JP5937165B2 - 張力緩和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電線を腕金又は電柱等に引き留め支持する耐張碍子の張力を緩和する装置に関し、特に、間接活線工法に適した張力緩和装置に関する。
図1は、耐張碍子、及び引留クランプによって腕金に引き留め支持された架空配電線の様子を示す図である。空中に架設された高圧線201(架空配電線)を腕金214又は電柱等に引き留め支持する耐張碍子連210は、複数の耐張碍子211を順次コッター212によって接続した構成を有する。耐張碍子連210の軸方向一端部はねじりストラップ213や一枚リンクを介してボルトBo及びナットNにより腕金214或いは電柱に取り付けられる。耐張碍子連210の軸方向他端部には高圧線201を支持する引留クランプ220が連結される。
雷害や地絡事故等により耐張碍子が破損した場合には、破損した耐張碍子のみを交換する必要があるが、交換の際には碍子にかかる張力を緩和する必要がある。従来は、碍子の張力を緩和するために活線張線器や径間途中切り分け工具(ホットプラー)等を使用していた。
特許文献1には、間接活線工法用の張線装置が記載されている。張線装置は、例えば図1にて示したような引留クランプ220周辺の架空配電線の適所を把持する掴線器と、掴線器によって把持された架空配電線を電柱側に引き寄せるための張線器とを備えて構成されている。
張線器は、掴線器に取り付けられる掴線器取付部と電柱に固定される張線器本体とを備え、掴線器取付部と張線器本体とは牽引部材であるベルトにより相互に接近又は離間可能に連結されている。また、張線器本体は、ベルトを巻き取るドラムと、ドラムにベルトを巻き付けたり、ドラムに巻付けられたベルトを送り出すことにより、ベルトの張力を調整する張弛調整機構と、ベルトを緊張させる方向又は張力を緩和させる方向に選択的に回転可能なラチェットギア機構とを備えている。
張線装置は、ベルトをドラムに巻き取ってベルトを緊張させることにより、耐張碍子に係る張力を張線装置側に移行させて破損した耐張碍子の交換を可能とする。また、耐張碍子の交換作業が終了した後は、ベルトをドラムから送り出してベルトの張力を緩和することにより、電線の張力を耐張碍子に支持させる。
特開2013−62960公報
耐張碍子連の張力を緩和する従来の張線装置は、耐張碍子連と同一直線状に位置させた状態にて使用するものである。即ち、張線装置が耐張碍子連に干渉するため、碍子の取り替え作業には特別な技能が要求される。仮に、張線装置が耐張碍子連に干渉しないようにするために、張線装置の支持部位を、腕金や電柱の耐張碍子連を引き留めている部分から離間させると耐張碍子連が捩れる形となり、新規な耐張碍子を連結することが困難となる。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、耐張碍子連に干渉せずに耐張碍子連に加わる張力を緩和する新規な張力緩和装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一端部を送電用構築物によって支持されると共に、他端部を引留クランプを介して電線と接続される耐張碍子連に加わる張力を緩和する張力緩和装置であって、前記送電用構築物に固定される固定具と、軸方向一端部が前記固定具によって支持されると共に、前記耐張碍子連の軸方向に沿って前記耐張碍子連との干渉を回避した位置に配置される張力支持杆を備えた張力支持部材と、一端部を前記張力支持杆によって揺動自在に支持されると共に、中間部に前記引留クランプを掛止する掛止部材を備え、他端部に絶縁操作棒が接続される接続金具を備えた張力操作部材と、を備え、前記張力操作部材は、前記電線からの全張力を前記耐張碍子連に支持させている初期姿勢と、前記接続金具側を前記送電用構築物側に移動させて前記耐張碍子連の張力を緩和させる緩和姿勢との間を揺動することを特徴とする。
本発明においては、耐張碍子連の張力を支持する張力支持杆を耐張碍子連の側方に配置するので、張力緩和装置が耐張碍子連とは干渉しない。また、張力操作部材はテコの原理を利用して張力を操作する。即ち、張力支持杆によって揺動自在に支持された一端部を支点として、接続金具に接続された絶縁操作棒の適所を力点として入力された力は、掛止部材を介して引留クランプに増幅されて作用する。このため、絶縁操作棒から非常に軽い力を入力しても、容易に耐張碍子連の張力を緩和することができる。
耐張碍子、及び引留クランプによって腕金に引き留め支持された架空配電線の様子を示す図である。 張力緩和装置の使用状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る張力緩和装置が装着された引留クランプ部分の拡大図である。 図3のA矢視図である。 腕金用固定具を示した上面図及び側面図である。 線路角度がある場合の腕金用固定具の取付位置について説明するための模式図である。 腕金用固定具に装着された張力支持部材を示す上面図及び側面図である。 張力支持部材、及び張力支持部材に装着された張力操作部材を示す側面図である。 揺動部材を分解して示した図である。 (a)〜(c)は、ラチェット機構の動作を示す図である。 ジョイント部の各部材を分解して示した側面図及び、上面図である。 (a)〜(e)は、絶縁操作棒の回転とフック部の動作との関係について説明するための模式図である。 電柱用固定具の使用状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本体金具を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は上面図であり、(c)は展開図である。 把持用取手が装着された取付操作ピンを示す図である。 Bフックの分解斜視図である。 (a)〜(c)は、取付手順を示す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<架空配電線>
図1に示すように、空中に架設された高圧線201(架空配電線)は、耐張碍子連210によって腕金214又は電柱等に引き留め支持される。耐張碍子連210は、複数の耐張碍子211を順次コッター212によって接続した構成を有する。耐張碍子連210の軸方向一端部はねじりストラップ213や一枚リンクを介してボルトBo及びナットNにより腕金214或いは電柱に取り付けられる。耐張碍子連210の軸方向他端部には高圧線201を支持する引留クランプ220が連結される。
<引留クランプ>
引留クランプについて図1、及び図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る張力緩和装置が装着された引留クランプ部分の拡大図である。
引留クランプ220は、高圧線201の心線201aを挟圧、保持する部材である。引留クランプ220は、心線201aを保持するクランプ部材221と、クランプ部材221と心線201aとの間に挿入されることによりクランプ部材221に対する心線201aのズレを防止するくさび部材231とから構成されている。
クランプ部材221は、耐張碍子連210の軸線上に配置される概略棒状の支持部223と、支持部223の軸方向一端側に配置されて耐張碍子211とコッター212により接続される碍子取付穴225(碍子取付部)と、支持部223の軸方向他端側に配置されて心線201aを挟持したくさび部材231が挿入される中空の空間を有するくさび部材挿入部227と、くさび部材挿入部227の下部に配置されてシメラーロープを取り付ける孔が形成されたシメラーロープ取付部229(被係止部)と、を備える。
くさび部材231は、軸方向一端から他端に向けて外径が漸減する一対のくさび片235a、235bを備える。くさび片235a、235bの対向面には、軸方向に沿って心線201aを挟圧する凹状の溝(不図示)が形成されている。くさび片235a、235bの軸方向一端部は、ボルト233により一体化されているが、不図示のバネによって互いに離間する方向に弾性付勢されている。
