JP5931503B2 - 白色熱硬化性シリコーン組成物及び該組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料 - Google Patents

白色熱硬化性シリコーン組成物及び該組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料 Download PDF

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本発明は、光反射材料、特に白色LED(発光ダイオード)用光反射材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与える白色熱硬化性シリコーン組成物、及び該組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料に関する。
近年、LED等の光半導体素子は、高効率で発光するとともに駆動特性や点灯繰り返し特性に優れるため、インジケーターや光源として幅広く利用されている。特に、白色LEDは、表示装置のバックライトやカメラのフラッシュとして広く応用されており、更には、次世代の照明装置としても期待されている。こうした発光装置には、照射方向の光の取り出し効率を高めるため、発せられた光を反射する材料(以下、光反射材料)が搭載されている。
現在、光反射材料としては、ポリフタルアミド樹脂が幅広く利用されている。しかしながら、ポリフタルアミド樹脂は、長期間使用による劣化、特に変色、剥離、機械強度低下などが起こりやすく、昨今の高出力発光素子に適用するのは困難である。
こうした問題点を解決するため、特許文献1〜3ではエポキシ樹脂と金属酸化物等を構成成分とするBステージ型光反射材料が、また、特許文献4ではセラミック光反射材料が提案されている。しかしながら、これらの固形材料は、優れた耐熱性、機械特性を有する一方、室温においては流動性が乏しいため、成形に高温を必要とするなど取扱い性・作業性に問題がある。また、該固形材料は、高温においても流動性に乏しいため、微細な構造体や大面積の構造体を成形するのが困難であるなど工程上の問題もある。特許文献5では、特に白色LED(発光ダイオード)用光反射材料として有用なシリコーン樹脂硬化物が提案されているが、酸化チタン粉末の結晶形態についての記載が何ら無い。
一方、特許文献6には、高透明性に優れる硬化物を与える多環式炭化水素骨格含有成分を含む硬化性組成物が提案されているが、光反射性を向上させる課題については何の記載もない。
特許2656336号公報 特開2008−106226号公報 特開2008−189833号公報 特開2008−117932号公報 特開2010−202831号公報 特許4520251号公報
また、本発明者は、光反射材料、特に白色LED用リフレクター材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与える白色熱硬化性シリコーン組成物および該組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料を提案した(特願2011−000706号)が、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が悪く、生産面で劣るものであった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、室温において高い流動性を有し、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、従来に比べてより高い光反射率を得ることができる硬化物を与え、更に、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物(硬化物)の金型離型性が良好な白色熱硬化性シリコーン組成物を提供する。即ち、本発明は、光反射材料、特に白色LED用光反射材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与える白色熱硬化性シリコーン組成物および生産性に優れた該組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、
(A)(a)下記一般式(1):
Figure 0005931503
(式中、Aは、下記一般式(2):
Figure 0005931503
で表される基から成る群から選ばれる2価の基であり、Rは、独立に非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物であって、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物(B−1)、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(B−2)からなる混合物:前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量は前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5となる量である)、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに
(D)結晶形態がルチルである酸化チタン粉末
を含有するものであることを特徴とする白色熱硬化性シリコーン組成物を提供する。
このような白色熱硬化性シリコーン組成物は、室温において、高い流動性を有するため、作業性・取扱い性に優れる。また、該白色熱硬化性シリコーン組成物を熱硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物は、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れるものとなる。更に、該組成物をインジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型した硬化成型物は、金型離型性が良好であるため、生産面で有益である。
またこの場合、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型される光反射材料用であることが好ましい。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、金型離型性が良好で成型し易いことから、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型される光反射材料用として好適に用いられる。
またこの場合、前記(b)成分として、下記一般式(3)で表されるアルケニルノルボルネン化合物を挙げることができる。
Figure 0005931503
(式中、R’は非置換又は置換の炭素原子数2〜12のアルケニル基である。)
このように、(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素として、上記一般式(3)で表されるアルケニルノルボルネン化合物が挙げられる。即ち、該アルケニルノルボルネン化合物は、多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が形成されており、かつ、多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているものである。
またこの場合、前記(b)成分が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることが好ましい。
このように、上記一般式(3)で表される化合物として、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが挙げられる。
また、前記(B)成分が、下記一般式(4):
Figure 0005931503
(式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、qは2〜10の整数、rは0〜7の整数である。qが付されたシロキサン単位とrが付されたシロキサン単位とは互いにランダムに配列している。)
で表される環状シロキサン系化合物を含むものとすることができる。またこの場合、該環状シロキサン系化合物が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることが好ましい。
このように、前記(B)成分としては、上記一般式(4)で表される環状シロキサン系化合物を含むものが挙げられる。本発明においては、上記一般式(4)で表される環状シロキサン系化合物は、式中のR、q及びrの定義によって、前記(B−1)成分若しくは前記(B−2)成分として、又は、上記一般式(4)で表される環状シロキサン化合物を2種以上含む場合には前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分として用いることができる。また、上記一般式(4)で表される環状シロキサン系化合物の中でも、上記一般式(4)中のRの全てがメチル基であるもの、即ち1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が、工業的に製造することが容易であり、入手しやすいことから好ましい。この場合、これらは前記(B−1)成分として用いられ、他の(B−2)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物成分と併用して混合物とすることで(B)成分とする。
また、前記(B)成分が、下記一般式(5):
Figure 0005931503
(式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、q’は3〜10の整数、rは0〜7の整数である。R”は炭素原子数2〜12のアルキレン基であり、nは1〜100の整数である。q1及びq2はそれぞれ0〜8の整数であり、但しq1+q2は1〜8の整数である。r1及びr2はそれぞれ0〜7の整数であり、但しr1+r2は0〜7の整数である。)
で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物を含むものであることが好ましい。またこの場合、該ノルボルナン環含有環状シロキサン化合物は、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかと、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかとの付加反応生成物であることが好ましい。
このように、前記(B)成分は、上記一般式(5)で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物を前記(B−1)として含むものが挙げられる。また該ノルボルナン環含有環状シロキサン化合物が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかと、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかとの付加反応生成物であれば、工業的に容易に製造できるために好ましい。
また、前記(B)成分が、下記一般式(6):
Figure 0005931503
(式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、Meはメチル基であり、q3は0〜60の整数、r3は0〜7の整数である。q3が付されたシロキサン単位とr3が付されたシロキサン単位とは互いにランダムに配列している。)
で表されるシロキサン化合物を含むものであることが好ましい。
このように、前記(B)成分としては、上記一般式(6)で表されるシロキサン化合物を含むものを挙げることができる。上記一般式(6)で表されるシロキサン化合物は、R、q3、及びr3の定義によって前記(B−1)成分若しくは前記(B−2)成分として、又は、上記一般式(6)で表されるシロキサン化合物を2種以上含む場合には前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分として用いることができる。
また、前記(D)成分の酸化チタンは、塩素法で得られたものが好ましい。
塩素法で得られた酸化チタンを用いることにより、組成物の硬化物により高い光反射特性を付与することができる。
また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、更に、(E)溶融石英ガラス粉末を含有するものであることが好ましい。
このように、前記(D)成分と(E)溶融石英ガラス粉末を併用することにより、組成物の硬化物により高い光反射特性を付与することができる。
また、特に、前記白色熱硬化性シリコーン組成物を硬化させた硬化物の波長430〜800nmにおける初期光反射率が95%以上であり、150℃、2,000時間放置後の光反射率が80%以上である白色熱硬化性シリコーン組成物が好ましい。
このような、白色熱硬化性シリコーン組成物を硬化させた硬化物は、より光反射材料として好適であり、特に白色発光ダイオード用光反射材料に好適に用いることができる。
また、本発明では、白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料を提供する。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物を用いた白色LED等の発光装置は、長期間にわたって高い光取り出し効率を維持することができる。また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は金型離型性が良好なため成形し易いことから、該白色熱硬化性シリコーン組成物から得られるシリコーン樹脂硬化物からなる光反射材料は、白色LEDを含むこれらの発光装置の光反射材料として、所望の形状とすることが容易である。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、室温において、高い流動性を有するため、作業性・取扱い性に優れる。また、該組成物を熱硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物は、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、従来に比べてより高い光反射率を得ることができる。更に、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が良好であるため生産性に優れ、このような生産性に優れた該硬化物は光反射材料、例えば、発光装置用、特に白色LED用の光反射材料として有用である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上記のように、従来の光反射材料を得るための組成物には、流動性に乏しい問題があった。また、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法等で成型された組成物の硬化成型物の金型離型性が悪く、生産面で劣るという問題があった。
そこで、高い流動性を有し、かつ光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、更に金型離型性に優れた、光反射材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与えることができる白色熱硬化性シリコーン組成物、該硬化物および該硬化物からなる光反射材料が求められている。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明者らは、
(A)(a)下記一般式(1):
Figure 0005931503
(式中、Aは、下記一般式(2):
Figure 0005931503
で表される基から成る群から選ばれる2価の基であり、Rは、独立に非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物であって、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物、
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物(B−1)、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(B−2)からなる混合物(前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量は前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5となる量である)、
(C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに
(D)結晶形態がルチルである酸化チタン粉末
を含有するものであることを特徴とする白色熱硬化性シリコーン組成物であれば、室温において、高い流動性を有するため、作業性・取扱い性に優れ、かつ、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、従来に比べてより高い光反射率が達成できる硬化物を得ることができることを見出し、更に、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が良好であることを見出した。
以下、本発明について更に詳述する。なお、本明細書において、MeおよびPhはそれぞれメチル基およびフェニル基を表し、粘度は23℃において回転粘度計により測定した値、動粘度は25℃においてオストワルド粘度計により測定した値である。
(A)成分
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の(A)成分は、
(a)下記一般式(1):
Figure 0005931503
(式中、Aは、下記一般式(2):
Figure 0005931503
で表される基から成る群から選ばれる2価の基であり、Rは、独立に非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
の付加反応生成物である。以下、これらの(a)成分および(b)成分について説明する。
<(a)成分>
(A)成分の反応原料である、(a)上記一般式(1)で表されるケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH」ということがある)を1分子中に2個有する化合物において、上記一般式(1)中のAは、上記一般式(2)で表される基から成る群から選ばれる2価の基であり、該化合物(a)としては、下記一般式(a−1)〜(a−3):
Figure 0005931503
(Rは、独立に非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12の、好ましくは1〜6の、1価炭化水素基、又は炭素原子数1〜6の、好ましくは1〜4の、アルコキシ基である。)
で表される化合物が挙げられる。
上記式(a−1)〜(a−3)中、Rが上記1価炭化水素基である場合としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−,m−,p−トリル等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等のアルケニル基;p−ビニルフェニル基等のアルケニルアリール基;およびこれらの基中の炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
また、Rが上記アルコキシ基である場合としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
上記の中でも、上記Rとしては、アルケニル基およびアルケニルアリール基以外のものが好ましく、特に、その全てがメチル基であるものが、工業的に製造することが容易であり、入手しやすいことから好ましい。
この上記一般式(a−1)〜(a−3)で表される化合物としては、例えば、
構造式:HMeSi−p−C−SiMe
で表される1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
構造式:HMeSi−m−C−SiMe
で表される1,3−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、
構造式:HMeSi−o−C−SiMe
で表される1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン等のシルフェニレン化合物が挙げられる。
尚、この(A)成分の反応原料である上記(a)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<(b)成分>
(A)成分の反応原料である(b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素において、前記「付加反応性」とは、ケイ素原子に結合した水素原子の付加(ヒドロシリル化反応として周知)を受け得る性質を意味する。
また、該(b)成分の1分子中に2個存在する付加反応性炭素−炭素二重結合の形態としては、(i)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が2つ形成されているもの、(ii)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が、付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって2つ置換されているもの、または、(iii)多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子のうち、隣接する2つの炭素原子間に付加反応性炭素−炭素二重結合が形成されており、かつ、多環式炭化水素の多環骨格を形成している炭素原子に結合した水素原子が付加反応性炭素−炭素二重結合含有基によって置換されているものの何れであっても差し支えない。ここで、付加反応性炭素−炭素二重結合含有基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ノルボルニル基等のアルケニル基、特に炭素原子数2〜12のもの等が挙げられる。
この(b)成分としては、例えば、下記一般式(3):
Figure 0005931503
(式中、R’は非置換または置換の炭素原子数2〜12のアルケニル基である。)
で表されるアルケニルノルボルネン化合物が挙げられる。さらに、該一般式(3)で表される化合物の具体例として、下記構造式(3−1):
Figure 0005931503
で表される5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
下記構造式(3−2):
Figure 0005931503
で表される6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、およびこれら両者の組み合わせが挙げられる(以下、これら3者を区別する必要がない場合は、「ビニルノルボルネン」と総称することがある)。
なお、前記アルケニルノルボルネン化合物中のアルケニル基の置換位置(上記構造式(3−1)及び(3−2)のビニルノルボルネンのビニル基の置換位置)は、シス配置(エキソ形)またはトランス配置(エンド形)のいずれであってもよく、また、前記配置の相違によって、該成分の反応性等に特段の差異がないことから、これら両配置の異性体の組み合わせであっても差し支えない。
<(A)成分の調製>
本発明の組成物の(A)成分は、SiHを1分子中に2個有する上記(a)成分の1モルに対して、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する上記(b)成分の1モルを超え、例えば10モル以下(好ましくは1モルを超え、例えば5モル以下)の過剰モル量を、ヒドロシリル化反応触媒の存在下で付加反応させることにより、SiHを有さず、かつ付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物として得ることができる。
こうして得られる(A)成分は、上記(a)成分に対して過剰モル量の上記(b)成分を調整に用いることから、上記(b)成分の構造に由来する付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有するものである。また、該(b)成分由来の付加反応性炭素−炭素二重結合のほかに、更に(a)成分に由来する(具体的には、一般式(1)中のRに由来する)付加反応性炭素−炭素二重結合を含み得るので、(A)成分は、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含むが、この数は好ましくは2〜6個、より好ましくは2個である。付加反応性炭素−炭素二重結合が2〜6個であれば、本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物が脆くなる恐れがないために好ましい。
前記ヒドロシリル化反応触媒としては、従来から公知のものを全て使用することができる。例えば、白金金属を担持したカーボン粉末、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、白金とジビニルテトラメチルジシロキサン等のビニルシロキサンとの錯体;塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族金属系触媒が挙げられる。また、付加反応条件、溶媒の使用等については、特に限定されず通常のとおりとすればよい。
前記のとおり、(A)成分の調製には、上記(a)成分に対して過剰モル量の上記(b)成分を用いることから、該(A)成分は、上記(b)成分の構造に由来する付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有するものである。更に、(A)成分は、上記(a)成分に由来する残基を有し、その残基が、上記(b)成分の構造に由来するが付加反応性炭素−炭素二重結合を有しない多環式炭化水素の二価の残基によって結合されている構造を含むものであってもよい。
即ち、(A)成分としては、例えば、下記一般式(A−1):
Y−X−(Y’−X)p−Y (A−1)
(式中、Xは上記(a)成分の構造に由来する二価の残基であり、Yは上記(b)成分の多環式炭化水素の構造に由来する一価の残基であり、Y’は上記(b)成分の構造に由来する二価の残基であり、pは0〜10、好ましくは0〜5の整数である)
で表される化合物が挙げられる。
なお、上記(Y’−X)で表される繰り返し単位の数であるpの値については、上記(a)成分1モルに対して反応させる上記(b)成分の過剰モル量を調整することにより設定することが可能である。
上記一般式(A−1)中のYとしては、具体的には、例えば、下記構造式:
Figure 0005931503
Figure 0005931503
で表される一価の残基(以下、これら6者を区別する必要がない場合は、これらを「NB基」と総称し、また、前記6者の構造を区別せずに「NB」と略記することがある。)が挙げられる。
上記一般式(A−1)中のY’としては、具体的には、例えば、下記構造式:
Figure 0005931503
で表される二価の残基が挙げられる。
但し、上記構造式で表される非対称な二価の残基は、その左右方向が上記記載のとおりに限定されるものではなく、上記構造式は、実質上、個々の上記構造を紙面上で180度回転させた構造をも含めて示している。
上記一般式(A−1)で表される(A)成分の好適な具体例を、以下に示すが、これに限定されるものではない。なお、「NB」の意味するところは、上記のとおりである。
Figure 0005931503
(式中、pは0〜10の整数である。)
更に、本発明の(A)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(B)成分
本発明の(B)成分は、
(B−1)ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH)を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物、及び、
(B−2)ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH)を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物からなる混合物である。
即ち、本発明は(B)成分として、上記(B−1)成分及び上記(B−2)成分を混合物として併用することを特徴とし、該(B)成分中(上記(B−1)成分及び上記(B−2)成分中)のSiHが、上記(A)成分が1分子中に少なくとも2個有する付加反応性炭素−炭素二重結合とヒドロシリル化反応により付加して、3次元網状構造の硬化物を与える。
また、(B)成分の配合量は、前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分の割合は、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5を満たす割合である。
即ち、(A)成分中の合計炭素−炭素二重結合と(B)成分中のケイ素原子に結合した合計水素原子量とのモル比が、合計水素原子量/合計炭素−炭素二重結合=1.0〜1.5となる量で(B)成分が配合され、かつ、(B)成分中の合計水素原子量におけるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(即ち前記(B−2)成分)の水素原子量の割合が、合計水素原子量/ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物の水素原子量=1.1〜6.5でとなる割合であり、より好ましくは1.25〜6.0の範囲内である。前記割合が1.1よりも少ない場合は、得られた成型物が機械的強度の面で劣る場合がある。また前記割合が6.5よりも多い場合は、成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が悪く、生産面で劣るものとなる。
該(B)成分としては、例えば、下記一般式(4):
Figure 0005931503
(式中、Rは、独立に水素原子またはアルケニル基以外の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12、好ましくは1〜6の一価炭化水素基であり、qは2〜10、好ましくは2〜8の整数、rは0〜7、好ましくは0〜3の整数である。q+rの和は好ましくは3〜10、より好ましくは3〜6の整数である。qが付されたシロキサン単位とrが付されたシロキサン単位とは互いにランダムに配列している。)
で表される環状シロキサン系化合物を前記(B−1)成分若しくは前記(B−2)成分として、又は前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分として含むものが挙げられる。
上記一般式(4)中のRが、アルケニル基以外の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である場合としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、sec−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−,m−,p−トリル等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;p−ビニルフェニル基等のアルケニルアリール基;およびこれらの基中の炭素原子に結合した1個以上の水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、エポキシ環含有基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;2−シアノエチル基;3−グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
上記の中でも、前記Rとしては、特に、その全てがメチル基であるものが、工業的に製造することが容易であり、入手しやすいことから好ましい。Rの全てがメチル基であるものの例としては、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンが挙げられ、これらは前記(B−1)成分として用いられる。
また、該(B)成分としては、例えば、一般式(5):
Figure 0005931503
(式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、q’は3〜10の整数、rは0〜7の整数である。R”は炭素原子数2〜12のアルキレン基であり、nは1〜100の整数である。q1及びq2はそれぞれ0〜8の整数であり、但しq1+q2は1〜8の整数である。r1及びr2はそれぞれ0〜7の整数であり、但しr1+r2は0〜7の整数である。)
で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物を前記(B−1)成分として含むものを好ましく挙げることができる。
一般式(5)で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物は、一般式(3)で表されるアルケニルノルボルネン化合物と、一般式(4)で表される環状シロキサン系化合物をヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。一般式(5)中のアルキレン基R”は一般式(3)中のアルケニル基R’に一般式(4)に存在するSiHが付加反応することにより生成する。
即ち、一般式(5)のノルボルナン環含有環状シロキサン化合物の具体例としては、上記ビニルノルボルネン(特に、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンや6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)の一種または二種と1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとをヒドロシリル化反応させて得られる、SiHを1分子中に3個以上有する付加反応生成物、例えば、下記一般式(i):
Figure 0005931503
(式中、xは1または2であり、wは1〜100、好ましくは1〜10の整数である)で表される化合物、および、上記ビニルノルボルネン(特に、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンや6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)の一種または二種と1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンとをヒドロシリル化反応させて得られる、SiHを1分子中に3個以上有する付加反応生成物、例えば、下記一般式(ii):
Figure 0005931503
(式中、yは1、2または3であり、zは1〜100、好ましくは1〜10の整数である。)で表される化合物が挙げられる。
更に、該(B)成分としては、例えば、一般式(6):
Figure 0005931503
(式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、Meはメチル基であり、q3は0〜60の整数、r3は0〜7の整数である。q3が付されたシロキサン単位とr3が付されたシロキサン単位とは互いにランダムに配列している。)で表されるシロキサン化合物を前記(B−1)成分若しくは前記(B−2)成分として、又は前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分として含むものも挙げられる。
上記(Bー1)成分の好適な具体例を、以下に示すが、これに限定されるものではない。
(HMeSiO)
(HMeSiO)
(HMeSiO)(MeSiO)
(HMeSiO)(MeSiO)
Figure 0005931503
Figure 0005931503
(式中、xは1または2である。)
Figure 0005931503
(式中、yは1、2または3である。)
HMeSiO(HMeSiO)(PhSiO)SiMe
HMeSiO(HMeSiO)(PhSiO)(MeSiO)SiMe
HMeSiO(HMeSiO)(PhSiO)(MeSiO)SiMe
HMeSiO(HMeSiO)(MeSiO)SiMe
MeSiO(HMeSiO)SiMe
MeSiO(HMeSiO)38SiMe
上記(Bー2)成分の好適な具体例を、以下に示すが、これに限定されるものではない。
HMeSiO(PhSiO)SiMe
(C)成分
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化反応触媒は、上記「(A)成分の調製」で記載したものと同じである。
本発明の組成物への(C)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分と(B)成分との合計に対して、白金族金属原子として質量基準で、好ましくは1〜500ppm、特に好ましくは2〜100ppm程度となる量の(C)成分を配合するとよい。前記範囲内の配合量とすることで、硬化反応に要する時間が適度なものとなり、硬化物が着色する等の問題を生じることを抑制することができる。
(C)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(D)成分
本発明の(D)成分は、結晶形態がルチルである酸化チタン粉末である。結晶形態がルチルである酸化チタン粉末の製造方法については主に硫酸法と塩素法に大別されるが、光反射率の面から塩素法で製造されたものが特に好ましい。また、酸化チタンの結晶形態はアナターゼ、ルチル、ブルカイトに分類されるが、最も熱転移が安定なルチルを用いることによって、耐熱変色性に優れた硬化物を得ることができる。(D)成分の酸化チタン粉末は白色であるため、(D)成分の配合により硬化物は良好な光反射率を発現する。特に、波長430〜800nmにおける初期光反射率が95%以上であり、150℃、2,000時間放置後の光反射率が80%以上という、リフレクター材料として十分な反射率を有するシリコーン樹脂硬化物を得ることが可能となる。なお、本明細書において光の反射率は、積分球を搭載したスペクトロフォトメーター装置により測定された数値を意味する。
(D)成分の粒径は特に規定されないが、(D)成分としては一般に平均粒径が0.1〜200μmの範囲のものが多く市販されており扱いやすく、0.5〜100μmの範囲のものがより好ましい。(D)成分の平均粒径が0.1〜200μmの範囲であると、本発明の硬化性シリコーン組成物は流動性が良好となりやすく、また、該組成物の硬化物は、表面があらくなりにくく、光反射性能が効果的に向上する。なお、本明細書において、平均粒径とは、レーザー光回折法を用いた粒度分布測定装置により求めた累積分布の50%に相当する体積基準の平均粒径をいう。
(D)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができ、(D)成分の配合量は、上記(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対し、好ましくは50〜1000質量部であり、より好ましくは60〜900質量部、更により好ましくは100〜800質量部である。該配合量が50〜1000質量部の範囲であると、本発明の組成物は流動性が良好となりやすく、また該組成物の硬化物は光反射性能が十分となりやすく、バランスに優れたものとなる。
(E)成分
また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物には、上記(D)成分と共に(E)溶融石英ガラス粉末を配合することが好ましい。(E)成分を併用することにより、組成物の硬化物はより光反射率に優れたものとなる。
(E)成分の配合量は、上記(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対し、好ましくは50〜1500質量部であり、より好ましくは60〜900質量部、更により好ましくは100〜800質量部である。該配合量が50〜1500質量部の範囲であると、本発明の組成物は流動性がより優れたものとなり、該組成物の硬化物は光反射性能がより優れたものとなる。
(F)成分
また、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物には、前記(A)〜(E)成分以外に、接着性向上剤を配合することが好ましい。接着性向上剤としては、シランカップリング剤やそのオリゴマー、シランカップリング剤と同様の反応性基を有するシリコーン等が例示される。
これらの中で、下記(F)成分が好ましく、下記一般式(7):
Figure 0005931503

(式中、sは1〜3の整数であり、tは0〜2の整数であり、但しs+tは3である。sが付されたアミド単位とtが付されたアミド単位とは互いにランダムに配列している。)
で表される化合物である。
(F)成分は、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物およびその硬化物の基材に対する接着性を向上させるために該組成物に配合される任意的成分である。ここで、基材とは、金、銀、銅、ニッケルなどの金属材料、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンなどのセラミック材料、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの高分子材料を指す。
(F)成分の配合量は、上記(A)成分と(B)の合計100質量部に対し、好ましくは1〜30質量部であり、より好ましくは、5〜20質量部である。該配合量が1〜30質量部であると、本発明の硬化性シリコーン組成物およびその硬化物は、基材に対する接着性が効果的に向上し、また、着色しにくい。
(F)成分の好適な具体例としては、
Figure 0005931503
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
他の配合成分
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物には、上記成分に加えて、本発明の目的・効果を損なわない範囲で他の成分を配合することは任意である。他の成分としては、例えば、以下に説明するものが挙げられる。
<酸化防止剤>
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化物中には、上記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合が未反応のまま残存している場合があり、下記構造式:
Figure 0005931503
で表される2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチル基および
下記構造式:
Figure 0005931503
で表される2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−6−イル)エチル基のいずれか一方または両方の中に存在する炭素−炭素二重結合が含まれている場合がある。そして、前記炭素−炭素二重結合が含まれていると、大気中の酸素により酸化され前記硬化物が着色する原因となる。そこで、本発明の組成物に、必要に応じ、酸化防止剤を配合することにより前記着色を未然に防止することができる。
この酸化防止剤としては、従来から公知のものが全て使用することができ、例えば、ヒンダードアミン化合物やヒンダードフェノール化合物が例示され、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
なお、この酸化防止剤を使用する場合、その配合量は、酸化防止剤としての有効量であればよく、特に制限されないが、上記(A)成分と(B)成分との合計に対して、質量基準で、好ましくは10〜10,000ppm、特に好ましくは100〜1,000ppm程度配合するのがよい。前記範囲内の配合量とすることによって、酸化防止能力が十分発揮され、着色、酸化劣化等の発生がなく光反射性能に優れた硬化物が得られる。
<その他>
また、ポットライフを確保するために、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等の付加反応制御剤を配合することができる。
更に、発光素子からの光および太陽光線等の光エネルギーによる光劣化に対する抵抗性を付与するため光安定剤を用いることも可能である。この光安定剤としては、光酸化劣化で生成するラジカルを捕捉するヒンダードアミン系安定剤が適しており、酸化防止剤と併用することで、酸化防止効果はより向上する。光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
白色熱硬化性シリコーン組成物
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は硬化前には液状であり、その23℃における粘度は好ましくは0.1〜500Pa・sであり、より好ましくは10〜400Pa・sである。該粘度が0.1〜500Pa・sの範囲であると、得られる組成物は、作業性・取扱い性が特に良好となりやすく、成型硬化時に泡や空気の巻き込みが特に発生しにくい。
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の粘度は、(A)〜(D)成分および他の配合成分の配合比率、これら成分の中で液状のものの粘度、ならびに(D)成分の平均粒径などにより調節される。本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、室温において、高い流動性を有するため、作業性・取扱い性に優れる。
シリコーン樹脂硬化物
本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物を成形、硬化させることにより、シリコーン樹脂硬化物を得ることができる。本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物は、インジェクションモールド法やトランスファーモールド法、コンプレッションモールド法など、従来用いられている成型方法に適用することができる。さらに、該組成物は、25℃において高い流動性を有するため、これまでの固形リフレクター材料には適用できなかったディスペンス法やポッティング法により成型することができる。なお、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化条件は、成形物の形状や硬化方法等により異なり、特に制限されないが、通常、80〜200℃、好ましくは100〜180℃で1分〜24時間、好ましくは5分〜5時間の条件とすることが好ましい。また、該組成物を熱硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物は、光反射性能、耐熱性(熱安定性)、特に耐熱変色性に優れ、従来に比べてより高い光反射率を得ることができる。更に、インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、コンプレッションモールド法で成型された該組成物の硬化成型物の金型離型性が良好であるため生産性に優れ、このような生産性に優れた該硬化物は光反射材料、例えば、発光装置用、特に白色LED用の光反射材料として有用である。
一般的に、光反射材料として機能する上では、可視光(波長:430〜800nm)の初期反射率が好ましくは95%以上(即ち、95〜100%)、より好ましくは97%以上(即ち、97〜100%)である。該反射率が95%以上であると、該硬化物を照明器具などの発光装置の光反射材料として用いた場合に、光の取り出し効率がより高くなり、充分な明るさを容易に確保できる。該反射率は、該硬化物の製造初期のみならず耐熱試験(該硬化物を150℃にて2,000時間放置することにより行われるもの)の後においても、80%以上であることが好ましく、82%以上であることがより好ましい。本発明の白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物から得られるシリコーン樹脂硬化物は、可視光(波長:430〜800nm)の反射率が95%以上であり、150℃、2,000時間放置後の光反射率が80%以上であり、光反射材料として十分な反射率を得ることができる。なお、本明細書において光の反射率は、積分球を搭載したスペクトロフォトメーター装置により測定された数値を意味する。
本発明の白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物から得られるシリコーン樹脂硬化物は、その軟化点が好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上である。該軟化点が30℃以上であると、該硬化物は、高温環境下においても脆くなりにくく、割れの発生が効果的に抑制される。なお、本明細書において軟化点は、JIS K 2207に規定の軟化点試験方法(環球法)に準拠して測定された温度を意味する。
本発明の白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物から得られるシリコーン樹脂硬化物は、その線膨張係数が好ましくは200ppm/℃以下であり、より好ましくは150ppm/℃以下である。該線膨張係数が200ppm/℃以下であると、該硬化物は、反りが発生しにくく、長期信頼性に優れたものとなりやすい。線膨張係数は、一般に軟化点未満の温度と軟化点を超える温度とで互いに異なる値を示すが、どちらの温度においても200ppm/℃以下であることが好ましく、150ppm/℃以下であることがより好ましい。なお、本明細書において線膨張係数は、JIS K 7197に従って熱機械分析(TMA)測定法により測定された数値を意味する。
光反射材料(白色発光ダイオード用光反射材料)
本発明の白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、光反射材料用とすることができる。この光反射材料の用途は特に限定されないが、例えば、LED等の発光装置用、特に白色LED用の光反射材料として好適に用いることができる。この光反射材料を用いた白色LED等の発光装置は長期間にわたって高い光取り出し効率を維持できる。また、本発明の組成物は成形しやすいため、白色LEDを含むこれらの発光装置において光反射材料を所望の形状とすることが容易である。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例中、粘度は回転粘度計であるスパイラル粘度計(株式会社マルコム、型式:PC−1T)を用いて測定した23℃における値である。
(合成例1)(A)成分の調製
攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLの4つ口フラスコに、ビニルノルボルネン(商品名:V0062、東京化成社製;5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンと6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの略等モル量の異性体混合物)60g(0.5モル)を加え、オイルバスを用いて85℃に加熱した。これに、5質量%の白金金属を担持したカーボン粉末0.02g添加し、攪拌しながら1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン38.8g(0.2モル)を25分間かけて滴下した。滴下終了後、更に90℃で加熱攪拌を24時間行った後、室温まで冷却した。その後、白金金属担持カーボンをろ過により除去し、過剰のビニルノルボルネンを減圧留去して、無色透明なオイル状の反応生成物(25℃における動粘度:1220mm/s)79gを得た。
反応生成物を、FT−IR、NMR、GPC等により分析した結果、このものは、
(1)p−フェニレン基を1個有する化合物:NBMeSi−p−C−SiMeNB 約72モル%、
(2)p−フェニレン基を2個有する化合物:約24モル%(下記に代表的な構造式の一例を示す)、
Figure 0005931503
および、
(3)p−フェニレン基を3個有する化合物:約4モル%(下記に代表的な構造式の一例を示す)
Figure 0005931503
の混合物であることが判明した。また、前記混合物全体(100g中)としての付加反応性炭素−炭素二重結合(NB基)の含有割合は、0.32モル/100gであった。
(実施例1〜4、比較例1〜2)
金属離型性評価
(A)合成例1で得られた反応生成物、
(B−2)HMeSiO(PhSiO)SiMeH、
(B−1(i))MeSiO(HMeSiO)SiMe
(B−1(ii))HMeSiO(HMeSiO)(PhSiO)SiMeH、
(C)白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体トルエン溶液(白金原子を1質量%含有)、
(D)平均粒径0.5μmであり、塩素法で製造され結晶形態がルチルである酸化チタン粉末、
(E)平均粒径10.1μmである球状の溶融石英ガラス粉末、
(F)下記式:
Figure 0005931503
で表される化合物と下記式
Figure 0005931503
で表される化合物の混合物(付加反応性炭素―炭素二重結合含有量:0.485モル/100g)、
(G)下記式:
Figure 0005931503
で表される化合物、および
(H)1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液(付加反応制御剤)
を表1に示す配合量(単位:質量部)で配合し、実施例1〜4、比較例1、2のおのおのの組成物を得た。即ち、まず、5リットルゲートーミキサー(井上製作所(株)製、商品名:5リットルプラネタリミキサー)に(A)成分、(D)成分、(E)成分および(H)成分を表1に示す配合量で仕込み、室温にて1時間混合し、次に(B)成分、必要に応じて(F)成分および(G)成分を表1に示す配合量で加えて均一になるように室温にて30分混合し、最後に(C)成分を表1に示す配合量で加えて均一になるように室温にて減圧下30分混合して白色熱硬化性シリコーン組成物を得た。得られた組成物の粘度を測定した。金型離型性の評価は100mm×100mm×2mm金型枠に白色熱硬化性シリコーン組成物を流し込み、150℃、100MPaで5分間加圧硬化させ、プレス型や金型枠から成型物を剥がす時に破損しない連続脱型回数を観察した。結果を下記表1に示す。
Figure 0005931503
次に、実施例1〜4、比較例1〜2のおのおのの組成物を100mm×100mm×2mm金型枠に流し込み、150℃、100MPaで5分間加圧硬化させ、その後、150℃、常圧のオーブンにて3時間硬化させて、厚み2mmの硬化物(それぞれR1〜R6)を得た。得られた硬化物の特性を表2に示す。
硬化物の特性は以下のとおりにして観察または測定した。
軟化点・線膨張係数・光反射率評価
・軟化点・線膨張係数:メトラー社製熱機械分析装置TMA/SDTA841を用い、室温から10℃/minの割合で昇温して測定した。
・光反射率:積分球を搭載した日立(株)製スペクトロフォトメーター装置U−3310を用いて、430〜800nmの波長領域で25℃にて測定した。
Figure 0005931503
a) α:軟化点未満の温度における線膨張係数
α:軟化点を超える温度における線膨張係数
耐熱性評価
次に、上記硬化物R1〜R6並びに比較例として代表的なポリアミド樹脂系リフレクターA(ソルベイアドバンストポリマーズ社製 アモデルA−4422HR)、B(クラレ社製 ジェネスタTA112)およびC(ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス社製 Stanyl NC155a)を150℃にて2,000時間放置して耐熱試験を行った。初期(試験前)の光反射率と試験後の光反射率との差をとることで、耐熱性を評価した。評価結果を表3に示す。光反射率の差が小さいほど耐熱性が高いと評価される。目視にて観察したところ、硬化物R1〜R6は試験前後で白色を保っていたが、上記ポリアミド樹脂系光反射材料A〜Cは、初期は白色であったが、試験後は茶黄色に変化していた。
Figure 0005931503
以上の結果(表1〜3)は、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物が、室温において高い流動性を有し、その硬化物(R1〜R4)は、初期の光反射率に優れ、熱硬化後は、耐熱性、特に耐熱変色性に優れることを示している。また、連続脱型可能回数が向上したことで、本発明の白色硬化性シリコーン組成物は生産性に優れたことを示している。一方、本発明における(B−1)成分及び(B−2)成分を併用しない組成物の硬化物(R5、R6)は、金属離型性が悪かった。以上により、本発明の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化物は、光反射材料、特に白色LED用光反射材料として有用である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。

Claims (13)

  1. (A)(a)下記一般式(1):
    Figure 0005931503
    (式中、Aは、下記一般式(2):
    Figure 0005931503
    で表される基から成る群から選ばれる2価の基であり、Rは、独立に非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の1価炭化水素基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。)で表されるケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する化合物と、
    (b)付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に2個有する多環式炭化水素と
    の付加反応生成物であって、SiHを有さず、かつ、付加反応性炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する付加反応生成物、
    (B)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する有機ケイ素化合物(B−1)、及び、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個有する有機ケイ素化合物(B−2)からなる混合物(前記(B−1)成分及び前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量が、前記(A)成分中の付加反応性炭素−炭素二重結合に対してモル比で1.0〜1.5となる量であり、更に、前記(B−1)成分と前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計量は前記(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子量に対して、1.1〜6.5となる量である)、
    (C)ヒドロシリル化反応触媒、並びに
    (D)結晶形態がルチルである酸化チタン粉末
    を含有するものであり、
    前記(B−2)成分が、下記一般式(6)’:
    Figure 0005931503
    (一般式(6)’中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、Meはメチル基であり、q3は0、r3は0〜7の整数であり、上記一般式(6)’中のRのうち2つが水素原子である。)
    で表されるシロキサン化合物であることを特徴とする白色熱硬化性シリコーン組成物。
  2. インジェクションモールド法、トランスファーモールド法、又は、コンプレッションモールド法で成型される光反射材料用であることを特徴とする請求項1に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  3. 前記(b)成分が、下記一般式(3)で表されるアルケニルノルボルネン化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
    Figure 0005931503
    (式中、R’は非置換又は置換の炭素原子数2〜12のアルケニル基である。)
  4. 前記(b)成分が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  5. 前記(B−1)成分が、下記一般式(4):
    Figure 0005931503
    (式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、qは〜10の整数、rは0〜7の整数である。qが付されたシロキサン単位とrが付されたシロキサン単位とは互いにランダムに配列している。)
    で表される環状シロキサン系化合物を含むものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  6. 前記環状シロキサン系化合物が、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  7. 前記(B−1)成分が、下記一般式(5):
    Figure 0005931503
    (式中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、q’は3〜10の整数、rは0〜7の整数である。R”は炭素原子数2〜12のアルキレン基であり、nは1〜100の整数である。q1及びq2はそれぞれ0〜8の整数であり、但しq1+q2は1〜8の整数である。r1及びr2はそれぞれ0〜7の整数であり、但しr1+r2は0〜7の整数である。)
    で表されるノルボルナン環含有環状シロキサン化合物を含むものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  8. 前記ノルボルナン環含有環状シロキサン化合物が、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかと、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン及びこれらの組み合わせのうちのいずれかとの付加反応生成物であることを特徴とする請求項7に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  9. 前記(B−1)成分が、下記一般式(6):
    Figure 0005931503
    (一般式(6)中、Rは独立に水素原子又はアルケニル基以外の非置換若しくは置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、Meはメチル基であり、q3は0〜60の整数、r3は0〜7の整数である。q3が付されたシロキサン単位とr3が付されたシロキサン単位とは互いにランダムに配列している。ただし、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に3個以上有する。
    で表されるシロキサン化合物を含むものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  10. 前記(D)成分が、塩素法で得られたものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  11. 更に、(E)溶融石英ガラス粉末を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  12. 前記白色熱硬化性シリコーン組成物を硬化させた硬化物の波長430〜800nmにおける初期光反射率が95%以上であり、150℃、2,000時間放置後の光反射率が80%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の白色熱硬化性シリコーン組成物の硬化物からなる白色発光ダイオード用光反射材料。
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