JP5935166B2 - 水処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理装置及び方法に関する。
下水処理場をはじめとする水処理プラントにおいて、処理水の水質を向上させるため、有機物に加えて窒素やリンを活性汚泥(微生物群)により除去する高度処理が各地で導入されている。
高度処理における一般的な生物学的窒素除去は、硝化工程と脱窒工程から構成されている。硝化工程は好気状態で行われ、硝化菌により下水中のアンモニア性窒素(NH4−N)は硝酸性窒素(NO3−N)へ酸化される。脱窒工程は無酸素状態で行われ、脱窒菌によりNO3−NはN2ガスへ還元される。N2ガスは大気中へ放出されるため、液相中から窒素は除去される。
一方、生物学的リン除去は、リン蓄積菌(PAO)と呼ばれる微生物の働きを利用している。PAOは、嫌気状態において細胞内に蓄積したポリリン酸を加水分解し、エネルギー(ATP)を獲得する。PAOは、獲得したATPを利用して有機物を摂取するが、同時に分解されたポリリン酸がリン酸態リン(PO4−P)として放出されるため、液相中のPO4−P濃度は上昇する。
一方、好気状態では、PAOの細胞内に蓄積した有機物が酸素により酸化分解され、エネルギー(ATP)が発生する。PAOはこのATPを利用して放出量以上のPO4−Pを取り込み、ポリリン酸として蓄積する。そして、PO4−Pが蓄積した活性汚泥は沈殿池で引き抜かれ、系外へリンが除去される。
窒素とリンの除去を両立するプロセスの一つに、嫌気−無酸素−好気法(A2O法)がある。A2O法では、硝化菌、脱窒菌、PAOの併用により窒素とリンを除去している。しかし、脱窒菌とPAOは共に従属栄養細菌であるため、両者の間には有機物を巡る競合関係が存在する。そのため、特に日本のような流入下水中の有機物濃度が低い場合、有機物が制限因子となり窒素とリンの除去が不十分になるおそれがある。このような問題の解決手段として、PAOの持つ脱リン能力に加えて脱窒能力をも有する脱窒性リン蓄積菌(DPAO)の活用が期待されている。全てのPAOは電子受容体として酸素を利用することができるが、DPAOは酸素に加えて硝酸も利用することができる。DPAOは単独で窒素とリンを除去するため、窒素・リン除去に必要な有機物量が低減される。
DPAOを活用する方法としては、Single−sludge systemとTwo−sludge systemがある。
Single−sludge systemの例としては、嫌気−好気−無酸素活性汚泥法(AOA法)がある(例えば、特許文献1参照)。AOA法における活性汚泥は嫌気、好気、無酸素状態の全てに曝される。AOA法では、好気状態でのリン摂取を抑制し、無酸素状態で十分な脱窒を行うために、好気状態開始前に有機物の添加が必要であるとされている。
また、Two−sludge systemの例としては、外部硝化嫌気無酸素法(A2N法あるいはDEPHANOX法)がある(例えば、非特許文献1参照)。A2N法では、嫌気槽の後段に汚泥分離槽が設置される。汚泥分離槽で活性汚泥を沈降させ、濃縮させた濃縮汚泥と、活性汚泥を含まない上澄み液に分離される。上澄み液は硝化槽へ移送され、硝化槽内に存在する硝化菌によりNH4−NがNO3−Nに硝化される。そして、無酸素槽において硝化槽流出水と、濃縮汚泥が混合される。無酸素槽の後段には最終沈殿池が設置され、活性汚泥と上澄み液を沈降分離し、上澄み液を処理水として系外に放流する。そして、沈降した活性汚泥は返送ポンプにより嫌気槽へと返送され、再度一連の生物処理に利用される。下水中の有機物は嫌気槽においてDPAOにより摂取され、窒素は硝化槽での硝化を経て、無酸素槽においてDPAO又は脱窒菌により脱窒され、リンは硝化槽流出水中の硝酸を用いてDPAOが摂取することにより除去される。
2N法では、硝化工程と脱窒・脱リン工程で用いる活性汚泥を分離しており、後者の活性汚泥は好気状態に暴露されないため、電子受容体として酸素のみ利用可能なPAOに比べてDPAOの活性は高まり、DPAOの集積度は上昇する。集積したDPAOの活用により、酸素供給なしに脱リンが可能となるため、ブロワの消費電力を低減できる。また、DPAOは蓄積した有機物は脱窒と脱リンの両方に利用するため、流入有機物負荷が低い場合においても安定した窒素・リン除去が可能となる。
特許第4267860号公報
T. Kuba, M. C. M Van Loosdrecht, J. J. Heijnen: Phosphorus and nitrogen removal with minimal COD requirement by integration of denitrifying dephosphatation and nitrification in a two-sludge system. Water Research, Vol. 30, No. 7, pp.1702-1710, 1996.
