JP5936022B1 - Pコーン取付け具 - Google Patents
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Abstract
【課題】既に使用したPコーンを、セメントペーストくずの付着が少ない再利用できるPコーンと、再利用できないPコーンに選別することが容易となり、既に使用したセメントペーストくずが付着しているPコーンであっても、Pコーンの植立作業が容易となるPコーン取付け具を提供すること。【解決手段】Pコーンの雌ねじ穴との螺合手段と、前記雌ねじ穴への挿入誘導手段とを含んだPコーン取付け具とし、螺合手段が、前記雌ねじ穴と螺合される雄ねじ部が形成された軸体とされ、挿入誘導手段が、螺合手段の先端に形成され、Pコーンの雌ねじ穴のねじ穴内径よりも細く、Pコーンの雌ねじ穴のねじ穴長さよりも短い細軸体とされていることを特徴としている。【選択図】図1
Description
本発明は、型枠にPコーンを容易に植立させるPコーン取付け具に関する。より詳細には、既に使用したPコーンであっても、Pコーンの雄ねじ部を型枠締結具に容易に螺着できると共に、螺着後はPコーン取付け具だけを容易に外すことができるように、Pコーンの円錐台部に形成された陥没部の雌ねじ穴に装着させて使用するPコーン取付け具に関する。
コンクリート型枠の組み立ては下記のように行われている。まず、第1の型枠の内側に第1のPコーンが植立され、コンクリートに埋め込まれる鉄筋が配筋された状態で、第1の型枠が所定の位置に組み立てられる。次に、第2のPコーンを一方の雄ねじ部に螺合させたセパレータを、第1のPコーンの雌ねじ穴に螺合させて、第1の型枠からPコーンが伸びた状態とされる。そして第1の型枠に対向するように第2の型枠を建てて、第2の型枠から外に第2のPコーンの雄ねじ部を突出させる。一対の型枠の外に突出されたPコーンの各々の雄ねじ部には型枠締結具が螺合され、型枠締結具は鋼管等で位置固定され、一対の型枠が組み立てられる。
従来は、第1のPコーンを第1の型枠の所定の位置に配設して固定させるという、Pコーンを植立させる作業は下記のように行われている。まず、第1の型枠に穿孔されたPコーンの雄ねじ部を挿通させるセパ孔から、第1のPコーンの雄ねじ部を第1の型枠の外に通して、前記雄ねじ部に型枠締結具の雌ねじ穴を嵌めこんだ状態とし、第1のPコーンが第1の型枠に植立されていた。
このPコーン取付け作業を容易にする技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のPコーンまわし工具は、筒体の内面を先細りの陥没部としたPコーンまわし工具の技術である。特許文献1に記載の技術によれば、Pコーンまわし工具の陥没部に、Pコーンの外面が接するように嵌め込んで、筒体を軸動させることにより、Pコーンを型枠締結具に螺合できる。そして、筒体をPコーンから外せば、Pコーンが植立された状態となるとされていた。
特許文献1には筒体の内面にゴムを設けることも記載されている。市場では筒体の全体がゴム製からなるPコーン取付け具も流通している。しかし、筒体がゴム製からなっていると、電動工具の回転部に装着させる金属製の軸部とゴム製の筒体とが破断し易く、セメントペーストくずがPコーンの円錐台部に付着したPコーンの場合には、ゴム面が傷つきやすく、短時間で破損しやすいという課題があった。一方ゴムを添着させていない樹脂からなる筒体とすると、滑りが発生するため、Pコーンが空回りして取り付けられないという課題があった。
一方、Pコーンの雌ねじ穴を利用して、この雌ねじ穴に雄ねじを螺合しておいて、雄ねじを回転させてPコーンを型枠締結具に螺合させることも行われている。しかし、雄ねじをPコーンから外す際に、雄ねじとPコーンが共回りして植立させにくく、作業効率が悪いという課題があった。更に、セメントペーストくずが付着した既に使ったPコーンの場合には、予め雌ねじ穴の周囲に付着したセメントペーストくずを除去しないと、再使用できないという課題があった。
