JP5934551B2 - コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼 - Google Patents

コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP5934551B2
JP5934551B2 JP2012080565A JP2012080565A JP5934551B2 JP 5934551 B2 JP5934551 B2 JP 5934551B2 JP 2012080565 A JP2012080565 A JP 2012080565A JP 2012080565 A JP2012080565 A JP 2012080565A JP 5934551 B2 JP5934551 B2 JP 5934551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel bar
deformed steel
node
central axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012080565A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013209834A (ja
Inventor
裕 田所
裕 田所
光司 高野
光司 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel and Sumikin Stainless Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Stainless Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Stainless Steel Corp filed Critical Nippon Steel and Sumikin Stainless Steel Corp
Priority to JP2012080565A priority Critical patent/JP5934551B2/ja
Publication of JP2013209834A publication Critical patent/JP2013209834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5934551B2 publication Critical patent/JP5934551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

本発明は,コンクリート構造物中での耐食性に優れたステンレス異形棒鋼に関するものである。
従来,鉄筋用鋼としては、SD295鋼, SD345鋼,SD390鋼などが用いられてきた。このような普通鋼鉄筋は, コンクリート中に塩化物イオンが何らかの原因で侵入した場合や, コンクリートが中性化した場合には容易に発錆する。錆が発生すると、錆が体積膨張することによりコンクリートにひびが入り崩落したり,鉄筋自身が減肉して強度を保てなくなったりするため、コンクリート構造物の耐久性が大きく損なわれることになる。
コンクリート中の塩化物イオンについて説明すると、現在,塩化物イオンに対する耐食性を有すると考えられている鉄筋としては,エポキシ樹脂被覆鉄筋と亜鉛めっき鉄筋,Cr含有鉄筋,及びステンレス鉄筋がある。
エポキシ樹脂被覆鉄筋は,塗膜によって鉄筋を保護するものであるが,運搬や施工時において塗膜に疵が付きやすく,施工時に生じた疵や溶接部については現地で補修する必要がある。またエポキシ樹脂被覆鉄筋は,曲げ加工の際に,疵を生じない特殊な加工機が必要になることや、疵を防止するために鉄筋を曲げ加工した後に樹脂を被覆するなど多大な労力を要し,取扱いに問題が多い。
亜鉛めっき鉄筋は,亜鉛の犠牲防食作用で下地の鉄筋の発錆を抑制するものであるが,下地の発錆までの時間が亜鉛の目付け量に依存するため 恒久的な防食性能は期待できない。また,亜鉛めっきの腐食生成物がコンクリート構造物の耐久性にどのような影響を与えるか不明な点も多い。
次に中性化について説明する。中性化はコンクリート中のカルシウムが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムに変化しコンクリートのpHが低下する現象である。中性化は、経年により表層あるいはひび割れ部位から徐々に進展する。一般に、鋼材は中性化コンクリート中(pH10以下)において耐食性が劣化する傾向がある。炭素鋼は、pH≧11の高い溶液中で不動態化しているが、中性化コンクリート中(pH≦10)において不動態皮膜が破壊されやすくなって腐食が発生し、コンクリート構造物を劣化させる。
合金元素を添加する方法により、中性化コンクリート中においても耐食性を高く保つことができる。SUS410よりもSUS304の方が耐食性が高く、SUS304よりもSUS316の方が耐食性が高い。しかし、ステンレス鉄筋は、耐食性に優れているものの、コストが高いため普及が進んでいない。
海外では,塩害地域用防食鉄筋としてステンレス鉄筋が部分的に使用されている。しかしながら,それらは殆どSUS304鋼やSUS316鋼、さらには二相ステンレス鋼といった高価なステンレス鋼である。これらは耐食性には極めて優れているものの,高価であるため使用範囲が限定されるという問題があった。
また、国内においてもSUS304鋼種のステンレス鉄筋が使用されている事例もあるが、上記と同じく、高価であるため使用範囲が限定されるという問題があった。
一方、低コストであるステンレス鉄筋としてクロム系ステンレス鉄筋が開示されている。例えば、特許文献1には重量%でC0.1%以下,Cr12〜14%,Si2.0%以下,Ni0.5%以下,Mn0.75%以下,N0.1%以下,P0.04%以下,Al0.1%以下,S0.03%以下,C+Nが0.04%以上0.10%以下,次式で表される−5<Ni−bal<−3.5、式;Ni−bal=30(C+N)+0.5Mn+Ni+8.2−1.1(1.5Si+Cr)残部不可避不純物およびFeよりなる鋼を1300〜1100℃に加熱し,1000℃以下で熱間圧延を終了するように圧延した後,放冷を行うことよりなる,降伏強さ35.0kg/mm以上,伸び15%以上の安価なクロムステンレス棒鋼を製造する方法が開示されている。
また、クロム系ステンレス鉄筋として、特許文献2にコンクリート構造物中における耐久性に優れたステンレス異形棒鋼が開示されており、塩害環境において優れた耐食性を有することが開示されている。
一方、鉄筋はコンクリート中において継手状態で使用される場合が多いため、上述してきた鋼としての耐食性に加えて、継手状態での耐食性にも優れている必要がある。
最も一般的に用いられる継ぎ手は重ね継手である。これは、鉄筋同士を一定の長さ重ね合わせ、ワイヤー等で鉄筋同士を縛りとめて継ぎ手とするものである。この鉄筋どうしの重なり部分は、コンクリートが入り難いため空隙ができやすく、その部分にコンクリート表面から浸透した水や塩分が溜まり、中性化コンクリート中ですきま腐食が発生しやすくなるという問題があった。
特許文献3には、クロム系ステンレス鉄筋において優れた耐食性を有する継手及びその製造方法について、ステンレス鉄筋母材を熱接合してなり、Cr10.50%以上13.50%以下,Sn0.5%以下含有するステンレス鉄筋継手が開示されている。
