以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、異なる点のみ説明する。よって同一の符号を付した構成については、特段変更等の説明がない限り、適宜その説明を省略する。
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器である画像形成装置の一例であるスキャナ、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能を兼ね備えた複合機の内部構成を、概略的に示す構造図である。なお、画像形成装置は、複合機に限られず、コピー機、プリンタ、ファクシミリ機等であってもよい。また、電子機器は、画像形成装置に限らない。電子機器は、家庭用電子機器か、業務用電子機器等の種々の電子機器であってもよい。
この複合機1は、本体2と、スタックトレイ3と、原稿読取部5と、原稿給送部6とを備えている。スタックトレイ3は、例えば本体2の左方に配設される。原稿読取部5は、例えば本体2の上部分に配設される。原稿給送部6は、例えば原稿読取部5の上方に配設される。
複合機1のフロント部分には、操作パネル部47が設けられている。操作パネル部47は、例えばフロント部分の形状に対応して略長方形の形状をしている。操作パネル部47は、表示部473と、操作キー部476とを備えている。表示部473は、例えばタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等である。複合機1は、例えばサブ基板300(図3)にのみ電力が供給される省電力モードと、通常のスキャナ、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能を実行可能な通常動作を行う通常モードとを備えている。操作キー部476は、この省電力モードから通常モードへ復帰するための電源スイッチ(指示受付部)410や、例えばユーザーが画像形成指示を入力するためのスタートキーや、印刷部数等を入力するためのテンキー等の各種キースイッチを有している。電源スイッチ410は、ユーザが押下することで、メインCPU110(図2)を動作させる動作指示をユーザから受け付ける。電源スイッチ410によって前記動作指示が受け付けられたとき、サブCPU330(図3)は、メインCPU110が存在するメインコントローラ基板100に対して、メインCPU110が動作するための電源電圧の供給を開始する。すなわち、メインCPU110に電力の供給がされるようになり、複合機1は、それによって通常のスキャナ、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能を実行可能な通常動作が可能となり、省電力モードから通常モードへ復帰する。
なお、複合機1全体の電源をオン(電力供給)またはオフ(電力供給遮断)するメインスイッチSWが、例えば原稿読取部5の側部分に配設されている。メインスイッチSWは、例えばロッカースイッチやプッシュスイッチ等の押しボタンスイッチである。以下では、ロッカースイッチを例に説明を行う。具体的にはメインスイッチSWがユーザーによってオンされると、例えばメインCPU110を含め複合機1全体を起動するために、サブCPU330を有するサブ基板300(図3)に対してまず電力供給が開始され、メインスイッチSWがユーザーによってオフされると、複合機1全体への給電が遮断される。なお、メインスイッチSWは必ずしも必要ではなく、例えばユーザが複合機1の不図示の電源プラグをコンセントに差し込むなどして、装置が商用電源に接続されることで装置全体の電力が供給されるものであってもよい。
原稿読取部5は、スキャナ部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53とを備える。スキャナ部51は、CCD(Charge Coupled Device)512(図2参照)及び露光ランプ511(図2参照)等を含む。スキャナ部51は、不図示の駆動部によって移動可能に構成される。例えば、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、スキャナ部51は、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データをメインCPU110へ出力する。また、例えば原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、スキャナ部51は、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データをメインCPU110へ出力する。
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿搬送機構63とを備える。原稿搬送機構63は、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出する。
本体2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラー462と、給紙カセット461から搬出されてきた用紙に画像を形成する画像形成部40とを備える。
画像形成部40は、用紙搬送部411、光走査装置42、感光体ドラム43、現像部44、転写部41、及び定着部45を備えている。
用紙搬送部411は、画像形成部40内の用紙搬送路中に設けられ、給紙ローラー462によって搬送されてきた用紙を感光体ドラム43に供給する搬送ローラー412や、用紙をスタックトレイ3又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラー463,464等を有している。
光走査装置42は、メインCPU110から出力された画像データに基づきレーザー光等を出力して感光体ドラム43を露光することで、感光体ドラム43上に静電潜像を形成する。現像部44は、感光体ドラム43上の静電潜像をトナー現像してトナー像を形成する。転写部41は、感光体ドラム43上のトナー像を用紙に転写する。
定着部45は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる。定着部45は、用紙に形成されたトナー像を溶融するための熱ローラー452と、この熱ローラー452との間で用紙を圧接しつつ搬送する圧ローラー451とを含む。
図2は、図1に示す複合機1の電気的構成、主にメインCPU110と、画像形成部40、原稿読取部5、操作パネル部47、及びメインスイッチSWの構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、図2において新たに記載された構成について説明する。
定着部45は、上記圧ローラー451と、上記熱ローラー452と、ヒーター453とを含む。ヒーター453は、熱ローラー452の内部に配設されている。ヒーター453は、熱ローラー452を加熱することによって、熱ローラー452と圧ローラー451とでニップされた用紙を加熱する。
通信部600は、例えば一般公衆回線、またはLAN(Local Area Network)等を介して、複合機1の外部と電気通信を行うために使用される。通信部600は、例えば外部の端末等からのプリント指示を受け付けるために、または外部の端末等に対してスキャンしたデータを送信するために使用される。通信部600がモデムの場合にはFAXデータを送受信するために使用される。
