JP5930039B2 - 電力制御装置及び電力制御方法 - Google Patents
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Description
この電力制御装置では、電源波形の半サイクルの整数倍に相当する時間(以下、「単位時間」と称する)毎に、負荷に供給する電力の入切(オン/オフ)を切り換える制御を行うものであり、電力を供給する時間であるオン時間と、電力を供給しない時間であるオフ時間との時間的割合を制御することで、PID調節計から出力される操作信号(目標値)に比例する電力量を負荷に供給するようにしている。
ここで、電力供給帰還信号Gは、負荷に対する電力の供給がオフされている状態では“0”の値に設定され、負荷に対する電力の供給がオンされている状態では“1”の値に設定される信号である。ただし、特許文献2では、電源電圧によって、負荷に対する電力の供給がオンされている時の値を“1”にして、電源電圧変動の影響を受けないように補正している。
因みに、各単位時間における全負荷に対する総供給電力量は、電力の供給がオフされている負荷に対する電力供給量が“0”、電力の供給がオンされている負荷に対する電力供給量が“1”として計算される。また、特許文献5の方法では、予め設定されている各負荷の定格電力に基づいて算出した負荷に対する電力供給量の合計値が上限電力を越えないようにしている。
また、この発明は、電力の目標値と供給電力量の比が、負荷毎に異なる状況を防止することができるピーク電力抑制制御を行う電力制御装置を得ることを目的とする。
また、電力の目標値が上限電力値より大きい場合でも、電力の目標値と供給電力量の比が、制御対象毎に異なる状況を防止することができる効果がある。
図1はこの発明の実施の形態1による電力制御装置を示す構成図である。
図1の電力制御装置では、M(Mは2以上の整数)個の制御対象に対する電力の供給を時分割で制御する例を説明する。
即ち、図1の電力制御装置は、電源波形の半サイクルの整数倍に相当する時間(以下、「単位時間」と称する)毎に、制御対象に供給する電力を入切(オン/オフ)する制御を行うものであり、電力を供給する時間であるオン時間と、電力を供給しない時間であるオフ時間との時間的割合を制御することで、PID調節計から出力される操作信号(目標値)に比例する電力量を制御対象に供給するものである。
以下、単位時間毎に制御対象に供給する電力を入切(オン/オフ)する制御を繰り返すサイクルを「制御サイクル」と称する。
調節計2−1〜2−Mは電力制御装置の外部機器であり、制御サイクルn毎に、負荷1−mに供給する電力の出力目標値Amnを電力制御装置に出力する機器である。
ただし、mは制御対象の負荷1−1〜1−Mを特定する番号であり、m=1,2,・・・,Mである。
また、nは負荷1−1〜1−Mに供給する制御サイクルを特定する番号であり、1つの制御サイクルの時間は、上記の単位時間と一致する。ただし、n=1,2,・・・である。
目標電力値算出部11の出力目標値入力部12は調節計2−1〜2−Mに対するインタフェース機器であり、調節計2−mから出力された出力目標値Amnを入力する処理を実施する。
基準電力値記憶部13は例えばRAMなどのメモリから構成されており、負荷1−mの基準電力値qm(例えば、負荷1−mの定格電力)を記憶している。
目標電力値算出処理部14−1〜14−Mは例えば乗算器などから構成されており、制御サイクルn毎に制御サイクルnの冒頭で、出力目標値入力部12により入力された出力目標値Amnを基準電力値記憶部13により記憶されている基準電力値qmに乗算することで、負荷1−mの目標電力値xmnを算出する処理を実施する。
図1では、電力測定値として、“〜”の記号が上部に付されているqmnを表記しているが、電子出願の関係上、明細書の文章中では、“〜”の記号をqmnの上部に付することができないため、「qmnチルダ」のように表記している。
制御サイクルn毎に、出力電力測定部16から、制御サイクルnの冒頭でピーク電力抑制演算部24に出力される値は、前回の制御サイクル(n−1)で測定された電力測定値qm(n−1)チルダとなる。
図1では、調整係数算出用積算値として、“^”の記号が上部に付されているsmn’を表記しているが、電子出願の関係上、明細書の文章中では、“^”の記号をsmn’の上部に付することができないため、「smn’ハット」のように表記している。
