JP5931798B2 - 消臭機能を有するダクト - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、送気用ダクト、排気用ダクト等として用いられる、十分な断熱性、吸音性を備えている上に、消臭機能も備えたダクト(ダクトホース)に関する。
通気性材料製テープを螺旋状に捲回しその側縁同士を連結するとともに硬質螺旋補強体でこれを保形するように形成した内壁の外周に、連続気泡構造の軟質発泡テープを螺旋状に捲回して形成した第1発泡層および独立気泡構造の軟質発泡テープを螺旋状に捲回して形成した第2発泡層を積層してなる吸音断熱層を設け、その外周に可撓性材料からなる外壁を設けてなるダクトホースが公知である(特許文献1参照)。
上記従来のダクトホースでは、独立気泡構造の第2発泡層で断熱性を確保できるのでホースの外面に結露を生じることを防止できるし、主に連続気泡構造の第1発泡層で吸音できるので騒音も十分に低減することができる。
特開平8−219335号公報
ところで、例えば、空調用設備に接続されるダクトは、このダクトホースを介して室内の空気を循環させているので、このダクト内を空気が通過する間に室内空気に含まれる臭気(タバコ由来の臭い、その他の臭い等)を消臭することができれば、室内をより快適な空間に維持することができる。
しかるに、従来のダクトホースには、優れた消臭機能を有したものはなかったのが実状である。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、十分な断熱性と吸音性を備えていると共に、優れた消臭性を有するダクトを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]厚さ0.1mm〜0.8mmで目付が30g/m2〜120g/m2のスパンボンド不織布を含む内側管状部と、
前記内側管状部の外側に設けられて該内側管状部を被覆する中間管状部と、
前記中間管状部の外側に設けられて該中間管状部を被覆する外側管状部とを備え、
前記中間管状部は、厚さ20mm〜60mmで嵩密度が12kg/m3〜30kg/m3のグラスウールを含み、
前記内側管状部の内周面の一部に消臭剤がグラビア印刷により固着され、前記内側管状部の内周面の全体に対する前記消臭剤が印刷された印刷領域の面積の割合が50%〜90%の範囲であることを特徴とする消臭機能を有するダクト。
[2]前記消臭剤の固着量が1.5g/m2〜4.0g/m2である前項1に記載の消臭機能を有するダクト。
[3]前記消臭剤は、前記内側管状部の内周面の一部にバインダー樹脂で固着され、
前記バインダー樹脂の固着量が0.6g/m2〜1.6g/m2である前項1または2に記載の消臭機能を有するダクト。
[4]前記スパンボンド不織布を構成する繊維は、ポリエステル系樹脂で形成され、前記バインダー樹脂としてウレタン系バインダー樹脂が用いられている前項3に記載の消臭機能を有するダクト。
[5]前記スパンボンド不織布を構成する繊維の太さが、7.5デシテックス〜15.0デシテックスの範囲である前項1〜4のいずれか1項に記載の消臭機能を有するダクト。
[6]前記内側管状部のスパンボンド不織布による多孔質構造と、前記中間管状部のグラスウールによる多孔質構造とが、相互の界面を介して連通しており、
前記グラスウールを構成する繊維の太さ(直径)が、1μm〜30μmの範囲である前項1〜5のいずれか1項に記載の消臭機能を有するダクト。
[1]の発明では、厚さ0.1mm〜0.8mmで目付が30〜120g/m2のスパンボンド不織布を含んでなる内側管状部を備えているから、十分な吸音性能を確保できる。また、スパンボンド不織布を用いているので、ダクトとしての保形性を向上させることができる。また、内側管状部の外側に配置された中間管状部は、厚さ20mm〜60mmで嵩密度が12kg/m3〜30kg/m3のグラスウールを含むので、十分な断熱性を確保できて、ダクトの外周面に結露を生じることを防止できる。更に、内側管状部の内周面に固着された消臭剤により、ダクト内の流路を通過する空気等の消臭を行うことができる。更に、内側管状部の内周面の一部に消臭剤がグラビア印刷により固着され、内側管状部の内周面の全体に対する消臭剤が印刷された印刷領域の面積の割合が50%〜90%の範囲であるから、十分な消臭性能を得ることができると共に、スパンボンド不織布層の内部への空気の移動を十分に確保することができて十分な吸音性能を得ることができる。
[2]の発明では、消臭剤の固着量が1.5g/m2〜4.0g/m2であり、1.5g/m2以上であることで消臭性能をより向上できると共に、4.0g/m2以下であることで軽量性を維持できる。
