JP5931774B2 - ターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法並びに熱源システム及びその台数制御方法 - Google Patents

ターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法並びに熱源システム及びその台数制御方法 Download PDF

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本発明は、ターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法並びに熱源システム及びその台数制御方法に関するものである。
従来、固定速ターボ冷凍機を用いた熱源システムの台数制御においては、ターボ冷凍機の定格能力に基づいて台数制御閾値を設定することが一般的に行われている。
しかしながら、冷水温度及び冷却水温度の条件によってターボ冷凍機の出力可能な能力は変動する。そこで、例えば、冷水設定温度及び冷却水設定温度に応じた能力表を予め用意し、この能力表と冷水設定温度及び冷却水設定温度とから台数制御閾値を可変に設定することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平10−300163号公報 特開2009−8356号公報 特開2012−32055号公報
ところで、特許文献1、2に開示されているような能力表を用いた従来の方法では、冷凍能力と冷却水温度及び冷水出口温度の関係を予めグラフ化して用意する必要がある。しかしながら、ターボ冷凍機は機器毎に仕様が異なり、これらを毎回グラフ化して用意することは時間と労力を要していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ターボ冷凍機が通常制御に用いる一般的な情報を用いて現在の運転点における最大負荷率を逐次的に算出することのできるターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法、並びに、この最大負荷率に基づいてターボ冷凍機の台数制御を行う熱源システム及びその台数制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、固定速の圧縮機を備えるターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を算出するターボ冷凍機の最大負荷率算出装置であって、前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を入力データとして取得するデータ取得手段と、前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を変数として含むとともに、定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、定格冷却水入口温度を固定パラメータとして含む演算式を記憶する記憶手段と、前記データ取得手段によって取得された前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度と、予め設定されている定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、及び定格冷却水入口温度とを前記演算式に用いて、現在の運転点において前記ターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を算出する演算手段とを具備するターボ冷凍機の最大負荷率算出装置である。
このような構成によれば、ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を変数として含むとともに、定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、定格冷却水入口温度を固定パラメータとして含む演算式を予め記憶手段に記憶しておくので、この演算式にデータ取得手段によって取得されたターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を入力データとして用いることにより、容易に最大負荷率を得ることができる。これにより、ターボ冷凍機の制御に通常利用される一般的なデータを用いて、現在の運転点に応じた最大負荷率の逐次計算を実現することが可能となる。
上記ターボ冷凍機の最大負荷率算出装置において、前記演算式は、例えば、機械損失等をなしとした理想的な環境下で計算された実機理想COPに対して、実際の環境下で発生する損失を補正値として与えた計画COPと、定格能力と、定格消費電力と、最大負荷率との間に成立する関係式を、前記最大負荷率について解くことにより導出された演算式である。
上記ターボ冷凍機の最大負荷率算出装置において、前記演算式には、計画消費電力と実測消費電力との比による補正値が含まれていてもよい。
演算式に、計画消費電力と実測消費電力との比による補正値を含めることにより、ターボ冷凍機の性能劣化を反映した最大負荷率を算出することが可能となる。
