JP5927475B2 - ポーリング処理方法、プラズマポーリング装置、圧電体及びその製造方法、成膜装置及びエッチング装置、ランプアニール装置 - Google Patents

ポーリング処理方法、プラズマポーリング装置、圧電体及びその製造方法、成膜装置及びエッチング装置、ランプアニール装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマによってポーリング処理を行うポーリング処理方法、プラズマポーリング装置、圧電体及びその製造方法、成膜装置及びエッチング装置、ランプアニール装置に関する。
図19は、従来のポーリング装置を示す模式図である。
結晶33を10×10mmの2枚の平行平板からなる1対の電極35の中心に、機械的ポーリングが施されていない方向に電場が印加されるように挟持する。そして、電極35ごと結晶33をオイルバス37内のオイル36中に浸漬し、結晶33を浸漬したオイル36をヒーター38によって125℃まで加熱する。所定の温度に達した後、高圧電源39からリード線40を介して電極35間に1kV/cmの直流電場を10時間印加する。これにより、結晶33にポーリング処理が施される(例えば特許文献1参照)。
前述した従来のポーリング処理方法では、被ポーリング物を、1対の電極の中心に挟持した状態でオイルに浸漬するという湿式的方法であるため、ポーリング処理が煩雑になる。
特開平10−177194(段落0018、図4)
本発明の一態様は、乾式法によって簡易的にポーリング処理を行えるポーリング処理方法、プラズマポーリング装置、圧電体及びその製造方法、成膜装置及びエッチング装置、ランプアニール装置のいずれかを提供することを課題とする。
また、本発明の一態様は、乾式法又は湿式法のいずれであってもポーリング処理された圧電体等の特性を向上させることを課題とする。
本発明の一態様は、被ポーリング基材に第1の温度でポーリング処理を行うポーリング処理方法であって、
前記第1の温度が前記被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上であることを特徴とするポーリング処理方法である。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、前記被ポーリング基材の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、被ポーリング基材に第1の温度でポーリング処理を行うポーリング処理方法であって、
前記第1の温度がキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)であることを特徴とするポーリング処理方法である。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、50℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、被ポーリング基材に第1の温度でポーリング処理を行うポーリング処理方法であって、
前記第1の温度が100℃以上であることを特徴とするポーリング処理方法である。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、100℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、SEMI規格より厚さが薄いシリコンウエハまたは厚さ400μm以下のシリコンウエハ上に圧電体材料膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、金属基材、耐酸化性を有する金属基材、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有する金属基材、鉄系基材(好ましくは鉄系合金、ステンレス系、SUS等の基材)、及び、Ni系基材(例えばNi合金等の基材)のいずれかの基材上に圧電体材料膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、ガラス基材、耐酸化性を有するガラス基材、及び、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有するガラス基材のいずれかの基材上に圧電体材料膜を形成したものであるとよい。
本発明の一態様は、被ポーリング基材にポーリング処理を行うポーリング処理方法であって、
前記被ポーリング基材は、SEMI規格より厚さが薄いシリコンウエハまたは厚さ400μm以下のシリコンウエハ上に圧電体材料膜を形成したものであることを特徴とするポーリング処理方法である。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は誘電体又は絶縁体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は圧電体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は焦電体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は強誘電体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材にポーリング処理を行う際は、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成するとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材に対向する位置に直流プラズマを形成した際の直流電圧または前記被ポーリング基材に対向する位置に高周波プラズマを形成した際の直流電圧成分が±50V〜±2kVであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記プラズマを形成する際の圧力が0.01Pa〜大気圧であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記プラズマを形成する際のプラズマ形成用ガスは、不活性ガス、H、N、O、F、C、C及びエアーの群から選ばれた1種以上のガスであるとよい。
本発明の一態様は、上述したポーリング処理方法によって前記被ポーリング基材にポーリング処理が行われ、前記被ポーリング基材に圧電活性が与えられたことを特徴とする圧電体である。
本発明の一態様は、ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材の温度を制御する温度制御機構と、
前記電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記被ポーリング基材を、前記被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上の第1の温度にし、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御することを特徴とするプラズマポーリング装置である。
本発明の一態様は、ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材の温度を制御する温度制御機構と、
前記第1の電源、前記第2の電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記第1の切り替えスイッチは、前記保持電極と前記第1の電源を電気的に接続する第1の状態から前記保持電極と前記接地電位を電気的に接続する第2の状態に切り替えるスイッチであり、
前記第2の切り替えスイッチは、前記対向電極と前記接地電位を電気的に接続する第3の状態から前記対向電極と前記第2の電源を電気的に接続する第4の状態に切り替えるスイッチであり、
前記制御部は、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材を、前記被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上の第1の温度にし、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記第1の電源、前記第2の電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御することを特徴とするプラズマポーリング装置である。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記被ポーリング基材に、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理を行うように制御されるものであり、
前記第2の温度は、前記被ポーリング基材の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材の温度を制御する温度制御機構と、
前記電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記被ポーリング基材をキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)の第1の温度にし、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御することを特徴とするプラズマポーリング装置である。
本発明の一態様は、ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材の温度を制御する温度制御機構と、
前記第1の電源、前記第2の電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記第1の切り替えスイッチは、前記保持電極と前記第1の電源を電気的に接続する第1の状態から前記保持電極と前記接地電位を電気的に接続する第2の状態に切り替えるスイッチであり、
前記第2の切り替えスイッチは、前記対向電極と前記接地電位を電気的に接続する第3の状態から前記対向電極と前記第2の電源を電気的に接続する第4の状態に切り替えるスイッチであり、
前記制御部は、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材をキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)の第1の温度にし、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記第1の電源、前記第2の電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御することを特徴とするプラズマポーリング装置である。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記被ポーリング基材に、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理を行うように制御されるものであり、
前記第2の温度は、50℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材の温度を制御する温度制御機構と、
前記電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記被ポーリング基材を100℃以上の第1の温度にし、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御することを特徴とするプラズマポーリング装置である。
本発明の一態様は、ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材の温度を制御する温度制御機構と、
前記第1の電源、前記第2の電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記第1の切り替えスイッチは、前記保持電極と前記第1の電源を電気的に接続する第1の状態から前記保持電極と前記接地電位を電気的に接続する第2の状態に切り替えるスイッチであり、
前記第2の切り替えスイッチは、前記対向電極と前記接地電位を電気的に接続する第3の状態から前記対向電極と前記第2の電源を電気的に接続する第4の状態に切り替えるスイッチであり、
前記制御部は、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材を100℃以上の第1の温度にし、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記第1の電源、前記第2の電源、前記ガス供給機構及び前記温度制御機構を制御することを特徴とするプラズマポーリング装置である。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記被ポーリング基材に、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理を行うように制御されるものであり、
前記第2の温度は、100℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、SEMI規格より厚さが薄いシリコンウエハまたは厚さ400μm以下のシリコンウエハ上に圧電体材料膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、金属基材、耐酸化性を有する金属基材、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有する金属基材、鉄系基材(好ましくは鉄系合金、ステンレス系、SUS等の基材)、及び、Ni系基材(例えばNi合金等の基材)のいずれかの基材上に圧電体材料膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、ガラス基材、耐酸化性を有するガラス基材、及び、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有するガラス基材のいずれかの基材上に圧電体材料膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は誘電体又は絶縁体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は圧電体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は焦電体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は強誘電体を有する基材であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電力を供給して直流プラズマを形成する際の直流電圧または高周波プラズマを形成する際の直流電圧成分が±50V〜±2kVであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記ポーリング処理を行う際の前記ポーリングチャンバー内の圧力を0.01Pa〜大気圧に制御する圧力制御機構を具備するとよい。