しかしながら、A2N法では、流入水量が多い場合や流入リン負荷が高い場合、無酸素槽での脱リン量が不十分になり、処理水の水質が悪化することが懸念される。
また、A2N法では、上澄み液中のNH4−Nは硝化槽、無酸素槽を経て除去されるのに対し、濃縮汚泥中のNH4−Nは硝化槽を経ずに無酸素槽へ流入するため、脱窒されず系外へ除去されない。そのため、流入窒素負荷が高い場合、処理水中の窒素濃度が上昇し、処理水の水質が悪化することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、安定的に下水中の窒素及びリンを除去することが可能な水処理装置及び方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、原水を生物処理する活性汚泥を上澄み液と濃縮汚泥に分離する汚泥分離槽と、前記上澄み液を処理する硝化槽と、前記濃縮汚泥と前記硝化槽からの流出水が流入する無酸素槽と、前記濃縮汚泥を前記硝化槽へ移送する濃縮汚泥移送手段と、前記汚泥分離槽の上流に嫌気槽と、を備え、前記汚泥分離槽において、前記嫌気槽からの活性汚泥を前記上澄み液と前記濃縮汚泥とに分離することを特徴とする水処理装置とした。
また、本発明は、前記水処理装置を用いて水処理を行う水処理方法であって、前記汚泥分離槽で分離された前記濃縮汚泥を前記硝化槽へ移送して、前記原水の生物処理を行うことを特徴とする水処理方法とした。
本発明によれば、安定的に下水中の窒素及びリンを除去することが可能な水処理装置及び方法を提供することができる。
第1実施形態に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 好気条件下でのDPAOの活性(リン摂取速度)を示すグラフである。縦軸はリン摂取速度(mgP/g−MLSS/h)を示す。 下水100の流入水量と流路201の流量の対応関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 下水100の流入リン濃度と流路201の流量の対応関係を示すグラフである。 第2実施形態の変形例に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 第3実施形態に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 下水100の流入窒素濃度と流路201の流量の対応関係を示すグラフである。 第3実施形態の変形例に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 第4実施形態に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 第5実施形態に係る水処理装置の構成を示す構成図である。 図11におけるA−A線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る水処理装置Sの構成を示す構成図である。この水処理装置Sは、DPAOを活用して窒素とリンを除去する。
(水処理装置の構成)
図1に示すように、水処理装置Sは、主な構成要素として、嫌気槽1、汚泥分離槽2、硝化槽3、無酸素槽5及び最終沈殿池8を有している。これらの構成要素の機能について簡単に説明すると、以下のとおりである。
(嫌気槽)
嫌気槽1は、活性汚泥中のPAO及びDPAOに原水(下水100)中の有機物を摂取させ、有機物を除去する槽である。
(汚泥分離槽)
汚泥分離槽2は、活性汚泥を沈降させて濃縮した濃縮汚泥102と、活性汚泥(濃縮汚泥102)を含まない上澄み液101に分離する槽である。濃縮汚泥102は無酸素槽5に移送され、上澄み液101は硝化槽3に移送される。
(硝化槽)
硝化槽3には、汚泥分離槽2で分離された上澄み液101が移送され、硝化槽3内に存在する硝化菌によりNH4−Nを硝化し、NO3−Nとする槽である。
(無酸素槽)
無酸素槽5は、DPAOや脱窒菌が、硝化槽3で硝化したNO3−Nを脱窒して除去するとともに、DPAOが、硝化槽3で生成した硝酸を利用してリンを摂取することにより除去する槽である。
(最終沈殿池)
最終沈殿池8は、活性汚泥と上澄み液を沈降分離する施設である。沈降分離した上澄み液は、処理水103として系外に放流される。また、沈降分離した活性汚泥は嫌気槽1へと返送され、再度一連の生物処理に利用される。
以下、水処理装置Sについてより詳細に説明する。
図1に示すように、嫌気槽1と汚泥分離槽2は流路により連通している。汚泥分離槽2の下流に硝化槽3が設置され、また、汚泥分離槽2は流路200と移送ポンプ4を通じて無酸素槽5と連通している。
硝化槽3には、散気部6と、これに空気を供給するブロワ7が設置されている。硝化槽3の下流には無酸素槽5が設置されており、無酸素槽5には、硝化槽3からの流出水と、移送ポンプ4により移送される汚泥分離槽2からの濃縮汚泥102とが流入する。無酸素槽5の下流には最終沈殿池8が設置されており、流路800と返送ポンプ9を通じて嫌気槽1と連通している。
硝化槽3には、活性汚泥担体10が投入されており、硝化槽3の末端には活性汚泥担体10を捕捉するためにスクリーン11が設置されている。嫌気槽1の上流側に、嫌気槽1への流入水量を計測する流量計12が設置されている。
そして、第1実施形態に係る水処理装置Sにおいては、汚泥分離槽2から無酸素槽5に連通する流路200から、弁13を介して、硝化槽3に連通する流路201が分岐されている。流路201には、汚泥移送量制御部14が設置されており、弁13の開閉は、この汚泥移送量制御部14により制御される。また、流路201には、流路201の流量を計測する汚泥移送流量計測部15が設置されている。なお、第1実施形態においては、流路200と、移送ポンプ4と、流路200から分岐する流路201と、弁13とで濃縮汚泥移送手段20が構成されている。濃縮汚泥移送手段20には、汚泥移送量制御部14及び汚泥移送流量計測部15が含まれていてもよい(濃縮汚泥移送手段20について、後記する第2実施形態から第4実施形態においても同様である。)。