メインCPU(第1制御部)110は、装置全体の制御を司る。また、メインCPU110に電力が供給されると、メインCPU110は、複合機1全体すなわち複合機1に含まれる上で述べた各部(指示受付部、原稿載置部61、原稿排出部62を除く)に対してシステムリセットを行わせるシステムリセット信号(起動信号)を出力し、上記各部はシステムリセットされる。システムリセットにより、各部は初期化や起動動作(以下、起動には再起動を含む)などを行う。メインCPUについては、次の図3を使用した説明の中で詳説する。
以下では、指示受付部、原稿載置部61、原稿排出部62を除いた上記各部のことを、各機能部とも呼ぶ。すなわち、各機能部とは、指示受付部、原稿載置部61、原稿排出部62を除く、上述の原稿読取部5、原稿給送部6、操作パネル部47、画像形成部40、定着部45、通信部600など、複合機1のスキャナ、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能を実現するために複合機1に備えられた機能部の各々のことを言う。なお、各機能部の各機能とは、例えば画像形成部40であれば上で述べたように用紙に画像を形成するという機能であり、それら機能部が実現する各々の機能のことである。
図3は、図1に示す複合機1の電源制御と起動制御に関わる構成を主に示すブロック図である。図3を使用して、メインCPU110、サブCPU330および各機能部について、それらの構成およびリセット動作、電力供給動作および電力供給遮断動作について説明する。
図3に示すように、複合機1は、更にメインコントローラ基板100と、低圧電源基板(第2電源部)210と、サブ基板300とを更に含む。低圧電源基板210は、電圧がVacである交流の商用電源が入力されて、直流の電圧Vdc(以下、電源電圧Vdcと呼ぶ)に変換された電力(以下、低圧電力と呼ぶ)を、サブ基板300に向けて出力する。サブ基板300は、低圧電源基板210から上記低圧電力が入力され、電源電圧Vdcから動作用電源電圧Vopに電圧変換された直流の電力(以下、動作用電力と呼ぶ)を生成する。そしてサブ基板300は、自らも動作用電力を消費する一方、メインコントローラ基板100に向けて当該動作用電力を出力する。メインコントローラ基板100は、サブ基板300から動作用電力が入力され、自らも動作用電力を消費する一方、各機能部に対して当該動作用電力を配電する。また、メインコントローラ基板100からは、サブ基板300および各機能部に対して、システムリセット信号が出力される。
メインコントローラ基板100は、主制御部たるメインCPU110が備えられた、装置全体の制御を司る回路基板である。メインコントローラ基板100は、他にもメインCPU110用の冷却機構やロジック回路、メモリ等を備えているが、図3では図示は省略している。
メインCPU110は、動作用電源電圧Vopが供給された場合に動作可能となり、動作用電源電圧Vopが供給されない状態において動作用電源電圧Vopの供給が開始されたとき、システムリセット信号を出力する。なお具体的には、当該パワーオンが生じた場合には、メインCPU110はまず当該パワーオンによりリセットされ(パワーオンリセット)、メインCPU110は初期化してから起動し、各機能部に対してシステムリセット信号を出力する。メインCPU110は、このパワーオンリセット機能を有するパワーオンリセット機能部111を有している。なお、メインCPU110が内部にパワーオンリセット機能部111を有していない場合は、メインCPU110のパワーオンリセットは、外部の所謂リセットIC等からのリセットによるものであってもよい。
システムリセット信号は、サブCPU330および各機能部に初期化を行わせてその後に起動動作などを行わせるために、メインCPU110が出力する。本実施形態では、システムリセット信号は、例えば、High状態からLow状態へと変わり、その後にLow状態からHigh状態へと変わる信号である。例えばシステムリセット信号がLow状態であるときに、サブCPU330および各機能部に初期化を行わせ、例えばシステムリセット信号がLow状態からHigh状態へ変わったときに、サブCPU330および各機能部に起動動作を行わせる。よって起動信号は、具体的にはシステムリセット信号がLow状態からHigh状態へと変わる部分の信号のことと捉えられてもよい。以下の説明において、システムリセット信号を出力することは、起動信号を出力することを意味している。このように、サブCPU330および各機能部がシステムリセットすることは、サブCPU330および各機能部が、システムリセット信号を受けて、初期化を行ってから起動動作を行うことである。なお、パワーオンリセットとは、メインCPU110またはサブCPU330が、パワーオンにより、初期化を行い、起動動作を行うことである。
以下においては、システムリセットまたはパワーオンリセットにより、メインCPU110、サブCPU330および各機能部が、初期化を行ってから起動動作を行うことを、単に起動すると呼ぶ。
低圧電源基板210は、交直流変換および電圧変換を行う基板である。低圧電源基板210は、上述のように交流の商用電源の入力を受けて、電源電圧Vdcに変換された直流の低圧電力を生成して出力する。電源電圧Vdcとは、例えば+24Vなどである。以下ではこの値を例に説明を行う。低圧電源基板210には、上記メインスイッチSWが備えられている。
また、低圧電源基板210には、安定した直流の電力の供給のため、直流出力側に直流側平滑用コンデンサが備えられている。低圧電源基板210のメインスイッチSWの商用電源から見た下流側には、交流電圧Vacを整流する回路である整流回路と、整流回路で整流された電圧を平滑化する平滑化回路とが存在し、平滑化回路には交流側平滑用コンデンサがさらに設けられている。メインスイッチSWがオンされて電力供給が開始されると、交流側平滑用コンデンサおよび直流側平滑用コンデンサが充電される。そのため低圧電源基板210は、メインスイッチSWがオフされて複合機1への給電が遮断されたとき、交流側平滑用コンデンサおよび直流側平滑用コンデンサに充電された電荷に基づき、ある程度の時間(例えば10m秒から100m秒程度の時間)をかけて、電源電圧Vdcを低下させる。
サブ基板300は、サブCPU(第2制御部)330が備えられた、メインコントローラ基板100への上記動作用電力(動作用電源電圧Vop)の供給を制御する回路基板である。サブ基板300は、サブCPU330の他に、DC/DCコンバータ(第1電源部)310、遮断回路320、電源状態記憶部340を備えている。
DC/DCコンバータ310は、低圧電源基板210が生成する電源電圧Vdcである低圧電力から、動作用電源電圧Vopである動作用電力を生成する。DC/DCコンバータ310は、例えば、+24Vの電源電圧Vdcの入力を受けて、+3.3V等の動作用電源電圧Vopへと変換して出力する。以下ではこの値を例に説明を行う。
なお、DC/DCコンバータ310は、+24V〜+8Vの入力電圧であれば、ほぼ固定的に+3.3Vの動作用電源電圧Vopへと変換することができる。すなわち、DC/DCコンバータ310は、+8Vまで入力電圧が低下しても+3.3Vの動作用電源電圧Vopを生成することができる。よって、メインスイッチSWにより電力供給が遮断されて電源電圧Vdcが+24Vから低下しても、電源電圧Vdcが+8Vまで低下するまでは、DC/DCコンバータ310は+3.3Vの動作用電源電圧Vopを生成することができる。さらに、メインスイッチSWにより電力供給が遮断された後、上述のように低圧電源基板210によってある程度の時間をかけて電源電圧Vdcが低下する、すなわち電源電圧Vdcは所定の時定数で以って緩やかに低下する。よって例えば、サブCPU330は、+3.3Vの動作用電源電圧Vopである動作用電力の供給を受けて正常動作を維持しながら、低圧電源基板210からの電源電圧Vdcの低下を検出してメインスイッチSWにより電力供給が遮断されたことを検出するための時間を確保することができる。この電源電圧Vdcの低下は、例えば、電源電圧Vdcが所定の閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降していることによって検出される。なお、具体的には、サブCPU330には、電源電圧Vdcを不図示の分圧回路で降圧した電圧が印加されるが、以下では単に電源電圧Vdcが印加されると呼ぶ。これに連動して、所定の閾値Vth(+15V)も、具体的には不図示の分圧回路で降圧された値に換算されるが、以下では単に所定の閾値Vthである+15Vと呼ぶ。