特許第2581267号公報 特許第4624904号公報 特開2010−90456号公報
特許文献1のCr量のステンレス棒鋼は、安価でしかも通常のコンクリート中では優れた耐食性を有しているものの、中性化や塩害の場合には十分な耐食性を得ることが出来なかった。
また、特許文献2に記載の技術では、合金量が少ないためコストは低く抑えられるものの耐食性に限界がある。具体的には、数十年にわたり長期に使用され中性化されたコンクリート中においては、中性化されていない通常のコンクリート中に比べて腐食発生限界塩化物イオン濃度が低くなるため、中性化と塩害の両方が関与する複合劣化環境においてコンクリート構造物の耐久性が大幅に低下する場合も懸念される。
このように、従来開示されているクロムステンレス鉄筋は、合金量が少ないためコストは低く抑えられるものの耐食性に限界があり、コンクリートの中性化と塩害の複合劣化が発生するような非常に厳しい腐食環境で使用するためには、施工管理や保守点検をしっかりと施す必要があり、メンテナンスフリーとはいかないものであった。
また、上述したようにSUS304は高い耐食性を有するために簡便なメンテナンスで良い場合が多いが鉄筋のコストが高い。そこで、さらに少し過酷な環境においても十分な耐食性を有するステンレス鉄筋として、SUS304のステンレス鉄筋とクロム系鉄筋の耐食性差を埋めるための低コストである耐食鉄筋が求められていた。
また、特許文献3で用いている継ぎ手は、圧接により鉄筋同士を接合するものであり、上述の重ね継ぎ手で起こるすきま腐食の原因となる鉄筋間の空隙は発生しないものである。また、本発明者らの検討によれば、特許文献3に記載の鉄筋をそのまま用いたのでは、重ね継ぎ手のすき間腐食を防止できないことが分かった。
本発明は,コンクリート中性化と塩害による複合劣化が生じるコンクリート中の重ね継手においても十分な耐食性と高い強度、十分な靱性およびコンクリートとの付着強度を保ち、歩留まりよく製造でき、しかも経済性にも優れるという課題に対して開発されたクロム系ステンレス鉄筋であり、鉄筋腐食に起因したコンクリート構造物の崩落を防止できることはいうまでもなく、エポキシ被覆鉄筋のように施工に厳しい制約がなく、亜鉛めっき鉄筋のように防食期間に限りがあることなく、しかも主に海外で使用されているNi系や二相系ステンレス鉄筋よりも安価で、鉄筋として優れた特性を有するステンレス異形棒鋼を提案することを目的とする。
本発明者らは,上記の目的を達成すべく,異形棒鋼の耐食性に及ぼす合金元素の影響,重ね継ぎ手にした場合の耐食性に及ぼす節の形状の影響について調査を行った。その結果,鉄筋の鋼組成は当然重要であるが、それだけではなく節を特定形状(特定角度の斜め節による接点数の抑制、及び節先端のふくらみによる接触部の面積低減)とすることが有効であることを知見した。また、異形棒鋼に酸洗処理を施すことにより、さらにその効果は大きくなる。本発明は,このような知見に立脚するものである。
すなわち,本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.001%以上0.15%以下,Si:0.1%以上2.0%以下,Mn:0.1%以上2.0%以下,P:0.04%以下,S:0.03%以下,N:0.001%以上0.1%以下、Cr:10.5%以上25.0%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる重ね継ぎ手用の異形棒鋼であり、前記異形棒鋼の外面には、前記外面から凸出する断面視凸形状の節が、前記異形棒鋼の中心軸方向に対して45度〜85度の角度で延在し,前記外面において隣接して配置された前記節間の前記中心軸方向の距離が、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下である部分を有し、前記凸形状が、前記節の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有し、前記節の延在方向に垂直な方向の最大高さと、前記最大高さの位置から前記中心軸方向に垂直な方向に1000μm離れた位置の高さとの差が50μm以上であることを特徴とする,ステンレス異形棒鋼。
(2)さらに質量%で、Sn:0.001%以上1.0%以下を含有することを特徴とする前記(1)に記載のステンレス異形棒鋼。
(3)さらに質量%で、Ni:0.6%以下,Mo:0.5%以下,Cu:0.5%以下、Al:0.05%以下,Ca:0.05%以下、V:0.1%以下、B:0.01%以下、Bi:0.5%以下、Nb:0.5%以下、Ti: 0.5%以下、Mg:0.1%以下、Zr:0.5%以下、REM:0.1%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の耐食性に優れたステンレス異形棒鋼。
(4)(1)〜(3)の何れかに記載の成分に調整した溶鋼を鋳造してビレットとする溶製工程と、前記ビレットを熱間圧延して節を有する棒鋼とする熱間圧延工程と、前記棒鋼を酸洗する工程を含む仕上工程とを備え前記節として、外面から凸出する断面視凸形状のものであって、前記異形棒鋼の中心軸方向に対して45度〜85度の角度で延在するものであり,前記外面において隣接して配置された前記節間の前記中心軸方向の距離が、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下である部分を有し、前記凸形状が、前記節の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有し、前記節の延在方向に垂直な方向の最大高さと、前記最大高さの位置から前記中心軸方向に垂直な方向に1000μm離れた位置の高さとの差が50μm以上であるものを形成することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の耐食性に優れたステンレス異形棒鋼の製造方法。
(5)前記(1)〜(3)の何れかに記載のステンレス異形棒鋼を使用したコンクリート構造物。
本発明によれば,高い強度、十分な靱性およびコンクリートとの付着強度を有し、歩留まりよく製造でき、しかも、複合劣化環境での重ね継ぎ手においても,発錆し難い十分な耐食性を有するステンレス異形棒鋼を得ることができる。したがって、鉄筋として本発明のステンレス異形棒鋼を用いることにより、コンクリート構造物の耐久性を格段に向上させることができる。
図1は、本発明のステンレス異形棒鋼の一例を示した図であり、図1(a)は側面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。 図2(a)は図1(a)のA−A断面図であって、図1に示したステンレス異形棒鋼の節の周辺部分のみを示した拡大模式図であり、図2(b)は図1に示したステンレス異形棒鋼の拡大側面図であり、図2(c)は図1に示したステンレス異形棒鋼をリブに沿って切断した場合の外面の展開図である。 図3(a)〜図3(c)は、本発明のステンレス異形棒鋼の他の例を示した図である。 図4は、図1に示すステンレス異形棒鋼を用いて形成した重ね継ぎ手の一例を示した図であり、図4(a)は、ステンレス異形棒鋼同士の対向面における接触状態を説明するための説明図であり、図4(b)は図4(a)のB−B断面図である。 図5は、図1に示すステンレス異形棒鋼を用いて形成した重ね継ぎ手の他の例を示した図であり、図5(a)は、ステンレス異形棒鋼同士の対向面における接触状態を説明するための説明図であり、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。
