JP5931517B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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本発明は、保温性ないし断熱性に優れ、膜厚を厚く塗布し易い塗料組成物に関する。
従来、建築物や各種配管の内部の温度変化を効率よく制御するために、対象の周囲を保温材ないし断熱材で覆うことが広く実施されている。近年では、保温性・断熱性を備えた塗装材の開発が進み、定型の保温材ないし断熱材に代えてこれらの保温性・断熱性を備えた塗装材を保温ないし断熱対象に塗布することも行われている。
塗装材に保温性・断熱性を付与するには、塗布される塗装材全体の熱伝導性を下げることが必要であり、その一つの方法としては、熱伝導性の低い材料をその中に含有させることが挙げられる。
気体は、分子密度が低いため、熱伝導性が低い材料として機能し得るが、対流を起こすことからそのままでは熱を伝える媒介としても機能してしまう。そこで、塗装材においては、熱伝導率を下げたり、保温性・断熱性を上げたりするために、中空状粒子(以下「ビーズ」ともいう)を混練した樹脂エマルジョンが使用されている。
例えば、下記特許文献1には、透明もしくは半透明である硼化ケイ素セラミックのバブルと、構造粘性を発現し、塗膜形成後に前記バブルを大きい粒子径を有するバブルの隙間に小さい粒子径のバブルが入り込むように稠密積層配列させる構造保持剤と、塗膜形成材とを含有し、太陽光の熱エネルギーを反射、放射するために用いられる溶剤系の遮熱性塗料であって、前記構造保持剤が、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイトのいずれか一種以上を塗料全体に対して1〜3重量%と、粒子径が0.5〜100μmのシリカ粒子を塗料全体に対して1〜3重量%とを成分とし、前記バブルの粒子径は5〜150μmであって大きい粒子径と小さい粒子径を幅広く有するとともに、前記バブルの含有量は塗膜全体に対する容積比が30〜60%になるような値である遮熱性塗料が開示されている。
また、下記特許文献2には、樹脂エマルション(A)、平均粒子径が1〜300μmの中空ビーズ(B)、及び増粘剤(C)を含む断熱塗材であって、中空ビーズ(B)の配合量が断熱塗材固形分中20〜98容量%、増粘剤(C)の配合量が断熱塗材固形分中0.01〜5重量%で、粘度が2〜100Pa・sである断熱塗材が開示されている。
特許3794824号公報 国際公開WO2002/83326号パンフレット
しかしながら、これらのビーズを水、溶剤ないし塗料溶液中に配合した場合、その浮力により急速に表面に浮かび上がり、分離した状態に陥いることがある。このような状態になると、水、溶剤ないし塗料溶液中にビーズを再分散させるには再度撹拌してビーズを分散させる必要が生じる。加えて、塗料溶液中に多量のビーズを分散させようとすると、塗料溶液が硬化した後でひび割れが入りやすくなる傾向があった。
また、塗料の断熱性ないし保温特性を向上させるためには、塗料中のビーズの含有量を上げることが有効である。しかしながら、塗料溶液中のビーズ含有量が多くなると、ビーズの均一分散が困難となるため、単純に塗料溶液中のビーズの濃度を上げることには困難性があった。また、塗料の塗布面全体の保温性ないし断熱性を向上させるには、塗料の塗布厚みを増大させることが効果的であるが、従来の塗料溶液は、厚く塗工することが困難であったり、厚く塗工できたとしても、乾燥中にビーズが表面側に分離してハードケークと呼ばれる状態になったり、クラックが生じたりする等により、所望の保温性ないし断熱性を確保することが困難であった。
特にセラミック等の無機中空状粒子からなるビーズは、低熱伝導率であるため、塗料溶液に混練すると非常に保温性ないし断熱性に優れた塗料が得られることが広く知られている。しかしながら、無機中空状粒子からなるビーズを高濃度に含有する塗料溶液は、厚く塗工すると非常にハードケークが生じ易く、塗工厚さに応じた保温性ないし断熱性を達成することができないという課題が存在していた。