また、本発明の一態様において、前記プラズマ形成用ガスは、不活性ガス、H、N、O、F、C、C及びエアーの群から選ばれた1種以上のガスであるとよい。
本発明の一態様は、上述したプラズマポーリング装置によって前記被ポーリング基材にポーリング処理が行われ、前記被ポーリング基材に圧電活性が与えられたことを特徴とする圧電体である。
本発明の一態様は、上述したプラズマポーリング装置を有することを特徴とする成膜装置である。また、本発明の一態様において、前記成膜装置は、スピンコート装置、ランプアニール装置、スパッタリング装置、CVD装置及び蒸着装置のいずれかであるとよい。
本発明の一態様は、上述したプラズマポーリング装置を有することを特徴とするエッチング装置である。
本発明の一態様は、チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、誘電体材料膜、絶縁体材料膜、圧電体材料膜、焦電体材料膜及び強誘電体材料膜のいずれかの膜を有する被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記チャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記被ポーリング基材にランプ光を照射するランプヒータと、
前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御する制御部と、
を具備することを特徴とするランプアニール装置である。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱して前記いずれかの膜を結晶化させ、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、前記被ポーリング基材に、前記結晶化温度より低く且つ前記被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上の第1の温度でポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱して前記いずれかの膜を結晶化させ、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、前記被ポーリング基材に前記結晶化温度より低く且つキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)の第1の温度でポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱して前記いずれかの膜を結晶化させ、前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、前記被ポーリング基材に前記結晶化温度より低く且つ100℃以上の第1の温度でポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱しながら前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記いずれかの膜を結晶化させながら前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
本発明の一態様は、チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、誘電体材料膜、絶縁体材料膜、圧電体材料膜、焦電体材料膜及び強誘電体材料膜のいずれかの膜を有する被ポーリング基材が保持される保持電極と、
前記チャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
前記被ポーリング基材にランプ光を照射するランプヒータと、
前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源及び前記ガス供給機構を制御する制御部と、
を具備し、
前記第1の切り替えスイッチは、前記保持電極と前記第1の電源を電気的に接続する第1の状態から前記保持電極と前記接地電位を電気的に接続する第2の状態に切り替えるスイッチであり、
前記第2の切り替えスイッチは、前記対向電極と前記接地電位を電気的に接続する第3の状態から前記対向電極と前記第2の電源を電気的に接続する第4の状態に切り替えるスイッチであることを特徴とするランプアニール装置である。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱して前記いずれかの膜を結晶化させ、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、前記被ポーリング基材に、前記結晶化温度より低く且つ前記被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上の第1の温度でポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源、及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱して前記いずれかの膜を結晶化させ、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、前記被ポーリング基材に前記結晶化温度より低く且つキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)の第1の温度でポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源、及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱して前記いずれかの膜を結晶化させ、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、前記被ポーリング基材に前記結晶化温度より低く且つ100℃以上の第1の温度でポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源、及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱しながら、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記いずれかの膜を結晶化させながら前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源、及び前記ガス供給機構を制御するとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記被ポーリング基材に、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理を行うように制御されるものであり、
前記第2の温度は、前記被ポーリング基材の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記被ポーリング基材に、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理を行うように制御されるものであり、
前記第2の温度は、50℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記制御部は、前記被ポーリング基材に、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理を行うように制御されるものであり、
前記第2の温度は、100℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、SEMI規格より厚さが薄いシリコンウエハまたは厚さ400μm以下のシリコンウエハ上に前記いずれかの膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、金属基材、耐酸化性を有する金属基材、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有する金属基材、鉄系基材(好ましくは鉄系合金、ステンレス系、SUS等の基材)、及び、Ni系基材(例えばNi合金等の基材)のいずれかの基材上に前記いずれかの膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記被ポーリング基材は、ガラス基材、耐酸化性を有するガラス基材、及び、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有するガラス基材のいずれかの基材上に前記いずれかの膜を形成したものであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電力を供給して直流プラズマを形成する際の直流電圧または高周波プラズマを形成する際の直流電圧成分が±50V〜±2kVであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記ポーリング処理を行う際の前記チャンバー内の圧力を0.01Pa〜大気圧に制御する圧力制御機構を具備するとよい。
また、本発明の一態様において、前記プラズマ形成用ガスは、不活性ガス、H、N、O、F、C、C及びエアーの群から選ばれた1種以上のガスであるとよい。
また、本発明の一態様において、前記チャンバー内を加圧する加圧機構をさらに具備するとよい。
また、本発明の一態様において、前記加圧機構は、前記チャンバー内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、前記チャンバー内のガスを排気するガス排気機構とを有するとよい。
本発明の一態様は、圧電体材料物に第1の温度でポーリング処理を行うことにより圧電体を製造する方法であって、
前記第1の温度が前記被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上であることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料物には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、前記被ポーリング基材の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、圧電体材料物に第1の温度でポーリング処理を行うことにより圧電体を製造する方法であって、
前記第1の温度がキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)であることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料物には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、50℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、圧電体材料物に第1の温度でポーリング処理を行うことにより圧電体を製造する方法であって、
前記第1の温度が100℃以上であることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料物には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら、または前記第2の温度から前記第1の温度に上げながら、前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、100℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料物は、基板上に圧電体材料膜を形成したものであり、
前記ポーリング処理は、前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成することにより行われるとよい。
また、本発明の一態様において、前記基板上に圧電体材料膜を形成する前に、前記基板の裏面を研削して前記基板の厚さを薄くするとよい。
本発明の一態様は、基板の裏面を研削して前記基板の厚さを薄くし、
前記基板上に圧電体材料膜を形成し、
前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記圧電体材料膜にポーリング処理を行うことを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記基板の厚さを薄くした際の当該基板の厚さは400μm以下であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記ポーリング処理を、プラズマポーリング装置を用いて行う圧電体の製造方法であって、
前記プラズマポーリング装置は、
ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記基板が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記基板に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記基板の温度を制御する温度制御機構と、
を具備するとよい。