以下,本発明について具体的に説明する。
まず,本発明において,ステンレス異形棒鋼の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、特に注記しない限り元素含有量の%は質量%を意味する。
C:0.001%以上、0.15%以下
Cは,オーステナイト相および炭化物の生成元素である。オーステナイト相は,熱間加工後においてマルテンサイト組織を生じて強度を向上させ,また微細炭化物も強度の向上に寄与する。しかしながら,C含有量が0.001%未満ではオーステナイト相および炭化物の生成量が少なすぎて強度不足となり,一方0.15%超では逆に炭化物が過剰に生成し、耐食性が劣化する。従って,C含有量は0.001%以上,0.15%以下の範囲に限定した。溶接部の靭性を確保するためには,C含有量は0.03%以下の範囲にすることが望ましい。また、C含有量は,優れた強度を有するものとするために、0.005%以上とすることが好ましい。
Si:0.1%以上,2.0%以下
Siは,脱酸剤として有用な元素である。脱酸不良は介在物増加と、それによる耐食性劣化につながるため、0.1%以上を添加する。しかし、2.0%を超えてSiを含有させると硬くなり機械的性質が劣化する。従って, Si含有量は0.1〜2.0%とし、好ましくは0.2〜1.0%とする。
Mn:0.1%以上,2.0%以下
Mnも,Cと同様,オーステナイト相生成元素であるが,含有量が0.1%未満だとオーステナイト相の生成が不十分となるため,熱間加工後のマルテンサイト組織が少なくなって,強度不足となる。一方,Mn含有量が2.0%超になると鋼中に残存する介在物が多くなり、耐食性が劣化する。従って, Mn含有量は0.1%以上2.0%以下の範囲とし、好ましくは0.3〜1.0%とする。
P:0.04%以下
Pは,原料から不可避的に混入する元素であり、靱性等の機械的性質を劣化させるだけでなく,耐食性に対しても有害な元素である。特にP含有量が0.04%を超えるとその悪影響が顕著になるので,P含有量は0.04%以下とし、好ましくは0.03%以下とする。
S:0.03%以下
Sは,Mnと結合してMnSを形成し,初期発銹起点となる。またSは,結晶粒界に偏析して,粒界脆化を促進する有害元素でもあるので,極力低減することが好ましい。特にS含有量が0.03%を超えるとその悪影響が顕著になるので,S含有量は0.03%以下とし、好ましくは0.01%以下とする。
N:0.001以上,0.1%以下
Nは,強度を高めるが,耐食性,靭性を劣化させるため上限を0.1%とし、好ましくは0.03%以下とする。また,N含有量が0.001%未満では強度向上の効果が得られ難いため、下限を0.001%とし、好ましくは0.005%以上とする。
Cr:10.5%以上、25.0%以下
Crは,本発明における耐食性発現成分として重要な元素である。本発明で対象にする鉄筋として,コンクリート中において海洋飛沫帯などの高濃度塩化物イオン濃度に対する耐食性を確保するためには,少なくとも10.5%以上のCrが必要である。一方,Cr含有量が25.0%超になると,耐食性は良くなるものの,フェライト相の生成量が多くなって溶接部の靱性不足となることやコストアップに繋がる。従って,Cr含有量は10.5%以上25.0%以下とした。靭性確保の観点からCr含有量は,18.0%以下が望ましい。また、Cr含有量は,優れた耐食性を有するものとするために、11.0%以上とすることが好ましい。
Sn:0.001%以上、1.0%以下
Snは耐食性を向上させるため、必要に応じて添加する元素である。耐食性向上効果を得るためにSn含有量の下限を0.001%とした。好ましくは0.01%以上である。過度の添加は、加工性と製造性の低下につながるとともに耐食性向上効果も飽和する。そのためSn含有量の上限を1.0%とした。好ましくは、Sn含有量の上限は、加工性と製造性を考慮して0.8%以下とする。より好ましくは耐食性、加工性、製造性のバランスの観点からSn含有量を0.05〜0.5%とする。また、Snを添加することにより、強度も20〜50N/mm高くなることから耐食性の高い高強度鉄筋を製造することも可能である。
本発明では、更に種々の目的に応じてNi,Mo,Cu,Al,Ca,V,B,Bi,Nb,Ti,Mg,Zr,REMから選ばれた1種又は2種以上を任意で添加することが出来る。
Ni:0.6%以下,
Niは,靱性を高める効果があり、必要に応じて0.05%以上添加する。一方、過剰に添加し過ぎるとマルテンサイト組織が析出し加工性を劣化させるため,Ni含有量の上限を0.6%とし、好ましくは0.5%以下とする。
Mo:0.5%以下
Moは,強度,耐食性を高めるため、必要に応じて0.01%以上添加する。一方、過剰な含有は、靭性を劣化させるためMo含有量の上限を0.5%とし、好ましくは0.45%以下とする。
Cu:0.5%以下
Cuは,耐食性を向上させる有用な元素であり,この効果を得るために必要に応じて0.03%以上添加する。一方、Cu含有量が0.5%超になると靭性が劣化する。従って, Cu含有量は0.5%以下とし、好ましくは0.45%以下とする。
Al:0.05%以下
Alは,脱酸剤として有用な元素であり、必要に応じて0.001%以上添加する。しかし,Al含有量が0.05%超になると靭性が劣化する。従って, Al含有量は0.05%以下とし、好ましくは0.045%以下とする。
Ca:0.05%以下
Caは,熱間加工性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.001%以上添加する。一方、Ca含有量が0.05%超になると靭性が劣化する。従って, Ca含有量は0.05%以下とし、好ましくは0.04%以下とする。
V:0.1%以下、
Vは,耐食性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.03%以上添加する。一方、V含有量が0.1%超になると靭性が劣化する。従って, V含有量は0.1%以下とし、好ましくは0.08%以下とする。
B:0.01%以下、
Bは,熱間加工性を向上させる有用な元素であり、必要に応じて0.0003%以上添加する。一方、B含有量が0.01%超になると靭性が劣化する。従って, B含有量は0.01%以下とし、好ましくは0.008%以下とする。
Bi:0.5%以下
Biは,耐食性及び切削加工性を向上させる有用な元素であり、必要に応じて0.005%以上添加する。一方、Bi含有量が0.5%超になると靭性が劣化する。従って, Bi含有量は0.5%以下とし、好ましくは0.4%以下とする。
Nb:0.5%以下
Nbは,耐食性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.003%以上添加する。一方、Nb含有量が0.5%超になると靭性が劣化する。従って, Nb含有量は0.5%以下とし、好ましくは0.4%以下とする。
Ti:0.5%以下
Tiは,耐食性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.003%以上添加する。一方、Ti含有量が0.5%超になると靭性が劣化する。従って, Ti含有量は0.5%以下とし、好ましくは0.4%以下とする。