電力上限値記憶部20は例えばRAMなどのメモリから構成されており、予め設定された電力上限値sJを記憶している。
測定電力調整部23は例えば乗算器から構成されており、出力電力測定部から出力された前回の制御サイクル(n−1)で測定された電力測定値qm(n−1)チルダに対して、その電力値調整係数K(n−1)を乗算することで、前記電力測定値qm(n−1)チルダを調整する処理を実施する。
なお、調整係数算出用積算値算出部18、総調整係数算出用積算値算出部19、電力上限値記憶部20、電力値調整係数算出部21、バッファ(Z−1)22及び測定電力調整部23から調整手段が構成されている。
中間積算電力値算出部25は減算器25a−1〜25a−M、加算器25b−1〜25b−Mやバッファ(Z−1)25c−1〜25c−Mから構成されており、前回の制御サイクル(n−1)で算出している中間積算電力値Sm(n−1)ハットから測定電力調整部23により調整された電力測定値qm(n−1)’チルダを減算することで、前回の制御サイクル(n−1)での電力差積算値sm(n−1)(=sm(n−1)ハット−qm(n−1)’チルダ)を算出するとともに、その電力差積算値Sm(n−1)と目標電力値算出処理部14−mにより算出された目標電力値xmnを加算することで、最新の中間積算電力値smnハットを算出する処理を実施する。なお、中間積算電力値算出部25は中間積算電力値算出手段を構成している。
例えば、電力制御装置の全部をコンピュータで構成する場合、電力上限値記憶部20及びバッファ(Z−1)22をコンピュータのメモリ上に構成するとともに、目標電力値算出部11、電力供給オンオフ機器15−1〜15−M、出力電力測定部16、オン電力推定部17、調整係数算出用積算値算出部18、総調整係数算出用積算値算出部19、電力値調整係数算出部21、測定電力調整部23、中間積算電力値算出部25及びオンオフ機器制御部26の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による電力制御装置が電力値調整係数を算出するまでの処理内容を示すフローチャートである。
また、図3はこの発明の実施の形態1による電力制御装置が負荷に供給する電力を制御する処理内容を示すフローチャートである。
ここでは、n回目の制御サイクルでの電力制御について説明する。図4は電力制御装置の処理タイミングを示す説明図である。n回目の制御サイクルの処理は(n−1)回目の制御サイクルとn回目の制御サイクルの境目付近で実行されることを示している。以後、n回目の制御サイクルの冒頭で、n回目の制御サイクルの処理を実施する場合で動作の説明をする。
また、電力供給オンオフ機器15−m(m=1,2,・・・,M)は、ピーク電力抑圧演算部25のオンオフ機器制御部27の指示の下、負荷1−mに供給する電力の入切(オン/オフ)を制御するが、n回目の制御サイクルの処理で、負荷1−mの電力供給オンオフ機器15−mに対するオンオフ機器制御部27の指示がオンであれば、n回目の制御サイクル中、負荷1−mに電力が供給される。
一方、n回目の制御サイクルの処理で、負荷1−mの電力供給オンオフ機器15−mに対するオンオフ機器制御部26の指示がオフであれば、n回目の制御サイクル中、負荷1−mには電力が供給されない。
また、オン電力推定部17は、n回目の制御サイクルにおいて、その記憶しているオン電力測定値に基づいて、n回目の制御サイクルの単位時間中に、負荷1−mに電力が供給された場合の電力値をn回目の制御サイクルの冒頭で推定し、その電力推定値qmonチルダをオンオフ機器制御部26に出力する(ステップST2)。
また、例えば、(n−1)回目の制御サイクルで負荷1−mに電力が供給されていないが、(n−2)回目の制御サイクルで負荷1−mに電力が供給されている場合、(n−1)回目の制御サイクルの冒頭で算出された電力測定値qm(n−2)チルダを負荷1−mの電力推定値qmonチルダとしてオンオフ機器制御部26に出力する。
目標電力値算出部11の目標電力値算出処理部14−mは、n回目の制御サイクルにおいて、出力目標値入力部12から出力目標値Amnを受けると、その出力目標値Amnを対して、基準電力値記憶部13により記憶されている基準電力値qmを乗算することで、負荷1−mの目標電力値xmnを算出し、その目標電力値xmnをピーク電力抑制演算部24及び調整係数算出用積算値算出部18に出力する(ステップST5)。ここでは、基準電力値qmが、負荷1−mの定格電力であるものを想定しているが、負荷1−mの定格電力に限るものではない。