また、本発明の一態様において、前記ポーリング処理を、プラズマポーリング装置を用いて行う圧電体の製造方法であって、
前記プラズマポーリング装置は、
ポーリングチャンバーと、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記基板が保持される保持電極と、
前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記基板に対向して配置された対向電極と、
前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
前記保持電極に保持された前記基板の温度を制御する温度制御機構と、
を具備するとよい。
本発明の一態様は、基板上に圧電体材料膜を形成し、
前記圧電体材料膜にランプヒータによってランプ光を照射することで前記圧電体材料膜を結晶化温度に加熱して結晶化させ、
前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成して前記圧電体材料膜に第1の温度でポーリング処理を行う圧電体の製造方法であって、
前記第1の温度は、前記結晶化温度より低く且つ前記圧電体材料膜のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上の温度であることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料膜には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、前記圧電体材料膜の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、基板上に圧電体材料膜を形成し、
前記圧電体材料膜にランプヒータによってランプ光を照射することで前記圧電体材料膜を結晶化温度に加熱して結晶化させ、
前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成して前記圧電体材料膜に第1の温度でポーリング処理を行う圧電体の製造方法であって、
前記第1の温度は、前記結晶化温度より低く且つキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)の温度であることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料膜には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、50℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、基板上に圧電体材料膜を形成し、
前記圧電体材料膜にランプヒータによってランプ光を照射することで前記圧電体材料膜を結晶化温度に加熱して結晶化させ、
前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成して前記圧電体材料膜に第1の温度でポーリング処理を行う圧電体の製造方法であって、
前記第1の温度は、前記結晶化温度より低く且つ100℃以上の温度であることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料膜には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、100℃以上で且つ前記第1の温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様は、基板上に圧電体材料膜を形成し、
前記圧電体材料膜にランプヒータによってランプ光を照射することで前記圧電体材料膜を結晶化温度に加熱しながら、前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記圧電体材料膜を結晶化させながら前記圧電体材料膜にポーリング処理を行うことを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の一態様において、前記圧電体材料膜には、前記第1の温度から第2の温度に下げながら前記ポーリング処理が行われ、
前記第2の温度は、前記圧電体材料膜の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上又は50℃以上で且つ前記結晶化温度より低い温度であるとよい。
本発明の一態様によれば、乾式法によって簡易的にポーリング処理を行えるポーリング処理方法、プラズマポーリング装置、圧電体及びその製造方法、成膜装置及びエッチング装置、ランプアニール装置のいずれかを提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、乾式法又は湿式法のいずれであってもポーリング処理された圧電体等の特性を向上させることができる。
本発明の一態様に係るプラズマポーリング装置を模式的に示す断面図である。 キュリー温度より50℃高い温度に加熱してポーリング処理する理由を説明するための模式図である。 ヒステリシス曲線の残留分極値Prが0%となる温度以上に加熱してポーリング処理する理由について説明するための図である。 ユニモルフ振動子を示す模式図である。 250℃以上の温度で圧電体材料膜にポーリング処理を施すと基板の厚さが厚くてもポーリングされやすくなる理由を説明するための図である。 本発明の一態様に係るプラズマポーリング装置を模式的に示す断面図である。 本発明の一態様に係る成膜装置を模式的に示す平面図である。 本発明の一態様に係る成膜装置を模式的に示す平面図である。 本発明の一態様に係るスパッタリング装置によってスパッタ成膜を行っている様子を示す断面図である。 図9に示すスパッタリング装置によってポーリング処理を行っている様子を示す断面図である。 本発明の一態様に係るスパッタリング装置によってスパッタ成膜及びポーリング処理を同時に行っている様子を示す断面図である。 本発明の一態様に係るプラズマCVD装置によってCVD成膜を行っている様子を示す断面図である。 図12に示すプラズマCVD装置によってポーリング処理を行っている様子を示す断面図である。 本発明の一態様に係るプラズマCVD装置によってCVD成膜及びポーリング処理を同時に行っている様子を示す断面図である。 本発明の一態様に係る蒸着装置によって蒸着成膜を行っている様子を示す断面図である。この蒸着装置はプラズマポーリング装置を有している。 図15に示す蒸着装置によってポーリング処理を行っている様子を示す断面図である。 本発明の一態様に係る蒸着装置によって蒸着成膜及びポーリング処理を同時に行っている様子を示す断面図である。 本発明の一態様に係る加圧式ランプアニール装置を模式的に示す断面図である。 従来のポーリング装置を示す模式図である。
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(第1の実施形態)
<プラズマポーリング装置>
図1は、本発明の一態様に係るプラズマポーリング装置を模式的に示す断面図である。このプラズマポーリング装置はポーリング処理を行うための装置である。
プラズマポーリング装置はポーリングチャンバー1を有しており、ポーリングチャンバー1内の下方には被ポーリング基材2を保持する保持電極4が配置されている。被ポーリング基材2の詳細は後述するが、被ポーリング基材2は、例えば強誘電体を有する基材、又は基板上に強誘電体が形成された基材等であり、種々の形状の基材を用いることができる。
保持電極4は高周波電源6に電気的に接続されており、保持電極4はRF印加電極としても作用する。保持電極4の周囲及び下部はアースシールド5によってシールドされている。なお、本実施形態では、高周波電源6を用いているが、他の電源、例えば直流電源又はマイクロ波電源を用いても良い。
ポーリングチャンバー1内の上方には、保持電極4に対向して平行の位置にガスシャワー電極(対向電極)7が配置されている。これらは一対の平行平板型電極である。ガスシャワー電極は接地電位に接続されている。なお、本実施形態では、保持電極4に電源を接続し、ガスシャワー電極に接地電位を接続しているが、保持電極4に接地電位を接続し、ガスシャワー電極に電源を接続しても良い。
ガスシャワー電極7の下面には、被ポーリング基材2の表面側(ガスシャワー電極7と保持電極4との間の空間)にシャワー状のプラズマ形成用ガスを供給する複数の供給口(図示せず)が形成されている。プラズマ形成用ガスとしては、例えばAr、He、N、O、F、C、エアーなどを用いることができる。
ガスシャワー電極7の内部にはガス導入経路(図示せず)が設けられている。このガス導入経路の一方側は上記供給口に繋げられており、ガス導入経路の他方側はプラズマ形成用ガスの供給機構3に接続されている。また、ポーリングチャンバー1には、ポーリングチャンバー1の内部を真空排気する排気口が設けられている。この排気口は排気ポンプ(図示せず)に接続されている。
また、プラズマポーリング装置は、高周波電源6、プラズマ形成用ガスの供給機構3、排気ポンプなどを制御する制御部(図示せず)を有しており、この制御部は後述するポーリング処理を行うようにプラズマポーリング装置を制御するものである。
また、プラズマポーリング装置は、ポーリング処理を行う際のポーリング基材2を様々な温度に制御する温度制御機構を有することが好ましい。
<ポーリング処理方法>
次に、上記プラズマポーリング装置を用いて被ポーリング基材にポーリング処理を行う方法について説明する。ここで、本発明の一態様によるポーリング処理方法とは、いわゆる強電界によるポーリング処理(即ち分極処理とは、電極を設けたセラミック片に直流高電界を印加し、強誘電体に圧電活性を与えるプロセス)の事を指すだけではなく、熱ポーリングまでを含めるものとする。この熱ポーリングは、中でも特に、誘電体を加熱しながら、直流電圧又は高周波を印加し、電圧又は高周波をきることで、予め誘電体に異方性を持たせることができる。熱エネルギーを与えることで誘電体内のイオンが運動しやすい状態となり、そこに電圧が印加されることでイオンの移動及び分極が誘起される結果、基材の全体が早くポーリングされる。
なお、熱ポーリング処理を行う場合は、上記のプラズマポーリング装置に加熱機構を付加し、この加熱機構によって被ポーリング基材を加熱する必要がある。
[1]被ポーリング基材
まず、被ポーリング基材2を用意する。被ポーリング基材2はポーリング処理が施される基材、例えば誘電体、絶縁体、圧電体、焦電体及び強誘電体の少なくとも一つを有する基材であるが、このポーリング処理は、超伝導性、誘電性、圧電性、焦電性、強誘電性、非線形光学特性を有する、全ての無機物、有機物に有効であるので、種々の被ポーリング基材を用いることも可能である。
被ポーリング基材2となり得る材料の具体例は、以下のとおりである。
TiO、MgTiO−CaTiO系、BaTiO系、CaSnO、SrTiO、PbTiO、CaTiO、MgTiO、SrTiO、CaTiO系:BaTiO系、BaO−R2O3−nTiO2系(R=Nd、Sm・・・、n=4、5・・・)、Al、ダイヤモンド系(ダイヤモンドライクカン等)、BN、SiC、BeO、AlN、BaTi5O11、Ba2Ti9O20、タングステンブロンズABO:Ba2NaNb5O15(BNN)、Ba2NaTa5O15 (BNT)、Sr2NaNb5O15 (SNN)、K3Li2Nb5O15 (KLN)、K2BiNb5O15 (KBN)、ペロブスカイト系、(K,Na,Li)(Nb,Ta,Sb)O、BixNa1−xTiO(BNT)、BixK1−xTiO(BKT)、BiFeO、SrBi2Ta29(SBT)、Bi4Ti312、Bi4―xLaTi12(BLT)、SrBiNb(SBN)、BiWO(BWO)、SiO2、LiNbO3、LiTaO3、Sr0.5Ba0.5Nb、KDP(KH2PO4)、C4H4O6NaK・4H2O、NaNO2、(NH2)2CS、K2SeO4、PbZrO3、(NH2)2CS、(NH4)SO4、NaNbO3、BaTiO、PbTiO、SrTiO、KNbO、NaNbO、BiFeO、(Na、La)(Mg、W)O、La1/3NbO、La1/3TaO、BaMgTa、SrNaSb12、ABRO(A:アルカリ土類、B:Fe,Ln、R:Mo,Mn,W,Ru,でBとRの原子価差2以上)、Bi2NiMnO6、Sr2FeMoO6、BaLnMn、NaxWO、Ln1/3NbO、Ba2In25、Sr2Fe25、SrNd、SrTa、LaTi、MgSiO、CaIrO、CuNMn、GaNMn、ZnNMn、CuNMn、CaMnO、FeTiO、LiNbO3、LiTaO3、Gd(MoO、SrTiO、KTaO、RFe2O4、La2-x Srx CuO4 、、Me13X(Meはイオン半径0.97Å(Cd2+)〜0.66Å(Mg2+)、X:ハロゲン)、Ni13I、BiFeO3、BiMnO3、Pb(Co1/21/2)O、Pb(Fe1/2Nb1/2)O、ABRO(A:アルカリ土類、B:Fe、Ln、R:Mo、Mn、W、Ru、BとRの原子価2以上)、Bi2NiMnO6 、YMnO、YbMnO、HoMnO、BaMnF、BaFeF、BaNiF、BaCoF、YFe、LuFe、TbMnO、DyMnO、Ba2Mg2Fe12O22、CuFeO、Ni、LiCu、LiV、LiCr、NaV、NaCr、CoCr、LiFeSi、NaCrSi、LiFeSi、NaCrSi、MnWO、TbMn、DyMn、HoMn、YMn R=Tb、Dy、Ho、Y、RbFe(MoO、PrGaSiO14、NdGaSiO14、Nd3Ga5SiO14、ABFeSi14 A=Ba、Sr、Ca B=Nb、T各種パイロクロア酸化物、水晶(SiO2)、LiNbO3、BaTiO3、PbTiO3(PT)、Pb(Zr,Ti)O3( PZT )、Pb(Zr,Ti,Nb)O3(PZTN)、PbNb2O6、PVF2、PMN-PZT, マグネシウムニオブ酸鉛-PZT系 >Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 (PMN)-PZT、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3 (PNN)-PZT、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 (PMN)-PT、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3 (PNN)-PT、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3 (PMN-PT)、BaTiO3、(Sr1-x, Bax)TiO3、(Pb1-y, Bay)(Zr1-x, Tix)O3 (ただしx=0〜1、y=0〜1)、CdTiO3、HgTiO3、CaTiO3、GdFeO3、SrTiO3、PbTiO3、BaTiO3、PbTiO3、PbZrO3、Bi0.5Na0.5TiO3、Bi0.5K0.5TiO3、KNbO3、LaAlO3、FeTiO3,MgTiO3,CoTiO3,NiTiO3, CdTiO3、(K1-xNax)NbO3、K(Nb1-xTax)O3、(K1-xNax)(Nb1-yTay)O3、KNbO3、RbNbO3、TlNbO3、CsNbO3、AgNbO3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3, Ba(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Sc1/2Nb1/2)O3、(Na1/2Bi1/2)TiO3, (K1/2Bi1/2)TiO3, (Li1/2Bi1/2)TiO3、Bi(Mg1/2Ti1/2)O3, Bi(Zn1/2Ti1/2)O3, Bi(Ni1/2Ti1/2)O3, (Bi,La)(Mg1/2Ti1/2)O3、 (A1+ 1/2A3+ 1/2)(B2+ 1/3B5+ 2/3)O3 (ここでA及びBには、A1+ = Li, Na, K, Ag、A2+=Pb, Ba, Sr, Ca、A3+= Bi, La, Ce, Nd、B1+= Li, Cu、B2+=Mg, Ni, Zn, Co, Sn, Fe, Cd, Cu, Cr、B3+= Mn, Sb, Al, Yb, In, Fe, Co, Sc, Y, Sn、B4+= Ti, Zr、B5+= Nb, Sb, Ta, Bi、B6+= W, Te, Re といった元素が入る。)