JP5930302B2 - 麦汁煮沸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ビールの製造工程にて用いられる麦汁煮沸装置に関する。
従来、特許文献1に記載される麦汁煮沸装置が知られている。この麦汁煮沸装置においては、釜体内にローレンコッファーと呼ばれる内部加熱装置が設けられている。内部加熱装置は、円筒状の装置本体(シェル体)内に複数の伝熱管が設けられ、該装置本体内に蒸気が導入される構造となっている。このような構造の麦汁煮沸装置では、糖化及び濾過の工程を経た麦汁が釜体内に導入され、内部加熱装置が麦汁内に沈む程度に釜体内に麦汁が満たされた状態でホップが添加され、内部加熱装置に蒸気が導入される。内部加熱装置では、蒸気によって各伝熱管内の麦汁が、加熱されて沸騰して各伝熱管の上端から麦汁が勢いよく噴出する。
このようにして、内部加熱装置における複数の伝熱管のそれぞれの下端から吸引される麦汁が沸騰して上端から噴出するようになって、釜体内の麦汁が、内部加熱装置の内外を循環流動しつつ煮たてられる。釜体内で流動しつつ麦汁が煮立つことにより、臭気成分等が除かれてホップ成分が溶け込んだ麦汁が生成される。
特開2003−251175号公報
上述した従来の麦汁煮沸装置では、空焚き防止の観点から、内部加熱装置が麦汁に沈む程度に釜体内に麦汁が満たされなければ、内部加熱装置に蒸気を導入することができない。このため、麦汁の釜体への導入開始から麦汁の加熱開始までに要する時間が長くなり、結果として、麦汁が煮沸工程に留まる時間が長くなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、麦汁の釜体への導入開始から麦汁の加熱開始までに要する時間を短くすることのできる麦汁煮沸装置を提供するものである。
本発明に係る麦汁煮沸装置は、釜体と、筒状のシェル体内に複数の伝熱管が収容され、該シェル体内に蒸気が導かれる構造となる加熱器とを有し、該加熱器が、前記シェル体の下端部と前記釜体の底部との間に所定の隙間が形成されるように当該釜体内に設けられ、前記加熱器が前記釜体内の麦汁を加熱する麦汁煮沸装置であって、前記シェル体の外側に配置され、該シェル体の外周面に沿って上下動可能なシェルカバーと、該シェルカバーの下縁端部が前記釜体の底部に当接する閉鎖位置と、前記シェルカバーの下縁端部が前記シェル体の下端部と前記釜体の底部との間にある開放位置との間で、前記シェルカバーを上下動させるシェルカバー駆動機構と、前記釜体の底部から、前記シェル体の下端部と前記釜体の底部との間の前記隙間の空間に麦汁を導入する麦汁導入機構とを有する構成とすることができる。
このような構成により、シェルカバーを、その下縁端部が釜体の底部に当接する閉鎖位置にして、底部を通して麦汁の釜体内への導入を開始すると、麦汁が、シェルカバーによって遮られて釜体全体に広がることなく、そのシェルカバーによって囲まれた釜体の底部と加熱器のシェル体の下端部との間の隙間を満たした後に該シェル体内の複数の伝熱管のそれぞれを上昇していく。シェル体内で伝熱管が麦汁で完全に満たされた状態で、加熱器のシェル体内に蒸気を導入することにより、各伝熱管を上昇する麦汁が加熱される。そして、各伝熱管を上昇して加熱された麦汁が各伝熱管から出て釜体内に貯められていき、加熱器が麦汁に沈む程度に麦汁が釜体内に満たされたときに、シェルカバーを上方に移動させて開放位置にすると、加熱器のシェル体内おける複数の伝熱管のそれぞれの下端から吸引される麦汁が蒸気による加熱によって加熱されて各伝熱管の上端から出るようになって、釜体内の麦汁が加熱器の内外を循環流動しつつ煮立てられる。
本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記シェルカバーの下縁端部が対向する前記釜体の底部の部分に、シール部材が設けられた構成とすることができる。
このような構成により、シェルカバーが閉鎖位置になると、シェルカバーの下縁端部と釜体の底部に設けられたシール部材とが当接して前記シェルカバーと前記底部との間の気密性を向上させることができる。このため、釜体の底部から供給される麦汁を効率的にシェル体の各伝熱管に導くことができる。
また、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記シェルカバーの下縁端部に前記釜体の前記底部に対向する鍔部が設けられた構成とすることができる。
このような構成により、シェルカバーが開放位置にある状態で、釜体内の麦汁がシェルカバーの外側から鍔部に沿ってよりスムーズにシェルカバーの内側のシェル体に向けて流入できるようになる。
また、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記鍔部は、前記シェルカバーの内方に延びる構成とすることができる。
このような構成により、シェルカバー外側からその内側に流入する際の麦汁の流れを鍔部によってより安定化させることができる。
更に、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記鍔部に対向する前記釜体の底部の部分に流速計が設けられた構成とすることができる。
このような構成により、シェルカバー外側から内側に流入する麦汁の流速をモニタすることができる。
また、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記シェルカバーの上下方向の位置の検出するシェルカバー位置検出器と、該シェルカバー検出器での検出位置に基づいて、前記シェルカバー駆動機構を制御するシェルカバー位置制御手段とを有する構成とすることができる。
このような構成により、シェルカバーの上下方向の位置を制御することができるので、シェルカバーの下縁端部と釜体の底部との間の隙間を調整できる。その結果、その隙間を通ってシェルカバーの内側の加熱器(シェル体)に流入する麦汁の流量を制御することができる。
本発明に係る麦汁煮沸装置によれば、シェルカバーを閉鎖位置にして、底部を通して麦汁の釜体内への導入を開始すると、麦汁が、シェルカバーによって遮られて釜体全体に広がることなく、そのシェルカバーによって囲まれた釜体の底部と加熱器のシェル体の下端部との間の隙間を満たした後に該シェル体内の複数の伝熱管のそれぞれを上昇するようになるので、加熱器が麦汁に沈む程度に釜体内に麦汁が満たされることを待つことなく、加熱器のシェル体に蒸気を導入することができる。従って、麦汁の釜体への導入開始から麦汁の加熱開始までに要する時間を短くすることができ、結果として、麦汁の煮沸工程を効率的に行うことができる。
本発明の実施の一形態に係る麦汁煮沸装置の構造を示す断面図(その1)である。 本発明の実施の一形態に係る麦汁煮沸装置の構造を示す断面図(その2)である。 閉鎖位置にあるシェルカバー及び該シェルカバーを上下動させるシェルカバー駆動機構を拡大して示す図である。 開放位置にあるシェルカバー及び該シェルカバーを上下動させるシェルカバー駆動機構を拡大して示す図である。 図1及び図2に示す麦汁煮沸装置における傘体及び加速管の先端部分を拡大して示す図(その1)である。 加速管の先端部分に設けられる可動筒体の構造を示す斜視図である。 図1及び図2に示す麦汁煮沸装置における傘体及び加速管の先端部分を拡大して示す図(その2)である。 麦汁煮沸装置における制御系の構成を示すブロック図である。 開放位置にあるシェルカバーの下端部を通して流れる麦汁の方向を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係る麦汁煮沸装置は、図1及び図2に示すように構成されている。
図1及び図2において、この麦汁煮沸装置は、釜体100内に加熱器10が設けられた構造となっている。釜体100の形状は、中央の胴体部分が円筒形状となり、上部が山形形状となり、そして、下部がロート形状となっている。釜体100の山形形状となる上部には排気筒101が設けられ、釜体100のロート形状となる下部に形成された底部102は平坦な円盤状となっている。底部102の中央には所定高さとなる固定台103が設けられ、この固定台103に加熱器10が固定支持されている。
加熱器10は、シェル体11を有し、シェル体11内に複数の伝熱管12が収容されている。シェル体11は、円筒形状の胴部11aと、胴部11aの上端に固定された円盤状の上板部11bと、胴部11aの下端に固定された円盤状の下板部11cとによって形成されている。シェル体11内の各伝熱管12は、上板部11bと下板部11cとの間にわたって配置され、その両端の開口が上板部11b及び下板部11cから外方に露出している。シェル体11の下板部11cの中央部が固定台103に支持固定され、シェル体11の下板部11c(下端部)と釜体100の底部102との間に固定台103の高さに相当する隙間が形成されている。
シェル体11の下板部11cの中央から下方にパイプ14が突出しており、このパイプ14は、固定台103及び釜体100の底部102を貫通して釜体100の下方に延びている。また、このパイプ14を通ってシェル体11の上板部11bにまで延びる蒸気導入管13が設けられている。蒸気導入管13の壁面には複数の孔13aが形成され、蒸気導入管14を通る蒸気がシェル体11内に導入されるようになっている。なお、パイプ14と蒸気導入管13との間には隙間が形成されており、その隙間を通してシェル体11内に溜まった水分が排出(ドレイン)される。
シェル体11(胴部11a)の外側を囲むように円筒形状のシェルカバー15が設けられている。このシェルカバー15は、シェル体11(胴部11a)の外周面に沿って上下動可能となっている。そして、シェルカバー15は、電動シリンダ40(シェルカバー駆動機構)によって、図1に示すように、シェルカバー15の下縁端部が釜体100の底部102に当接して、シェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間を覆う閉鎖位置と、図2に示すように、シェルカバー15の下縁端部がシェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間にある開放位置との間で上下動される。
シェルカバー15を上下動させる電動シリンダ40は、図3及び図4に示すように、釜体100の底部102の外面に、下方に延びるように固定されている。電動シリンダ40によって進退動するロッド41が底部102を貫通して上方向に延び、ロッド41の先端部が連結部材44によってシェルカバー15の周面に連結されている。ロッド41が電動シリンダ40内に退避した位置にあるときに、シェルカバー15が、図3(図1参照)に示すように閉鎖位置となる。一方、ロッド41が電動シリンダ40から進出した位置にあるときに、シェルカバー15が図4(図2参照)に示すように開放位置となる。電動シリンダ40には、ロッド41の上下方向の位置に応じた検出信号を出力するポジションセンサ42(シェルカバー位置検出器)が設けられている。
円筒形状のシェルカバー15の下縁端部にはリング状の鍔部16が形成されている。鍔部16は、シェルカバー15の内方に延びている。また、シェルカバー15の下縁端部に対向する釜体100の底部102の部分、更に具体的には、シェルカバー15の下縁端部に設けられた鍔部16の外周部が当接する部分には、耐熱性ゴム(例えば、シリコンゴム)で形成されたリング状のシール部材25が設けられている。これにより、シェルカバー15が閉鎖位置にあるときに、図3に示すように、鍔部16の外周部がシール部材25を押し付けるようにして底部102に当接し、シェルカバー15と釜体100の底部102との間の高い気密性が維持される。
また、図3及び図4に示すように、シェルカバー15の下縁端部に形成された鍔部16に対向する釜体100の底部102の部分には電磁式流量計45が設けられている。この電磁式流量計45によりシェルカバー15が開放位置にあるときに(図4及び図2参照)、シェルカバー15の外側から鍔部16に沿ってシェルカバー15の内側に流入する麦汁の流速を測定することができる。
図1及び図2に戻って、釜体100の底部102には麦汁を釜体100内に導入するための麦汁導入管104(麦汁導入機構)が接続されている。麦汁導入管104には開閉バルブ105が設けられている。開閉バルブ105を開放した状態で、前工程から供給される糖化及び濾過済みの麦汁が、麦汁導入管104を通して、シェル体10の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間に導入される。
シェル体11の上部には加速管20が設けられている。加速管20は、シェル体11との接合部から徐々に径が小さくなる円錐台形状に形成された錘状部20aと、錘状部20aに続いて延びる円筒形状の円筒部20bとによって形成されている。円筒部20b内には上下動可能な円筒形状の可動筒体21が収容されている。なお、加速管20とシェル体11との境界部分にはカバー部材17が設けられており、上下動するシェルカバー15の上縁端部がカバー部材17と加速管20との間の隙間に入り込んでいる(図1及び図2とともに図3及び図4参照)。
加速管20の上方の所定位置に下方に向けて広がる傘体30が配置されている。傘体30は、加速管20の円筒部20bの外壁に固定された複数の支持バー31(図1及び図2においては単一の支持バー31だけが示され、他は省略されている。以下に説明する図5及び図7においても同じ)によって固定支持されている。傘体30の中央部にはエアシリンダ50が設けられている。エアシリンダ50は、釜体100の上部に設けられた中継管55を介して外部から導入されるエアによって動作する。エアシリンダ50の動作により、円筒部20bに収容される可動筒体21が上下動され、これにより、加速管20の実質的な上縁端(可動筒体21の上縁端)と傘体30との間の距離が調整される。
更に詳細には、図5に示すように、加速管20の円筒部20bの外壁から延びる支持バー31に固定支持された傘体30の中央部にエアシリンダ50が立設され、エアシリンダ50から延びるロッド51の先端部が、可動筒体21に連結されている。可動筒体21は、図6に示すように、筒状本体211の中心に管状の支持部213が配置され、支持部213が、筒状本体211の内周面から中心に向けて延びる3つの接続片212a、212b、212cに接続された構造となっている。そして、エアシリンダ50から延びるロッド51の先端部が支持部213に密嵌し、それにより、ロット51が可動筒体21に連結される。
エアシリンダ50に供給されるエアの切り替えにより、ロッド51が進退動し、それに伴って、可動筒体21が、図5に示すように、加速管20の円筒部20b内に入り込んだ退避位置と、図7に示すように、円筒部20bから突出した進出位置との間で、上下動を行う。
前述した構造の麦汁煮沸装置の制御系は、例えば、図8に示すように構成される。
図8において、制御ユニット60には、電動シリンダ40を駆動させる駆動回路43、及びエアシリンダ50のエアの切り替えを行うアクチュエータ55(ソレノイド、モータ等)を駆動させる駆動回路54が接続されている。ポジションセンサ42は、前述したように、電動シリンダ40により進退動するロッド41の上下方向の位置を表す検出信号を出力し、制御ユニット60は、ポジションセンサ42からの検出信号をシェルカバー15の上下方向の位置を表す信号として取得する。また、制御ユニット60には、電磁流量計45、操作部62及びモニタユニット64が接続されている。制御ユニット60は、操作部62での操作、ポジションセンサ42から検出信号及び電磁流量計45にて測定される流量等に基づいて、駆動回路54を介してアクチュエータ55を、駆動回路43を介して電動シリンダ40をそれぞれ制御し、各種情報をモニタユニット64に表示させることができる。
前述した麦汁煮沸装置は、次のように動作し、麦汁の煮沸がなされる。
例えば、オペレータが操作部62にて初期煮沸の操作を行うと、操作部62の操作に基づいた制御ユニット60の制御のもと動作する電動シリンダ40がロッド41を引き込み、シェルカバー15が閉鎖位置(図1及び図3参照)になる。このとき、制御ユニット60は、ポジションセンサ42からの検出信号に基づいてシェルカバー15が閉鎖位置にあることを確認し、この状態を維持させるように電動シリンダ40を制御する。
この状態(図1参照)で、麦汁導入管104の開閉弁105が開放され、前工程から供給される糖化及び濾過済みの麦汁L(例えば、75℃〜95℃)が、麦汁導入管104を通して、シェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間に導入される。このように釜体100に導入される麦汁Lは、閉鎖位置にあるシェルカバー15によって遮られて釜体100全体に広がることなく、シェルカバー15によって囲まれたシェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間を満たしていき、その後、シェル体11内の複数の伝熱管12のそれぞれを上昇していく。
シェル体11内で各伝熱管12が麦汁Lで完全に満たされた状態において、蒸気導入管13を通して蒸気がシェル体11内に導入される。すると、その蒸気によって各伝熱管12を通る麦汁が、加熱された状態で各伝熱管12から加速管20を通ってその先端から噴出し、釜体100に溜まっていく(初期煮沸)。このようにして、釜体100内に煮立った麦汁Lが溜まっていき、麦汁Lの液面が徐々に上昇していく。