くさび部材231の軸方向他端部は、クランプ部材221のくさび部材挿入部227内に挿入される。くさび部材挿入部227の中空部内は、軸方向一端から他端に向けて内径が漸減するテーパ状の凹所(不図示)となっており、くさび部材231がくさび部材挿入部227内に挿入されるに従って、2つのくさび片235a、235bの間に挟まれた高圧線201が挟圧される構成である。
本実施形態に係る張力緩和装置は、シメラーロープ取付部229を利用して引留クランプ220に一体化される。
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態に係る張力緩和装置について説明する。図2は、張力緩和装置の使用状態を示す図である。図4は、図3のA矢視図である。
張力緩和装置1は、図1、及び図3に示すような、一端部を腕金214等の送電用構築物によって支持されると共に、他端部を引留クランプ220を介して高圧線201(電線)と接続される耐張碍子連210に加わる張力を緩和する装置である。
張力緩和装置1は、送電用構築物の一つである腕金214に固定される腕金用固定具10(固定具)と、軸方向一端部が腕金用固定具10によって支持されると共に、耐張碍子連210の軸方向に沿った耐張碍子連210の側方に配置される張力支持杆51を備えた張力支持部材40と、一端部を張力支持杆51によって揺動自在に支持された張力操作部材70と、を備えている。
<腕金用固定具>
図5は、腕金用固定具を示した上面図及び側面図である。
腕金用固定具10は、水平方向に伸びるように設置された四角柱状の腕金214に張力支持部材40を支持させるための部材である。
腕金用固定具10は、腕金214の三つの側面に添設される内面を有した概略コの字状(角型U字形状)の固定具本体11(支持部材)と、腕金214の残りの一側面に掛止される揺動可能な掛止爪29aを備えた操作部21とを備える。
固定具本体11は、腕金214の上側側面に添設される上板12(支持部材)と、腕金214の下側側面に添設される下板13(支持部材)と、腕金214の一側面214aに添設される側板14(側部支持部材)とを備えた概略角U字状である。固定具本体11の上板12及び下板13は対向して配置されており、上板12と下板13の一端縁は上下方向に伸びる側板14によって連設されている。
上板12及び下板13の他端部には、夫々円形状のピン挿入穴15、15が貫通形成されている。上板12及び下板13の一端縁から他端縁までの長さは、腕金214の長手方向と直交する方向における上側側面及び下側側面の長さ(図中左右方向における長さ)よりも長く設定されている。ピン挿入穴15、15は、固定具本体11を腕金214に掛止したとき腕金214から延在する上板12及び下板13の部位に形成されている。
操作部21は、固定具本体11に固定された固定片23と、掛止爪29aを備えて固定片23によって揺動可能に支持された可動片27とを備える。
固定片23は、固定具本体11の下方に垂下し、一端が固定具本体11の下板13に固定されている。また、固定片23の一端部には、可動片27を揺動自在(回動自在)に支持する軸支部25を備えている。
可動片27は鋭角に屈曲された概略L字形状の板状部材であり、端部に掛止爪29aを備えて固定具本体11の下板13に対向して配置された掛止部29と、固定片23と対向して配置された把持部31とを備える。また、可動片27の屈曲部33は、固定片23によって揺動自在(回動自在)に軸支持されている。
可動片27が固定片23によって揺動自在に軸支持されることにより、可動片27は掛止爪29aが固定具本体11の下板13と上板12との間に突出して腕金214の他側面214bに掛止される掛止位置(図中実線位置)と、掛止爪29aが下板13と上板12との間から退避して腕金214に掛止されない退避位置(図中点線位置)との間を揺動(回動)する。また、可動片27は、軸支部25に設けたバネ部材によって掛止位置に弾性付勢されている。
なお、掛止位置にあるとき、可動片27の掛止部29は固定具本体11の下板13に当接し、把持部31は固定片23から離間した状態となる。また、退避位置にあるとき、可動片27の掛止部29は固定具本体11の下板13から離間し、把持部31は固定片23に近接する。
固定片23と可動片27の把持部31を絶縁ヤットコ(不図示)によって同時に把持することにより、可動片27が図中時計回り方向に回動して退避位置(図中点線位置)に移動する。このとき、掛止爪29aは、固定具本体11の下板13と上板12との間に突出しないので、腕金用固定具10を腕金214に対して着脱可能となる。逆に、固定片23と可動片27の把持を解除すれば、掛止爪29aは固定具本体11の下板13と上板12との間に突出した掛止位置となり、腕金214の長手方向と直交する方向における腕金用固定具10の移動、及び脱落を禁止する。
なお、固定片23と可動片27の非対向面であって、絶縁ヤットコの把持部が接触する部位には、ローレット加工やエンボス加工、或いはゴム等の高摩擦力部材を貼付する等の方法により、滑り止め加工を施してもよい。
<<腕金用固定具の取付位置>>
ここで、腕金用固定具10は、掛止爪29aが腕金214に係止されている場合であっても腕金214の長手方向(図5の上面図において上下方向)への移動は禁止されない。このため、腕金に対して高圧線が線路角度を有して引き留められている場合には腕金用固定具が脱落しないように、その取り付け位置を工夫する必要がある。
図6は、線路角度がある場合の腕金用固定具の取付位置について説明するための模式図である。
耐張碍子連210が支持する全張力をFとすると、高圧線201に線路角度がある場合には、腕金214の長手方向に沿って張力Fの力成分Faが働くため、力成分Faの働く方向に腕金用固定具10が移動して脱落する虞がある。このため、力成分Faの働く側に耐張碍子211を引き留めるねじりストラップ213や一枚リンク(不図示)が位置するように腕金用固定具10を取り付けて脱落を防止する。
<張力支持部材>
図7は、腕金用固定具に装着された張力支持部材を示す上面図及び側面図である。図8は、張力支持部材、及び張力支持部材に装着された張力操作部材を示す側面図である。
張力支持部材40は、耐張碍子連210にかかる張力を張力緩和装置1に移行させたときに、その張力を支持する部材である。
張力支持部材40は、耐張碍子連210の軸方向に沿って耐張碍子連210との干渉を回避した位置(側方、或いは側部上方)に配置される長尺棒状の張力支持杆51と、一端部を張力支持杆51の長手方向一端部によって、互いの長手方向と交差する方向を軸として回動自在に支持されると共に上下方向に伸びる取付ピン41とを備える。
取付ピン41は、腕金用固定具10に取り付けられる部材であり、長手方向他端部側から一端部に向けて順に、ピン挿入穴15、15内に挿入される小径部43、ピン挿入穴15、15を挿通不能な大径部45、及び張力支持杆51の絶縁棒部53を接続する接続片47を備えている。小径部43は概略円柱形状である。上述のように腕金用固定具10を構成する固定具本体11の上板12(支持部材)及び下板13(支持部材)には、ピン挿入穴15(取付穴)が貫通形成されており、取付ピン41は、ピン挿入穴15内に挿入されることによってその軸線周りに図7中矢印D方向に正逆回動自在に支持される。また、取付ピン41は上下に離間して配置された上板12と下板13とによって保持されるため、取付ピン41の傾倒やピン挿入穴15からの脱落が発生しにくい。
接続片47には張力支持杆51と接続するための不図示の連通穴が貫通形成されている。
