JP5930784B2 - サーチュイン遺伝子活性化剤 - Google Patents

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本発明は、1’-Acetoxychavicol acetate(ACA)を含有するサーチュイン遺伝子活性化剤に関する。
摂取カロリー制限により長寿が達成されることが従来から指摘されていた。近年、摂取カロリー制限により活性化されるサーチュイン遺伝子が寿命を延ばす働きを有することが解明されてきており、長寿遺伝子として、大いに注目されている。
このため、摂取カロリー制限を行わずとも、サーチュイン遺伝子を活性化させる方法についても研究が進められており、例えば、赤ワインに含まれる成分であるレスベラトロールを摂取することにより、サーチュイン遺伝子を活性化できることが明らかとなっている。
また、近年、特に日本国では、化粧品やサプリメント等の分野において、美容又は健康促進を謳う商品が増えてきており、例えば「肌に対する作用」(ハリ・ツヤ・美肌など)や「ひざ等の関節に対する作用」(関節痛改善など)を訴求した商品が多く市販されている。このような状況において、サーチュイン遺伝子の活性化は新たな訴求ポイントとして期待されており、これまでの商品とは一線を画して、新たな一つの市場を形成するまでになってきている。実際に、サーチュイン遺伝子を活性化する物質として知られるレスベラトロールを含むサプリメントは大いに売り上げを伸ばしてきている。
このような状況下、さらに効率的にサーチュイン遺伝子を活性化できる方法の探索が進められている。
実験医学 2010年12月号 Vol.28 No.19 Nature, 458, 1056-1062(2009)
本発明は、サーチュイン遺伝子を活性化できる新規な物質及び方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、驚くべき事に、1’-Acetoxychavicol acetate(1’−アセトキシチャビコールアセテート:ACA)がサーチュイン遺伝子を活性化する蓋然性が極めて高いことを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載のサーチュイン遺伝子活性化剤を包含する。
項1.
1’-Acetoxychavicol acetate(ACA)を含有するサーチュイン遺伝子活性化剤。
項2.
健康増進用又は臓器障害予防用である、項1に記載のサーチュイン遺伝子活性化剤。
項3.
外用剤である、項1又は2に記載のサーチュイン遺伝子活性化剤。
なお、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が活性化されることにより、サーチュイン遺伝子が活性化されることが知られており(例えばNature, 458, 1056-1062(2009)を参照)、AMACAがAMPKを活性化することを確認したことから、本発明は以下の項に記載の態様も包含するといえる。
項A
1’-Acetoxychavicol acetate(ACA)を含有するAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤。
項B
健康増進用又は臓器障害予防用である、項Aに記載のAMPK活性化剤。
項C
外用剤である、項A又はBに記載のAMPK活性化剤。
ところで、ACAは、高温且つ水存在下で下記のような分子内転移反応によって4−((E)−3−ヒドロキシ−1−プロペニル)フェニルアセテート(HPA)へと変換されやすい。このため、上記検討に用いたACAにはHPAが含まれている可能性もある。
Figure 0005930784
従って、本願発明は、以下の項に記載の剤を包含する蓋然性が高い。
項I−1.
ACA及びHPAを含有するサーチュイン遺伝子活性化剤。
項I−2.
健康増進用又は臓器障害予防用である、項I−1に記載のサーチュイン遺伝子活性化剤。
項I−3.
外用剤である、項I−1又はI−2に記載のサーチュイン遺伝子活性化剤。
項I−A
ACA及びHPAを含有するAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤。
項I−B
健康増進用又は臓器障害予防用である、項I−Aに記載のAMPK活性化剤。
項I−C
外用剤である、項I−A又はI−Bに記載のAMPK活性化剤。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤を用いることにより、サーチュイン遺伝子が活性化され、特に健康増進効果、臓器障害予防効果等の効果が得られる。
ACAを加えて細胞培養した時の、pAMPK(リン酸化AMPK)の発現量を調べたウエスタンブロットの結果を示す。 ACAを加えて細胞培養した時の、AMPKの発現量を調べたウエスタンブロットの結果を示す。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
1’-Acetoxychavicol acetate(以下「ACA」と略記する)は、以下の構造を有する化合物である。
Figure 0005930784
ACAは、例えば、東南アジア原産で、現地では食用として用いられる植物である、ナンキョウ(タイショウガ)の根茎に含まれることが知られている。本発明において用いるACAは、例えばナンキョウなどの植物から抽出して得たものであってもよいし、化学合成により得られたものであってもよく、特に限定されない。抽出方法や化学合成方法としては、公知の方法を用いることができる。
また、ACAは、上記構造式からも解るように、不斉炭素原子を1つ有している。上記構造式では不斉炭素原子は*印で示されている。このため、ACAには2種の光学異性体((S)−ACA及び(R)−ACA)が存在する。本発明に用いるACAは、S体及びR体の何れであってもよいし、これらの混合物であってもよい。混合物である場合の混合割合も特に限定されず、例えばモル比でS:Rが9:1〜1:9程度が例示される。また例えば、5:5の混合物であるラセミ体を用いることもできる。なお、天然には(つまりナンキョウ抽出物中には)S体として存在している。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は、ACAを含むことにより、生体適用時にサーチュイン遺伝子を活性化し、健康増進や臓器障害予防といった効果を奏する。本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は、ACAそのものであってもよく、ACAと他の成分とが配合されたものであってもよい。本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤に、ACAに加えて他の成分が含まれる場合は、当該サーチュイン遺伝子活性化剤はサーチュイン遺伝子活性化組成物ということもできる。このような他の成分は、本発明の効果を損なわない限り特に限定はされず、後述のように、本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤が用いられる分野に応じて適宜設定することができる。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤のACAの含有割合は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば1〜100質量%、好ましくは5〜99質量%程度が例示できる。また、本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤の適用量は、本発明の効果が得られる量であれば特に制限されず、サーチュイン遺伝子活性化剤の形態等によって適宜設定され得る。例えば、含有されるACAが成人一日あたり1〜3000mg、好ましくは10〜500mgとなる量が例示できる。なお、1日1回又は複数回(好ましくは2〜3回)に分けて投与することができる。適用対象はヒトが好ましいが、ヒト以外の非ヒト哺乳動物であってもよい。適用対象が非ヒト哺乳動物の場合も、当該ヒトの投与又は摂取量を参考として適宜設定することができる。また、本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤の生体への適用方法も、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、外用又は経口で適用することが好ましい。つまり、皮膚へ適用する、又は経口により適用する、ことが好ましい。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は、例えば医薬品用途、化粧品用途、食品添加剤用途、又は食品用途に好ましく用いることができる。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤を医薬品用途で用いる場合であって、且つACA及び他の成分が含まれる場合は、当該サーチュイン遺伝子活性化剤はサーチュイン遺伝子活性化医薬組成物ともいえる。この場合、他の成分としては、薬学的に許容される基剤、担体、及び/又は添加剤(例えば溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)等が例示できる。また、当該サーチュイン遺伝子活性化剤の形態も特に制限されず、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等が例示できる。これらの形態の医薬製剤は、必要に応じて当該他の成分とACAを組み合わせて常法により調製することができる。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤を化粧品用途で用いる場合であって、且つACA及び他の成分が含まれる場合は、当該サーチュイン遺伝子活性化剤はサーチュイン遺伝子活性化化粧品組成物ともいえる。この場合、他の成分としては、化粧品に添加することが許容される基剤、担体、及び/又は添加剤(例えば溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)等が例示できる。また、当該サーチュイン遺伝子活性化剤の形態も特に制限されず、例えばローション、化粧水、乳液、クリーム、パック剤、美容液、洗顔料、メーキャップ剤、ヘアケア用品、ボディーソープ、入浴剤等が例示できる。これらの形態の化粧品は、必要に応じて当該他の成分とACAを組み合わせて常法により調製することができる。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤を食品添加剤用途で用いる場合であって、且つACA及び他の成分が含まれる場合は、当該サーチュイン遺伝子活性化剤はサーチュイン遺伝子活性化食品添加剤又はサーチュイン遺伝子活性化食品添加組成物ともいえる。この場合、他の成分としては、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品添加剤として利用され得る成分・材料が例示できる。また、当該サーチュイン遺伝子活性化剤の形態も特に制限されず、例えば液状、粉末状、フレーク状、顆粒状、ペースト状のものが挙げられる。より具体的には、調味料(醤油、ソース、ケチャップ、ドレッシング等)、フレーク(ふりかけ)、焼き肉のたれ、スパイス、ルーペースト(カレールーペースト等)等が例示できる。このような食品添加剤は、必要に応じて当該他の成分とACAを組み合わせて常法により調製することができる。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤を食品用途で用いる場合であって、且つACA及び他の成分が含まれる場合は、当該サーチュイン遺伝子活性化剤はサーチュイン遺伝子活性化食品組成物ともいえる。この場合、他の成分としては、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品として利用され得る成分・材料が例示できる。また、当該サーチュイン遺伝子活性化剤の形態も特に制限されず、例えば加工食品、飲料、健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、サプリメント、病者用食品(病院食、病人食又は介護食等)等が例示できる。これらは常法により調製することができる。特に、健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、又はサプリメントとして、サーチュイン遺伝子活性化食品組成物を調製する場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えば顆粒、カプセル、錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(ドリンク剤)等の形態で調製することが好ましく、なかでもカプセル、タブレット、錠剤、ドリンク剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
