JP5930077B2 - 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
ハロプロパン又はハロプロペンを原料として、これをフッ化水素によりフッ素化してフルオロプロペンを製造する方法では、例えば、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパンを気相でフッ素化する場合には、以下のようなルートで反応が進行する。
CCl3CHClCH2Cl + 3HF → CF3CCl=CH2 + 4HCl (1)
CF3CCl=CH2 +HF → CF3CF=CH2 + HCl (2)
これらの反応のうちで、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパンから2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する反応(第1反応)と2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンから2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する反応(第2反応)では、反応速度が大きく異なるため、単一の反応器で反応を行うと非効率となり、別々の反応器で行うことが理想的である。例えば、下記特許文献1には、それぞれ別の触媒を充てんした3個の反応器を用い、各反応に応じた条件により3段階で気相フッ素化を行う方法が開示されている。また、下記特許文献2には、これらの反応を用いた統合プロセスについて、開示がなされている。
しかしながら、この方法では、それぞれの反応で転化率を100%とすることは困難であり、未反応原料を再利用するため、反応混合物中から未反応原料と生成物とを分離することが必要となる。この際、通常、蒸留塔を用いて反応混合物から生成物の分離を行うが、数百℃に加熱されて出てきた反応ガスを冷却して蒸留塔で未反応原料を分離し、これを再度加熱、ガス化して次の反応器に供給する必要がある。一つの反応を行うたびにこの操作を行うのはエネルギー的に大きなロスとなる。また、分離のために必要な蒸留塔の本数が多くなり、設備コストの増大を招く。
WO2007/079431 特開2009-227675号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン及び1,1,2,3-テトラクロロプロペンからなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物を原料として2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する二段階の反応工程からなる製造方法において、エネルギーコストや設備コストを低減して、経済的に有利な方法によって効率よく2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造できる方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく、鋭意研究を重ねてきた結果、以下の事実を見出した。
即ち、原料として用いる1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン及び1,1,2,3-テトラクロロプロペンからなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物から中間生成物である2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造するトリフルオロプロペン化反応に用いる反応装置を、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンから目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造するテトラフルオロプロペン化反応に用いる反応装置の下流側に設置するという、従来の設置方法と反対の設置方法とする場合には、上流側におけるテトラフルオロプロペン化反応で生じる塩化水素が、トリフルオロプロペン化反応工程で生じる塩化水素と比較して少量であることから、塩化水素を除去することなく、テトラフルオロプロペン化反応工程の生成物をそのままトリフルオロプロペン化反応工程に供給することが可能となる。これにより、従来必要とされていたテトラフルオロプロペン化反応工程の後の塩化水素分離装置を省略して、設備コストを削減することが可能となる。
また、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造するためのテトラフルオロプロペン化反応は、原料から2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造するトリフルオロプロペン化反応より高温で行うことが可能である。このため、テトラフルオロプロペン化反応に用いる反応装置をトリフルオロプロペン化反応に用いる反応装置の上流側に設置した上で、テトラフルオロプロペン化反応をトリフルオロプロペン化反応より高温で行うことによって、テトラフルオロプロペン化反応における熱エネルギーを有効に利用して、トリフルオロプロペン化反応に要する加熱エネルギーを省略又は削減することが可能となる。
特に、トリフルオロプロペン化反応の反応温度をテトラフルオロプロペン化反応の反応温度と比較して十分に低温に設定することによって、エネルギーコスト的に非常に有利となる。この場合には、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率が低下する傾向があるが、トリフルオロプロペン化反応の生成物を再加熱するための小規模な領域を設けて該生成物を再加熱することによって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を向上させることができる。これにより、トータルのエネルギーコストを削減した上で、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを収率よく製造することが可能となり、工業的に非常に有利な製造方法となる。
本発明は、これらの知見に基づいて、更に、検討を重ねた結果、完成されたものである。
即ち、本発明は、下記の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を提供するものである。
項1. 1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン及び1,1,2,3-テトラクロロプロペンからなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物と無水フッ化水素とをフッ素化触媒の存在下に気相中で加熱反応させて2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程と、
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと無水フッ化水素とをフッ素化触媒の存在下に気相中で加熱反応させて2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程を含み、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の後に、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程を行う2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の反応温度を、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応温度より高温とし、