張力支持杆51は耐張碍子連210から移行させた張力に耐えうる強度を有する長尺棒状の部材であり、表面が絶縁加工された絶縁棒部53と、絶縁棒部53の長手方向一端部に配置されて取付ピン41を接続するピン接続部57と、絶縁棒部53の長手方向他端部に配置されて張力操作部材70を支持する操作部材支持部59を備えている。張力支持杆51の長手方向長は腕金214から引留クランプ220までの長さと略同等に設定されている。
絶縁棒部53の長手方向長は、図2に示すように耐張碍子連210の長さと同等に設定されている。絶縁棒部53は、引留クランプ220によって支持された高圧線201と腕金214との間における地絡を防止するため、その表面は絶縁被覆により絶縁処理されている。特に絶縁棒部53の長手方向中間部適所には、水滴による沿面リークの防止(絶縁能力の低下防止)を図ると共に、他物体との接触による絶縁被覆の損傷を防止するための水切兼保護用リング55、55が挿通されている。
ピン接続部57には不図示の連通穴が貫通形成されており、取付ピン41の接続片47に形成された不図示の連通穴と連通させた状態にてコッターCを挿通することにより、取付ピン41に対して張力支持杆51が図中矢印E方向に回動自在に軸支される。また、コッターCは、割りピンBによって両部材からの脱落が防止される。
操作部材支持部59は、図4に示すように長手方向と交差する方向における断面形状が矩形状であり、平坦な底面59aを有する。また、操作部材支持部59の長手方向中間部適所には、長手方向における位置を変えて複数のコッタ穴H、Hが貫通形成されている。コッタ穴H、Hは、張力操作部材70を回動自在に支持する。
コッタ穴Hは耐張碍子連の軸方向長に応じた位置に形成される。例えば、長手方向一端側(ピン接続部57側)のコッタ穴Hは一般的な箇所に使用される耐張碍子連に適した箇所に形成され、長手方向一端側のコッタ穴Hは一般用の耐張碍子連よりも長尺の耐塩用の耐張碍子連に適した箇所に形成される。
コッタ穴Hと張力支持杆51の一端部(ピン接続部57)との間の長さは、耐張碍子連210が高圧線201からの全張力を支持している状態で張力操作部材70を引留クランプ220に接続したときに、張力操作部材70が張力支持杆51と略直交する方向に伸びるか、少なくとも腕金214とは反対側に傾斜する位置となるように設定される。
<張力操作部材>
張力操作部材70は、耐張碍子連210にかかる張力を緩めて張力支持部材40に移行させたり、張力支持部材40が支持する張力を耐張碍子連210に戻す操作をするための部材である。張力操作部材70は、図8に示すように、一端部に設けた揺動支持部71を張力支持杆51によって揺動自在に支持されると共に、中間部に引留クランプ220を掛止するフック部材153(掛止部材)を備え、他端部に絶縁操作棒240が接続されるツイストロック金具123(接続金具)を備えている。
張力操作部材70は、張力支持杆51のコッタ穴Hを中心として揺動可能(回転可能)に支持される揺動支持部71と、揺動支持部71と引留クランプ220とを絶縁操作棒240に接続するジョイント部120とを有する。
張力操作部材70は、図3に示すような、高圧線201からの全張力を耐張碍子連210に支持させている初期姿勢と、図2に示すような、ツイストロック金具123側を腕金214側に移動させて耐張碍子連210の張力を緩和させる緩和姿勢との間を揺動する。
<<揺動支持部>>
図8に示すように揺動支持部71は、張力支持杆51のコッタ穴Hと連通するコッタ穴Hを備えて張力支持杆51に対してコッタ穴Hを中心として揺動(回動)する揺動部材72と、揺動部材72によって支持されると共に、揺動部材72を緩和姿勢に維持するラチェット機構100とを備えている。
<<<揺動部材>>>
揺動部材について図4及び図9に基づいて説明する。図9は、揺動部材を分解して示した図である。
揺動部材72は、所定の間隔を隔てて並行に対向配置された上下方向に伸びる2つの支持板73、73を備え、2本の支持板73、73が下方の基端部85にて一体化された概略U字状、コ字状、或いはY字状である。
夫々の支持板73、73の上端部には、コッタ穴H、Hが貫通形成されている。2つの支持板73、73にて張力支持杆51の操作部材支持部59を挟むと共に、支持板73、73のコッタ穴H、Hと、張力支持部材のコッタ穴Hとを連通させた状態にて、各穴にコッターCを挿入することにより、揺動部材72が張力支持部材40によって揺動可能に支持される。また、コッターCは、割りピンBによって揺動部材72と張力支持部材40からの脱落が防止される。
図9に示すように、支持板73、73の下部適所には、第一軸穴75と第二軸穴77が夫々貫通形成されている。第一軸穴75には、ラチェット機構100の第一レバー101を揺動可能に支持する第一揺動軸76が挿入される。第二軸穴77には、ラチェット機構100の第二レバー111を揺動可能に支持する第二揺動軸78が挿入される。
第一揺動軸76は概略円柱状であり、軸方向への移動、言い換えれば第一軸穴75からの脱落は、軸カバー91によって防止される。軸カバー91は、第一軸穴75に挿入された第一揺動軸76の軸方向両端をカバーする部材である。図9に三面図にて示した軸カバー91は、上面視概略コの字形状(又は角U字形状)の金具からなり、対向して伸びる2つの挟持板93、93によって支持板73、73の外側面を挟持すると共に、第一揺動軸76の軸方向両端面をカバーする。挟持板93、93は、支持板73、73の外側面の一部と第一揺動軸76の軸方向各端面とに跨がって両部材をカバーする。挟持板93、93の先端部には、対向する側に係止爪95、95が突出形成されている。
第一軸穴75、75周辺の支持板73、73の外側面には、軸カバー91の挟持板93、93を受け入れる凹所81、81及び係止爪95、95が係止される被係止凹所83、83が形成されている。軸カバー91を凹所81、81内に装着することにより、支持板73、73の外側面と挟持板93、93とが無段差状となる(図4参照)。このように、軸カバー91を装着した場合であっても支持板73、73の外側面が無段差状となるので、張力緩和装置1の使用時において、第一揺動軸76が他の物体に引っ掛かる等の虞がなくなる。
第二揺動軸78はボルトであり、第二軸穴77、77内に螺着される。なお、第一揺動軸76を第二揺動軸78と同様にボルトから構成してもよい。逆に、第二揺動軸78を第一揺動軸76と同様に構成し、第二揺動軸78の脱落を防止する機構として軸カバー91に相当する部材を用いてもよい。
図4に示すように揺動部材72は、支持板73、73の下方に位置する基端部85においてジョイント部120と一体化される。揺動部材72にジョイント部120を一体化させるため、基端部85には、張力支持杆51の長手方向と交差する幅方向に挿入孔87が貫通形成され、また、基端部85の下面から上方に向かってネジ穴89が形成されている。挿入孔87には、後述するジョイント部120の接続板141が挿入され、接続板141はネジ穴89に螺着される蝶ネジ97により脱落不能に支持される。
<<<ラチェット機構>>>
ラチェット機構の構成及び動作について図10に基づいて説明する。図10(a)〜(c)は、ラチェット機構の動作を示す図である。ラチェット機構100は、張力操作部材70を構成する揺動部材72の初期姿勢から緩和姿勢への変位(図10中、右方から左方への移動)を許容し、緩和姿勢から初期姿勢への変位(図10中、左方から右方への移動)を阻止する姿勢維持機構として機能する。
ラチェット機構100は、揺動部材72の支持板73によって夫々回動可能(揺動可能)に支持された第一レバー101と第二レバー111とを有する。第一レバー101は、揺動部材72を緩和姿勢にロックする際に操作するレバーである。第二レバー111は、揺動部材72を緩和姿勢から初期姿勢に戻す際に操作するレバーであり、第一レバー101の下方に配置されている。
第一レバー101は、一端部(一部)に設けた第一軸支部103が張力操作部材70の第一揺動軸76によって回動自在(揺動自在)に支持されている。また、第一軸支部103の軸心を中心として第一軸支部103の外周には形成されたラチェット歯105が形成されている。更に、第一レバー101の他端部(他部)には、絶縁ヤットコ等の間接活線工具による操作が可能な第一操作片107を備えている。
