な結果が得られた。一方、Pb量が36.0(mol%)、B量が4.0(mol%)、Si量が29.0(mol%)、Al量が7.0(mol%)、Li量が21.0(mol%)、Sn量が2.0(mol%)の組成では、FF値が72、Effが16.1(%)の不十分な結果となった。
また、実施例No.83〜92は、Bi含有系で主としてPb量およびLi量を変更して最適組成を検討したもので、Pb量が36.0〜58.0(mol%)、B量が3.0〜7.0(mol%)、Si量が26.1〜32.0(mol%)、Al量が3.0〜6.0(mol%)、Li量が1.0〜12.0(mol%)、Ti量が0〜3.0(mol%)、Zn量が0〜9.0(mol%)、Zr量が0(mol%)、P量が0〜2.0(mol%)、Bi量が1.0〜6.0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が0.5〜5.0(mol%)、S量が0〜0.5(mol%)、Ag量が0(mol%)の範囲では、FF値が76〜79、Effが17.1〜17.9(%)の良好な結果が得られた。特に、Pb量が37.0(mol%)以上、B量が6.0(mol%)以下、Sn量が2.0(mol%)以下の組成では、FF値が77以上、Effが17.4(%)以上の一層良好な結果が得られ、また、Pb量が37.0(mol%)以上、B量が6.0(mol%)以下、Bi量が3.0(mol%)以下、Sn量が2.0(mol%)以下の組成では、FF値が78以上、Effが17.6(%)以上の更に優れた特性が得られ、Pb量が37.0(mol%)以上、B量が6.0(mol%)以下、Li量が3.0(mol%)以上、Bi量が3.0(mol%)以下、Sn量が2.0(mol%)以下の組成では、FF値が79、Effが17.8(%)以上の極めて優れた特性が得られた。
これらの評価結果によれば、Li含有鉛ガラスを用いた電極ペーストでは、他の元素との兼ね合いもあるが、Pb量は24.0〜64.0(mol%)、B量は1.0〜18.0(mol%)、Si量は11.0〜40.0(mol%)、Al量は9.0(mol%)以下、Li量は1.0〜18.0(mol%)、Ti量は6.0(mol%)以下、Zn量は15.0(mol%)以下、Zr量は0.5(mol%)以下、P量は6.0(mol%)以下、Bi量は15.0(mol%)以下、Na量は1.0(mol%)以下、Sn量は0.5〜20.0(mol%)、S量は2.0(mol%)以下、Ag量は2.0(mol%)以下、Pb/Siは0.6〜4.6の範囲が好ましいと推定される。
また、特に良好な結果が得られた実施例から、Pb量は30.0〜61.0(mol%)、B量は2.8〜12.0(mol%)、Si量は20.0〜36.0(mol%)、Al量は7.0(mol%)以下、Li量は1.0〜15.0(mol%)、Ti量は3.0(mol%)以下、Zn量は12.0(mol%)以下、Zr量は0(mol%)、P量は2.0(mol%)以下、Bi量は12.0(mol%)以下、Na量は0.5(mol%)以下、Sn量は0.5〜10.0(mol%)、S量は0.5(mol%)以下、Ag量は0.5(mol%)以下、Pb/Siは1.0〜2.5の範囲が一層好ましい。また、Pb量は35.0〜59.5(mol%)、B量は4.0〜8.0(mol%)、Si量は24.0〜32.0(mol%)、Al量は6.0(mol%)以下、Zn量は8.5(mol%)以下、Bi量は3.0(mol%)以下、Sn量は1.0〜5.0(mol%)、Pb/Siは1.1〜2.1の範囲が特に好ましいと言える。
なお、上記実験データにおいて、Li非含有系、Li含有系の何れにおいても、Alを含む組成ではリーク電流が多くなるが、FF値は高くなる傾向にあり、焼成温度範囲も広くなる。しかしながら、Alが多くなり過ぎると開放電圧が著しく低下する。
また、Tiを含む組成ではFF値が高くなる傾向にあるが、Tiが多くなり過ぎると接触抵抗が高くなる傾向がある。
また、Bは過剰でも過少でも開放電圧が低下する傾向が認められる。そのため、何れの場合もFF値が低下する傾向がある。