前記したように、水処理装置Sは、硝化工程で用いる活性汚泥と、脱窒・脱リン工程で用いる活性汚泥と、を分離するAN法を実施する。
活性汚泥中のPAOには、リンの取り込み時において、電子受容体として酸素のみ利用可能なPAOと、酸素と硝酸の両方を利用可能なPAO(DPAO)が存在する。AN法では、脱窒・脱リン工程で用いられる活性汚泥は嫌気槽1と無酸素槽5を循環するため、電子受容体として酸素のみ利用可能なPAOに比べてDPAOの活性は高まり、DPAOの集積度は上昇する。
(水処理装置による処理)
第1実施形態に係る水処理装置SによるAN法での処理の流れは以下の通りである。
原水(下水100)は嫌気槽1に流入し、下水100中の有機物は活性汚泥中のPAO及びDPAOにより摂取される。嫌気槽1からの活性汚泥は汚泥分離槽2に流入し、重力により上澄み液101と濃縮汚泥102とに分離される(沈降分離)。
上澄み液101は硝化槽3に流入し、活性汚泥担体10内に固定化された硝化菌により、上澄み液101中のNH4−NはNO3−Nに硝化される。
無酸素槽5には、硝化槽3からの流出水と、流路200及び移送ポンプ4により汚泥分離槽2から移送される濃縮汚泥102と、が流入する。無酸素槽5では、DPAOによる脱窒・脱リンと、脱窒菌による脱窒が行われる。
最終沈殿池8では、無酸素槽5からの活性汚泥が固液分離され、上澄み液は処理水103として系外に排出される。一方、最終沈殿池8において分離された活性汚泥は、流路800と返送ポンプ9により嫌気槽1へ返送される。
ここで、従来のA2N法による処理では、汚泥分離槽2からの流出水については、例えば移送ポンプ4の流量を一定にするか、上澄み液101の流量と濃縮汚泥102の流量の比率を一定に制御している。そのため、下水100の流入水量の増大時には、無酸素槽5における滞留時間が短縮され、無酸素槽5においてDPAOにより除去されなかったリンが増え、処理水103の水質が悪化する懸念がある。
これに対し、第1実施形態に係る水処理装置Sでは、下水100の流入水量が多い場合には、汚泥分離槽2で分離された濃縮汚泥102の一部を硝化槽3へ投入することができる。これにより、無酸素槽5におけるDPAOによる脱リンに加えて、硝化槽3ではDPAOも含めた全てのPAOによる脱リンが行われる。そのため、処理プロセスの脱リン量が増加し、処理水103中のリン濃度を減少させることができる。濃縮汚泥102の硝化槽3への投入は、流路200と、移送ポンプ4と、流路200から分岐した流路201と、により行うことができる。
なお、好気状態に暴露されることによるDPAOの活性低下が懸念される。そのため、本発明者は好気状態への暴露によるDPAOの活性への影響を実験により確認した。実験は、嫌気・無酸素状態に、1時間の好気状態を追加した処理条件で90日間運転して行った。当該実験における好気状態と無酸素状態でのリン摂取速度を図2に示す。
図2に示すように当該実験結果から、嫌気・無酸素状態に、1時間の好気状態を追加した処理条件において90日間運転した後においても、好気状態でのリン摂取能力は高く、運転0日目に比べて無酸素状態でのリン摂取能力も増大していることが分かった。つまり、硝化槽3へ濃縮汚泥102の一部を移送しても、DPAOの活性は低下しないことが確認された。
(第1実施形態における濃縮汚泥の硝化槽への移送量の制御フロー)
第1実施形態における濃縮汚泥102の硝化槽3への移送量の制御フローは以下のとおりである。
予め、汚泥移送量制御部14に、下水100の流入水量に応じた流路201の流量を設定したり、データベース化したりしておく。そして、流量計12で下水100の流入水量を計測すると、計測値が汚泥移送量制御部14に向けて出力される。かかる計測値が入力された汚泥移送量制御部14は、前記データベースを基に、計測された下水100の流入水量に対応する流路201の流量を決定する。なお、下水100の流入水量に対応する流路201の流量は、水処理装置によって異なるため、最適の処理条件を予め実験等して求めておくのが好ましい。
そして、汚泥移送量制御部14は、弁13に向けて、決定した流路201の流量になるように弁13の開度を調整する開度調整信号を出力する。かかる信号が入力された弁13は開度調整信号に基づいた開度をもって弁を開き、流路201に濃縮汚泥を移送させる。
流路201の流量は、汚泥移送流量計測部15により計測される。下水100の流入水量と流路201の流量の対応関係を図3に示す。図3の例では、下水100の流入水量の基準値が設定されている。そして、下水100の流入水量が多くなるにつれて段階的に開度が大きくなるように、つまり、流路201の流量が増加又は維持するように設定されている。なお、流入水量の基準値は任意に設定することができる。
図3に示すように、下水100の流入水量が基準値以下の場合、弁13は開かず、濃縮汚泥102は硝化槽3へ移送されない。下水100の流入水量が基準値を超えた場合、弁13は入力された開度調整信号に基づいて弁を開き、硝化槽3へ濃縮汚泥102を移送する。
なお、流路201の流量に関して、図3では一定範囲内の流入水量に対応する流路201の流量を段階的に設定したが、下水100の流入水量の線形関数又は非線形関数によって流路201の流量を設定してもよい。また、下水100の流入水量に対応する流路201の流量は一定の範囲を持ってもよい。また、流量計12の計測信号に対して、流路201の流量の制御は時間遅れを持ってもよい。
第1実施形態に係る水処理装置Sは、以上に説明した構成を採用することにより、下水100の流入水量の増加による処理水103の水質悪化に対応できる。
