JP5931718B2 - 保温保冷廃材の減容装置 - Google Patents

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Description

本発明は、寸法的、重量的制約をクリアでき、アスベスト含有等の保温保冷廃材を所定形状に減容化する性能を有する保温保冷廃材の減容装置に関するものである。
アスベスト含有の保温保冷廃材又はアスベスト非含有の保温保冷廃材の減容処理については、この保温保冷廃材の人体への有害性の観点から解体除去現場から離れた別の場所での中間処理は一切容認されていない。
また、アスベスト含有の保温保冷廃材又はアスベスト非含有の保温保冷廃材の減容装置を、例えば建造物等の解体除去現場へ搬入したり搬出したりする場合、この減容装置を工業用エレベータに積載する必要が生じるが、この際、減容装置の最大高さは2m以下、重量は2トン以下とし、更に、キャスタ又は台車にて移動可能としなければならないという制約が生じる。
この種の減容装置としては、従来油圧シリンダー駆動方式で保温保冷廃材を縦方向に圧縮する構成の減容装置、油圧シリンダー駆動方式で保温保冷廃材を横方向に圧縮する構成の減容装置等が知られている。
しかし、縦方向に圧縮する構成の減容装置の場合、保温保冷廃材の圧縮部を構成するケーシングの上部に垂直配置に油圧シリンダーが配置される構成となるため、高さ方向の制約をクリアすることができなくなる。
また、横方向に圧縮する構成の減容装置の場合、保温保冷廃材の圧縮部を構成するケーシングの水平横方向に油圧シリンダーが配置される構成となるため、油圧シリンダーの突出部が工業用エレベータの内壁又は開閉扉の内壁にぶつかり水平方向の寸法の制約をクリアすることができなくなる。
次に、この種の減容装置に要求される性能として、図8に示すように、保温保冷廃材の厚さを1/2とするためには、8kg/cmの圧縮力、1/3とするためには、21kg/cmの圧縮力、1/4とするためには、36kg/cmの圧縮力が必要である。このとき、圧縮室の平面積を、保温保冷廃材の基準寸法に準じて、650mm×450mmとすると、必要なプレス力は、保温保冷廃材の厚さを1/2とするためには、23トン、1/3とするためには、61トン、1/4とするためには、106トンとなる。上述した従来のアスベスト含有等保温保冷廃材の減容装置の場合においては、かかる高いプレス力を実現するため、大型の減容装置を寸法及び重量等の構造上の制約を満足できる状態に分解して解体除去現場へ搬入したうえで当該現場で組立・設置して減容作業を行い、減容作業終了後には、減容装置を分解・撤去しなければならず、減容装置の解体除去現場への搬出入に多大な労力を要していた。
特許文献1には、産業廃棄物を搬送する搬送装置、間隔を置いて直立した一対の側壁板、側壁板間の空間の延長上に水平に配置された水平方向に往復作動する主油圧作動装置、側壁板間に一端が枢支された押蓋、押蓋を枢動するよう枢支された押蓋用油圧作動装置、排出口に設けられた開閉部材、開閉部材を作動する開閉部材用油圧作動装置、排出口から排出された減容された産業廃棄物を搬送する別の搬送装置とから構成した保温保冷廃材の減容処理装置が開示されている。
しかし、特許文献1の場合、複数の搬送装置を必要とし、上述したような工業用エレベータに積載し得るような寸法、重量とすることは困難である。
特許文献2は、投入口21から投入された産業廃棄物等の処理材の容積を減少させて排出口22から減容処理品を排出する減容機2と、搬送車の荷台位置に着脱可能に搭載されると共に内部に前記減容機2を配設した上部開放型コンテナ4とを備え、該コンテナ4の側壁43の少なくとも一部が傾倒することにより、少なくとも前記減容機2の前記投入口21にアクセスできるような作業台51を形成する構成の減容機付コンテナが提案されている。
しかしながら、特許文献2の場合、構成要素としてコンテナを用いることを前提としており、上述したような工業用エレベータに積載し得るような寸法、重量とすることは困難である。