また、コンクリート仕上げ面を、Pコーンを取り外した後の円形跡が整列された打ち放し仕上げとするために、セパレータを螺合させないで、Pコーンだけを型枠に取り付ける場合がある。このような場合には、Pコーンの雌ねじ穴の中にセメントペーストが入り込んで固化しやすく、予め再利用できないPコーンとして、選別して再利用の対象外としておく必要があった。
一方、ねじ軸体を被固定対象に固定したのち、容易に外すことができる技術として、例えば、天井吊りボルトを天井インサートに取付ける、吊りボルト用取付け工具の技術が特許文献2に開示されている。特許文献2に開示されている吊りボルト用取付け工具は、高ナットと、高ナットを電動トルクレンチに装着させるための連結具とからなっている。
連結部に、高ナットに螺合される雄ねじ部と、高ナットの端面と当接する鍔部と、雄ねじ部の先端面に突起部とが備えられている。高ナットの先方側に天井吊りボルトを螺着させ、高ナットを介して吊りボルトを連結具と一体に回転させ、吊りボルトを天井に埋設されたインサートに螺着させる。そうすると、吊りボルトと高ナットとの間に働く摩擦力は、吊りボルトの基端部が突起部と点接触しているため小さく、ねじによる係止と鍔部による摩擦力が作用する高ナットと連結具の摩擦力の方が大きいため、吊りボルトの連結具との共回りが防止され、吊りボルトをインサートに装着できるとされている。
しかし、特許文献2に記載の技術によっても、被固定対象に異物が付着している場合には、高ナットと被固定対象との間の摩擦力が、高ナットと連結部の摩擦力よりも大きくなり、高ナットが被固定対象と共回りして連結部から外れ、被固定対象を取り付けることができないという課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、既に使用したPコーンを、セメントペーストくずの付着が少ない再利用できるPコーンと、再利用できないPコーンに選別することが容易となり、既に使用したセメントペーストくずが付着しているPコーンであっても、Pコーンの植立作業が容易となるPコーン取付け具を提供することである。未使用品のPコーンが取り付け容易であることは勿論のことである。
本発明は、Pコーンの雌ねじ穴から容易に外せるようにした雄ねじ部の先方に、Pコーンの雌ねじ穴への挿入誘導手段を形成したことを最も主要な特徴としている。
本発明の第1の発明は、型枠締結具に、コンクリート型枠を介して、雌ねじ穴が形成された円錐台部を含むPコーンを螺合固定させるPコーン取付け具であって、前記雌ねじ穴との螺合手段と、前記雌ねじ穴への挿入誘導手段とを含み、前記螺合手段が、前記雌ねじ穴と螺合される雄ねじ部が形成された軸体とされると共に、前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部を揺動可能に螺合させる揺動手段を有し、前記挿入誘導手段が、前記螺合手段の先端に形成され、前記雌ねじ穴のねじ穴内径よりも細く、前記雌ねじ穴のねじ穴長さよりも短い細軸体とされていることを特徴としている。
挿入誘導手段として、Pコーンの雌ねじ穴のねじ穴内径よりも細い細軸体が形成されているため、ねじ穴のねじ挿入開口の縁にセメントペーストくずが付着しているだけであれば、細軸体を雌ねじ穴に挿し込むことができる。また、挿入開口の表面に、セメントペーストくずが薄く付着しただけであれば、細軸体で突いてセメントペーストくずを除去することができる。なお、細軸体の外面の形状は限定されない。例えば、断面が円形であっても、矩形であってもよい。細軸体は、先方の側面部を細軸体の軸方向に沿って、一部が削除された形状とされていてもよい。
また、挿入誘導手段の長さが、Pコーンの雌ねじ穴の長さよりも短いため、雄ねじ部の先方が前記雌ねじ穴に螺合される。軸体を軸動させることにより、Pコーンも同期して軸動し、Pコーンの円錐台部の拡開側に形成された雄ねじ部が型枠締結具のナットに螺合される。Pコーンの雌ねじ穴の奥部側の挿入誘導手段が螺合されていないため、Pコーンの雌ねじ穴と雄ねじ部の螺合長さが短くなる。