第二レバー111は、中間部(一部)に設けた第二軸支部113が張力操作部材70の第二揺動軸78によって回動自在(揺動自在)に支持されている。また、第二レバー111の一端部には、ラチェット歯105に係合したときに第一レバー101の回動を一方向(第一操作片107側が上昇する方向)のみに限定するラチェット爪115が形成されている。更に、第二レバー111の他端部(他部)には、絶縁ヤットコ等の間接活線工具による操作が可能な第二操作片117を備えている。
第一レバー101の重心は第一操作片107側にあるため、第一レバー101は第一操作片107側が下降する方向に回動しようとする。第二レバー111の重心位置は第二操作片117側にあるため、第二レバー111は第二操作片117側が下降してラチェット爪115が上昇する方向に回動しようとする。しかし、ラチェット爪115の上方には第一レバー101のラチェット歯105があるため、図10(a)、(b)に示すように、常時においてラチェット爪115はラチェット歯105に係合する。
ラチェット歯105及びラチェット爪115は、ラチェット爪115がラチェット歯105に係合している状態では、第一レバー101の第一操作片107側を上昇させる方向への回動を許容し、第一レバー101の第一操作片107側を下降させる方向への回動を禁止する形状である。従って、図10(b)に示すように、第一レバー101の第一操作片107を上昇させたとき、ラチェット歯105とラチェット爪115との噛み合いにより、第一レバー101は第一操作片107側が上昇した姿勢にて安定し、第一操作片107側の下降が禁止される。
ラチェット機構100の動作及びその機能について説明する。図10中、点線で示した部分は、張力支持杆51の操作部材支持部59の底面59aの位置を示している。
図10(a)に示すように、第一レバー101の第一操作片107側が下降しているとき、揺動部材72は、図中左右方向へ自由に揺動する。
図10(b)に示すように、第一レバー101の第一操作片107側が上昇したとき、ラチェット歯105とラチェット爪115との噛み合いにより第一レバー101は上昇した位置にて停止する。なお、第一操作片107を上昇させるには、間接活線工具により第一操作片107を下から突き上げればよい。第一操作片107が張力支持杆51(底面59a)に対して下方から当接したとき、揺動部材72は図中左側への移動、即ち高圧耐張碍子連の張力を緩和する方向への移動は許容されるが、図中右側への移動、即ち高圧耐張碍子連に電線の張力を支持させる方向への移動は禁止される。なお、揺動部材72はジョイント部120と一体化される基端部85側が高圧線201の張力により腕金214とは反対の方向に引き寄せられるので、第一操作片107が底面59aに当接することとなる。
図10(c)に示すように、第二レバー111の第二操作片117を間接活線工具により上昇させると、ラチェット爪115とラチェット歯105との係合が解除される。第一レバー101が回動して第一操作片107側が下降し、揺動部材72の自由な揺動を許容する。
このようにラチェット機構100は、揺動部材72を緩和姿勢に維持する。
<<ジョイント部>>
図11は、ジョイント部の各部材を分解して示した側面図及び、上面図である。
ジョイント部120は、図3及び図4に示すように、揺動部材72と引留クランプ220とを絶縁操作棒240に対して接続し一体化する部位である。ジョイント部120は、絶縁操作棒240と着脱自在に接続するツイストロック金具123を備えた軸部材121と、軸部材121によって回動自在に支持されると共に揺動部材72に接続、一体化される接続板141と、軸部材121によって支持されると共に引留クランプ220のシメラーロープ取付部229に着脱自在に掛止するフック部151とを備える。
軸部材121は、各部材を相対回転自在又は相対回転不能に支持する。軸部材121は、軸方向一端(下部側)から他端(上部側)にかけて順にツイストロック金具123と、支持軸部125と、支持軸部125よりも小径の大径軸部127と、大径軸部127よりも小径の小径軸部129とを備える。
ツイストロック金具123は、絶縁操作棒240の先端に設けた接続金具241とツイストロック方式により、相対回転不能、且つ着脱自在に接続する。
支持軸部125、大径軸部127、及び小径軸部129は階段状に形成されている。支持軸部125は接続板141の下面を支持する。大径軸部127は円柱形状であり、接続板141に設けた第一軸穴143が挿通されることにより接続板141を正逆回転自在に支持する。小径軸部129は内部に中空部131を有する円筒状であり、その側面にはボルト穴133が貫通形成されている。小径軸部129はフック部151を支持する。
軸部材121を構成する支持軸部125、大径軸部127、及び小径軸部129は、絶縁操作棒240に装着されたとき、絶縁操作棒240の中心軸と同軸に配置される。
接続板141は概略矩形平板状であり、長手方向の一端部に大径軸部127を挿通する第一軸穴143を備え、他端部には揺動部材72に固定するための第二軸穴145を備える。第二軸穴145が形成された接続板141の端部を、揺動部材72の基端部85に設けた挿入孔87内に挿入すると共に、第二軸穴145をネジ穴89と連通させた状態にて、第二軸穴145内に蝶ネジ97を螺着する。以上の操作により、接続板141は揺動部材72に一体化される。更に、第一軸穴143内に大径軸部127を挿通することにより、接続板141を介して張力操作部材70と軸部材121、絶縁操作棒240を一体化することができる。
フック部151は、シメラーロープ取付部229に着脱自在に掛止されるフック部材153と、シメラーロープ取付部229を取り付ける為の開口部159を開閉操作する開閉操作ベース165及び開閉操作ピン171を有する。
フック部材153(掛止部材)は、小径軸部129(支持軸)によって正逆回転自在に支持される基部157と、基部157から延びるフック本体155と、フック本体155の開口部159を開閉する開閉片161と、開閉片161を常時閉止方向に弾性付勢する不図示の付勢部材と、備えている。
フック部材153は概略J字形状である。基部157は、小径軸部129が挿通される軸穴157aを有する。基部157の外周面157bは、軸穴157aの軸心を中心として円弧状に形成されている。
開閉片161はフック本体155によって中間部適所が揺動自在に軸支されており、一端部161aによって開口部159を開閉する。また、開閉片161の他端部は、一端部161aを揺動させる際に押圧操作される被押圧部161bであり、基部157の外周面157bから外径方向に突出するように配置されている。
開閉操作ベース165は概略円板状であり、面内に小径軸部129が挿通される軸穴167が貫通形成されている。開閉操作ベース165には、外周面から軸穴167に向かってボルト穴169が貫通形成されている。軸穴167を回避した開閉操作ベース165の面内には、開閉操作ベース165に対して螺着により一体化された開閉操作ピン171が突出している。
開閉操作ピン171は、小径軸部129の外径方向に偏心配置されて、絶縁操作棒240と一体に回転する。開閉操作ピン171は、開閉操作ベース165とフック部材153とを組み立てたときに、フック部材153の基部157の外周面157bに沿う位置に突出する。なお、開閉操作ベース165は大径軸部127寄りに配置され、フック部材153はその上面に載置される。