特許文献3には、グラスウール廃材Sのより大きな減容化、及びその処理の簡便化を目的として、筒状成形シリンダー11の後面に横押しプレス2を設け、そのシリンダー11の前面を排出口とし、シリンダー11の後部に廃材Sの投入用ホッパ9を設け、シリンダー11の中程にはゲート12を設け、このゲート12と横押しプレス2の押し圧ピストン(プレスヘッド)22との協動によって、廃材Sを圧縮するように構成し、更に、シリンダー11の排出口部には製袋装置(ロール、送り装置等)を備えた構成からなる廃材減容装置が開示されている。
特許文献3の場合、プレス力自体は一定の要請を具備するものとみられるが、シリンダ・ピストンが直列配置の構成であることから、寸法形状が、作業現場への持ち込み、工業用エレベータ積載要請上、満足できない可能性が高いものである。
特許文献4には、環境を阻害する主圧縮室から排出される空気中の粉塵、有害なガスや臭気を軽減することを目的として、例えば廃棄物圧縮用の油圧駆動の垂直配置のピストンを含む主圧縮室4に排気口9と排気口カバー10を設け、該排気口カバー10に連通する空気清浄手段11を配置し、前記排気口9は主圧縮室4の下部側面に多数の通気孔からなる構成のプラスチック等の廃棄物の圧縮装置が提案されている。
しかし、特許文献4の廃棄物の圧縮装置の場合、油圧駆動の垂直配置のピストンを備える構成であり、上述したような高さ寸法の制約をクリアすることは難しい。
特許文献5には、アスベスト含有建材等を安全に低コストで処理することを目的として、建材等廃棄物aを投入する投入ゾーン11と、その投入ゾーン11に連続し、上記建材等廃棄物aを破砕する破砕ゾーン12と、破砕された破砕物a’を集積して固化するための固化ゾーン13とからなり、上記各ゾーン11,12,13に循環液を注入した構成からからなるアスベスト含有建材等廃棄物の処理装置が提案されている。
しかし、特許文献5の処理装置の場合、液中破砕・固化プラントとして構成することを前提としており、上述したような工業用エレベータに積載し得るような寸法とすることは困難である。
特許文献6には、廃アスベストを封入したアスベスト袋体が投入される計量部を兼ねた投入部1と、投入部1にゲート11を介して連通し、投入部1から送られたアスベスト袋体に小孔を開ける孔開け室2と、孔開け室2に連通し、孔開け室2から送られたアスベスト袋体を圧縮しながら圧縮室4に送る予圧縮室3と、予圧縮室3から送られたアスベスト袋体を圧縮する圧縮室4と、圧縮室4で圧縮されたアスベスト袋体を排出しながら包装する包装手段とを備える袋詰め廃アスベストの圧縮梱包処理装置が提案されている。
しかし、特許文献6の圧縮梱包処理装置の場合、垂直配置の油圧シリンダー等を用いた構成であり、上述したような高さ寸法の制約をクリアすることは難しい。
特開平11−123369号公報 特開2008−30946号公報 特開平10−323798号公報 特開2007−229622号公報 特開2008−272706号公報 特開2009−279513号公報
本発明が解決しようとする課題は、要求される寸法的、重量的制約をクリアでき、減容装置の分解・組立てが不要で、建造物等の解体除去現場へ直接搬入、搬出が可能で、アスベスト含有等の保温保冷廃材を所定形状に減容化する性能を有し、更に、有害な保温保冷廃材の飛散をも防止できるような保温保冷廃材の減容装置を提供することである。
本発明に係るアスベスト含有等の保温保冷廃材の減容装置は、垂直配置した主ケーシング内の加圧室にこの主ケーシングの壁面部に形成した投入口から投入されるアスベスト含有の保温保冷廃材又はアスベスト非含有の保温保冷廃材を圧縮減容し、前記主ケーシングの投入口とは反対の壁面部に形成した排出口から排出する減容装置であって、前記主ケーシングの加圧室内で保温保冷廃材に加圧面を臨ませて水平配置した複数列並設構成の加圧体と、主ケーシングの外側で垂直に、かつ、回転可能に配置されるとともに、各加圧体の両端部を貫通する状態で、かつ、ねじ結合により各加圧体を垂直上下方向に移動させる2個一対で複数列並設構成のボールねじ群と、前記複数列並設構成のボールねじ群を2個一対ずつ個別に回転駆動し、各加圧体に対してボールねじの回転による圧縮力を個別に作用させて各加圧体により前記加圧室内の保温保冷廃材を個別に圧縮減容する複数列並設構成のボールねじ回転駆動機構部と、からなるボールねじ加圧プレス手段を有することを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、2個一対