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 (PMN)、Pb(Mg1/3Ta2/3)O3 (PMTa)、Pb(Mg1/2W1/2)O3 (PMW)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3 (PNN)、Pb(Ni1/3Ta2/3)O3 (PNTa)、Pb(Ni1/2W1/2)O3 (PNW)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3 (PZN)、Pb(Zn1/3Ta2/3)O3 (PZTa)、Pb(Zn1/2W1/2)O3 (PZW)、Pb(Sc1/2Nb1/2)O3 (PScN)、Pb(Sc1/2Ta1/2)O3 (PScTa)、Pb(Cd1/3Nb2/3)O3 (PCdN)、Pb(Cd1/3Ta2/3)O3 (PCdT)、Pb(Cd1/2W1/2)O3 (PCdW)、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3 (PMnN)、Pb(Mn1/3Ta2/3)O3 (PMnTa)、Pb(Mn1/2W1/2)O3 (PMnW)、Pb(Co1/3Nb2/3)O3 (PCoN)、Pb(Co1/3Ta2/3)O3 (PCoTa)、Pb(Co1/2W1/2)O3 (PCoW)、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3 (PFN)、Pb(Fe1/2Ta1/2)O3 (PFTa)、Pb(Fe2/3W1/3)O3 (PFW)、Pb(Cu1/3Nb2/3)O3(PCuN)、Pb(Yb1/2Nb1/2)O3 (PYbN)、Pb(Yb1/2Ta1/2)O3 (PYbTa)、Pb(Yb1/2W1/2)O3 (PYbW)、Pb(Ho1/2Nb1/2)O3 (PHoN)、Pb(Ho1/2Ta1/2)O3 (PHoTa)、Pb(Ho1/2W1/2)O3? (PHoW)、Pb(In1/2Nb1/2)O3 (PInN)、Pb(In1/2Ta1/2)O3 (PInTa)、Pb(In1/2W1/2)O3 (PInW)、Pb(Lu1/2Nb1/2)O3 (PLuN)、Pb(Lu1/2Ta1/2)O3 (PLuTa)、Pb(Lu1/2W1/2)O3 (PLuW)、Pb(Er1/2Nb1/2)O3 (PErN)、Pb(Er1/2Ta1/2)O3 (PErT)、Pb(Sb1/2Nb1/2)O3 (PSbN)、Pb(Sb1/2Ta1/2)O3 (PSbT)、BaZrO3-BaTiO3、BaTiO3-SrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Sc1/2Nb1/2)O3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)、PMN-PbTiO3、PMN-PZT、非線形光学材料(無機物質)例えば、ガーネット結晶( Y A G , Y A O , Y S O , G SG G , G G G ) でもよいし、フッ化物結晶( Y L F 、L i S A F 、L i C A F ) でも、タングステート結晶( K G W 、K Y W ) 、バナデート結晶( Y V O 4 、G d V O 4 など) でも良い。他にB B O 、C B O 、C L B O 、YC O B 、G d C O B 、G d Y C O B 、K T P 、K T A 、K D P 、L i N b O 3 でもよい。
また、有機非線形光学材料として、(R)-(+)-2-(α-メチルベンジルアミノ)-5-ニトロピリジン(分子式/分子量:C13H13N3O2=243.26)、(S)-(-)-2-(α-メチルベンジルアミノ)-5-ニトロピリジン(分子式/分子量:C13H13N3O2=243.26)、(S)-(-)-N-(5-ニトロ-2-ピリジル)アラニノール(分子式/分子量:C8H11N3O3=197.19)、(S)-(-)-N-(5-ニトロ-2-ピリジル)プロリノール(分子式/分子量:C10H13N3O3=223.23)、(S)-N-(5-ニトロ-2-ピリジル)フェニルアラニノール(分子式/分子量:C14H15N3O3=273.29)、1,3-ジメチル尿素(分子式/分子量:C3H8N2O=88.11)、2-(N,N-ジメチルアミノ)-5-ニトロアセトアニリド(分子式/分子量:C10H13N3O3=223.23)、2-アミノ-3-ニトロピリジン(分子式/分子量:C5H5N3O2=139.11)、2-アミノ-5-ニトロピリジン(分子式/分子量:C5H5N3O2=139.11)、2-アミノフルオレン(分子式/分子量:C13H11N=181.23)、2-クロロ-3,5-ジニトロピリジン(分子式/分子量:C5H2ClN3O4=203.54)、2-クロロ-4-ニトロ-N-メチルアニリン(分子式/分子量:C7H7ClN2O2=186.60)、2-クロロ-4-ニトロアニリン(分子式/分子量:C6H5ClN2O2=172.57)、2-メチル-4-ニトロアニリン(分子式/分子量:C7H8N2O2=152.15)、2-ニトロアニリン(分子式/分子量:C6H6N2O2=138.12)、3-メチル-4-ニトロアニリン(分子式/分子量:C7H8N2O2=152.15)、3-ニトロアニリン(分子式/分子量:C6H6N2O2=138.12)、4-アミノ-4'-ニトロビフェニル(分子式/分子量:C12H10N2O2=214.22)、4-ジメチルアミノ-4'-ニトロビフェニル(分子式/分子量:C14H14N2O2=242.27)、4-ジメチルアミノ-4'-ニトロスチルベン(分子式/分子量:C16H16N2O2=268.31)、4-ヒドロキシ-4'-ニトロビフェニル(分子式/分子量:C12H9NO3=215.20)、4-メトキシ-4'-ニトロビフェニル(分子式/分子量:C13H11NO3=229.23)、4-メトキシ-4'-ニトロスチルベン(分子式/分子量:C15H13NO3=255.27)、4-ニトロ-3-ピコリンN-オキシド(分子式/分子量:C6H6N2O3=154.12)、4-ニトロアニリン(分子式/分子量:C6H6N2O2=138.12)、5-ニトロインドール(分子式/分子量:C8H6N2O2=162.15)、5-ニトロウラシル(分子式/分子量:C4H3N3O4=157.08)、N-(2,4-ジニトロフェニル)-L-アラニンメチル(分子式/分子量:C10H11N3O6=269.21)、N-シアノメチル-N-メチル-4-ニトロアニリン(分子式/分子量:C9H9N3O2=191.19)、N-メチル-4-ニトロ-o-トルイジン(分子式/分子量:C8H10N2O2=166.18)、N-メチル-4-ニトロアニリン(分子式/分子量:C7H8N2O2=152.15)などがあり、これらを被ポーリング基材2として用いても良いが、これらに限定されるものではない。
また、被ポーリング基材2は、SEMI規格より厚さが薄いシリコンウエハ、好ましくは厚さ500μm以下(より好ましくは400μm以下、更に好ましくは300μm以下、より更に好ましくは250μm以下)のシリコンウエハ上に圧電体材料膜を形成したものでもよい。なお、SEMI規格は、表1に示す規格をいう。また、圧電体材料膜には、上記の被ポーリング基材2となり得る材料などを用いることができる。
Figure 0005927475
また、被ポーリング基材2は、金属基材、耐酸化性を有する金属基材、前記被ポーリング基材2のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値Prが0%となる温度に対して耐熱性を有する金属基材、鉄系基材(好ましくは鉄系合金、ステンレス系、SUS等の基材)、及び、Ni系基材(例えばNi合金等の基材)のいずれかの基材上に圧電体材料膜を形成したものでもよい。なお、ヒステリシス曲線の残留分極値Prについては後述する。
また、被ポーリング基材2は、ガラス基材、耐酸化性を有するガラス基材、及び、被ポーリング基材2のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値Prが0%となる温度に対して耐熱性を有するガラス基材のいずれかの基材上に圧電体材料膜を形成したものでもよい。
金属基材は、熱膨張係数及びヤング率が大きいため、圧電体材料膜に電界を加えてポーリング処理を行う際に、圧電体材料膜が動きやすく、圧電体材料膜に圧電活性を与えやすいという利点がある。
また、耐酸化性を有する金属基材又はガラス基材は、圧電体材料膜に酸素雰囲気で結晶化処理を行う際に、酸素雰囲気に耐え得るという利点がある。
また、耐熱性を有する金属基材又はガラス基材は、加熱してポーリング処理を行う際に、加熱される温度に耐え得るという利点がある。
[2]ポーリング処理
次に、被ポーリング基材2をポーリングチャンバー1内に挿入し、このポーリングチャンバー1内の保持電極4上に被ポーリング基材2を保持する。
次いで、被ポーリング基材2にポーリング処理を施す。
詳細には、排気ポンプによってポーリングチャンバー1内を真空排気する。次いで、ガスシャワー電極7の供給口からシャワー状のArなどのプラズマ形成用ガスを、ポーリングチャンバー1内に導入して被ポーリング基材2の表面に供給する。この供給されたプラズマ形成用ガスは、保持電極4とアースシールド5との間を通ってポーリングチャンバー1の外側へ排気ポンプによって排気される。そして、プラズマ形成用ガスの供給量と排気のバランスにより、所定の圧力、プラズマ形成用ガス流量に制御することによりポーリングチャンバー1内をプラズマ形成用ガス雰囲気とし、高周波電源6により例えば380kHz、13.56MHzの高周波(RF)を印加し、プラズマを発生させることにより被ポーリング基材2にポーリング処理を行う。このポーリング処理は、圧力が0.01Pa〜大気圧で、電源が直流電源、高周波電源又はマイクロ波電源で、処理温度が被ポーリング基材2のキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)、または、被ポーリング基材のヒステリシス曲線の残留分極値Pr(μC/cm)が0%となる温度以上、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)で、プラズマを形成する際の直流電圧成分が±50V〜±2kVである条件で行うことが好ましい。次いで、ポーリング処理を所定時間行った後に、ガスシャワー電極7の供給口からのプラズマ形成用ガスの供給を停止し、ポーリング処理を終了する。
キュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)に加熱してポーリング処理する理由について、図2を参照しつつ説明する。
図2は、室温、加熱1、加熱2、冷却1、冷却2のように被ポーリング基材を加熱した後に冷却する過程で、被ポーリング基材に矢印の方向に電界を印加してポーリング処理を行った際の結晶(分極軸)の方向の変化を模式的に示している。
図2に示すように、室温の状態では、被ポーリング基材の圧電体等がランダムな配向を有しており、結晶(矢印で示す分極軸)の方向もランダムである。
加熱1の状態は、未だキュリー温度Tc以下(例えばPZTの場合は300℃)で被ポーリング基材の加熱途中段階である。この加熱1の状態では、室温の状態に比べて結晶(分極軸)が正方晶に近づき、自発分極が弱い状態である。なお、自発分極の強弱は矢印の長さで示している。また、加熱1の状態は、室温の状態に比べるとポーリング処理が行い易い。
加熱2の状態は、キュリー温度Tcより50℃高い温度(例えばPZTの場合は430℃程度)に被ポーリング基材が加熱された状態である。この加熱2の状態では、結晶(分極軸)自身の向きを変えながら正方晶になり、自発分極が完全に失われた状態になる。この状態は、キュリー温度Tcになると生じるが、確実に自発分極を失わせるために、キュリー温度Tcより50℃高い温度とすることが好ましい。このように自発分極が完全に失われた状態にすることで、ポーリング処理が極めて行い易くなる。このため、ポーリング処理によって、ほとんどの結晶(分極軸)の方向が電界を印加している方向に揃う。