本発明者等は、セラミック等の無機中空状粒子からなるビーズが高濃度に含有された塗料組成物を得るべく、鋭意研究を重ねてきた。その結果、従来の塗料溶液のように、分散媒としてのエマルジョン中に分散質としての無機中空状粒子からなるビーズが分散している系ではなく、無機中空状粒子からなるビーズがエマルジョンによって接合・保持されている系となすことによって解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、保温性ないし断熱性に優れるとともに、厚く塗布してもヒビ割れが生じ難い塗料組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の塗料組成物は、無機中空状粒子からなるビーズと、前記ビーズに対するエマルジョン構造保持材と、増粘剤を含有する塗料組成物であって、前記ビーズの含有量は前記エマルジョン構造保持材に対して質量比で1.5以上3.5以下であることを特徴とする。
本発明の塗料組成物によれば、エマルジョン構造保持材及び増粘剤が無機中空状粒子からなるビーズを安定した状態で接合・保持するので厚い塗膜を形成でき、しかも、得られた塗膜は無機中空状粒子からなるビーズの持つ優れた保温特性ないし断熱特性を発揮できるようになる。
本発明の塗料組成物は、エマルジョン構造保持材及び増粘剤に対して無機中空状粒子からなるビーズの含有割合が非常に高く、分散媒としてのエマルジョン中に分散質としての無機中空状粒子からなるビーズが分散している系とは異なり、無機中空状粒子からなるビーズがエマルジョンによって接合・保持されている系となっている。そのため、本発明の塗料組成物は、塗工後にハードケークが生じ難く、しかも、無機中空状粒子からなるビーズ間にエマルジョン構造保持材及び増粘剤が浸透するので、エマルジョン構造保持材が硬化した後のエマルジョン構造保持材自身の伸縮膨張によるヒビ割れの発生が抑制され、厚塗り作業性も向上する。
なお、本発明の塗料組成物においては、無機中空状粒子からなるビーズの含有量をエマルジョン構造保持材に対して質量比で1.5以上とすることにより、分散媒としてのエマルジョン中に分散質としての無機中空状粒子からなるビーズが分散している系とは明確に区別でき、塗工後にハードケークが生じ難い塗料組成物が得られる。すなわち、塗料組成物中の無機中空状粒子からなるビーズの含有量がエマルジョン構造保持材に対して質量比で1.5未満であると、分散媒としてのエマルジョン中に分散質としての無機中空状粒子からなるビーズが分散している系となるために、塗工後にビーズが表面側に分離してハードケークが生じ易くなり、また、厚塗りも行い難くなる。なお、より好ましい無機中空状粒子からなるビーズの含有量は、エマルジョン構造保持材に対して質量比で2.0以上である。
また、無機中空状粒子からなるビーズの含有量がエマルジョン構造保持材に対して質量比で3.5を超えるようになると、無機中空状粒子からなるビーズの一部にエマルジョンによって接合・保持されないものが生じるようになる。このような状態では、塗膜の表面から無機中空状粒子からなるビーズが容易に剥離するようになるとともに、ビーズ間の接合強度が小さくなるので、塗膜の強度も小さくなる。そのため、本発明の塗料組成物においては、無機中空状粒子からなるビーズの含有量はエマルジョン構造保持材に対して質量比で1.5以上3.5以下が好ましい。
なお、本発明で用いる無機中空状粒子からなるビーズとしては、市販のシラスバルーン、フライアッシュバルーン、アルミナバルーン、ガラスバルーン、ジルコニアバルーン等を適宜に選択して使用し得る。また、発泡ガラスを粉砕して作成したビーズも使用し得るが、この場合は、空洞が外面に開口・露出しているもの(以下、「開放空洞」という)も多く含まれている。このような開放空洞が形成されているビーズが多いとエマルジョン構造保持材が空洞内に浸透して断熱効果ないし保温効果が低下するので、開放空洞が形成されているビーズを篩分けして除去し、閉鎖空洞のビーズが多いものを使用するのが好ましい。
