JP5933044B2 - ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換え抗体及びこれらの使用 - Google Patents

ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換え抗体及びこれらの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP5933044B2
JP5933044B2 JP2014559092A JP2014559092A JP5933044B2 JP 5933044 B2 JP5933044 B2 JP 5933044B2 JP 2014559092 A JP2014559092 A JP 2014559092A JP 2014559092 A JP2014559092 A JP 2014559092A JP 5933044 B2 JP5933044 B2 JP 5933044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cdr
antibody
acetyl
glycolyl
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014559092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015516367A (ja
Inventor
フリアス、エルネスト モレノ
フリアス、エルネスト モレノ
ドランテス、ゲルトルディス ロヤス
ドランテス、ゲルトルディス ロヤス
パソス、アナ ヴィクトリア カサデサス
パソス、アナ ヴィクトリア カサデサス
Original Assignee
セントロ ド インムノロジア モレキュラー
セントロ ド インムノロジア モレキュラー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=48039960&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP5933044(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by セントロ ド インムノロジア モレキュラー, セントロ ド インムノロジア モレキュラー filed Critical セントロ ド インムノロジア モレキュラー
Publication of JP2015516367A publication Critical patent/JP2015516367A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5933044B2 publication Critical patent/JP5933044B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/30Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants from tumour cells
    • C07K16/3076Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants from tumour cells against structure-related tumour-associated moieties
    • C07K16/3084Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants from tumour cells against structure-related tumour-associated moieties against tumour-associated gangliosides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/33Crossreactivity, e.g. for species or epitope, or lack of said crossreactivity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]