冷却1の状態は、キュリー温度Tc以下(例えばPZTの場合は300℃)で被ポーリング基材の冷却途中段階である。加熱2の状態から冷却1の状態に冷却しながらポーリング処理を行うと、ほとんどの結晶(分極軸)の方向が電界を印加している方向に揃ったままで、自発分極の強さが強くなってくる。
冷却2の状態は、室温まで被ポーリング基材を冷却した状態である。冷却1の状態から冷却2の状態に冷却しながらポーリング処理を行うと、ほとんどの結晶(分極軸)の方向が電界を印加している方向に揃ったままで、自発分極の強さが冷却1の状態より更に強くなる。従って、強い自発分極を有する圧電体等が得られる。なお、冷却2の状態の温度でポーリング処理を停止してもよく、その場合も強い自発分極を有する圧電体等が得られる。
つまり、被ポーリング基材のキュリー温度(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度)まで加熱してポーリング処理を行った場合は、室温でポーリング処理を行った場合に比べて圧電体等の特性を向上させることができる。
例えばPZTの場合は、250〜270℃の温度で自発分極が失われ始め、380付近でキュリー温度に到達する。キュリー温度に近づくとPZT結晶格子が正方晶へと変化していき、格子内のTi,Zrが安定点に収まってしまうために自発分極を失う。キュリー温度より高い温度まで加熱することによって、結晶格子が正方晶に安定化し、結晶格子の癖を取り除くことができ、ポーリング処理を行い易くすることができる。
次に、ヒステリシス曲線の残留分極値Prが0%となる温度以上に加熱してポーリング処理する理由について、図3を参照しつつ説明する。
図3は、被ポーリング基材2のヒステリシスの残留分極値Prが100%となるヒステリシス曲線51と、被ポーリング基材2のヒステリシスの残留分極値Prが50%となるヒステリシス曲線52を模式的に示す図である。なお、図3において、x軸は被ポーリング基材への印加電圧(V)を示し、y軸は残留分極(μC/cm)を示す。
ヒステリシス曲線51は、室温で被ポーリング基材2のヒステリシス評価を行った結果であり、このヒステリシス曲線51の残留分極値Pr(100)を100%と定義する。
ヒステリシス曲線52は、ある温度で被ポーリング基材2のヒステリシス評価を行った結果であり、このヒステリシス曲線52の残留分極値Pr(50)は、残留分極値Pr(100)の1/2である50%である。つまり、ヒステリシス曲線52は、残留分極値Pr(50)が残留分極値Pr(100)に対して50%となる温度で被ポーリング基材2のヒステリシス評価を行った結果である。
キュリー温度で被ポーリング基材2のヒステリシス評価を行うと、ヒステリシス曲線の残留分極値Prは0%となる。つまり、ヒステリシス曲線の残留分極値Prが0%となる温度は、キュリー温度である。
ヒステリシス曲線の残留分極値Prが0%となる温度に被ポーリング基材を加熱した状態にすると、結晶(分極軸)自身の向きを変えながら正方晶になり、自発分極が完全に失われるため、ポーリング処理が極めて行い易くなる。このため、この状態でポーリング処理を行うことによって、ほとんどの結晶(分極軸)の方向が電界を印加している方向に揃う。
ヒステリシス曲線の残留分極値Pr(50)が50%となる温度(例えば50℃)まで被ポーリング基材を冷却しながらポーリング処理を行うと、ほとんどの結晶(分極軸)の方向が電界を印加している方向に揃ったままで、自発分極の強さが強くなってくる。さらに室温まで被ポーリング基材を冷却しながらポーリング処理を行うと、ほとんどの結晶(分極軸)の方向が電界を印加している方向に揃ったままで、自発分極の強さが更に強くなる。従って、強い自発分極を有する圧電体等が得られる。なお、残留分極値Pr(50)が50%となる温度でポーリング処理を停止してもよく、その場合も強い自発分極を有する圧電体等が得られる。
次に、100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)の処理温度でポーリング処理する理由について以下に説明する。
被ポーリング基材の圧電体等を100℃以上に加熱しながらポーリング処理の電界を印加すると、結晶(分極軸)の方向を変えることができ、その変えられた結晶(分極軸)の方向における印加された電界の方向のベクトル成分分だけ、圧電体等の特性を向上させることができるからである。
例えば被ポーリング基材2として強誘電体を有する基材を用いた場合、上記のようなポーリング処理を行うことで、強誘電体に圧電活性を与えることができ、圧電体を製造することができる。
本実施形態によれば、被ポーリング基材2に対向する位置にプラズマを形成することにより、被ポーリング基材2にポーリング処理を行うことができる。つまり、乾式法によって簡易的にポーリング処理を行うことが可能となる。
また、図19に示す従来のポーリング装置は、バルク材にポーリング処理を行う装置であり、強誘電体膜のような薄膜からなる基材にポーリング処理を行うことは困難であるのに対し、本実施形態によるプラズマポーリング装置は、強誘電体膜のような薄膜からなる基材にポーリング処理を行うことが容易である。
また、本実施形態によるプラズマポーリング装置では、ウエハ上に形成した強誘電体膜にポーリング処理を行う際にチップ状に個片化しなくてもポーリング処理を行うことができる。
また、被ポーリング基材の厚さに応じて電源に必要な電圧は異なるが、本実施形態によるプラズマポーリング装置では、従来のポーリング装置に比べて低い電源電圧でポーリング処理が可能であるため、従来のポーリング装置より大きな電源設備を必要としない。
また、本実施形態によるプラズマポーリング装置では、プラズマを用いてポーリング処理を行うため、従来のポーリング装置に比べてポーリング処理時間を短くすることができ、圧電体の生産性を向上させることができる。
また、本実施形態によるプラズマポーリング装置では、従来のポーリング装置のようにオイルを使用しないため、オイルが気化して作業者の作業環境を悪化させることがない。
なお、本実施形態では、被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成して、キュリー温度より50℃高い温度、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)の温度でプラズマポーリング処理を行っているが、プラズマを用いることなく、キュリー温度より50℃高い温度、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)の温度でポーリング処理を行ってもよく、この場合は、ポーリング処理された圧電体等の特性を向上させることができる。なお、プラズマを用いないポーリング処理としては、例えば図19に示すポーリング処理がある。
(第2の実施形態)
本発明の一態様による圧電体の製造方法について説明する。この圧電体の製造方法 では、図1に示すプラズマポーリング装置を用いる。
まず、基板を準備する。詳細には、例えばシリコンウエハのような基板を用意し、この基板の裏面を研削することにより、シリコンウエハの厚さをSEMI規格より薄くするか、又は基板の厚さを500μm以下(好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは250μm以下)とし、この基板上に電極膜を形成する。
なお、本実施形態では、SEMI規格より厚さを薄くしたシリコンウエハ又は500μm以下の厚さの基板の上に電極膜を形成しているが、基板の上に電極膜以外の他の膜等を形成してもよい。
次に、基板の電極膜上に圧電体材料膜を形成する。なお、圧電体材料膜には、第1の実施形態で説明した被ポーリング基材2となり得る材料などを用いることができる。
次に、図1に示すプラズマポーリング装置を用いて第1の実施形態と同様の方法により基板上の圧電体材料膜にポーリング処理を施す。これにより、圧電体材料膜に圧電活性を与えることができ、基板上に圧電体を形成することができる。
本実施形態において、シリコンウエハの厚さをSEMI規格より薄くする理由及び基板の厚さを500μm以下とする理由は、基板の厚さが厚いと十分にポーリングすることができないからである。
以下に図4を用いて詳細に説明する。図4はユニモルフ振動子を示す模式図である。
本実施形態の圧電体が図4に示すPZTに対応し、本実施形態の基板が振動板に対応する。圧電体(PZT)の変位体積Vは下記式(1)で示され、圧電体の発生圧力Pは下記式(2)で示される。
V=V31(WL/t)×f(w,t,s) ・・・(1)
P=V(d31t/sW)g(w,t,s) ・・・(2)
:PZTの駆動電圧
s:PZTの弾性率
31:圧電定数
W:幅
t:振動板の厚さ
L:振動板の長さ
上記式(1)に示すように圧電体の変位体積Vは振動板(Si基板)の厚さtの二乗に反比例するため、基板の厚さが厚いと圧電体が動くことができない。ポーリング処理の際に圧電体材料膜に電界を加えても、圧電体材料膜が動けないとポーリングされにくく、圧電体材料膜に圧電活性を与えることができない。
そこで、基板に裏面研削を施し、基板の厚さを500μm以下(好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは250μm以下)まで薄くすることにより、圧電体材料膜が動きやすくなり、圧電体材料膜に圧電活性を与えることができるようになる。
なお、本実施形態では、プラズマポーリング処理を用いているが、プラズマを用いることなく、本実施形態を実施してもよい。この場合もポーリング処理された圧電体等の特性を向上させることができる。なお、プラズマを用いないポーリング処理としては、例えば図19に示すポーリング処理がある。
(第3の実施形態)
本発明の一態様による圧電体の製造方法について説明する。この圧電体の製造方法 では、図1に示すプラズマポーリング装置を用いる。
第2の実施形態では、基板の厚さを薄くしてポーリングされやすくしているのに対し、本実施形態では、圧電体材料膜の温度をキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度)、ヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)に加熱してポーリングされやすくするものである。
以下に詳細に説明する。
まず、基板を準備する。詳細には、例えばシリコンウエハのような基板を用意し、この基板上に電極膜を形成する。なお、基板の厚さは、500μm以上であってもよいし、SEMI規格の厚さでもよい。また、本実施形態では、基板上に電極膜を形成した基板を用いているが、電極膜以外の他の膜等が形成された基板を用いてもよい。
次に、基板の電極膜上に圧電体材料膜を形成する。なお、圧電体材料膜には、第1の実施形態で説明した被ポーリング基材2となり得る材料などを用いることができる。
次に、図1に示すプラズマポーリング装置を用いて基板上の圧電体材料膜に電界をかけてポーリング処理を行う。詳細には、圧電体材料膜をキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)である第1の温度に加熱し、その状態で、圧電体材料膜にポーリング処理を行う。本実施形態では第1の温度を500℃とする。第1の温度でポーリング処理を行った後に、圧電体材料膜にポーリング処理を続けながら第1の温度から第2の温度に下げる。第2の温度は、50℃以上で且つ第1の温度より低い温度、圧電体材料膜の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上、もしくは100℃以上で且つ第1の温度より低い温度である。本実施形態では第2の温度を250℃とする。次いで、圧電体材料膜を第2の温度から室温に下げる。なお、ポーリング処理温度以外は第1の実施形態と同様の方法を用いる。
本実施形態によれば、第1の温度で圧電体材料膜にポーリング処理を行うため、基板の厚さを薄くしなくても、圧電体材料膜に圧電活性を十分に与えることができる。
また、本実施形態では、第1の温度から第2の温度(50℃以上で且つ第1の温度より低い温度等)まで圧電体材料膜の温度を下げながらポーリング処理を続けるため、基板の厚さを薄くしなくても、圧電体材料膜に圧電活性を十分に与えることができる。
なお、本実施形態では、圧電体材料膜にポーリング処理を続けながら圧電体材料膜を第2の温度まで下げているが、第1の温度でポーリング処理を行った後にポーリング処理を停止してもよいし、圧電体材料膜の温度を第2の温度から第1の温度に上げながらポーリング処理を行ってもよい。
図5は、本実施形態の温度で圧電体材料膜にポーリング処理を施すと基板の厚さが厚くてもポーリングされやすくなる理由を説明するための図である。
圧電体は、温度を上げていくに従ってヒステリシスが小さくなり、ヒステリシスが小さいと圧電性も小さくなる。圧電性が小さいということは、基板の厚さが厚くて基板上の圧電体材料膜が動きにくい状態であっても、圧電体材料膜が小さく動くだけでポーリングされるため、ポーリングされやすいことを意味している。なお、圧電体がキュリー温度Tcになるとヒステリシスが無くなる。
つまり、図5に示すように、ポーリング処理前の圧電体材料膜は、室温で分極無しの状態である。次に、圧電体材料膜を500℃まで加熱した状態で電界をかけてポーリング処理を行い、その後、ポーリング処理を続けながら250℃まで圧電体材料膜の温度を下げる。なお、圧電体材料膜は、キュリー温度Tc以上の時は分極無しの状態であり、キュリー温度Tc未満の時は分極有りの状態である。次に、ポーリング処理を停止し、圧電体材料膜の温度を室温まで下げる。室温においても圧電体材料膜は分極状態となる。
なお、本実施形態では、プラズマポーリング処理を用いているが、プラズマを用いることなく、本実施形態を実施してもよい。この場合もポーリング処理された圧電体等の特性を向上させることができる。なお、プラズマを用いないポーリング処理としては、例えば図19に示すポーリング処理がある。
(第4の実施形態)
<プラズマポーリング装置>
図6は、本発明の一態様に係るプラズマポーリング装置を模式的に示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