麦汁Lが釜体100内に貯められていき、加熱器10が麦汁Lに沈む程度に麦汁Lが釜体100内に満たされた状態(図2参照)で、オペレータが操作部62にて所定の操作を行うと、その操作部62の操作に基づいた制御ユニット60の制御のもと動作する電動シリンダ40がロッド41を進出させ、シェルカバー15が開放位置(図2及び図4参照)になる。このとき、制御ユニット60は、ポジションセンサ42からの検出信号に基づいてシェルカバー15が開放位置あることを確認し、この状態を維持させるように電動シリンダ40を制御する。シェルカバー15が開放位置になった後に、麦汁Lが100℃に達して沸騰状態になったところで釜体100内にホップが投入される。
沸騰状態では、加熱器10(シェル体11)に蒸気導入管13を通して蒸気の導入が継続的になされている状態で、釜体100内に溜まった麦汁Lは、開放位置にあるシェルカバー15の下縁端部と底部102との間を通って加熱器10のシェル体11内における複数の伝熱管12のそれぞれの下端から吸引される。そして、蒸気によって加熱される各伝熱管12内の麦汁Lが、沸騰して液体と気体の混合した二相流となって、加速しつつ各伝熱管12の上端から加速管20に流入する。各伝熱管12から加速管20に流入する麦汁Lは、加速管20によって更に加速されて、加速管20(円筒部20b、可動筒体21)の先端部から勢いよく、傘体30に向けて噴出する。
加速管20から勢いよく噴出して傘体30に当たる麦汁Lは、傘体30の内面に沿って傘状になって拡がり、大きな表面積で空気と接触して化学反応が促進されて、釜体100に戻される。また、このとき、傘体30によって勢いよく拡がる麦汁Lが釜体100の内壁面付近の麦汁Lの液面まで飛翔するので、煮沸による麦汁Lの泡立ちを極力抑えることができる。このようにして、釜体100内に貯められた麦汁Lが、加熱器10に導入される蒸気の加熱作用によって加熱されつつ循環し、その過程で、投入されているホップの成分が麦汁L内に溶け込み、また、臭気成分等が気体として排気筒101から外部に排出される(通常煮沸)。
上述したような麦汁煮沸装置では、シェルカバー15を閉鎖位置にして、釜体100の底部102を通して麦汁Lの釜体100内への導入を開始すると、麦汁Lが、シェルカバー15によって遮られて釜体100全体に広がることなく、そのシェルカバー15によって囲まれた釜体100の底部102と加熱器10のシェル体11の下板部11c(下端部)との間の隙間を満たした後に、シェル体11内の複数の伝熱管12のそれぞれを上昇するようになるので、加熱器10が麦汁Lに沈む程度に釜体100内に麦汁Lが満たされることを待つことなく、加熱器10のシェル体11に蒸気を導入することができる。そして、その後、加熱器10が麦汁Lに沈む程度に釜体100内に麦汁が満たされると、シェルカバー15が開放位置にされ、以後、加熱器10での蒸気による加熱作用によって、釜体100内の麦汁Lが加熱されつつ循環して、麦汁Lに対する通常の煮沸処理がなされる。このようにして、麦汁Lの煮沸工程を効率的に行うことができる。
なお、制御ユニット60は、ポジションメータ42からの検出信号に基づいて電動シリンダ40を制御することにより、図9の両矢印で示すように、シェルカバー15の下縁端部の高さ位置(開放位置)を種々調整することができる(シェルカバー位置制御手段)。これにより、シェルカバー15の下縁端部に設けられた鍔部16に沿ってシェルカバー15の外側から内側に流れて(図9における破線矢印参照雄)加熱器10(シェル体11)に導かれる麦汁Lの流速(流量)を制御することができる。その結果、加熱器10の加熱性能に合った流速(流量)にて麦汁Lが加熱器10に引き込まれるようにすることができ、加熱器10により麦汁Lを効率的に加熱することができる。
その際、制御ユニット60は、電磁流速計45にて測定される鍔部16に沿ってシェルカバー15の外側から内側に流れる麦汁Lの流速をモニタユニット64に表示させることができる。これにより、利用者は、シェルカバー15の外側から内側を通って加熱器10(シェル体11)に引き込まれる麦汁Lの流速(流量)をモニタすることができる。