Description

本発明は、バイオテクノロジーの分野、特に、ヒトの健康に関する。本発明は、遺伝子操作によって修飾されたモノクローナル抗体を提供し、腫瘍の療法及び/又は診断のためのこれらの抗体及びその断片の使用を記載する。
腫瘍関連抗原としてのN−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシド
ガングリオシドは、脊椎動物の原形質膜中に見つかるシアル酸含有スフィンゴ糖脂質である。これらの分子は、様々な機能、例えば、細胞接着、信号伝達、組織の発達及び分化などに関与し、腫瘍進行にも関与する(Hakomori、PNAS USA、99:225〜32、2002)。
いくつかのガングリオシドは、ある特定のタイプのがんにおいて発現され、又は発現が増大しているので、腫瘍関連抗原として特徴付けられている。N−グリコリルGM3(NeuGc−GM3)及びN−アセチルGM3(NeuAc−GM3、又は単にGM3)は、腫瘍関連抗原である。
本発明は、N−グリコリルGM3及びN−アセチルGM3の両方に高親和性で結合するモノクローナル抗体に関する。
NeuGc−GM3は、正常なヒト組織中で発現されないが(Varki、Biochimie、83:615〜22、2001)、いくつかのタイプの腫瘍中で見つかる(Marquinaら、Cancer Res、56:5165〜71、1996;Fernandezら、Expert Rev Vaccines、2:817〜23、2003)。
N−アセチルGM3は、正常なヒト組織中で一般的であるが(Structure and Function of Gangliosides、Plenum Press、New York−London、533〜540頁、1980におけるSvennerholm;Prokazovaら、Biochemistry(Moscow)、74:235〜49、2009)、これは、様々なタイプのがんにおいて過剰発現されるので、腫瘍関連抗原として定義されている(Herseyら、Int J Cancer、41:336〜43、1988;Ravindranathら、Biochem Biophys Res Commun 353:251〜8、2007;Noguchiら、Glycobiology、16:641〜50、2006)。がん免疫療法の標的としてどの抗原に優先順位をつけるべきかを明確化することを目的とした、米国国立がん研究所によって調整された最近の試験では、GM3は、この試験で選択された75抗原の中で48番目の位置を占めた(Cheeverら、Clinical Cancer Res、15:5323〜37、2009)。
N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドは、非常に類似した構造を有する。これらは、3つの単糖単位(シアル酸、ガラクトース、及びグルコース)、並びにセラミド末端を含む。2種のガングリオシドは、N−アセチルシアル酸(NeuAc)の窒素官能基中に存在するメチル基の酵素的水酸化のみのために互いに異なり、N−アセチルシアル酸は、このように変換されてN−グリコリルシアル酸(NeuGc)になる。言い換えれば、NeuAc−GM3及びNeuGc−GM3は、単にこれらのシアル酸単位中で水酸基が水素原子と置換しているために互いに異なる。しかし、この小さな構造上の差異は、顕著に異なる免疫系による認識をもたらす(Portoukalian、Clin Rev Allergy Immunol、19:73〜78、2000;Varki、Biochimie、83:615〜22、2001)。
N−アセチルGM3を認識するモノクローナル抗体
GM3(N−アセチル)を認識するマウス又はヒト起源のいくつかのモノクローナル抗体:M2590 mAb(マウスIgM)(Hirabayashiら、J Biol Chem、260:13328〜33、1985);FCM1 mAb(ヒトIgM)(Yamaguchiら、PNAS、84:2416〜20、1987);DH2 mAb(マウスIgG)(Dohiら、Cancer Res、48、5680〜5、1988);GMR6 mAb(マウスIgM)(Kotaniら、Biochim Biophys Acta、1117:97〜103、1992);L612 mAb(ヒトIgM)(Hoonら、Cancer Res、53:5244〜20、1993);mAb「17」、及びAH18(ヒトIgM)(Brandtら、米国特許第5610280号(1997年));GMA1 mAb(ヒトIgG)(Mukerjeeら、Hybridoma、17:133〜42、1998)が文献に記載されている。これらの8つの抗体から、mAb DH2及びL612は、GM3に特異的であることが示された一方、他の6つの抗体は、他のガングリオシドに向けて拡張された反応性を示す。これらの抗体のいずれも、N−グリコリルGM3も他のN−グリコリル化ガングリオシドも認識することが示されていない。
より最近の報告では、3種の抗GM3抗体(GM3A6、GM3A8、及びGM3A15と呼ばれる)が、単鎖Fv(scFv)断片のファージディスプレイライブラリーから得られた。このライブラリーは、がん患者の群の抗体遺伝子レパートリーから構築された(Leeら、J Am Chem Soc、124:12439〜46、2002)。これらの断片の解離定数(KD)は、SPR/Biacoreによって求められた場合、10−5〜10−7Mの桁であった。
一般に、抗ガングリオシドモノクローナル抗体の親和性は、低/中程度の範囲内であることが判明している。これらの抗体のいくつかのFab断片についてSPR/Biacoreによって測定された解離定数は、10−6〜10−7Mの桁内であり(Catimelら、Glycobiology、8:927〜38;Boffeyら、J Neuroimmunol、165:92〜103、2005;Townsonら、Glycobiology、17:294〜303、2007)、ほんのわずかな例外、例えば、10−8Mの桁内のKDを示す抗GD2及び抗GD1b断片を伴う(Boffeyら、J Neuroimmunol 165:92〜103、2005;Huら、J Immunol:183;5748〜55、2009)。
特にN−アセチルGM3について、その低免疫原性は、高親和性IgG抗体を得ることに対して深刻な障害を代表する(Livingstonら、Cancer Immunol Immunother、29:179〜84、1989;Portoukalian、Clin Rev Allergy Immunol、19:73〜8、2000)。
抗N−アセチルGM3抗体を用いた前臨床結果及び臨床結果
インビトロ及びインビボ抗腫瘍活性の証拠がmAbs DH2及びL612について公開されている。mAb DH2は、インビトロで抗体依存性細胞毒性を誘導し、C57BL/6マウスにおいてBl6黒色腫細胞の増殖を阻害した(Dohiら、Cancer Res、48、5680〜5、1988)。mAb L612は、N−アセチルGM3を発現するがん細胞を用いたインビトロ実験で補体依存性細胞傷害を生じさせた(Nishinakaら、J Immunogenetics、48:73〜5、1998)。六量体IgMフォーマットを示す、この抗体の操作されたバージョンは、補体依存性細胞死を生じさせる能力の増大、及びマウスにおけるより大きい抗腫瘍効果を示した(Azumaら、Clin Cancer Res、13:2745〜50、2007)。
mAb L612は、転移性黒色腫を有する9人の患者を伴った第I相試験において診療所で使用された(Irieら、Cancer Immunol Immunother、53:110〜7、2004)。現在のところ、これが、報告された抗N−アセチルGM3抗体の唯一の臨床試験である。何人かの患者は、処置に対して臨床反応を示した。さらに、正常組織中でN−アセチルGM3が遍在するにもかかわらず、この抗体は、有毒な効果を生じなかった。
N−アセチルGM3ガングリオシドも、診療所、即ち、黒色腫患者におけるGM3/VSSPワクチンの第I相試験において能動免疫療法の標的である(Guthmannら、J Immunother、27:242〜51、2004)。以前に、サルにおいて12か月の間に実施された実験で、このワクチンは、有毒な効果を生じることなく、IgM及びIgGアイソタイプの両方の強い抗GM3抗体応答を生じさせた(Badaら、Exp Toxicol.、21:263〜7、2002)。臨床試験では、患者において生じた抗N−アセチルGM3抗体は、IgMアイソタイプのものであった。念頭に置く有毒な効果は、まったく観察されなかった。
N−グリコリルGM3を認識するモノクローナル抗体
N−グリコリルGM3を認識するが、そのN−アセチル化バリアントを認識しない2種のモノクローナル抗体:mAb P3(マウスIgM)(Vazquezら、Hybridoma、14:551〜56、1995)及びmAb 14F7(マウスIgG)(Carrら、Hybridoma、19:241〜47、2000)が、文献に記載されている。P3抗体は、他のN−グリコリル化ガングリオシドも認識し(Morenoら、Glycobiology、8、695〜708、1998)、一方、14F7抗体は、N−グリコリルGM3に対して特異的である。
本発明の主題である抗体の概念設計及び遺伝子操作は、14F7抗体の可変ドメインのアミノ酸配列及び結晶構造に基づく(Krengelら、J Biol Chem、279:5597〜603、2004)。
14F7モノクローナル抗体
受託コードECACC98101901の下に寄託されたハイブリドーマによって生成されたモノクローナル抗体14F7は、欧州特許出願第0972782号に記載されている。この抗体のヒト化バリアント及び断片は、特許出願WO2004/094477に記載されている。
mAb 14F7は、高特異性(Carrら、Hybridoma、19:241〜47、2000)及び高親和性でN−グリコリルGM3を認識し、そのFv断片について測定した場合、10−8Mの桁の解離定数を示す(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)IgG免疫グロブリンである。免疫組織化学的試験により、14F7は、いくつかのタイプの腫瘍、例えば、乳管癌及び黒色腫(Carrら、Hybridoma、19:241〜47、2000)、胃、大腸、及び膵臓の腺癌(Blancoら、ISRN Gastroenterol、文書番号645641、2011)、泌尿生殖器系の腫瘍(Blancoら、ISRN Pathology、文書番号953803、2011)、並びに神経外胚葉性腫瘍(Scursoniら、Clin Devel Immunol、文書番号245181、2011)などを認識することが示された。
14F7のN−グリコリルGM3結合部位は、mAb 14F7の重鎖(VH)ドメインを、マウス及びヒト起源の両方の多種多様の軽鎖可変ドメインと合わせるscFv断片のファージディスプレイライブラリーを構築することによって実証されたように、そのVHの可変ドメイン内に位置している(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)。ライブラリー断片の3分の1超は、N−グリコリルGM3を認識することができ、それは、mAb 14F7のVHドメインが、元の抗体特異性を維持しながら様々な軽鎖可変ドメイン(VL)と対形成することができることをさらに実証する。
インビトロ及びインビボ試験では、mAb 14F7は、補体非依存性細胞死を生じさせ、マウスにおける骨髄腫の増殖を阻害することができた(Carrら、Hybridoma、21:463〜8、2002)。乳がん患者で実施された前向き第I/II相臨床試験では、テクネチウム標識14F7抗体が腫瘍中に蓄積した(Olivaら、Breast Cancer Res Treat、96:115〜21、2006)。
より最近の試験では、14F7は、細胞膜内に病変部を生じさせる新規の機構によって、腫瘍細胞を殺すが、正常細胞を殺さないことが示された(Roque−Navarroら、Mol Cancer Ther、7:2033〜41、2008)。mAb 14F7の高親和性は、親和性が増大したmAb P3の突然変異体を使用する最近の実験で示されたように、この種類の死を生じさせるための重要な要因を構成する(Fernandez−Marreroら、Mol Immunol、48:1059〜67、2011)。mAb P3も、そのキメラバージョンP3Qも、N−グリコリルGM3を発現する腫瘍細胞内で補体依存性細胞死を誘導することができず、一方、Fernandez−Marrero及び共同研究者によって得られた突然変異体(P3Q E99Rと呼ばれる)は、N−グリコリルGM3に対する親和性の増大(mAb P3Qと14F7の親和性の間)を示し、このタイプの細胞死を生じさせることができた。mAb 14F7は、より高い親和性を有し、P3 E99R突然変異体によって生じるものと比較して、補体非依存性細胞死のより強い効果を示したことに留意されるべきである。
N−グリコリルGM3を標的にする診療所における療法
現在のところ、N−グリコリルGM3に対する抗体が抗腫瘍効果を有し得ることを示す最も強い証拠は、このガングリオシドを標的にする2種の分子ワクチンの第II/III相臨床試験に由来する。これらの生成物の1つは、NGcGM3/VSSPワクチンであり、これは、その製剤中にN−グリコリルGM3分子を含有する。第2の生成物は、ラコツモマブ(Racotumumab)又は1E10と呼ばれる抗イディオタイプ抗体である(Fernandezら、Clin Devel Immunol、文書番号814397、2010)。両ワクチンは、がん患者において高い抗N−グリコリルGM3抗体価を誘導し、抗腫瘍効果を明確に実証した(Fernandezら、Clin Devel Immunol、文書番号814397、2010;Hernandezら、J Immunol、186:3735〜44、2011)。
抗体断片のファージディスプレイライブラリー
本発明の主題である二重特異性抗体は、この目的のために特に設計されたscFv断片のファージディスプレイライブラリーから得られた。
抗体断片のファージディスプレイは、様々なアミノ酸配列を有する多数の断片(最大数十億)を含有するライブラリーの構築、並びに特異性及び親和性の観点から所望の性質を有する断片のその後の選択を可能にするハイスループット技術である(Hoogenboom、Methods Mol Biol、178:1〜37、2002)。
二重特異性を有する抗体
がんは、遺伝子異質性を特徴とする疾患であり、これは、単一の治療剤を使用して治療することを非常に困難にする。この理由で、様々ながん関連抗原を標的にするコンビナトリアル療法は、より高い成功確率を有し得る。この方向における可能な手法は、異なる特異性を有する抗体を合わせることである。しかし、この種類の療法は、抗体のそれぞれを開発及び生成する高い費用に起因して非常に高価である。
遺伝子操作を使用して、2種以上の分子を認識する能力を有する抗体又は抗体断片を得るための様々な方法を創製することが可能である。最も一般的な方法は、それぞれが異なる特異性を有する1種を超える抗体結合領域を合わせて単一の分子構築物にすることにある(Hudson及びSouriau、Nat Med、9:129〜34、2003;Hollander、Immunotherapy、1:211〜22、2009)。
最近、二重特異性を示す抗体の新しい概念設計が記載された。この新しい手法では、モノクローナル抗体の結合部位が、元の抗原の認識を保持しながら、第2の抗原の認識のために操作される。この新しい設計は、ファージディスプレイ技術を使用することによって、抗体ハーセプチンに適用された。結果として、元の抗原(HER2分子)への高親和性結合を保持するだけでなく、高親和性を伴って血管内皮増殖因子(VEGF)も認識する突然変異体が得られた(Bostromら、Science、323:1610〜14、2009)。二重特異性を有する抗体(「ツーインワン」抗体)のこの新しい概念設計は、いくつかの利点を有する。これらの1つは、非常に重要な利点であり、二重特異性抗体がモノクローナル抗体として容易に生成され得ることである。
本発明は、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対する二重特異性及び高親和性を有する組換えモノクローナル抗体に関する。本発明は、その範囲内に、これらの抗体に由来する任意の断片も含む。
好適な実施形態では、本発明は、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対する二重特異性及び高親和性を有する抗体であって、前記抗体の重鎖可変領域が、以下のCDR:

を含有することを特徴とする、上記抗体に関する。
別の好適な実施形態では、本発明は、重鎖可変領域の配列が、配列番号1:

であることを特徴とする、抗体に関する。
別の特定の実施形態では、本発明は、重鎖可変領域が、配列番号1:

を有し、軽鎖可変領域が配列番号2:
別の態様では、本発明は、重鎖可変領域の配列が、配列番号1:

であり、一方、軽鎖可変領域の配列が、抗体の軽鎖可変領域の任意の配列であることを特徴とするモノクローナル抗体に関する。
別の態様では、軽鎖可変領域は、ヒト抗体の任意の軽鎖可変領域である。
別の特定の態様では、軽鎖可変領域は、ヒト化抗体の任意の軽鎖可変領域である。
好適な実施形態では、本発明は、重鎖結合ドメインが、以下の配列:

からなる群から選択されるCDR−H1配列を含むことを特徴とする抗体に関する。
別の実施形態では、本発明の抗体は、CDR−H2の配列が、以下の配列:

からなる群から選択されることを特徴とする。
追加の実施形態では、本発明の抗体は、CDR−H3の配列が、以下の配列:

からなる群から選択されることを特徴とする。
別の実施形態では、本発明の抗体は、上記に列挙したCDR H1、H2、H3の配列の任意の組合せを含む。
別の実施形態では、本発明の抗体は、CDR−H2の配列及び/又はCDR−H3の配列が、
Asp52がAla、Glu、Asn、Ser、又はThrによって置換されているCDR−H2
Ala53がAsp、Glu、Gly、His、Leu、Ser、Thr、又はTyrによって置換されているCDR−H2
Arg100−Arg100AがAla−Lys、His−Arg、又はThr−Argによって置換されているCDR−H3
Gly100BがAla、Asp、Phe、Leu、Gln、Arg、又はSerによって置換されているCDR−H3
Tyr100DがPheによって置換されているCDR−H3
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、抗体に由来する任意の軽鎖をさらに含むことを特徴とする。
別の特定の実施形態では、本発明の抗体は、ヒトIgG1重鎖定常領域及びヒトカッパ軽鎖定常領域を含む。
別の態様では、本発明は、本記載の抗体のFab、Fab’、(Fab)2、及びscFv断片に関する。
本発明の断片は、
以下の配列:

からなる群から選択されるCDR−H1配列、以下の配列:

からなる群から選択されるCDR−H2配列、以下の配列:

からなる群から選択されるCDR−H3配列を特徴とする。
別の実施形態では、本発明の断片は、上記に列挙したCDR H1、H2、H3の配列の任意の組合せを含む。
これらの抗体及びその断片は、本記載で公表される診断目的及び治療目的に有用である。したがって、別の態様では、本発明は、ガングリオシド抗原N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3に関する疾患を診断又は治療するための、本記載の抗体及び/又はこれらの抗体の断片を含む組成物に関する。
好ましくは、本発明は、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対する二重特異性及び高親和性を伴った、1種若しくはいくつかの抗体、又はこれらの抗体に由来する断片を含有する、医薬組成物を含めた組成物を含む。さらに好ましくは、本発明は、本発明の少なくとも1種の抗体及び/又は断片、並びに薬学的に許容されるビヒクル及び/又は補助剤を含有する医薬組成物を含む。さらにより好ましくは、本発明は、配列番号1を有する重鎖可変領域、及び配列番号2を有する軽鎖可変領域を含有する抗体を含む。
一態様では、本発明は、N−アセチルGM3又はN−グリコリルGM3ガングリオシド抗原の少なくとも1種を発現する腫瘍を有する対象のための、本発明の抗体及びこれらの抗体に由来する断片を含む治療の方法にも関する。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
追加の態様では、本発明は、腫瘍診断に有用である試薬のキットであって、本発明の抗体及び/又はこれらの抗体に由来する断片の少なくとも1種を含む、上記試薬のキットに関する。好適な実施形態では、この試薬のキットの使用は、それだけに限らないが、患者に由来する組織試料又は流体、例えば、腫瘍組織試料、血液試料などの中の例えば、N−アセチルGM3及び/又はN−グリコリルGM3の存在に基づく診断を含む。
本発明の抗体を得るための方法
mAb 14F7に基づくscFv断片のファージディスプレイライブラリーの設計及び構成
本発明の抗体及び抗体断片は、この目的を考慮に入れて特に設計された、単鎖Fv(scFv)抗体断片のファージディスプレイライブラリーから得られた。このライブラリー設計の新規性及び原理は、そもそも、抗原結合に関与する高い確率を有する領域に制限された、scFvアミノ酸配列中でランダム化される位置の慎重な選択に存在する。
本記載では、Kabat番号付けスキームが、VH抗体ドメインのアミノ酸配列を番号付けるのに使用される。本発明の主題である抗体及び断片について、この番号付けスキームは、52位(52A)、82位(82A、82B、82C)、及び100位(100A〜100H)の後に挿入文字を導入する。
以前の研究(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)で得られた、3Fmと呼ばれるscFv断片の軽鎖可変ドメイン(VL)が、scFvライブラリーを構築するのに使用される唯一のVLドメインとして選ばれた。3Fm scFv断片は、14F7 mAbのVHドメインを含有し、一方、そのVLドメインは、マウス軽鎖のライブラリーから抽出されたので、14F7 mAbの元のVLドメインに関係しない。それにもかかわらず、これらの軽鎖の間の顕著な差異にもかかわらず、3Fm断片は、mAb 14F7によって示されるN−グリコリルGM3に対する特異性及び高親和性を維持した。重要なことに、3Fm断片は、細菌内で発現され得る。
軽鎖が抗原認識に重要でないことを示す、Rojasら(J Immunol Methods 293:71〜83、2004)及びKrengelら(J Biol Chem 279:5597〜603、2004)によって得られた実験データを考慮して、VLドメインの配列をライブラリー中で不変に保持した。
mAb 14F7のVH配列を、scFvライブラリーのVHドメインを設計するための塩基配列として採用した。すべてがVH超可変ループ中に位置している、突然変異されるべき位置の群の選択は、14F7 Fab断片の結晶構造の分析(Krengelら、J Biol Chem、279:5597〜603、2004)、及びVHドメインのみがNeuGc−GM3結合に極めて重要であることを示すデータに基づいた。突然変異されるべき位置の選択は、2つの主な基準、即ち、1)突然変異は、側鎖が溶媒に曝露されるアミノ酸について好ましくは行われるべきであること、及び2)突然変異されるべき位置は、VH中の52位から12オングストロームの半径以内の領域に囲まれていたことに基づいた。この最後の判定基準は、Krengelらによって報告された突然変異誘発実験(J Biol Chem、279:5597〜603、2004)に基づいたものであり、これは、アミノ酸Asp52が、14F7 mAbのその抗原との相互作用に関与していることを示す。
合計で、VH結合部位中の20の位置が、VHドメインの遺伝子合成のプロセスを調整することによって、ソフトランダム化(Fairbrotherら、Biochemistry、37:17754〜64、1998)にかけられた。このソフトランダム化手順を使用して、mAb 14F7の元のVH配列からの限られた程度の相違を各個々の分子中で同時に保持しながら、選択された可変位置のそれぞれに20の天然アミノ酸のいずれかを導入することが可能であった。
以下の位置をランダム化にかけた:Ser28、Phe29、Thr30、Ser31、Trp33、Ile34、Tyr50、Ile51、Asp52、Ala53、Thr54、Tyr56、Glu58、Arg98、Leu99、Arg100、Arg100A、Gly100B、Ile100C、及びTyr100D。
突然変異に付された位置の3つ、Phe29、Ile34、及びIle51は、タンパク質中に埋め込まれた自己の側鎖を有し、且つCDR H1及びH2のコンホメーションを保持するのに重要である疎水性アミノ酸に対応した。特にこれらの3つのアミノ酸、及びCDR H3中のLeu99について、特に設計されたコドン、即ちそれぞれ、TT、TT、及びが使用された。この場合、下線を引いたヌクレオチドは、そのヌクレオチド(85%)の、他の3つのヌクレオチド(15%)の等モル混合物との混合物を表す。これらの部分的に縮重したコドンは、疎水性アミノ酸をコードし、対応する位置への元のアミノ酸の挿入に有利である。この設計の背後にある目的は、制限された相違を生成することであり、この相違は、結合親和性に対するいくつかの調節効果を場合により有しながら、CDRコンホメーションに対する効果がわずかであるはずである。
Krengel及び共同研究者(Krengelら、J Biol Chem、279:5597〜603、2004)が、アミノ酸Asp52が14F7のNeuGc−GM3への結合に重要であることを実証したことを考慮して、大部分は小サイズ及び中サイズの側鎖を有する6つの異なるアミノ酸をコードし、その中で元のアスパラギン酸が優位を占める、この位置についてのコドンの特定の混合物を設計した(G−80%/A−20%)(C−50%/T−50%)。残りの15のランダム化された位置については、所与の位置をコードするトリプレットの各塩基を、元のヌクレオチドの85%、及び他の3つのヌクレオチドの等モル混合物の15%を含有する混合物を使用して合成した。
設計したVH遺伝子のコレクションを合成し、3Fm scFv断片をコードする遺伝子を含有するpHABファージミドベクター中にクローン化した(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)。scFv断片を提示するファージをM13 K07補助バクテリオファージ(auxiliary bacteriophage)を使用してライブラリーからレスキューし、Marks及び共同研究者(J Mol Biol、222:581〜97、1991)によって記載された手順を使用して、引き続いて精製した。
N−グリコリルGM3の高親和性認識を同時に保持しながら、N−アセチル GM3 ガングリオシドを高親和性で認識する能力を有する突然変異体scFv断片を獲得したことは、間違いなく意外な結果であった。実際に、これらの突然変異体に新しい性質を付与したmAb 14F7のVHドメイン中のアミノ酸変化は、データの利用可能な部分から予測可能ではなかった。2種のガングリオシドに対する二重特異性及び高親和性を有するこのような抗体断片を得ることは、ファージディスプレイライブラリーの合理的な設計のために可能であった。この設計は、ガングリオシド抗原の結合に関連した抗体結合部位の領域内にライブラリーの配列相違を集中することを目的にして、構造的知識に基づいて、仕立てたソフトランダム化手順を、突然変異されるべき位置の慎重な選択と組み合わせたものである。
二重特異性を有するscFv断片の選択
N−グリコリルGM3を用いたテスト単一選択ラウンドにより、ライブラリーは、この抗原を認識することができる多数の断片を含有することが実証されたので、本発明の主題であるN−グリコリルGM3及びN−アセチルGM3ガングリオシドに対する二重特異性を有する抗体断片は、標的分子としてN−アセチルGM3のみを使用して、3回のファージ選択及び増幅ラウンド後の構築されたライブラリーから得られた。
選択ラウンドは、Rojas及び共同研究者によって記載された手順(J Immunol Methods、293:71〜83、2004)に類似の手順に従って実施した。(Marksら、J Mol Biol、222:581〜97、1991)に記載されたように、指数関数的に増殖するTG1細胞を使用して、50mlのスケールで選択されたファージをレスキューした。精製されたファージを、次の選択ラウンドの出発材料として使用した。3ラウンド後に、個々に選択されたファージクローンを、96ウェルプレート中でレスキューした(Marksら、J Mol Biol、222:581〜97、1991)。