フック部材153は、脱落防止ピン173により、軸部材121に対して脱落不能に一体化される。脱落防止ピン173は、一端部適所に貫通形成されたボルト穴175を有し、他端に軸穴157aよりも大径のフランジ部176を備えている。即ち、フック部材153の軸穴157aと開閉操作ベース165の軸穴167内に連続して小径軸部129が挿通された状態にて、小径軸部129の中空部131内に脱落防止ピン173を挿入すると共に、開閉操作ベース165、小径軸部129、及び脱落防止ピン173の夫々のボルト穴169、133、175を連通させて長ネジボルト177を螺着することにより、各部材が軸部材121に対して一体化される。
開閉操作ベース165は長ネジボルト177により軸部材121の小径軸部129に対して相対回転不能に一体化され、フック部材153は軸部材121の小径軸部129に対して相対回転可能に一体化される。
以上示したように、ジョイント部120を構成する各部材は分解及び組立自在な構成となっている。具体的には、フック部材153は図4や図11に示した姿勢とは上下を逆にして軸部材121に装着することができる。また接続板141は、図4や図11に示した姿勢とは軸部材121に対して180度回転させた状態にて装着することが可能である。更に揺動部材72の基端部85には、挿入孔87が貫通形成されているため、接続板141は図4中、揺動部材72の左側に装着することもできるし右側に装着することもできる。このように、使用状況(耐張碍子連210に対する張力緩和装置1の取り付け位置)に応じて適宜形態を変化させることができる。
ここで、フック部の操作方法について説明する。図12(a)〜(e)は、絶縁操作棒の回転とフック部の動作との関係について説明するための模式図である。
フック部材153の基部157の外周面157bは軸穴157aの軸心を中心とした円弧形状であり、開閉操作ピン171は外周面157bに添設される。上述のように、絶縁操作棒240と相対回転不能に一体化される軸部材121に対して、開閉操作ベース165は相対回転不能に一体化され、フック部材153は相対回転可能に一体化される。また、フック部材153と開閉操作ベース165は共に小径軸部129に挿通されることから、絶縁操作棒240を軸周りに回転させることによって、開閉操作ピン171が外周面157bに沿って回動する。
シメラーロープ取付部229にフック部材153を掛止する際には、絶縁操作棒240を取付方向(第一の方向、図中時計回り方向)に回転させる。図12(a)に示すように開閉操作ピン171が小径軸部129周りに時計回り方向に回動すると、開閉操作ピン171は外周面157bに沿って移動してフック部材153に当接して、図12(b)に示すようにフック部材153を時計回り方向に回動させる。開口部159付近に位置するシメラーロープ取付部229は開閉片161を押圧して、シメラーロープ取付部229とフック本体155が掛止される。その後、開閉片161は不図示のバネ部材によって開口部159を閉止して、シメラーロープ取付部229を脱落不能にする。
フック部材153から引留クランプ220を取り外す際には、絶縁操作棒240を取外し方向(第二の方向、図中反時計回り方向)に回転させる。開閉操作ピン171の移動経路上には開閉片161の被押圧部161bがあるため、図12(c)に示すように開閉操作ピン171が小径軸部129周りに反時計回り方向に回動すると、開閉操作ピン171は外周面157bに沿って移動して、図12(d)に示すように被押圧部161bを開放方向に押圧する。開閉操作ピン171が被押圧部161bを押圧することにより、フック本体155の開口部159が開放する。開閉操作ピン171をさらに反時計回り方向に回動させると、図12(e)に示すように開閉操作ピン171は被押圧部161bに当接したまま、フック部材153自体を反時計回り方向に回動させる。そしてシメラーロープ取付部229のフック本体155との掛止状態が解除される。その後、開閉片161は不図示のバネ部材によって開口部159を閉止する。
以上のように、絶縁操作棒240を軸周りに正逆回転操作するだけで、フック部材153に対して、シメラーロープ取付部229を掛止したり取り外したりすることができる。
<使用方法>
本実施形態に係る張力緩和装置1の設置方法を説明する。
まず、腕金用固定具10を腕金に装着する。腕金用固定具10の操作部21の固定片23と把持部31とを同時に絶縁ヤットコにて把持し、可動片27を退避位置(図5の側面図中点線位置)に移動させる。腕金用固定具10を上板12(又は下板13)の長手方向(図中右方向)に沿って移動させて、腕金214に装着する。装着後は、固定片23と可動片27の把持を解除すれば掛止爪29aが腕金214に掛止されるので、腕金214の長手方向と直交する方向における腕金用固定具10の移動、及び脱落が禁止される。
続いて、張力支持部材40、張力操作部材70、及び絶縁操作棒240を一体化させる。なお、張力操作部材70を構成する揺動支持部71とジョイント部120とは、線路、又は耐張碍子連に対する腕金用固定具10の装着位置に適した形態となるように予め組み立てておく。
張力支持部材40の取付ピン41の接続片47と張力支持杆51のピン接続部57とを、コッターC及び割りピンBを用いて接続する。張力支持杆51のコッタ穴Hと張力操作部材70を構成する揺動部材72のコッタ穴Hとを連通させた状態にて、両部材をコッターC及び割りピンBを用いて接続する。このとき、耐張碍子連210の軸方向長に応じて、使用するコッタ穴Hを適宜選択する。
ジョイント部120のツイストロック金具123に、絶縁操作棒240の接続金具241を接続し、一体化させる。
更に、腕金用固定具10に張力支持部材40を一体化させる。取付ピン41を絶縁ヤットコにより把持し、取付ピン41を腕金用固定具10のピン挿入穴15、15内に挿入する。
最後に、引留クランプ220に張力緩和装置1を接続する。張力操作部材70は、耐張碍子連210の軸方向長に応じた位置にあるコッタ穴Hによって支持されているので、ジョイント部120のフック部材153は、引留クランプ220のシメラーロープ取付部229の側方に位置している。図12(a)、(b)に示すように、絶縁操作棒240を取付方向に回転させて、フック本体155によってシメラーロープ取付部229を掛止する。
以上により、張力緩和装置1の設置が完了する。
続いて、本実施形態に係る張力緩和装置1による耐張碍子連210の張力緩和方法を説明する。
作業員は絶縁操作棒240の適所を把持し、操作部材支持部59のコッタ穴Hを中心として、絶縁操作棒240を腕金214側、即ち張力緩和方向に移動させる。ここで、作業員が把持する絶縁操作棒240部分は力点であり、コッタ穴Hは支点であり、シメラーロープ取付部229と接続されたフック本体155は作用点である。テコの原理により、力点から入力した力は増幅されてシメラーロープ取付部229に作用し、耐張碍子連210の張力が緩和される。
続いて他の作業員が絶縁操作棒等により、ラチェット機構100を構成する第一レバー101の第一操作片107を突き上げる。このとき、第一レバー101のラチェット歯105と第二レバー111のラチェット爪115との噛み合いにより、第一操作片107は上昇した姿勢にて安定し、第一操作片107側の下降が禁止される。この状態で絶縁操作棒240から手を離すと、耐張碍子連210が支持する高圧線201の張力により、張力操作部材70が緩和姿勢から初期姿勢に移動しようとするが、図10(b)に示すように、第一操作片107が操作部材支持部59の底面59aに当接して、初期姿勢への移動を阻止する。
このように、張力操作部材70が緩和姿勢を維持した状態にて、破損した耐張碍子を交換する作業を行えばよい。
張力緩和装置1を緩和姿勢から初期姿勢に戻すには、図10(c)に示すように、第二操作片117を絶縁操作棒等により突き上げればよい。ラチェット爪115とラチェット歯105との係合が解除されるので第一操作片107側が下降し、張力操作部材70は初期姿勢に戻る。
<効果>