つまり、水処理装置Sは、通常運転時では従来と同様、濃縮汚泥102を無酸素槽5に移送し、無酸素槽5において濃縮汚泥102中のDPAOは脱窒と脱リンを行う。そして、下水100の流入水量が上昇したら、流路201を通じて濃縮汚泥102の一部を硝化槽2に移送することにより、硝化槽3において濃縮汚泥102中のPAOとDPAOとにより脱リンが実施される。硝化槽3での脱リンと、無酸素槽5での脱リンを同時に実施、すなわち並行して実施することにより、処理水103の水質を維持することができる。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態においては、硝化槽3に活性汚泥担体10を投入したが、活性汚泥担体10の代わりに浮遊汚泥を投入してもよい。その場合、硝化槽3の後段に沈殿池と活性汚泥返送設備を設置し(いずれも図示せず)、沈殿池で硝化槽3からの活性汚泥混合液を重力により固液分離し、沈降した活性汚泥を活性汚泥返送設備で硝化槽3に返送する。なお、活性汚泥返送設備は、流路と移送ポンプで構成することができる。
また、第1実施形態では、下水100の流入水量は流量計12の計測値を用いたが、必ずしも流量計12の計測値を用いなくてもよい。例えば、下水100の流入水量の日間変動を記録したデータベースを作成し、これに基づいて下水100の流入水量を推定してもよい。データベースは、関数、テーブル、マップのいずれでもよい(以下、データベースについて同じ。)。
さらに、第1実施形態では、汚泥分離槽2から濃縮汚泥102を無酸素槽5へ移送するために移送ポンプ4を用いたが、必ずしも移送ポンプ4を用いる必要はない。例えば、汚泥分離槽2と無酸素槽5に高低差をもたせ、重力を利用して濃縮汚泥102を移送させることもできる。
また、第1実施形態では、流路201の流量を制御するために弁13を用いたが、ポンプなど流量を制御できるものを用いてもよい。さらに、流路201は、必ずしも硝化槽3へ連通しなくてもよく、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路に連通してもよい。またさらに、汚泥分離槽2から無酸素槽5を連通する流路において、どの場所からでも流路201を分岐させることができる。
第1実施形態では、下水100の流入水量が上昇した場合、濃縮汚泥102の一部を硝化槽3に移送することにより、濃縮汚泥102の流量に対する上澄み液101の流量の比率を高めている。そのため、第1実施形態では流路201を用いて濃縮汚泥102を硝化槽3へ移送したが、流路201を省略し、移送ポンプ4の流量を通常運転時より低減することで対応してもよい。その場合、上澄み液101の流量を増大させ、上澄み液101中に濃縮汚泥102を混入させ、硝化槽3へ移送させることにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、汚泥移送量制御部14において、下水100の流入水量に対応する移送ポンプ4の流量を設定し、設定した移送ポンプ4の流量を満足するように、移送ポンプ4の流量を制御することもできる。
また、図1に示しているように、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路において上澄み液101の流量を計測する流量計16を設置し、酸素供給量制御手段17により、上澄み液101の流量に応じてブロワ7の風量を制御してもよい。このようにすると、硝化槽3における硝化量を増加させることが可能となる。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態に係る水処理装置Sの構成を示す構成図である。
第2実施形態と第1実施形態は略同じ構成であるが、第1実施形態では、嫌気槽1の上流に流量計12を設けているのに対し、第2実施形態では、図4に示すようにリン濃度計12aを設けている点で相違している。
つまり、第2実施形態では、下水100のリン濃度(流入リン濃度)を計測し、その計測値を用いて汚泥移送量制御部14が汚泥分離槽2から硝化槽3へ濃縮汚泥を移送させる。
下水100の流入リン濃度が増大するにつれ、無酸素槽5においてDPAOによる脱リン能力を上回り、処理水103中へ流出するリン量が上昇し、処理水の水質が悪化する。
これに対し、第2実施形態に係る水処理装置Sでは、下水100の流入リン濃度が上昇した場合には、濃縮汚泥102の一部を硝化槽3へ投入することができる。これにより、無酸素槽5におけるDPAOによる脱リンに加えて、硝化槽3ではDPAOも含めた全てのPAOによる脱リンが行われる。そのため、処理プロセスのリン除去量が増加し、処理水103中のリン濃度を減少させることができる。濃縮汚泥102の硝化槽3への投入は、流路200と、移送ポンプ4と、流路200から分岐した流路201と、により行うことができる。
(第2実施形態における濃縮汚泥の硝化槽への移送量の制御フロー)
第2実施形態における濃縮汚泥102の硝化槽3への移送量の制御フローは以下のとおりである。
予め、汚泥移送量制御部14に、下水100の流入リン濃度に応じた流路201の流量を設定したり、データベース化したりしておく。そして、リン濃度計12aで下水100の流入リン濃度を計測すると、計測値が汚泥移送量制御部14に向けて出力される。かかる計測値が入力された汚泥移送量制御部14は、前記データベースを基に、計測された下水100の流入リン濃度に対応する流路201の流量を決定する。なお、下水100の流入リン濃度に対応する流路201の流量は、水処理装置によって異なるため、最適の処理条件を予め実験等して求めておくのが好ましい。
そして、汚泥移送量制御部14は、弁13に向けて、決定した流路201の流量になるように弁13の開度を調整する開度調整信号を出力する。かかる信号が入力された弁13は開度調整信号に基づいた開度をもって弁を開き、流路201に濃縮汚泥を移送させる。