本発明の第2態様は、複数のターボ冷凍機と、前記ターボ冷凍機の台数制御を行う台数制御手段とを備え、各前記ターボ冷凍機は、上記のターボ冷凍機の最大負荷率算出装置をそれぞれ備えるとともに、算出した最大負荷率を前記台数制御手段に送信し、前記台数制御手段は、各前記ターボ冷凍機から通知される最大負荷率に基づいて台数制御を行う熱源システムである。
このような構成によれば、ターボ冷凍機の台数制御に用いる閾値を、逐次的に算出される各ターボ冷凍機の最大負荷率に応じて可変にすることができる。これにより、ターボ冷凍機の能力をより一層発揮させた台数制御を実現することができる。
本発明の第3態様は、固定速の圧縮機を備えるターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を、所定の時間間隔で算出するターボ冷凍機の最大負荷率算出方法であって、前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を入力データとして取得するデータ取得工程と、前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を変数として含むとともに、定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、定格冷却水入口温度を固定パラメータとして含む演算式に、前記データ取得工程において取得された前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度と、予め設定されている定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、及び定格冷却水入口温度とを用いて、現在の運転点において前記ターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を算出する演算工程とを含むターボ冷凍機の最大負荷率算出方法である。
本発明の第4態様は、複数のターボ冷凍機を備える熱源システムの台数制御方法であって、上記のターボ冷凍機の最大負荷率算出方法を用いて、各前記ターボ冷凍機が出力可能な最大負荷率を算出し、各前記ターボ冷凍機について算出された前記最大負荷率に基づいて、台数制御を行う熱源システムの台数制御方法である。
本発明によれば、ターボ冷凍機が通常制御に用いる一般的な情報を用いて現在の運転点における最大負荷率の逐次計算を実現することができ、予め能力表を作成する手間や労力を不要とすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、ターボ冷凍機の台数制御における閾値をその時々のターボ冷凍機の運転状態に応じて設定することができ、ターボ冷凍機の能力を可能な限り発揮させることができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る熱源システムの概略構成を示した図である。 図1に示した熱源システムの制御系の構成を概略的に示した図である。 図1に示したターボ冷凍機の概略構成を示した図である。 図3に示した冷凍機制御装置が備える最大負荷率算出機能を展開して示した機能ブロック図である。 冷凍機制御装置によって算出される最大負荷率の傾向について示した図である。 本発明の第1実施形態に係るターボ冷凍機の最大負荷率算出方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るターボ冷凍機の台数制御について説明するための図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法並びに熱源システム及びその台数制御方法について、図を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱源システム1の構成を概略的に示した図である。熱源システム1は、例えば、ビルや工場設備に設置されており、空調機やファンコイル等の外部負荷6に供給する冷水を冷却する3台のターボ冷凍機2a、2b、2cを備えている。ターボ冷凍機2a、2b、2cは、外部負荷6に対して並列に設置されている。ここで、図1では、3台のターボ冷凍機2a、2b、2cを備える場合について例示しているが、ターボ冷凍機の設置台数については任意に決定することができる。
冷水流れからみた各ターボ冷凍機2a、2b、2cの上流側には、それぞれ、冷水を圧送する冷水ポンプ(送水手段)3a、3b、3cが設置されている。これら冷水ポンプ3a、3b、3cによって、リターンヘッダ5からの冷水が各ターボ冷凍機2a、2b、2cへと送られる。各冷水ポンプ3a、3b、3cは、インバータモータ(図示略)によって駆動されるようになっており、これにより、回転数を可変とすることで可変流量制御される。
サプライヘッダ4には、各ターボ冷凍機2a、2b、2cを経由した冷水が集められるようになっている。サプライヘッダ4に集められた冷水は、外部負荷6に供給される。外部負荷6にて空調等に供されて昇温した冷水は、リターンヘッダ5に送られる。冷水は、リターンヘッダ5において分岐され、上述の如く、各ターボ冷凍機2a、2b、2cに送られる。
また、サプライヘッダ5とリターンヘッダ4との間にはバイパス配管7が設けられている。バイパス配管7に設けられたバイパス弁8の開度を調整することにより、外部負荷6へ供給する冷水量を調整することができる。