遮断回路320は、+3.3Vの動作用電源電圧Vopの入力を受けて、電力制御部333bからの切換信号により、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給、またはメインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給の遮断を行う。
サブCPU330は、主制御部の電力供給を制御する省エネルギーモード用制御部であり、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給を制御する。サブCPU330は、主制御部の電力供給を制御するなどの省エネルギーモード動作を行う省エネ動作用プログラムなどを実行して、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給を制御する。
Erp指令のLot6規格では、「主機能を行っていないときは、可能な限り最短で自動的に待機モードあるいはオフモードに適合する消費電力を超えないようにしなければならない」旨が定められている。そのため、サブCPU330は、複合機1への商用電源の供給後に、メインコントローラ基板100への電力供給を遮断する。
サブCPU330は、受電部331、パワーオン起動部332、実行部333、電源検出部334、起動制御部335、および保存処理部336を含む。本実施形態では、パワーオン起動部332、実行部333、電源検出部334、起動制御部335、および保存処理部336は、省エネ動作用プログラムに含まれる上で述べた夫々の機能を実行する各プログラムをサブCPU330が実行することで実現される。なお、パワーオン起動部332、実行部333、電源検出部334、起動制御部335、および保存処理部336はハードウエアで構成されてもよい。
受電部331は、サブCPU330への動作用電源電圧Vopを受電する。受電部331から、サブCPU330内の各部へむけて動作用電力が各々供給される。受電部331は、例えば、電源用入力端子、電源用入力ピン、または電源用入力バッファなどである。
パワーオン起動部332は、受電部331によって動作用電源電圧Vopが受電されない状態において受電部331による動作用電源電圧Vopの受電が開始された場合に実行部333を起動する。具体的には、パワーオン起動部332は、実行部333をパワーオンリセットすることで、実行部333に起動させる。なお、サブCPU330が内部にパワーオン起動部332を有していない場合は、サブCPU330のパワーオンリセットは、外部の所謂リセットIC等からのリセットによるものであってもよい。以下の説明において、実行部333をパワーオンリセットするとは、パワーオン起動部332が実行部333に起動させることを意味する。
起動制御部335は、メインCPU110からシステムリセット信号が出力された場合に、実質的にシステムリセット信号を中継して実行部333をシステムリセットすることで実行部333を起動する。具体的には、起動制御部335は、システムリセット信号の入力に対応して実行部333をリセット(以下、内部リセットとも呼ぶ)し、実行部333に起動させる。よって、起動制御部335が実行部333を内部リセットすることは、メインCPU110が実行部333をシステムリセットすることと実質的に同じである。
実行部333は、受電部331により動作用電源電圧Vopが受電された場合に動作可能となり、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を制御する。実行部333は、判別部333aおよび電力制御部333bを含む。
判別部333aは、実行部333が起動されたとき、その起動はパワーオン起動部332によって起動されたのか、起動制御部335によって起動されたのかを判別する。実行部333の起動には、受電部331での動作用電源電圧Vopの受電が開始されて上記パワーオン起動部332が行った起動と、メインCPU110からシステムリセット信号が出力されて起動制御部335が行った起動とがある。すなわち、実行部333の起動には、サブCPU330のパワーオンリセットによってなされた起動と、メインCPU110からのシステムリセット信号によってなされた起動があり、判別部333aは実行部333がパワーオンリセットによって起動されたのかシステムリセット信号によって起動されたのかを判別する。
電力制御部333bは、判別部333aによって実行部333はパワーオン起動部332によって起動されたと判別された場合、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を遮断し、判別部333aによって実行部333は起動制御部335によって起動されたと判別された場合、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を維持する。電力制御部333bは、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100へ動作用電源電圧Vopを供給するかそれとも遮断するかを切り換える切換信号を出力する。すなわち、判別部333aによって実行部333はパワーオン起動部332によって起動されたと判別された場合、電力制御部333bは、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給を遮断する信号を出力する。判別部333aによって実行部333は起動制御部335によって起動されたと判別された場合、電力制御部333bは、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100へ動作用電源電圧Vopを供給させる信号の出力を行う。メインコントローラ基板100へ動作用電源電圧Vopを供給させる信号により、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給が遮断されていたときには、メインコントローラ基板100へ動作用電源電圧Vopの供給が開始され、メインコントローラ基板100へ既に動作用電源電圧Vopの供給がされていたときには、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給が維持される。
なお、メインCPU110が省電力状態にあるときに電源スイッチ410が押下された場合、サブCPU330はメインCPU110に対してメインCPU110が動作するための電源電圧の供給を開始するので、電力制御部333bが、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給を行う信号の出力を開始する。
電源検出部334には、第2電源部たる低圧電源基板210から低圧電力が供給されて電源電圧Vdcが印加される。なお、電源検出部334には、先述のように具体的には、電源電圧Vdcを不図示の分圧回路で降圧した電圧が印加されるが、以下では単に電源電圧Vdcが印加されると呼ぶ。電源検出部334は、電源供給開始判断部334a、および供給停止検出部334bを含む。