で複数列並設構成のボールねじ及び加圧体を主体的に利用した構成の基に、要求される寸法的、重量的制約をクリアでき、建造物等の解体除去現場への直接搬入、搬出に不都合はなく、アスベスト含有等の保温保冷廃材を所定形状に減容化する性能を実現でき、かつ、圧縮減容されたアスベスト含有等の保温保冷廃材を速やかに以降の工程に移行させることができるとともに、有害な塵埃の装置外への漏出を防止でき作業環境汚染を回避することもでき、各ボールねじ及びその付帯要素の粉塵等による摩耗防止、作業後の主ケーシング内の水洗洗浄時による錆付き防止等を図ることもできる保温保冷廃材の減容装置を実現し提供することができる。
図1は本発明の実施例に係る減容装置の外観であって内部構造を点線で概略的に示す概略正面図である。保温保冷廃材の減容装置 図2は本実施例に係る減容装置の外観構成であって内部構造を点線で概略的に示す概略平面図である。 図3は本実施例に係る減容装置の外観であって内部構造を点線で概略的に示す概略右側面図である。 図4は図1のA−A線概略拡大断面図である。 図5は図4のB−B線概略断面図である。 図6は図5のC−C線概略断面図である。 図7は保温保冷廃材の減容前、減容後の外観を示す説明図である。 図8は保温保冷廃材の圧縮試験結果を圧縮率と圧縮力の関係で図示した説明図である。
本発明は、要求される寸法的、重量的制約をクリアでき建造物等の解体除去現場へ搬入、搬出に不都合はなく、アスベスト含有等の保温保冷廃材を所定形状に減容化する性能を有し、更に、有害な保温保冷廃材の飛散をも防止できる保温保冷廃材の減容装置を提供するという目的を、垂直配置した主ケーシング内の加圧室にこの主ケーシングの壁面部に形成した投入口から投入されるアスベスト含有の保温保冷廃材又はアスベスト非含有の保温保冷廃材を圧縮減容し、前記主ケーシングの投入口とは反対の壁面部に形成されて、下降駆動又は上昇駆動される排出ゲートにより密閉状態又は開口状態とされる排出口から排出する減容装置であって、前記主ケーシングの加圧室内で保温保冷廃材に加圧面を臨ませて水平配置した複数列並設構成の加圧体と、主ケーシングの外側で垂直に、かつ、回転可能に配置されるとともに、主ケーシングの側壁に設けた垂直方向のスリットから突出させた各加圧体の両端部を貫通する状態で、かつ、ねじ結合により各加圧体を垂直上下方向に移動させる2個一対で複数列並設構成のボールねじ群と、前記排出口を密閉した状態で、前記主ケーシングの下部に配置した下部ケーシングに内蔵した前記複数列並設構成のボールねじ群を2個一対ずつ個別に回転駆動し、各加圧体に対してボールねじの回転による圧縮力を個別に作用させ、各加圧体により前記加圧室内の保温保冷廃材を個別に圧縮減容する複数列並設構成のボールねじ回転駆動機構部と、からなるボールねじ加圧プレス手段と、前記主ケーシングにおける投入口下部の開口領域に、開口した一端側を密接分離可能に配置する排出プッシャー用ケーシングに内蔵され、加圧室内で圧縮減容された保温保冷廃材を開口状態とされた前記排出口から押し出す排出プッシャー機構部と、前記排出プッシャー用ケーシング内、及び前記排出口を密閉した状態で実行される前記加圧室内の保温保冷廃材の圧縮減容時における前記主ケーシング内の塵埃を吸引排気する集塵機構付き排気手段と、を有する構成により実現した。
以下、本発明の実施例に係るアスベスト含有等の保温保冷廃材60の減容装置について図面を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1は、図1乃至図6に示すように、中空直方体状で横置きの下部ケーシング2と、この下部ケーシング2上に垂直配置した中空直方体状の主ケーシング3と、前記主ケーシング3及び下部ケーシング2の後部(図2において上部)に配置した中空直方体状で横置きの排出プッシャー用ケーシング4とを有している。
前記下部ケーシング2の底部には、この下部ケーシング2を水平配置に、かつ、床面(又は地面)上を移動可能支持する所要数のキャスタ5と、この下部ケーシング2を床面(又は地面)上で定位置に固定するための所要数の固定金具6と、を配置している。
また、排出プッシャー用ケーシング4の底部にも、この排出プッシャー用ケーシング4を水平配置に、かつ、床面(又は地面)上を移動可能支持する所要数のキャスタ5を配置している。