なお、上述の通り、本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤については、皮膚へ適用が好ましい適用方法の一態様である。従って、当該適用方法により用いるにあたっては、本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は外用剤であることが好ましい。ここでの外用剤は、皮膚に塗布して用いる剤を意味し、上記サーチュイン遺伝子活性化医薬組成物及びサーチュイン遺伝子活性化化粧品組成物のうち皮膚に塗布して適用する組成物を包含する。当該外用剤は、常法に従って調製できる。
本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は、上記の通り、特に健康増進用サーチュイン遺伝子活性化剤又は臓器障害予防用サーチュイン遺伝子活性化剤として用いることができる。
サーチュイン遺伝子が活性化されることにより、例えば、代謝が改善される(特にインスリンや糖の恒常性が高められ、また、インスリン感受性が亢進する)こと、抗癌効果が奏されること、心血管疾患(特に動脈硬化)が予防されること、抗炎症効果が奏されること、抗老化効果が得られること、その他白内障、骨粗鬆症、腎障害等も発症が遅延するといった報告がある。従って本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は、特にこのような用途に好ましく用いることができる。すなわち、本発明のサーチュイン遺伝子活性化剤は、例えば代謝改善剤、抗癌剤、血管疾患予防剤、抗炎症剤、抗老化剤、白内障予防剤、骨粗鬆症予防剤、腎障害予防剤として用いることができる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が活性化されることにより、サーチュイン遺伝子が活性化されることが知られている(例えばNature, 458, 1056-1062(2009)を参照)。
そこで、以下の実験では、ACAがAMPKを活性化するかを検討した。
ACAの調製
4-Hydroxybenzaldehyde (Wako, 12.5 g, 102.4 mmol), triethylamine (Wako, 15.5g, 1.5eq) 及び4-dimethylaminopyridine (Wako, 500mg, 0.04eq) を乾燥ジクロロメタン300mLに溶解し、0℃で撹拌しながら、tert-butyldimethylsilyl chloride (TCI, 18.5g, 1.2eq) を少しずつ加えた。室温で3時間撹拌した後、飽和NaHCO水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:Hexane:EtOAc =20:1)にて精製を行い、化合物1を得た(21.5g, 87%)。当該工程スキームを次に示す。
Figure 0005930784
次に、化合物1 (20 g, 84.6 mmol) を乾燥THF300mLに溶解し、窒素気流下、0℃でvinylmagnesium bromide (TCI, 1 mol/L in THF, 102 mL, 1.2 eq) を滴下した。室温で3時間撹拌後、0.5M HCl水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:Hexane:EtOAc =8:1)にて精製を行い、化合物2を得た(17.1 g, 76.4%)。当該工程スキームを次に示す。
Figure 0005930784
さらに、化合物2(12g, 45.4mmol)を乾燥THF(200mL)に溶解し、tetra-n-butylammonium Fluoride (TCI, 1 mol/L in THF, 54.5 mL, 1.2 eq)を0℃で滴下した。0℃で1時間撹拌後、飽和食塩水を加え、エーテル及びジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した後、ピリジン300mLに溶解し、無水酢酸(18.5 g, 4 eq)を加えて室温で一晩撹拌した。ピリジンを減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、1M HCl水溶液で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:Hexane:EtOAc =4:1)にて精製を行った。ヘキサンを加えて結晶化させた後、ヘキサンにより再結晶を行い、ラセミACA(ラセミ混合物)を得た(7.01 g, 65.9%, mp. 68℃)。当該工程スキームを次に示す。
Figure 0005930784
また、ラセミACAのスペクトル解析結果を次に示す。
HRMS (FAB, direct) calcd for C13H14O4,
[M]+234.0892; found, 234.0916.
1H NMR (400 MHz, CDCl3); d 2.10 (s, 3 H), 2.29 (s, 3 H), 5.25 (d, 1 H, J = 10.5 Hz), 5.30 (d, 1 H, J = 17.1 Hz), 5.98 (ddd, 1 H, J = 5.9, 10.5, 17.1 Hz), 6.26 (d, 1 H, J = 5.9 Hz), 7.08 (d, 2 H, J = 8.5 Hz), 7.37 (d, 2 H, J = 8.5 Hz).