ところで、上述した各実施例においては、電極ペーストを調製するに際してそれぞれ一種類のガラスを用いたが、2種類のガラス、すなわち低軟化点の侵食ガラスとドナー濃度の高いドナーガラスとを混合して用いることもできる。下記の表5に示すNo.93〜102は、ドナーガラスの組成例であり、本実施例では、Pb量が28.0〜44.0(mol%)、B量が3.0〜9.0(mol%)、Si量が24.1〜32.0(mol%)、Al量が0.5〜6.0(mol%)、Li量が10.0〜18.0(mol%)、Ti量が0〜6.0(mol%)、Zn量が0〜10.0(mol%)、Zr量が0〜0.5(mol%)、P量が4.0〜9.0(mol%)、Bi量が0〜1.0(mol%)、Na量が0〜0.5(mol%)、Sn量が0〜1.0(mol%)、S量が0〜1.5(mol%)、Pb/Si比が0.88〜1.56の範囲のガラスをドナーガラスとして用いる。上記P2O5はシリコン基板20に対するドナー供給源として比較的多い量が添加されている。このドナーガラスを単独で用いた場合のFF値は50〜73で、Ivは0.1(A)以下である。
Figure 0005937904
上記表5に示すドナーガラスは、全ガラス量の10〜30(wt%)の割合となるように、前記表1〜4に示す各実施例のガラス(すなわち侵食ガラス)と混合して用いられる。例えば、前記のペースト調合仕様において、ガラスフリット 4(wt%)のうち、侵食ガラスを3.6(wt%)、ドナーガラスを0.4(wt%)とする。このとき、ドナーガラスは、侵食ガラスよりも軟化点が50〜200(℃)の範囲で高い組合せになるように選択される。例えば、侵食速度が遅い侵食ガラスに対しては、ドナーである燐が多く軟化点が高いドナーガラスを用いることが好ましい。
上記混合ガラス系において、侵食ガラスは表1〜4のうちの任意の実施例のガラスを用いることができ、ドナーガラスは表5の任意のガラスを用いることができるが、具体的には、例えば、ドナーガラス No.94と、侵食ガラス No.18、83、84、37のうちの何れかとの組合せが挙げられる。これらの混合ガラスを用いた電極ペーストで前記受光面電極20を形成すると、何れの組合せでも、FF値79以上、Eff 17.9(%)以上の極めて優れた結果が得られる。特に、ドナーガラス No.94と侵食ガラス No.83との組合せが好ましく、電流が増大するので、Eff 18(%)以上の結果が得られる。
また、ドナーガラスとしては侵食性が弱いガラス、すなわち、FF値が小さいガラスを用いても良好な結果が得られる。例えば、ドナーガラス No.100と侵食ガラス No.24、36の何れかとの組合せが挙げられる。これらの組合せでも、ドナーガラス No.94を用いた場合と同様に、FF値79以上、Eff 17.9(%)以上の優れた結果が得られる。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
10:太陽電池、12:太陽電池モジュール、14:封止材、16:表面ガラス、18:保護フィルム、20:シリコン基板、22:n層、24:p+層、26:反射防止膜、28:受光面電極、30:裏面電極、32:受光面、34:全面電極、36:帯状電極、40:ガラス層、42:再結晶Ag、44:再結晶Ag、46:銀粒子、50:シリコン基板、52:受光面電極、54:ガラス層、56:再結晶Ag、58:銀粒子、60:再結晶Ag

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  1. 導電性粉末と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含む太陽電池電極用ペースト組成物であって、
    前記ガラスフリットは、酸化物換算でSnを0.5〜20.0(mol%)、Li Oを0.6〜18(mol%)、PbOを24〜64(mol%)、B O を1〜18(mol%)、SiO を11〜40(mol%)、POを1.0〜6.0(mol%)、Bi O を1〜15(mol%)の範囲でそれぞれ含む鉛ガラスを含むことを特徴とする太陽電池電極用ペースト組成物。
  2. 導電性粉末と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含む太陽電池電極用ペースト組成物であって、
    前記ガラスフリットは、酸化物換算でSnを0.5〜12.0(mol%)、PbOを55〜65(mol%)、BOを1〜8(mol%)、SiO21〜36(mol%)、POを1.0〜4.0(mol%)、Bi O を1〜2(mol%)の範囲でそれぞれ含み、Li Oを含まない鉛ガラスを含むことを特徴とする太陽電池電極用ペースト組成物。
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