JP5927111B2 - 中継機を用いたレーザ照射システム - Google Patents

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本発明は、遠方から目標物に対してレーザビームを照射することが可能なレーザ照射システムに関し、特に、レーザビームを照射する照射機と目標物との間に配置可能な、レーザビームの中継機を用いて、目標物に対してレーザビームを照射するレーザ照射システムに関する。
レーザビームは、優れた指向性、優れた収束性、高いエネルギー密度、波長の一定保持等の特性を有するため、従来から、計測分析用途、医療用途、材料加工用途、情報通信用途等の様々な用途に広く用いられている。
ここで、レーザビームの優れた指向性は目標物への照射において有利な点であると同時に、条件によっては不利な点ともなり得る。例えば、目標物が、レーザビーム照射機の操作者(オペレータ)が目視できる範囲から外れている場合、あるいは、遠隔操作型のレーザビーム照射機であれば、レーザビームの照射範囲内であっても目標物が障害物の影に隠れている場合等には、指向性の優れたレーザビームは、目標物に対して適切にレーザビームを照射できないことになる。
そこで、例えば、特許文献1には、目視範囲外の目標物に対してレーザビームを照射することが可能なレーザビーム照射システムが開示されている。このシステムは、レーザビーム照射機とレーザビーム中継機とから構成され、レーザビーム中継機は、レーザビーム照射機との間で通信を行う通信装置と、目標物を追尾する目標追尾装置と、レーザビームを目標物に向けて反射する駆動機構付きの反射板と、この反射板の駆動を制御する反射板駆動制御装置と、反射板を駆動するために、レーザビーム照射機の位置情報、目標物の追尾情報等を解析する情報解析装置とを備えている。
レーザビーム中継機は、通信装置から取得したレーザビーム照射機の位置情報と目標追尾装置から取得した追尾情報とを、情報解析装置で解析して反射板制御装置に出力し、反射板制御装置は、解析情報に基づいて反射板の駆動機構を制御し、反射板の姿勢(傾斜角度)を変更する。これにより、レーザビーム照射機から発せられたレーザビームは、レーザビーム中継機を介して目標物に照射されることになる。
なお、このレーザビーム照射システムでは、レーザビームの照射対象である目標物が移動物体であり、その代表例として飛しょう体が挙げられている。また、レーザビーム中継機としては、車両、ヘリコプター、飛行機、および気球等が挙げられており、好ましい例としては、地上もしくは空中において一定の位置に留まることが可能な無人機が挙げられている。
特開2009−162453号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるレーザビーム照射システムでは、目標物が飛しょう体等の移動物体であるため、レーザビーム中継機に高度な機能が要求される。
具体的には、レーザビーム中継機は、照射されたレーザビームを目標物に向かって反射させるために、反射板を適切に駆動制御する必要がある。そのため、駆動機構においては反射板を高精度に駆動させる構成が必要となり、また、駆動機構を高精度に駆動させるためには、情報解析装置および反射板駆動制御装置において高度な情報処理も必要となる。
また、目標物が飛しょう体等の移動物体ではなく、地面上で静止している「非移動物体」であれば、レーザビーム中継機が前記のような高度な機能を有する必然性がない。しかも、特許文献1では、レーザビーム中継機の好ましい例として無人機を挙げているが、無人機以外の有人の車両または航空機等もレーザビーム中継機として使用可能であるとしている。
したがって、例えば、車両から路上で静止している目標物にレーザビームを照射する用途であれば、特許文献1に開示されるレーザビーム照射システムは過剰性能となるおそれがある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、静止している目標物に対して、簡素な構成で容易にレーザビームを照射することが可能な、レーザ照射システムを提供することを目的とする。
本発明に係るレーザ照射システムは、前記の課題を解決するために、静止している目標物に対してレーザビームを照射するために用いられ、前記レーザビームを発する照射機と、無人で飛行する飛行体であって、前記照射機との間で通信を行うことにより飛行制御され、前記照射機から発せられたレーザビームを前記目標物まで中継する無人中継機と、を備え、前記無人中継機は、前記レーザビームを反射するミラー部を備え、前記照射機は、前記無人中継機を、前記目標物に対して前記レーザビームを照射可能な位置まで移動させて、当該無人中継機の飛行位置を調整してから、前記ミラー部に向けて前記レーザビームを発することにより、前記ミラー部を介して前記目標物に対して前記レーザビームを照射する構成である。
前記構成によれば、無人中継機がレーザビームを反射するミラー部を備えており、かつ、その飛行位置が照射機で調整可能となっているので、照射機から発せられるレーザビームを、ミラー部で反射させて目標物に到達させることができる。そのため、簡素な構成で目標物に対してレーザビームを好適に照射することができる。