[3]の発明では、消臭剤は、内側管状部の内周面の一部にバインダー樹脂で固着され、該バインダー樹脂の固着量が0.6g/m2〜1.6g/m2である。0.6g/m2以上であることで消臭剤の脱落を十分に防止できると共に、1.6g/m2以下であることで消臭剤の表面を十分に露出させることができて消臭性能をより向上できる。
[4]の発明では、スパンボンド不織布を構成する繊維は、ポリエステル系樹脂で形成され、バインダー樹脂としてウレタン系バインダー樹脂が用いられているから、このような組み合わせにより、消臭剤のスパンボンド不織布への固着力をさらに向上させることができて、より長期にわたって十分な消臭性能を確保できる。
[5]の発明では、スパンボンド不織布を構成する繊維の太さが、7.5デシテックス〜15.0デシテックスの範囲であるから、内側管状部を形成するための成型加工が十分に可能になり(成型加工性が向上し)、消臭剤を固着できるための表面積を備えたものとなり、またスパンボンド不織布を介して中間管状部のグラスウールに対して十分な通気ができるのでグラスウールでの吸音作用効果も確保できる。
[6]の発明では、内側管状部のスパンボンド不織布による多孔質構造と、中間管状部のグラスウールによる多孔質構造とが、相互の界面を介して連通している上に、グラスウールを構成する繊維の太さ(直径)が、1μm〜30μmの範囲であるから、グラスウール(中間管状部)において吸音性能も十分に発揮されるものとなり、スパンボンド不織布(内側管状部)の吸音効果とも相俟って、優れた吸音性能を確保できる。
本発明に係る消臭機能を有するダクトの一実施形態を示す断面図である。
本発明に係る消臭機能を有するダクト(ダクトホース)の一実施形態を図1に示す。本発明のダクト1は、スパンボンド不織布を含む内側管状部2と、前記内側管状部2の外側に設けられて該内側管状部2を被覆する中間管状部3と、前記中間管状部3の外側に設けられて該中間管状部3を被覆する外側管状部4とを備える。
なお、図1において、10は、内側管状部2の内部空間であって、空気等の流路である。また、本実施形態では、前記内側管状部2のスパンボンド不織布による多孔質構造と、前記中間管状部3のグラスウールによる多孔質構造とが、相互の界面を介して連通している。
前記内側管状部2は、厚さ0.1mm〜0.8mmで目付が30g/m2〜120g/m2のスパンボンド不織布を含有してなる。
前記内側管状部2を構成するスパンボンド不織布の厚さTは0.1mm〜0.8mmに設定される。0.1mm未満では十分な吸音性能を得ることができないし、0.8mmを超えるとダクトの径が増大してコンパクト化が難しくなる。中でも、前記内側管状部2を構成するスパンボンド不織布の厚さTは0.15mm〜0.6mmに設定されるのが好ましく、さらに0.2mm〜0.4mmの範囲が特に好ましい。
前記内側管状部2を構成するスパンボンド不織布の目付は30g/m2〜120g/m2の範囲に設定される。30g/m2未満では消臭剤を固着できるための十分な表面積を確保できないし(消臭剤を十分に固着できないし)、120g/m2を超えると軽量性を維持するのが困難となる。中でも、前記内側管状部2を構成するスパンボンド不織布の目付は35g/m2〜100g/m2の範囲に設定されるのが好ましく、さらに40g/m2〜80g/m2の範囲が特に好ましい。
前記スパンボンド不織布を構成する繊維としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。
前記スパンボンド不織布を構成する繊維の太さは、7.5デシテックス〜15.0デシテックスの範囲であるのが好ましい。7.5デシテックス以上とすることで消臭剤の不織布に対する固着力を向上させることができて消臭性能の耐久性を高めることができると共に、15.0デシテックス以下とすることで吸音性能をより向上させることができる。中でも、前記スパンボンド不織布を構成する繊維の太さは、9.0デシテックス〜12.0デシテックスの範囲であるのが特に好ましい。
前記中間管状部3は、厚さ20mm〜60mmで嵩密度が12kg/m3〜30kg/m3のグラスウールを含有してなる。
前記中間管状部3を構成するグラスウール層の厚さSは20mm〜60mmに設定される。20mm未満では十分な断熱性能を得ることができないし、60mmを超えるとダクトの径が増大してコンパクト化が難しくなる。中でも、前記中間管状部3を構成するグラスウール層の厚さSは25mm〜50mmに設定されるのが好ましい。
前記中間管状部3を構成するグラスウール層の嵩密度(みかけ密度)は、12kg/m3〜30kg/m3の範囲に設定される。12kg/m3未満では十分な断熱性能を得ることができないし、30kg/m3を超えると軽量性を維持するのが困難となる。中でも、前記中間管状部3を構成するグラスウール層の嵩密度は15kg/m3〜25kg/m3の範囲に設定されるのが好ましい。