電源供給開始判断部334aは、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かを判断する。この判断は、低圧電源基板210から電源供給開始判断部334aに対して低圧電力が供給されて電源電圧Vdcの印加が開始されたかどうか判断されることでなされる。
なお、判別部333aは、実行部333が起動されたとき、電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断されたときは、実行部333はパワーオン起動部332により起動されたと判別し、電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されなかったと判断されたときは、実行部333は起動制御部335によって起動されたと判別する。
供給停止検出部334bは、受電部331への動作用電源電圧Vopの供給が停止される前に、動作用電源電圧Vopの供給が停止されることを示す事象として予め定められた設定事象を検出する。供給停止検出部334bは、具体的には電源電圧Vdcに基づいて設定事象を検出する。設定事象の検出については、例えば、次のことが考えられる。
供給停止検出部334bは、低圧電源基板210からの電源電圧Vdcが+24Vから閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降していることを検出することで電源電圧Vdcの低下を検出する。なお上述のように、電源電圧Vdcの電圧の下降がおこっても動作用電源電圧Vopの供給の停止はすぐには起こらない。よって、供給停止検出部334bは、サブCPU330内の受電部331への動作用電源電圧Vopの供給が停止される前に、動作用電源電圧Vopの供給が停止されることを示す現象、すなわち上記電源電圧Vdcが閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降している現象を検出することができる。この電源電圧Vdcが閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降している現象は、受電部331への動作用電源電圧Vopの供給が停止される前に動作用電源電圧Vopの供給が停止されることを示す事象であるので、当該事象は設定事象として予め定められる。この設定事象は、工場出荷時などに供給停止検出部334bへ備えられる。
保存処理部336は、供給停止検出部334bにより設定事象が検出された場合に、電源状態記憶部340に、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の状態に関する情報を保存する。具体的には、保存処理部336は、電源状態記憶部340に、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報を保存する。保存処理部336は、サブCPU330が+3.3Vの動作用電源電圧Vopである動作用電力の供給を受けて正常動作を維持している間に、電源状態記憶部340に当該動作用電力の供給の停止に関する情報について記憶させる。
電源状態記憶部340は、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の状態を示す情報を保存する。具体的には、電源状態記憶部340は、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報を保存する。電源状態記憶部340は、例えば、不揮発性のメモリである。電源状態記憶部340は、例えば、フラッシュROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性記憶素子が使用されうる。なお、電源状態記憶部340は、単独のチップで構成されてもよいし、他の情報(サブCPU330の省エネ動作用プログラムなど)が保存されている不揮発メモリ内にその一部として構成されてもよい。
サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報は、例えば、サブCPU330に対する電力供給が停止されたことを示す情報である。当該情報は、例えば、フラグの形式で、電源状態記憶部340に保存される。例えば、当該フラグ(以下、電源オフフラグと呼ぶ)は、サブCPU330への電力供給が停止された場合は“1”で保存され、サブCPU330への電力供給が停止されていない場合には“0” で保存されている。なお、工場出荷時は、サブCPU330への電力供給が停止された状態で出荷されるので、電源オフフラグは“1”で保存されている(デフォルト値)。電源状態記憶部340に電源オフフラグが“1”で保存されていたとき、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていたことを意味する。電源状態記憶部340に電源オフフラグが“1”で保存されていたとき、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の状態を示す情報(供給の停止に関する情報)が電源状態記憶部340に保存されていたことを意味する。電源状態記憶部340に電源オフフラグが“0”で保存されていたとき、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の状態を示す情報(供給の停止に関する情報)が電源状態記憶部340に保存されていなかったことを意味する。
なお、サブCPU330への電力供給が停止される前に、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の状態を示す情報(供給の停止に関する情報)を、保存処理部336が電源状態記憶部340へ保存するための方法について述べる。供給停止検出部334bにより、上記電源電圧Vdcが閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降している事象である設定事象が検出された場合、保存処理部336は、+3.3Vの動作用電源電圧Vopである動作用電力の供給を受けて正常動作を維持している間に、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報を保存する。上述のように、電源電圧Vdcが閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降していても、電源電圧Vdcが+8Vまで低下するまでは、DC/DCコンバータ310は+3.3Vの動作用電源電圧Vopを生成することができる。よって、サブCPU330が、当該+3.3Vの動作用電源電圧Vopである動作用電力の供給を受けて正常動作を維持している間に、不揮発メモリである電源状態記憶部340にサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報(すなわち“1”である電源オフフラグ)を記憶する。
以上の構成により、電源供給開始判断部334aは、パワーオンリセットまたはシステムリセットに基づいて実行部333が起動されたとき、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の状態を示す情報が保存されていたときは、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断し、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の状態を示す情報が保存されていなかったときは、実行部333の起動する前からサブCPU330に対して既に動作用電源電圧Vopが供給されていたので、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されなかったと判断する。