流路201の流量は、汚泥移送流量計測部15により計測される。下水100の流入リン濃度と流路201の流量の対応関係を図5に示す。図5の例では、下水100の流入リン濃度の基準値が設定されている。そして、下水100の流入リン濃度が上昇するにつれて段階的に開度が大きくなるように、つまり、流路201の流量が増加又は維持するように設定されている。なお、流入リン濃度の基準値は任意に設定することができる。
図5に示すように、下水100の流入リン濃度が基準値以下の場合、弁13は開かず、濃縮汚泥102は硝化槽3へ移送されない。下水100の流入リン濃度が基準値を超えた場合、弁13は入力された開度調整信号に基づいて弁を開き、硝化槽3へ濃縮汚泥102を移送する。
なお、流路201の流量に関して、図5では一定範囲内の流入リン濃度に対応する流路201の流量を段階的に設定したが、下水100の流入リン濃度の線形関数又は非線形関数によって流路201の流量を設定してもよい。また、下水100の流入リン濃度に対応する流路201の流量は一定の範囲を持ってもよい。また、リン濃度計12aの計測信号に対して、流路201の流量の制御は時間遅れを持ってもよい。
第2実施形態に係る水処理装置Sは、以上に説明した構成を採用することにより、下水100の流入リン濃度の増加による処理水103の水質悪化に対応できる。
つまり、水処理装置Sは、通常運転時では従来と同様、濃縮汚泥102は無酸素槽5に移送し、無酸素槽5において濃縮汚泥102中のDPAOは脱窒と脱リンを行う。そして、下水100の流入リン濃度が上昇した場合、流路201を通じて濃縮汚泥102の一部を硝化槽2に移送することにより、硝化槽3において濃縮汚泥102中のPAOとDPAOとにより脱リンが実施される。硝化槽3での脱リンと、無酸素槽5での脱リンを同時に実施することにより、処理水103の水質を維持することができる。
<第2実施形態の変形例>
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、活性汚泥担体10の代わりに浮遊汚泥を投入することができる。
第2実施形態で測定対象とするリンは、全リン(T−P)でもPO4−Pでもよい。
また、下水100のリン濃度はリン濃度計12aにより直接計測しなくてもよい。例えば、下水100の流入リン濃度の日間変動を記録したデータベースを作成し、これに基づいて下水100の流入リン濃度を推定してもよい。
さらに、第2実施形態では、リン濃度計12aにより計測される下水100の流入リン濃度に基づいて流路201の流量を設定したが、第1実施形態で説明した流量計12により計測される下水100の流入水量と、リン濃度計12aにより計測される下水100の流入リン濃度とを乗じることにより求めた下水100の流入リン負荷量に基づいて流路201の流量を設定してもよい。この場合、高濃度のリンが極短時間流入した場合など、系全体でみたときに許容範囲内であれば、汚泥分離槽2から硝化槽2へ濃縮汚泥102を移送しないように制御することができる。つまり、過度な制御を回避し、制御に弾力性をもたせることができるようになる。
また、第2実施形態では、嫌気槽1の上流側に設置したリン濃度計12aにより計測される下水100の流入リン濃度に基づいて流路201の流量を設定したが、図6に示すように、リン濃度計12bを最終沈殿池8の下流に設置することもできる。かかる態様では、リン濃度計12bにより計測される処理水103中のリン濃度に基づいて流路201の流量を設定する。
さらに、第2実施形態では、汚泥分離槽2から濃縮汚泥102を無酸素槽5へ移送するために移送ポンプ4を用いたが、必ずしも移送ポンプ4を用いる必要はない。第1実施形態で説明したのと同様に、例えば、汚泥分離槽2と無酸素槽5に高低差をもたせ、重力を利用して濃縮汚泥102を移送させることもできる。
また、第2実施形態では、流路201の流量を制御するために弁13を用いたが、ポンプなど流量を制御できるものを用いてもよい。さらに、流路201は、必ずしも硝化槽3へ連通しなくてもよく、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路に連通してもよい。またさらに、汚泥分離槽2から無酸素槽5を連通する流路において、どの場所からでも流路201を分岐させることができる。
第2実施形態では、下水100の流入リン濃度が上昇した場合、濃縮汚泥102の一部を硝化槽3に移送することにより、濃縮汚泥102の流量に対する上澄み液101の流量の比率を高めている。そのため、第2実施形態では流路201を用いて濃縮汚泥102を硝化槽3へ移送したが、流路201を省略し、移送ポンプ4の流量を通常運転時より低減することで対応してもよい。その場合、上澄み液101の流量を増大させ、上澄み液101中に濃縮汚泥102を混入させて硝化槽3へ移送することにより、第2実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
また、汚泥移送量制御部14において、下水100の流入リン濃度に対応する移送ポンプ4の流量を設定し、設定した移送ポンプ4の流量を満足するように、移送ポンプ4の流量を制御することもできる。
また、図4に示しているように、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路において上澄み液101の流量を計測する流量計16を設置し、酸素供給量制御手段17により、上澄み液101の流量に応じてブロワ7の風量を制御してもよい。このようにすると、硝化槽3における硝化量を増加させることが可能となる。
<第3実施形態>
図7は、第3実施形態に係る水処理装置Sの構成を示す構成図である。
第3実施形態と第1実施形態は略同じ構成であるが、第1実施形態では、嫌気槽1の上流に流量計12を設けているのに対し、第3実施形態では、図7に示すように窒素濃度計12cを設けている点で相違している。
つまり、第3実施形態では、下水100の窒素濃度(流入窒素濃度)を計測し、その計測値を用いて汚泥移送量制御部14が汚泥分離槽2から硝化槽3へ濃縮汚泥を移送させる。
