JP5929529B2 - 燃料ポンプ - Google Patents
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このように、従来の燃料ポンプでは、カバーエンドの圧入部および軸受部の切削加工に関し、種々の問題が存在する。
上述のように、本発明では、複数のターミナル保持部およびストッパはカバーエンドの中心軸上の1点を中心とする仮想円上に位置している。そのため、圧入部と軸受部とが同軸になるよう高精度に加工することができる。したがって、燃料ポンプの使用時、シャフトおよびインペラの回転が安定し、燃料の吐出性能が安定する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による燃料ポンプを図1〜3に示す。
燃料ポンプ1は、図示しない燃料タンク内の燃料を吸入し、燃料供給対象としての内燃機関に吐出供給する。図1および2に示すように、燃料ポンプ1は、ハウジング10、ポンプカバー20、カバーエンド30、ステータ40、ロータ50、シャフト52、インペラ55、吐出部36、ターミナル44、ターミナル保持部71、72、73およびストッパ81等を備えている。
ポンプカバー20は、例えばアルミ等の金属により略円板状に形成され、ハウジング10の一端を塞いでいる。ポンプカバー20は、ハウジング10の一端が径方向内側へかしめられることにより、ハウジング10の内側で固定され、軸方向への抜けが規制されている。図1に示すように、ポンプカバー20は、筒状の吸入部21を有している。吸入部21の内側には、ポンプカバー20を板厚方向に貫く吸入通路211が形成されている。
ステータ40は、コア41、インシュレータ42および巻線43を樹脂モールドすることにより、略円筒状に形成されている。このように、略円筒状のステータ40は、ハウジング10と同軸に、ハウジング10の内側に収容されている。なお、コア41は、ステータ40の中心軸に対向する面を除き、樹脂またはインシュレータ42で覆われている。
ターミナル44は、金属により長い板状に形成され、一端が巻線43に電気的に接続し、他端がカバーエンド30の端面35から露出するようカバーエンド30に埋設されている。本実施形態では、ターミナル44は、3つ設けられ、それぞれの一端が、U相、V相、W相に対応する巻線43のそれぞれに電気的に接続している。ターミナル44は、カバーエンド30の外縁近傍において、カバーエンド30の周方向に約60°の間隔で配置されている(図3参照)。
吐出部36に供給管2が接続されるとき、供給管2の端部は、ストッパ81の上面83および補助ストッパ82の上面84に当接するまで挿入される。このとき、ストッパ81および補助ストッパ82は、供給管2の端部に当接することで、供給管2のカバーエンド30側への移動を規制する。
また、本実施形態では、ターミナル保持部71、ターミナル保持部73およびストッパ81に対し端面35の径方向外側に、端面35から突出するようカバーエンド30と一体に樹脂により形成される凸部38を備えている。当該凸部38は、ターミナル保持部71、ターミナル保持部73およびストッパ81それぞれの近傍に位置するよう3つ設けられている。3つの凸部38の端面35とは反対側の端面である上面39のそれぞれは、すべて同一の平面上に位置している。
筒部91は、カバーエンド30の端面35から突出するようカバーエンド30と一体に樹脂により形成されている。当該筒部91は、カバーエンド30の中心軸Ax1から所定距離離れた位置に形成されている。弁座部92は、筒部91の内側に形成されている。弁部材93は、例えばボール状に形成され、弁座部92に当接可能に設けられている。付勢部材94は、例えばコイルスプリングであり、一端が弁部材93に当接するよう設けられている。係止部材95は、筒部91の端面35とは反対側の端部96の内側に設けられ、付勢部材94の他端を係止している。このとき、付勢部材94は、軸方向に圧縮された状態である。そのため、付勢部材94は、弁部材93を弁座部92側に付勢している。
なお、本実施形態では、リリーフバルブ90は、カバーエンド30の中心軸Ax1から所定距離離れた位置に設けられている。弁座部92は、カバーエンド30のポンプカバー20とは反対側の端面35に対しポンプカバー20とは反対側に位置するよう設けられている。
(保持工程)
まず、チャック100の3つの爪部101で、ターミナル保持部71、ターミナル保持部73およびストッパ81と一体のカバーエンド30を保持する。このとき、チャック100は、3つの爪部101それぞれの先端面が、カバーエンド30の径方向外側からターミナル保持部71の外壁76、ターミナル保持部73の外壁76、および、ストッパ81の外壁85に密に接するようにして、カバーエンド30を保持する。
チャック100は、爪部101でターミナル保持部71、ターミナル保持部73およびストッパ81を保持した状態で爪部101を回転させる。これにより、カバーエンド30が回転する。このときの回転軸は、カバーエンド30の中心軸Ax1に一致する。
本実施形態では、カバーエンド30を回転させているとき、図示しない治具により、カバーエンド30を軸方向の爪部101側へ押圧する。これにより、3つの凸部38の上面39のそれぞれが爪部101のそれぞれに当接する。なお、この状態で、爪部101とカバーエンド30とが相対回転した場合、爪部101が凸部38の上面39からずれて端面35に衝突するため、「爪部101による保持に不具合(保持箇所のずれ)が生じたこと」を検知することができる。
チャック100でカバーエンド30を保持し回転させた状態で、例えば切削工具102により圧入部31を切削加工する。また、「軸受部」である筒部33の内壁を切削加工する。
このように、本実施形態では、チャック100でターミナル保持部71、ターミナル保持部73およびストッパ81を保持し、当該保持を途中で解除することなく、圧入部31および筒部33の内壁を切削加工する。そのため、圧入部31と筒部33の内壁とが同軸になるよう高精度に加工することができる。