テトラフルオロプロペン化反応で得られる、少なくとも2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む生成物の一部又は全てを、トリフルオロプロペン化反応用の反応装置に供給し、且つ、トリフルオロプロペン化反応で得られた生成物から2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離することを特徴とする2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
項2. 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の反応温度が300〜450℃であり、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応温度が200〜380℃である、項1に記載の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
項3. 更に、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物を再加熱する工程を含む、項1又は2に記載の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
項4. 2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物を再加熱する工程が、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応器の出口側部分の温度を、該反応器のその他の部分の温度より高温とすることを含む工程である、項3に記載の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
項5. 2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物を再加熱する工程が、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応器の後に、再加熱用の反応器を設置して該生成物を加熱することを含む工程である、項3に記載の方法。
項6. 2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程に用いるフッ素化触媒が、酸化クロム、フッ化酸化クロム、酸化アルミニウム、及びフッ化酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むものである項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7. 2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程に用いるフッ素化触媒、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程に用いるフッ素化触媒が、いずれも、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム又は該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムである項1〜6のいずれかに記載の方法。
項8. 2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物、又は該生成物を再加熱する工程の生成物から2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離し、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含む成分を2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の原料として循環させる工程を含む、項1〜7のいずれかに記載の方法。
項9. 2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物、又は該生成物を再加熱する工程の生成物からの2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの分離を、蒸留によって行う、項8に記載の方法。
以下、本発明の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法について具体的に説明する。
(1)本発明方法の特徴
本発明方法は、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)及び1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)からなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物と無水フッ化水素とを気相中で加熱反応させて、中間生成物である2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程(トリフルオロプロペン化反応工程)と、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)と無水フッ化水素とを気相中で加熱反応させて最終目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を製造する工程(テトラフルオロプロペン化反応工程)を含む方法である。
本発明方法では、上記した反応工程の内で、最終目的物を製造するためのテトラフルオロプロペン化反応に用いる反応装置をトリフルオロプロペン化反応に用いる反応装置の上流側に設置することが必要である。そして、テトラフルオロプロペン化反応で得られる2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む生成物を、トリフルオロプロペン化反応の原料である含塩素化合物と共に、トリフルオロプロペン化反応用の反応装置に供給し、この反応装置を通過した2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離し、この工程で得られる2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンをテトラフルオロプロペン化反応の原料として利用する。特に、トリフルオロプロペン化反応で得られる2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを上流側のテトラフルオロプロペン化反応の原料として循環させることによって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造を連続的に行うことができる。
トリフルオロプロペン化反応の後に、テトラフルオロプロペン化反応を行う場合には、トリフルオロプロペン化反応で多量に発生する塩化水素がテトラフルオロプロペン化反応に悪影響を及ぼすため、これを除去した後、反応生成物をテトラフルオロプロペン化反応工程に供給する必要がある。これに対して、上記した構成とする場合には、上流側におけるテトラフルオロプロペン化反応で生じる塩化水素がトリフルオロプロペン化反応で生じる塩化水素と比較して少量であることから、塩化水素を除去することなく、テトラフルオロプロペン化反応の生成物をトリフルオロプロペン化反応にそのまま供給することが可能である。このため、テトラフルオロプロペン化反応後の塩化水素分離設備を省略することができ、設備コストを低減できる。
更に、上記した反応の内で、最終目的物を製造するためのテトラフルオロプロペン化反応の反応温度は、中間生成物である2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造するためトリフルオロプロペン化反応の反応温度より高温に設定することが可能である。この場合には、最終目的物を含む高温に加熱されたテトラフルオロプロペン化反応の生成物をトリフルオロプロペン化反応の反応装置に供給して、この反応装置を通過させることによって、テトラフルオロプロペン化反応の生成物の有する熱エネルギーをトリフルオロプロペン化反応に有効に利用することができる。その結果、トリフルオロプロペン化反応を進行させるために必要な加熱エネルギーを省略又は削減することができる。
この場合、テトラフルオロプロペン化反応の反応温度と比較してトリフルオロプロペン化反応の反応温度を十分に低温に設定することにより、エネルギーコスト的に非常に有利となるが、トリフルオロプロペン化反応の反応温度が過度に低くなると、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンにフッ化水素が付加してフルオロプロパン化合物が生成し、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率が低下する傾向がある。この場合、トリフルオロプロペン化反応工程の後に再加熱領域を設けて、生成物を加熱することによって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を向上させることができる。この方法では、小規模の再加熱領域を設けるだけでよく、設備コスト及びエネルギーコスト的に有利な条件で、高収率で2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。
これらの特徴を有する本発明の方法によれば、エネルギーコストや設備コストを削減して、経済的に有利な方法によって効率よく2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。
以下、本発明の方法について、上流側の工程である2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンをフッ素化して2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得る工程(テトラフルオロプロペン化反応工程)から順次説明する。
(1)テトラフルオロプロペン化反応工程:
本発明方法におけるテトラフルオロプロペン化反応工程では、下記反応式に従って、フッ素化触媒の存在下において、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと無水フッ化水素とを気相中において加熱下で反応させて、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得る。
CF3CCl=CH2 +HF → CF3CF=CH2+ HCl
特に、下流側に設置したトリフルオロプロペン化反応で得られる生成物から、最終目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む成分を分離し、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含む成分を循環させて上記反応の原料として用いる場合には、連続したプロセスで2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。この際、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含む成分には、更に、トリフルオロプロペン化反応で用いた原料の内で、未反応の無水フッ化水素が含まれるので、これもテトラフルオロプロペン化反応の原料として用いることができる。
テトラフルオロプロペン化反応工程では、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと無水フッ化水素を含む原料は、例えば、予熱器によって所定の温度まで加熱して、反応装置に供給すればよい。
テトラフルオロプロペン化反応におけるフッ素化反応は、フッ素化触媒の存在下で行う。フッ素化触媒としては、フッ化水素によるフッ素化反応に対して活性のある公知の触媒を用いることができる。例えば、酸化クロム、フッ化酸化クロム、酸化アルミニウム、フッ化酸化アルミニウムなどの金属酸化物、金属酸化フッ化物を用いることができ、その他に、MgF2、TaF5、SbF5などの金属フッ化物も使用できる。
これらの触媒の内で、例えば、酸化クロムとしては、特に限定的ではないが、例えば、組成式:CrOにおいて、mが1.5<m<3の範囲にあるものを用いることが好ましく、2<m<2.75の範囲にあるものがより好ましく、2<m<2.3の範囲にあるものが更に好ましい。酸化クロム触媒は粉末状、ペレット状など反応に適していればいかなる形状のものも使用できる。なかでもペレット状のものが好ましい。上記した酸化クロム触媒は、例えば、特開平5−146680号に記載された方法によって調製することができる。
また、フッ素化された酸化クロムについては、特開平5−146680号公報に記載された方法によって調製することができる。例えば、上記した酸化クロムをフッ化水素によりフッ素化(HF処理)することによって得ることができる。
フッ素化の程度については、特に限定的ではないが、例えば、フッ素含有量が10〜45重量%程度のものを好適に用いることができる。
更に、特開平11−171806号公報に記載されているクロム系触媒についても、酸化クロム触媒又はフッ素化された酸化クロム触媒として用いることができる。このクロム系触媒は、特開平11−171806号公報に記載されている金属元素である、インジウム、ガリウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、及びアルミニウムと、その他の金属元素である、バナジウム、ニオブ、及びインジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素が添加されたクロム化合物を主成分として含むものである。該クロム系触媒については非晶質であっても一部もしくは全部が結晶質であっても良い。
上記したフッ素化触媒は、アルミナ、活性炭等の担体に担持して使用することもできる。
テトラフルオロプロペン化反応工程では、上記したフッ素化触媒の存在下に、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンをフッ化水素(HF)と気相状態で加熱下に反応させればよい。
具体的な反応方法については特に限定的でないが、下流側に設置したトリフルオロプロペン化反応工程の生成物から供給される2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと無水フッ化水素を含む成分をテトラフルオロプロペン化反応工程で用いる反応器に循環させて用いる場合には、この成分を、更に、必要に応じて新たに供給される無水フッ化水素と共に、予熱器で加熱して反応器に供給して、気相状態で反応させればよい。テトラフルオロプロペン化反応工程におけるフッ化水素の供給量については、通常、トリフルオロプロペン化反応工程から供給される成分に含まれる2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン1モルに対して、1〜50モル程度であり、5〜30モル程度とすることが好ましく、7〜15モル程度とすることがより好ましい。
トリフルオロプロペン化反応工程で得られた成分に含まれるフッ化水素量が上記した範囲内にある場合には、別途フッ化水素を添加することなく、トリフルオロプロペン化反応工程で得られた生成物のみを用いてテトラフルオロプロペン化反応工程におけるフッ素化反応を行うことができる。また、トリフルオロプロペン化反応工程で得られた反応生成物中に含まれるフッ化水素量が上記した範囲を上回る場合には、蒸留などの方法によって該反応生成物に含まれるフッ化水素量を低減させた後、テトラフルオロプロペン化反応工程における原料として用いればよい。
上記したフッ素化触媒の存在下において、上記した範囲内で無水フッ化水素を使用することによって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)の選択率を良好な範囲内に維持することができる。
テトラフルオロプロペン化反応工程で用いる反応器の形態は特に限定されるものではなく、例えば、触媒を充填した断熱反応器、熱媒体を用いて除熱した多管型反応器等を用いることができる。尚、反応器としては、ハステロイ(HASTELLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等のフッ化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されるものを用いることが好ましい。
反応温度は、反応器の中の温度として、通常、200〜500℃程度であり、300〜450℃程度が好ましく、350〜400℃程度がより好ましい。この温度範囲より高温になるとHFO-1234yf の選択率が低下するので好ましくなく、低温になると原料化合物の転化率が低下するので好ましくない。
反応時の圧力については、特に限定されるものではなく、常圧又は加圧下に反応を行うことができる。即ち、本発明における反応は、大気圧(0.1MPa)下で行ってもよく、1.0MPa程度までの加圧下で行ってもよい。
反応時間については特に限定的ではないが、通常、W/Foで表される接触時間を5〜 20 g・sec/cc程度の範囲とすればよい。ここで、W/Fは、供給する原料ガスの全流量(2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンとHFの合計量)Fo(0℃、0.1013Maでの流量:cc/sec)に対する触媒充填量W(g)の比率である。
(2)トリフルオロプロペン化反応工程:
トリフルオロプロペン化反応工程では、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン及び1,1,2,3-テトラクロロプロペンからなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物を原料として、フッ素化触媒の存在下において、気相中において加熱下で無水フッ化水素によるフッ素化反応を行う。
原料として用いる1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)及び1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)は、容易に入手できる公知化合物である。
フッ素化触媒としては、テトラフルオロプロペン化反応と同様にフッ化水素によるフッ素化反応に対して活性のある公知の触媒を用いることができる。特に、クロム原子を含有するフッ素化触媒を用いることが好ましい。この様な触媒を用いた上で、後述する条件に従って、原料として用いる含塩素化合物と無水フッ化水素とを反応させることによって、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFC-1233xf)を選択性よく得ることができる。
クロム原子を含有するフッ素化触媒としては、ハロゲン化物、酸化物などを用いることができる。これらの内で、好ましい触媒の一例としては、CrCl3、CrF3、Cr2O3、CrO2、CrO3等を挙げることができる。これらの触媒は、担体に担持されていてもよい。担体としては、特に限定的ではないが、例えば、ゼオライトに代表される多孔性アルミナシリケート、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、活性炭、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、フッ化アルミニウム等が挙げられる。
本発明では、特に、酸化クロム及びフッ素化された酸化クロムからなる群から選ばれた少なくとも一種の触媒を用いることが好ましい。この様な酸化クロム触媒、フッ素化された酸化クロムとしては、上記したテトラフルオロプロペン化反応に用いるものと同様の触媒を用いることができる。
無水フッ化水素は、通常、テトラフルオロプロペン化反応工程における生成物と共に、反応器に供給すればよい。無水フッ化水素の使用量については、特に限定的ではないが、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)の選択率を高い値とするためには、原料として用いる含塩素化合物1モルに対して、3モル程度以上とすることが好ましく、8モル程度以上とすることがより好ましい。無水フッ化水素の存在量がこの範囲を下回ると、HCFO-1233xf選択率の低下や触媒活性の低下が生じ易いので、上記範囲を下回る無水フッ化水素量は好ましくない。
無水フッ化水素量の上限については特に限定的ではなく、フッ化水素量が多すぎても選択性、転化率にはあまり影響はないが、精製時にフッ化水素の分離量が増加することによって生産性が低下する。このため、通常、原料として用いる含塩素化合物1モルに対して、無水フッ化水素の量を100モル程度以下とすることが好ましく、50モル程度以下とすることがより好ましい。
本発明方法の具体的な実施態様の一例としては、管型の流通型反応器を用い、該反応器にフッ素化触媒を充填し、原料として用いる含塩素化合物及び無水フッ化水素を反応器に導入する方法を挙げることができる。
反応器としては、ハステロイ(HASTELLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等のフッ化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されるものを用いることが好ましい。
反応温度については、温度が低いと原料や生成物の分解が少なくなる点で有利であることから下限値は特に限定的ではないが、温度が低すぎると含塩素化合物の転化率が低下する傾向にある。このため、200℃以上とすることが好ましく、220℃以上とすることがより好ましい。
反応温度の上限については、高すぎると、原料の分解により触媒活性の低下が著しくなることや、C1、C2化合物の生成やCF3CH=CHF、CF3CH=CHCl等の異性体を副生し易くなるので好ましくない。このため、反応温度は、400℃程度以下とすることが好ましい。特に、トリフロオロプロペン化反応工程の反応温度は、200〜380℃程度が好ましい。
本発明方法では、上記した反応温度の範囲内において、トリフルオロプロペン化反応工程の反応温度をテトラフルオロプロペン化反応工程の反応温度より低温とすることが好ましい。これにより、テトラフルオロプロペン化工程における反応熱を有効に利用して、下流側に設置したトリフルオロプロペン化反応用の反応装置に供給する原料の加熱装置を省略するか、或いは加熱に要するエネルギーを削減することができる。
但し、トリフルオロプロペン化工程の反応温度が低過ぎる場合には、テトラフルオロプロペン化反応工程で得られた最終目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンに対してフッ化水素の付加反応が生じてフルオロプロパン化合物が生成して、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率が低下する傾向がある。このため、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を良好な範囲に維持するためには、トリフルオロプロペン化反応工程の反応温度を300℃程度以上とすることが好ましく、340℃程度以上とすることがより好ましい。テトラフルオロプロペン化反応工程の反応熱を有効に利用し、且つ2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を良好な範囲に維持するためには、トリフルオロプロペン化反応工程の反応温度は、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応温度より低い温度であって、300〜380℃程度の範囲とすることが好ましく、340〜380℃程度の範囲とすることがより好ましい。
また、トリフルオロプロペン化工程の後に、後述する再加熱領域を設ける場合には、フルオロプロパン化合物の生成を抑制でき、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を向上させることができる。よって、この場合には、テトラフルオロプロペン化反応工程における反応熱を有効に利用してエネルギーコストを削減した上で、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを収率良く得るという観点から、トリフルオロプロペン化工程の反応温度を、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応温度より50〜150℃程度低くすることが好ましい。
尚、トリフルオロプロペン化工程の反応温度をテトラフルオロプロペン化反応工程の反応温度より大きく低下させる場合には、テトラフルオロプロペン化反応工程の生成物を冷却する際に熱交換によって得られる熱エネルギーを再加熱領域における加熱に利用することができる。これによって、テトラフルオロプロペン化反応工程における熱エネルギーを有効に利用して、エネルギーコストを大きく低減できる。
反応時の圧力については、特に限定されるものではなく、減圧、常圧又は加圧下に反応を行うことができる。通常は、大気圧 (0.1 MPa)近傍の圧力下で実施すればよいが、0.1 MPa未満の減圧下においても円滑に反応を進行させることができる。更に、原料が液化しない程度の加圧下で反応を行っても良い。
接触時間については限定的ではないが、例えば、W/F0で表される接触時間を0.5〜50g・sec/mL程度とすることが好ましく、1〜20 g・sec/mL程度とすることがより好ましい。ここで、W/F0は、反応系に流す原料ガスの全流量F0 (0℃、0.1013 MPaでの流量:cc/sec)に対する触媒の充填量W (g)の比率である。
本発明方法では、原料は、反応器にそのまま供給してもよく、或いは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の原料や触媒に対して不活性なガスを共存させてもよい。不活性ガスの濃度は、反応器に導入される気体成分の0〜80 mol%程度とすることができる。不活性ガスは、上記したテトラフルオロプロペン化反応工程及びトリフルオロプロペン化反応工程のいずれの反応工程で添加しても良く、両方の工程で添加してもよい。
更に、本発明方法では、触媒活性を長期間維持するために、原料と共に酸素及び塩素のいずれか一方又は両方を反応装置に供給することができる。これにより、触媒活性の低下を抑制することができる。酸素及び塩素は、反応工程の任意の段階で供給することができる。
(3)再加熱工程:
本発明では、上記したトリフルオロプロペン化反応の後、必要に応じて、生成物を再加熱することによって、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を向上させることができる。前述した通り、トリフルオロプロペン化反応工程では、反応温度が低くなると、テトラフルオロオレフィン化反応工程の副生成物であるフルオロプロパン化合物が生成する傾向が強くなる。これは反応条件によるが、トリフルオロオレフィンとフルオロプロパン化合物の平衡関係であることから、トリフルオロプロペン化反応工程の生成物を加熱して、平衡状態を2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの生成方向に移動させることによって、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの生成量を増加させることができる。
再加熱は、トリフルオロプロペン化反応工程の後であって、生成物から2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離する前に行えばよい。
再加熱の温度については、特に限定はなく、高温にするほど2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの生成量が増加するので、トリフルオロプロペン化工程の反応温度より高温とすることにより、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を増加させることができる。特に、テトラフルオロプロペン化工程の反応温度以上とすれば、テトラフルオロプロペン化反応工程における生成量と同量又はそれ以上の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。加熱温度の上限については特に限定はないが、通常、500℃程度以下、好ましくは450℃程度以下とすればよく、エネルギーコスト、収率等を考慮して、具体的な加熱温度を決めればよい。
再加熱の具体的な方法としては、例えば、トリフルオロプロペン化反応工程に用いる反応装置の出口側部分を再加熱領域として利用してもよく、或いはトリフルオロプロペン化反応工程に用いる反応装置の下流側に、再加熱用の反応器を設置してもよい。
再加熱用の反応器を設置する場合には、ハステロイ(HASTELLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等のフッ化水素の腐食作用に抵抗性がある材料によって構成されるものを用いることが好ましい。
再加熱の際には、必要に応じて、触媒を用いることができる。触媒を用いることによって、より小規模の再加熱装置で2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの収率を増加させることができる。触媒としては、例えば、テトラフルオロプロペン化工程に用いた触媒、トリフルオロプロペン化工程に用いた触媒等を用いることができる。
再加熱時の圧力については特に限定はなく、常圧又は加圧下でよいが、テトラフルオロプロペン側に平衡状態を保持するには低圧であるほど良く、大気圧程度が好ましい。トリフルオロプロペン化反応工程に用いる反応装置の出口側部分を再加熱に利用する場合には、トリフルオロプロペン化反応の圧力と同一の圧力でよい。
再加熱の時間については、加熱温度、圧力、使用する触媒の種類などによって異なるので一概には規定できないが、フルオロプロパン化合物からのフッ化水素の脱離による平衡状態の移動は比較的短時間に進行するので、加熱時間が短時間であっても、生成物中の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの含有量を増加することができる。例えば、トリフルオロプロペン化工程に用いる反応装置の出口側部分を再加熱領域として用いる場合には、反応装置の全容積の1/4〜1/10程度の容積部分を再加熱領域として用いればよい。また、トリフルオロプロペン化反応工程に用いる反応装置の後に、再加熱用の反応器を設置する場合には、再加熱用の反応器の容量は、トリフルオロプロペン化工程に用いる反応装置の容量の1/3〜1/9程度で十分である。このため、再加熱工程を追加する場合であっても、設備に要するコストを最小限に留めることができる。
触媒を用いる場合の反応時間の一例としては、W/Foで表される接触時間を0.5〜 5 g・sec/cc程度の範囲とすればよい。ここで、W/F0は、供給する原料ガスの全流量Fo(0℃、0.1013Maでの流量:cc/sec)に対する触媒充填量W(g)の比率である。
(4)反応生成物
上記した方法によってトリフルオロプロペン化反応を行い、必要に応じて、再加熱を行った後、得られた生成物から2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離することによって、目的とする2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離する方法としては、例えば、蒸留、分液、抽出、抽出蒸留などの任意の手段を採用できる。
例えば、分離手段として蒸留操作を行う場合には、トリフルオロプロペン化反応の生成物に含まれる成分の内で、テトラフルオロプロペン化反応の生成物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを塔頂成分として分離できる。塔頂成分には、その他に塩化水素等が含まれるので、分離装置を用いて塩化水素を分離することによって、最終目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。塩化水素を分離する方法としては水洗などの方法を採用できる。
蒸留によって塔底成分として得られる2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)と未反応のフッ化水素は、テトラフルオロプロペン化反応の原料となるので、予熱器により加熱して、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応装置に循環すれば、連続したプロセスで、効率よく2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを得ることができる。
本発明方法によれば、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン及び1,1,2,3-テトラクロロプロペンからなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物を原料として、エネルギーコストや設備コストを削減して、経済的に有利な方法によって効率よく2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造できる。
実施例1〜3における反応プロセスのフロー図である。 実施例4、6及び8における反応プロセスのフロー図である。 実施例5、7及び9における反応プロセスのフロー図である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
図1に示すフロー図に従って、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)を原料として、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造した。
テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)としては、容積6Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム7kgを充填した。トリフルオロプロペン化工程の反応器(反応器2)としては、容積3.4Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム3.6kgを充填した。
これらの反応器に、窒素で希釈した無水フッ化水素を流通させ、反応器の温度を200℃から360℃まで段階的に上昇させ、360℃で220時間フッ素化することにより、フッ素含有量約31重量%の酸化フッ化クロム触媒を得た。フッ素化された触媒は、取り出すことなくそのまま反応に用いた。
反応器内に窒素を流しながら、電気炉により反応器及び予熱器を加熱し、所定の温度に達した後、蒸留塔に予め仕込んであった2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)と無水フッ化水素をポンプで供給し、予熱器1で加熱した後、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)に導入して、図1に示すシステムの循環運転を開始した。テトラフルオロプロペン化反応工程の転化率、選択率が安定した後、原料とする1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)を予熱器2で加熱してトリフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器2)に供給して、図1に示すプロセスの運転を開始した。
テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)の運転条件は、圧力を0.1MPa、温度を350℃、接触時間(W/Fo)を10、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンに対するHFのモル比10とした。トリフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器2)の運転条件は、圧力を0.1MPa、温度を345℃、接触時間(W/Fo)を5、245cb、1233xf及び240dbの合計量に対するHFのモル比を8.4とした。蒸留塔の運転条件は、圧力0.3MPa、塔頂温度−38℃、塔底温度32℃とした。
プロセスの運転開始後、50時間経過した後、反応プロセスの各段階の成分の組成をガスクロマトグラフを用いて分析した。結果を下記表1に示す。表1の最上列に示す数値は、図1に示す反応プロセスのフロー番号に対応するものである。
各生成物の構造は以下の通りである;
CF3CF=CH2(HFO-1234yf)
CF3CF2CH3(HFC-245cb)
CF3CH=CH2(HFO-1243zf)
CF3CCl=CH2(HCFO-1233xf)
CCl3CHClCH2Cl (HCC−240db)
以上の結果から明らかなように、実施例1のプロセスによれば、テトラフルオロプロペン化工程の後に、蒸留器及び塩酸分離器を設置することなく、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)が安定に連続して得られた。
実施例2
原料として1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)に代えて、1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)を使用する以外は、実施例1と同様の方法でHFによる気相2段フッ素化反応を行い、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を得た。
反応プロセスの各段階の成分の分析結果を下記表2に示す。
表2から明らかなように、原料として1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)を用いた場合にも、図1に示すプロセスによって、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を安定に連続して得ることができた。
実施例3
原料として1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)に代えて、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を使用する以外は、実施例1と同様の方法でHFによる気相2段フッ素化反応を行い、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を得た。反応プロセスの各段階の成分の分析結果を下記表3に示す。
表3から明らかなように、原料として2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を用いた場合にも、図1に示すプロセスによって、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)を原料として用いたときと同様に、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を安定に連続して得ることができた。