下水100中の窒素のほとんどはNH4−Nとして存在しているが、NH4−Nを系外へ除去するためには、硝化槽3においてNH4−NをNO3−Nに硝化した後、無酸素槽5において脱窒しなければならない。そのため、濃縮汚泥102中の窒素は脱窒されず系外に除去されない。
従来のA2N法では、汚泥分離槽2からの流出水の流量比率については、移送ポンプ4の流量を一定にするか、上澄み液101の流量と濃縮汚泥102の流量の比率を一定に制御している。そのため、下水100の窒素濃度が上昇した場合、処理水103へ流出する窒素量が上昇し、処理水103の水質が悪化する懸念がある。
これに対し、第3実施形態に係る水処理装置Sでは、下水100の流入窒素濃度が高くなった場合には、汚泥分離槽2で分離された濃縮汚泥102の一部を硝化槽3へ投入することができる。これにより、硝化槽3において硝化される窒素量が増加し、無酸素槽5における脱窒量も増加するため、処理水103中の窒素濃度を減少させることができる。濃縮汚泥102の硝化槽3への投入は、流路200と、移送ポンプ4と、流路200から分岐した流路201と、により行うことができる。
(第3実施形態における濃縮汚泥の硝化槽への移送量の制御フロー)
第3実施形態における濃縮汚泥102の硝化槽3への移送量の制御フローは以下のとおりである。
予め、汚泥移送量制御部14に、下水100の流入窒素濃度に応じた流路201の流量を設定したり、データベース化したりしておく。そして、窒素濃度計12cで下水100の流入窒素濃度を計測すると、計測値が汚泥移送量制御部14に向けて出力される。かかる計測値が入力された汚泥移送量制御部14は、前記データベースを基に、計測された下水100の流入窒素濃度に対応する流路201の流量を決定する。なお、下水100の流入窒素濃度に対応する流路201の流量は、水処理装置によって異なるため、最適の処理条件を予め実験等して求めておくのが好ましい。
そして、汚泥移送量制御部14は、弁13に向けて、決定した流路201の流量になるように弁13の開度を調整する開度調整信号を出力する。かかる信号が入力された弁13は開度調整信号に基づいた開度をもって弁を開き、流路201に濃縮汚泥を移送させる。
流路201の流量は、汚泥移送流量計測部15により計測される。下水100の流入窒素濃度と流路201の流量の対応関係を図8に示す。図8の例では、下水100の流入窒素濃度の基準値が設定されている。そして、下水100の流入窒素濃度が高くなるにつれて段階的に開度が大きくなるように、つまり、流路201の流量が増加又は維持するように設定されている。なお、流入水量の基準値は任意に設定することができる。
図8に示すように、下水100の流入窒素濃度が基準値以下の場合、弁13は開かず、濃縮汚泥102は硝化槽3へ移送されない。下水100の流入窒素濃度が基準値を超えた場合、弁13は入力された開度調整信号に基づいて弁を開き、硝化槽3へ濃縮汚泥102を移送する。
なお、流路201の流量に関して、図8では一定範囲内の流入窒素濃度に対応する流路201の流量を段階的に設定したが、下水100の流入窒素濃度の線形関数又は非線形関数によって流路201の流量を設定してもよい。また、下水100の流入窒素濃度に対応する流路201の流量は一定の範囲を持ってもよい。また、窒素濃度計12cの計測信号に対して、流路201の流量の制御は時間遅れを持ってもよい。
第3実施形態に係る水処理装置Sは、以上に説明した構成を採用することにより、下水100の流入窒素濃度の増加による処理水103の水質悪化に対応できる。
つまり、水処理装置Sは、通常運転時では従来と同様、汚泥分離槽2の濃縮汚泥102を無酸素槽5に移送し、無酸素槽5において濃縮汚泥102中のDPAOは脱窒と脱リンを行う。そして、下水100の流入窒素濃度が上昇した場合、流路201を通じて汚泥分離槽2の濃縮汚泥102の一部を硝化槽2に移送することにより、硝化槽3において硝化されるNH4−N量が増加し、無酸素槽5における脱窒量も増加するため、処理水103の水質を維持することができる。
<第3実施形態の変形例>
第1実施形態及び第2実施形態と同様に、第3実施形態においても、活性汚泥担体10の代わりに浮遊汚泥を投入することができる。
第3実施形態で測定対象とする窒素は、全窒素(T−N)でもNH−Nでもよい。
また、下水100の流入窒素濃度は窒素濃度計12cにより直接計測しなくてもよい。例えば、下水100の流入窒素濃度の日間変動を記録したデータベースを作成し、これに基づいて下水100の流入窒素濃度を推定してもよい。
さらに、第3実施形態では、窒素濃度計12cにより計測される下水100の流入窒素濃度に基づいて流路201の流量を設定したが、第1実施形態で説明した流量計12により計測される下水100の流入水量と、窒素濃度計12cにより計測される下水100の流入窒素濃度とを乗じることにより求めた下水100の流入窒素負荷量に基づいて流路201の流量を設定してもよい。この場合、高濃度の窒素が極短時間流入した場合など、系全体でみたときに許容範囲内であれば、汚泥分離槽2から硝化槽3へ濃縮汚泥102を移送しないように制御することができる。つまり、過度な制御を回避し、制御に弾力性をもたせることができるようになる。
また、第3実施形態では、嫌気槽1の上流側に設置した窒素濃度計12cにより計測される下水100の流入窒素濃度に基づいて流路201の流量を設定したが、図9に示すように、窒素濃度計12dを最終沈殿池8の下流に設置することもできる。かかる態様では、窒素濃度計12dにより計測される処理水103中の窒素濃度に基づいて流路201の流量を設定する。
さらに、第3実施形態では、汚泥分離槽2から濃縮汚泥102を無酸素槽5へ移送するために移送ポンプ4を用いたが、必ずしも移送ポンプ4を用いる必要はない。第1実施形態で説明したのと同様に、例えば、汚泥分離槽2と無酸素槽5に高低差をもたせ、重力を利用して濃縮汚泥102を移送させることもできる。