なお、市販の無機中空状粒子からなるビーズは、大部分が分級されているが、必ずしも分級されていなくてもよい。また、本発明で用い得る無機中空状粒子からなるビーズとしては、塗料中への分散性及び塗料の強度を考慮すると真球状のものが最も好ましいが、真球状のものでなくても同様の保温特性ないし断熱特性を備える塗料が得られる。また、これらの無機中空状粒子からなるビーズは、必ずしも全てが閉鎖空洞を有するものでなくても構わないが、発泡した結果として空洞が外面に多く開孔・露出すると、エマルジョン構造保持材が空洞に浸透して断熱効果ないし保温効果が低下するので、閉鎖空洞を有するものを篩分けして使用することが好ましい。
なお、本発明の塗料組成物に添加し得る増粘剤としては、塗料の増粘剤として周知のものを適宜選択して使用し得る。このような増粘剤を用いると、塗料組成物の粘度を向上させ、さらに増粘・だれ止め・沈降防止の特性を付与することで、無機中空状粒子からなるビーズ等の塗料構成成分の浮遊沈降分離を抑制することができるようになり、さらに、塗装時に厚塗り性が付与される。なお、本発明の塗料組成物においては、その他の添加剤として、塗料組成物に普通に使用されている界面活性剤、消泡剤、pH調節剤等などを混練してもよい。
なお、本発明の塗料組成物を用いて塗膜を形成する場合には、塗膜の厚みが3mmないし20mmとなるように塗布することが好ましく、5mmないし10mmとすると使い勝手が良いのでより好ましい。また、保温性ないし断熱性を保つには、塗膜の表面に凹凸が実質的に存在せず、平坦なほうがよい。さらに、塗膜の厚みは、厚い方が保温性ないし断熱性が良好となるが、10mmを大幅に超えると塗布作業性が落ちるだけではなく均一厚みを保ち難くなり、また、厚みが薄いと一般の保温性ないし断熱性塗料と効果の差があまりなくなる。
また、本発明においては、エマルジョン構造保持材としては、例えばアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン・ブタジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂などから適宜に選択できる。ただし、ウレタン系のものは弾力性に富むが耐熱性が低く、シリコン系のものは耐熱性に優れるが引張り強度が十分でない場合があるので、用途に応じて適宜選択して使用することが好ましい。
エマルジョン構造保持材としてアクリル樹脂系エマルジョンを採用すると、特にガラス系中空状粒子からなるビーズとの間の接合・保持強度が強くなる。エマルジョン構造保持材としては、アクリル樹脂系エマルジョン(例えば、溶剤型アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、アクリル−スチレン系樹脂エマルジョン、アクリル−シリコン系樹脂エマルジョン、アクリル−ウレタン系樹脂エマルジョン等)を用いることが好ましい。エマルジョン構造保持材としてアクリル樹脂系エマルジョンを用いる場合には、無機中空状粒子からなるビーズの含有量を多くすることができるので、無機中空状粒子からなるビーズの含有量をエマルジョン構造保持材に対して質量比で2.0以上3.5以下としてもよい。また、アクリル樹脂系エマルジョンとして、剛性及び耐衝撃性が優れている塗膜を得るにはアクリル−スチレン樹脂エマルジョンを用いることができる。
なお、本発明の塗料組成物の対応温度範囲(使用推奨温度範囲)は、実質的にエマルジョン構造保持材の温度特性によって定まるが、無機中空状粒子からなるビーズの含有割合が多くなると耐熱性が良好となる。例えば、エマルジョン構造保持材としてアクリル樹脂系エマルジョンを用いた場合、無機中空状粒子からなるビーズの含有量がエマルジョン構造保持材に対して質量比で0.5の場合は対応温度範囲は−10℃〜80℃となるが、無機中空状粒子からなるビーズの含有量がエマルジョン構造保持材に対して質量比で2.5以上3.5以下の場合は対応温度範囲は−10℃〜250℃となり、耐熱性が向上する。