保持電極4は切り替えスイッチ8aを介して高周波電源6a及び接地電位に電気的に接続されており、切り替えスイッチ8aによって保持電極4には高周波電力又は接地電位が印加されるようになっている。また、ガスシャワー電極7は切り替えスイッチ8bを介して高周波電源6b及び接地電位に電気的に接続されており、切り替えスイッチ8bによってガスシャワー電極7には高周波電力又は接地電位が印加されるようになっている。なお、本実施形態では、高周波電源6a,6bを用いているが、他の電源、例えば直流電源又はマイクロ波電源を用いても良い。
また、プラズマポーリング装置は、切り替えスイッチ8a,8b、高周波電源6a,6b、プラズマ形成用ガスの供給機構3、排気ポンプなどを制御する制御部(図示せず)を有しており、この制御部は後述するポーリング処理を行うようにプラズマポーリング装置を制御するものである。
<ポーリング処理方法>
次に、上記プラズマポーリング装置を用いて被ポーリング基材にポーリング処理を行う方法について説明する。
[1]被ポーリング基材
まず、被ポーリング基材2を用意する。被ポーリング基材2は第1の実施形態と同様の基材を用いることができる。
[2]ポーリング処理
次に、第1の実施形態と同様に、ポーリングチャンバー1内の保持電極4上に被ポーリング基材2を保持する。
(1)第1の接続状態によって高周波電源6a,6b及び接地電位を保持電極4及びガスシャワー電極7に接続してポーリング処理を施す場合
第1の接続状態は、切り替えスイッチ8aによって高周波電源6aと保持電極4を接続し、切り替えスイッチ8bによって接地電位とガスシャワー電極7を接続した状態である。この状態によって被ポーリング基材2にポーリング処理を施す具体的な方法は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(2)第2の接続状態によって高周波電源6a,6b及び接地電位を保持電極4及びガスシャワー電極7に接続してポーリング処理を施す場合
第2の接続状態は、切り替えスイッチ8aによって接地電位と保持電極4を接続し、切り替えスイッチ8bによって高周波電源6bとガスシャワー電極7を接続した状態である。この状態によって被ポーリング基材2にポーリング処理を施す具体的な方法は以下のとおりである。
排気ポンプによってポーリングチャンバー1内を真空排気する。次いで、ガスシャワー電極7の供給口からシャワー状のArなどのプラズマ形成用ガスを、ポーリングチャンバー1内に導入して被ポーリング基材2の表面に供給する。この供給されたプラズマ形成用ガスは、保持電極4とアースシールド5との間を通ってポーリングチャンバー1の外側へ排気ポンプによって排気される。そして、プラズマ形成用ガスの供給量と排気のバランスにより、所定の圧力、プラズマ形成用ガス流量に制御することによりポーリングチャンバー1内をプラズマ形成用ガス雰囲気とし、高周波電源6bにより例えば380kHz、13.56MHzの高周波(RF)をガスシャワー電極7に印加し、プラズマを発生させることにより被ポーリング基材2にポーリング処理を行う。このポーリング処理は、圧力が0.01Pa〜大気圧で、電源が直流電源、高周波電源又はマイクロ波電源で、処理温度が被ポーリング基材2のキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)、被ポーリング基材2のヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度以上、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)で、プラズマを形成する際の直流電圧成分が±50V〜±2kVである条件で行うことが好ましい。次いで、ポーリング処理を所定時間行った後に、ガスシャワー電極7の供給口からのプラズマ形成用ガスの供給を停止し、ポーリング処理を終了する。
例えば被ポーリング基材2として強誘電体を有する基材を用いた場合、上記のようなポーリング処理を行うことで、強誘電体に圧電活性を与えることができ、圧電体を製造することができる。
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1乃至第4の実施形態は、互いに組み合わせて実施してもよく、例えば第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせてもよいし、第2の実施形態と第4の実施形態を組み合わせてもよいし、第3の実施形態と第4の実施形態を組み合わせてもよい。
(第5の実施形態)
図7は、本発明の一態様に係る成膜装置を模式的に示す平面図である。この成膜装置は、搬送機構を有する搬送室9、LL室10、プラズマポーリング装置を有するポーリング室11、CVD装置を有するCVD室12を有している。搬送室9、LL室10、ポーリング室11及びCVD12室それぞれは真空排気するための排気機構を有している。CVD装置は、例えばMOCVD装置、プラズマCVD装置を用いることができる。
LL室10に基板(図示せず)を導入し、その基板を搬送機構によって搬送室9を介してCVD室12に搬送する。次いで、CVD室12で基板上にCVD膜を成膜する。次いで、基板を搬送機構によってCVD室12からポーリング室11に搬送し、ポーリング室11で基板にポーリング処理を行う。ポーリング処理の方法は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの方法を用いる。次いで、基板を搬送機構によってポーリング室11からLL室10に搬送し、LL室10から基板を取り出す。
なお、本実施形態では、CVD装置を有するCVD室12を用いているが、CVD室12を、スパッタリング装置を有するスパッタリング室、蒸着装置を有する蒸着室に変更して実施してもよい。
(第6の実施の形態)
図8は、本発明の一態様に係る成膜装置を模式的に示す平面図である。この成膜装置は、LLユニット及び搬送機構を有する搬送室9、プラズマポーリング装置を有するポーリング室11、スピンコート装置を有するスピンコータ室13、ランプアニール(RTA:Rapid Thermal Anneal)装置を有するRTA室14を有している。搬送室9、ポーリング室11、スピンコータ室13及びRTA室14それぞれは真空排気するための排気機構を有している。
搬送室9のLLユニットに基板(図示せず)を導入し、その基板を搬送機構によってスピンコータ室13に搬送する。次に、このスピンコータ室13のスピンコート装置によって基板上に圧電体材料膜のような被ポーリング膜を成膜する。次いで、基板を搬送機構によってスピンコータ室13からRTA室14に搬送し、RTA室14のランプアニール装置によって基板上の圧電体材料膜に熱処理を施して結晶化する。次に、基板を搬送機構によってRTA室14からポーリング室11に搬送し、ポーリング室11で基板上の圧電体材料膜にポーリング処理を行う。ポーリング処理の方法は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの方法を用いる。次いで、基板を搬送機構によってポーリング室11からLLユニットに搬送し、LLユニットから基板を取り出す。
本実施の形態によれば、大気開放せずに連続してスピンコート、ランプアニール、ポーリングの処理を行うことができるため、膜質を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ランプアニール装置を用いているが、加圧式のランプアニール装置を用いてもよい。
(第7の実施の形態)
図9は、本発明の一態様に係るスパッタリング装置によってスパッタ成膜を行っている様子を示す断面図である。このスパッタリング装置はプラズマポーリング装置を有している。
図10は、図9に示すスパッタリング装置によってポーリング処理を行っている様子を示す断面図である。
まず、図9に示すように、保持電極17上に基板2を保持する。次いで、バルブ23を閉じ、バルブ24,25を開き、真空排気機構26によってチャンバー15内を真空排気し、スパッタガス供給源22によってチャンバー15内にスパッタガスを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、切り替えスイッチ27aによって保持電極17を接地電位に接続し、基板2に対向して配置されたスパッタリングターゲット(図示せず)を有する対向電極19を切り替えスイッチ27bによって高周波電源20に接続する。これにより、基板2に接地電位が印加され、スパッタリングターゲットに高周波電力が印加され、スパッタ粒子16aによって基板2上に圧電体材料膜のような被ポーリング膜が成膜される。
次に、図10に示すように、バルブ24を閉じ、バルブ23,25を開き、真空排気機構26によってチャンバー15内を真空排気し、ポーリングガス供給源21によってチャンバー15内にポーリングガスを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、切り替えスイッチ27aによって保持電極17を高周波電源18に接続し、対向電極19を切り替えスイッチ27bによって接地電位に接続する。これにより、基板2に高周波電力が印加され、対向電極19に接地電位が印加され、基板2上の被ポーリング膜にポーリング処理が行われる。ポーリング処理の方法は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの方法を用いる。
本実施の形態によれば、スパッタ成膜、ポーリング処理を大気開放せずに連続して行うことができるため、膜質を向上させることができる。
(第8の実施の形態)
図11は、本発明の一態様に係るスパッタリング装置によってスパッタ成膜及びポーリング処理を同時に行っている様子を示す断面図である。このスパッタリング装置はプラズマポーリング装置を有している。
図11に示すように、保持電極17上に基板2を保持する。次いで、バルブ23〜25を開き、真空排気機構26によってチャンバー15内を真空排気し、ポーリングガス供給源21及びスパッタガス供給源22によってチャンバー15内にポーリングガス及びスパッタガスを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、保持電極17を高周波電源18に接続し、基板2に対向して配置されたスパッタリングターゲット(図示せず)を有する対向電極19を高周波電源20に接続する。これにより、基板2に高周波電力が印加され、スパッタリングターゲットに高周波電力が印加され、スパッタ粒子16a及びポーリングガス16bによって基板2上にスパッタ膜が成膜されながら、そのスパッタ膜にポーリング処理が行われる。
(第9の実施の形態)
図12は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置によってCVD成膜を行っている様子を示す断面図である。このプラズマCVD装置はプラズマポーリング装置を有している。
図13は、図12に示すプラズマCVD装置によってポーリング処理を行っている様子を示す断面図である。
まず、図12に示すように、保持電極29上に基板2を保持する。次いで、バルブ23を閉じ、バルブ24,25を開き、真空排気機構26によってチャンバー28内を真空排気し、CVDガス供給源32によってチャンバー28内にCVDガスを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、切り替えスイッチ27cによって保持電極29をCVD用の高周波電源31に接続する。基板2に対向して配置された対向電極30は接地電位に接続されている。これにより、基板2にCVD用の高周波電力が印加され、対向電極30に接地電位が印加され、CVDガス16cによって基板2上に圧電体材料膜のような被ポーリング膜が成膜される。
次に、図13に示すように、バルブ24を閉じ、バルブ23,25を開き、真空排気機構26によってチャンバー28内を真空排気し、ポーリングガス供給源21によってチャンバー28内にポーリングガスを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、切り替えスイッチ27cによって保持電極29をポーリング用の高周波電源18に接続する。対向電極30は接地電位に接続されている。これにより、基板2に高周波電力が印加され、対向電極30に接地電位が印加され、基板2上の被ポーリング膜にポーリング処理が行われる。ポーリング処理の方法は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの方法を用いる。
本実施の形態によれば、CVD成膜、ポーリング処理を大気開放せずに連続して行うことができるため、膜質を向上させることができる。
(第10の実施の形態)
図14は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置によってCVD成膜及びポーリング処理を同時に行っている様子を示す断面図である。このプラズマCVD装置はプラズマポーリング装置を有している。
図14に示すように、保持電極29上に基板2を保持する。次いで、バルブ23〜25を開き、真空排気機構26によってチャンバー28内を真空排気し、ポーリングガス供給源21及びCVDガス供給源32によってチャンバー28内にポーリングガス16b及びCVDガス16cを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、CVD用の高周波電源31及びポーリング用の高周波電源18によって保持電極29にCVD用の高周波電力及びポーリング用の高周波電力を印加する。これにより、CVDガス16c及びポーリングガス16bによって基板2上にCVD膜が成膜されながら、そのCVD膜にポーリング処理が行われる。
(第11の実施の形態)
図15は、本発明の一態様に係る蒸着装置によって蒸着成膜を行っている様子を示す断面図である。この蒸着装置はプラズマポーリング装置を有している。
図16は、図15に示す蒸着装置によってポーリング処理を行っている様子を示す断面図である。
まず、図15に示すように、保持電極42上に基板2を保持する。次いで、バルブ23を閉じ、バルブ25を開き、真空排気機構26によってチャンバー41内を真空排気し、所望の圧力となるように制御する。
次に、蒸着源43によって基板2の表面に蒸着材料16dを供給する。これにより、基板2上に圧電体材料膜のような被ポーリング膜が成膜される。