すなわち、判別部333aは、実行部333が起動されたとき、電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断された場合は、実行部333はパワーオン起動部332により起動されたと判別する。電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断されたことは、電源供給開始判断部334aが、実行部333が起動されたとき、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていたと判断したことから決まる。具体的には、電源状態記憶部340に“1”である電源オフフラグが保存されていたとき、電源供給開始判断部334aは電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていたと判断する。
一方、判別部333aは、実行部333が起動されたとき、電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されなかったと判断された場合は、実行部333は起動制御部335によって起動されたと判別する(すなわち、当該実行部333の起動は、システムリセットによるものであったため、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給の開始によるものではなかった)。電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されなかったことは、電源供給開始判断部334aが、実行部333が起動されたとき、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていなかったと判断したことから決まる。具体的には、電源状態記憶部340に“0”である電源オフフラグが保存されていたとき、電源供給開始判断部334aは電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていなかったと判断する。
図4は、パワーオンリセットおよびシステムリセットに応じたサブCPU330およびメインCPU110の動作を示すフローチャートである。図4を使用して、メインコントローラ基板100、サブ基板300その他の機能部の動作について説明する。なお、図4のフローチャートは、本実施形態の説明の上から、パワーオンリセットおよびシステムリセットに応じたサブCPU330の動作、および、複合機1の動作停止までの動作を主に示すフローチャートであるので、複合機1で通常の使用をしている場合の説明は割愛する。
ステップS100では、ユーザによってメインスイッチSWがオンされて複合機1に商用電力が供給されることにより、低圧電源基板210およびDC/DCコンバータ310を経て、サブ基板に+3.3Vの動作用電源電圧Vopが供給される(サブCPU330のパワーオン)。なお、複合機1は電源がオフされていたので、電源オフフラグは “1”で保存されている。なお、一番最初にメインスイッチSWがオンされる場合であっても、デフォルト値なので、電源オフフラグはデフォルト値“1”で保存されている。
ステップS110では、サブ基板に+3.3Vの動作用電源電圧Vopが供給されることにより、実行部333がパワーオンリセットされる。ステップS110から移行したステップS120では、サブCPU330がパワーオンされたので、実行部333がパワーオン起動部332によって起動される(パワーオンリセット)。なお、この段階では、判別部333aは、パワーオン起動部332が実行部333に対してパワーオンリセットを行ったか否か、すなわち、パワーオン起動部332が実行部333の起動を行ったか否かの判別は行っていない。実行部333は、起動すると、所謂ブートプログラム等の起動時プログラムを実行し、次に省エネ動作用プログラムをROMから読み出してRAMへ転送する。この後、実行部333は、省エネ動作用プログラムに基づく通常動作を開始する。通常動作とは、サブCPU330が省エネ動作用プログラムに基づいて動作する正常動作のことである。
ステップS130では、電源供給開始判断部334aが、電源状態記憶部340から電源オフフラグを取得する。
ステップS140では、電源供給開始判断部334aが電源状態記憶部340から取得した電源オフフラグが“1”であったかどうかが判断される。電源オフフラグが“1”であった場合は(ステップS140でYES)、電源供給開始判断部334aは処理をステップS150へ移行させ、電源オフフラグが“0”であった場合は(ステップS140でNO)、電源供給開始判断部334aは処理をステップS210へ移行させる。
現在、電源オフフラグは“1”であるので、ステップS150へ遷移する。
ステップS150では、電源状態記憶部340に保存されていた電源オフフラグが“1”であったことから、電源供給開始判断部334aは、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていたとして、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断する。よって、判別部333aは、電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断されたので、実行部333はパワーオン起動部332により起動されたと判別する。すなわち、判別部333aは、実行部333がパワーオンリセットにより起動したと判別する。
ステップS160では、判別部333aによって実行部333はパワーオン起動部332によって起動されたと判別されたので、電力制御部333bが、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給を遮断する切換信号を出力する。その結果、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を遮断回路320が電力供給を遮断する。よって、動作用電源電圧Vopは、サブ基板300にしか供給されておらず、メインコントローラ基板100および他の機能部には供給されていない。すなわち、サブCPU330がパワーオンリセットされて起動された後、メインCPU110すなわち複合機1は省電力モードにある。
ステップS170では、サブCPU330への動作用電源電圧Vopの供給が停止された状態ではないことから、保存処理部336が電源状態記憶部340に電源オフフラグとして“0”を保存する。
ステップS180では、電源スイッチ410がユーザによって押下されたかどうか判断される。電源スイッチ410が押下された場合は、処理はステップS190へ移行する(ステップS180でYES)。電源スイッチ410が押下されていない場合は、処理はステップS180のままとどまり、移行しない(ステップS180でNO)。よって、この場合、メインコントローラ基板100および他の機能部には電力が供給されないまま、複合機1は省電力モードが継続される。
ステップS190では、ユーザによって電源スイッチ410が押下されたので、ユーザからメインCPU110を動作させる動作指示を受け付けたとして、サブCPU330は、メインコントローラ基板100に対して、メインCPU110が動作するための動作用電源電圧Vopの供給を開始する。すなわち、電力制御部333bが、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100へ動作用電源電圧Vopを供給する切換信号を出力する。