なお、本実施形態においては、ターボ冷凍機2a、2b、2cは、冷水を冷却するものとして説明するが、冷水を加熱するものであってもよい。また、冷却機能と加熱機能とを兼ね備えるものであってもよい。また、冷水に代えて、ブラインなどの他の熱媒を冷却または加熱するようなシステムであってもよい。
図2は、本実施形態に係る熱源システム1の制御系の構成を概略的に示した図である。図2に示すように、各ターボ冷凍機2a、2b、2cの制御装置である冷凍機制御装置10a、10b、10cは、上位制御装置20と通信媒体21を介して接続されており、双方向の通信が可能な構成とされている。上位制御装置20は、例えば、熱源システム1全体を制御する制御装置であり、外部負荷6の要求負荷と、各冷凍機制御装置10a、10b、10cから逐次通知される最大負荷率とに基づいて、ターボ冷凍機2a、2b、2cの台数制御を行う他、例えば、サプライヘッダ4とリターンヘッダ5との間の差圧(以下「ヘッダ差圧」という。)に基づくバイパス弁8の弁開度制御や、ポンプ3a、3b、3cの回転数制御等を行う。
上位制御装置20及び冷凍機制御装置10a、10b、10cは、例えば、コンピュータであり、CPU(中央演算処理装置)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、補助記憶装置、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置などを備えている。
補助記憶装置は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置には、各種プログラム(例えば、冷凍機制御装置であれば、最大負荷率算出プログラム、上位制御装置であれば、台数制御プログラム等)が格納されており、CPUが補助記憶装置から主記憶装置にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
上記上位制御装置20及びターボ冷凍機制御装置10a、10b、10cによって実行される処理の詳細については、後述する。
次に、ターボ冷凍機2a、2b、2cの構成について説明する。
図3は、ターボ冷凍機2aの構成を概略的に示した図である。ターボ冷凍機2a、2b、2cは同様の構成を有することから、以下、代表としてターボ冷凍機2aの構成について説明する。
ターボ冷凍機2aは、冷媒を圧縮する固定速の圧縮機11と、圧縮機11によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を凝縮する凝縮器12と、凝縮器12にて凝縮された液冷媒に対して過冷却を与えるサブクーラ13と、サブクーラ13からの液冷媒を膨張させる高圧膨張弁14と、高圧膨張弁14に接続されるとともに圧縮機11の中間段および低圧膨張弁15に接続される中間冷却器16と、低圧膨張弁15によって膨張させられた液冷媒を蒸発させる蒸発器17とを備えている。
圧縮機11の冷媒吸入口には、吸入冷媒流量を制御するインレットガイドベーン(以下「IGV」という。)18が設けられており、ターボ冷凍機2aの容量制御が可能となっている。
また、ターボ冷凍機2aには、冷却水入口温度THIを計測する温度センサ30が設けられている。また、その他にも、冷水入口温度、冷水出口温度、冷水流量、冷却水出口温度、冷却水流量等を測定するセンサを適宜設けることとしてもよい。温度センサ30の計測値は、冷凍機制御装置10aに送信される。なお、図3に示したターボ冷凍機1の構成は一例であり、この構成に限定されない。
冷凍機制御装置10a、10b、10cは、ターボ冷凍機2a、2b、2cが性能上出し得る最大負荷率(以下、「最大負荷率」という。)を所定のサンプリング周期で算出する機能(最大負荷率算出装置)をそれぞれ備えている。各冷凍機制御装置10a、10b、10cにおいて逐次算出される最大負荷率は、上位制御装置20へ送信される。
以下、冷凍機制御装置10a、10b、10cにおいて行われるターボ冷凍機の最大負荷算出方法について図を参照して説明する。なお、冷凍機制御装置10a、10b、10cは同様の処理を実行することから、以下、ターボ冷凍機制御装置10aを例に挙げて説明する。
図4は、冷凍機制御装置10aが備える最大負荷算出機能を展開して示した機能ブロック図である。図4に示されるように、冷凍機制御装置10aは、データ取得部41、記憶部42、演算部43を備えている。
データ取得部41は、ターボ冷凍機2aの冷水出口設定温度及び冷却水入口温度THIを入力データとして取得する。
記憶部42には、現在の運転点においてターボ冷凍機2aが性能上出し得る最大負荷率を算出するための演算式が格納されている。
以下、この最大負荷率の算出に用いられる演算式について説明する。
まず、最大負荷率をK、現在の計画COPをCOPct´、定格能力をQrt、定格消費電力をPrtとし、最大負荷率Kのときに圧縮機11において定格電力が消費されると仮定すると、COP=能力/消費電力の基本式から以下の(1)式が成り立つ。
Figure 0005931774