次に、図16に示すように、バルブ23,25を開き、真空排気機構26によってチャンバー41内を真空排気し、ポーリングガス供給源21によってチャンバー41内にポーリングガス16bを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、切り替えスイッチ27dによって保持電極42を高周波電源18に接続する。これにより、基板2に高周波電力が印加され、基板2上の被ポーリング膜にポーリング処理が行われる。ポーリング処理の方法は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの方法を用いる。
本実施の形態によれば、蒸着成膜、ポーリング処理を大気開放せずに連続して行うことができるため、膜質を向上させることができる。
(第12の実施の形態)
図17は、本発明の一態様に係る蒸着装置によって蒸着成膜及びポーリング処理を同時に行っている様子を示す断面図である。この蒸着装置はプラズマポーリング装置を有している。
図17に示すように、保持電極42上に基板2を保持する。次いで、バルブ23,25を開き、真空排気機構26によってチャンバー41内を真空排気し、ポーリングガス供給源21によってチャンバー41内にポーリングガス16bを供給し、所望の圧力となるように制御する。
次に、高周波電源18によって保持電極42にポーリング用の高周波電力を印加するとともに、蒸着源43によって基板2の表面に蒸着材料16dを供給する。これにより、基板2上に圧電体材料膜が蒸着成膜されながら、その圧電体材料膜にポーリング処理が行われる。
(第13の実施の形態)
本発明の一態様によるエッチング装置は、第1乃至4の実施形態で説明したいずれかのプラズマポーリング装置を有している。エッチング装置は例えばプラズマエッチング装置を用いることができる。
例えば成膜装置によって基板上に圧電体材料膜のような被ポーリング膜を成膜し、その被ポーリング膜をエッチング装置によって加工した後に、その加工後の被ポーリング膜にプラズマポーリング装置によってポーリング処理を行うことができる。例えば、被ポーリング膜にプラズマエッチングすることでキャパシタを形成した後に、キャパシタにポーリング処理を行うという工程を実施しても良い。
(第14の実施の形態)
<プラズマポーリング装置>
図18は、本発明の一態様に係る加圧式ランプアニール装置を模式的に示す断面図である。この加圧式ランプアニール装置はプラズマポーリング装置を備えている。加圧式ランプアニール装置は、加圧した状態でランプアニール処理(RTA:Rapid Thermal Anneal)を行い、ポーリング処理を行うための装置である。
RTA装置は加圧用のチャンバー101を有しており、チャンバー101は図示せぬ冷却機構によって水冷されるように構成されている。チャンバー101内の下方には被ポーリング基材102を保持する保持電極104が配置されている。被ポーリング基材102の詳細は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
保持電極104は高周波電源6に電気的に接続されており、保持電極104はRF印加電極としても作用する。保持電極104の周囲及び下部はアースシールド105によってシールドされている。なお、本実施形態では、高周波電源6を用いているが、他の電源、例えば直流電源又はマイクロ波電源を用いても良い。
チャンバー101内の上方には、保持電極104に対向して平行の位置にガスシャワー電極(対向電極)107が配置されている。これらは一対の平行平板型電極である。ガスシャワー電極は接地電位に接続されている。なお、本実施形態では、保持電極104に電源を接続し、ガスシャワー電極に接地電位を接続しているが、保持電極104に接地電位を接続し、ガスシャワー電極に電源を接続しても良い。
ガスシャワー電極107の下面には、被ポーリング基材102の表面側(ガスシャワー電極107と保持電極104との間の空間)にシャワー状のプラズマ形成用ガスを供給する複数の供給口(図示せず)が形成されている。プラズマ形成用ガスとしては、例えばAr、He、N、O、F、C、エアーなどを用いることができる。
ガスシャワー電極107の内部にはガス導入経路(図示せず)が設けられている。このガス導入経路の一方側は上記供給口に繋げられており、ガス導入経路の他方側はプラズマ形成用ガスの供給機構103に接続されている。また、チャンバー101には、チャンバー101の内部を真空排気する排気口が設けられている。この排気口は排気ポンプ(図示せず)に接続されている。
チャンバー101内の上方には、保持電極104に対向してランプヒータ108が配置されている。本装置は、ランプヒータ108の熱を排気する排気ダクト(図示せず)を有している。
チャンバー101は加圧ライン(加圧機構)112に接続されている。加圧ライン112は、アルゴンガスによる加圧ライン、酸素ガスによる加圧ライン及び窒素ガスによる加圧ラインを有している。
アルゴンガスによる加圧ラインはアルゴンガス供給源113を備え、このアルゴンガス供給源113は第1配管を介して逆止弁114に接続されており、この逆止弁114は第2配管を介して不純物を除去するためのフィルタ117に接続されている。このフィルタ117は第3配管を介してバルブ123に接続されており、第3配管は圧力計120に接続されている。バルブ123は第4配管を介してレギュレータ126に接続されており、このレギュレータ126は第5配管を介してマスフローコントローラ131に接続されている。レギュレータ126は、ガスの圧力を徐々に上げることによりマスフローコントローラ131の上流側と下流側の差圧を所定圧に設定するものである。マスフローコントローラ131は第6配管を介してバルブ134に接続されており、このバルブ134は第7配管を介して加熱ユニット137に接続されている。加熱ユニット137は、プロセスを安定させるためにガス温度を一定(例えば40〜50℃程度)にするものである。加熱ユニット137は第8配管151を介してチャンバー101に接続されている。
酸素ガスによる加圧ラインは、アルゴンガスによる加圧ラインと同様に構成されている。詳細には、酸素ガスによる加圧ラインは酸素ガス供給源129を備え、この酸素ガス供給源129は第1配管を介して逆止弁115に接続されており、この逆止弁115は第2配管を介して不純物を除去するためのフィルタ118に接続されている。このフィルタ118は第3配管を介してバルブ124に接続されており、第3配管は圧力計121に接続されている。バルブ124は第4配管を介してレギュレータ127に接続されており、このレギュレータ127は第5配管を介してマスフローコントローラ132に接続されている。マスフローコントローラ132は第6配管を介してバルブ135に接続されており、このバルブ135は第7配管を介して加熱ユニット137に接続されている。加熱ユニット137は第8配管151を介してチャンバー101に接続されている。
窒素ガスによる加圧ラインは、アルゴンガスによる加圧ラインと同様に構成されている。詳細には、窒素ガスによる加圧ラインは窒素ガス供給源138を備え、この窒素ガス供給源138は第1配管を介して逆止弁116に接続されており、この逆止弁116は第2配管を介して不純物を除去するためのフィルタ119に接続されている。このフィルタ119は第3配管を介してバルブ125に接続されており、第3配管は圧力計122に接続されている。バルブ125は第4配管を介してレギュレータ128に接続されており、このレギュレータ128は第5配管を介してマスフローコントローラ133に接続されている。マスフローコントローラ133は第6配管を介してバルブ136に接続されており、このバルブ136は第7配管を介して加熱ユニット137に接続されている。加熱ユニット137は第8配管151を介してチャンバー101に接続されている。
また、チャンバー101は圧力調整ラインに接続されている。この圧力調整ライン及び前記加圧ライン112によってチャンバー101内を所定の圧力(例えば1MPa未満)に加圧できるようになっている。前記圧力調整ラインは可変バルブ139を備えており、この可変バルブ139の一方側は第9配管152を介してチャンバーに接続されている。第9配管152は圧力計140に接続されており、この圧力計140によってチャンバー101内の圧力を測定できるようになっている。可変バルブ139の他方側は第10配管に接続されている。
また、チャンバー101は安全ラインに接続されている。この安全ラインは、チャンバー101内が異常に加圧され過ぎてある一定の圧力以上になった時にチャンバー内を大気圧まで下げるためのものである。安全ラインは開放バルブ141を備えている。この開放バルブ141の一方側は第9配管152を介してチャンバー101に接続されており、開放バルブ141の他方側は第10配管に接続されている。開放バルブ141はある一定の圧力がかかるとガス流れるようになっている。
また、チャンバー101は大気開放ラインに接続されている。この大気開放ラインは、正常に加圧されたチャンバー101内を大気圧に戻すものである。大気開放ラインは開放バルブ142を備えている。この開放バルブ142の一方側は第9配管152を介してチャンバー101に接続されており、開放バルブ142の他方側は第10配管に接続されている。開放バルブ142は、チャンバー101内を大気圧に戻すために該チャンバー101内のガスを徐々に流すようになっている。
また、チャンバー101は減圧状態から大気圧に戻すラインに接続されている。このラインは、チャンバー101内が減圧状態(真空状態)となっている場合に、減圧状態から大気圧に戻すものである。前記ラインはリークバルブ143を備えている。このリークバルブ143の一方側は第9配管152を介してチャンバー101内に接続されており、リークバルブ143の他方側は第11配管を介して逆止弁144に接続されている。この逆止弁144は第12配管を介して窒素ガス供給源145に接続されている。つまり、前記ラインは、窒素ガス供給源145から逆止弁144、リークバルブ143を介してチャンバー101内に窒素ガスを徐々に導入することによりチャンバー101内を大気圧に戻すようになっている。
また、チャンバー101は、そのチャンバー内を減圧状態にするための真空排気ラインに接続されている。この真空排気ラインはバルブ169を有しており、このバルブ169の一端は配管を介してチャンバー101内に接続されている。バルブ169の他端は配管を介して真空ポンプ170に接続されている。この真空排気ラインは、例えば加圧RTAを行う前に一度真空排気を行う場合などに使用される。
また、加圧式ランプアニール装置は、高周波電源6、プラズマ形成用ガスの供給機構103、ランプヒータ108、加圧ライン112、排気ポンプなどを制御する制御部(図示せず)を有しており、この制御部は後述するRTA処理及び第1の実施形態と同様のポーリング処理を行うように加圧式ランプアニール装置を制御するものである。
また、加圧式ランプアニール装置は、ポーリング処理を行う際のポーリング基材102を様々な温度に制御する温度制御機構を有していてもよい。
次に、上記の加圧式ランプアニール装置の動作について説明する。この動作の一例として、上記加圧式ランプアニール装置を用いて有機金属材料の一例であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)強誘電体キャパシタを作製する方法について説明する。
まず、6インチのシリコンウエハ上に熱酸化法によりシリコン酸化膜(SiO膜)を形成し、このシリコン酸化膜上に下部電極を形成する。次いで、この下部電極上にゾルゲル法によりPZT膜を塗布する。このようにして被ポーリング基材102を準備する。
この後、上記加圧式ランプアニール装置を用いて酸素雰囲気中で600℃、1分間のRTA処理を行う。以下、詳細に説明する。
被ポーリング基材102をチャンバー101内に導入し、この被ポーリング基材102を保持電極104上に保持する。次いで、加圧ライン112の酸素ガス供給源129から第1配管、逆止弁115、第2配管、フィルタ118、第3配管、バルブ124、第4配管、レギュレータ127、第5配管、マスフローコントローラ132、第6配管、バルブ135、第7配管、加熱ユニット137、第8配管151を通して酸素ガスをチャンバー101内に導入する。これと共に、圧力調整ラインの可変バルブ139を徐々に閉じていくことにより、チャンバー101内を酸素雰囲気としながら徐々に加圧する。そして、チャンバー101内は1MPa未満の所定の圧力まで加圧され、その圧力で維持される。
次に、ランプヒータ108からランプ光を被ポーリング基材102のPZT膜に照射する。これにより、PZT膜が結晶化温度(例えば600℃)まで急速に加熱され、結晶化温度で1分間保持される。その結果、PZTと酸素が素早く反応され、PZT膜が結晶化される。
次いで、結晶化されたPZT膜に第1〜第4の実施形態のいずれかと同様の方法でポーリング処理を施す。
例えば、加圧ライン112の酸素供給源からの酸素の供給を停止し、排気ポンプによってチャンバー101内を真空排気する。次いで、ガスシャワー電極107の供給口からシャワー状のArなどのプラズマ形成用ガスを、チャンバー101内に導入してPZT膜の表面に供給する。この供給されたプラズマ形成用ガスは、保持電極4とアースシールド5との間を通ってチャンバー101の外側へ排気ポンプによって排気される。そして、プラズマ形成用ガスの供給量と排気のバランスにより、所定の圧力、プラズマ形成用ガス流量に制御することによりチャンバー1内をプラズマ形成用ガス雰囲気とし、高周波電源6により例えば380kHz、13.56MHzの高周波(RF)を印加し、プラズマを発生させることによりPZT膜にポーリング処理を行う。このポーリング処理は、圧力が0.01Pa〜大気圧で、電源が直流電源、高周波電源又はマイクロ波電源で、処理温度がPZT膜のキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)、または、PZT膜のヒステリシス曲線の残留分極値Pr(μC/cm)が0%となる温度以上、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)で、
プラズマを形成する際の直流電圧成分が±50V〜±2kVである条件で行うことが好ましい。次いで、ポーリング処理を所定時間行った後に、ガスシャワー電極107の供給口からのプラズマ形成用ガスの供給を停止し、ポーリング処理を終了する。