また、本発明の塗料組成物においては、前記ビーズとして硼珪酸ガラス中空粒子からなるものを用い、このビーズの含有量をエマルジョン構造保持材に対して質量比で2.5以上3.0以下とすることが好ましい。硼珪酸ガラスビーズは、工業的に多く製造されており、高強度でアルカリが溶出し難いという物性を有している。しかも、硼珪酸ガラスビーズは、エマルジョン構造保持材との濡れ性がよいので多量に用いることができるが、多すぎても断熱効果ないし保温効果が飽和し、しかも、表面の硼珪酸ガラスビーズが脱落し易くなる。そのため、耐熱性及び塗膜強度の観点からは、硼珪酸ガラスビーズの含有量をエマルジョン構造保持材に対して質量比で2.5以上3.0以下とすることが好ましい。
また、本発明の塗料組成物においては、無機中空状粒子からなるビーズの平均粒径は40〜70μmであることが好ましい。ビーズの平均粒径が40μm未満であると保温効果が低下する虞があり、70μmを超えると、塗布作業性が悪くなるとともに、粒子が破壊し易くなり、塗膜表面に凹凸が生じて美観を損ねる虞がある。なお、本明細書における「平均粒径」とは、市販のレーザー回折式粒度分析計により求めた粒度分布における積算値50%での粒径(D50)を意味する。さらに、無機中空状粒子からなるビーズの平均粒径を40〜70μmとすることは、原料の中空ビーズを分級することによって容易に得ることができる。
また、本発明の塗料組成物においては、遮光性材料を含有させることが好ましい。この遮光性材料としては顔料として周知のもの、例えば二酸化チタン、亜鉛華、沈降性硫酸バリウム、カーボンブラック等を使用し得る。このように、本発明の塗料組成物に顔料を添加すると、紫外線や可視光に対する塗膜の劣化が抑制され、耐候性が高くなって塗膜の寿命が長くなる。
図1A〜Eはそれぞれ実施例1の塗料組成物による塗膜の各部のレーザー顕微鏡写真である。 図2A〜Eはそれぞれ比較例1の塗料組成物による塗膜の各部のレーザー顕微鏡写真である。 塗料組成物中の中空ガラスビーズ混合量と表面温度との関係を示すグラフである。 実施例1、2及び比較例1,2の塗料組成物による塗膜を形成した試料の加熱後の時間と温度の関係を示すグラフである。 実施例1の塗料組成物による塗膜の厚さを変えた試料の加熱後の時間と温度の関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を実施例及び比較例により詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための塗料組成物を例示するものであって、本発明をこの実施例に限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
[実験例1]
最初に、実施例1〜3、比較例1及び2の塗料組成物の組成を説明する。実施例1〜3、比較例1及び2に共通して、エマルジョン構造保持剤としては、市販のアクリル−スチレン樹脂エマルジョン(CG−8490:商品名、DIC株式会社製)を用いた。また、増粘剤としては市販のヒドロキシエチルセルロース系増粘剤を、成膜助剤としては市販のアクリル樹脂系エマルジョン用成膜助剤を用い、さらに、塗料組成物の耐光性改善の目的で市販のルチル型二酸化チタン顔料を添加した。
そして、実施例1〜3、比較例1及び2の全てにおいて、エマルジョン構造保持剤としてのアクリル−スチレン樹脂エマルジョンを100質量部、増粘剤を140質量部、顔料を100質量部、成膜助剤を50質量部、水を200質量部となるように混練して塗料溶液を調製した。なお、この塗料溶液には、他に塗料組成物に普通に使用されている少量の界面活性剤、消泡材、pH調節材等を添加した。次いで、この塗料溶液に、実施例1〜3、比較例1及2のそれぞれに対応する無機粒子を用い、それぞれ所定量添加して混練することにより、実施例1〜3、比較例1及2に対応する塗料組成物を得た
なお、用いた無機粒子は、実施例1、実施例2及び比較例1では、市販の中空状硼珪酸ガラス(平均粒径(D50)=60μm)を用い、それぞれの場合の添加量は、エマルジョン構造保持剤100質量部に対して、実施例1では280質量部、実施例2では200質量部及び比較例1では50質量部とした。また、実施例3では、市販の硼珪酸ガラスからなる発泡ガラスを粉砕した後、篩分けして212μmの標準篩い通過分を用い、添加量はエマルジョン構造保持剤100質量部に対して280質量部とした。さらに、比較例2では市販の硼珪酸ガラスパウダー(平均粒径(D50)=60μm)を用い、添加量は添加量はエマルジョン構造保持剤100質量部に対して280質量部とした。
上述のようにして作成した実施例1〜3、比較例1及び2の各塗料組成物を用い、恒温室の鉄板製壁面に厚さが5mm、塗工面積が1mとなるようにコテで塗工することにより、実施例1〜3、比較例1及び2のそれぞれに対応する塗布試料を作製した。その際、作業性、作業時間、乾燥後の無機粒子の分散性について総合的に判定した結果を、施工性として評価した。特に作業性及び作業時間については、通常のモルタルと同程度の塗工性を備え、いわゆる液だれが殆ど生じなかったもの、塗工時に僅かに液だれしたが再度コテを当てることにより液だれ部を修正できたもの、塗工時に液だれしたが複数回コテを当てることにより液だれ部を修正できたもの、塗工時に液だれし、複数回コテを当てても原形回復ができなかったものに区別した。
また、無機粒子の分散性については、乾燥後に得られた塗膜を切断及び剥離して実施例1〜3、比較例1及び2にそれぞれ対応する試料を得た。これらの試料に対して、レーザー顕微鏡(株式会社KEYENCE製VK−9510)により表面、裏面、切断面の上部、中部及び下部の状態を調べた。実施例1に対応する試料の測定結果を図1に、比較例1に対応する試料の測定結果を図2に、それぞれ示した。なお、実施例2、3及び比較例2の測定結果は、実施例1に対応する測定結果を最良のものとし、比較例1に対応する試料の測定結果を最悪のものとして区別して判定した。
その後、恒温室の壁面の温度が200℃となるように調整してから1時間経過させ、各実施例及び比較例に係る塗料組成物の状態を観察して、保温性・断熱性、ヒビ割れを判定した。判定基準は下記のとおりである。
保温性・断熱性:塗料組成物の表面温度を測定し、温度が120℃以下の場合を◎、140℃以下120℃超の場合を○、160℃以下140℃超の場合を△、160℃を超える場合を×と判定した。
ヒビ割れ:判定者が1m離れた距離から目視でヒビ割れが生じているかどうかを判定者の主観により判定し、ヒビ割れを発見できなかった場合を◎、局所的にわずかに見られた場合を○、部分的にひび割れが見られた場合を△、全面的にひび割れた見られた場合を×と判定した。
その後、保温性・断熱性については、加速試験としてサンシャインウエザーメーターを用いて3ヵ月に相当する促進暴露処理を行い、その後に上述の場合と同様にして保温性・断熱性を判定した。上記のようにして判定された、施工性、保温性・断熱性、ヒビ割れの結果を纏めて表1に示した。
比較例1に対応する図2に示した測定結果によれば、図2のA〜Cを対比すると明らかなように、中空状硼珪酸ガラスからなるビーズは、塗料の表面側に集まり、下面側では非常に少なくなっており、ハードケーク状態となっている。それに伴い、図2のD及びEを対比すると明らかなように、表面側では中空状硼珪酸ガラスからなるビーズの存在に伴う凹凸が見受けられるが、これらのビーズはほとんど露出しておらず、しかも、裏面側では実質的に中空状硼珪酸ガラスからなるビーズの存在が認められない。
また、実施例1に対応する図1に示した測定結果によれば、図1のA〜Cを対比すると明らかなように、中空状硼珪酸ガラスからなるビーズは、塗料の表面側から裏面側にわたって存在していることが分かる。それに伴い、図1のD及びEを対比すると明らかなように、表面側及び裏面側ともに、中空状硼珪酸ガラスからなるビーズが露出していることが認められる。
このことは、比較例1の塗料組成物では、従来の塗料組成物の場合と同様に、中空状硼珪酸ガラスからなるビーズに比してエマルジョン構造保持剤の量が多いために溶液状となっているので、厚く塗装すると塗膜ができるまでにこれらのビーズが浮力によって表面側に浮き上がって、ハードケーク状態となってしまうことを意味する。それに対し、実施例1の塗料組成物では、中空状硼珪酸ガラスからなるビーズに比してエマルジョン構造保持剤の量が少ないので、これらのビーズがエマルジョン構造保持剤中に分散しているというよりもこれらのビーズ同士がエマルジョン構造保持剤によって結合されている状態、すなわち、ペースト状態となっているため、厚く塗装しても最初の塗装された状態を維持したまま塗膜が形成されていることを意味する。したがって、実施例1の塗料組成物は、比較例1の塗料組成物に比すると、厚塗りに適していることが確認できた。
また、表1に示した結果から以下のことが分かる。少なくとも、ガラス中空状粒子ないし発泡ガラスを粉砕して篩分けすることによりガラス中空状粒子を含むものとした実施例1〜3では、実用上十分な保温性・断熱性、ヒビ割れ特性、施工性及び3ヵ月後の保温性・断熱性を備えていた。しかしながら、比較例1では、ガラス中空状粒子を用いておりながらその添加割合が少ないため、保温性・断熱性及びヒビ割れ特性は実用上十分であったが、液だれが多くて施工性が悪く、しかも、3ヵ月後の保温性・断熱性は、樹脂成分の劣化が大きくて、保温性・断熱性に劣っていた。
また、無機粒子としてガラスパウダーを用いた比較例2の場合には、ガラスパウダーの含有割合を実施例1及び3の場合と同量としても、塗膜中に気体(気泡)が含まれていないために、保温性・断熱性が最も劣っており、ヒビ割れも最も多かった。ただし、比較例2の塗料組成物は、比較例1の塗料組成物よりも流動性が小さく、塗工性は実用上十分であったが、実施例1〜3の塗料組成物よりも施工性が悪かった。また、3ヵ月後の保温性・断熱性は最も劣っていた。
[実験例2]
実験例2としては、アクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対する中空球状硼珪酸ガラスの含有量を1.0、1.5及び3.5と変化させた以外は実施例1の塗料組成物と同様の3種類の塗料組成物を調製して、上記と同様に3種類の塗布試料を作製した。そして、恒温室の壁面の温度が200℃となるように調整してから1時間経過させ、それぞれの場合について塗料組成物の表面温度を測定した。得られた結果を実施例1、2及び比較例1(それぞれアクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対する中空球状硼珪酸ガラスの含有量が0.5,2.0及び2.8に対応する)の測定結果とともに、図3に示した。
図3により、以下のことがわかる。すなわち、アクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対する中空球状硼珪酸ガラスの質量比について、1.0以下及び3.0を超える場合は中空球状硼珪酸ガラス混合量の上昇に伴う表面温度の低下の程度(すなわち、保温効果の向上の程度)が比較的少ない。一方、1.0以上、特に1.5以上から2.5以下の場合は、大きく表面温度が低下するようになることがわかる。
従って、本発明においては、アクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対する中空球状硼珪酸ガラスからなるビーズの混合量について、質量比で1.5以上であれば一応良好な効果を奏するが、2.0以上とすることが好ましく、特に2.5以上とすることが好ましいことが分かる。また、このビーズの混合量が多くなりすぎても保温効果ないし断熱効果が飽和し始め、4.0となるとアクリル−スチレン樹脂エマルジョンと結合していないビーズが生じるようになる。そのため、アクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対する中空球状硼珪酸ガラスからなるビーズの混合量は、質量比で3.5程度を上限とすることが好ましい。
[実験例3]
実施例1、3、比較例1及び2のそれぞれの塗料組成物を用い、幅5cm×長さ10cm×厚さ2mmの鉄板上に厚さ5mmとなるように塗膜を形成して、4種類の塗布試料を作製した。これらの4種類の塗膜の表面にそれぞれ熱電対を取り付け、さらに、参照試料として幅5cm×長さ10cm×厚さ2mmの鉄板上に熱電対を取り付けた。これらの4種類の塗布試料及び1種類の参照試料を加熱プレート上に載置した。そして、加熱プレートの設定温度を、参照試料の温度が200℃となるように設定し、加熱プレートに通電を開始してからの事件の経過に伴うそれぞれの検出温度を同時に測定した。結果をまとめて図4に示した。