ここで、計画COPとは、各運転点においてターボ冷凍機が性能上出し得る最大COPの値である。計画COPは、実機と同じ冷凍サイクルにおいて、機械損失等をなしとした理想的な環境下で計算されたCOP(以下、「実機理想COP」という。)に、実際の環境下で発生する損失を考慮することで求めることができる。具体的には、計画COPは、以下の(2)式で求められる。なお、計画COPに関する以下の(2)式〜(4)式についての詳細は、特開2012−32055号公報に記載されている通りであり、ここでの詳細な説明は省略する。
Figure 0005931774
(2)式において、COPct´は補正後の計画COP、COPctは(3)式を用いて逐次推定される計画COPである。また、COPrpは所定のプログラムによって予め求められた定格仕様条件の設計点における計画COPの値、COPdpは(4)式を用いて算出された定格仕様条件の設計点における計画COPである。
(2)式に示すように、(3)式を用いて逐次推定される計画COP(COPct)に対して、予め所定のプログラムにて求めた定格仕様条件の設計点における計画COP(COPrp)を、(4)式を用いて算出した定格仕様条件の設計点の計画COP(COPdp)で除算した値(COPrp/COPdp)を補正値として乗じることにより、逆カルノーサイクルで定義される実機理想COPに含まれる誤差を低減させることができ、計画COPの算出精度を高めることが可能となる。
(3)式において、TLOは冷水設定出口温度、THOは冷却水出口温度、Td´は熱交換器(凝縮器12、蒸発器17等)における熱損失に相当する誤差を解消するための補正値、Cf1は主に圧縮機11による機器損失に相当する補正値であり、負荷率Kを変数とした演算式を用いて決定される。
d´は、所定の定数を用いることとしてもよいし、例えば、冷水設定出口温度TLO及び冷却水出口温度THOを変数とした演算式を用いて決定される補正値としてもよい。
(4)式において、TLOSPは定格仕様条件の設定点における冷水設定出口温度、THOSPは定格仕様条件の設定点における冷却水出口温度、TdSP´は定格仕様条件の設定点における熱交換器における熱損失に相当する誤差を解消するための補正値であり、Cf1については上記(3)式と同様である。
(1)式に(2)式を代入して整理すると、以下の(5)式が得られる。
Figure 0005931774
ここで、COPは冷凍能力を消費電力で除算したものであるから、COPrp=Qrt/Prtである。そうすると、上記(5)式は、以下の(6)式のように、簡素な式で表すことができる。
Figure 0005931774
この(6)式に上記(3)式を代入すると、以下の(7)式が得られる。
Figure 0005931774
(7)式に用いられている各要素は、以下の(8)式〜(10)式にて与えられる。
Figure 0005931774
ここで、THISPは定格仕様条件の設定点における冷却水入口温度、THIは冷却水入口温度、Frctは定格仕様条件の設定点における冷却水流量の設定値に対する現在の冷却水流量の比である。a、bは演算上の定数である。
冷却水流量を可変とする場合、通常は負荷率100%近傍(K=1以上)では、定格冷却水流量が通水される。本実施形態では、最大負荷率を算出することを目的としているので、ほぼ常時K>1となり、(8)式においては、Frct=1とみなすことができる。なお、冷却水流量が固定の場合には、Frct=1とされる。
以上から、上記(8)式は、以下の(8)´式のように表される。
Figure 0005931774
また、(10)式において、K>1の場合のf(K)は、K=1としたときとほぼ同値となり、K=1とみなすことができる。これは、例えば、特開2012−32055号公報の図4に示される補正曲線から得られる知見であり、K=1(負荷率100%)で静定していることがわかる。本実施形態では、最大負荷率を算出することから、ほぼ常時K>1となる。そうすると、(10)式は、以下の(10)´式のように表される。
Figure 0005931774
そして、COPdPについては、定格仕様条件から演算されるため、定数となる。
上記(8)´式、(9)式、(10)´式より、(7)式は、以下のように表される。
Figure 0005931774
上記(11)式を負荷率Kについてまとめると、以下の(12)式となる。
Figure 0005931774
ここで、A、B、Cは、それぞれ以下の(13)式、(14)式、(15)式で表わされる。
Figure 0005931774
(13)式から(15)式に示されるように、(12)式において、冷水設定出口温度TLO、冷却水入口温度THIを除けば、全て定格値(定格冷水設定出口温度TLOSP、定格冷却水入口温度THISP、定格冷却水出口温度THOSP)或いは定数となる。
以上の経緯から、上記(12)式に冷水設定出口温度TLOと冷却水入口温度THIとを入力すれば、最大負荷率Kを得ることができる。
従って、冷水設定出口温度TLOと冷却水入口温度THIとを変数とする上記(12)式の演算式及び(12)式における定格値及び定数の情報について、記憶部42に格納しておくことで、最大負荷率Kを逐次算出することが可能となる。
図5に、定格点に対する出力可能能力(最大負荷率K)[%]、冷却水入口温度[℃]、及び冷水設定出口温度[℃]の関係を示す。図5に示すように、冷却水入口温度が低いほど、最大負荷率Kは増加する傾向にあり、また、冷水設定出口温度が高くなるほど最大負荷率Kが増加する傾向にあることがわかる。