雄ねじ部を揺動可能に螺合させるとは、雄ねじ部の軸心が雌ねじ穴の軸心に対して僅かに傾斜可能とされていればよい。雌ねじ穴に雄ねじ部を揺動可能に螺合されていることにより、Pコーンを取り付けた後で、雌ねじ穴に雄ねじ部が固く締まった状態となっている場合であっても、雄ねじを揺動させるようにしてゆるめて、雌ねじ穴から雄ねじ部を外しやすい。
Pコーンの雄ねじ部と型枠締結具の螺合による摩擦抵抗と、Pコーンの円錐台部の拡開面と型枠面との密着による摩擦抵抗とが一体となった大きな摩擦抵抗よりも、雌ねじ穴と雄ねじ部との螺合だけの摩擦抵抗は小さくなる。これにより、Pコーンを取り付けた後、Pコーン取付け具の軸体を逆回転すれば、PコーンとPコーン取付け具とを共回りさせないで、Pコーンを型枠に残した状態として、PコーンからPコーン取付け具を容易に外すことができるという有利な効果がある。螺合手段の軸体の後端には、作業者が把持する把持部が形成されていてもよく、動力駆動工具に装着させる装着部が形成されていてもよい。
本発明の第2の発明は、第1の発明のPコーン取付け具であって、前記雄ねじ部の外面に、ねじ軸方向に沿って切除部が備えられ、前記雌ねじ穴内に付着したごみの削り出し手段とされていることを特徴としている。ごみの削り出し手段が備えられているため、Pコーンの雌ねじ穴の中に僅かにセメントペーストくずが付着している場合であっても、切除部が雌ねじ穴内のセメントペーストくずを削り取り、削り取ったセメントペーストくずは切除部に沿って雌ねじ穴から外に排出される。これにより、既に使用したPコーンを再使用する場合であっても、Pコーンの雄ねじ部を雌ねじ穴に螺合させやすくなる。
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明のPコーン取付け具であって、前記細軸体が、先端が平坦面とされると共に、基端から先端にかけて先細りに形成されていることを特徴としている。挿入誘導手段の先端が平坦面とされているため、挿入誘導手段を雌ねじ穴に挿し込む際に、雌ねじ穴の端面周囲にセメントペーストくずが付着していても、そのセメントペーストくずを先端の平坦面で砕いて削りやすい。これにより、既に使用したPコーンの雌ねじ穴の端面周囲に僅かにセメントペーストくずが付着している程度であれば、先端の平坦面で砕いて削ることにより、セメントペーストくずを雌ねじ穴から排除して再使用することができる。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明のPコーン取付け具であって、前記揺動手段が、前記雄ねじ部のねじ山の数が2乃至4とされ、前記雄ねじ部の後方にも前記ねじ穴内径よりも細い軸部を有し、
前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部の全体が挿し込まれた状態でも、前記螺合手段が揺動可能とされていることを特徴としている。
前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部の全体が挿し込まれた状態でも、前記螺合手段が揺動可能とされていることを特徴としている。
装着されるねじ山の数が2以上であるため、雌ねじ穴に雄ねじ部が有効に螺合され、ねじ山の数が4以下であるため雌ねじ穴に対して雄ねじ部が僅かに遊んだ状態となり揺動可能となる。そして、雌ねじ穴に螺合されるセパレータの雄ねじと同一形状のねじ山により雄ねじ部を形成することができ、製造が容易である。
本発明の第5の発明は、第1から第3の発明のPコーン取付け具であって、前記揺動手段が、前記雄ねじ部の山部の幅が前記雌ねじ穴の谷部の幅より薄く、かつ、前記雄ねじ部の山部の高さが前記雌ねじ穴の谷部の深さより低く、前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部が揺動可能とされていることを特徴としている。雌ねじ穴の谷部の中に雄ねじ部の山部が遊んだ状態で差し込まれることになるため揺動可能とされ、雄ねじ部を雌ねじ穴から外しやすい。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明のPコーン取付け具であって、前記軸体の後端に、駆動力により回転される工具の回転部に装着可能な装着部を有していることを特徴としている。駆動方式は、電気式駆動、加圧駆動式のいずれであってもよく限定されない。第7の発明によれば、電動トルクレンチ、電動インパクトレンチ等の先端回転部に装着部を装着させて、動力を利用してPコーンを取り付けることができる。これにより、高い効率で容易にPコーンを型枠に植立させることが可能となる。