前記主ケーシング3の底部領域には、アスベスト含有等の保温保冷廃材60又はアスベスト非含有の保温保冷廃材60の圧縮減容を行うための平面から見てほぼ四角形状で、かつ、一定の容積を有する加圧室11が形成され、前記主ケーシング3の前記排出プッシャー用ケーシング4側の壁面部には、図4に示すように、保温保冷廃材60を投入するための投入口12を設けている。
前記投入口12は、壁面部に配置した開閉扉12aにより開口又は閉塞可能となっている。
また、前記主ケーシング3の前記投入口12とは反対側の壁面部には、図1、図4に示すように、保温保冷廃材60を排出するための排出口13を設けるとともに、この排出口13を囲むように前記主ケーシング3の壁面部に四角筒状の排出筒体14を取り付けている。なお、図4中、61は加圧体21の最終停止線を示している。
更に、前記排出口13には、図4に示すように、この排出口13を密閉状態又は開口状態とする排出ゲート15を配置するとともに、排出口13の上部の壁面部及びその近傍領域に、原動軸を下向きとして固定した排出ゲート駆動モータ16と、排出ゲート駆動モータ16の下部に前記壁面部に沿って回転可能支持され、かつ、上端部をカップリング17を介して前記排出ゲート駆動モータ16の原動軸に連結し、下端部を前記排出ゲート15の上端部に連結した構造の排出用ボールねじ18と、を設けている。
そして、前記排出ゲート駆動モータ16の回転により排出用ボールねじ18を回転させ排出ゲート15を下降駆動することにより前記排出口13を密閉状態とし、また、前記排出ゲート駆動モータ16の回転(逆転)により排出用ボールねじ18を回転させ排出ゲート15を上昇駆動することにより前記排出口13を開口状態とするように構成している。
次に、前記主ケーシング3及び下部ケーシング2に配置するボールねじ加圧プレス手段20について詳述する。
前記主ケーシング3内には、加圧室11側に加圧面21aを臨ませて水平配置した2列並設構成の直方体状の加圧体21を設けている。
主ケーシング3の前記投入口12、排出口13を設けた各壁面部とは直交する側の各壁面部の外側には、図1、図5に示すように、2個一対で2列並設構成の合計4個構成のボールねじ22を垂直に、かつ、回転可能に配置している。
そして、主ケーシング3の側壁に設けた垂直方向のスリットから水平方向に突出させた各加圧体21の両側の端部21bを各ボールねじ22が貫通する状態としている。
更に、ボールねじ22に内周ねじ部を螺合させた円柱状の移動体23の下面を各加圧体21の端部21bに固着し、これにより、各ボールねじ22の2個一対ずつの回転により2列並設配置の各加圧体21を個別に上下動させるように構成している。
前記各ボールねじ22の上端部は、前記主ケーシング3内の上部に配置した各フランジ形ユニット25により回転可能に支持され、また、前記各ボールねじ22の下端部は各カップリング24を介して後述するボールねじ回転駆動機構部31に連結する構成としている。
前記下部ケーシング2内には、図2、図5及び図6に示すように、ボールねじ回転駆動機構部31を設けている。
このボールねじ回転駆動機構部31は、前記排出口を密閉した状態で、前記主ケーシングの下部に配置した下部ケーシング2に内蔵した前記2列配置の各加圧体21に対応した横置きで2個並列配置の駆動モータ32と、前記2個一対の各ボールねじ22の下方位置に各々配置した2個一対ずつで2列配置からなる合計4個の減速機33と、を有している。
更に、ボールねじ回転駆動機構部31は、前記駆動モータ32の原動軸と、2個一対の減速機33のうち、駆動モータ32に近い側の減速機33の水平入力軸との間を連結する第1カップリング34aと、前記駆動モータ32に近い側の減速機33の水平出力軸と、一対のフランジ形ユニット35により水平配置に、かつ、回転可能に支持されている連結シャフト36の一端側との間に配置した第2カップリング34bと、前記連結シャフト36の他端側と、駆動モータ32に遠い側の減速機33の水平入力軸との間に配置した第3カップリング34cと有し、これらを2列並列配置としている。