Mg:0.1%以下
Mgは,耐食性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.0002%以上添加する。一方、Mg含有量が0.1%超になると靭性が劣化する。従って, Mg含有量は0.1%以下とし、好ましくは0.08%以下とする。
Zr:0.5%以下
Zrは,耐食性,熱間加工性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.03%以上添加する。一方、Zr含有量が0.5%超になると効果が飽和する。従って, Zr含有量は0.5%以下とし、好ましくは0.4%以下とする。
REM(La,Ce,Y等):0.1%以下
REMは、LaやCe、Y等のランタノイド系希土類元素の含有量の総和である。REMは,熱間加工性を向上させる有用な元素であり,必要に応じて0.03%以上添加する。一方、REM含有量が0.1%超になると靭性が劣化する。従って, REM含有量は0.1%以下とし、好ましくは0.08%以下とする。
次に,本発明者らは、鉄筋コンクリートの重ね継ぎ手にした場合に懸念される異形棒鋼間の接点付近に生じるすきま腐食を防止するための解決手法を検討した。その結果、異形棒鋼の形状を特定の条件に制御することで、すきま腐食に至りやすい空隙(すきま)の発生を抑制し、すきま腐食の問題を解決することが出来ることを見出した。
つまり、コンクリート中におけるすきま腐食に至りやすいすきまの発生を抑制するために、(A)重ね継ぎ手にした際の異形棒鋼間の接点数を減らすとともに(B)異形棒鋼間の接点となる節の上端形状を点接触となるように加工することが効果的であることを見出した。以下に、異形棒鋼の各条件について、例を挙げて説明する。
図1は、本発明のステンレス異形棒鋼の一例を示した図であり、図1(a)は側面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。また、図2(a)は図1(a)のA−A断面図であり、図1に示したステンレス異形棒鋼の節の周辺部分のみを示した拡大模式図であり、図2(b)は図1に示したステンレス異形棒鋼の拡大側面図であり、図2(c)は図1に示したステンレス異形棒鋼をリブに沿って切断した場合の外面の展開図である。
図1において、符号1は、ステンレス異形棒鋼(「異形棒鋼」と略記する場合がある)を示している。異形棒鋼1は、上記の成分組成を有するものであり、図1(b)に示すように、外面4に、外面4から凸出する断面視凸形状の節2が設けられているものである。したがって、図1に示す異形棒鋼1では、外面4の節2が設けられていない部分が、凹部とされている。
図1に示す異形棒鋼1においては、図1(b)に示すように、節2として、断面視2つの節2(第1節21および第2節22)が設けられている。図1(a)および図2(c)に示すように、第1節21と第2節22とは、中心軸6方向(図1および図2に示すX方向)に対して互いに対称方向に延在している。また、第1節21および第2節22は、図1(a)および図2(c)に示すように、それぞれ異形棒鋼1の中心軸6方向に対して45度〜85度の角度θ1、θ2で螺旋状に連続して設置されている。
図1に示す異形棒鋼1では、第1節21および第2節22の中心軸6方向に対する角度θ1、θ2が45度〜85度(第1節21および第2節22と中心軸6との広い方のなす角度は95度〜135度)とされているので、異形棒鋼1を用いて重ね継ぎ手を形成した際に、異形棒鋼1と、異形棒鋼1に重ね合わせられた他の異形棒鋼1との重なり部分において、節2同士が接触しやすい形となり、異形棒鋼1の外面4同士または外面4と節2とが接触する接点数を減少させることが出来る。節2同士が接触した接点は、異形棒鋼1の外面4同士または外面4と節2とが接触する接点と比較して、異形棒鋼1の中心軸6と、異形棒鋼1に重ね合わせられた他の異形棒鋼1との中心軸6との間の距離が広いものとなるため、コンクリートの充填されないすきまが形成されにくく、すきま腐食の発生が防止される。
節2の中心軸6方向に対する角度(図1においては第1節21、第2節22の中心軸6方向に対する角度θ1、θ2)が45度未満の場合は、節2の延在方向と中心軸6とのなす角度が小さく、節2の延在方向が中心軸6に平行な方向と近くなるので、異形棒鋼1を用いて重ね継ぎ手を形成した際に、異形棒鋼1の外面4と節2とが接触されやすくなる。また、節2の中心軸6方向に対する角度が85度超の場合は、節2の延在方向と中心軸6とのなす角度が大きく、節2の延在方向が中心軸6に垂直な方向に近くなるので、異形棒鋼1を用いて重ね継ぎ手を形成した際に、異形棒鋼1の外面4と節2とが接触されやすくなる。いずれの場合も異形棒鋼1を用いて重ね継ぎ手とした場合に異形棒鋼1の外面4と節2との間の接点数が増加することにより、すきま腐食が発生しやすくなる。
また、節2は、外面4において隣接して配置された節2間の中心軸6方向の距離d1が、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下である部分を有するものである。このことにより、異形棒鋼1には、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下の間隔を空けて対向配置された節2の側面と、節2の側面間に露出された外面4とからなる凹部が形成される。節2の側面間に露出された外面4は、凹部の底面に配置されることになるため、異形棒鋼1を用いて重ね継ぎ手を形成した際に、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下の間隔を空けて対向配置された節2の側面に妨げられて、他の異形棒鋼の外面や節と接触しにくいものとなる。
なお、公称直径とは、単位長さ当りの重量から算出した異形棒鋼の直径を意味する。
節2間の中心軸6方向の全ての距離d1が公称直径の0.5倍未満であると、異形棒鋼1を用いて重ね継ぎ手を形成した際に、異形棒鋼1の外面4同士または外面4と節2とが接触する接点数は少なくなる。しかし、全ての距離d1が公称直径の0.5倍未満であると、節2間が狭いものとなるため、節2同士が接触する接点が多くなることに起因するすきま腐食が発生しやすくなるとともに、異形棒鋼1の節2と、異形棒鋼1に重ね合わせられた他の異形棒鋼1の節2との間にコンクリートが入り込みにくくなり、コンクリートと異形棒鋼1との付着強度が低下する。また,節2間の中心軸6方向の全ての距離d1が2.0倍超であると、節2同士が接触する接点が少なくなって、すきま腐食が発生し難くなるものの、異形棒鋼1の外面4における節2同士の間隔が離れすぎ,異形棒鋼1のコンクリート内での抵抗力が低下し、コンクリートと異形棒鋼1との付着強度が低下する。
最も好ましい形態は、節2間の中心軸6方向の全ての距離d1が、公称直径の0.5倍以上、2.0倍以下の範囲内にあることで、この場合は本発明の効果が最も顕著に発揮される。
また、節2の凸形状は、図2(a)に示すように、円弧状であり、節2の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有するものとされている。また、節2の凸形状は、節2の延在方向に垂直な方向の最大高さH1の位置2aと、最大高さH1の位置2aから中心軸6方向に垂直な方向に1000μm(図2(a)において符号d4で示す)離れた位置2bの高さH2との差(H1−H2)が50μm以上であるものとされている。