選択されたファージがN−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3を認識する能力は、(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)に記載された手順に類似の手順に従って、ELISAによって評価した。両ガングリオシドへの高い結合能力を示す抗体断片のヌクレオチド配列は、Macrogen(韓国)によって求められた。
二重特異性を有する抗体の結合部位の特徴付け
NeuAc−GM3及びNeuGc−GM3に対する二重特性を有する断片に加えて、ライブラリーに由来する他の抗体断片も配列決定された。これには、N−グリコリルGM3のみを認識した断片、及びELISA実験で2種のガングリオシドのいずれも認識することができなかった断片が含まれる。
さらに、アミノ酸位置の選択された群の結合に対する影響を、二重特異性を有する断片の1つから出発して、各個々の位置の網羅的なランダム化を実施することによって試験した。
これらの試験により、結合部位中のどのアミノ酸がN−グリコリルGM3及びN−アセチルGM3の二重認識にとって最も重要であるかを判定することが可能になった。表1は、ライブラリーから抽出された二重特異性を有するscFv断片に属するVH CDRのアミノ酸配列の群を示す。表2は、VHドメイン中のどの配列位置が二重特異性に関連しているか、及びどの位置が異なる程度のアミノ酸可変性を許容するかを示す。
CDR H1中のわずか2つ又は3つの突然変異が、N−グリコリルGM3に加えてN−アセチルGM3にも結合する能力を断片に付与するのに十分であった。特に、置換Ser28→Arg、Thr30→Arg、及びTrp33→Glnが、両ガングリオシドに対して高親和性を伴う突然変異体(RRQ)を生じた。
N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換え免疫グロブリンの構築
本発明は、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対して二重特異性を有する、ヒト若しくはマウス起源のものであっても、又は任意の他の種に由来するものであっても、任意のアイソタイプの免疫グロブリン、及びこれらの免疫グロブリンの断片の任意のタイプを含む。任意の所望のアイソタイプの免疫グロブリンを、両ガングリオシドに結合する能力を有するscFv断片のVHドメインのアミノ酸配列、及びヒト若しくはマウス起源の、又は任意の他の種に由来するVL配列から構築することができる。この目的は、確立された分子生物学技法を使用して、組換えタンパク質、特に、モノクローナル抗体の効率的な発現について記載されたベクターのいずれかを使用して実現され得る。
一実施形態では、哺乳動物細胞中の免疫グロブリンの発現に一般に使用されるベクターpAH4604及びpAG4622(Colomaら、J Immunol Methods、52:89〜104、1992)を使用して、IgG1アイソタイプ免疫グロブリンを構築することが可能である。
二重特異性を有する免疫グロブリンを構築するのに使用されるVH配列は、本発明で構築されるファージディスプレイライブラリーから直接抽出することができ、又は二重特異性を実現するのに重要である位置を配列中で維持して、ある程度の可変性を可能にするCDR位置中に任意の他の適切なアミノ酸を導入して、表1に示した実験データに基づいて設計することができる。使用されるVL配列は、(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)に実証されているように、フレームワーク及び超可変領域の両方において大きい程度の可変性を許容する。
別の実施形態では、本発明は、キメラ免疫グロブリン、即ち、ヒト定常領域及びマウス可変領域を有する免疫グロブリン、並びにヒト化可変領域を有する免疫グロブリンも提供する。
医薬組成物
一実施形態では、本発明は、1種若しくは複数の本発明の抗体、又はこれらの断片を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、これらの医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤も含む。
本発明で使用する場合、表現「薬学的に許容される担体又は補助剤」は、薬剤投与に適合した溶媒、分散媒質、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含む。追加の活性化合物も組成物中に組み込むことが出できる。「薬学的に許容される担体又は補助剤」は、抗体又は断片とともに対象に投与することができ、且つ治療量の抗体を送達するのに十分な用量で投与されるとき、これらの薬理活性を破壊せず、無毒性である担体又は補助剤も指す。
医薬組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤化される。非経口投与の例としては、とりわけ、例えば、非経口、皮内、静脈内、及び皮下がある。非経口、皮内、又は皮下投与に使用される溶液又は懸濁液として、以下の成分、即ち、滅菌希釈剤、例えば、注射用水、食塩液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒など、抗菌剤、例えば、ベンジルアルコール(alcohol benzyl)、又はメチルパラベンなど、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなど、エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤、緩衝液、例えば、アセタート、シトラート、又はホスファートなど、及び張性を調整するための作用物質、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロースなどを挙げることができる。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基を用いて調整することができる。非経口配合物は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、又は多人数用バイアル中に封入することができる。
投与の容易さ及び投与量の均一性のために、単位剤形(dosage unit form)で非経口組成物を製剤化することが有利である。単位剤形は、本明細書において、ビヒクルを必要とする医薬品に関連して、各単位が所望の治療効果を生じさせるように計算された所定量の活性化化合物を含有する、処置される対象の単位投与量として適した物理的に別個の単位を指す。
医薬組成物は、投与のための指示書と一緒に、容器、パック、又はディスペンサー中に含めることができる。
治療方法
本発明の抗体は、N−グリコリルGM3若しくはN−アセチルGM3、又は両ガングリオシドを発現する腫瘍の治療に使用することができる。
本発明の抗体の適当な治療用量は、1用量当たり約1mg〜約1g、好ましくは1用量当たり約50mg〜約500mgの範囲内である。本発明の抗体は、非経口、皮下、肺内、鼻腔内、及び頭蓋内経路、並びに局所治療に望まれる場合、病巣内経路を含めた、任意の適当な方法によって投与される。
治療方法は、当業者に公知の、モノクローナル抗体又は誘導断片を用いた受動療法(pasive therapy)に適した用量スキームに従って患者に医薬組成物を投与することを含む。治療方法の例は、本発明の範囲を限定せず、例えば、6週間の間、本発明の抗体の200mgの用量の毎週投与、及び例えば、疾患進行又は制限毒性(limiting toxicity)まで2週間又は3週間毎のその後の維持治療を含む。
A)様々な抗体濃度を使用するELISA実験におけるmAb 7C1によるガングリオシドN−グリコリルGM3及びN−アセチルGM3の認識を示す図である。B)ELISA実験における抗体14F7hT(ヒトIgG1アイソタイプを有するmAb 14F7のヒト化バージョン)、7C1、及びT1h(陰性対照として使用した、ヒトIgG1アイソタイプを有するヒト化抗体)によるN−グリコリルGM3ガングリオシドの認識を示す図である。C)N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドのTLCプレート上の免疫染色を示す図である(4つのプレートのそれぞれの上の、それぞれレーン1及び2)。左から右に:オルシノールを用いた化学染色、並びにそれぞれ、抗体14F7hT、7C1、及びT1hを用いた免疫染色。7C1抗体のみがN−アセチルGM3との反応性を示した。D)ELISA実験における抗体14F7hT及び7C1による様々なガングリオシドのパネルの認識を示す図である。 フローサイトメトリー実験におけるN−アセチルGM3又はN−グリコリルGM3を発現する腫瘍細胞系のmAb 7C1による認識を示す図である。A)GM3ガングリオシドのN−アセチルバリアントのみを発現する形質転換された腫瘍細胞系L1210−SHの染色を示す図である。B)N−グリコリルGM3ガングリオシドを主に発現する野生型腫瘍細胞系L1210の染色を示す図である。 抗体14F7hTと比較した、N−アセチルGM3又はN−グリコリルGM3を発現する腫瘍細胞に対する7C1抗体の細胞傷害効果を示す図である。A)野生型細胞系L1210に対する細胞傷害効果を示す図である。B)形質転換細胞系L1210−SHに対する細胞傷害効果を示す図である。C)実験からの結果を要約する表である。 A)フローサイトメトリー実験におけるヒト化7C1抗体によるBalb/cマウス脾細胞の認識を示す図である。B)抗体7C1で処置されたBalb/cマウスに由来する精製Bリンパ球を使用する細胞生存能アッセイの図である。両実験では、Bリンパ球を抗B220ポリクローナル抗体で染色した。キメラ抗体C5Qを陰性対照として使用した。