xmn=Amn×qm (4)
オンオフ機器制御部26の処理内容の詳細は後述する。
なお、この実施の形態1では、調整係数算出用積算値smn’ハットは中間積算電力値smnハットと同じ値であるので、調整係数算出用積算値smn’ハットではなく、中間積算電力値算出部25から中間積算電力値smnハットを受けて、総調整係数算出用積算値Σsn’ハットを算出するようにしてもよい。
電力値調整係数算出部21は、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットが電力上限値sJより大きければ(Σsn’ハット>sJ)、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットと電力上限値sJの比Kn(=sJ/Σsn’ハット)を電力値調整係数Knとして算出し、その電力値調整係数Knをバッファ(Z−1)22に出力する(ステップST11)。
n−1回目の制御サイクルの冒頭で算出した電力値調整係数Kn―1は、バッファ(Z−1)22で示されるように次の制御サイクルの処理で使用される。n回目の制御サイクルの冒頭では、上述したように、(n−1)回目の制御サイクルでの電力値調整係数K(n−1)が測定電力調整部23に出力される。
電力値調整係数算出部21により算出又は“1”に設定された電力値調整係数Knは、次の制御サイクルで使用するために保存される(ステップST13)。
ピーク電力抑制演算部24のオンオフ機器制御部26は、制御サイクル毎に初期化処理として、後述する総電力推定値Σqonをクリアする(図3のステップST21)。
即ち、未だ制御対象に設定されていない負荷1−mの中で、最も中間積算電力値smnハットが大きい負荷1−mを制御対象に設定する(ステップST22)。
例えば、負荷の数が3個であるとき、中間積算電力値s1nハット>中間積算電力値s2nハット>中間積算電力値s3nハットであれば、制御対象を「負荷1−1」→「負荷1−2」→「負荷1−3」の順番に設定する。
また、例えば、中間積算電力値s3nハット>中間積算電力値s1nハット>中間積算電力値s2nハットであれば、制御対象を「負荷1−3」→「負荷1−1」→「負荷1−2」の順番に設定する。
オンオフ機器制御部26は、制御対象を負荷1−mに設定すると、その負荷1−mの中間積算電力値smnハットが所定の閾値sthより大きく(ステップST23)、かつ、オンオフ判断用総電力推定値Σqon‘が電力上限値sJより高くならない電力供給条件を満足しているか否かを判定する(ステップST25)。即ち、下記の式(8)(9)が成立しているか否かを判定する。
オンオフ機器制御部26は、式(8)または式(9)の少なくとも一方が成立しない場合、上記の電力供給条件を満足していないので、その負荷1−mの電力供給オンオフ機器15−mを切り状態(オフ)に制御する(ステップST27)。これにより、負荷1−mには電力が供給されない。
オンオフ機器制御部26は、n回目の制御サイクルにおいて、オン電力推定部17により推定された負荷1−1〜1−Mの電力推定値qmonチルダの総和(以下、「総電力推定値Σqon」と称する)を算出する(ステップST28)。
オンオフ機器制御部26は、値が大きい中間積算電力値に係る負荷1−mから順番に制御対象に設定して、全ての負荷1−mに対する制御が完了するまで上記の制御処理(ステップST22〜ST28の処理)を繰り返し実施する(ステップST29)。
図5では、負荷の定格電力を100%として、目標電力値、中間積算電力値、実電力値(電力測定値)及び電力差積算値を%で表現している。
例えば、目標電力値が負荷の定格電力の30%に設定されている場合、図5(a)を示すように、実電力値(電力測定値)の平均値が30%に制御されていることが分かる。
また、目標電力値が負荷の定格電力の55%に設定されている場合、図5(b)を示すように、実電力値(電力測定値)の平均値が55%に制御されていることが分かる。