なお、節2の最大高さH1とは、図2(a)に示すように、中心軸6方向に垂直な方向の断面における節2の側面と外面4との境界から、節2の最大高さH1の位置2aまでの節2の最大高さH1の位置2aと中心軸6とを繋ぐ直線L1の長さを意味する。また、図2(a)に示す位置2bの高さH2とは、中心軸6方向に垂直な方向の断面における節2の側面と外面4との境界から、節2の位置2bまでの節2の最大高さH1の位置2aと中心軸6とを繋ぐ直線L1の長さを意味する。
すきま腐食の発生には、臨界のすきま間隔があることが知られている。したがって、節2の延在方向に垂直な方向の最大高さHが1点のみであって、節2の最大高さHとそれ以外の位置との高さの差が大きければ、最大高さHの位置2aに形成される重ね合わせられた他の異形棒鋼1との接点の周囲の領域において、異形棒鋼1と他の異形棒鋼1との間のすきまが大きくなり、すきま腐食が発生し難くなる。
本発明者が鋭意検討した結果、節2の延在方向に垂直な方向の最大高さH1の位置2aと、最大高さH1の位置2aから中心軸6方向に垂直な方向に1000μm離れた位置2bの高さH2との差(H1−H2)が50μm未満であると、すきま腐食の発生が顕著になることが分かった。このため、最大高さH1と上記高さH2との差を50μm以上とした。
図3(a)〜図3(c)は、本発明のステンレス異形棒鋼の他の例を示した図である。
本発明のステンレス異形棒鋼においては、図1に示す異形棒鋼1のように、節2として、断面視2つの節2(第1節21および第2節22)が設けられていてもよいが、第1節21と第2節22のうち一方のみを設けることにより、図3(a)に示すように、断面視1つの節23が設けられている異形棒鋼12であってもよいし、断面視3つ以上の節2が設けられているものであってもよい。また、断面視における節の個数は、節の配置や断面を切る箇所によっても異なり、特に限定されるものではないが、全ての断面において断面視1つ以上の節2が設けられていることが好ましい。
節2として、断面視2つ以上の節2が設けられている場合、異形棒鋼1のコンクリート内での抵抗力をより一層向上させ、コンクリートと異形棒鋼1との付着強度をより一層高めるために、図1に示す異形棒鋼1のように、少なくとも1つの節2の延在方向が異なっていることが好ましい。
図1に示す異形棒鋼1においては、節2として、中心軸6方向に対して互いに対称方向に延在する第1節21と第2節22とが設けられ、第1節21の延在方向と第2節22の延在方向とが互いに直交している。しかし、本発明のステンレス異形棒鋼においては、第1節21と第2節22との交差する角度は直交でなくてもよいし、中心軸6方向に対して互いに対称方向でなくてもよく、特に限定されるものではなく、平行であってもよい。
なお、本発明においては、延在方向の異なる断面視2つ以上の節2が設けられている場合、少なくとも1つの節2の延在方向と中心軸6方向とのなす角度が上記の範囲内であればよいが、図1に示す異形棒鋼1のように、全ての節2の延在方向の中心軸6方向に対する角度が上記の範囲内であることが好ましい。
また、本発明においては、図1に示す異形棒鋼1および図3(a)に示す異形棒鋼12のように、節が螺旋状に連続して設置されているものであってもよいが、図3(b)に示すように、異形棒鋼13の外面4にそれぞれ独立して配置された断面視環状の節24、25、26、27が形成されているものや、図3(c)に示すように、節28a、28b、29a、29bが断面視で異形棒鋼14の外面4の外周の長さよりも短い長さで外面4上に延在して設置されているものであってもよい。
図3(b)に示す異形棒鋼13の節24、25、26、27の中心軸6方向に対する角度は、全て同じであってもよいし、全てまたは一部が異なっていてもよい。
また、図3(c)に示す異形棒鋼13の節28a、28b、29a、29bの中心軸6方向に対する角度も、全て同じであってもよいし、全てまたは一部が異なっていてもよい。
また、図1に示す異形棒鋼1においては、節2として、円弧状の凸形状を有するものを例に挙げて説明したが、節2の凸形状は、図2(a)に示すように、節2の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有するものであって、上記最大高さH1と上記高さH2との差が、50μm以上であればよく、例えば、三角形状であっても良い。
その他の節2の形状や配置は、本発明の異形棒鋼1を利用する環境や必要とする特性に応じて、適宜設定することが出来、幾つかの例を以下に示す。
図2(a)に示すように、節2の延在方向に垂直な方向の最大高さH1は,異形棒鋼1とコンクリートとの付着強度を確保するため、公称直径の2.0%以上とすることが望ましい。節2の最大高さH1の上限は特に定めないが、加工性を考えると公称直径の20%以下とすることが望ましい。更に好ましい節2の最大高さH1は、4.0〜10%である。
また,図2(c)に示す節2の延在方向の幅Dは特に規定しないが,小さすぎると疵が付きやすく曲げ加工を行った場合に割れの起点となり易い。また節2の幅Dが大きすぎると節2の表面においてコンクリートとの滑りが生じ易くなり、付着強度向上の効果が無くなる。以上より節の幅Dは1mm以上10mm以下が望ましい。
また、図1に示す異形棒鋼1においては、異形棒鋼1の強度を向上させるために、図1(a)および図1(b)に示すように、外面4から凸出する断面視凸形状のリブ3が設けられている。図1(a)および図1(b)に示すように、リブ3は、異形棒鋼1の中心軸6方向に沿って延在して配置されている。図1に示す異形棒鋼1においては、リブ3として、中心軸6を介して対向配置された第1リブ31と第2リブ32とが設けられている。
図1に示す異形棒鋼1においては、本発明のステンレス異形棒鋼の一例として、第1リブ31と第2リブ32の2本のリブ3が設けられている場合を例に挙げて説明するが、リブ3は設けられていなくてもよいし、第1リブ31と第2リブ32のうち一方のみが設けられていてもよいし、2本以上のリブが設けられていてもよい。
2本以上のリブ3が設けられている場合、リブ3間の中心軸6方向に垂直な断面における外面に沿った最短距離は、中心軸に垂直な断面の外周長さの1/4以上であることが好ましい。
また、リブ3の凸形状は、リブ3の延在方向(中心軸6方向)に垂直な方向に1点の高さの極大値を有するものであって、中心軸6方向に垂直な方向の最大高さ位置と、前記最大高さ位置から中心軸6方向に垂直な方向に1000μm離れた位置とにおける高さの差が50μm以上であることが好ましい。
なお、リブ3の最大高さとは、中心軸6方向に垂直な方向の断面におけるリブ3の側面と外面4との境界から、リブ3の最大高さの位置までのリブ3の最大高さの位置と中心軸6とを繋ぐ直線の長さを意味する。また、リブ3の最大高さから中心軸6方向に垂直な方向に1000μm離れた位置の高さとは、中心軸6方向に垂直な方向の断面におけるリブ3の側面と外面4との境界から、上記の1000μm離れた位置までのリブ3の最大高さの位置と中心軸6とを繋ぐ直線の長さを意味する。
また、リブ3の凸形状は、節2の凸形状と同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、中心軸6と軸線の中心軸6方向に垂直な断面との交点が重心である。