・本発明の第1の発明によれば、Pコーンを取り付けた後、Pコーン取付け具の軸体を逆回転すれば、PコーンとPコーン取付け具とを共回りさせないで、Pコーンを型枠に残した状態として、PコーンからPコーン取付け具を容易に外すことができ、Pコーンを取り付けた後で、雌ねじ穴に雄ねじ部が固く締まった状態となっている場合であっても、雄ねじを揺動させるようにしてゆるめて、雌ねじ穴から雄ねじ部を外しやすいという有利な効果がある。また、ねじ穴のねじ挿入開口の縁にセメントペーストくずが付着しているだけであれば、細軸体を雌ねじ穴に挿し込むことができ、挿入開口の表面に、セメントペーストくずが薄く付着しただけであれば、細軸体で突いてセメントペーストくずを崩すことができる。
・本発明の第2の発明によれば、切除部が雌ねじ穴内のセメントペーストくずを削り取り、削り取ったセメントペーストくずは切除部に沿って雌ねじ穴から外に排出される。これにより、既に使用したPコーンを再使用する場合であっても、Pコーンの雄ねじ部を雌ねじ穴に螺合させやすくなる。
・本発明の第2の発明によれば、切除部が雌ねじ穴内のセメントペーストくずを削り取り、削り取ったセメントペーストくずは切除部に沿って雌ねじ穴から外に排出される。これにより、既に使用したPコーンを再使用する場合であっても、Pコーンの雄ねじ部を雌ねじ穴に螺合させやすくなる。
・本発明の第3の発明によれば、既に使用したPコーンの雌ねじ穴の端面周囲に僅かにセメントペーストくずが付着している程度であれば、先端の平坦面で砕いて削ることにより、セメントペーストくずを雌ねじ穴から排除しやすい。
・本発明の第4の発明によれば、雌ねじ穴に雄ねじ部が有効に螺合され、雌ねじ穴に対して雄ねじ部が僅かに遊んだ状態となり揺動可能となり、雌ねじ穴に螺合されるセパレータの雄ねじと同一形状のねじ山により雄ねじ部を形成することができ、製造が容易である。
・本発明の第5の発明によれば、雌ねじ穴の谷部の中に雄ねじ部の山部が遊んだ状態で差し込まれることになるため揺動可能とされ、雄ねじ部を雌ねじ穴から外しやすい。
・本発明の第6の発明は、高い効率で容易にPコーンを型枠に植立させることが可能となる。
・本発明の第4の発明によれば、雌ねじ穴に雄ねじ部が有効に螺合され、雌ねじ穴に対して雄ねじ部が僅かに遊んだ状態となり揺動可能となり、雌ねじ穴に螺合されるセパレータの雄ねじと同一形状のねじ山により雄ねじ部を形成することができ、製造が容易である。
・本発明の第5の発明によれば、雌ねじ穴の谷部の中に雄ねじ部の山部が遊んだ状態で差し込まれることになるため揺動可能とされ、雄ねじ部を雌ねじ穴から外しやすい。
・本発明の第6の発明は、高い効率で容易にPコーンを型枠に植立させることが可能となる。
既に使用したセメントペーストくずが付着しているPコーンであっても植立でき、且つ容易にPコーンから外すことができるように、先方に挿入誘導手段を設け、螺合手段に揺動手段を設けている。
実施例1のPコーン取付け具1を、図1から図6を参照して説明する。図1は、Pコーン取付け具1の先方の詳細の説明図である。図1(A)図はPコーン取付け具1の先方の斜視図を示し、図1(B)図は側面図を示し、図1(C)図は図1(B)図のA−A位置の断面端面図を示している。図2はPコーンの植立工程を示し、図3(A)図は挿入誘導手段の揺動手段を示し、図3(B)図はPコーン取付け具1を電動インパクトレンチに装着させた状態を示し、図4は挿入誘導手段でPコーンの雌ねじ穴の周囲に付着したセメントペーストを除去する状態を示した説明図である。