また、本実施形態では、弁座部92の形成後、例えば、弁部材93および付勢部材94を筒部91の内側に挿入し、付勢部材94の弁部材93とは反対側の端部に係止部材95を当接させ、付勢部材94が圧縮するよう係止部材95を筒部91の端部96の内側まで押し込む。この状態で、端部96を熱で溶かしつつ加圧により変形させる。その後、端部96が冷え固まると、係止部材95が筒部91の端部96に固定される。
上述のように、本実施形態では、ターミナル保持部71、72、73およびストッパ81はカバーエンド30の中心軸Ax1上の1点を中心とする仮想円C1上に位置している。そのため、圧入部31と筒部33の内壁とが同軸になるよう高精度に加工することができる。したがって、燃料ポンプ1の使用時、シャフト52およびインペラ55の回転が安定し、燃料の吐出性能が安定する。
上述の実施形態では、複数のターミナル保持部が連結部により連結される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、図5に示すように、連結部を備えず、複数のターミナル保持部は互いに連結されない構成としてもよい。また、リリーフバルブを備えない構成としてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、複数のターミナル保持部とストッパとは、カバーエンドの周方向に等間隔で配置されていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、複数のターミナル保持部は、3つに限らず、例えばターミナルの数に応じ、任意の数形成することができる。
また、本発明の他の実施形態では、カバーエンドとステータとは別体に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ステータ、ロータおよびシャフトから構成されるモータ部は、インナロータ式のモータであれば、3相に限らず、3相以外の相で駆動する構成であってもよい。また、モータ部は、ブラシ付きモータとして構成されていてもよい。
また、本発明による燃料ポンプは、燃料に限らず、他の液体や気体等の流体を吸入し吐出する用途に用いることも可能である。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10 ・・・ハウジング
20 ・・・ポンプカバー
21 ・・・吸入部
30 ・・・カバーエンド
31 ・・・圧入部
33 ・・・筒部(軸受部)
35 ・・・端面
36 ・・・吐出部
40 ・・・ステータ
43 ・・・巻線
44 ・・・ターミナル
50 ・・・ロータ
52 ・・・シャフト
55 ・・・インペラ
71、72、73 ・・・ターミナル保持部
81 ・・・ストッパ
Ax1 ・・中心軸
L1 ・・・仮想直線
C1 ・・・仮想円
Claims (6)
- 供給管(2)を経由して燃料供給対象に燃料を供給する燃料ポンプ(1)であって、
筒状のハウジング(10)と、
吸入部(21)を有し、前記ハウジングの一端を塞ぐポンプカバー(20)と、
前記ハウジングの内側に圧入される圧入部(31)を外縁に有し、前記ハウジングの他端を塞ぐ円板状のカバーエンド(30)と、
複数の巻線(43)が巻回され、前記ハウジングの内側に収容される筒状のステータ(40)と、
前記ステータの内側に回転可能に設けられるロータ(50)と、
前記ロータと同軸に設けられ、前記ロータとともに回転するシャフト(52)と、
前記シャフトの一端に設けられ、前記シャフトとともに回転することで、前記吸入部から燃料を吸入し加圧するインペラ(55)と、
前記カバーエンドの中心軸(Ax1)上に設けられ、前記シャフトの他端側を軸受けする軸受部(33)と、
前記カバーエンドの前記ポンプカバーとは反対側の端面(35)から筒状に突出することで前記供給管を接続可能なよう前記カバーエンドと一体に形成され、前記インペラにより加圧された燃料を吐出する吐出部(36)と、
一端が複数の前記巻線のそれぞれに電気的に接続し、他端が前記端面から露出するよう前記カバーエンドに埋設される複数のターミナル(44)と、
前記端面から突出し、複数の前記ターミナルのそれぞれを保持するよう前記カバーエンドと一体に形成される複数のターミナル保持部(71、72、73)と、
前記吐出部の外壁に接しながら前記端面から突出するよう前記カバーエンドと一体に形成され、前記供給管の前記吐出部への接続時、前記供給管の端部に当接することで前記供給管の前記カバーエンド側への移動を規制するストッパ(81)と、を備え、
複数の前記ターミナル保持部と前記ストッパとは、前記端面において、前記中心軸に直交する仮想直線(L1)により半円形に区画される2つの領域のそれぞれに配置され、前記中心軸上の1点を中心とする仮想円(C1)上に位置しており、
複数の前記ターミナル保持部および前記ストッパは、前記中心軸を中心とする仮想円筒面(S1)の一部に一致する外壁(76、85)を有することを特徴とする燃料ポンプ。 - 前記外壁は、前記カバーエンドの周方向に等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
- 前記ストッパは、前記吐出部を挟んで前記中心軸とは反対側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料ポンプ。
- 複数の中から選択した2つの前記ターミナル保持部(71、73)と前記ストッパとは、前記カバーエンドの周方向に等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
- 前記ターミナル保持部および前記ストッパに対し前記カバーエンドの径方向外側に、前記端面から突出するよう前記カバーエンドと一体に形成される凸部(38)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
- 複数の前記ターミナル保持部は、前記カバーエンドの周方向に連結するよう一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
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