図1に示す異形棒鋼1においては、外面4に、外面4から凸出する断面視凸形状の節2が、異形棒鋼1の中心軸6方向に対して45度〜85度の角度で延在し,外面4において隣接して配置された節2間の中心軸6方向の距離d1が、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下である部分を有し、節2の凸形状が、節2の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有し、節2の延在方向に垂直な方向の最大高さH1と、最大高さH1の位置2aから中心軸6方向に垂直な方向に1000μm離れた位置2bの高さH2との差が50μm以上であるであるので、(A)重ね継ぎ手にした際の異形棒鋼1間の接点数を減らすとともに、(B)異形棒鋼1間の接点となる節2の凸形状を点接触となるようにすることができる。
すなわち、上記(A)については、異形棒鋼1に所定の角度および間隔で配置された節2を形成することによって達成され、上記(B)については、節2(リブ3を設ける場合は、好ましくは節2およびリブ3)の凸形状を所定の形状とすることによって達成される。
その結果、図1に示す異形棒鋼1においては、異形棒鋼1間の面接触が防止され、コンクリート中におけるすきま腐食に至りやすいすきまの発生が抑制され、優れた耐すきま腐食性が得られる。
図4は、図1に示すステンレス異形棒鋼を用いて形成した重ね継ぎ手の一例を示した図であり、図4(a)は、ステンレス異形棒鋼同士の対向面における接触状態を説明するための説明図であり、図4(b)は図4(a)のB−B断面図である。
図4に示す重ね継ぎ手においては、異形棒鋼1と、異形棒鋼1に重ね合わせられた他の異形棒鋼11との重なり部分において、異形棒鋼1の第2節22と、他の異形棒鋼11の第2節22と延在方向の異なる第1節21とが接触しており、節2同士(第1節21と第2節22)が接触した接点51は、図4(a)および図4(b)に示すように、点接触となっている。
図5は、図1に示すステンレス異形棒鋼を用いて形成した重ね継ぎ手の他の例を示した図であり、図5(a)は、ステンレス異形棒鋼同士の対向面における接触状態を説明するための説明図であり、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。
図5に示す重ね継ぎ手においては、異形棒鋼1と、異形棒鋼1に重ね合わせられた他の異形棒鋼11との重なり部分において、異形棒鋼1の第2節22と、他の異形棒鋼11の第1リブ31とが接触しており、第2節22と第1リブ31とが接触した接点52は、図5(a)および図5(b)に示すように、点接触となっている。
次に、図1に示す異形棒鋼1の代表的な製造条件を以下に示す。
(1)溶製
スクラップ等のFe,Cr原料を電気炉にて溶解した溶鋼を,AOD(Argon Oxygen Decarburization)法等により脱炭し、上記の成分に調整した成分調整したものを,連続鋳造にてビレットを製造する。
(2)熱間圧延
ビレットを,1100〜1200℃に加熱したのち,熱間圧延より節2およびリブ3を有する図1に示す形状の異形棒鋼1あるいは図1に示す形状の線材とする。
(3)仕上工程
熱間圧延により製造した棒鋼あるいは線材は,矯直等を施して使用することが可能であるが,必要に応じて適当な熱処理により強度を調整する。また,より耐食性を向上させる場合には,熱間圧延後,場合によっては,ショットブラストを施し,さらには硝酸+弗酸等による脱スケール処理(酸洗)を施す。仕上工程において、異形棒鋼1あるいは線材に対して酸洗する工程を行うことにより、良好な表面性状が得られ、容易に本発明の形状の異形棒鋼が得られる。
以上に説明してきた本発明のステンレス異形棒鋼は、重ね継手にした際の耐すきま腐食性に優れるので、コンクリート構造物に使用することが好ましい。コンクリート構造物のコンクリート種類には制限は無く、一般的に用いられている普通ポルトランドセメント等を自由に用いることが出来る。また、本発明のステンレス異形棒鋼は、例えば、端部に他の異形棒鋼1の端部を重ね合わせて、ワイヤーなどを用いて結束することにより、重ね継手として使用できる。
表1に示す成分組成になる50kg鋼塊を真空溶解した。ついで,鋼塊(ビレット)の表面5mmを研削したのち,1200℃,1hの焼鈍を施し,熱間圧延により表2に示す節(または節およびリブ)を有する公称直径10mm〜25mmのNo.1〜No.42の異形棒鋼(鉄筋)とした。その後、No.18およびNo.19を除く異形棒鋼に,ショットブラストと弗酸と硝酸の混合酸による脱スケール処理(酸洗)を施した。
Figure 0005934551
Figure 0005934551
表2に、No.1〜No.42の異形棒鋼の公称直径、リブの有り/無し、節と中心軸とのなす角度、公称直径に対する外面において隣接して配置された節間の中心軸方向の距離の割合(節−節間隔/公称直径)、節の延在方向に垂直な方向の最大高さH1と、最大高さH1の位置から中心軸方向に垂直な方向に1000μm離れた位置の高さH2との差(H1−H2)を示す。なお、本実施例では、実際に作成した異形棒鋼がイメージしやすいように、全ての節角度を表2記載の角度で同一にし、また、節−節間の距離も全て同一とした。そのため、表2には節−節間の距離/公称直径を単一の値で記載している。
また、No.1〜No.42の異形棒鋼においては、節およびリブの延在方向に垂直な方向の断面形状を同じとし、表2における凸形状とは円弧状の形状を意味している。また、表2における節と中心軸とのなす角度は、節の延在方向と異形棒鋼の一端から他端に向かう一方向の中心軸方向とのなす角度として記載した。したがって、表2において、節と中心軸とのなす角度の欄に2つの角度が記載されている場合には、一方向の中心軸方向に対して異なる方向に延在する断面視で2つの節を有することを意味し、1つの角度が記載されている場合には、断面視で1つの節を有することを意味する。また、No.1〜No.42の異形棒鋼においては、リブとして、中心軸方向に沿って延在し、中心軸を介して対向配置された2つのリブを設けた。
このようにして得られたNo.1〜No.42の異形棒鋼に対して、以下に示す耐食試験を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0005934551
長さ120mmの鉄筋同士を線径0.5mmのSUS304製ワイヤーで結束して重ね継手を作製し、コンクリート中での耐食試験を実施した。
コンクリートの配合は、普通ポルトランドセメントを使用し、粗骨材の最大寸法(Gmax)20mm、セメント300g/m,水180g/m,水セメント質量比(W/C)0.60とした。塩害・中性化環境の想定に対してコンクリート中にNaClを練り混ぜ,塩化物イオン濃度を24kg/mとした。鉄筋表面への中性化進行を早めるため,試験体にあらかじめひび割れを導入した。試験体は,3点曲げによって載荷し0.3mm幅のひび割れを導入した。
試験体(コンクリート)の大きさを100mm×100mm×100mm,鉄筋重ね継手サイズを120mmとし、鉄筋両端部をコンクリート外に出し、鉄筋の重ね継手側の端部より長さ50mmまでの部分をエポキシ樹脂で防錆処理した。継手の両鉄筋がかぶり15mmとなるようにウレタンフォームで型枠を固定しコンクリートを打設した。
