JP6045061B2 - 麦汁煮沸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ビールの製造工程にて用いられる麦汁煮沸装置に関する。
従来、特許文献1に記載される麦汁煮沸装置が知られている。この麦汁煮沸装置においては、釜体内にローレンコッファーと呼ばれる熱交換器(加熱器)が設けられている。この熱交換器は、円筒状の装置本体内に複数の伝熱管が設けられ、該装置本体内に蒸気が導入される構造となっている。このような構造の麦汁煮沸装置では、糖化及び濾過の工程を経た麦汁が釜体内に導入され、熱交換器が麦汁内に沈む程度に釜体内に麦汁が満たされた状態でホップが添加され、熱交換器に蒸気が導入される。熱交換器では、各伝熱管内の麦汁が、蒸気によって加熱されて沸騰して上昇していく。熱交換器の上方には、導管が設けられ、更に、導管の上縁端に対向するように傘体が設けられている。前記熱交換器において加熱された状態で上昇する麦汁は、導管を通って該導管の上縁端から勢いよく噴出する。導管から噴出した麦汁は、傘体の内面に当たって、広がりながら釜体内の麦汁に戻されていく。
このように、釜体内の麦汁が、熱交換器の下端から吸引されて上昇し、導管を通って噴出して傘体に当たって拡がりながら当該釜体内の麦汁に戻る過程で、臭気成分等が除かれてホップ成分が溶け込んだ麦汁が生成される。
特開2007−202488号公報
上述した従来の麦汁煮沸装置では、例えば、釜体100内の麦汁Lの量が比較的少ない場合、あるいは、熱交換器(加熱器)に導入される蒸気の量が比較的少ない場合では、熱交換器を上昇する煮立った麦汁Lの勢い(速度)が大きくなり難い。そのため、導管から噴出して傘体に当たる麦汁Lの拡がりが比較的小さい。すると、麦汁Lと空気の接触面積が小さくなり、煮沸される麦汁Lの品質にも影響が出得る。また、麦汁Lの傘状に飛翔する速度も低下するので、煮沸による麦汁Lの泡立ちを抑える効果も低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加熱器により加熱されて上昇する麦汁の勢い(速度)が変動しても、導管から噴出する麦汁を傘体によって安定的に拡げることが可能な麦汁煮沸装置を提供するものである。
本発明に係る麦汁煮沸装置は、釜体と、加熱用の蒸気が導かれる加熱器と、該加熱器の上方に配置された導管と、該導管の上縁端に対向して配置され、下方に向けて拡がる傘体とを有し、前記加熱器、前記導管及び前記傘体が前記釜体内に設けられ、前記釜体内の麦汁が、前記加熱器において導かれる前記蒸気により加熱されつつ上昇し、前記導管を通って該導管の上縁端から前記傘体に向けて噴出することにより、前記釜体内の前記麦汁が全体的に加熱される麦汁煮沸装置であって、前記導管の上縁端の位置を変えることによって、前記導管の上縁端と前記傘体との間の距離を調整する麦汁飛翔間隔調整機構を有する構成となる。
このような構成により、加熱器により加熱されて上昇する麦汁の勢い(速度)が変動しても、導管の上縁端の位置を変えることによって、当該導管の上縁端と傘体との間の距離を調整することができるので、導管の上縁端から噴出して飛翔し、傘体に届く際の麦汁の勢いの変動を小さくすることができる。
本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記導管は、導管本体と、該導管本体の上部に上下動可能に設けられた可動筒体とを備え、前記麦汁飛翔間隔調整機構は、前記可動筒体を上下動させる筒体駆動機構を有する構成とすることができる。
このような構成により、可動筒体を上下動させることにより、導管(可動筒体)の上縁端と傘体との間の距離を調整することができる。
また、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記筒体駆動機構は、前記可動筒体を、第1の位置と、該第1の位置より前記傘体に近い第2の位置との間で切り替え移動させる構成とすることができる。
このような構成により、可動筒体を第1の位置と第2の位置との間で移動させることにより、導管(可動筒体)の上縁端と傘体との間の距離を調整することができる。
また、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記第1の位置を、前記可動筒体が前記導管本体内にある退避位置とし、前記第2の位置を、前記可動筒体が前記導管本体から突出した進出位置とすることができる。
このような構成により、可動筒体を、前記可動筒体が前記導管本体内にある退避位置と、前記可動筒体が前記導管本体から突出した進出位置との間で移動さえることにより、導管(可動筒体)の上縁端と傘体との間の距離を調整することができる。
また、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記筒体駆動機構は、前記可動筒体を上下動させるエアシリンダを有する構成とすることができる。
このような構成により、シリンダによって可動筒体を上下動させることにより、導管(可動筒体)の上縁端と傘体との間の距離を調整することができる。
更に、本発明に係る麦汁煮沸装置において、前記エアシリンダは、前記傘体に固定され、該エアシリンダにより進退動するロッドが前記可動筒体に固定されている構成とすることができる。
このような構成により、固定設置するための専用構造を用いることなく、エアシリンダを釜体内において設置することができる。
本発明に係る麦汁煮沸装置によれば、加熱器により加熱されて上昇する麦汁の勢い(速度)が小さくても、導管の上縁端と傘体との間の距離を調整することができるので、この隙間を小さくし、麦汁をさらに加速させ、噴出する麦汁の勢いの変動を小さくすることができる。このため、加熱器により加熱されて上昇する麦汁の勢い(速度)が変動しても、導管から噴出する麦汁を傘体によって安定的に拡げることが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る麦汁煮沸装置の構造を示す断面図(その1)である。 本発明の実施の一形態に係る麦汁煮沸装置の構造を示す断面図(その2)である。 閉鎖位置にあるシェルカバー及び該シェルカバーを上下動させるシェルカバー駆動機構を拡大して示す図である。 開放位置にあるシェルカバー及び該シェルカバーを上下動させるシェルカバー駆動機構を拡大して示す図である。 図1及び図2に示す麦汁煮沸装置における傘体及び加速管の先端部分を拡大して示す図(その1)である。 加速管の先端部分に設けられる可動筒体の構造を示す斜視図である。 図1及び図2に示す麦汁煮沸装置における傘体及び加速管の先端部分を拡大して示す図(その2)である。 麦汁煮沸装置における制御系の構成を示すブロック図である。 開放位置にあるシェルカバーの下端部を通して流れる麦汁の方向を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係る麦汁煮沸装置は、図1及び図2に示すように構成されている。
図1及び図2において、この麦汁煮沸装置は、釜体100内に加熱器10が設けられた構造となっている。釜体100の形状は、中央の胴体部分が円筒形状となり、上部が山形形状となり、そして、下部がロート形状となっている。釜体100の山形形状となる上部には排気筒101が設けられ、釜体100のロート形状となる下部に形成された底部102は平坦な円盤状となっている。底部102の中央には所定高さとなる固定台103が設けられ、この固定台103に加熱器10が固定支持されている。
加熱器10は、シェル体11を有し、シェル体11内に複数の伝熱管12が収容されている。シェル体11は、円筒形状の胴部11aと、胴部11aの上端に固定された円盤状の上板部11bと、胴部11aの下端に固定された円盤状の下板部11cとによって形成されている。シェル体11内の各伝熱管12は、上板部11bと下板部11cとの間にわたって配置され、その両端の開口が上板部11b及び下板部11cから外方に露出している。シェル体11の下板部11cの中央部が固定台103に支持固定され、シェル体11の下板部11c(下端部)と釜体100の底部102との間に固定台103の高さに相当する隙間が形成されている。
シェル体11の下板部11cの中央から下方にパイプ14が突出しており、このパイプ14は、固定台103及び釜体100の底部102を貫通して釜体100の下方に延びている。また、このパイプ14を通ってシェル体11の上板部11bにまで延びる蒸気導入管13が設けられている。蒸気導入管13の壁面には複数の孔13aが形成され、蒸気導入管14を通る蒸気がシェル体11内に導入されるようになっている。なお、パイプ14と蒸気導入管13との間には隙間が形成されており、その隙間を通してシェル体11内に溜まった水分が排出(ドレイン)される。
シェル体11(胴部11a)の外側を囲むように円筒形状のシェルカバー15が設けられている。このシェルカバー15は、シェル体11(胴部11a)の外周面に沿って上下動可能となっている。そして、シェルカバー15は、電動シリンダ40(シェルカバー駆動機構)によって、図1に示すように、シェルカバー15の下縁端部が釜体100の底部102に当接して、シェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間を覆う閉鎖位置と、図2に示すように、シェルカバー15の下縁端部がシェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間にある開放位置との間で上下動される。
シェルカバー15を上下動させる電動シリンダ40は、図3及び図4に示すように、釜体100の底部102の外面に、下方に延びるように固定されている。電動シリンダ40によって進退動するロッド41が底部102を貫通して上方向に延び、ロッド41の先端部が連結部材44によってシェルカバー15の周面に連結されている。ロッド41が電動シリンダ40内に退避した位置にあるときに、シェルカバー15が、図3(図1参照)に示すように閉鎖位置となる。一方、ロッド41が電動シリンダ40から進出した位置にあるときに、シェルカバー15が図4(図2参照)に示すように開放位置となる。電動シリンダ40には、ロッド41の上下方向の位置に応じた検出信号を出力するポジションセンサ42(シェルカバー位置検出器)が設けられている。
円筒形状のシェルカバー15の下縁端部にはリング状の鍔部16が形成されている。鍔部16は、シェルカバー15の内方に延びている。また、シェルカバー15の下縁端部に対向する釜体100の底部102の部分、更に具体的には、シェルカバー15の下縁端部に設けられた鍔部16の外周部が当接する部分には、耐熱性ゴム(例えば、シリコンゴム)で形成されたリング状のシール部材25が設けられている。これにより、シェルカバー15が閉鎖位置にあるときに、図3に示すように、鍔部16の外周部がシール部材25を押し付けるようにして底部102に当接し、シェルカバー15と釜体100の底部102との間の高い気密性が維持される。
また、図3及び図4に示すように、シェルカバー15の下縁端部に形成された鍔部16に対向する釜体100の底部102の部分には電磁式流量計45が設けられている。この電磁式流量計45によりシェルカバー15が開放位置にあるときに(図4及び図2参照)、シェルカバー15の外側から鍔部16に沿ってシェルカバー15の内側に流入する麦汁の流速を測定することができる。
図1及び図2に戻って、釜体100の底部102には麦汁を釜体100内に導入するための麦汁導入管104(麦汁導入機構)が接続されている。麦汁導入管104には開閉バルブ105が設けられている。開閉バルブ105を開放した状態で、前工程から供給される糖化及び濾過済みの麦汁が、麦汁導入管104を通して、シェル体10の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間に導入される。
シェル体11の上部には加速管20(導管)が設けられている。加速管20は、加速管本体21と可動筒体22とから構成され、加速管本体21は、シェル体11との接合部から徐々に径が小さくなる円錐台形状に形成された錘状部21aと、錘状部21aに続いて延びる円筒形状の円筒部21bとによって形成されている。そして、円筒部21b内に上下動可能な円筒形状の可動筒体22が収容されている。なお、加速管20とシェル体11との境界部分にはカバー部材17が設けられており、上下動するシェルカバー15の上縁端部がカバー部材17と加速管20との間の隙間に入り込んでいる(図1及び図2とともに図3及び図4参照)。
加速管20の上方の所定位置に下方に向けて広がる傘体30が配置されている。傘体30は、加速管20の円筒部20bの外壁に固定された複数の支持バー31(図1及び図2においては単一の支持バー31だけが示され、他は省略されている。以下に説明する図5及び図7においても同じ)によって固定支持されている。傘体30の中央部にはエアシリンダ50が設けられている。エアシリンダ50は、釜体100の上部に設けられた中継管55を介して外部から導入されるエアによって動作する。後述するアクチュエータ55によるエアシリンダ50の動作により、円筒部21bに収容される可動筒体22が上下動され、これにより、加速管20の実質的な上縁端(可動筒体22の上縁端)と傘体30との間の距離が調整される(麦汁飛翔間隔調整機構)。
更に詳細には、図5に示すように、加速管20(加速管本体21)の円筒部21bの外壁から延びる支持バー31に固定支持された傘体30の中央部にエアシリンダ50が立設され、エアシリンダ50から延びるロッド51の先端部が、可動筒体22に連結されている。可動筒体22は、図6に示すように、筒状本体221の中心に管状の支持部223が配置され、支持部223が、筒状本体221の内周面から中心に向けて延びる3つの接続片222a、222b、222cに接続された構造となっている。そして、エアシリンダ50から延びるロッド51の先端部が支持部223に密嵌し、それにより、ロット51が可動筒体22に連結される。
エアシリンダ50に供給されるエアの切り替えにより、ロッド51が進退動し、それに伴って、可動筒体22が、図5に示すように、加速管20(加速管本体21)の円筒部21b内に入り込んだ退避位置(第1の位置)と、図7に示すように、円筒部21bから突出した進出位置(第2の位置)との間で、上下動を行う。
前述した構造の麦汁煮沸装置の制御系は、例えば、図8に示すように構成される。
図8において、制御ユニット60には、電動シリンダ40を駆動させる駆動回路43、及びエアシリンダ50のエアの切り替えを行うアクチュエータ55(ソレノイド、モータ等)を駆動させる駆動回路54が接続されている。ポジションセンサ42は、前述したように、電動シリンダ40により進退動するロッド41の上下方向の位置を表す検出信号を出力し、制御ユニット60は、ポジションセンサ42からの検出信号をシェルカバー15の上下方向の位置を表す信号として取得する。また、制御ユニット60には、電磁流量計45、操作部62及びモニタユニット64が接続されている。制御ユニット60は、操作部62での操作、ポジションセンサ42から検出信号及び電磁流量計45にて測定される流量等に基づいて、駆動回路54を介してアクチュエータ55を、駆動回路43を介して電動シリンダ40をそれぞれ制御し、各種情報をモニタユニット64に表示させることができる。
前述した麦汁煮沸装置は、次のように動作し、麦汁の煮沸がなされる。
例えば、オペレータが操作部62にて初期煮沸の操作を行うと、操作部62の操作に基づいた制御ユニット60の制御のもと動作する電動シリンダ40がロッド41を引き込み、シェルカバー15が閉鎖位置(図1及び図3参照)になる。このとき、制御ユニット60は、ポジションセンサ42からの検出信号に基づいてシェルカバー15が閉鎖位置にあることを確認し、この状態を維持させるように電動シリンダ40を制御する。
この状態(図1参照)で、麦汁導入管104の開閉弁105が開放され、前工程から供給される糖化及び濾過済みの麦汁L(例えば、75℃〜95℃)が、麦汁導入管104を通して、シェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間に導入される。このように釜体100に導入される麦汁Lは、閉鎖位置にあるシェルカバー15によって遮られて釜体100全体に広がることなく、シェルカバー15によって囲まれたシェル体11の下板部11cと釜体100の底部102との間の隙間を満たしていき、その後、シェル体11内の複数の伝熱管12のそれぞれを上昇していく。
シェル体11内で各伝熱管12が麦汁Lで完全に満たされた状態において、蒸気導入管13を通して蒸気がシェル体11内に導入される。すると、その蒸気によって各伝熱管12を通る麦汁が、加熱された状態で各伝熱管12から加速管20を通ってその先端から噴出し、釜体100に溜まっていく(初期煮沸)。このようにして、釜体100内に煮立った麦汁Lが溜まっていき、麦汁Lの液面が徐々に上昇していく。
麦汁Lが釜体100内に貯められていき、加熱器10が麦汁Lに沈む程度に麦汁Lが釜体100内に満たされた状態(図2参照)で、オペレータが操作部62にて所定の操作を行うと、その操作部62の操作に基づいた制御ユニット60の制御のもと動作する電動シリンダ40がロッド41を進出させ、シェルカバー15が開放位置(図2及び図4参照)になる。このとき、制御ユニット60は、ポジションセンサ42からの検出信号に基づいてシェルカバー15が開放位置あることを確認し、この状態を維持させるように電動シリンダ40を制御する。シェルカバー15が開放位置になった後に、麦汁Lが100℃に達して沸騰状態になったところで釜体100内にホップが投入される。
沸騰状態では、加熱器10(シェル体11)に蒸気導入管13を通して蒸気の導入が継続的になされている状態で、釜体100内に溜まった麦汁Lは、開放位置にあるシェルカバー15の下縁端部と底部102との間を通って加熱器10のシェル体11内における複数の伝熱管12のそれぞれの下端から吸引される。そして、蒸気によって加熱される各伝熱管12内の麦汁Lが、沸騰して液体と気体の混合した二相流となって、加速しつつ各伝熱管12の上端から加速管20に流入する。各伝熱管12から加速管20に流入する麦汁Lは、加速管20によって更に加速されて、加速管20(円筒部21b、可動筒体22)の先端部から勢いよく、傘体30に向けて噴出する。
加速管20から勢いよく噴出して傘体30に当たる麦汁Lは、傘体30の内面に沿って傘状になって拡がり、大きな表面積で空気と接触して化学反応が促進されて、釜体100に戻される。また、このとき、傘体30によって勢いよく拡がる麦汁Lが釜体100の内壁面付近の麦汁Lの液面まで飛翔するので、煮沸による麦汁Lの泡立ちを極力抑えることができる。このようにして、釜体100内に貯められた麦汁Lが、加熱器10に導入される蒸気の加熱作用によって加熱されつつ循環し、その過程で、投入されているホップの成分が麦汁L内に溶け込み、また、臭気成分等が気体として排気筒101から外部に排出される(通常煮沸)。
上述したような麦汁煮沸装置では、シェルカバー15を閉鎖位置にして、釜体100の底部102を通して麦汁Lの釜体100内への導入を開始すると、麦汁Lが、シェルカバー15によって遮られて釜体100全体に広がることなく、そのシェルカバー15によって囲まれた釜体100の底部102と加熱器10のシェル体11の下板部11c(下端部)との間の隙間を満たした後に、シェル体11内の複数の伝熱管12のそれぞれを上昇するようになるので、加熱器10が麦汁Lに沈む程度に釜体100内に麦汁Lが満たされることを待つことなく、加熱器10のシェル体11に蒸気を導入することができる。そして、その後、加熱器10が麦汁Lに沈む程度に釜体100内に麦汁が満たされると、シェルカバー15が開放位置にされ、以後、加熱器10での蒸気による加熱作用によって、釜体100内の麦汁Lが加熱されつつ循環して、麦汁Lに対する通常の煮沸処理がなされる。このようにして、麦汁Lの煮沸工程を効率的に行うことができる。
なお、制御ユニット60は、ポジションメータ42からの検出信号に基づいて電動シリンダ40を制御することにより、図9の両矢印で示すように、シェルカバー15の下縁端部の高さ位置(開放位置)を種々調整することができる(シェルカバー位置制御手段)。これにより、シェルカバー15の下縁端部に設けられた鍔部16に沿ってシェルカバー15の外側から内側に流れて(図9における破線矢印参照雄)加熱器10(シェル体11)に導かれる麦汁Lの流速(流量)を制御することができる。その結果、加熱器10の加熱性能に合った流速(流量)にて麦汁Lが加熱器10に引き込まれるようにすることができ、加熱器10により麦汁Lを効率的に加熱することができる。
その際、制御ユニット60は、電磁流速計45にて測定される鍔部16に沿ってシェルカバー15の外側から内側に流れる麦汁Lの流速をモニタユニット64に表示させることができる。これにより、利用者は、シェルカバー15の外側から内側を通って加熱器10(シェル体11)に引き込まれる麦汁Lの流速(流量)をモニタすることができる。
ところで、例えば、釜体100内の麦汁Lの量が比較的少ない場合、あるいは、蒸気導入管13から加熱器10(シェル体11)に導入される蒸気の量が比較的少ない場合では、加熱器10を上昇する麦汁の勢い(速度)が大きくなり難い。そのため、加速管20から噴出して傘体30に当たる麦汁Lの拡がりが比較的小さい。すると、麦汁Lと空気の接触面積が小さくなり、煮沸される麦汁Lの品質にも影響が出得る。また、麦汁Lの傘状に飛翔する速度も低下するので、煮沸による麦汁Lの泡立ちを抑える効果も低下する。
そこで、制御ユニット60は、シリンダ50のエアの切り替えを行うアクチュエータ55を制御することにより、加速管20(加速管本体21)の円筒部21bに収容される可動筒体22を、該可動筒体22が円筒部21b内となる退避位置(図5参照)と前記可動筒体22が円筒部21bから突出した進出位置(図7参照)との間で切り替え移動させることができる。加熱器10を上昇する麦汁Lの勢い(速度)が低下する状況では、操作部62の操作に基づいた制御ユニット60の制御のもと、アクチュエータ55が、可動筒体22が進出位置(図7参照)になるように、エアを切替える。すると、加速管20の実質的な上縁端(可動筒体22の上縁端)と傘体30との距離(麦汁飛翔間隔)が小さくなる。その結果、比較的小さい勢い(速度)にて加速管20から噴出する麦汁Lであっても、麦汁飛翔間隔が小さいので、麦汁はさらに加速する。このため、加速管20から噴出して傘体30に当たる麦汁Lの拡がりが小さくなることを抑制することができる。
このように、加熱器10を上昇する麦汁Lの勢い(速度)が変動しても、加速器20の可動筒体22を退避位置(図5参照)と進出位置(図7参照)との間で切り替え移動させることにより、加速管20の実施的な上縁端(可動筒体22の上縁端)と傘体30との距離(麦汁飛翔距離)が変化するので、そこから噴出する麦汁の勢いの変動を比較的小さくすることができる。このため、加速管20から噴出する麦汁を傘体30によって安定的に拡げることが可能となり、麦汁Lと空気の接触面積が小さくなることを極力抑えて煮沸される麦汁Lの品質を維持することができる。また、傘体30に当たって麦汁Lの傘状に拡がって飛翔する速度の低下も抑制することができるので、煮沸による麦汁Lの泡立ちの抑え効果も維持することができる。
前述した例では、加速管20において可動筒体22を上下動させることにより、加速管20(可動筒体22)の上縁端と傘体30との間の距離を調整するようにしたが、加速管20の上縁端と傘体30との間の距離を調整する機構は、これに限定されない。例えば、傘体30を上下動可能に釜体100内に設け、その傘体30を上下動させることにより、加速管20の上縁端と傘体30との間の距離を調整することも、前記可動筒体22及び傘体30の双方を上下動させることにより、加速管20の上縁端と傘体30との間の距離を調整することもできる。また、可動筒体22を退避位置(図5参照)と進出位置(図7参照)との間で切り換える二段階の調整に限らず、加速管20の上縁端と傘体30との間の距離を更に細かく、更には連続的に調整することもできる。
以上、説明したように、本発明に係る麦汁煮沸装置は、麦汁の釜体への導入開始から麦汁の加熱開始までに要する時間を短くすることができるという効果を有し、ビールの製造工程にて用いられる麦汁煮沸装置として有用である。
10 加熱器
11 シェル体
11a 胴部
11b 上板部
11c 下板部
12 伝熱管
13 蒸気導入管
13a 孔
14 パイプ
15 シェルカバー
16 鍔部
17 カバー部材
20 加速管
21 加速管本体
21a 錘状部
21b 円筒部
22 可動筒体
221 筒状本体
222a、222b、222c 接続片
223 支持部
25 シール部材
30 傘体
31 支持バー
40 電動シリンダ
41 ロッド
42 ポジションセンサ
43 駆動回路
45 電磁流速計
50 エアシリンダ
51 ロッド
54 駆動回路
60 制御ユニット
62 操作部
64 モニタユニット
100 釜体
102 底部
103 固定台
104 麦汁導入管
105 開閉弁

Claims (6)

  1. 釜体と、加熱用の蒸気が導かれる加熱器と、該加熱器の上方に配置された導管と、該導管の上縁端に対向して配置され、下方に向けて拡がる傘体とを有し、前記加熱器、前記導管及び前記傘体が前記釜体内に設けられ、前記釜体内の麦汁が、前記加熱器において導かれる前記蒸気により加熱されつつ上昇し、前記導管を通って該導管の上縁端から前記傘体に向けて噴出することにより、前記釜体内の前記麦汁が全体的に加熱される麦汁煮沸装置であって、
    前記導管の上縁端の位置を変えることによって、前記導管の上縁端と前記傘体との間の距離を調整する麦汁飛翔間隔調整機構を有する麦汁煮沸装置。
  2. 前記導管は、導管本体と、該導管本体の上部に上下動可能に設けられた可動筒体とを備え、
    前記麦汁飛翔間隔調整機構は、前記可動筒体を上下動させる筒体駆動機構を有する請求項1記載の麦汁煮沸装置。
  3. 前記筒体駆動機構は、前記可動筒体を、第1の位置と、該第1の位置より前記傘体に近い第2の位置との間で切り替え移動させる請求項2記載の麦汁煮沸装置。
  4. 前記第1の位置は、前記可動筒体が前記導管本体内にある退避位置であり、
    前記第2の位置は、前記可動筒体が前記導管本体から突出した進出位置である請求項3記載の麦汁煮沸装置。
  5. 前記筒体駆動機構は、前記可動筒体を上下動させるエアシリンダを有する請求項2乃至4のいずれかに記載の麦汁煮沸装置。
  6. 前記エアシリンダは、前記傘体に固定され、該エアシリンダにより進退動するロッドが前記可動筒体に固定されている請求項5記載の麦汁煮沸装置。
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