(例1)
N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換えIgG1免疫グロブリン(7C1抗体)の構築
N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドに対する二重特異性を有するscFv断片に由来するVHドメインのアミノ酸配列を出発点として採用してVH遺伝子を設計した。この遺伝子を哺乳動物細胞内の発現について最適化した。mAb 14F7の元のVLドメインをコードする遺伝子を、類似の方法で設計した。2種の遺伝子は、Geneart(ドイツ)によって合成した。
選択されたVHドメインは、元の14F7 VH配列に関して、アミノ酸レベルでわずか3つの突然変異を示す。これらの突然変異は、Ser28→Arg、Thr30→Arg、及びTrp33→Glnである。
VH及びVLをコードする遺伝子を、公知の分子生物学手順に従ってそれぞれ、ベクターpAH4604及びpAG4622中にクローン化した(Colomaら、J Immunol Methods、52:89〜104、1992)。これらのベクターを、哺乳動物細胞内の免疫グロブリンの発現に使用する。pAH4604ベクターは、IgG1アイソタイプのヒト重鎖定常領域を含有し、一方、pAG4622ベクターは、ヒトカッパ鎖の定常ドメインを含有する。抗体を産生しないSp2/0マウス骨髄腫細胞を、組換え免疫グロブリンを発現させるのに使用した。この目的のために、重鎖及び軽鎖について得られた遺伝子構築物を細胞に順次トランスフェクトした。これらの細胞によって産生される免疫グロブリンを、プロテインAカラムを使用して精製した。
得られた組換え抗体を7C1と呼んだ。
mAb 7C1がN−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドを認識する能力を、(Rojasら、J Immunol Methods、293:71〜83、2004)に記載された手順に類似の手順に従って、様々な抗体濃度を使用してELISAによって評価した。mAb 7C1は、2種のガングリオシドへの抗体結合を定量化する2つの光学密度(OD)曲線が互いに非常に類似することを示す図1Aに示したように、実質的に同じ親和性で両ガングリオシドに結合することができた。さらに、mAb 7C1とN−グリコリルGM3との間(及び転移によって、またmAb 7C1とN−アセチルGM3との間)の結合の親和性は、図1Bに示したように、N−グリコリルGM3へのmAb 14F7の結合について観察された親和性と非常に類似している。
これらの実験は、元の14F7抗体の結合特性を保持する、14F7hTと呼ばれる、ヒトIgG1アイソタイプを有するmAb 14F7のヒト化バージョンを使用して実施した(Fernandez−Marreroら、Immunobiology、216:1239〜47、2011)。やはりヒトIgG1アイソタイプを有する抗体T1h(抗CD6)を陰性対照として使用した。
さらに、mAb 7C1が両ガングリオシドに結合する能力を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって証明した。図1Cに示したように、mAb 7C1は、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3の精製試料によって得られたバンドを染色することができた。
図1Dに示したように、mAb 7C1の特異性は真に二重であり、多重ではなく、抗体は、N−アセチル及びN−グリコリルタイプの両方のガングリオシドを含んだ多様なパネルからの分子のいずれも認識しなかったことを示す。
(例2)
N−アセチルGM3又はN−グリコリルGM3を発現する腫瘍細胞系のmAb 7C1による認識
mAb 7C1がN−グリコリルGM3又はN−アセチルGM3を発現する腫瘍細胞を認識する能力を、L1210マウスリンパ球性白血病細胞系(アメリカンタイプカルチャーコレクションからのもの)の2種のバリアントを使用して、フローサイトメトリーによって実証した。野生型細胞(L1210)は、N−グリコリルGM3を発現し、一方、L1210−SHと呼ばれる遺伝的に形質転換されたバージョンは、N−アセチルGM3を発現する(Fernandez−Marreroら、Mol Immunol、48:1059〜67、2011)。
L1210の高N−グリコリルGM3発現レベルは、mAb 14F7によるこれらの細胞の顕著な認識によって証明される。さらに、これらの細胞の糖脂質含量の分析は、85:15のNeuGc−GM3/NeuAc−GM3比を生じた(Roque−Navarroら、Mol Cancer Ther、7:2033〜41、2008)。
N−グリコリルバリアントの代わりにN−アセチルGM3を発現するL1210−SH細胞系は、シアル酸のN−アセチルタイプを変換してN−グリコリルタイプにするCMP−NeuAcヒドロキシラーゼの発現を阻害する低分子干渉RNAのレンチウイルストランスダクションによって得た(Shaw及びSchauer、Biol Chem Hoppe Seyler、369:477〜86、1988)。この形質転換細胞系は、野生型系と比較してN−グリコリルGM3発現の劇的な減少を示す(Fernandez−Marreroら、Mol Immunol、48:1059〜67、2011)。
フローサイトメトリー実験は、FACScan装置(Becton Dickinson)を使用して実施した。10個の細胞を各アッセイにおいて収集した。FITCコンジュゲート抗ヒトIgG抗体を細胞の蛍光染色に使用した。T1h抗体を陰性対照として使用した。
図2Aに示したように、mAb 7C1は、L1210−SH細胞(N−アセチルGM3を発現する)を、これらの細胞を認識しないmAb 14F7hTと対照的に染色することができた。さらに、mAb 7C1は、N−グリコリルGM3の高い発現を有する野生型L1210細胞も染色した。野生型細胞は、mAb 14F7hTによっても染色され、この場合、陽性対照として使用した(図2B)。mAb 7C1による野生型L1210細胞の染色は、mAb 14F7hTによって生じる染色より強かったことに留意されるべきであり、それは、mAb 7C1が、野生型細胞内で発現されるN−アセチルGM3分子にも結合することができるという事実によって説明することができる。
(例3)
N−アセチルGM3又はN−グリコリルGM3を発現する腫瘍細胞に対するmAb 7C1の細胞傷害効果
mAb 7C1が、補体非依存性機構によってN−アセチルGM3又はN−グリコリルGM3を発現する腫瘍細胞を殺す能力を、L1210及びL1210−SH細胞系を使用する実験で実証した。
これらの実験では、細胞を、100万細胞/ミリリットルの濃度で、1%のウシ胎児血清を含む培地中に最初に懸濁させ、次いで100マイクログラム/ミリリットルの抗体とともに、5%のCO雰囲気中で、37℃で3時間インキュベートした。その後、細胞を洗浄し、10マイクログラム/ミリリットルのヨウ化プロピジウム(PI、Sigma−Aldrich)を含むPBS中に懸濁させ、次いでフローサイトメトリーによって分析した。死細胞は、前方向散乱(frontal scattering)及び横方向散乱、並びにPI内在化を測定することによって同定した。生細胞の特性範囲外の散乱レベルを有し、PIで染色された細胞を死としてカウントした。
野生型L1210細胞内のみで細胞死を生じたmAb 14F7hTと異なって、二重特異性を有する抗体7C1は、野生型L1210細胞系(図3A)、及びN−アセチルGM3を発現する形質転換L1210−SH細胞(図3B)の両方において顕著な細胞死効果を生じた。野生型L1210細胞に対して7C1抗体によって生じる細胞傷害性効果(95%)は、mAb 14F7hTによって生じるもの(54%)より強かったことに留意されるべきであり、それは、mAb 7C1がN−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドの混合された過剰発現を有する細胞に対してより強い細胞傷害効果を生じさせることができることを実証する。図3Cは、これらの実験の結果を要約するものである。
(例4)
細胞死を生じさせることのないmAb 7C1による正常細胞の認識
しかし、腫瘍細胞内で強い細胞傷害効果を生じさせる二重特異性7C1抗体は、Balb/cマウス脾細胞を使用する実験で実証したように、N−グリコリルGM3又はN−アセチルGM3を発現する正常細胞内で細胞死を生じさせなかった。
フローサイトメトリー実験では、Balb/cマウスリンパ球を、抗B220ポリクローナル抗体(Dako、1:200の希釈液)及びmAb 7C1(10マイクログラム/ミリリットルの濃度の)で二重染色した。細胞生存能アッセイを、mAb 7C1とともにインキュベートされたBalb/c脾臓Bリンパ球を使用して実施した。磁気パール(Miltenyi Biotec)で精製した100万個のBリンパ球を、1%のBSAを補充したDMEM−F12培地中に溶解させた50マイクログラムの抗体とともに、5%のCO雰囲気中で、37℃で3時間インキュベートした。抗体誘導性細胞死をPI取り込みによって求めた。ヒト化抗体C5Qを、細胞認識実験及び細胞生存能アッセイの両方において、陰性対照として使用した。
図4Aに示したように、mAb 7C1は、Balb/c Bリンパ球、及び他の脾細胞を強く染色した。しかし、mAb 7C1によるこれらの細胞の強い認識にもかかわらず、精製Bリンパ球を用いた細胞生存能アッセイは、図4Bに示したように、mAb 7C1が、正常Bリンパ球に対して細胞傷害性効果をまったく有さないことを実証した。