コンクリート打設後、脱型し,養生を行った。中性化養生は,炭酸ガス濃度5%,温度20℃,湿度60%の条件で行った。中性化深さは,同時に作製した別のコンクリート試験体にてフェノールフタレイン液によって中性化したことを確認し,深さ15mmに達した時点で中性化養生を終了した。
腐食試験は、温度40℃,湿度10%の乾燥過程4日間,温度40℃,湿度95%の湿潤過程3日間を1サイクル(7日間)とする乾湿繰り返し試験を50サイクルまで実施した。その後試験体を割裂し鉄筋を取出した。
耐食試験の評価は、重ね継ぎ手の接点の腐食状況、すなわち接点に発生した発銹のうち最大の発銹点面積を、接点以外の部分で発生した最大発銹点面積に比べ50%以下の場合、すきま腐食抑制効果大(○)とし、50%超100%以下の場合はすきま腐食抑制効果あり(△)とし、100%を超える場合はすきま腐食抑制効果なし(×)とした。
他の評価項目としては、引張強さと付着強度がある。
引張強さについては、JIS Z 2241:1998により鉄筋の引張り試験を実施し、JIS G 4322:2008表3に規定されている引張強さの範囲を適合範囲とした。すなわち、強度区分295Aの範囲より下がる場合を不適合とした。
付着強度に関しては、鉄筋コンクリート製造条件として、粗骨材981kg/m,細骨材853kg/m,ポルトランドセメント300kg/m,水190kg/mの組成のコンクリートをJIS A1132:1999に準じ1辺が15センチの立方形供試体を作製した(材齢28日)。その後、JSCE・G503.1999に準じ28日間20℃水中養生を行った後付着強度試験を行い、付着強度を求めた。
付着強度は、通常相対的に評価される項目であるため、本発明で基準とする形状の異形棒鋼と比較して80%以上を適合範囲とした。
本実施例においては、基準とする形状の異形棒鋼として、公称直径12.7mm、節と中心軸とのなす角度を60度と120度、公称直径に対する外面において隣接して配置された節間の中心軸方向の距離の割合(節−節間隔/公称直径)を異形棒鋼全域で1.3に統一、節の延在方向に垂直な方向の最大高さ(H1)1mm、節の延在方向に垂直な方向の幅(節の幅)2mmの条件とした。この異形棒鋼の付着強度(最大付着応力度)は12.9N/mmであった。
表3に示すように,本発明の異形棒鋼は、耐食試験の評価が○であり、すきま腐食抑制効果が明確である。また、引張強さおよび付着強度も良好であった。
次に,比較例について説明する。
No.24〜36:成分が本発明の範囲外であり、耐食性が劣化する場合がみられた。
No.24:C量が少ない場合であり、耐食試験の評価は○であるが、引張強さがJIS G4322のいずれの強度区分よりも下回ったため不適合であった。
No.28:Mn量が少ない場合であり、耐食試験の評価は○であるが、引張強さがJIS G4322のいずれの強度区分よりも下回ったため不適合であった。
No.32:Cr量が少ない場合であり、鉄筋自身の耐食性が低く、すきま腐食抑制効果はみられなかった。
No.33:Cr量が多い場合であり、耐食試験の評価は○であるが、靭性不足のため最終圧延で一部割れが発生し、歩留低下したため不適合とした。
No.36:Sn量が多い場合であり、耐食試験の評価は○であるが、最終圧延で一部割れが発生し、歩留低下したため不適合とした。
No.37,No.38:節と中心軸とのなす角度が本発明の範囲外であり、異形棒鋼の外面と節とが接触しやすくなり、すきま腐食が発生しやすくなったため、すきま腐食抑制効果はみられなかった。
No.39:節と節との間隔が狭くなって鉄筋の節同士の接点が多くなり、すきま腐食が発生しやすくなったため、すきま腐食抑制効果はみられなかった。
No.40:節と節との間隔が広くなり付着強度が低くなった。
No.41:節の断面形状が凹形状で中央にすきま腐食が発生し、すきま腐食抑制効果がみられなかった。
No.42:節の高さの差(R1−R2)が小さく、すきま腐食抑制効果がみられなかった。
1・・・異形棒鋼、2・・・節、4・・・外面、3・・・リブ、6・・・中心軸、11・・・他の異形棒鋼、21・・第1節、22・・・第2節、31・・・第1リブ、32・・・第2リブ、51、52・・・接点、H1・・・最大高さ、D・・・幅、d1・・・距離。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.001%以上0.15%以下,
    Si:0.1%以上2.0%以下,
    Mn:0.1%以上2.0%以下,
    P:0.04%以下,
    S:0.03%以下,
    N:0.001%以上0.1%以下、
    Cr:10.5%以上25.0%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる重ね継ぎ手用の異形棒鋼であり、
    前記異形棒鋼の外面には、前記外面から凸出する断面視凸形状の節が、前記異形棒鋼の中心軸方向に対して45度〜85度の角度で延在し,
    前記外面において隣接して配置された前記節間の前記中心軸方向の距離が、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下である部分を有し、
    前記凸形状が、前記節の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有し、前記節の延在方向に垂直な方向の最大高さと、前記最大高さの位置から前記中心軸方向に垂直な方向に1000μm離れた位置の高さとの差が50μm以上であることを特徴とする,ステンレス異形棒鋼。
  2. さらに質量%で、
    Sn:0.001%以上1.0%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載のステンレス異形棒鋼。
  3. さらに質量%で、
    Ni:0.6%以下,
    Mo:0.5%以下,
    Cu:0.5%以下、
    Al:0.05%以下,
    Ca:0.05%以下、
    V:0.1%以下、
    B:0.01%以下、
    Bi:0.5%以下、
    Nb:0.5%以下、
    Ti:0.5%以下、
    Mg:0.1%以下、
    Zr:0.5%以下、
    REM:0.1%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐食性に優れたステンレス異形棒鋼。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の成分に調整した溶鋼を鋳造してビレットとする溶製工程と、
    前記ビレットを熱間圧延して節を有する棒鋼とする熱間圧延工程と、
    前記棒鋼を酸洗する工程を含む仕上工程とを備え、
    前記節として、外面から凸出する断面視凸形状のものであって、前記異形棒鋼の中心軸方向に対して45度〜85度の角度で延在するものであり,
    前記外面において隣接して配置された前記節間の前記中心軸方向の距離が、公称直径の0.5倍以上2.0倍以下である部分を有し、
    前記凸形状が、前記節の延在方向に垂直な方向に1点の高さの極大値を有し、前記節の延在方向に垂直な方向の最大高さと、前記最大高さの位置から前記中心軸方向に垂直な方向に1000μm離れた位置の高さとの差が50μm以上であるものを形成することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の耐食性に優れたステンレス異形棒鋼の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のステンレス異形棒鋼を使用したコンクリート構造物。