そして、前記2個一対ずつの減速機33の垂直出力軸を前記各ボールねじ22の下端部に配置した各カップリング24に連結し、これにより、前記2個並列配置の各駆動モータ32の回転によりボールねじ回転駆動機構部31を介して前記2個一対ずつの各ボールねじ22を、2個一対ずつ個別に(各列別に)回転駆動し、各列の加圧体21に対して一対ずつのボールねじ22の回転による圧縮力を個別に作用させ、各加圧体21により前記加圧室11内の保温保冷廃材60を個別に圧縮減容する構成としている。
次に、前記排出プッシャー用ケーシング4に設けた排出プッシャー機構部41について、図2、図4、図6を参照して説明する。
前記排出プッシャー用ケーシング4の一端側は、前記主ケーシングにおける投入口下部の開口領域に対して開口した一端側を密接分離可能に配置するようになっている。
前記排出プッシャー機構部41は、排出プッシャー用ケーシング4の側壁部に配置するとともに、原動軸にスプロケット43を取り付けた排出プッシャー用駆動モータ42と、前記排出プッシャー用ケーシング4内において、この排出プッシャー用ケーシング4内をその長さ方向に移動可能に、かつ、垂直に配置した四角板状の排出プッシャー(押し出し板)44と、前記排出プッシャー用ケーシング4内の前記排出プッシャー用駆動モータ42と横並びの位置に配置した軸受ユニット45と、この軸受ユニット45により、前記排出プッシャー用ケーシング4の四角形状を呈する空間の中央位置となる配置で一端側が回転可能に支持されるとともに、排出プッシャー用ケーシング4内を長さ方向に延在されて、かつ、前記排出プッシャー44の中心部を貫通させた排出プッシャー用ボールねじ46と、排出プッシャー用ボールねじ46と、前記排出プッシャー44よりも軸受ユニット45側で前記排出プッシャー用ボールねじ46に内周ねじ部を螺合させ、かつ、前記排出プッシャー44と一体に連結した円柱状の移動体47と、前記排出プッシャー用ボールねじ46の一端側の端部に配置したスプロケット46aと、前記スプロケット43と、スプロケット46aとに掛けわたしたチェーン48と、を有している。
そして、排出プッシャー用駆動モータ42の回転力をチェーン駆動により排出プッシャー用ボールねじ46に伝達し、前記移動体47とともに排出プッシャー44を前記加圧室11側に移動させ、加圧室11内で圧縮減容された保温保冷廃材60を開口状態とされた前記排出口13から外方に押し出し可能に構成している。
なお、図3において、49は前記排出プッシャー用ケーシング4上に配置した減容前の保温保冷廃材60を載置する載置テーブル49である。
本実施例に係るアスベスト含有等の保温保冷廃材60の減容装置1は、更に、図1、図2に概略的に示すように、前記加圧室11内の保温保冷廃材60の圧縮減容時における前記主ケーシング3内に生じる塵埃、及び前記排出プッシャー用ケーシング4内に入り込む塵埃を吸引排気する集塵機構付き排気手段51を備えている。
前記集塵機構付き排気手段51は、前記下部ケーシング2における前記駆動モータ32の位置の上側の上壁面部に配置した中空直方体状の排気箱52を有している。
前記排気箱52の上面部には、図1、図2に示すように、排気箱52内に連通させた2個の排気受筒53a、53bを設け、また、前記排気箱52の一方の側面部には、図2に示すように、排気箱52内に連通させた2個の排気受筒53c、53dを設けている。
更に、前記排気箱52の一方の端面部には排気箱52内に連通させた排気筒54を設け、図示しない排気ポンプに接続するようになっている。なお、前記排気箱52には、防塵フィルター(図示せず)が内蔵されている。
また、前記主ケーシング3の両側壁部には、図1に示すように、前記主ケーシング3内の空間に連通させるとともに、外壁部の一部から側方に突出させた排気送出筒部56、56を備える四角皿型状の排気用カバー体55、55を取り付けている。
同様に、前記排出プッシャー用ケーシング4の両側壁部には、図2に示すように、排出プッシャー用ケーシング4内の空間に連通させるとともに、外壁部の一部から側方に突出させた排気送出筒部58、58を備える四角皿型状の排気用カバー体57、57を取り付けている。
そして、主ケーシング3における一方の排気送出筒部56と前記排気受筒53a、他方の排気送出筒部56と前記排気受筒53bとを、例えば合成樹脂材からなる円筒状のダクト(図1に2点鎖線で示す)D1、D2により接続している。