実施例1のPコーン取付け具1は、電動インパクトレンチ(図3破線で示している。)の先方回転部に装着される被装着部10を後端に備えた軸体11からなっている(図3(B)図参照)。軸体11の先方には、3つのねじ山が重なった雄ねじ部12を有し、これがPコーンの雌ねじ穴13(図4(A)図参照)に螺合される螺合手段とされている。軸体11は、先方部から、細軸体14と、雄ねじ部12と、細い軸部15とが含まれている。
挿入誘導手段をなす細軸体14は、雄ねじ部12の先端に備えられ、雄ねじ部12のねじ山径よりも細く、またPコーンの雌ねじ穴13の内径よりも細く、断面形状は円形形状とされている(図1(C)図参照)。また、雄ねじ部12の後方の細い軸部15も細軸体14と同じ断面形状とされている。
挿入誘導手段は、Pコーンの雌ねじ穴の長さよりも短く、細軸体14の先端がPコーンの雌ねじ穴13の底部に至った状態で、雄ねじ部12の全体が前記雌ねじ穴13に格納され、更に後方に細い軸部15の先方部が入った状態とされている(図2(A)図参照)。
雄ねじ部12の一方の側面には、3つのねじ山の前方から後方に亘って、ねじ山が切り欠かれた雄ねじ部の切除部16が備えられ、これがセメントペーストくず等のごみの削り出し手段とされている。ねじ山の数は3つとしているが、これに限定されない。
ここで、Pコーン100を型枠締結具110に植立させる工程を、図2を参照して簡単に説明する。まず、Pコーン100の円錐台部の雌ねじ穴13に、Pコーン取付け具1の先方に形成された細軸体14を挿し込み、前記雌ねじ穴13に雄ねじ部12を螺合させて、細軸体14の先端が雌ねじ穴13の底部に到達した状態とする(図2(A)図参照)。
そして、コンクリート型枠に穿孔されたセパ孔120にPコーンの円錐台部の拡開側から突出されているねじ軸体130を突出させて、型枠締結具のナット140に嵌めた状態で、型枠締結具110を保持しながら電動インパクトレンチを右回転に軸動させてPコーン100を螺合させる(図2(B)図参照)。
Pコーン100を螺合させてから、電動インパクトレンチの回転部を逆回転に軸動させる。そうすると、型枠締結具のナット140とPコーンのねじ軸体130との螺合による摩擦力と、Pコーンの円錐台部の拡開側が型枠150に強く押し付けられることによる摩擦力とにより、大きな摩擦力が作用する。Pコーン取付け具1の雄ねじ部12には、ねじ山が3つ備えられているだけであり摩擦力が小さいため、電動インパクトレンチを逆回転させた際に、Pコーン100と共回りすることはなく、Pコーン100を型枠150に植立させた状態のまま、Pコーン取付け具1を外すことができる(図2(C)図参照)。
また、雄ねじ部12の後方にも雌ねじ穴のねじ穴の内径よりも細い軸部15が備えられているため、ねじ山が3つ備えられているだけの螺合手段は、電動インパクトレンチのハンドルを揺らすだけで、Pコーンの雌ねじ穴13の中で僅かに揺動される(図3(A)図矢印参照)。この揺動手段により、固く螺合していたがPコーンの雌ねじ穴13とPコーン取付け具の螺合手段の螺合がゆるみ、Pコーン100の中にごみが残っていたとしても、Pコーン100と共回りすることはなく、Pコーン100を型枠150に植立させた状態のまま、Pコーン取付け具1を外すことができる。
ここで、図4を参照して、Pコーン取付け具1を既に使用したPコーンに取り付ける際のごみの除去について説明する。図4に示した各図は、Pコーン100の一部切欠き断面とPコーン取付け具1の先端部を示した図である。Pコーンの雌ねじ穴13のねじ穴の中までセメントペーストが進入せず、雌ねじ穴の表面にセメントペーストくず17が薄膜状に付着している場合には、雌ねじ穴13の開口部を細軸体14の先端で突いて崩すことができる(図4(A)図参照)。
一方、雌ねじ穴13の開口部のセメントペーストくず17が除去できない場合には、雌ねじ穴の深くまでセメントペーストが入り込んでいる可能性が高いため、それを廃棄対象とする。このようにして、既に使用したPコーンで再使用できるものと再使用できないものとを容易に選別することができる。