以上のように本実施形態に係る張力緩和装置は、耐張碍子連に干渉しないので、安全に耐張碍子連の張力を緩和することができる。また、張力支持杆は耐張碍子連に沿って耐張碍子連の側方に設置されるので、張力を緩和したときに耐張碍子連が捩れないため、新規な耐張碍子を連結することが容易である。
また、張力緩和装置は間接活線工具により取り扱うことができるので、高圧線を停電させることなく、早期に破損した耐張碍子を交換することができる。
〔第二実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る張力緩和装置は、送電用構築物の一例である電柱に固定される電柱用固定具を備えた点に特徴がある。張力支持部材と張力操作部材の構成は第一の実施形態と同一であるため、以下では電柱用固定具の構成と、張力支持部材と電柱用固定具との関係についてのみ説明する。
<支線バンド>
まず、電柱用固定具の固定に利用される支線バンドについて説明する。図13は、電柱用固定具の使用状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
電柱250の外周に巻付け固定される支線バンド260は、電柱250の外周面に添設されるC字状のC形バンド261と、夫々の一端部がC形バンド261の各端部に重なった状態で電柱250の外周に添設される円弧形状の湾曲部265及び湾曲部265の他端から電柱の外径方向に伸びると共に対向配置される延長部267を有した一対のB形バンド263と、C形バンド261とB形バンド263とをオーバーラップ部分において一体化する皿ボルト269及びナットNと、B形バンド263の各延長部267に設けた挿通穴(不図示)に軸部を挿通される丸頭ボルト271及び2つの延長部267を締結するナットNとを備えている。
皿ボルト269は、その軸部が電柱250の外周面から外径方向(放射方向、又は水平方向)に突出した状態にてC形バンド261とB形バンド263とを一体化する。
丸頭ボルト271は、2つの延長部267間の距離を調整することで、支線バンド260を電柱250に対して強固に固定する。また、丸頭ボルト271は延長部267、267間に位置する軸部が挿通された一枚リンク273を介して、耐張碍子連210の軸方向他端部を引き留め支持する。
<電柱用固定具>
電柱用固定具300(固定具)は、張力支持部材40の取付ピン41(図8参照)が挿入されるピン挿入穴315を有した本体金具310と、支線バンド260を利用して本体金具310を電柱250に取り付ける取付操作ピン340と、本体金具310を皿ボルト269の軸部に掛止するためのボルトフック370とを備える。取付操作ピン340は、本体金具310とボルトフック370とを一体化すると共に本体金具310をB形バンド263の延長部267と丸頭ボルト271の軸部とに掛止する。
<<本体金具>>
図14は、本体金具を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は上面図であり、(c)は展開図である。
本体金具310は、平面視(上面視)概略Y字形状の2つの支持板311、311(支持部材)が上下に対向配置された構成を有する。
本体金具310の各支持板311、311の放射方向に伸びる一片は先端部にピン挿入穴315が貫通形成された取付ピン支持片313である。
本体金具310の各支持板311、311の放射方向にV字状に伸びる他の二片は取付操作ピン340を支持する取付操作ピン支持部317を構成し、一片は先端部に長軸挿入穴321が貫通形成された長軸支持片319であり、他片は先端部には短軸挿入穴325が貫通形成された短軸支持片323である。
各支持板311、311は取付ピン支持片313の先端縁において上下方向に伸びる接続板327にて接続されている。
本体金具310を支線バンド260に装着したとき、取付操作ピン支持部317の長軸支持片319と短軸支持片323は電柱250の外周面に沿うように配置される。特に長軸支持片319は支線バンド260の湾曲部265から皿ボルト269に向かって延在し、短軸支持片323は丸頭ボルト271の軸部に沿って延在するように配置される。取付ピン支持片313は一枚リンク273に沿って高圧耐張碍子の張力方向に延在するように配置される。
本体金具310を支線バンド260に装着したとき、各支持板311、311(支持部材)の短軸支持片323、323は支線バンド260の一方の延長部267及び丸頭ボルト271の一部を上下に挟んで配置される。ピン挿入穴315には張力支持部材40の取付ピン41が、長軸挿入穴321には取付操作ピン340の長軸341が、短軸挿入穴325には取付操作ピン340の短軸345が、夫々挿通される。
図14(c)に示すように、本体金具310は、各部を一体に成形した金属平板を適宜屈曲変形させることにより、立体形状化したものである。なお、短軸支持片323部分は、原料の金属平板が折り返されて厚みが二重にされることで補強されている。
<<取付操作ピン、把持用取手>>
図15は、把持用取手が装着された取付操作ピンを示す図である。
取付操作ピン340は概略逆J字形状であり、下方に垂下する長軸341と、長軸341の上端から略水平方向に伸びる連接軸343と、連接軸343の他端から下方に垂下する短軸345を備える。短軸345は長軸341よりも短く、長軸と平行に延びている。また、短軸345の先端部は先細り形状となるように面取り加工がされている。
長軸341は本体金具310の各支持板311、311に形成された長軸挿入穴321内に軸方向移動自在に挿入され、短軸345は短軸挿入穴325内に軸方向移動自在に挿通される。
長軸341の下端部には、絶縁ヤットコによって把持するための把持用取手351が着脱自在に装着される。
把持用取手351は、長軸341の下端部を受け入れる凹所355を有した筒状の装着部353と、装着部353から外径方向に拡がる扇状の把持部357とを備える。図示する把持部357は、装着部353の外径から周方向に約90度の広がりを有する扇形状である。把持部357は、下方からアプローチする絶縁ヤットコYによって把持するに好適な傾斜角度及び大きさを有する。
把持される把持部357の外面には滑り止め359が形成されている。滑り止め359は例えば、把持部357の表面に形成された複数の凹凸でもよいし、把持部357の表面にゴム等の高摩擦力を発揮する部材を貼付したものであってもよい。また、把持部357の外周部には把持部357の上面及び下面から有段差状に膨出した肉厚部361が形成されている。滑り止め359と肉厚部361を形成することにより、絶縁ヤットコYにて把持部357を把持した時の絶縁ヤットコYからの脱落を効果的に防止する。
また、長軸341の下端部適所と装着部353の適所には、割りピン363を挿入する挿入穴(不図示)が貫通形成されており、両穴を連通させた状態にて割りピン363を挿入することにより、両者は一体化される。
把持用取手351の装着部353は長軸挿入穴321よりも大径であり、把持用取手351を取り付けた状態の長軸341は長軸挿入穴321からの抜け出しを禁止される。逆に、把持用取手351を取り外すことにより、長軸341は本体金具310から自在に取り外すことができる。
一方、長軸341に把持用取手351を取り付けた状態においても、短軸345は本体金具310の支線バンド260への装着時に下方に位置する支持板311に対して自在に挿抜される構成である。しかし、長軸341の軸方向移動が把持用取手351の装着部353によって制限されることによって、上方に位置する支持板311からの抜け出しが禁止された状態となる。
<<ボルトフック>>
図16は、ボルトフックの分解斜視図である。
ボルトフック370は、略水平方向に突出する皿ボルト269の軸部が挿通されるボルト挿通穴373(掛止穴)が貫通形成されたボルト掛止片371と、ボルト掛止片371に夫々連接されると共に上下方向に伸びる長軸341が挿通される長軸挿入穴379を有した一対の本体接続片377、377とを有する。