電力供給を受け、メインCPU110がパワーオンされたことにより、パワーオンリセット機能部111がメインCPU110をパワーオンリセットする。その後、メインCPU110が起動すると、メインCPU110は、所謂ブートプログラム等の起動時プログラムを実行し、次に所定のメインプログラムをROMから読み出してRAMへ転送する。この後、メインCPU110はメインプログラムによる通常動作を開始し、動作可能となる。たとえばメインCPU110は、スキャナ、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能に対応したプログラム動作を開始し、複合機1はスキャナ、コピー、プリンタ、ファクシミリ等の機能を有する電子機器となる。
ステップS200では、メインCPU110は、前記動作用電力が供給されたことで動作可能となり、前記動作用電力が供給されない状態から動作用電力の供給が開始された状態となったことから、システムリセット信号を出力する。すなわち、サブCPU330および他の機能部は、システムリセットされる。次に処理は、ステップS120へ戻る。
ステップS120では、実行部333が起動するが、S200から移行したステップS120では、サブCPU330すなわち実行部333がシステムリセットされたことで、起動制御部335がシステムリセットに対応して実行部333を内部リセットし、実行部333が起動制御部335によって起動される(システムリセット)。なお、この段階では、判別部333aは、起動制御部335が実行部333に対してシステムリセット入力に対応した内部リセットを行ったか否か、すなわち、起動制御部335が実行部333の起動を行ったか否かの判別は行っていない。実行部333は、起動すると、所謂ブートプログラム等の起動時プログラムを起動させ、次に省エネ動作用プログラムをローディングする。この後、実行部333は、上記省エネ動作用プログラムに基づく通常動作を開始する。
ステップS130では、保存処理部336が、電源状態記憶部340から電源オフフラグを取得する。なお、保存処理部336が、ステップS170で電源状態記憶部340に電源オフフラグとして“0”を保存しているので、現在の電源オフフラグの状態は、“0”である。
ステップS140では、電源状態記憶部340から取得した電源オフフラグが“1”であったかどうかが判断される。電源オフフラグが“1”であった場合は(ステップS140でYES)、ステップS150へ処理が移行する。電源オフフラグが“0”であった場合は(ステップS140でNO)、ステップS210へ処理が移行する。上記のように、現在電源オフフラグは“0”なので、ステップS210へ処理は移行する。
ステップS210では、電源供給開始判断部334aは、電源状態記憶部340に保存されていた電源オフフラグが“0”であったことから、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報が保存されていなかったとして、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されなかったと判断する。よって、判別部333aは、電源供給開始判断部334aによりサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されなかったと判断されたので、実行部333は起動制御部335によって起動されたと判別する。すなわち、判別部333aは、実行部333がシステムリセットにより起動したと判別する。
判別部333aによって実行部333は起動制御部335によって起動されたと判別されたので、電力制御部333bは、メインコントローラ基板100および他の機能部への動作用電源電圧Vopの供給を遮断せずに、供給を維持する。すなわち、電力制御部333bが、遮断回路320に対して、メインコントローラ基板100への動作用電源電圧Vopの供給をする切換信号の出力を維持しているため、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給が維持される。すなわち、複合機1は通常動作モードとなる。
ステップS220では、サブCPU330への電力供給が維持されているか、供給停止検出部334bが電源電圧Vdcを検出している。すなわち、ユーザが複合機1への電力供給を遮断するためにメインスイッチSWをオフしたかどうかが検出される。
ステップS230では、供給停止検出部334bが電源電圧Vdcに基づいて、例えば電源電圧Vdcが閾値Vthである+15Vを跨いで0Vへ向けて下降しているか否かを供給停止検出部334bが検出することで、設定事象を検出する。設定事象を検出した場合は、メインスイッチSWがオフされたとして、処理はステップS240へ移行する(ステップ230でYES)。設定事象を検出しなかった場合は、メインスイッチSWがオフされなかったとして、ステップS220へ戻る(ステップ230でNO)。
ステップS240では、ステップS230で供給停止検出部334bにより設定事象が検出されたので、動作用電源電圧Vopが+3.3Vを保っている正常動作の間に、保存処理部336が、電源状態記憶部340に電源オフフラグとして“1”を保存して、動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報を保存する。
ステップS250では、商用電源の給電が遮断されたので複合機1は動作を停止する。
なお、図4に示すフローチャートでは、説明上、パワーオンリセットおよびシステムリセットによるサブCPU330の動作のフロー(ステップS100〜ステップS210)と、複合機1への電力供給の遮断の監視および電源オフフラグとして“1”をセットするフロー(ステップS220〜ステップS250)とが直列につなげられて一連の説明とされているが、このパワーオンリセットおよびシステムリセットによるサブCPU330の動作フローと、複合機1への電力供給の遮断の監視および電源オフフラグとして“1”をセットするフローとが別々に動作することで並行して進行されていてもよい。
次に、本実施形態にかかる複合機1とは異なり、実行部333(サブCPU330)がパワーオン起動部332によって起動されたのかそれとも起動制御部335によって起動されたのかを把握できる構成が無い構成を想定し、当該想定の構成における動作について、図5のフローチャートを使用して説明し、その課題について説明する。なお、パワーオン起動部332によって起動されたのかそれとも起動制御部335によって起動されたのかを把握できる構成が無い構成であっても、サブCPUは、システムリセットによる起動でもパワーオンリセットによる起動でもいずれの場合でも、メインコントローラ基板100および他の機能部への動作用電源電圧Vopの供給を停止する。よって、メインCPU110すなわち複合機1は省電力モードとなる。
図5は、比較例の課題すなわち第1実施形態の効果を説明するために比較例の動作を示したフローチャートである。なお、図5は比較のし易さのために図4の一部を変更したフローチャートとなっている。なお想定した比較例の構成における複合機1aにおいても、サブCPU、メインCPUは上記のままサブCPU330、メインCPU110と呼ぶ。しかし、サブCPU330は、上記パワーオン起動部332、実行部333、電源検出部334、起動制御部335、および保存処理部336を有していない。その代わり、サブCPU330は、パワーオン起動部332や起動制御部335に相当するパワーオンリセットやシステムリセットに対応したCPUを起動させる機能部や、実行部333に相当する処理演算用の機能部は備えている。なお、図4に示すフローチャートと同一の動作には、同一のステップ番号を付して、特に断りの無い限り、その説明を省略する。