Claims (12)

  1. 定常領域がヒトIgGである、
    N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドの両方に結合し、
    他のN−アセチル及びN−グリコシルガングリオシドに結合しない、
    モノクローナル抗体。
  2. 配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下のCDR:

    を含有する重鎖可変領域を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. CDR−H2の配列及び/又はCDR−H3の配列が、
    3位のAspがAla、Glu、Asn、Ser、又はThrによって置換されているCDR−H2
    5位のAlaがAsp、Glu、Gly、His、Leu、Ser、Thr、又はTyrによって置換されているCDR−H2
    6位のArg−7位のArgがAla−Lys、His−Arg、又はThr−Argによって置換されているCDR−H3
    8位のGlyがAla、Asp、Phe、Leu、Gln、Arg、又はSerによって置換されているCDR−H3
    10位のTyrがPheによって置換されているCDR−H3
    からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含むことを特徴とする、請求項2に記載の抗体。
  4. 配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下のCDR:
    CDR−H2:YIDPATAYTESNQKFKD,配列番号:17
    CDR−H3:ESPRLRRGIYYYAMDY,配列番号:34及び
    以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR−H1を含有する重鎖可変領域を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  5. 配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下のCDR:
    CDR−H1:GYRFRSYQIH,配列番号:3
    CDR−H3:ESPRLRRGIYYYAMDY,配列番号:34及び
    以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR−H2を含有する重鎖可変領域を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  6. 配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下のCDR:
    CDR−H1:GYRFRSYQIH,配列番号:3
    CDR−H2:YIDPATAYTESNQKFKD,配列番号:17及び
    以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR−H3を含有する重鎖可変領域を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  7. 配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR H1、H2、及びH3の配列の任意の組合せを含有する重鎖可変領域を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  8. 請求項2〜7のいずれか一項に記載の抗体由来の、
    N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドの両方に結合し、
    他のN−アセチル及びN−グリコシルガングリオシドに結合しない、抗体断片であって;
    配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR−H1配列、以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR−H2配列、以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR−H3配列を含むこと
    を特徴とする、抗体断片
  9. 配列番号2の軽鎖可変領域と、
    以下の配列:

    からなる群から選択されるCDR H1、H2、及びH3の配列の任意の組合せを含むことを特徴とする、請求項に記載の断片。
  10. N−アセチルGM3及び/又はN−グリコリルGM3ガングリオシドを発現する悪性腫瘍を治療するための医薬組成物であって、
    安定な薬学的ビヒクルと;
    請求項1からまでのいずれかに記載の抗体のいずれか、又は
    これらの抗体のいずれかに由来する、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドの両方に結合し、他のN−アセチル及びN−グリコシルガングリオシドに結合しない、抗体断片とを;
    含むことを特徴とする、上記医薬組成物。
  11. N−アセチルGM3及び/又はN−グリコリルGM3ガングリオシドを発現する悪性腫瘍の治療医薬の製造における、請求項1からまでのいずれかに記載の抗体の使用。
  12. N−アセチルGM3及び/又はN−グリコリルGM3ガングリオシドを発現する疾患を診断するための試薬のキットであって、
    請求項1からまでのいずれかに記載の抗体のいずれか、又は
    これらの抗体のいずれかに由来する、N−アセチルGM3及びN−グリコリルGM3ガングリオシドの両方に結合し、他のN−アセチル及びN−グリコシルガングリオシドに結合しない、抗体断片を
    含むことを特徴とする、上記試薬のキット。
JP2014559092A 2012-03-01 2013-02-21 ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換え抗体及びこれらの使用 Expired - Fee Related JP5933044B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CUCU-2012-0035 2012-03-01
CU20120035A CU24120B1 (es) 2012-03-01 2012-03-01 Anticuerpos recombinantes con especificidad dual por los gangliósidos n-acetil gm3 y n-glicolil gm3
PCT/CU2013/000001 WO2013127373A2 (es) 2012-03-01 2013-02-21 Anticuerpos recombinantes con especificidad dual por gangliósidos y su uso

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015516367A JP2015516367A (ja) 2015-06-11
JP5933044B2 true JP5933044B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=48039960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014559092A Expired - Fee Related JP5933044B2 (ja) 2012-03-01 2013-02-21 ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換え抗体及びこれらの使用

Country Status (22)

Country Link
US (1) US9527920B2 (ja)
EP (1) EP2821417A2 (ja)
JP (1) JP5933044B2 (ja)
KR (1) KR20140126349A (ja)
CN (1) CN104136463B (ja)
AR (1) AR090207A1 (ja)
AU (1) AU2013225453A1 (ja)
CA (1) CA2865050A1 (ja)
CL (1) CL2014002236A1 (ja)
CO (1) CO7051011A2 (ja)
CU (1) CU24120B1 (ja)
EA (1) EA201491618A1 (ja)
HK (1) HK1198654A1 (ja)
IL (1) IL234394A0 (ja)
MX (1) MX2014010456A (ja)
PE (1) PE20142277A1 (ja)
PH (1) PH12014501950A1 (ja)
SG (1) SG11201405151YA (ja)
TN (1) TN2014000330A1 (ja)
TW (1) TW201348259A (ja)
WO (1) WO2013127373A2 (ja)
ZA (1) ZA201407043B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CU24120B1 (es) * 2012-03-01 2015-08-27 Ct De Inmunología Molecular Anticuerpos recombinantes con especificidad dual por los gangliósidos n-acetil gm3 y n-glicolil gm3
CN104651314B (zh) * 2015-02-14 2018-06-19 百泰生物药业有限公司 获得高产稳定表达细胞克隆的方法及由此获得的抗体分子
CA2981103A1 (en) * 2015-03-31 2016-10-06 Vhsquared Limited Polypeptides

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4107154A1 (de) 1990-10-11 1992-04-16 Boehringer Mannheim Gmbh Monoklonale antikoerper gegen melanom
CU22731A1 (es) 1998-02-05 2002-02-28 Centro Inmunologia Molecular Anticuerpo monoclonal que reconoce el oligosacárido ácido siálico n´glicolilado-galactosa-glucosa (ngcneu-gal-glu) en tumores malignos y composiciones farmacéuticas que los contienen
CU23403A1 (es) * 2003-04-23 2009-08-04 Centro Inmunologia Molecular Anticuerpos recombinantes y fragmentos que reconocen el gangliósido n-glicolil gm3 y su uso para diagnóstico y tratamiento de tumores
CU24120B1 (es) * 2012-03-01 2015-08-27 Ct De Inmunología Molecular Anticuerpos recombinantes con especificidad dual por los gangliósidos n-acetil gm3 y n-glicolil gm3

Also Published As

Publication number Publication date
US9527920B2 (en) 2016-12-27
JP2015516367A (ja) 2015-06-11
EP2821417A2 (en) 2015-01-07
ZA201407043B (en) 2015-12-23
CU20120035A7 (es) 2013-10-29
PE20142277A1 (es) 2015-01-15
IL234394A0 (en) 2014-10-30
CA2865050A1 (en) 2013-09-06
WO2013127373A3 (es) 2013-10-31
CN104136463B (zh) 2016-08-24
MX2014010456A (es) 2014-10-13
TN2014000330A1 (en) 2015-12-21
EA201491618A1 (ru) 2014-12-30
CO7051011A2 (es) 2014-09-10
CU24120B1 (es) 2015-08-27
CN104136463A (zh) 2014-11-05
TW201348259A (zh) 2013-12-01
SG11201405151YA (en) 2014-10-30
HK1198654A1 (en) 2015-05-22
CL2014002236A1 (es) 2014-12-05
WO2013127373A2 (es) 2013-09-06
PH12014501950A1 (en) 2014-11-24
AR090207A1 (es) 2014-10-29
EP2821417A9 (en) 2015-04-01
KR20140126349A (ko) 2014-10-30
US20150093385A1 (en) 2015-04-02
AU2013225453A1 (en) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108503708B (zh) 抗人cd47抗体及其用途
RU2722381C2 (ru) Терапевтические антитела и их применения
CN109963591B (zh) B7h3抗体-药物偶联物及其医药用途
US20190276544A1 (en) Affinity matured anti-ccr4 humanized monoclonal antibodies and methods of use
AU2004232391B2 (en) Recombinant antibodies and fragments recognising ganglioside N-glycolyl-gm3 and use thereof in the diagnosis and treatment of tumours
CA2682296C (en) Anti-epcam antibody and uses thereof
JP2014062107A (ja) 癌を治療するための、o−アセチル化型のgd2ガングリオシドに特異的なモノクローナル抗体を含む医薬組成物
TW201623336A (zh) 抗免疫原性醣肽之抗體,包含彼等之組合物及其用途
US10662250B2 (en) Humanized monoclonal antibody specific to syndecan-1
JP6731933B2 (ja) Pcsk9抗体、及び医薬組成物とその使用
CN112243443B (zh) 抗trop-2抗体、其抗原结合片段及其医药用途
JP2022523710A (ja) Cd44に特異的な抗体
JP2023553758A (ja) 抗SIRPα抗体およびその適用
JP2022514693A (ja) Muc18に特異的な抗体
JP5933044B2 (ja) ガングリオシドに対する二重特異性を有する組換え抗体及びこれらの使用
EP4006055A1 (en) Anti-bcma antibody, antigen-binding fragment thereof and medical use thereof
JP2022518062A (ja) 抗cd79b抗体、その抗原結合フラグメントおよびそれらの医薬用途
JP2022514786A (ja) Muc18に特異的な抗体
JP2024514855A (ja) Dll3に対する結合分子及びその使用
US20180057601A1 (en) Novel humanized adam17 antibody
CN117999096A (zh) 治疗神经学疾病的方法
JP2023545742A (ja) 抗trop-2抗体、その抗原結合断片又はその変異体、及びそれらの医学的使用

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5933044

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees