JP2003231862A - 骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル - Google Patents

骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル

Info

Publication number
JP2003231862A
JP2003231862A JP2002031591A JP2002031591A JP2003231862A JP 2003231862 A JP2003231862 A JP 2003231862A JP 2002031591 A JP2002031591 A JP 2002031591A JP 2002031591 A JP2002031591 A JP 2002031591A JP 2003231862 A JP2003231862 A JP 2003231862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aggregate
coating material
weight
containing coating
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002031591A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Suzuki
彰 鈴木
Makoto Kito
誠 鬼頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikusui Kagaku Kogyo KK filed Critical Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2002031591A priority Critical patent/JP2003231862A/ja
Publication of JP2003231862A publication Critical patent/JP2003231862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明感のある質感の高い塗膜を容易に耐候性
が優れた塗膜を形成することができる骨材含有塗材及び
それを塗布した金属パネルを提供する。 【解決手段】 乾燥した後に透明のフィルムを形成す
ることができる合成樹脂エマルションと水とともに充
填された粒径が0.1〜5.0mmの骨材を試料とし
て、その試料1.0cmの試料厚における全光線光透過
率が1.5%以上である透明感を与える骨材とを含有す
る骨材含有塗材において、前記骨材含有塗材の固形分1
00重量部に対して、酸化チタンを0.03重量部〜
0.25重量部の範囲で添加するものである。好ましく
は、前記透明感を与える骨材の骨材含有塗材における含
有率が骨材含有塗材の固形分100重量部中20.0重
量部〜75.0重量部の範囲とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物に代表さ
れる構造物の外壁、内壁及び天井等の塗装面に仕上げを
行うための塗布される骨材含有塗材及び外壁、内壁及び
天井を構成する金属パネルに予めその骨材含有塗材を塗
布した金属パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂と透明感のある骨材とか
らなる骨材含有塗材は、その骨材含有塗材により形成さ
れる塗膜の透明感があり、多彩感のある質感から多く用
いられることがある。また、この骨材含有塗材を1種又
は2種以上を用いて、御影石、大理石又は砂岩などの石
材やレンガ、タイルに似た質感を表現する塗膜を得るこ
とがある。このように、骨材含有塗材は、高級感のある
塗膜を得るために好ましく用いられることがある。ま
た、この塗膜には、クリアー塗料により保護膜を設け、
耐候性を向上させることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、骨材のうち
透明感のある骨材を用いた骨材含有塗材により形成され
る塗膜は、透明感のない骨材を用いた場合と比べると、
塗膜に透明感があり、その透明感により質感のある塗膜
を作ることができるが、耐候性が劣るものであることが
多い。これは、骨材含有塗材にバインダー成分である乾
燥した後に透明なフィルムを形成することができる合成
樹脂を含み、その含有量が比較的少なく、さらに、光を
通しやすい透明感のある骨材を含むためである。
【0004】これらの成分により構成された骨材含有塗
材により形成される塗膜は、太陽光などの紫外線の影響
を塗膜全体に受けやすい。つまり、透明感のない骨材を
用いた骨材含有塗材により形成される塗膜は、紫外線な
どが骨材により遮断され、塗膜内部にまで通ることが少
ないものであるため、その塗膜の表面から劣化が始まる
ものであるが、透明感のある骨材を用いた骨材含有塗材
による塗膜は、紫外線などが骨材により遮断されないた
め、塗膜内部にまで紫外線などを通し、そのため塗膜全
体から劣化し、その劣化速度も比較的速くなり、耐候性
が劣ることになる。
【0005】また、耐候性の良い焼付け塗装を施した塗
装面を持つ金属パネルの塗装面に、その塗装面の1部を
残して骨材含有塗材を塗布した場合、その塗装面と塗布
面との劣化速度が異なるものである。そのため、従来で
は、透明感のある骨材を用いた骨材含有塗材により形成
される塗膜にさらに樹脂分の多い透明なクリアー塗料を
塗布し、保護膜を形成することが多い。クリアー塗料を
塗布することにより、塗膜表面の耐候性を向上させ、塗
膜全体の耐候性を向上させることを行っている。
【0006】しかし、この塗膜を得るためには、クリア
ー塗料を塗布する工程が必要となるため、骨材含有塗材
により形成される塗膜を得るためには、塗装期間が長く
かかるなど塗装作業の効率が低下する問題が生じる。ま
た、金属パネルにおいても上記と同様なことが行われ、
塗装面と塗布面との劣化速度を近くしているが、上記と
同じ問題が生じる。
【0007】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、耐候性が優れた透明感のある質感の高い
塗膜を容易に形成することができる骨材含有塗材及びそ
れを塗布した金属パネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の骨材含有塗材は、乾燥
した後に透明のフィルムを形成することができる合成樹
脂エマルションと水とともに充填された粒径が0.1
〜5.0mmの骨材を試料として、その試料1.0cm
の試料厚における全光線光透過率が1.5%以上である
透明感を与える骨材とを含有する骨材含有塗材におい
て、前記骨材含有塗材の固形分100重量部に対して、
酸化チタンを0.03重量部〜0.25重量部の範囲
で添加するものである。
【0009】請求項2に記載の発明の骨材含有塗材は、
請求項1に記載の発明において、前記透明感を与える骨
材の骨材含有塗材における含有率が骨材含有塗材の固形
分100重量部中20.0重量部〜75.0重量部の範
囲とするものである。
【0010】請求項3に記載の発明の骨材含有塗材は、
請求項1又は又は請求項2に記載の発明において、さら
に、ヒンダードアミンライトスタビライザー(HAL
S)を添加するものである。
【0011】請求項4に記載の発明の金属パネルは、上
記請求項1ないし請求項3に記載のいずれかの骨材含有
塗材を焼付け塗装を施した塗装面を持つ金属パネルの塗
装面に、その塗装面の1部を残して塗布したものであ
る。
【0012】請求項5に記載の発明の金属パネルは、請
求項4に記載の発明において、前記骨材含有塗材により
形成された塗膜とその骨材含有塗材を塗布していない前
記塗装面の1部とにより作られた模様がレンガ調、タイ
ル調、石積調のいずれかの模様であり、塗布されていな
い塗装面が目地としての模様であるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を詳細
に説明する。この発明の骨材含有塗材は、乾燥した後
に透明のフィルムを形成することができる合成樹脂エマ
ルションと水とともに充填された粒径が0.1〜5.
0mmの骨材を試料として、その試料1.0cmの試料
厚における全光線光透過率が1.5%以上である透明感
を与える骨材とを含有する骨材含有塗材において、前記
骨材含有塗材の固形分100重量部に対して、酸化チ
タンを0.03重量部〜0.25重量部の範囲で添加す
るものである。
【0014】まず、骨材含有塗材とは、骨材固有の色
調、風合いを生かした建築用の仕上塗材であり、合成樹
脂をバインダーとして、色の付いた骨材を主成分とした
ものである。この合成樹脂は、骨材含有塗材の使いやす
さ、製造の容易さから合成樹脂エマルションであること
が必要であり、この合成樹脂エマルションとしては、ア
クリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アル
キッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエ
ステル樹脂などの樹脂を単独又は共重合したものを水に
分散させたものであり、乳化重合のような通常の重合技
術で製造できる一般的なもので良い。
【0015】また、前記合成樹脂エマルションは、骨材
の色調、風合いを生かし、意匠感を高めるため、さら
に、形成された塗膜に透明感を与えるために乾燥し造膜
した後に透明なフィルムを形成するものであることが必
要である。骨材含有塗材としての適性や物性、入手の容
易さなどからアクリル樹脂、スチレン樹脂より製造され
たアクリル系合成樹脂エマルションやアクリルスチレン
系合成樹脂エマルションが好ましく用いられる。また、
より一層耐候性を向上させるためには、ウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂より製造される、ウレタン
系合成樹脂エマルション、シリコーン系合成樹脂エマル
ション、フッ素系合成樹脂エマルション、アクリルシリ
コーン系合成樹脂エマルションなどを用いることがあ
る。
【0016】前記合成樹脂エマルションは、乾燥性の良
いものが好ましい。乾燥性が劣るものであると、骨材含
有塗材を塗布した後に降雨があった場合、その塗布され
た骨材含有塗材が未乾燥である場合、流れてしまうこと
がある。前記合成樹脂エマルションに用いられる合成樹
脂のガラス転移温度は、好ましくは−20〜50℃の範
囲であり、−20℃より低い場合には、骨材含有塗材に
より形成される塗膜が汚れやすくなることがあり、50
℃より高い場合には、塗膜が硬く、そのため、割れやす
くなる場合があり、骨材含有塗材の用途に応じて、適し
たガラス転移温度の合成樹脂を選択することができる。
【0017】前記合成樹脂エマルションの固形分は、骨
材含有塗材の固形分中に5〜50重量%の範囲が好まし
い。5重量%より少ない場合には、塗膜の耐候性が低下
し、脆くなることがある。また、50重量%より多い場
合は、汚れやすくなる場合がある。
【0018】次に、水とともに充填された粒径が0.1
〜5.0mmの骨材を試料として、その試料1.0cm
の試料厚における全光線光透過率が1.5%以上である
透明感を与える骨材及びその測定方法について説明す
る。この発明に用いられる透明感のある骨材は、その透
明感を表すために、骨材の粒径が0.1〜5.0mmの
ものを用いて測定しているが、この骨材含有塗材には、
0.1mmより細かいものを用いても良い。
【0019】全光線光透過率の測定方法は、積分球式光
線透過率測定装置を用い、測定試料は、分級した後の粒
度が0.1〜5.0mmにあるものを選択し、水洗いに
より骨材粒子表面のごみ、パンを除いた状態のものを水
とともに内厚10mmのガラスセルの中に充填し、全光
線光透過率の測定方法する。測定対象となる粒度のうち
0.1mmより小さいものしか透明感のある骨材が塗材
中に配合されていない場合には、同一組成又は同一産地
の骨材を代用して測定し、5.0mmより大きいものし
か配合されてない場合には、その骨材を砕いて、粒度調
整を行い測定する。
【0020】この測定した値が1.5%以上であること
が必要である。1.5%未満のものは、透明感が小さ
く、透明感のある質感の高い塗膜を得ることができな
い。しかし、後述される有色骨材として用いることがで
きる。好ましくは、全光線光透過率が4.0〜25.0
%の範囲のものが良く、この範囲のものを用いることに
より、透明感のある質感の高く、耐候性の優れた塗膜を
得ることができる。
【0021】この透明感のある骨材は、具体的には、長
石、寒水石、ガラスビーズ等を挙げることができる。入
手の容易さ、合成樹脂エマルションとの混合性が優れて
いることより寒水石を用いることが多い。寒水砂とは、
炭酸カルシウムを主成分とする、大理石の1種であり、
寒水石を粉砕して粒度調整したものである。この寒水砂
の外観は、白色粒子であるが、透明感のある骨材の1つ
である。
【0022】前記透明感を与える骨材の含有率は、骨材
含有塗材の固形分100重量部中に20.0重量部〜7
5.0重量部の範囲であることが好ましい。20.0重
量部より少ない場合には、透明感のある質感の高い塗膜
を得ることができないことがある。また、75.0重量
部を超える場合には、塗膜に紫外線などを通しやすくな
り、塗膜の劣化が起き易くなることがある。
【0023】酸化チタンは、骨材含有塗材により形成さ
れる塗膜の耐候性を向上させるものである。しかし、得
られる塗膜は、透明感のある質感の高いものであるた
め、その添加量は、骨材含有塗材の固形分100重量部
に対して、0.03〜0.25重量部の範囲の微量であ
る。酸化チタンの添加量が0.03重量部より少ない場
合には、塗膜の耐候性の向上ができなく、0.25重量
部より多い場合には、塗膜が白っぽくなり、透明感のあ
る質感の高い塗膜を得ることができない。さらに、好ま
しくは、骨材含有塗材の固形分100重量部に対して、
0.04〜0.15重量部の範囲であり、この範囲であ
れば塗膜の質感を保ち、耐候性の良いバランスのとれた
塗膜を得ることができる。
【0024】また、酸化チタンの添加量が前記透明感を
与える骨材100重量部に対して、0.10重量部〜
0.35重量部の範囲であっても上記同様に、透明感の
ある質感の高いさらに、耐候性の良い塗膜を得ることが
でる。前記酸化チタンには、その結晶構造の違いによ
り、アナターゼ型とルチル型のものがある、この発明に
は、比較的耐候性の優れたルチル型の酸化チタンが好ま
しく用いられる。また、その平均粒径は、0.10〜
0.50μmの範囲のものが好ましく用いられ、より好
ましくは、0.10〜0.30μmの細かいものであ
る。細かいものであれば、単位重量当たりの酸化チタン
の粒子数が増え、比表面積が増えることにより、耐候性
がより向上し、塗膜を濁らせることが少ないものであ
る。
【0025】また、酸化チタンの添加方法としては、そ
のまま粉末状の酸化チタンを塗材に、又は、塗材製造中
に添加することもできるが、酸化チタンを前もって分散
媒に分散させたミルベースを用いることが好ましい。こ
のミルベースを用いることにより、骨材含有塗材への酸
化チタンへの分散を短時間で、塗材中に均等に分散させ
ることができる。骨材含有塗材中に均等に分散させるこ
とができることにより、形成させる塗膜においても斑無
く、均等に分散されたもので、塗膜の耐候性をより向上
させることができる。
【0026】さらに、好ましくは、ヒンダードアミンラ
イトスタビライザー(以下、「HALS」と言う。)を
添加することである。HALSは、有色骨材含有塗材に
より形成される塗膜に耐候性を向上させるためのもので
ある。この塗膜の耐候性の向上は、塗膜中の合成樹脂の
劣化に影響を与える遊離ラジカルを捕捉、過酸化物の分
解、消光などによるものである。
【0027】前記HALSは、テトラメチルペピリジン
を有するものが好ましく用いられる。テトラメチルペピ
リジンを有するHALSには、そのテトラメチルペピリ
ジンの1分子中の数により下記のような種類がある。テ
トラメチルペピリジンの数が1のものには、1−[2−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルペピリジン、N−メチル−3−ドデシル−
1−(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)ピロリジン−2,5−ジオンなどがある。
【0028】テトラメチルペピリジンの数が2のものに
は、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テ
トラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デ
カン−2,4−ジオン、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
トなどがある。
【0029】テトラメチルペピリジンの数が4のものに
は、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシラート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル/トリデシル1,2,3,4ブタンテトラカ
ルボキシラートなどを挙げることができる。
【0030】また、前記HALSの平均分子量は、20
0〜1000の範囲のものが好ましく用いられる。平均
分子量が200より小さいものは、骨材含有塗材により
形成された塗膜から流出することがあり、HALSによ
る耐候性の向上が少なくなることがある。平均分子量が
1000より大きいものは、骨材含有塗材の貯蔵安定性
を損なうことがあり、また、形成された塗膜の色調がH
ALSの色と混ざり、希望した色調と違うものになるこ
とがある。
【0031】前記HALSの粒子径は、0.1μm〜1
0μmの範囲のものが好ましい。0.1μmより小さい
場合は、HALSの入手が困難なことがある。また、1
0μmより大きい場合には、塗膜の意匠に影響を与える
ことがある。
【0032】また、前記HALSの添加量は、塗材固形
分100重量部中に、0.01重量部〜1.0重量部の
割合の範囲が好ましい。0.01重量部より少ない場合
には、骨材含有塗材により形成された塗膜の耐候性の向
上を期待することができない場合がある。1.0重量部
より多い場合には、1.0重量部添加したものと大差が
ないことがある。より好ましくは、0.05重量部〜
0.5重量部の割合の範囲である。この範囲である場合
には、十分な塗膜の耐候性を期待できるものである。
【0033】骨材含有塗材へのHALSの添加時期とし
ては、塗材の製造時に添加する又は塗材を使用する直前
に添加する場合がある。また、その添加方法は、塗材中
に均一に混ぜ合わせることができれば、どのような方法
でも問題はない。一般的には、攪拌機を用いて混合する
方法を用いる場合が多い。さらに、HALSは、合成樹
脂の中で好ましく用いられる合成樹脂エマルションと容
易に混ざり合うものが良い。
【0034】さらに、この骨材含有塗材は、有色骨材を
含有させることが好ましい。有色骨材とは、色を有する
骨材のことであり、骨材含有塗材により形成される塗膜
に多彩感のある色調を付与し、高級感のある意匠を得る
ことができる。有色骨材は、前記透明感のある骨材比較
して、全光線光透過率が1.5%より低いもので、有色
のものである。つまり、比較的隠蔽力の高い骨材であ
り、光沢の有る骨材から光沢のない骨材等が挙げられ
る。
【0035】この有色骨材は、有色天然石を粉砕したも
のや陶磁器などを粉砕したセルベンなどがある。また、
有色天然石や陶磁器を粉砕したものに人工的に着色を施
したものや工業的に生産されたものなど着色骨材があ
る。有色天然石の粉砕物には、花崗岩、蛇紋岩、黒曜
石、蛍石、カナリヤ、白玉、寒水、小桜、漆雪、美濃
霞、蛇紋等の大理石粉砕粒、珪砂、天然細砂利などが挙
げられる。さらに、シラスバルーン、パーライト、ガラ
スの粉砕物を発泡させたものなどの軽量骨材も挙げるこ
とができる。
【0036】着色骨材は、骨材に着色を施したものであ
り、骨材の色が安定し、それにより、塗膜の色調も安定
することになる。骨材の着色方法の多くは、骨材表面に
塗料、顔料、釉薬などの着色成分により着色する方法で
ある。また、ガラスビーズ、プラスチックビーズなどは
骨材の内部から着色することも可能である。骨材表面に
塗料、顔料、釉薬などにより着色する着色骨材に用いら
れる骨材は、有色天然石の粉砕物、珪砂、陶磁器砕粒、
ガラスビーズ、プラスチックビーズ、軽量骨材などが用
いられる。
【0037】内部から着色することで得られる着色骨材
は、骨材の製造過程において、内部から着色されたもの
のことであり、ガラスを略球状にしたガラスビーズや、
アクリル樹脂などの合成樹脂を略球状にしたプラスチッ
クビーズなどがある。着色骨材は、人工的に着色を施し
たものや工業的に生産されたものであるため、色調の他
に粒子径も安定している場合も多く、塗料の塗布作業が
安定的であり、塗料の安定においても優れているもので
ある。特に、人工的に着色した珪砂、陶磁器砕粒は、入
手が容易であり、合成樹脂との混和性に優れているた
め、より好ましく用いられる。
【0038】骨材含有塗材に用いられる有色骨材の粒子
径は、37〜2000μmの範囲のものが好ましく、4
5〜1000μmの範囲のものがさらに好ましい。37
μmより細かい骨材の場合、骨材含有塗材より得られる
塗膜の多彩感が少なく意匠性に欠けることがあり、塗材
の安定性、塗布作業の作業性などが劣る場合がある。ま
た、2000μmより大きい骨材の場合、塗膜の仕上が
り面が粗く、意匠的に好ましくない。45〜1000μ
mの範囲の有色骨材を用いた場合には、骨材含有塗材の
貯蔵時の安定性が良く、形成された塗膜の意匠性がより
好ましくバランスの取れたものである。
【0039】また、紫外線吸収剤(以下、「UVA」と
言う。)を添加することにより、より塗膜の耐候性を増
すことがある。酸化チタンやHALSは、塗膜の劣化を
起こす有害な光を吸収するものではないため、有害な紫
外線を吸収し、無害な熱又は運動エネルギーに変換する
UVAを添加することにより、塗膜の耐候性がより増す
ものである。さらに、酸化防止剤を添加することによ
り、より一層の耐候性を得ることができる。
【0040】UVAには、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート
系、オギザニリド系の紫外線吸収剤が挙げられる。これ
らの中の紫外線吸収剤の中では、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が、熱及び光に安
定であるため好ましく用いられる。さらに、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤は、酸化チタン、HALSとの
相乗効果が大きいためより好ましく用いられる。
【0041】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤には、
2−(2’−ヒドロキシ− 5’−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5
−ジ−t−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾールな
どがある。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤には、2,4
−ジヒドロキシ ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ ベンゾトリアゾール−5−スルフォニック
アシドなどが挙げられる。
【0042】また、酸化防止剤を加えることにより、よ
り塗膜の耐候性を増すことがある。酸化防止剤は、塗膜
中の合成樹脂成分が酸化によってできるラジカルに電子
放出したり、酸化過程中に生じたラジカルに水素を与え
て、ラジカルを不活性にすることによって、熱酸化劣化
を防止することができる。酸化防止剤には、リン系、フ
ェノール系、イオウ系の酸化防止剤を挙げることができ
る。しかし、イオウ系酸化防止剤は、HALSの効果を
低下することがあるため、ほとんど用いることがなく、
リン系、フェノール系の酸化防止剤が好ましく用いられ
る。また、リン系酸化防止剤は、酸化チタン、HALS
との相乗効果が大きいためより好ましく用いられる。
【0043】リン系酸化防止剤には、トリスノニルフェ
ニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト
ールジホスファイトなどが挙げられる。さらに、UVA
と酸化防止剤を併用することも可能である。
【0044】さらに、その他の成分として、ハロゲン
系、リン系、三酸化アンチモン系化合物などの難燃剤、
消泡剤、分散剤、湿潤剤などとして用いられる界面活性
剤、造膜助剤、防凍剤などとして用いられる高沸点溶
剤、粘度、粘性調整のための増粘剤、防腐剤、防藻剤、
防黴剤等のように一般に塗料、塗材に配合されている成
分を用いることができる。
【0045】次に、前記のように構成された骨材含有塗
材の塗布方法について説明する。この骨材含有塗材は、
刷毛、ローラー、スプレー、鏝、へら、さらには、スク
リーン印刷などの通常の塗布方法により塗布することが
でき、スプレーにより塗装した場合には、複数色の骨材
含有塗材を用いて、多色スプレーにより塗布することが
できる。多色スプレーにより塗布し、形成された塗膜
は、より多彩感のあるものを形成することができる。そ
の塗布方法は、必要に応じて適宜選択し、特に限定され
るものではない。さらに、より塗膜の耐候性を向上させ
たい場合には、従来より使われているクリアー塗料を塗
布しても何ら問題はない。
【0046】また、この骨材含有塗材を不織布などの柔
軟性のある基材に、前記のような手段により塗装を行っ
たシート状の表装材として用いることもできる。このシ
ート状表装材は、この発明の骨材含有塗材と適用する部
位と同じ部位に接着材を用いて、貼り付けるものであ
る。さらに、柔軟性の小さい基材に骨材含有塗材を塗装
したものを用いて建築物の外壁、内壁及び天井等に用い
ることもできる。
【0047】前記柔軟性の小さい基材として代表的な金
属パネルを挙げることができる。この金属パネルは、建
築物の外壁などに用いられる場合、その金属パネルは、
耐久性の向上、色調を付与させるために、焼き付け用の
塗料による焼付け塗装を行うことが多い。この焼付け塗
装面の1部を残して、この発明に記載された骨材含有塗
材を塗布することにより、焼付け塗装面を利用して、意
匠性のある金属パネルを得ることができる。この金属パ
ネルは、比較的耐久性に優れた焼き付け塗装面と耐候性
が優れた骨材含有塗材を塗布し形成された塗膜とにより
パネル表面に模様を形成するもので、表面にある塗装面
と塗膜とを同条件で太陽光などの紫外線に曝され劣化が
始まる。従来の塗膜を用いたものでは、優れた焼き付け
塗装面に比較して、耐候性が劣るためクリアー塗料を塗
布し、耐候性を向上させ、塗装面の劣化速度に近づけ、
金属パネルの意匠性を長期間維持している。
【0048】この発明の金属パネルは、従来から行われ
ているクリアー塗料の塗布したものと同程度の耐候性を
有することができ、優れた焼き付け塗装面と骨材含有塗
材による塗膜との劣化速度の差を小さくし、太陽光など
の紫外線に長時間曝された場合も意匠性のある金属パネ
ルを長期間維持することができる。また、意匠性のある
金属パネルの製造においても、クリアー塗料の塗布工程
を省くことができ、塗装効率を向上させることができる
ものである。さらに、前記骨材含有塗材により形成され
た塗膜とその骨材含有塗材を塗布していない前記塗装面
の1部とにより作られた模様がレンガ調、タイル調、石
積調のいずれかの模様であり、塗布されていない塗装面
が目地としての模様のある金属パネルであることが、意
匠的に好ましい。
【0049】以上のように、この実施形態によれば次の
ような効果が発揮される。 ・ 乾燥した後に透明のフィルムを形成することができ
る合成樹脂エマルションと水とともに充填された粒径が
0.1〜5.0mmの骨材を試料として、その試料1.
0cmの試料厚における全光線光透過率が1.5%以上
である透明感を与える骨材とを含有する骨材含有塗材に
おいて、前記骨材含有塗材の固形分100重量部に対し
て、酸化チタンを0.03重量部〜0.25重量部の範
囲で添加するものであることにより、従来より行われて
いる樹脂分の多い透明なクリアー塗料を塗膜表面に塗布
することなく耐候性が優れた透明感のある質感の高い塗
膜を容易に形成することができ、クリアー塗料を塗布す
る工程が必要なくなり塗装期間を短縮し、作業の効率を
向上させることができる。
【0050】・ 前記透明感を与える骨材の骨材含有塗
材における含有率が骨材含有塗材の固形分100重量部
中20.0重量部〜75.0重量部の範囲とするもので
あることにより、透明感のある質感の高い塗膜を得るこ
とができ、塗膜の劣化が起きにくいものである。 ・ さらに、ヒンダードアミンライトスタビライザー
(HALS)を添加するものであることにより、有色骨
材含有塗材により形成される塗膜に耐候性を向上させる
ためのものである。
【0051】・ 請求項1ないし請求項3に記載のいず
れかの骨材含有塗材を焼付け塗装を施した塗装面を持つ
金属パネルの塗装面に、その塗装面の1部を残して塗布
したものであることにより、クリアー塗料を塗布しなく
ても骨材含有塗材を塗布し形成された塗膜の耐候性を向
上させ、焼き付け塗装面との劣化速度の差を小さくし、
太陽光などの紫外線に長時間曝された場合も意匠性のあ
る金属パネルを長期間維持することができる。また、意
匠性のある金属パネルの製造においても、クリアー塗料
の塗布工程を省くことができ、塗装効率を向上させるこ
とができるものである。
【0052】・ 前記骨材含有塗材により形成された塗
膜とその骨材含有塗材を塗布していない前記塗装面の1
部とにより作られた模様がレンガ調、タイル調、石積調
のいずれかの模様であり、塗布されていない塗装面が目
地としての模様であるものであることにより、意匠的に
好ましいものである。
【0053】・ 全光線光透過率が4.0〜25.0%
の範囲のものが良く、この範囲のものを用いることによ
り、透明感のある質感の高く、耐候性の優れた塗膜を得
ることができる。 ・ 骨材含有塗材の固形分100重量部に対して、酸化
チタンの添加量が0.04〜0.15重量部の範囲であ
ることにより、塗膜の質感を保ち、耐候性の良いバラン
スのとれた塗膜を得ることができる。
【0054】・ 酸化チタンの添加量が前記透明感を与
える骨材100重量部に対して、0.10重量部〜0.
35重量部の範囲であることにより、透明感のある質感
の高いさらに、耐候性の良い塗膜を得ることがでる。 ・ 前記酸化チタンがルチル型のものであり、その平均
粒径は、0.10〜0.50μmの範囲のものであるこ
とにより、耐候性がより向上し、塗膜を濁らせることが
少ないものである。
【0055】・ 前記HALSの平均分子量が200〜
1000の範囲のものであることにより、耐候性が向上
し、骨材含有塗材の貯蔵安定性を損なうことがないもの
である。 ・ 前記HALSの粒子径が0.1μm〜10μmの範
囲のものであることにより、入手が容易で、塗膜の意匠
に影響を与えないものである。
【0056】・ 前記HALSの添加量が骨材含有塗材
の固形分100重量部中に、0.01重量部〜1.0重
量部の範囲であることにより、塗膜の耐候性の向上させ
ることができるものである。 ・ 有色骨材のうち着色骨材を含有させることにより、
塗膜に多彩感のある色調を付与し、高級感のある意匠を
得ることができ、骨材の色が安定し、それにより、塗膜
の色調も安定することになる。
【0057】・ 紫外線吸収剤を添加することにより、
有害な紫外線を吸収し、無害な熱又は運動エネルギーに
変換し、より塗膜の耐候性を増すことがある。 ・ 酸化防止剤を添加することにより、塗膜の熱酸化劣
化を防止することができ、より一層の耐候性を得ること
ができる。
【0058】
【実施例】乾燥し造膜した後に透明となる合成樹脂とし
ては、アクリル系合成樹脂エマルションでガラス転移温
度が10℃、固形分が45%のものを用いた。透明感を
与える骨材として、試料1.0cmの試料厚における全
光線光透過率が15.0%の、白色粒子である寒水石を
用いた。この寒水砂は、平均粒子径が55μmのものと
500μmのものの2種類を使った。
【0059】さらに、有色骨材のうち珪砂にアクリル系
合成樹脂エマルションを主成分としたエナメル塗料によ
り着色を施した赤色の着色骨材を加えた。この着色骨材
は、目開きが300μmと850μmの篩を用い、30
0μm以上850μm未満の粒子径の範囲に納まるもの
をものを使った。その他の成分として、造膜助剤、消泡
剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤を用いた。下記に塗材配合
例を示す。
【0060】塗材配合例 アクリル系合成樹脂エマルション 250.0(g) 寒水砂 500.0(g) 着色骨材 500.0(g) 造膜助剤 30.0(g) 消泡剤 2.0(g) 分散剤 1.0(g) 湿潤剤 0.5(g) 増粘剤 1.0(g) 配合水 15.5(g) 合 計 1300.0(g) この配合例の塗材の固形分は、85.0重量%である。
【0061】上記塗材に酸化チタンを添加したものを実
施例及び比較例に用いた骨材含有塗材とした。実施例に
用いた酸化チタンは、ルチル型の平均粒径が0.20μ
mのものを使った。また、その酸化チタンの添加方法と
して、酸化チタンを前もって水を分散媒として分散させ
たミルベースを用いた。このミルベースの酸化チタン含
有量は、70.0重量%であった。
【0062】実施例1の骨材含有塗材には、固形分10
0重量部当たり、酸化チタンを0.05重量部になるよ
うに添加し、実施例2のものでは、酸化チタンを0.1
0重量部、実施例3では、酸化チタンを0.15重量部
になるように添加したものを用いた。さらに、実施例4
では、骨材含有塗材には、固形分100重量部当たり、
酸化チタンを0.10重量部になるように添加し、HA
LSを0.25重量部添加した。
【0063】このHALSは、テトラメチルペピリジン
の数が4の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル/トリデシル1,2,3,4ブタンテトラカル
ボキシラートを用いた。このHALSの平均分子量は、
約900であり、平均粒子径が0.5μmのものであ
る。比較例として、比較例1には、塗材配合例の塗材を
用い、比較例2には、塗材固形分100重量部当たり、
酸化チタンを0.60重量部になるように添加したもの
を用いた。
【0064】上記実施例1〜実施例4、比較例1及び比
較例2の6種類の塗材により試験体を作成し、促進耐候
性試験を行い、その試験体の劣化状態を比較した。ま
ず、試験体は、1辺が5cmの正方形である焼付け塗装
を施した黒色の塗装面を持つ金属パネルの塗装面に、上
記塗材を5cm×4.5cm、厚み2mmで塗布し、金
属パネルの塗装面の1部を残したものを作成した。さら
に、比較例3として、比較例1と同様に、塗材配合例の
塗材により試験体を作った後、一般的に市販されている
ウレタン樹脂を主成分とする溶剤型のクリアー塗料を塗
布したものを比較例3の試験体とした。
【0065】作成した試験体は、赤色の着色骨材を用い
ていることから赤っぽいものである。しかし、酸化チタ
ンを添加していない比較例1のものと比べた場合、比較
例2のものとでは、その赤さに大差があり、赤ではなく
ピンクの色調であり、透明感がかけるものであった。ま
た、実施例1〜4の試験体は、比較例1及び比較例3の
ものと比べた場合、ほとんど変わらない色であり、十分
に透明感のあるものである。
【0066】促進耐候性試験は、岩崎電気株式会社製ア
イスーパーUVテスターSUV−W231を用いた。こ
の促進耐候性試験機は、試験体にUVランプによる照度
100ワットの光を4時間照射した後15秒間水を散布
し、その後、光の照射を止め、試験体を4時間結露させ
後15秒間水を散布するものを1サイクルとし、このサ
イクルを繰返し行うものである。この実施例において
は、この促進耐候性試験を2週間行った。
【0067】この促進耐候性試験は、試験直前の試験体
の重量及び試験終了後の重量を測定し、その差を求め、
塗膜の劣化具合を確認し、さらに、試験終了後の塗膜を
目視により観察した。その試験での重量変化を下記に示
す。重量の単位は、グラムである。
【0068】 試験開始時の重量 試験終了後の重量 減少量 実施例1 11.43 8.93 2.50 実施例2 11.39 8.93 2.46 実施例3 12.06 9.64 2.42 実施例4 12.35 10.72 1.63 比較例1 11.59 8.53 3.06 比較例2 12.19 10.07 2.12 比較例3 12.40 10.28 2.12
【0069】上記試験結果より、比較例1と比較例3を
比較した場合、劣化度合いに差があり、この差は、クリ
アー塗料の効果である。実施例1〜実施例4、比較例2
のものは、酸化チタンを添加していない比較例1と比較
して、塗膜の重量減少が少なく、目視による塗膜の確認
においても、同様に比較例1のものと比べ、劣化度合い
が軽いものであった。また、実施例1〜実施例4、比較
例2のものは、クリヤー塗料を塗布した比較例3と比較
して、塗膜の重量減少の差が少なく、実施例4では、比
較例3より良い結果が得られている。目視による塗膜の
確認においても、同様に比較例3の試験体と比べ、劣化