前記グラスウール層を構成する繊維の太さ(直径)は、1μm〜30μmの範囲であるのが好ましい。
前記外側管状部4としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂シート等が挙げられ、前記中間管状部3を密閉状態に被覆できるものであれば特に限定されない。前記外側管状部4の厚さWは、0.05mm〜0.3mmに設定されるのが好ましい。
本発明では、前記内側管状部2の内周面の一部に消臭剤がグラビア印刷により固着されて消臭剤固着部5が形成されている(図1参照)。図1において、印刷領域21に消臭剤固着部5が形成されており、非印刷領域22には消臭剤固着部5は形成されていない。図1の実施形態では、ダクト1の長さ方向に沿って印刷領域21と非印刷領域22が交互に配置されている。前記印刷領域21には消臭剤が固着されているので、流路10を流れてきた空気が印刷領域21の消臭剤と接触して消臭が行われる。また、非印刷領域22には、消臭剤もバインダー樹脂も付着されていないので、流路10を流れてきた空気は、この非印刷領域22を介して内側管状部(スパンボンド不織布)2の内部に入り込んでここで吸音される。本実施形態では、内側管状部(スパンボンド不織布)2の内部には、消臭剤及びバインダー樹脂が付着されていないので、この内部に入り込んだ音はここで十分に吸音される。
本発明において、前記内側管状部2の内周面の全体に対する前記消臭剤が印刷された印刷領域の面積の割合は50%〜90%の範囲に設定される。50%未満では十分な消臭効果を確保できなくなるし、90%を超えると十分な吸音効果を確保できない。中でも、前記内側管状部2の内周面の全体に対する前記消臭剤が印刷された印刷領域の面積の割合は60%〜80%の範囲であるのが好ましい。
なお、グラビア印刷の印刷模様等は、特に限定されるものではなく、印刷領域の面積の割合を50%〜90%の範囲に設定できるものであれば、どのような模様であってもよく、図1に示すようなストライプ状の他、ドット状等を例示できる。
前記消臭剤固着部5は、消臭剤及びバインダー樹脂を含有する消臭剤組成物を前記スパンボンド不織布の片面(管状に形成した時に内周面になる面)にグラビア印刷により印刷した後、乾燥させることにより形成できる。
前記消臭剤の固着量は1.5g/m2〜4.0g/m2であるのが好ましい。1.5g/m2以上であることで消臭性能をより向上できると共に、4.0g/m2以下であることで軽量性を維持できる。
前記バインダー樹脂の固着量は0.6g/m2〜1.6g/m2であるのが好ましい。0.6g/m2以上であることで消臭剤の脱落を十分に防止できると共に、1.6g/m2以下であることで消臭剤の表面を十分に露出させることができて消臭性能をより向上できる。
なお、上記消臭剤の固着量(g/m2)を算出する際の(分母となる)面積は、内側管状部2の内周面の全体面積(印刷領域21の面積と非印刷領域22の面積の合計)である。上記バインダー樹脂の固着量(g/m2)についても同様である。
前記消臭剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属酸化物と、アミン化合物と、多孔質無機物質とを含む消臭剤が好適である。中でも、前記消臭剤としては、亜鉛酸化物及び鉄酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物と、ヒドラジン誘導体と、シリカゲルと、を含む消臭剤を用いるのがより好ましく、この場合にはホルムアルデヒド臭、アミン臭を効率良く十分に消臭することができる。
前記バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
前記消臭剤組成物には、通常、消臭剤及びバインダー樹脂とともに溶媒が混合される。前記溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、エタノール等が挙げられる。前記消臭剤組成物は、通常は、バインダー樹脂と溶媒とでエマルジョンが形成されていて、溶媒に消臭剤(粒子)が分散された液体である。
前記消臭剤組成物における消臭剤の含有率は、2質量%〜30質量%に設定されるのが好ましい。前記消臭剤組成物におけるバインダー樹脂の含有率は、0.8質量%〜12質量%に設定されるのが好ましい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