そして、Pコーンの雌ねじ穴13の開口部の縁部にセメントペーストくず18が付着している場合には、円柱形状をなす細軸体14の周囲でセメントペーストくず18を削り取ればよい。また、Pコーンの雌ねじ穴13の内壁にセメントペーストくず19が付着している場合(図4(B)図参照)には、Pコーン100を摘んで、雌ねじ穴13の中に細軸体14を挿し込んで、電動インパクトレンチの回転部を右方向に回転させれば、雄ねじ部の切除部16がセメントペーストくず19を砕くようにして、内壁に付着したセメントペースト19が削り出される(図4(C)図参照)。
実施例2では、図5を参照して、実施例1のPコーン取付け具1と先方部分のみが異なった形状とされるPコーン取付け具2を説明する。図5(A)図は、Pコーン取付け具2の側面図を示し、図5(B)図は、図5(A)図のA−A位置の断面図を示している。図5(C)図はPコーン100の一部切欠き断面図とPコーン取付け具2の先方の側面を示し、図5(D)図はPコーンの雌ねじ穴13の中に螺合させたPコーン取付け具2を示す説明図である。
Pコーン取付け具2は、軸体11の先方に5つのねじ山が重なった雄ねじ部20を有し、これがPコーンの雌ねじ穴13に螺合される螺合手段とされている(図5(A)図)。雄ねじ部20の先方には挿入誘導手段をなす細軸体21が形成され、その断面形状は円形形状とされている(図5(B)図)。Pコーン取付け具の雄ねじ部20の山部22の幅がPコーンの雌ねじ穴の谷部23の幅より狭く、かつ、雄ねじ部の山部22の高さが雌ねじ穴の谷部23の深さより低くされ(図5(C)図参照)、雄ねじ部20全体が、雌ねじ穴13の中に入った状態でも、Pコーン取付け具2が僅かに軸方向と軸に交差する方向に遊びがあり、Pコーン取付け具を傾ければ、雄ねじ部20が揺動可能な状態となっている(図5(D)図参照)。
この揺動手段により、雄ねじ部20が雌ねじ穴13に固く螺合した状態となっていても、電動インパクトレンチのハンドルを揺らすだけで、Pコーンの雌ねじ穴13の中でPコーン取付け具2の先方が僅かに揺動される(図5(D)図矢印参照)。この揺動手段により、固く螺合していたPコーンの雌ねじ穴13とPコーン取付け具の雄ねじ部20の螺合がゆるみ、Pコーン100の中にごみが残っていたとしても、Pコーン取付け具とPコーンとを共回りさせることなく、Pコーン100を型枠120に植立させた状態(図2(C)図参照)のまま、Pコーン取付け具2を外すことができる。
実施例3では、図6を参照して、後方に把持部30を備えたドライバーの形状をなしたPコーン取付け具3を説明する。図6(A)図はPコーン取付け具3の先方部の側面を示し、図6(B)図は図6(A)図のA−A位置断面を示し、図6(C)図はPコーン取付け具3の全体の側面図を示している。Pコーン取付け具3の雄ねじ部30の形状は実施例2のPコーン取付け具2と同様とされている。雄ねじ部30の先方に形成された挿入誘導手段をなす細軸体31の断面形状が矩形をなしている点が異なっている。
細軸体31の断面形状が矩形をなし、先方より基端部から拡開しているため、細軸体31をPコーンの雌ねじ穴13のねじ穴の中に挿し込みやすく、挿し込んで細軸体31を回転させれば、ねじ穴の内壁に付着したセメントペーストくず(図4(B)図参照)に細軸体の稜線32が線状に接して、セメントペーストくずを砕きやすいという効果がある。実施例1又は実施例2のPコーン取付け具1,2に先行して、実施例3のPコーン取付け具3により、ねじ穴の内部のごみの削り出しをしておくと、より好適である。
(その他)
・上記の実施例では、セメントペーストくずが付着したPコーンを取り付ける状態を説明したが、セメントペーストくず等が付着していない未使用のPコーンを効率的に植立できることは勿論のことである。まず、既に使用したPコーンを使ってから、未使用のPコーンを使い、本発明のPコーン取付け具によりPコーンを植立させるようにすればよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