ボルト掛止片371は、電柱250に対して電柱の外周方向に沿って取り付けられる帯板状の部材であり、電柱の外周形状に合わせて屈曲又は湾曲形成される。
ボルト掛止片371の長手方向一端部には、皿ボルト269の軸部が挿通されるボルト挿通穴373(掛止穴)が貫通形成されている。ボルト挿通穴373はボルト掛止片371の長手方向に沿って形成される長穴であり、ボルト挿通穴373に対するボルトの軸部の挿入を容易にしている。
本体接続片377は、ボルト掛止片371の長手方向他端部に配置されている。対となる本体接続片377、377は、ボルト掛止片371の上端縁と下端縁から同一方向に屈曲形成されて対向配置されている。本体接続片377、377間は、本体金具310の長軸支持片319、319間に挿入可能な離隔に設定されており、各本体接続片377、377には長軸挿入穴379が貫通形成されている。
また、ボルトフック370は、本体金具310に一体化されたときに、ボルト掛止片371を電柱250の外周面に向けて弾性付勢する弾性付勢部材としてダブルトーションバネ381を有している。
<使用方法>
図17(a)〜(c)は、取付手順を示す図である。
電柱用固定具300の組み立て方法は以下の通りである。
ダブルトーションバネ381のコイル部383から引き出された線材の一部をボルト掛止片371の適所に設けたバネ係止部375に係止し、線材の他部を本体金具310に設けたバネ係止部329に係止する。
更に、本体金具310の長軸挿入穴321、ボルトフック370の本体接続片377に設けた長軸挿入穴379、及びダブルトーションバネ381のコイル部383とを連通させた状態にて、把持用取手351が装着されていない取付操作ピン340の長軸341を各穴内に挿通することにより、ボルトフック370と本体金具310と一体化する。
取付操作ピン340の短軸345は、本体金具310の各支持板311、311の短軸挿入穴325、325内に挿入する。
最後に、長軸341の下端部に把持用取手351の装着部353を装着し、割りピン363を取り付けることにより、取付操作ピン340と把持用取手351とを一体化する。
ここで、図14、図16に夫々示すように、本体金具310及びボルトフック370は上下に対称(支持板311に平行な面に対して対称)な形状であるため、本体金具310及びボルトフック370の上下を反転させて使用できる。上下を反転させた本体金具310及びボルトフック370に対して取付操作ピン340及び把持用取手351を装着することで、一枚リンク273に対して図中左側に電柱用固定具300を装着することが可能となる。なお、この組み立ては、作業位置に応じて適宜行う。
電柱用固定具300の電柱への設置方法は以下の通りである。
まず、絶縁ヤットコにて、把持用取手351の把持部357を把持する。本体金具310及びボルトフック370が自重により取付操作ピン340の下部に移動する。このとき、本体金具310の下部に位置する支持板311の下面に、把持用取手351の装着部353の上端縁が当接する。
ここで、取付操作ピン340の短軸345は支持板311の短軸挿入穴325からは離脱するが、本体金具310の上部に位置する支持板311の短軸挿入穴325には挿通された状態にあり、長軸341と本体金具310及びボルトフック370との相対回転が禁止されている。
この状態で、把持用取手351を絶縁ヤットコにて把持しつつ電柱用固定具300を移動させて、ボルトフック370のボルト挿通穴373内に皿ボルト269の軸部を挿通して、掛止する。
また、ダブルトーションバネ381の弾性付勢力に抗して、本体金具310の取付操作ピン支持部317を電柱250の側面に接近させることにより、2つの支持板311、311の短軸支持片323、323がB形バンド263を挟むようにする。
最後に把持用取手351を引き下げる。短軸345を、2つの短軸挿入穴325、325を介して電柱250の外周面と、2つのB形バンド263の延長部267と、丸頭ボルト271の軸部との間に形成された空間内に挿入する。以上の操作により、電柱用固定具300の電柱250に対する設置が完了する。
張力支持部材40の電柱用固定具300に対する固定は、腕金用固定具10に対する固定と同様であり、取付ピン41をピン挿入穴315内に挿入する。以降の作業手順は、第一の実施形態と同様である。
<効果>
以上のように本実施形態に係る電柱用固定具は、第一の実施形態と同様に取付ピン41が装着されることにより、張力支持部材40と張力操作部材70を支持する。電柱用固定具300は耐張碍子連210の軸方向他端部を引き留め支持する丸頭ボルト271の軸部を利用して支線バンド260に装着されることから、張力支持杆51は耐張碍子連210と干渉せずにその側方に配置される。張力を緩和したときに耐張碍子連が捩れないため、新規な耐張碍子を連結することが容易である。
また、耐張碍子連210が腕金によって支持されているか電柱によって支持されているかに応じて腕金用固定具又は電柱用固定具を選択すればよく、第一の実施形態と第二の実施形態では張力支持部材40と張力操作部材70とを共通に使用する。耐張碍子連210の引き留め支持形態が異なっても一部の部品は共通して使用できるため、使用箇所に関する汎用性が高い。
〔実施態様例とその効果〕
本発明は、以下の態様にて実施することができる。
<第一の実施態様>
本態様に係る張力緩和装置は、一端部を送電用構築物(腕金214、電柱250)によって支持されると共に、他端部を引留クランプ220を介して電線(高圧線201)と接続される耐張碍子連210に加わる張力を緩和する装置であり、送電用構築物に固定される固定具(腕金用固定具10、電柱用固定具300)と、軸方向一端部が固定具によって支持されると共に、耐張碍子連の軸方向に沿って耐張碍子連との干渉を回避した位置に配置される張力支持杆51を備えた張力支持部材40と、一端部を張力支持杆によって揺動自在に支持されると共に、中間部に引留クランプを掛止する掛止部材(フック部材153)を備え、他端部に絶縁操作棒240が接続される接続金具(ツイストロック金具123)を備えた張力操作部材70と、を備え、張力操作部材は、電線からの全張力を耐張碍子連に支持させている初期姿勢と、接続金具側を送電用構築物側に移動させて耐張碍子連の張力を緩和させる緩和姿勢との間を揺動することを特徴とする。
本実施態様によれば、耐張碍子連の張力を支持する張力支持杆を耐張碍子連の側方に配置するので、張力緩和装置が耐張碍子連とは干渉しない。また、張力操作部材にはテコの原理が働く。即ち、張力支持杆によって揺動自在に支持された一端部を支点として、接続金具に接続された絶縁操作棒の適所を力点として入力された力は、掛止部材を介して引留クランプに増幅されて作用する。このため、絶縁操作棒から非常に軽い力を入力しても、容易に耐張碍子連の張力を緩和することができる。
<第二の実施態様>
本態様に係る張力緩和装置は、一部に設けた第一軸支部103が張力操作部材70によって回動自在に支持されると共に、第一軸支部の外周に形成されたラチェット歯105を有する第一レバー101と、一部に設けた第二軸支部113が張力操作部材によって回動自在に支持されると共に、ラチェット歯に係合したときに第一レバーの回動を一方向のみに限定するラチェット爪115を有する第二レバー111と、を備え、ラチェット歯とラチェット爪が係合した時に、張力操作部材の初期姿勢から緩和姿勢への変位を許容し、緩和姿勢から初期姿勢への変位を阻止する姿勢維持機構(ラチェット機構100)を備えたことを特徴とする。
張力操作部材70を緩和姿勢に維持することができるので、破損した耐張碍子を交換する作業を容易に実施できる。
<第三の実施態様>