JP2012080565A 2012-03-30 2012-03-30 コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼 Active JP5934551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012080565A JP5934551B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012080565A JP5934551B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013209834A JP2013209834A (ja) 2013-10-10
JP5934551B2 true JP5934551B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=49527901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012080565A Active JP5934551B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5934551B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112143967A (zh) * 2020-08-26 2020-12-29 盐城市联鑫钢铁有限公司 一种低成本微钒超细晶钢筋及其轧制工艺

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113530090A (zh) * 2021-08-06 2021-10-22 湖南三泰新材料股份有限公司 一种不锈钢复合耐火钢筋及其制造方法
JP7081062B1 (ja) * 2022-02-21 2022-06-06 利弘 岩▲崎▼ 鋭角ネジ節鉄筋及び軽量継手

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51124663A (en) * 1975-04-24 1976-10-30 Kobe Steel Ltd Mill rolls for deformed steel bar
JPH07109549A (ja) * 1993-10-07 1995-04-25 Daido Steel Co Ltd 耐海水用オーステナイト系ステンレス鋼
JP4465883B2 (ja) * 2001-01-17 2010-05-26 Jfeスチール株式会社 コンクリート中での耐食性に優れた鉄筋用Cr含有棒鋼および鉄筋コンクリート構造物
JP4624904B2 (ja) * 2005-10-21 2011-02-02 新日鐵住金ステンレス株式会社 コンクリート構造物中における耐久性に優れたステンレス異形棒鋼

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112143967A (zh) * 2020-08-26 2020-12-29 盐城市联鑫钢铁有限公司 一种低成本微钒超细晶钢筋及其轧制工艺
CN112143967B (zh) * 2020-08-26 2021-06-15 盐城市联鑫钢铁有限公司 一种低成本微钒超细晶钢筋及其轧制工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013209834A (ja) 2013-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5908936B2 (ja) フランジ用フェライト系ステンレス鋼板とその製造方法およびフランジ部品
KR100628360B1 (ko) 고강도 전기저항용접 파이프용 열연강대
KR101339484B1 (ko) 고강도 스테인리스 파이프
US20120031530A1 (en) Stainless steel for oil well, stainless steel pipe for oil well, and method of manufacturing stainless steel for oil well
JP4624904B2 (ja) コンクリート構造物中における耐久性に優れたステンレス異形棒鋼
KR101830563B1 (ko) 오스테나이트계 스테인리스강
AU2018203405B2 (en) Cold-rolled narrow strip in the form of flat wire or profiled elements made of a high-strength steel for use in flexible pipes, in particular in flexible pipes for offshore applications, and method for producing such cold-rolled narrow strips
EP2231892B1 (en) Corrosion resistant steel for marine applications
JP5435179B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼
KR20190031294A (ko) 고강도 박육 중공 스태빌라이저용 전봉 강관 및 그 제조 방법
JP6327360B2 (ja) 窒化部品の製造方法及び窒化用鋼材
CN108026618B (zh) 结构用高强度厚钢板及其制造方法
JP6112273B1 (ja) フェライト系ステンレス熱延鋼板および熱延焼鈍板、ならびにそれらの製造方法
JP5934551B2 (ja) コンクリート構造物中における耐食性に優れたステンレス異形棒鋼
KR101850231B1 (ko) 페라이트계 스테인리스강 및 그 제조 방법
JP6175984B2 (ja) 鋼矢板及びその製造方法
JP5934550B2 (ja) コンクリート構造物中における耐食性に優れたクロム含有異形棒鋼
JP4465883B2 (ja) コンクリート中での耐食性に優れた鉄筋用Cr含有棒鋼および鉄筋コンクリート構造物
JP3845366B2 (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた耐食鋼
JP4770485B2 (ja) 機械的性質とコンクリート中での耐食性に優れた鉄筋用Cr鋼
JP5408598B2 (ja) ステンレス鉄筋およびその製造方法
JP2017179482A (ja) ラインパイプ用電縫鋼管及びその製造方法
JP7226595B2 (ja) ラインパイプ用電縫鋼管
JP5089103B2 (ja) 耐食性に優れたステンレス鋼
JP2001247935A (ja) 耐震性および耐候性に優れた圧延形鋼とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5934551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250