特に(a)は実施の形態1の電力制御装置、(b)は従来の電力制御装置に係るものであり、両者を比較すると明らかなように、従来の電力制御装置では、各負荷(制御チャンネルch)の目標出力電力に対する平均出力電力の達成率が不均一になっているが、この実施の形態1の電力制御装置では、各負荷(制御チャンネルch)の目標出力電力に対する平均出力電力の達成率が均一になっている。
図1の電力制御装置では、負荷1−mの中間積算電力値smnハットが閾値sthを越えることで電力供給条件を満足すると、負荷1−mの電力供給オンオフ機器15−mがオンになり、負荷1−mの中間積算電力値smnハットから電力測定値qmnチルダが減算されるため、負荷1−mの電力差積算値smnは、閾値sthから電力測定値qmnチルダが減算された値と、その閾値sthとの間の有限な値になる。
一方、負荷1−mの電力差積算値smnは、目標電力値xmnの積算値と、電力測定値qmnチルダの積算値とに分けることができるが、オンオフ機器制御部26によるオンオフ処理が繰り返され、その繰り返し回数nが十分に大きな値になると、目標電力値xmnの積算値及び電力測定値qmnチルダの積算値が非常に大きな値になる。
この結果、目標電力値xmnの積算値及び電力測定値qmnチルダの積算値と比較して、電力差積算値smnは十分小さな値になるため、目標電力値xmnの積算値と電力測定値qmnチルダの積算値とはほぼ等しい値になる。
以下、電力測定値qmnチルダの総和が電力上限値sJ以下に抑制される理由について説明する。
この様な状態になると、各負荷の電力差積算値smnは、順次計算上の飽和値になり、中間積算電力値smnハットは、前の単位時間毎の電力差積算値sm(n−1)の飽和値に対して、現単位時間の目標電力値xmnを加算したことになり、目標電力値xmnが大きい負荷ほど、中間積算電力値smnハットは大きな値になる。
ピーク電力演算を適切に実施するためには、中間積算電力値smnハットが大きい順に時分割制御演算を行う必要があるため、中間積算電力値smnハットが飽和値になると、ピーク電力抑制演算の処理順序が適切に決定できなくなり、各負荷の目標電力値xmnに対する電力測定値qmnチルダの割合(以降、「出力達成率」と称する)が負荷毎に不均一な値になる問題がある。
これにより、電力差積算値smn及び中間積算電力値smnハットが計算上の飽和値になる現象が防止されるため、総目標電力値が電力上限値sJを越える場合においても、時分割制御の処理順序が適切に決定されて、出力達成率が負荷毎に不均一になる現象が防止される。
このため、電力値調整係数Knを電力測定値qmnチルダに乗算した値を目標電力値から減算した値の積算値である電力差積算値smnは徐々に増加して、電力差積算値smnが計算上の上限値で飽和する現象を防止することができない。
そこで、この実施の形態1では、総電力差積算値に総目標電力値を加算した値である総中間電力積算値と電力上限値の比を電力値調整係数Knとしている。
その結果として、電力値調整係数Knを電力測定値qmnチルダにかけた値は大きくなるため、各負荷の中間積算電力値smnハットは減少傾向になり、電力値調整係数Knは小さくなる方向になり、中間積算電力値smnハットの飽和を防止することができる。
また、逆に、電力値調整係数が小さ過ぎて調整過剰である場合には、出力電力測定値の調整値が小さいため、総中間積算値が小さくなり電力値調整係数Knが小さくなる。このため、電力値調整係数Lを電力測定値qmnチルダにかけた値が小さくなり、中間積算電力値smnハットは増加傾向になり、電力値調整係数Knが一方的に小さくなることもなく、適切な値に維持される(いわば平衡状態になる)。
また、目標電力値sJを調整する方法においても、電力値調整係数Knによる調整は有効である。例えば、電力上限値sJを総中間電力積算値で割った値を電力値調整係数Knとして、目標電力値を電力値調整係数Knによって調整して小さな値にすることにより、総目標電力値が電力上限値sJを越えた場合でも、中間積算電力値smnハットの飽和を防止できるため、出力達成率が負荷毎に不均一になる現象を防止することができる。
以上の電力上限値sJと総中間電力積算値から電力値調整係数Knを求める方法の一例を数式で表すと、上記の式(7)のようになる。
図7はこの発明の実施の形態2による電力制御装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