また、第3実施形態では、流路201の流量を制御するために弁13を用いたが、ポンプなど流量を制御できるものを用いてもよい。さらに、流路201は、必ずしも硝化槽3へ連通しなくてもよく、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路に連通してもよい。またさらに、汚泥分離槽2から無酸素槽5を連通する流路において、どの場所からでも流路201を分岐させることができる。
第3実施形態では、下水100の流入窒素濃度が上昇した場合、濃縮汚泥102の一部を硝化槽3に移送することにより、濃縮汚泥102の流量に対する上澄み液101の流量の比率を高めている。そのため、第3実施形態では流路201を用いて濃縮汚泥102を硝化槽3へ移送したが、流路201を省略し、移送ポンプ4の流量を通常運転時より低減することで対応してもよい。その場合、上澄み液101の流量を増大させ、上澄み液101中に濃縮汚泥102を混入させて硝化槽3へ移送することにより、第2実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
また、汚泥移送量制御部14において、下水100の流入窒素濃度に対応する移送ポンプ4の流量を設定し、設定した移送ポンプ4の流量を満足するように、移送ポンプ4の流量を制御することもできる。
また、図7、図9に示しているように、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路において上澄み液101の流量を計測する流量計16を設置し、酸素供給量制御手段17により、上澄み液101の流量に応じてブロワ7の風量を制御してもよい。このようにすると、硝化槽3における硝化量を増加させることが可能となる。
<第4実施形態>
以上に述べた第1実施形態から第3実施形態で説明した各態様は、適宜組み合わせることができる。
図10は、第4実施形態に係る水処理装置Sの構成を示す構成図である。
図10に示すように、第4実施形態に係る水処理装置Sは、嫌気槽1の上流における同じ位置に、下水100の流入水量を計測する流量計12と、下水100の流入リン濃度を計測するリン濃度計12aと、下水100の流入窒素濃度を計測する窒素濃度計12cと、を設けている。
また、最終沈殿池8の下流における同じ位置に、無酸素槽5で処理された処理水103のリン濃度を計測するリン濃度計12bと、処理水103の窒素濃度を計測する窒素濃度計12dと、を設けている。
これらの計測器は、それぞれ汚泥移送量制御部14に接続されており、それぞれが計測した計測値を汚泥移送量制御部14に向けて出力できるようになっている。かかる構成に基づく動作、作用等は既に説明しているので説明を省略する。なお、これらの計測器の組み合わせは、任意に変更することができる。
なお、第4実施形態においても、図10に示しているように、汚泥分離槽2から硝化槽3を連通する流路において上澄み液101の流量を計測する流量計16を設置し、酸素供給量制御手段17により、上澄み液101の流量に応じてブロワ7の風量を制御してもよい。このようにすると、硝化槽3における硝化量を増加させることが可能となる。
<第5実施形態>
図11は、第5実施形態に係る水処理装置Sの構成を示す構成図である。
図11に示すように、第5実施形態に係る水処理装置Sは、下水100が取り込まれ、処理されて処理水103となる順に、嫌気槽1、汚泥分離槽2、硝化槽3、無酸素槽5及び最終沈殿池8を有している。これらは、下水100が自然流下するように適度な高低差をもって設けられている。そのため、例えば図12に示されているように、汚泥分離槽2が無酸素槽5よりも高い位置に設けられている。
なお、これらの構成要素については第1実施形態から第4実施形態を通じて既に詳細に説明しているので、その説明を省略する。
図11に示すように、硝化槽3にはそれぞれ散気部6とこれに空気を供給するブロワ7が設置されている。そして、図12にも示すとおり、汚泥分離槽2と無酸素槽5は、それぞれの底部付近に設けられた連通管202によって連通している。従って、無酸素槽5には、硝化槽3からの流出水と、連通管202を通じて汚泥分離槽2から移送されてくる濃縮汚泥102と、が流入するようになっている。また、第1実施形態などと同じように、最終沈殿池8と嫌気槽1は流路800と返送ポンプ9(図11、12において図示せず。図1等参照)を通じて嫌気槽1と連通しており、最終沈殿池8から嫌気槽1へ濃縮汚泥(活性汚泥)を移送できるようになっている。つまり、第5実施形態においては、連通管202が濃縮汚泥移送手段20である。
つまり、第5実施形態は、汚泥分離槽2で分離された濃縮汚泥102を、移送ポンプ4を用いずに無酸素槽5へ移送できるようにしている点で、第1実施形態などと相違している。
連通管202を通過する濃縮汚泥102の流量は、連通管202の径の大きさにより決定されるため、濃縮汚泥102の流量の変化は小さい。従って、下水100の流入水量が上昇した場合は、濃縮汚泥102の流量は変わらず、上澄み液101の流量が上昇することになる。つまり、ポンプ等の制御なしに、濃縮汚泥102の流量に対する上澄み液101の流量の比率を高くする(制御する)ことができる。
また、上澄み液101の流量が上昇することにより、濃縮汚泥102の一部が上澄み液101に混入し、硝化槽3へ移送される。そのため、下水100の流入水量が上昇した場合、硝化槽3における硝化量も増え、無酸素槽5における脱リンに加えて硝化槽3における脱リンも行われるようになる。その結果、処理水103中の窒素、リン濃度が低下し、処理水103の水質を維持することができる。なお、連通管202の管の大きさは、任意の大きさとすることができる。
<水処理方法>
本発明に係る水処理方法は、水処理装置Sを用いて水処理を行う水処理方法である。