また、前記排出プッシャー用ケーシング4における一方の排気送出筒部58と前記排気受筒53c、他方の排気送出筒部58と前記排気受筒53dとを、例えば合成樹脂材からなる円筒状のダクト(図2に2点鎖線で示す)D3、D4により接続している。
本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1において、図5に2点鎖線で示すように、主ケーシング3内の前記各ボールねじ22及びその付帯要素の外周部に、例えば蛇腹状チューブのような密閉封止部材59を配置し、前記各ボールねじ22の外周部を密閉状態に覆う構成とすることもできる。
本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1における具体的仕様の一部について言及すると、図1に示すように、減容装置1自体の最大高さH=1980mm、図2に示すように、最大長さL=2100mm、重量約1.4トンに構成する例を挙げることができる。
また、前記ボールねじ加圧プレス手段20の保温保冷廃材60に対するプレス力としては、40トン(20トン×2)等の例を挙げることができる。このとき、一つの加圧体21の加圧面21aの面積を332mm×468mmとしているので、保温保冷廃材60に加えることのできる圧縮力は、12.9kg/cmとなる。これは、保温保冷廃材の厚さを2/5に減容化できる圧縮力に相当する。
以上説明した本実施例に係るアスベスト含有等の保温保冷廃材60の減容装置1の作用効果について以下に説明する。
本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1においては、まず、主ケーシング3内の加圧室11内に、投入口12からアスベスト含有の保温保冷廃材60又はアスベスト非含有の保温保冷廃材60を投入する。
次に、前記排出ゲート15により排出口13を閉じて加圧室11内を密閉状態とし、前記各駆動モータ32の回転力により2列並設構成の各ボールねじ22を2個一対ずつ個別に回転駆動し、各加圧体21をボールねじ22の回転により下降させて、保温保冷廃材60に対して圧縮力を個別に作用させ、この保温保冷廃材60を個別に圧縮減容する。
なお、前記各駆動モータ32を同期回転させ、2列の加圧体21により同時に保温保冷廃材60に対して圧縮力を付与し圧縮減容することももちろん可能である。
図7は、保温保冷廃材60の減容前、減容後の形態を示すものである。
本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1の場合、保温保冷廃材60に対する1回の圧縮減容動作で、保温保冷廃材60のかさ容積を減容前に比べ減容後においては約1/3に減容することができることを確認できた。
このように、本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1によれば、要求される寸法的、重量的制約をクリアでき、建造物等の解体除去現場への搬入、搬出に不都合がなく、保温保冷廃材60を所定形状に減容化する性能を実現することができる。
また、上述した保温保冷廃材60の圧縮減容時に、前記集塵機構付き排気手段51を動作させ、前記主ケーシング3内に生じる塵埃を吸引排気することによって、加圧室11内を負圧にすることにより、有害な塵埃の装置外への漏出を防止でき作業環境汚染を回避することができる。
次に、排出口13を開き、排出プッシャー機構部41を動作させて、前記排出プッシャー44により前記加圧室11内で圧縮減容された保温保冷廃材60を、前記排出口13から外方に押し出し、以降の工程に移行させる。
これにより、圧縮減容された保温保冷廃材60を自動的に装置外に排出し、次工程に移行させることができる。
更に、上述した図5に示すような前記各ボールねじ22、及びその付帯要素の外周部に、密閉封止部材59を配置する構成とすれば、前記各ボールねじ22及びその付帯要素の粉塵等による摩耗防止、作業後の主ケーシング3内の水洗洗浄時による錆付き防止等を図ることができる利点がある。
なお、本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1において、前記下部ケーシング2、主ケーシング3、前記排出プッシャー用ケーシング4等に、図示しないがフックを取り付け、ユニックやクレーンにより吊り降ろし可能とする構成を採用することも可能である。