度合にほとんど差がないものであった。
【0070】また、焼付け塗装面の劣化は、試験前のも
のと比べ、塗装面の艶が無くなっている程度の劣化状態
であった。試験後の多少劣化した塗装面と実施例1〜実
施例4、比較例2及び比較例3の試験後の塗膜とを比べ
た場合、実施例4のものは、同程度の劣化状態であり、
違和感の無い程度であった。比較例2及び比較例3のも
のでも同程度の劣化状態であり、違和感の無い程度であ
った。また、実施例1〜実施例3のものは、塗膜の劣化
が塗装面に比較して、速いようであったが、劣化状態で
は、違和感の無い程度であった。しかし、比較例1のも
のは、焼付け塗装面の劣化と大差があり、違和感のある
ものであった。
【0071】上記実施例より、まず、比較例2の試験体
では、酸化チタンの添加量が多く、目的とする色調の塗
膜が得られず、透明感が欠けるものとなった。比較例1
のものでは、塗膜の色調、透明感については、特に問題
のないものであったが、耐候性の低いものであった。ま
た、比較例3のものでは、塗膜の色調、透明感、耐候性
について問題のないものであったが、クリアー塗料を塗
装する工程がある。実施例1〜実施例4のものでは、ク
リアー塗料を塗布することなく、塗膜の色調、透明感、
耐候性について、従来のもの(比較例3)と比べ、差が
ほとんど無く問題のないものである。
【0072】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 酸化チタンの添加量が前記透明感を与える骨材10
0重量部に対して、0.10重量部〜0.35重量部の
範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
いずれかに記載の骨材含有塗材。このことにより、透明
感のある質感の高いさらに、耐候性の良い塗膜を得るこ
とがでる。
【0073】・ 前記HALSの添加量が骨材含有塗材
の固形分100重量部中に、0.01重量部〜1.0重
量部の範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載の骨材含有塗材。このことによ
り、塗膜の耐候性の向上させることができるものであ
る。
【0074】・ さらに、有色骨材のうち着色骨材を含
有させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
ずれかに記載の骨材含有塗材。このことにより、塗膜に
多彩感のある色調を付与し、高級感のある意匠を得るこ
とができ、骨材の色が安定し、それにより、塗膜の色調
も安定することになる。
【0075】・ 紫外線吸収剤を添加することを特徴と
する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の骨材含
有塗材。このことにより、有害な紫外線を吸収し、無害
な熱又は運動エネルギーに変換し、より塗膜の耐候性を
増すことがある。
【0076】・ 酸化防止剤を添加することを特徴とす
る請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の骨材含有
塗材。このことにより、塗膜の熱酸化劣化を防止するこ
とができ、より一層の耐候性を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の骨材含有塗材によれば、従来より行われている樹脂
分の多い透明なクリアー塗料を塗膜表面に塗布すること
なく耐候性が優れた透明感のある質感の高い塗膜を容易
に形成することができ、クリアー塗料を塗布する工程が
必要としなくなり塗装期間を短縮し、作業の効率を向上
させることができる。
【0078】請求項2に記載の発明の骨材含有塗材によ
れば、請求項1に記載の発明の効果に加え、透明感のあ
る質感の高い塗膜を得ることができ、塗膜の劣化が起き
にくいものである。請求項3に記載の発明の骨材含有塗
材によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果
に加え、有色骨材含有塗材により形成される塗膜に耐候
性を向上させるためのものである。
【0079】請求項4に記載の発明の金属パネルによれ
ば、クリアー塗料を塗布しなくても骨材含有塗材を塗布
し形成された塗膜の耐候性を向上させ、焼き付け塗装面
との劣化速度の差を小さくし、太陽光などの紫外線に長
時間曝された場合も意匠性のある金属パネルを長期間維
持することができる。また、意匠性のある金属パネルの
製造においても、クリアー塗料の塗布工程を省くことが
でき、塗装効率を向上させることができるものである。
請求項5に記載の発明の骨材含有塗材によれば、請求項
4に記載の発明の効果に加え、意匠的に好ましいもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/29 C09D 5/29 7/12 7/12 E04F 13/02 E04F 13/02 A 13/12 13/12 A Fターム(参考) 2E110 AA27 AA42 AA57 AB03 AB04 AB22 AB23 BB04 CA04 GB02Y GB42W 4D075 AE15 CA32 CB06 CB16 CB22 DA06 DB01 DC02 EA13 EB14 EB15 EB16 EB19 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB38 EB43 EB45 EB56 EC02 EC07 EC13 EC47 EC49 EC53 EC54 4F100 AA21B AB01A AH03B AK25 AT00A BA02 CA05B CA07 CA13B CA18 CA23 CA24B CC01B HB21B JL02 JL09 4J038 CC031 CD091 CG141 DG001 DL031 EA011 HA216 HA486 HA556 KA02 KA08 KA20 MA08 MA10 NA01 NA03 PA19 PB05 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥した後に透明のフィルムを形成す
    ることができる合成樹脂エマルションと水とともに充
    填された粒径が0.1〜5.0mmの骨材を試料とし
    て、その試料1.0cmの試料厚における全光線光透過
    率が1.5%以上である透明感を与える骨材とを含有す
    る骨材含有塗材において、前記骨材含有塗材の固形分1
    00重量部に対して、酸化チタンを0.03重量部〜
    0.25重量部の範囲で添加することを特徴とする骨材
    含有塗材。
  2. 【請求項2】 前記透明感を与える骨材の骨材含有塗材
    における含有率が骨材含有塗材の固形分100重量部中
    20.0重量部〜75.0重量部の範囲であることを特
    徴とする請求項1に記載の骨材含有塗材。
  3. 【請求項3】 さらに、ヒンダードアミンライトスタ
    ビライザー(HALS)を添加することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の骨材含有塗材。
  4. 【請求項4】 上記請求項1ないし請求項3に記載のい
    ずれかの骨材含有塗材を焼付け塗装を施した塗装面を持
    つ金属パネルの塗装面に、その塗装面の1部を残して塗
    布したことを特徴とする金属パネル。
  5. 【請求項5】 前記骨材含有塗材により形成された塗膜
    とその骨材含有塗材を塗布していない前記塗装面の1部
    とにより作られた模様がレンガ調、タイル調、石積調の
    いずれかの模様であり、塗布されていない塗装面が目地
    としての模様であることを特徴とする請求項4に記載の
    金属パネル。
JP2002031591A 2002-02-08 2002-02-08 骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル Pending JP2003231862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002031591A JP2003231862A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002031591A JP2003231862A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003231862A true JP2003231862A (ja) 2003-08-19

Family

ID=27774953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002031591A Pending JP2003231862A (ja) 2002-02-08 2002-02-08 骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003231862A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006312737A (ja) * 2005-04-08 2006-11-16 Aica Kogyo Co Ltd 水性塗料組成物及び壁面
JP2007146174A (ja) * 2004-10-26 2007-06-14 Sk Kaken Co Ltd 装飾性塗材及び装飾性建材
JP2008014127A (ja) * 2006-06-05 2008-01-24 Sk Kaken Co Ltd 模様面の形成方法
CN100376638C (zh) * 2004-10-26 2008-03-26 Sk化研株式会社 装饰性涂装材料以及装饰性建材
JP2010024536A (ja) 2008-07-24 2010-02-04 Fukko:Kk アルミニウム材の表面処理方法および表面処理されたアルミニウム材
WO2011154596A1 (en) * 2010-06-07 2011-12-15 Tikkurila Oyj Manufacturing of stone coating
JP2012077386A (ja) * 2011-12-26 2012-04-19 Fukko:Kk アルミニウム材の表面処理方法および表面処理されたアルミニウム材

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007146174A (ja) * 2004-10-26 2007-06-14 Sk Kaken Co Ltd 装飾性塗材及び装飾性建材
CN100376638C (zh) * 2004-10-26 2008-03-26 Sk化研株式会社 装饰性涂装材料以及装饰性建材
JP2006312737A (ja) * 2005-04-08 2006-11-16 Aica Kogyo Co Ltd 水性塗料組成物及び壁面
JP2008014127A (ja) * 2006-06-05 2008-01-24 Sk Kaken Co Ltd 模様面の形成方法
JP2010024536A (ja) 2008-07-24 2010-02-04 Fukko:Kk アルミニウム材の表面処理方法および表面処理されたアルミニウム材
WO2011154596A1 (en) * 2010-06-07 2011-12-15 Tikkurila Oyj Manufacturing of stone coating
EA023485B1 (ru) * 2010-06-07 2016-06-30 Тиккурила Ой Способ получения каменного покрытия
JP2012077386A (ja) * 2011-12-26 2012-04-19 Fukko:Kk アルミニウム材の表面処理方法および表面処理されたアルミニウム材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5049090B2 (ja) 遮熱断熱積層体
JP5931517B2 (ja) 塗料組成物
JP5470314B2 (ja) 水性塗料組成物
CN113652134B (zh) 耐污染性消光水性涂料组合物及耐污染性消光涂膜形成方法
JP2016102218A (ja) コーティング材
KR101167108B1 (ko) 단열 수성 도료 조성물 및 이를 사용한 도막의 형성방법
JP2003231862A (ja) 骨材含有塗材及びそれを塗布した金属パネル
JP4895906B2 (ja) 壁面構造体
JP5165986B2 (ja) 遮熱断熱積層体
JP5398402B2 (ja) 模様面の形成方法
JP2009091442A (ja) 装飾性塗材
JP2010240570A (ja) 塗装方法
JP4350503B2 (ja) 化粧工法
JP2002371239A (ja) 有色骨材含有塗材及び着色骨材含有塗材
JP5663431B2 (ja) 被覆体
JPH08302239A (ja) 透明塗装方法
JP2004099911A (ja) 有色骨材含有塗材及び着色骨材含有塗材
RU2365513C2 (ru) Способ декорирования изделия и декоративный элемент
JP2002273339A (ja) 屋根の塗装方法および屋根材
JP7316623B1 (ja) 防火塗料、防火塗布物及び防火塗布方法
JP7307841B2 (ja) 被膜形成方法
JP7179498B2 (ja) 被膜形成方法
JP2024152039A (ja) 防火塗料、防火塗布物及び防火塗布方法
JP2021188045A (ja) 被覆材、及び被膜形成方法
JP2023166075A (ja) 壁面仕上げ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080129