ステップS100では、メインスイッチSWがオンされて複合機1aに商用電力が供給されることにより、低圧電源基板210およびDC/DCコンバータ310を経て、サブ基板に+3.3Vの動作用電源電圧Vopが供給される(サブCPU330のパワーオン)。
ステップS110では、サブ基板に+3.3Vの動作用電源電圧Vopが供給されることにより、サブCPU330がパワーオンリセットされる。ステップS120でサブCPU330が起動する。サブCPU330が起動すると、サブCPU330は所謂ブートプログラム等の起動時プログラムを起動させ、次に省エネ動作用プログラムをローディングする。この後、サブCPU330は、省エネ動作用プログラムに基づく通常動作を開始する。
ステップS160では、サブCPU330がパワーオンリセットされると、メインコントローラ基板100および他の機能部には電力が供給されない。複合機1aは省電力モードとなる。
ステップS180では、電源スイッチ410がユーザによって押下されたかどうか判断される。電源スイッチ410が押下された場合は、処理はステップS190へ移行する(ステップS180でYES)。電源スイッチ410が押下されていない場合は、処理はステップS180のままとどまり、移行しない(ステップS180でNO)。よって、この場合、メインコントローラ基板100および他の機能部には電力が供給されないまま、複合機1は省電力モードが継続される。
ステップS190では、ユーザによって電源スイッチ410が押下されたので、ユーザからメインCPU110を動作させる動作指示を受け付けとして、サブCPU330は、メインコントローラ基板100に対して、メインCPU110が動作するための動作用電源電圧Vopの供給を開始する。
電力供給を受け、メインCPU110がパワーオンされたことにより、パワーオンリセット機能部111がメインCPU110をパワーオンリセットする。その後、メインCPU110は、起動して通常動作を開始し、動作可能となる。
ステップS200では、メインCPU110は、前記動作用電力が供給されたことで動作可能となり、前記動作用電力が供給されない状態から動作用電力の供給が開始された状態となったことから、システムリセット信号を出力する。すなわち、サブCPU330および他の機能部は、システムリセットされる。次に処理は、ステップS120へ戻り、サブCPU330は起動する。
図5のフローチャートによると、想定構成における複合機1aでは、サブCPU330がリセット(パワーオンリセット)されてからサブCPU330が起動され(ステップS110,S120)、パワーオンリセット後はサブCPU330が複合機1aを省電力モードとするため、メインコントローラ基板100および他の機能部には電力が供給されない(ステップS160)。
この後、ユーザの電源スイッチ410の押下動作によりメインCPU110の動作が開始され、メインCPU110がパワーオンリセット後にシステムリセット信号をサブCPU330等へ出力する(ステップS180〜S200)。すると、再びステップS110,S120へ戻り、サブCPU330がリセット(システムリセット)されてからサブCPU330が起動され(ステップS110,S120)、パワーオンリセット後はサブCPU330が複合機1aを省電力モードとするため、メインコントローラ基板100および他の機能部には電力が供給されない(ステップS160)。
この後、ユーザの電源スイッチ410の押下動作によりメインCPU110の動作が開始され、メインCPU110からシステムリセットが出力される。以後、サブCPU330は、リセットされて後に起動されてからメインCPU110を省電力モードとし、ユーザの電源スイッチ410の押下動作によりメインCPU110の動作が開始されて、システムリセットが出力されサブCPU330がリセットされてサブCPU330が起動される、という動作が繰り返される。
すなわち、省電力モードにあるメインCPU110は、ユーザの電源スイッチ410の押下動作により給電を受けて動作を開始するが、その後すぐにサブCPU330がメインCPU110への給電を遮断し、複合機1aが省電力モードとなるため、通常動作モードとなることが無い。このように、比較例の構成では、メインCPUが通常動作モードとならないまま、上記のフローを繰り返す。以上のように、比較例の構成では、メインCPU110が通常動作モードとなることが無いまま、メインCPU110がシステムリセットを出力し、サブCPU330がメインCPU110への給電を遮断するという繰り返し動作(無限ループ)を続けるという不具合が生じる。
本実施形態の複合機1では、以下のような効果を奏する。
実行部333の起動がされたときパワーオン起動部332によって起動されたのかそれとも起動制御部335によって起動されたのかを判別する判別部333aと、判別部333aによってパワーオン起動部332によって起動されたと判別された場合にメインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を遮断し、判別部333aによって起動制御部335によって起動されたと判別された場合にメインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を維持する電力制御部333bを、実行部333が備えている。これにより、判別部333aがパワーオン起動部332によって起動されたと判別した場合、例えば、サブCPU330が所謂パワーオンによるリセットにより起動されたと判別した場合には、サブCPU330は、当該電力供給後にメインCPU110において省電力モードを実行し、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を遮断する。これにより、複合機1の消費電力を低減することができる。
また、判別部333aは、サブCPU330が起動制御部335によって起動されたと判別した場合、例えば、サブCPU330がメインCPU110からのシステムリセットにより起動されたと判別した場合には、サブCPU330は、当該電力供給後に省電力モードを実行せずに、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を維持する。これにより、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給が開始され、メインCPU110が動作を開始してサブCPU330へシステムリセット信号を出力することにより、サブCPU330の実行部333が起動される結果、メインCPU110とサブCPU330が同期して連係動作する。
そして、実行部333がパワーオン起動部332によって起動されたのかそれとも起動制御部335によって起動されたのかを判別部333aが把握できる構成、例えばサブCPU330がどちらのリセットにより起動したのかを判別部333aが把握できる構成が備えられているので、サブCPU330がメインCPU110からのシステムリセットにより起動された場合に、サブCPU330がメインCPU110に対して省電力モードを実行してメインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を遮断する動作を行わず、メインCPU110への電力供給を継続する。もし、実行部333がパワーオン起動部332によって起動されたのかそれとも起動制御部335によって起動されたのかを判別部333aが把握できない場合、電力供給がされなかったメインCPU110に電力が供給されるようになったとき、メインCPU110はシステムリセットを出力するのでサブCPU330をシステムリセットする。サブCPU330が起動された後にサブCPU330がメインCPU110に対して電力供給を遮断するという、リセット信号の誤動作による悪循環が生じる。しかし、本実施形態の上記構成により、こうした悪循環が生じない。よって、システムリセット信号を出力するメインCPU110とメインCPU110の電力を制御するサブCPU330との間におけるリセット信号の誤動作が回避することができる。