本実施形態によれば、ランプヒータ108によってランプ光を照射することでPZT膜を結晶化温度に加熱して結晶化させた後に、PZT膜の温度を室温まで下げることなく、連続して、被ポーリング基材102のPZT膜に対向する位置にプラズマを形成してPZT膜に結晶化温度より低く且つキュリー温度以上の温度等でポーリング処理を行う。従って、結晶化処理とポーリング処理を効率良く実施できる。
なお、本実施形態を以下のように変更して実施してもよい。
ランプヒータによってランプ光を照射することでPZT膜を結晶化温度に加熱しながらPZT膜に対向する位置にプラズマを形成することにより、PZT膜を結晶化させながらPZT膜にポーリング処理を行ってもよい。
また、本実施形態は、第1乃至第6の実施形態と組み合わせて実施してもよい。例えば、PZT膜のキュリー温度以上(好ましくはキュリー温度より50℃高い温度以上)、または、PZT膜のヒステリシス曲線の残留分極値Pr(μC/cm)が0%となる温度以上、または100℃以上(好ましくは150℃以上、より好ましくは250℃以上)の第1の温度から第2の温度に下げながらポーリング処理を行ってもよい。第2の温度は、PZT膜の室温でのヒステリシス曲線の残留分極値に対して50%となる残留分極値を示す温度以上で且つ第1の温度より低い温度であってもよいし、50℃以上で且つ第1の温度より低い温度であってもよいし、100℃以上で且つ第1の温度より低い温度であってもよい。
25重量%Pb15%過剰ゾルゲルPZT溶液(Pb/Zr/Ti=115/52/48)を用いてスピンコートを行った。これにより、ウエハ上にPZT溶液を塗布した。一回当たり塗布量は500μLとし、スピン条件は以下の条件を用いてPZT厚膜塗布を行った。
(スピン条件)
0〜300rpmまで3秒で上昇、3秒保持
300〜500rpmまで5秒で上昇、5秒保持
500〜1500rpmまで5秒で上昇、90秒保持
塗布毎に、乾燥(水分除去)工程として250℃に加熱したホットプレート上で30秒保持し、水分除去を行った。次に、仮焼成工程としてロータリポンプで真空引きを行い、到達真空度は10‐1 Pa とした。次にN2を大気圧まで満たし、450℃、90秒間加熱して有機分の分解除去を行った。
上記の塗布、乾燥、仮焼成を3、6、9、12、15回繰り返し、焼結炉で酸素雰囲気下で、700℃、5分間の結晶化処理を行い、それぞれ全膜厚1、2、3、4、5umのPZT厚膜を作製した。
上記のゾルゲル法で作成したPZT厚膜に対して、図1に示すプラズマポーリング装置を用い、分極処理を行った。
電源は、380kHzおよび13.56MHzのRF電源を使用した。PZTの膜厚で処理条件は変化するが、圧力1〜30Pa、RF出力70〜700w、Arガス15〜30sccm、温度は25℃、処理時間1〜5分の条件で処理を行う。基本的にはRF電源のVdcモニターを参考に、膜厚1μmに対しVdc=50vの条件で処理を行った。つまり、膜厚1、2、3、4、5μmの場合で、それぞれ、Vdc=50、100、150、200、250Vであった。時間は全て1分間行った。
その結果、分極処理前の圧電特性d33は、それぞれ市販のd33メーターで測定したところ、d33=14、23、14、8、13pm/Vであった数値が、分極処理後は、d33=450、420、350、440、400pm/Vと格段に向上した。従って、PZT厚膜に対向する位置にプラズマを形成することにより、PZT厚膜にポーリング処理を行うことで、圧電特性が格段に向上することを確認した。
1…ポーリングチャンバー
2…被ポーリング基材,基板
3…プラズマ形成用ガスの供給機構
4…保持電極
5…アースシールド
6,6a,6b…高周波電源
7…ガスシャワー電極(対向電極)
8a,8b…切り替えスイッチ
9…搬送室
10…LL室
11…ポーリング室
12…CVD室
13…スピンコータ室
14…RTA室
15,28,41…チャンバー
16a…スパッタガス
16b…ポーリングガス
16c…CVDガス
16d…蒸着材料
17,29,42…保持電極
18…ポーリング用の高周波電源
19,30…対向電極
20…スパッタ用の高周波電源
21…ポーリングガス供給源
22…スパッタガス供給源
23〜25…バルブ
26…真空排気機構
27a〜27d…切り替えスイッチ
28…チャンバー
31…CVD用の高周波電源
32…CVDガス供給源
33…結晶
35…1対の電極
36…オイル
37…オイルバス
38…ヒーター
39…高圧電源
40…リード線
43…蒸着源
51…残留分極値Prが100%となるヒステリシス曲線
52…残留分極値Prが50%となるヒステリシス曲線
101…チャンバー
102…被ポーリング基材,基板
103…プラズマ形成用ガスの供給機構
104…保持電極
105…アースシールド
107…ガスシャワー電極(対向電極)
108…ランプヒータ
112…加圧ライン
113…アルゴンガス供給源
114〜116,144…逆止弁
117〜119…フィルタ
120〜122…圧力計
123〜125…バルブ
126〜128…レギュレータ
129…酸素ガス供給源
131〜133…マスフローコントローラ
134〜136…バルブ
137…加熱ユニット
138…窒素ガス供給源
139…可変バルブ
140…圧力計
141,142…開放バルブ
143…リークバルブ
145…窒素ガス供給源
151…第8配管
152…第9配管
169…バルブ
170…真空ポンプ

Claims (14)

  1. チャンバーと、
    前記チャンバー内に配置され、誘電体材料膜、絶縁体材料膜、圧電体材料膜、焦電体材料膜及び強誘電体材料膜のいずれかの膜を有する被ポーリング基材が保持される保持電極と、
    前記チャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
    前記被ポーリング基材にランプ光を照射するランプヒータと、
    前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
    前記対向電極と前記保持電極との間の空間に 、F 、C 及びC の群から選ばれた1種以上のプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
    前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱しながら前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記いずれかの膜を結晶化させながら前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記電源及び前記ガス供給機構を制御することを特徴とするランプアニール装置。
  2. チャンバーと、
    前記チャンバー内に配置され、誘電体材料膜、絶縁体材料膜、圧電体材料膜、焦電体材料膜及び強誘電体材料膜のいずれかの膜を有する被ポーリング基材が保持される保持電極と、
    前記チャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記被ポーリング基材に対向して配置された対向電極と、
    前記被ポーリング基材にランプ光を照射するランプヒータと、
    前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
    前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
    前記対向電極と前記保持電極との間の空間に 、F 、C 及びC の群から選ばれた1種以上のプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
    前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源及び前記ガス供給機構を制御する制御部と、
    を具備し、
    前記第1の切り替えスイッチは、前記保持電極と前記第1の電源を電気的に接続する第1の状態から前記保持電極と前記接地電位を電気的に接続する第2の状態に切り替えるスイッチであり、
    前記第2の切り替えスイッチは、前記対向電極と前記接地電位を電気的に接続する第3の状態から前記対向電極と前記第2の電源を電気的に接続する第4の状態に切り替えるスイッチであり、
    前記制御部は、前記ランプヒータによってランプ光を照射することで前記被ポーリング基材を結晶化温度に加熱しながら、前記第1の状態及び前記第3の状態または前記第2の状態及び前記第4の状態において前記被ポーリング基材に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記いずれかの膜を結晶化させながら前記被ポーリング基材にポーリング処理を行うように、前記ランプヒータ、前記第1の電源、前記第2の電源、及び前記ガス供給機構を制御することを特徴とするランプアニール装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記被ポーリング基材は、SEMI規格より厚さが薄いシリコンウエハまたは厚さ400μm以下のシリコンウエハ上に前記いずれかの膜を形成したものであることを特徴とするランプアニール装置。
  4. 請求項1または2において、
    前記被ポーリング基材は、金属基材、耐酸化性を有する金属基材、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有する金属基材、鉄系基材、及び、Ni系基材のいずれかの基材上に前記いずれかの膜を形成したものであることを特徴とするランプアニール装置。
  5. 請求項1または2おいて、
    前記被ポーリング基材は、ガラス基材、耐酸化性を有するガラス基材、及び、前記被ポーリング基材のキュリー温度又はヒステリシス曲線の残留分極値が0%となる温度に対して耐熱性を有するガラス基材のいずれかの基材上に前記いずれかの膜を形成したものであることを特徴とするランプアニール装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項において、
    前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電力を供給して直流プラズマを形成する際の直流電圧または高周波プラズマを形成する際の直流電圧成分が±50V〜±2kVであることを特徴とするランプアニール装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項において、
    前記ポーリング処理を行う際の前記チャンバー内の圧力を0.01Pa〜大気圧に制御する圧力制御機構を具備することを特徴とするランプアニール装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項において、
    前記チャンバー内を加圧する加圧機構をさらに具備することを特徴とするランプアニール装置。
  9. 請求項において、
    前記加圧機構は、前記チャンバー内に加圧されたガスを導入するガス導入機構と、前記チャンバー内のガスを排気するガス排気機構とを有することを特徴とするランプアニール装置。
  10. 基板上に圧電体材料膜を形成し、
    前記圧電体材料膜にランプヒータによってランプ光を照射することで前記圧電体材料膜を結晶化温度に加熱しながら、前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成することにより、前記圧電体材料膜を結晶化させながら前記圧電体材料膜にポーリング処理を行う圧電体の製造方法であり、
    前記圧電体材料膜に対向する位置にプラズマを形成する際のプラズマ形成用ガスは、H 、F 、C 及びC の群から選ばれた1種以上のガスであることを特徴とする圧電体の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記基板上に圧電体材料膜を形成する前に、前記基板の裏面を研削して前記基板の厚さを薄くすることを特徴とする圧電体の製造方法。
  12. 請求項11において、
    前記基板の厚さを薄くした際の当該基板の厚さは400μm以下であることを特徴とする圧電体の製造方法。
  13. 請求項11または12において、
    前記ポーリング処理を、プラズマポーリング装置を用いて行う圧電体の製造方法であって、
    前記プラズマポーリング装置は、
    ポーリングチャンバーと、
    前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記基板が保持される保持電極と、
    前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記基板に対向して配置された対向電極と、
    前記保持電極および前記対向電極の一方の電極に電気的に接続される電源と、
    前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
    前記保持電極に保持された前記基板の温度を制御する温度制御機構と、
    を具備することを特徴とする圧電体の製造方法。
  14. 請求項11または12において、
    前記ポーリング処理を、プラズマポーリング装置を用いて行う圧電体の製造方法であって、
    前記プラズマポーリング装置は、
    ポーリングチャンバーと、
    前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記基板が保持される保持電極と、
    前記ポーリングチャンバー内に配置され、前記保持電極に保持された前記基板に対向して配置された対向電極と、
    前記保持電極に第1の切り替えスイッチを介して接続された第1の電源及び接地電位と、
    前記対向電極に第2の切り替えスイッチを介して接続された第2の電源及び前記接地電位と、
    前記対向電極と前記保持電極との間の空間にプラズマ形成用ガスを供給するガス供給機構と、
    前記保持電極に保持された前記基板の温度を制御する温度制御機構と、
    を具備することを特徴とする圧電体の製造方法。
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