次に、ターボ冷凍機2aの運転中において、冷凍機制御装置10aにより実行される最大負荷率の算出処理について図6を参照して説明する。
まず、記憶部41には、最大負荷率Kを算出するのに必要となる情報、例えば上記(12)式、及びこの演算式で用いられる各種固定パラメータ及び定数等が予め記憶されている。
ターボ冷凍機2aの運転中において、データ取得部41は、所定のタイミングで、現在の冷水設定出口温度TLO及び冷却水入口温度THIを入力データとして取得し、これら入力データを演算部43に出力する(図6のステップSA1)。
演算部43は、データ取得部41によって入力データが取得されると、記憶部42から上記演算式を読み出し、演算式を用いて現在の運転点における最大負荷率Kを算出する(図6のステップSA2)。
演算部43において算出された最大負荷率Kは、上位制御装置20に送信される(図6のステップSA3)。
そして、上記ステップSA1からSA3の処理が繰り返し実行されることにより、各ターボ冷凍機2a、2b、2cにおける出力可能な最大負荷率が逐次算出され、その算出結果が上位制御装置20に逐次送信されることとなる。
このようにして、各ターボ冷凍機2a、2b、2cから最大負荷率が上位制御装置20へ送信されると、上位制御装置20では、受信した最大負荷率Kに基づく台数制御が行われる。
例えば、上位制御装置20は、各ターボ冷凍機2a、2b、2cの定格能力[Rt]を予め保有しており、この定格能力に最大負荷率Kを乗じることで、各ターボ冷凍機2a、2b、2cにおけるその時点での出力可能能力[Rt]をそれぞれ算出する。そして、外部負荷6の要求負荷が、現在起動しているターボ冷凍機の出力可能能力の合計を超えているか否かを判定し、超えている場合には増段を行う。なお、増段の具体的な手法について、予め増段における優先順位を決定しておくなど、公知の技術を採用することができる。また、減段においても同様に行うことが可能である。
このように、ターボ冷凍機の出力可能能力に基づいて台数制御を行うことにより、例えば、定格能力を超えた能力をターボ冷凍機に発揮させることが可能となる。
例えば、ターボ冷凍機2a、2b、2cの定格能力が100Rtである場合を仮定すると、通常であれば、図7に点線で示すように、要求負荷が100Rtを超えた時点で1台から2台へ増段し、更に、要求負荷が200Rtを超えた場合に2台から3台へ増段が行われる。これに対し、本実施形態に係る熱源システム1においては、例えば、図7に実線で示すように、ターボ冷凍機の出力可能能力が120Rtであった場合には、要求負荷が120Rtを超えた場合に、1台から2台へ増段が行われ、要求負荷が240Rtを超えた場合に、2台から3台へ増段が行われる。
以上、説明してきたように本実施形態に係るターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法並びに熱源システム及びその台数制御方法によれば、ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を変数として含むとともに、定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、定格冷却水入口温度を固定パラメータとして含む演算式を予め記憶部42に記憶しておくので、この演算式にデータ取得部41によって取得されたターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を入力データとして用いることにより、容易に最大負荷率Kを得ることができる。これにより、冷凍機制御装置10aがターボ冷凍機2aの制御に通常利用する一般的なデータを用いて、現在の運転点に応じた最大負荷率の逐次計算を実現することが可能となる。
また、この最大負荷率Kに基づいて台数制御を行うことにより、台数制御の閾値をその時々の運転点に応じて変動させることが可能となる。これにより、運転点に応じた適切な閾値による台数制御を行うことができる。この結果、ターボ冷凍機の能力を可能な限り発揮させることが可能となる。
なお、ターボ冷凍機の起動時など、過渡期においては最大負荷率Kが大きく変動する可能性がある。したがって、システムの運転の安定化を図るために、例えば、所定期間における最大負荷率Kの時間平均値を算出し、この平均値を閾値に基づいて台数制御を行うことが好ましい。また、時間平均値に代えて、例えば、事前に負荷が安定しているときの最大負荷率Kを代表値として記憶させておき、過渡期においては、負荷が安定しているときの最大負荷率Kを用いることとしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るターボ冷凍機の最大負荷率算出装置及びその方法並びに熱源システム及びその台数制御方法について説明する。
例えば、上述した第1実施形態に係る熱源システム1において算出された最大負荷率Kは、理想的な運転状態での値であり、ターボ冷凍機2aの性能劣化が反映されていない。従って、実際には、算出された最大負荷率Kまで能力が発揮できないおそれがある。そこで、本実施形態においては、上記(12)式で算出された最大負荷率Kを、現在の運転状況における計画消費電力(計画COPから算出)と実測消費電力との比によって補正し、性能劣化などの誤差要因を反映させることとしている。