図4に示した結果から、以下のことが分かる。すなわち、中空球状ガラスからなるビーズは、放射伝熱を遮断する能力を持っているため、中空球状ガラスからなるビーズの含有量の最も多い実施例1の塗料組成物をもちいた場合には、非常に良好な保温・断熱効果を有している。また、実施例3の塗料組成物は、発泡ガラスから作製された無機粒子を用いているため、全てが中空状バルーンとなってはいないため、実施例1よりも劣る結果となったものと思われる。
それに対し、比較例1の塗料組成物では、中空球状ガラスからなるビーズが含まれてはいるが、その含有割合が少量であるため、保温・断熱効果は実施例3の場合と同程度であった。また、比較例2の塗料組成物では、ガラスパウダーを用いているため、内部に気体(気泡)が含まれていないため、保温・断熱効果が最も劣る結果が得られた。
実施例1の塗料組成物を用い、幅5cm×長さ10cm×厚さ2mmの鉄板上に厚さ6mm、13mm及び20mmとなるように塗膜を形成して、3種類の塗布試料を作製した。これらの3種類の塗膜の表面にそれぞれ熱電対を取り付け、さらに、参照試料として幅5cm×長さ10cm×厚さ2mmの鉄板上に熱電対を取り付けた。これらの4種類の塗布試料及び1種類の参照試料を加熱プレート上に載置した。そして、加熱プレートの設定温度を、参照試料の温度が200℃となるように設定し、加熱プレートに通電を開始してからの事件の経過に伴うそれぞれの検出温度を、室温と同時に測定した。結果をまとめて図5に示した。
図5に示した結果から以下のことが分かる。すなわち、鉄板の温度は約200℃で安定しており、厚さ6mmの試料では約130℃、厚さ13mmの試料では90℃、厚さ20mmの試料では約75℃で安定し、それぞれの温度はほぼ一定値となっていた。このことは、本発明の塗料組成物は、良好な保温・断熱効果を有していることを証するものであり、しかも本発明の塗料組成物の厚みが厚くなればなるほど、保温・断熱効果が良好になるということを示しているものである。
なお、上記実施例1〜3では、塗料組成物中に顔料としてルチル型二酸化チタンを用いた例を示したが、顔料は必ずしも必要な成分ではなく、用途、使用環境等に応じて適宜選択すればよい。特に室内で使用するための塗料組成物では、顔料は使用しなくてもかまわない。また、上記の各実験例ではエマルジョン構造保持剤を100質量部、増粘剤を140質量部、顔料を100質量部、成膜助剤を50質量部、水を200質量部となるように混練して塗料溶液を用いたが、本発明においてはこの組成に限定されるものではなく、必要とされる塗膜の物性に応じて適宜変更してもよい。
本発明の塗料組成物は、通常の建築物(住宅や倉庫)の壁面などのほか、保温庫の外壁、配管・パイプの外装など、保温効果を保ちたい構造物にも使える。また、このような塗料組成物を使ってタイル化することで、運搬性、施工性を向上させることができ、またシート状に加工すると配管やバルブの様な構造物に巻きつけるのに好適となる。

Claims (3)

  1. 硼珪酸ガラス中空粒子からなるビーズと、アクリル−スチレン樹脂エマルジョンと、増粘剤と、二酸化チタンとを含有する塗料組成物であって、
    前記ビーズの含有量はアクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対して質量比で2.0以上3.5以下であり、
    前記ビーズの平均粒径は60μmであることを特徴とする塗料組成物。
  2. 記ビーズの含有量は前記アクリル−スチレン樹脂エマルジョンに対して質量比で2.5以上3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記増粘剤がヒドロキシエチルセルロース系増粘剤であり、
    アクリル樹脂系エマルジョン用成膜助剤を更に含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
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