また、本実施例に係る保温保冷廃材60の減容装置1においては、ボールねじ加圧プレス手段20を構成する前記加圧体21、ボールねじ22、ボールねじ回転駆動機構部31を2列並設配置としたが、これに限らず、3列並設配置、4列並設配置等とすることも可能である。
本発明は、寸法的、重量的に制約があり、かつ、圧縮対象物に対する大きな圧縮力が要請されるような圧縮プレス装置として広範に応用可能である。
1 保温保冷廃材の減容装置
2 下部ケーシング
3 主ケーシング
4 排出プッシャー用ケーシング
5 キャスタ
6 固定金具
11 加圧室
12 投入口
12a 開閉扉
13 排出口
14 排出筒体
15 排出ゲート
16 排出ゲート駆動モータ
17 カップリング
18 排出用ボールねじ
20 ボールねじ加圧手段
21 加圧体
21a 加圧面
21b 端部
22 ボールねじ
23 移動体
24 カップリング
25 フランジ形ユニット
31 ボールねじ回転駆動機構部
32 駆動モータ
33 減速機
34a 第1カップリング
34b 第2カップリング
34c 第3カップリング
35 フランジ形ユニット
36 連結シャフト
41 排出プッシャー機構部
42 排出プッシャー用駆動モータ
43 スプロケット
44 排出プッシャー
45 軸受ユニット
46 排出プッシャー用ボールねじ
46a スプロケット
47 移動体
48 チェーン
49 載置テーブル
51 集塵機構付き排気手段
52 排気箱
53a 排気受筒
53b 排気受筒
53c 排気受筒
53d 排気受筒
54 排気筒
55 排気用カバー体
56 排気送出筒部
57 排気用カバー体
58 排気送出筒部
59 密閉封止部材
60 保温保冷廃材
61 最終停止線

Claims (1)

  1. 垂直配置した主ケーシング内の加圧室にこの主ケーシングの壁面部に形成した投入口から投入されるアスベスト含有の保温保冷廃材又はアスベスト非含有の保温保冷廃材を圧縮減容し、前記主ケーシングの投入口とは反対の壁面部に形成され、下降駆動又は上昇駆動される排出ゲートにより密閉状態又は開口状態とされる排出口から排出する減容装置であって、
    前記主ケーシングの加圧室内で保温保冷廃材に加圧面を臨ませて水平配置した複数列並設構成の直方体状の加圧体と、主ケーシングの外側で垂直に、かつ、回転可能に配置されるとともに、主ケーシングの側壁に設けた垂直方向のスリットから突出させた各加圧体の両端部を貫通する状態で、かつ、ねじ結合により各加圧体を垂直上下方向に移動させ外周を密閉状態に覆う密閉封止部材を備える2個一対で複数列並設構成のボールねじ群と、前記排出口を密閉した状態で、前記主ケーシングの下部に配置した下部ケーシングに内蔵した前記複数列並設構成のボールねじ群を2個一対ずつ個別に回転駆動し、各加圧体に対してボールねじの回転による圧縮力を個別に作用させ、各加圧体により前記加圧室内の保温保冷廃材を個別に圧縮減容する複数列並設構成のボールねじ回転駆動機構部と、からなるボールねじ加圧プレス手段と、
    前記主ケーシングにおける投入口下部の開口領域に、開口した一端側を密接分離可能に配置する排出プッシャー用ケーシングに内蔵され、加圧室内で圧縮減容された保温保冷廃材を開口状態とされた前記排出口から押し出す排出プッシャー機構部と、
    前記排出プッシャー用ケーシング内、及び前記排出口を密閉した状態で実行される前記加圧室内の保温保冷廃材の圧縮減容時における前記主ケーシング内の塵埃を吸引排気する集塵機構付き排気手段と、
    前記保温保冷廃材の圧縮減容時に、前記集塵機構付き排気手段を動作させて前記主ケーシング内に生じる塵埃を吸引排気することによって、前記加圧室内を負圧にすることにより有害なアスベスト含有等の塵埃の装置外への漏出を防止でき作業環境汚染を回避できるようにしたとともに、取扱い制約上で要求される寸法的、重量的制約をクリアでき、建造物等の解体除去現場への搬入、搬出に不都合のないアスベスト含有等の保温保冷廃材を所定形状に減容化する機能を有することを特徴とする保温保冷廃材の減容装置。
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