本態様に係る張力緩和装置は、絶縁操作棒240の中心軸と同軸に配置される支持軸(小径軸部129)と、支持軸の外径方向に偏心配置されて絶縁操作棒と一体に回転する開閉操作ピン171と、を備え、掛止部材(フック部材153)は、支持軸によって正逆回転自在に支持される基部157と、該基部から延びるフック本体155と、フック本体の開口部を開閉する開閉片161と、開閉片を常時閉止方向に弾性付勢する付勢部材と、備え、開閉操作ピンが支持軸周りに第一の方向に回動するとき、開閉操作ピンは掛止部材に当接して掛止部材を第一の方向に回動させ、開閉操作ピンが支持軸周りに第一の方向とは逆の第二の方向に回動するとき、開閉操作ピンは開閉片を開放方向に押圧すると共に掛止部材を第二の方向に回動させることを特徴とする。
絶縁操作棒を軸周りに正逆回転操作するだけで、引留クランプを掛止部材によって掛止したり、掛止を解除したりできる。
<第四の実施態様>
本態様に係る張力緩和装置において張力支持部材40は、一端部を張力支持杆51の長手方向一端部によって、互いの長手方向と交差する方向を軸として回動自在に支持されると共に上下方向に伸びる取付ピン41を備え、固定具(腕金用固定具10、電柱用固定具300)は、取付ピンを取付ピンの軸線周りに回動自在に支持する取付穴(ピン挿入穴15、ピン挿入穴315)が貫通形成された支持部材(上板12、下板13、支持板311)を備えていることを特徴とする。
上下方向に伸びる取付ピンは、支持部材によって軸線周りに回動するので、送電用構築物(腕金214、電柱250)に対して電線(高圧線201)の線路角度がある場合であっても、張力支持杆を耐張碍子連210の軸方向に沿って配置できる。
<第五の実施態様>
本態様に係る張力緩和装置において固定具(腕金用固定具10)は、腕金214の上面と下面に添設される2つの支持部材(上板12、下板13)と、腕金の一側面214aに添設される側部支持部材(側板14)とを備えた概略角U字状の固定具本体11を含んで構成されていることを特徴とする。
本態様に係る固定具は腕金に装着するに好適である。
<第六の実施態様>
本態様に係る張力緩和装置において固定具(電柱用固定具300)は、電柱250の外周面に添設される湾曲部265と、湾曲部の端部から電柱の外径方向に伸びる一対の延長部267と、延長部間の距離を調整すると共に耐張碍子連210を引き留め支持するボルト(丸頭ボルト271)と、を備えた支線バンド260に固定される部材であり、支線バンドの一方の延長部及びボルトの一部を上下に挟んで配置される2つの支持部材(支持板311)と、各支持部材に夫々形成された軸穴(短軸挿入穴325)と、両軸穴を介して電柱の外周面と延長部とボルトとの間に形成された空間に挿入される軸部材(短軸345)とを備えていることを特徴とする。
本態様に係る固定具は電柱に装着するに好適である。
1…張力緩和装置、10…腕金用固定具、11…固定具本体(支持部材)、12…上板(支持部材)、13…下板(支持部材)、14…側板、15…ピン挿入穴(取付穴)、40…張力支持部材、41…取付ピン、51…張力支持杆、70…張力操作部材、100…ラチェット機構(姿勢維持機構)、101…第一レバー、103…第一軸支部、105…ラチェット歯、111…第二レバー、113…第二軸支部、115…ラチェット爪、120…ジョイント部、123…ツイストロック金具(接続金具)、129…小径軸部(支持軸)、153…フック部材(掛止部材)、155…フック本体、157…基部、161…開閉片、171…開閉操作ピン、201…高圧線(電線)、210…耐張碍子連、214…腕金(送電用構築物)、214a…一側面、220…引留クランプ、240…絶縁操作棒、250…電柱(送電用構築物)、260…支線バンド、261…C形バンド、263…B形バンド、265…湾曲部、267…延長部、271…丸頭ボルト、300…電柱用固定具、310…本体金具(支持部材)、311…支持板(支持部材)、315…ピン挿入穴(取付穴)、325…短軸挿入穴(軸穴)、345…短軸(軸部材)

Claims (6)

  1. 一端部を送電用構築物によって支持されると共に、他端部を引留クランプを介して電線と接続される耐張碍子連に加わる張力を緩和する張力緩和装置であって、
    前記送電用構築物に固定される固定具と、
    軸方向一端部が前記固定具によって支持されると共に、前記耐張碍子連の軸方向に沿って前記耐張碍子連との干渉を回避した位置に配置される張力支持杆を備えた張力支持部材と、
    一端部を前記張力支持杆によって揺動自在に支持されると共に、中間部に前記引留クランプを掛止する掛止部材を備え、他端部に絶縁操作棒が接続される接続金具を備えた張力操作部材と、を備え、
    前記張力操作部材は、前記電線からの全張力を前記耐張碍子連に支持させている初期姿勢と、前記接続金具側を前記送電用構築物側に移動させて前記耐張碍子連の張力を緩和させる緩和姿勢との間を揺動することを特徴とする張力緩和装置。
  2. 一部に設けた第一軸支部が前記張力操作部材によって回動自在に支持されると共に、前記第一軸支部の外周に形成されたラチェット歯を有する第一レバーと、
    一部に設けた第二軸支部が前記張力操作部材によって回動自在に支持されると共に、前記ラチェット歯に係合したときに前記第一レバーの回動を一方向のみに限定するラチェット爪を有する第二レバーと、を備え、
    前記ラチェット歯と前記ラチェット爪が係合した時に、前記張力操作部材の初期姿勢から緩和姿勢への変位を許容し、緩和姿勢から初期姿勢への変位を阻止する姿勢維持機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の張力緩和装置。
  3. 前記絶縁操作棒の中心軸と同軸に配置される支持軸と、前記支持軸の外径方向に偏心配置されて前記絶縁操作棒と一体に回転する開閉操作ピンと、を備え、
    前記掛止部材は、前記支持軸によって正逆回転自在に支持される基部と、該基部から延びるフック本体と、前記フック本体の開口部を開閉する開閉片と、前記開閉片を常時閉止方向に弾性付勢する付勢部材と、備え、
    前記開閉操作ピンが支持軸周りに第一の方向に回動するとき、前記開閉操作ピンは前記掛止部材に当接して前記掛止部材を前記第一の方向に回動させ、前記開閉操作ピンが支持軸周りに前記第一の方向とは逆の第二の方向に回動するとき、前記開閉操作ピンは前記開閉片を開放方向に押圧すると共に前記掛止部材を前記第二の方向に回動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の張力緩和装置。
  4. 前記張力支持部材は、一端部を前記張力支持杆の長手方向一端部によって、互いの長手方向と交差する方向を軸として回動自在に支持されると共に上下方向に伸びる取付ピンを備え、
    前記固定具は、前記取付ピンを前記取付ピンの軸線周りに回動自在に支持する取付穴が貫通形成された支持部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の張力緩和装置。
  5. 前記固定具は、腕金の上面及び下面に添設される前記支持部材と、及び腕金の一側面に添設される側部支持部材とを備えた概略角U字状の固定具本体を含んで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の張力緩和装置。
  6. 前記固定具は、電柱の外周面に添設される湾曲部と、前記湾曲部の端部から前記電柱の外径方向に伸びる一対の延長部と、前記延長部間の距離を調整すると共に前記耐張碍子連を引き留め支持するボルトと、を備えた支線バンドに固定される部材であり、
    前記支線バンドの一方の前記延長部及び前記ボルトの一部を上下に挟んで配置される2つの前記支持部材と、前記各支持部材に夫々形成された軸穴と、前記両軸穴を介して前記電柱の外周面と前記延長部と前記ボルトとの間に形成された空間に挿入される軸部材とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の張力緩和装置。
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