実施例4
図2に示すフロー図に従って、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)を原料として、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造した。
テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)としては、容積6Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム7kgを充填した。トリフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器2)としては、容積3Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム3kgを充填した。再加熱器(反応器3)としては、容積0.5Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム0.6kgを充填した。
触媒のフッ素化処理および反応開始までの運転方法は実施例1と同様に実施した。
テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)の運転条件は、圧力を0.1MPa、温度を350℃、接触時間(W/Fo)を10、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンに対するHFのモル比10とした。トリフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器2)の運転条件は、圧力を0.1MPa、温度を250℃、接触時間(W/Fo)を4.2、245cb、1233xf及び240dbの合計量に対するHFのモル比を8.4とした。再加熱器(反応器3)の運転条件は、圧力を0.1MPa、温度を380℃、接触時間(W/Fo)を0.8とした。蒸留塔の運転条件は、圧力0.3MPa、塔頂温度−38℃、塔底温度32℃とした。
プロセスの運転開始後、50時間経過した後、反応プロセスの各段階の成分の組成をガスクロマトグラフを用いて分析した。結果を下記表4に示す。表4の最上行に示す数値は、図2に示す反応プロセスのフロー番号に対応するものである。
以上の結果から明らかなように、図2に示すプロセスでは、トリフルオロプロペン化工程の反応器(反応器2)の温度をテトラフルオロプロペン化工程の反応器(反応器1)の温度と比較して大きく低下させており、トリフルオロプロペン化工程における加熱エネルギーを大きく低減することができた。また、再加熱器(反応器3)からの流出ガス(フロー7)における2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの含有量は、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)からの流出入ガス(フロー4)における含有量と同量であり、トリフルオロプロペン化反応後に小規模の再加熱器(反応器3)を設置することで、テトラフルオロプロペン化反応後の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの生成量を維持することができた。
この結果から、図2に示すプロセスによれば、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応熱を有効に利用して、目的物である2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を良好な収率で安定に連続して得ることができることが確認できた。
実施例5
図3に示すフロー図に従って、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)を原料として、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造した。
テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)としては、容積6Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム7kgを充填した。運転条件は、圧力を0.1MPa、温度を350℃、接触時間(W/Fo)を10、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンに対するHFのモル比を10とした。
トリフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器2)としては、容積3Lのハステロイ製反応器を用い、触媒としてCrO2を主成分とする酸化クロム3.6kgを充填した。運転条件は、圧力を0.1MPa、245cb、1233xf及び240dbの合計量に対するHFのモル比を8.4とし、反応器の入口近傍の触媒3kg相当部分の温度を250℃とし、反応器の出口近傍の触媒0.6kg相当部分の温度を380℃として、トリフルオロプロペン化反応工程の生成物の再加熱領域とした。
触媒のフッ素化処理および反応開始までの運転方法は実施例1と同様に実施した。蒸留塔の運転条件は、圧力0.3MPa、塔頂温度−38℃、塔底温度32℃とした。
プロセスの運転開始後、50時間経過した後、反応プロセスの各段階の成分の組成をガスクロマトグラフを用いて分析した。結果を下記表5に示す。表5の最上行に示す数値は、図3に示す反応プロセスのフロー番号に対応するものである。
図3に示すプロセスにおいても、トリフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器2)の温度をテトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)の温度と比較して大きく低下させており、トリフルオロプロペン化反応工程における加熱エネルギーを大きく低減することができた。また、反応器2の出口側領域の温度を高くして再加熱領域とすることによって、流出ガス(フロー6)における2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの含有量を、テトラフルオロプロペン化反応工程の反応器(反応器1)からの流出入ガス(フロー4)の含有量と同量とすることができた。この結果から、トリフルオロプロペン化反応工程の反応器の出口側領域の温度を高くする方法によっても、テトラフルオロプロペン化反応後の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの生成量を維持することが可能であることが確認できた。
実施例6
原料として1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)に代えて、1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)を使用する以外は、実施例4と同様の方法でHFによる気相フッ素化反応を行い、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を得た。反応プロセスの各段階の成分の分析結果を下記表6に示す。
表6から明らかなように、原料として1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)を用いた場合にも、図2に示すプロセスによって、加熱エネルギーを低減した上で、テトラフルオロプロペン化反応後の1234yf生成量を維持することが可能であることが確認できた。
実施例7