以下、得られたラセミACAを用いて検討を行った。
AMPKの活性化の検討
細胞培養時に培地にラセミACAを加えることにより、AMPKが活性化されるかをウエスタンブロット法により検討した。AMPKはリン酸化されることにより活性化される(リン酸化AMPK(pAMPK)となる)ので、AMPK量が減り、pAMPK量が増えれば、AMPKが活性化されたことがわかる。具体的には、次のようにして検討を行った。
マウス線維芽細胞3T3-L1前駆脂肪細胞を1×105 cells/mlの濃度で10%FBS を含むDMEM 培地に播種し、コンフルエントになるまで培養した。さらに、2日間培養した後、インスリン、デキサメサゾン、3−イソブチル-1-メチルキサンチンをDMEM培地中に添加し脂肪細胞への分化誘導を開始した。また、これらの分化誘導のための成分の添加と同時に、ラセミACAを最終濃度が2.5μM又は5.0μMとなるよう培地に加えた。コントロールとして、ラセミACAを添加しないものも検討した。
分化誘導のための成分を添加してから24時間後、dishをPBSで1回洗浄し、Buffer Xで細胞を回収し、遠心分離 (10,000 rpm、10分、4℃)を行った後、上清を取り除いてBuffer Y を加えた。Buffer X及びBuffer Yの組成は、それぞれ次の表1及び表2に示す通りである。
Figure 0005930784
Figure 0005930784
細胞回収液を超音波処理し、ボルテックスにかけた後、さらに超音波で処理して、細胞膜を破壊した後、すばやく遠心分離 (15,000 rpm、10分、4℃) し、上清の一部をタンパク質定量に用いて、残りに×3 Sample buffer を加え、ウエスタンブロッティングに用いた。
20μgのタンパク質をSDS-polyacrylamide gel electrophoresis (PAGE)で分離した。泳動が終わったゲルはTransfer buffer Cで5分間洗浄した。Polyfluolovinylidene (PVDF) メンブレンは、メタノールで5分間、親水基の置換を行った後、transfer buffer Cに10分間浸した。
SDS-PAGEによってタンパク質の分離を行ったゲルは、semi-dry transfer cell (BIO-RAD Trans blot SD) を用いて、陽極側からtransfer buffer Aに浸した濾紙2枚、transfer buffer Bに浸した濾紙2枚、PVDFメンブレン、ゲル、transfer buffer C に浸した濾紙2枚を重ねて陰極板をのせ、非連続buffer法で18V、50分間通電し、ブロッティングを行った。ブロッティング終了後、PVDFメンブレンは超純水で洗浄し、blocking bufferで一夜、4℃でブロッティングを行った。
ブロッティング終了後、PVDFメンブレンはTBS-Tで20分間洗浄し、1次抗体として1000倍希釈したpAMPKの抗体 : Anti-pAMPK (#2535) rabbit polyclonal IgG (Cell Signaling Technology)又はAnti-AMPK (#2532) rabbit polyclonal IgG (Cell Signaling Technology)が含まれるTBS-T溶液に4℃暗下で一晩浸した。反応終了後、メンブレンをTBS-T で20分間洗浄し、SNAPid (Milipore社) のwell folderに取り付け、本体に設置した。恒常的に発現することが知られているβ−actinをコントロールとして用いた。β−actin検出用抗体としては、Anti-actin [ACTN05(c4)] mouse monoclonal IgG (abcam) を用いた。Anti-actinは、10分間メンブレンに浸して反応させた。
反応後、TBS-Tにて3回洗浄し、同様に750倍希釈の 2次抗体として、Polyclonal Goat anti-rabbit immnoglobulins/biotinylatedおよびPolylonal Goat anti-mouse immnoglobulins/biotinylated (Dako cytomation Denmark A/S.) を反応させた。最後にStreptavidin-HRP (Dako cytomation Denmark A/S.)を10分間反応させ、TBS-Tで3回洗浄した。その後、PVDFメンブレンは3,3’-diaminobenzidine, tetrahydrochloride(同仁化学研究所)溶液を用いて発色させた。
以下の各表に、上記検討に用いた各試薬の組成を示す。
Figure 0005930784
Figure 0005930784
Figure 0005930784
Figure 0005930784
pAMPKの発現量を調べたウエスタンブロットの結果を図1に、AMPKの発現量を調べたウエスタンブロットの結果を図2にそれぞれ示す。図1、図2には、上側に検出されたシグナルの写真が示され、下側に当該シグナル強度の比(図1:pAMPK/β−アクチン、図2:AMPK/β−アクチン)をグラフ化した図が示される。
当該結果から、ACA濃度依存的に、細胞においてpAMPK量が増加したことがわかった。このことから、ACA濃度依存的に、AMPKが活性化されたことが確認できた。そして、サーチュイン遺伝子もACA濃度依存的に活性化される蓋然性が極めて高いことがわかった。
ところで、ACAは、高温且つ水存在下で下記のような分子内転移反応によって4−((E)−3−ヒドロキシ−1−プロペニル)フェニルアセテート(HPA)へと変換されやすい。このため、上記検討に用いたACAにはHPAが含まれている可能性もある。
Figure 0005930784

Claims (3)

1’-Acetoxychavicol acetate(ACA)を含有するAMPK活性化剤。
ACAがラセミACAである、請求項1に記載のAMPK活性化剤。
細胞培養時に用いるための、請求項1又は2に記載のAMPK活性化剤。
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