太さ9.5デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維で形成され、厚さ0.25mmで目付が40g/m2のスパンボンド不織布と、太さ(直径)15μmのガラス繊維で形成され、厚さ25mmで嵩密度が16kg/m3のグラスウールをそれぞれ準備した。
次に、亜鉛酸化物7質量部、シリカゲル8質量部、ヒドラジン誘導体5質量部、ウレタン系バインダー樹脂8質量部、水72質量部からなる消臭剤組成物を、前記スパンボンド不織布の片面にストライプ状にグラビア印刷した後、乾燥させることによって、片面に部分的に消臭剤がウレタン系バインダー樹脂で固着されたスパンボンド不織布を得た。前記グラビア印刷されたスパンボンド不織布において、消臭剤の固着量は2.0g/m2であり、バインダー樹脂の固着量は0.8g/m2であった。
前記消臭剤固着スパンボンド不織布を用いて消臭剤固着面が内周面になるようにして形成した内側管状部2の外側を、前記グラスウールからなる中間管状部3で被覆し、さらに該中間管状部の外側を、厚さ0.1mmのポリエチレン樹脂製シートからなる外側管状部4で被覆することによって、図1に示す消臭機能を有するダクト(内径100mm、外形150mm、長さ10m)を得た。
得られたダクトにおいて、内側管状部の内周面の全体に対する前記消臭剤が印刷された印刷領域21の面積の割合は70%であり、前記消臭剤が印刷されていない非印刷領域22の面積の割合は30%であった。
<実施例2>
グラビア印刷の際の印刷面積の設定を変更することによって、印刷領域の面積の割合を55%、非印刷領域の面積の割合を45%とした以外は、実施例1と同様にして、消臭機能を有するダクトを得た。
<実施例3>
グラビア印刷の際の印刷面積の設定を変更することによって、印刷領域の面積の割合を85%、非印刷領域の面積の割合を15%とした以外は、実施例1と同様にして、消臭機能を有するダクトを得た。
<比較例1>
グラビア印刷の際の印刷面積の設定を変更することによって、印刷領域の面積の割合を10%、非印刷領域の面積の割合を90%とした以外は、実施例1と同様にして、消臭機能を有するダクトを得た。
<比較例2>
グラビア印刷の際の印刷面積の設定を変更することによって、印刷領域の面積の割合を95%、非印刷領域の面積の割合を5%とした以外は、実施例1と同様にして、消臭機能を有するダクトを得た。
<比較例3>
実施例1の消臭剤組成物液中に、実施例1と同一構成のスパンボンド不織布を含浸せしめた後、該不織布を取り出して乾燥させることによって、消臭剤がウレタン系バインダー樹脂で固着されたスパンボンド不織布を得た以外は、実施例1と同様にして、消臭機能を有するダクトを得た。この比較例3における消臭剤の固着量は算出していない。
<比較例4>
スパンボンド不織布に代えて、太さ8デシテックスのポリプロピレン繊維で形成され、厚さ1.0mmで目付が70g/m2のニードルパンチ不織布を用いて実施例1と同様にしてダクトの成型を行ったが、成型時にニードルパンチ不織布が破断してしまい、内側管状部を成型することができず、ダクトを得ることはできなかった。従って、この比較例4について後述する各種評価は行っていない。また、この比較例4における消臭剤の固着量は算出していない。
<比較例5>
スパンボンド不織布に代えて、太さ20デシテックスのポリエチレンテレフタレート繊維で形成され、厚さ5.0mmで目付が150g/m2のケミカルボンド不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして、消臭機能を有するダクトを得た。
Figure 0005931798
上記のようにして得られた各ダクトについて下記評価法に基づいて評価を行った。その結果を表1に示す。
<消臭性能評価法>
送風機の送出口に長さ10mのダクトを接続したもの(ダクト接続送風機)を、容積12m3のステンレス製チャンバー内に配置した。次に、チャンバー内を、ホルムアルデヒドを10ppm、トリメチルアミンを10ppmの濃度で含有する空気で満たしてチャンバーを気密状態にした後、送風機を運転することにより、チャンバー内の空気を送風機の送出口を介してダクト内に風速6.0m/秒で3時間送気し続けた。ダクト内に3時間送気した後、チャンバー内のホルムアルデヒドの濃度、トリメチルアミン濃度をガス検知管によって測定し、下記算出式により臭気除去率(%)を求めた。なお、下記算出式において、「h」は、3時間送気後のホルムアルデヒド濃度(ppm)であり、「t」は、3時間送気後のトリメチルアミン濃度(ppm)である。
ホルムアルデヒド除去率(%)={(10−h)/10}×100
トリメチルアミン除去率(%)={(10−t)/10}×100
(判定基準)