原料として1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)に代えて、1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)を使用する以外は、実施例5と同様の方法でHFによる気相フッ素化反応を行い、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を得た。反応プロセスの各段階の成分の分析結果を下記表7に示す。
表7から明らかなように、原料として1,1,2,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xa)を用いた場合にも、図3に示すプロセスによって、加熱エネルギーを低減した上で、テトラフルオロプロペン化反応後の1234yf生成量を維持することが可能であることが確認できた。
実施例8
原料として1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)に代えて、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を使用する以外は、実施例4と同様の方法でHFによる気相フッ素化反応を行い、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を得た。反応プロセスの各段階の成分の分析結果を下記表8に示す。
表8から明らかなように、原料として2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を用いた場合にも、図2に示すプロセスによって、加熱エネルギーを低減した上で、テトラフルオロプロペン化反応後の1234yf生成量を維持することが可能であることが確認できた。
実施例9
原料として1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)に代えて、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を使用する以外は、実施例5と同様の方法でHFによる気相フッ素化反応を行い、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を得た。反応プロセスの各段階の成分の分析結果を下記表9に示す。
表9から明らかなように、原料として2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)を用いた場合にも、図3に示すプロセスによって、加熱エネルギーを低減した上で、テトラフルオロプロペン化反応後の1234yf生成量を維持することが可能であることが確認できた。

Claims (9)

1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン及び1,1,2,3-テトラクロロプロペンからなる群から選択される少なくとも一種の含塩素化合物と無水フッ化水素とをフッ素化触媒の存在下に気相中で加熱反応させて2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程と、
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと無水フッ化水素とをフッ素化触媒の存在下に気相中で加熱反応させて2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程を含み、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の後に、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程を行う2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法であって、
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の反応温度を、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応温度より高温とし、
テトラフルオロプロペン化反応で得られる、少なくとも2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む生成物の一部又は全てを、トリフルオロプロペン化反応用の反応装置に供給し、且つ、トリフルオロプロペン化反応で得られた生成物から2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離することを特徴とする2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の反応温度が300〜450℃であり、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応温度が200〜380℃である、請求項1に記載の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
更に、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物を再加熱する工程を含む、請求項1又は2に記載の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物を再加熱する工程が、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応器の出口側部分の温度を、該反応器のその他の部分の温度より高温とすることを含む工程である、請求項3に記載の2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの製造方法。
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物を再加熱する工程が、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の反応器の後に、再加熱用の反応器を設置して該生成物を加熱することを含む工程である、請求項3に記載の方法。
2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程に用いるフッ素化触媒が、酸化クロム、フッ化酸化クロム、酸化アルミニウム、及びフッ化酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程に用いるフッ素化触媒、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程に用いるフッ素化触媒が、いずれも、組成式:CrOm(1.5<m<3)で表される酸化クロム又は該酸化クロムをフッ素化して得られるフッ素化酸化クロムである請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物、又は該生成物を再加熱する工程の生成物から2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを分離し、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含む成分を2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを製造する工程の原料として循環させる工程を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを製造する工程の生成物、又は該生成物を再加熱する工程の生成物からの2,3,3,3-テトラフルオロプロペンの分離を、蒸留によって行う、請求項8に記載の方法。
JP2014559014A 2012-08-08 2013-08-07 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Active JP5930077B2 (ja)

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