第1実施形態から第5実施形態にて説明したように、水処理装置Sは、汚泥分離槽2で分離された濃縮汚泥102を硝化槽3へ移送して、下水100の生物処理を行っている。このような処理を行うと、既に詳述しているように、安定的に下水中の窒素及びリンを除去することが可能である。
ここで、第1実施形態から第5実施形態とは異なる態様であっても、前記した水処理装置Sの有する汚泥分離槽2で分離された濃縮汚泥102を硝化槽3へ移送して、下水100の生物処理を行うというプロセスが含まれていれば、前記した効果を奏することができると推察される。
従って、前記した水処理装置Sを用い、かつ、前記したプロセスを含んで水処理する方法を、本発明に係る水処理方法として規定することができる。
以上、発明を実施する形態により、本発明の内容について詳細に説明したが、本発明は前記した内容に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成に一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等はプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
S 水処理装置
2 汚泥分離槽
3 硝化槽
5 無酸素槽
20 濃縮汚泥移送手段

Claims (10)

  1. 原水を生物処理する活性汚泥を上澄み液と濃縮汚泥に分離する汚泥分離槽と、
    前記上澄み液を処理する硝化槽と、
    前記濃縮汚泥と前記硝化槽からの流出水が流入する無酸素槽と、
    前記濃縮汚泥を前記硝化槽へ移送する濃縮汚泥移送手段と、
    前記汚泥分離槽の上流に嫌気槽と、を備え
    前記汚泥分離槽において、前記嫌気槽からの活性汚泥を前記上澄み液と前記濃縮汚泥とに分離することを特徴とする水処理装置。
  2. 前記硝化槽において、活性汚泥担体を用いることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記原水の流入水量を計測する流入水量計測部と、
    前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を制御する汚泥移送量制御部と、を備え、
    前記流入水量が上昇した場合、前記汚泥移送量制御部により前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を増加又は維持することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  4. 前記原水のリン濃度を計測するリン濃度計と、
    前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を制御する汚泥移送量制御部と、を備え、
    前記リン濃度計で計測されるリン濃度が上昇した場合、前記汚泥移送量制御部により前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を増加又は維持することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  5. 前記原水の窒素濃度を計測する窒素濃度計と、
    前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を制御する汚泥移送量制御部と、を備え、
    前記窒素濃度計で計測される窒素濃度が上昇した場合、前記汚泥移送量制御部により前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を増加又は維持することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  6. 前記無酸素槽で処理された処理水のリン濃度を計測するリン濃度計と、
    前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を制御する汚泥移送量制御部と、を備え、
    前記リン濃度が上昇した場合、前記汚泥移送量制御部により前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を増加又は維持することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  7. 前記無酸素槽で処理された処理水の窒素濃度を計測する窒素濃度計と、
    前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を制御する汚泥移送量制御部と、を備え、
    前記窒素濃度が上昇した場合、前記汚泥移送量制御部により前記硝化槽へ移送される前記濃縮汚泥の流量を増加又は維持することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  8. 前記濃縮汚泥を前記無酸素槽へ移送する手段として、前記汚泥分離槽と前記無酸素槽とを連結する連通管を備えることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  9. 前記硝化槽へ酸素を供給する酸素供給手段の出力を制御する酸素供給量制御部を備え、
    前記上澄み液の流量が上昇した場合、前記酸素供給量制御部により酸素供給量を増加することを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  10. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の水処理装置を用いて水処理を行う水処理方法であり、
    前記汚泥分離槽で分離された前記濃縮汚泥を前記硝化槽へ移送して、前記原水の生物処理を行うことを特徴とする水処理方法。
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