電力値調整係数算出部31は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、総調整係数算出用積算値算出部19により算出された総調整係数算出用積算値Σsn’ハットと電力上限値記憶部20により記憶されている電力上限値sJを比較し、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットが電力上限値sJより大きければ(Σsn’ハット>sJ)、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットと電力上限値sJの比Kn(=Σsn’ハット/sJ)を電力値調整係数Knとして算出し、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットが電力上限値sJより小さければ(Σsn’ハット≦sJ)、その電力値調整係数Knを“1”に設定する処理を実施する。
なお、調整係数算出用積算値算出部18、総調整係数算出用積算値算出部19、電力上限値記憶部20、電力値調整係数算出部31及び目標電力調整部32から調整手段が構成されている。
例えば、電力制御装置の全部をコンピュータで構成する場合、電力上限値記憶部20をコンピュータのメモリ上に構成するとともに、目標電力値算出部11、電力供給オンオフ機器15−1〜15−M、出力電力測定部16、オン電力推定部17、調整係数算出用積算値算出部18、総調整係数算出用積算値算出部19、電力値調整係数算出部31、目標電力調整部32、中間積算電力値算出部25及びオンオフ機器制御部26の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図8はこの発明の実施の形態2による電力制御装置が電力値調整係数を算出するまでの処理内容を示すフローチャートである。
電力制御装置が負荷に供給する電力を制御する処理内容は、上記実施の形態1における図2と同様である。
電力値調整係数算出部31は、n回目の制御サイクルにおいて、総調整係数算出用積算値算出部19から総調整係数算出用積算値Σsn’ハットを受けると、図1の電力値調整係数算出部21と同様に、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットと電力上限値記憶部20により記憶されている電力上限値sJを比較する(図8のステップST32)。
電力値調整係数算出部31は、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットが電力上限値sJより大きければ(Σsn’ハット>sJ)、図1の電力値調整係数算出部21と異なり、その総調整係数算出用積算値Σsn’ハットと電力上限値sJの比Kn(=Σsn’ハット/sJ)を電力値調整係数Knとして算出し、その電力値調整係数Knを目標電力調整部32に出力する(ステップST33)。
また、目標電力調整部32は、n回目の制御サイクルにおいて、電力値調整係数算出部31から前回の出力サイクルの電力値調整係数K(n−1)を受けると、その電力値調整係数K(n−1)を目標電力値算出部11の目標電力値算出処理部14−mにより算出された目標電力値xmnに乗算することで、その目標電力値xmnを調整し、調整後の目標電力値xmn’をピーク電力抑制演算部24の中間積算電力値算出部25に出力する(ステップST31)。
xmn’=K(n−1)×xmn (12)
この実施の形態2では、各々の負荷1−m毎に、電力値調整係数Knを用いて、目標電力値xmnを調整するように構成したので、電力の目標値と供給電力量の比が、負荷毎に異なる状況を防止することができる効果を奏する。
上記実施の形態1,2では、目標電力値算出部11により算出された負荷1−mの目標電力値xmn及び出力電力測定部16により測定された電力測定値qmnチルダが、正規化値ではなく、実電力として、各種の演算が行われるものを示したが、目標電力値xmn及び電力測定値qmnチルダを正規化値に変換し、正規化値として、各種の演算を行うようにしてもよい。
目標電力値算出部41は制御サイクルn毎に、調節計2−mから負荷1−mの正規化目標電力値(正規化された目標電力値)を入力し、その正規化目標電力値を負荷1−mの目標電力値xmnとして出力する処理を実施する。なお、目標電力値算出部41は目標電力値算出手段を構成している。