複合機1が電源スイッチ410を備える構成により、上記効果に加え、ユーザの意志により、例えば省電力モードにあるメインCPU110を、メインCPU110への動作用電源電圧Vopの供給を開始させて、起動させることができる。
電源供給開始判断部334aを備えることで、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたかどうかの判断をすることができる。これにより、電力供給開始判断部334aでサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かの判断がされたか判別部333aが把握することができる。すなわち、判別部333aは、実行部333はパワーオン起動部332により起動されたのか、それとも、起動制御部335によって起動されたのか判別することができる。判別部333aがパワーオン起動部332により起動されたのかそれとも起動制御部335によって起動されたのかを把握できる構成が備えられているので、上で述べた上記電子機器の効果を奏する具体的な構成を提供することができる。
電源状態記憶部340、供給停止検出部334b、および保存処理部336を備えることで、サブCPU330は、サブCPU330への動作用電源電圧Vopの供給が停止される前に、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報を保存することができる。すなわち、当該情報が電源状態記憶部340に保存されているか否かにより、電力供給開始判断部334aはサブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かの判断をすることができる。これにより、判別部333aは、実行部333はパワーオン起動部332により起動されたのか、それとも、起動制御部335によって起動されたのか判別することができる。このように、こうした判別を行う判別部333aが備えられているので、上で述べた上記電子機器の効果を奏するより具体的な構成を提供することができる。
供給停止検出部334bが動作用電源電圧Vopの供給が停止されることを示す設定事象を検出する際に、動作用電源電圧Vopの給電を受けながら、第2電源部が生成する電源電圧Vdcに基づいて前記設定事象を検出することができる。よって、供給停止検出部334bは、動作用電源電圧Vopによる通常動作を実行しながら、電源電圧Vdcを参照して前記設定事象を検出することができる。すなわち、保存処理部336が、動作用電源電圧Vopの給電を受けながら、電源状態記憶部340に動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報を保存することができる。この構成により、上で述べた上記電子機器の効果を奏する更により具体的な構成を提供することができる。
複合機1は、用紙に画像を形成する画像形成部40を備え、メインCPU110が画像形成部40の動作を制御する上記の電子機器であるので、たとえば上記の各効果を有する電子機器を画像形成装置とすることができる。よって、上記効果を奏した省電力モードを備えた画像形成装置の提供が可能となる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る電子機器である画像形成装置の一例である、複合機1aの電源制御と起動制御に関わる構成を主に示すブロック図である。
図6に示す複合機1aは、図3に示す複合機1とは以下の点で異なる。すなわち、複合機1aが、電源電圧Vdcを積分する積分回路360を備えている点と、供給停止検出部334b、保存処理部336、及び電源状態記憶部340を備えない点である。
電源供給開始判断部334aは、積分回路360によって積分された電圧に基づき、動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かを判断する。具体的には、電源供給開始判断部334aには、積分回路360によって積分された電圧を不図示の分圧回路で降圧した電圧が印加されるが、以下では単に積分回路360によって積分された電圧が印加されると呼ぶ。なお、供給停止検出部334b、保存処理部336、及び電源状態記憶部340が存在しないことにより、第1実施形態のような動作用電源電圧Vopの供給の停止に関する情報の電源状態記憶部340への記憶ができる構成となっていない。この構成で、サブCPU330の起動がパワーオンリセットによるものか、システムリセットによるものかを判別部333aが判別する方法について述べる。
商用電源から複合機1への給電が開始されることで、低圧電源基板210からサブCPU330に印加される電源電圧Vdcを積分回路360が積分する。これにより、サブCPU330に入力される電源電圧Vdcが積分回路360の時定数に応じて緩やかに上昇する。この場合に、電源電圧Vdcが+8Vを超えたときに、サブCPU330は、DC/DCコンバータ310から+3.3Vの動作用電源電圧Vopである動作用電力の供給を受ける。サブCPU330はパワーオンリセットされ、その後にサブCPU330が起動されてから正常動作を開始する。サブCPU330は低圧電源基板210からの更なる電源電圧Vdcの上昇を検出した場合、例えば電源電圧Vdcが閾値Vthである+15Vを越えて+24Vへ向けて上昇していることを検出する。このとき電源電圧が+24Vよりも低い電圧の+15Vから上昇していることから、メインスイッチSWにより電力供給が遮断された後にメインスイッチSWがオンされたことを検出する。
電力供給開始判断部334aは、積分回路360によって積分された電源電圧Vdcに基づいて、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かの判断をする。すなわち、電力供給開始判断部334aは、電源電圧Vdcの上昇により動作用電源電圧Vopの供給をうけて通常動作を開始し、積分回路360の時定数に応じた緩やかな上昇となっている電源電圧Vdcの電圧値が閾値Vthを超えたことを検出することで、動作用電源電圧Vopの供給が開始されたと判断できる。すなわち、電力供給開始判断部334aは、サブCPU330が起動された場合に、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かの判断をすることができる。
以上のように、積分回路360を備えることで、電力供給開始判断部334aは、積分回路360によって積分された電源電圧Vdcに基づいて、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かの判断をすることができる。よって、電力供給開始判断部334aは、サブCPU330が起動された場合に、サブCPU330に対する動作用電源電圧Vopの供給が開始されたか否かの判断をすることができる。これにより、判別部333aは、実行部333はパワーオン起動部332により起動されたのか、それとも、起動制御部335によって起動されたのか判別することができる。このように、こうした判別を行う判別部333が備えられているので、上で述べた上記電子機器の効果を奏する具体的な構成を提供することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。