ところで、例えば、釜体100内の麦汁Lの量が比較的少ない場合、あるいは、蒸気導入管13から加熱器10(シェル体11)に導入される蒸気の量が比較的少ない場合では、加速管20を上昇する麦汁の勢い(速度)が大きくなり難い。そのため、加速管20から噴出して傘体30に当たる麦汁Lの拡がりが比較的小さい。すると、麦汁Lと空気の接触面積が小さくなり、煮沸される麦汁Lの品質にも影響が出得る。また、麦汁Lの傘状に飛翔する速度も低下するので、煮沸による麦汁Lの泡立ちを抑える効果も低下する。
そこで、制御ユニット60は、シリンダ50のエアの切り替えを行うアクチュエータ55を制御することにより、加速管20の円筒部20bに収容される可動筒体21の上下方向位置を、退避位置(図5参照)と進出位置(図7参照)とで切り替えることができる。加速管20から噴出する麦汁Lの勢い(速度)が低下する状況では、操作部62の操作に基づいた制御ユニット60の制御のもと、アクチュエータ55が、可動筒体21が進出位置(図7参照)になるように、エアを切替える。すると、加速管20の実質的な上縁端(可動筒体21の上縁端)と傘体30との距離が小さくなる。その結果、比較的小さい勢い(速度)にて加速管20から噴出する麦汁Lであっても、比較的勢いよく傘体30に当たる。このため、傘体30に当たる麦汁Lの拡がりが小さくなってしまうことが抑制され、麦汁Lと空気の接触面積が小さくなることを極力抑えることができ、煮沸される麦汁Lの品質を維持することができる。また、麦汁Lの傘状に飛翔する速度の低下も抑制することができ、煮沸による麦汁Lの泡立ちの抑え効果も維持することができる。
以上、説明したように、本発明に係る麦汁煮沸装置は、麦汁の釜体への導入開始から麦汁の加熱開始までに要する時間を短くすることができるという効果を有し、ビールの製造工程にて用いられる麦汁煮沸装置として有用である。
10 加熱器
11 シェル体
11a 胴部
11b 上板部
11c 下板部
12 伝熱管
13 蒸気導入管
13a 孔
14 パイプ
15 シェルカバー
16 鍔部
17 カバー部材
20 加速管
20a 錘状部
20b 円筒部
21 可動筒体
211 筒状本体
212a、212b、212c 接続片
213 支持部
25 シール部材
30 傘体
31 支持バー
40 電動シリンダ
41 ロッド
42 ポジションセンサ
43 駆動回路
45 電磁流速計
50 エアシリンダ
51 ロッド
54 駆動回路
60 制御ユニット
62 操作部
64 モニタユニット
100 釜体
102 底部
103 固定台
104 麦汁導入管
105 開閉弁

Claims (6)

  1. 釜体と、筒状のシェル体内に複数の伝熱管が収容され、該シェル体内に蒸気が導かれる構造となる加熱器とを有し、該加熱器が、前記シェル体の下端部と前記釜体の底部との間に所定の隙間が形成されるように当該釜体内に設けられ、前記加熱器が前記釜体内の麦汁を加熱する麦汁煮沸装置であって、
    前記シェル体の外側に配置され、該シェル体の外周面に沿って上下動可能なシェルカバーと、
    該シェルカバーの下縁端部が前記釜体の底部に当接する閉鎖位置と、前記シェルカバーの下縁端部が前記シェル体の下端部と前記釜体の底部との間にある開放位置との間で、前記シェルカバーを上下動させるシェルカバー駆動機構と、
    前記釜体の底部から、前記シェル体の下端部と前記釜体の底部との間の前記隙間の空間に麦汁を導入する麦汁導入機構とを有する麦汁煮沸装置。
  2. 前記シェルカバーの下縁端部が対向する前記釜体の底部の部分に、シール部材が設けられた請求項1記載の麦汁煮沸装置。
  3. 前記シェルカバーの下縁端部に前記釜体の前記底部に対向する鍔部が設けられた請求項1または2記載の麦汁煮沸装置。
  4. 前記鍔部は、前記シェルカバーの内方に延びる請求項3記載の麦汁煮沸装置。
  5. 前記鍔部に対向する前記釜体の底部の部分に流速計が設けられた請求項3または4記載の麦汁煮沸装置。
  6. 前記シェルカバーの上下方向の位置の検出するシェルカバー位置検出器と、
    該シェルカバー検出器での検出位置に基づいて、前記シェルカバー駆動機構を制御するシェルカバー位置制御手段とを有する請求項1乃至5のいずれかに記載の麦汁煮沸装置。
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