正規化目標電力値入力部41a−1〜41a−Mは調節計2−1〜2−Mに対するインタフェース機器であり、調節計2−mから出力された正規化目標電力値を負荷1−mの目標電力値xmnとして出力する処理を実施する。
電力正規化部43は例えば除算器から構成されており、出力電圧測定部16から出力された前回の制御サイクル(n−1)で測定された電力測定値qm(n−1)チルダを基準電力値記憶部42により記憶されている基準電力値qmで除算することで、その電力測定値qm(n−1)チルダを正規化値に変換し、正規化後の電力測定値qm(n−1)チルダを測定電力調整部23に出力する処理を実施する。なお、電力正規化部43は電力測定手段を構成している。
図10の電力制御装置は、図7の電力制御装置が正規化値を取り扱うようにしたものであるが、この場合も、上記実施の形態2と同様の効果をすることができる。
Claims (7)
- 各々の制御対象に供給する電力の入切を所定の単位時間毎に切り換える複数のスイッチング制御手段と、
前記各々の制御対象に供給する電力の目標値である目標電力値を算出する目標電力値算出手段と、
前記各々の制御対象に供給された電力の値である電力測定値を測定する電力測定手段と、
前記各々の制御対象毎に、電力が供給されているときに前記電力測定手段により測定された電力測定値から、次の制御サイクルの単位時間中に制御対象に電力を供給した場合の電力値を推定する電力推定手段と、
前記各々の制御対象毎に、前回の制御サイクルの中間積算電力値から前記電力測定手段により測定された前回の制御サイクルの電力測定値を減算することで前回の制御サイクルの電力差積算値を算出し、当該前回の制御サイクルの電力差積算値と前記目標電力値算出手段により算出された今回の制御サイクルの目標電力値を加算することで、今回の中間積算電力値を算出する処理を制御サイクル毎に繰り返す中間積算電力値算出手段と、
各々の制御対象の中で、前記中間積算電力値算出手段により算出された中間積算電力値が大きい制御対象から順番に、当該制御対象の中間積算電力値が所定の閾値より大きく、かつ、当該制御対象に対する電力の供給を行うとした場合に、前記電力推定手段により推定された当該制御対象の電力値と、前記電力推定手段により推定された電力値であって、次の制御サイクルで電力の供給を行うことを決定している他の制御対象の電力値との総和が所定の電力上限値より高くならない電力供給条件を満足すれば、当該制御対象のスイッチング制御手段を入り状態に制御し、前記電力供給条件を満足しなければ、当該制御対象のスイッチング制御手段を切り状態に制御する処理を繰り返し行い、総ての制御対象について次の制御サイクルにおける前記スイッチング制御手段の入切を制御する電力制御手段と
を備えた電力制御装置。 - 前記目標電力値又は前記電力測定値を調整する調整手段を設け、
前記調整手段は、
前記各々の制御対象毎に、前記中間積算電力値算出手段により算出された前回の制御サイクルの電力差積算値と前記目標電力値算出手段により算出された目標電力値を加算することで最新の調整係数算出用積算値を算出し、
前記各々の制御対象の調整係数算出用積算値の総和が前記電力上限値より大きければ、前記調整係数算出用積算値の総和と前記電力上限値の比を電力値調整係数として算出する一方、前記調整係数算出用積算値の総和が前記電力上限値より小さければ、前記電力値調整係数を1に設定し、
前記各々の制御対象毎に、前記電力値調整係数を用いて、前記目標電力値又は前記電力測定値を調整することを特徴とする請求項1記載の電力制御装置。 - 前記中間積算電力値算出手段は、前記調整手段により電力測定値が調整された場合、各々の制御対象毎に、前記測定された電力測定値に換えて、前記電力値調整係数で調整した前回の制御サイクルの電力測定値について、前記減算を行い、
前記電力制御手段は、各々の制御対象の中で、前記中間積算電力値算出手段により算出された中間積算電力値が大きい制御対象から順番に、当該制御対象の中間積算電力値が所定の閾値より大きく、かつ、当該制御対象に対する電力の供給を行うとした場合に、前記電力推定手段により推定された当該制御対象の電力値と、前記電力推定手段により推定された電力値であって、次の制御サイクルで電力の供給を行うことを決定している他の制御対象の電力値との総和が所定の電力上限値より高くならない電力供給条件を満足すれば、当該制御対象のスイッチング制御手段を入り状態に制御し、前記電力供給条件を満足しなければ、当該制御対象のスイッチング制御手段を切り状態に制御する処理を繰り返し行い、総ての制御対象について次の制御サイクルにおける前記スイッチング制御手段の入切を制御することを特徴とする請求項2記載の電力制御装置。 - 前記中間積算電力値算出手段は、前記調整手段により目標電力値が調整された場合、各々の制御対象毎に、前記算出された目標電力値に換えて、前記電力値調整係数で調整した次の制御サイクルの目標電力値について、前記加算を行い、