・上記の実施例では、セメントペーストくずが付着したPコーンを取り付ける状態を説明したが、セメントペーストくず等が付着していない未使用のPコーンを効率的に植立できることは勿論のことである。まず、既に使用したPコーンを使ってから、未使用のPコーンを使い、本発明のPコーン取付け具によりPコーンを植立させるようにすればよい。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2,3…Pコーン取付け具、
100…Pコーン、110…型枠締結具、120…セパ孔、130…ねじ軸体、
140…ナット、150…型枠、
10…被装着部、11…軸体、12…雄ねじ部、13…雌ねじ穴、
14…細軸体、15…細い軸部、16…切除部、
17,18,19…セメントペーストくず、20…雄ねじ部、21…細軸体、
22…山部、23…谷部、30…雄ねじ部、31…細軸体、32…稜線
100…Pコーン、110…型枠締結具、120…セパ孔、130…ねじ軸体、
140…ナット、150…型枠、
10…被装着部、11…軸体、12…雄ねじ部、13…雌ねじ穴、
14…細軸体、15…細い軸部、16…切除部、
17,18,19…セメントペーストくず、20…雄ねじ部、21…細軸体、
22…山部、23…谷部、30…雄ねじ部、31…細軸体、32…稜線
Claims (6)
- 型枠締結具に、コンクリート型枠を介して、雌ねじ穴が形成された円錐台部を含むPコーンを螺合固定させるPコーン取付け具であって、
前記雌ねじ穴との螺合手段と、前記雌ねじ穴への挿入誘導手段とを含み、
前記螺合手段が、前記雌ねじ穴と螺合される雄ねじ部が形成された軸体とされると共に、前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部を揺動可能に螺合させる揺動手段を有し、
前記挿入誘導手段が、前記螺合手段の先端に形成され、前記雌ねじ穴のねじ穴内径よりも細く、前記雌ねじ穴のねじ穴長さよりも短い細軸体とされている、
ことを特徴とするPコーン取付け具。 - 前記雄ねじ部の外面に、ねじ軸方向に沿って切除部が備えられ、前記雌ねじ穴内に付着したごみの削り出し手段とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載のPコーン取付け具。 - 前記細軸体が、先端が平坦面とされると共に、基端から先端にかけて先細りに形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のPコーン取付け具。 - 前記揺動手段が、前記雄ねじ部のねじ山の数が2乃至4とされ、前記雄ねじ部の後方にも前記ねじ穴内径よりも細い軸部を有し、
前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部の全体が挿し込まれた状態でも、前記螺合手段が揺動可能とされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のPコーン取付け具。 - 前記揺動手段が、前記雄ねじ部の山部の幅が前記雌ねじ穴の谷部の幅より薄く、かつ、前記雄ねじ部の山部の高さが前記雌ねじ穴の谷部の深さより低く、
前記雌ねじ穴に前記雄ねじ部が揺動可能とされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のPコーン取付け具。 - 前記軸体の後端に、駆動力により回転される工具の回転部に装着可能な装着部を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のPコーン取付け具。
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- 2015-11-10 JP JP2015220615A patent/JP5936022B1/ja active Active
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