「○」…ホルムアルデヒド除去率とトリメチルアミン除去率の平均値が90%以上である。
「△」…ホルムアルデヒド除去率とトリメチルアミン除去率の平均値が70%以上90%未満である。
「×」…ホルムアルデヒド除去率とトリメチルアミン除去率の平均値が70%未満である。
<吸音性能評価法>
長さ10mのダクトの一端開口部を、運転中の空調設備の騒音発生部(90dBの大きさの音が発生)に近接せしめた状態とし、ダクト内部の他端開口部から10cm内方に入った位置において聴取される音の大きさを測定し、下記判定基準に基づきダクトの吸音性能を評価した。
(判定基準)
「○」…ダクトの他端開口部での聴取音の大きさが55dB以下である。
「△」…ダクトの他端開口部での聴取音の大きさが55dBを超えて75dB以下である。
「×」…ダクトの他端開口部での聴取音の大きさが75dBを超えている。
<断熱性能評価法>
25℃の室内雰囲気(空気)中において、長さ10mのダクト1内に−10℃の冷風を風速6m/秒で12時間流し続けた後、ダクトの外周面における結露の発生の有無を調べ、下記判定基準に基づき評価した。
(判定基準)
「○」…ダクトの外周面に結露は認められなかった。
「△」…ダクトの外周面に結露が少し認められた。
「×」…ダクトの外周面に結露が顕著に認められた。
表から明らかなように、実施例1〜3のダクトは、十分な断熱性と吸音性を備え、さらに優れた消臭性を有している。
これに対し、印刷領域の面積の割合が本発明の規定範囲の下限より小さい比較例1では、十分な消臭性能が得られなかった。また、印刷領域の面積の割合が本発明の規定範囲の上限より大きい比較例2では、十分な消臭性能は得られるものの、吸音性能が良好ではなかった。含浸法により消臭剤を固着せしめた比較例3では、十分な吸音性能が得られなかった。ニードルパンチ不織布で内側管状部を形成した比較例4では、不織布の引張強度が不足しているので、成型時に不織布が破断してしまい、ダクト形状に成形できないという問題があった。また、ケミカルボンド不織布で内側管状部を形成した比較例5では、不織布の通気度が十分でないために、断熱性能及び吸音性能に劣っていた。
本発明に係る消臭機能を有するダクトは、例えば、空調設備用ダクト等として使用されるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
1…ダクト
2…内側管状部
3…中間管状部
4…外側管状部
5…消臭剤固着部
21…印刷領域
22…非印刷領域

Claims (6)

  1. 厚さ0.1mm〜0.8mmで目付が30g/m2〜120g/m2のスパンボンド不織布を含む内側管状部と、
    前記内側管状部の外側に設けられて該内側管状部を被覆する中間管状部と、
    前記中間管状部の外側に設けられて該中間管状部を被覆する外側管状部とを備えたダクトであって
    前記中間管状部は、厚さ20mm〜60mmで嵩密度が12kg/m3〜30kg/m3のグラスウールを含み、
    前記内側管状部の内周面の一部に消臭剤がグラビア印刷により固着され、前記内側管状部の内周面の全体に対する前記消臭剤が印刷された印刷領域の面積の割合が50%〜90%の範囲であり、前記ダクトの長さ方向に沿って印刷領域と非印刷領域が交互に配置されていることを特徴とする消臭機能を有するダクト。
  2. 前記消臭剤の固着量が1.5g/m2〜4.0g/m2である請求項1に記載の消臭機能を有するダクト。
  3. 前記消臭剤は、前記内側管状部の内周面の一部にバインダー樹脂で固着され、
    前記バインダー樹脂の固着量が0.6g/m2〜1.6g/m2である請求項1または2に記載の消臭機能を有するダクト。
  4. 前記スパンボンド不織布を構成する繊維は、ポリエステル系樹脂で形成され、前記バインダー樹脂としてウレタン系バインダー樹脂が用いられている請求項3に記載の消臭機能を有するダクト。
  5. 前記スパンボンド不織布を構成する繊維の太さが、7.5デシテックス〜15.0デシテックスの範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の消臭機能を有するダクト。
  6. 前記内側管状部のスパンボンド不織布による多孔質構造と、前記中間管状部のグラスウールによる多孔質構造とが、相互の界面を介して連通しており、
    前記グラスウールを構成する繊維の太さが、1μm〜30μmの範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載の消臭機能を有するダクト。
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