前記電力制御手段は、各々の制御対象の中で、前記中間積算電力値算出手段により算出された中間積算電力値が大きい制御対象から順番に、当該制御対象の中間積算電力値が所定の閾値より大きく、かつ、当該制御対象に対する電力の供給を行うとした場合に、前記電力推定手段により推定された当該制御対象の電力値と、前記電力推定手段により推定された電力値であって、次の制御サイクルで電力の供給を行うことを決定している他の制御対象の電力値との総和が所定の電力上限値より高くならない電力供給条件を満足すれば、当該制御対象のスイッチング制御手段を入り状態に制御し、前記電力供給条件を満足しなければ、当該制御対象のスイッチング制御手段を切り状態に制御する処理を繰り返し行い、総ての制御対象について次の制御サイクルにおける前記スイッチング制御手段の入切を制御することを特徴とする請求項2記載の電力制御装置。 - 前記目標電力値算出手段は、前記各々の制御対象毎に、他の機器から当該制御対象の出力目標値を入力して、その出力目標値を所定の基準電力値に乗算し、その乗算結果を当該制御対象の目標電力値に設定することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電力制御装置。
- 前記目標電力値算出手段は、前記各々の制御対象に供給する電力の目標値として、他の機器から正規化された目標値を入力して、前記正規化された目標値を目標電力値に設定し、
前記電力測定手段は、前記各々の制御対象の電力測定値を基準電力値で正規化値に変換して出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電力制御装置。 - 複数のスイッチング制御手段が、各々の制御対象に供給する電力の入切を所定の単位時間毎に切り換える複数のスイッチング処理ステップと、
目標電力値算出手段が、前記各々の制御対象に供給する電力の目標値である目標電力値を算出する目標電力値算出処理ステップと、
電力測定手段が、前記各々の制御対象に供給された電力の値である電力測定値を測定する電力測定処理ステップと、
電力推定手段が、前記各々の制御対象毎に、電力が供給されているときに前記電力測定処理ステップで測定された電力測定値から、次の制御サイクルの単位時間中に制御対象に電力を供給した場合の電力値を推定する電力推定処理ステップと、
中間積算電力値算出手段が、前記各々の制御対象毎に、前回の制御サイクルで算出している中間積算電力値から前記電力測定処理ステップにより測定された電力測定値を減算することで、前回の制御サイクルでの電力差積算値を算出するとともに、その電力差積算値と目標電力値算出処理ステップにより算出された目標電力値を加算することで、最新の中間積算電力値を算出する中間積算電力値算出処理ステップと、
電力制御手段が、各々の制御対象の中で、前記中間積算電力値算出処理ステップで算出された中間積算電力値が大きい制御対象から順番に、当該制御対象の中間積算電力値が所定の閾値より大きく、かつ、当該制御対象に対する電力の供給を行うとした場合に、前記電力推定処理ステップで推定された当該制御対象の電力値と、前記電力推定処理ステップで推定された電力値であって、次の制御サイクルで電力の供給を行うことを決定している他の制御対象の電力値との総和が所定の電力上限値より高くならない電力供給条件を満足すれば、当該制御対象のスイッチング制御手段を入り状態に制御し、前記電力供給条件を満足しなければ、当該制御対象のスイッチング制御手段を切り状態に制御する処理を繰り返し行い、総ての制御対象について次の制御サイクルにおける前記スイッチング制御手段の入切を制御する電力制御処理ステップと
を備えた電力制御方法。
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