すなわち、上記(1)式を、以下の(1)´式に示すように、計画消費電力Pと、Pとを用いた補正値(P/P)を(1)式の右辺に乗ずることで補正する。
Figure 0005931774
上記(1)´式を用いて、上述した第1実施形態と同様の演算式の導出過程を進めていくと、結果的に、第1実施形態に係る(12)式は、係数CにP/Pを乗じた結果となる。すなわち、上記(15)式が以下の(15)´式によって表わされることとなる。
Figure 0005931774
従って、第1実施形態における(15)式に代えて、上記補正値P/Pが反映された(15)´式を用いて最大負荷率Kを算出することにより、ターボ冷凍機2aの性能劣化を反映した最大負荷率Kを算出することが可能となる。これにより、ターボ冷凍機2aの性能劣化を考慮した台数制御を実施することが可能となる。
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において上述した各実施形態を部分的または全体的に組み合わせる等して、種々変形実施が可能である。
1 熱源システム
2a、2b、2c ターボ冷凍機
10a、10b、10c 冷凍機制御装置
20 上位制御装置
30 温度センサ
41 データ取得部
42 記憶部
43 演算部

Claims (6)

  1. 固定速の圧縮機を備えるターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を算出するターボ冷凍機の最大負荷率算出装置であって、
    前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を入力データとして取得するデータ取得手段と、
    前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を変数として含むとともに、定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、定格冷却水入口温度を固定パラメータとして含む演算式を記憶する記憶手段と、
    前記データ取得手段によって取得された前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度と、予め設定されている定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、及び定格冷却水入口温度とを前記演算式に用いて、現在の運転点において前記ターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を算出する演算手段と
    を具備するターボ冷凍機の最大負荷率算出装置。
  2. 前記演算式は、機械損失等をなしとした理想的な環境下で計算された実機理想COPに対して、実際の環境下で発生する損失を補正値として与えた計画COPと、定格能力と、定格消費電力と、最大負荷率との間に成立する関係式を、前記最大負荷率について解くことにより導出された演算式である請求項1に記載のターボ冷凍機の最大負荷率算出装置。
  3. 前記演算式には、計画消費電力と実測消費電力との比による補正値が含まれる請求項1または請求項2に記載のターボ冷凍機の最大負荷率算出装置。
  4. 複数のターボ冷凍機と、
    前記ターボ冷凍機の台数制御を行う台数制御手段と
    を備え、
    各前記ターボ冷凍機は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のターボ冷凍機の最大負荷率算出装置をそれぞれ備えるとともに、算出した最大負荷率を前記台数制御手段に送信し、
    前記台数制御手段は、各前記ターボ冷凍機から通知される最大負荷率に基づいて台数制御を行う熱源システム。
  5. 固定速の圧縮機を備えるターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を、所定の時間間隔で算出するターボ冷凍機の最大負荷率算出方法であって、
    前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を入力データとして取得するデータ取得工程と、
    前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度を変数として含むとともに、定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、定格冷却水入口温度を固定パラメータとして含む演算式に、前記データ取得工程において取得された前記ターボ冷凍機の冷水出口設定温度及び冷却水入口温度と、予め設定されている定格冷水出口温度、定格冷却水出口温度、及び定格冷却水入口温度とを用いて、現在の運転点において前記ターボ冷凍機が出力し得る最大負荷率を算出する演算工程と
    を含むターボ冷凍機の最大負荷率算出方法。
  6. 複数のターボ冷凍機を備える熱源システムの台数制御方法であって、
    請求項5に記載のターボ冷凍機の最大負荷率算出方法を用いて、各前記ターボ冷凍機が出力可能な最大負荷率を算出し、
    各前記ターボ冷凍機について算出された前記最大負荷率に基づいて、台数制御を行う熱源システムの台数制御方法。
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