前記構成のレーザ照射システムにおいては、さらに、前記目標物の位置情報を取得して前記照射機に通信するよう構成されている、探査機を備え、前記照射機は、前記探査機から取得した前記位置情報に基づいて、前記無人中継機を飛行制御する構成であってもよい。
また、前記構成のレーザ照射システムにおいては、前記照射機は、前記レーザビームよりも低出力のガイドレーザを発するよう構成され、前記ミラー部を介して前記目標物に対して前記ガイドレーザを照射することにより、前記無人中継機から前記目標物に対する前記レーザビームの照準を合わせる構成であってもよい。
また、前記構成のレーザ照射システムにおいては、前記照射機は、前記照射機から前記無人中継機に向けてレーザビームを照射しその反射波を検出するか、または、前記無人中継機の画像を撮影することにより、前記無人中継機の前記ミラー部の位置情報を取得し、追尾する構成であってもよい。
また、前記構成のレーザ照射システムにおいては、前記照射機は、車両に搭載されている構成であってもよい。
本発明では、以上の構成により、静止している目標物に対して、簡素な構成で容易にレーザビームを照射することが可能な、レーザ照射システムを提供することができる、という効果を奏する。
(a),(b)は、本発明の実施の形態1に係るレーザ照射システムの概略構成を示す模式図である。 図1(a),(b)に示すレーザ照射システムが備える照射機の制御構成の一例を示すブロック図である。 (a)は、図1(a),(b)が示すレーザ照射システムが備えるミラー中継機の外観構成の一例を示す模式的側面図であり、(b)は、(a)に示すミラー中継機の制御構成の一例を示すブロック図である。 図1(a),(b)に示すレーザ照射システムの動作制御の一例を示すフローチャートである。 図4に示すフローチャートの続きの動作制御を示すフローチャートである。 (a),(b)は、図1(a),(b)に示すレーザ照射システムの有利な点の一例を示す模式図である。 図3(a),(b)に示すミラー中継機の変形例を示すブロック図である。 (a),(b)は、本発明の実施の形態2に係るレーザ照射システムの概略構成を示す模式図である。 (a)は、図8(a),(b)が示すレーザ照射システムが備える探査機の外観構成の一例を示す模式的側面図であり、(b)は、(a)に示す探査機の制御構成の一例を示すブロック図である。 図8(a),(b)に示すレーザ照射システムの動作制御の一例を示すフローチャートである。 図10に示すフローチャートの続きの動作制御を示すフローチャートである。 図11に示すフローチャートの続きの動作制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1(a),(b)に示すように、本発明の実施の形態1に係るレーザ照射システム10Aは、車両12に搭載された照射機11と、無人中継機であるミラー中継機21を備えている。後述するように、ミラー中継機21と照射機11とは、互いに通信可能に構成されており、照射機11からの制御指令により飛行制御される。
[照射機の構成例]
照射機11は、地上等に静止する目標物40に対してレーザビームを照射することが可能であれば、その構成は特に限定されないが、本実施の形態では、レーザビームとして高出力レーザを発することができるとともに、この高出力レーザとは別に、目標物40に対するミラー中継機21の照準を合わせるために、高出力レーザよりも低出力のガイドレーザを発することができるよう構成されている。
具体的には、本実施の形態における照射機11は、図2に示すように、高出力レーザ照射部101、ガイドレーザ照射部102、通信部103、センサ部104、入力部105、表示部106、追尾照準部107、および制御部108を備えている。高出力レーザ照射部101が前記高出力レーザを発するレーザ光源であり、ガイドレーザ照射部102が前記ガイドレーザを発するレーザ光源である。
なお、図1(a),(b)では、図中「GL」の点線がガイドレーザを指し、図1(b)では、図中「HL」の細線領域が、目標物40の上方から照射される高出力レーザを指す(便宜上、「上方照射高出力レーザHL」と称する)。また、後述するように、照射機11の表示部106には、目標物40とともにガイドレーザが照射されるポイント(ガイドレーザ照射点)も「LP」として図示している。
高出力レーザ照射部101としては、具体的には、例えば、Ybファイバレーザ、Nd:YAGレーザ等の固体レーザが挙げられるが特に限定されない。高出力レーザ照射部101としては、目標物40に対してレーザビームを照射する目的、目標物40の種類、照射機11に要求される条件等に応じて適切な種類のレーザ照射部が選択される。また、ガイドレーザ照射部102としては、具体的には、例えば、公知のHe−Neレーザ、半導体レーザ等が挙げられるが特に限定されない。
通信部103は、少なくともミラー中継機21との間で通信を行うことができれば、その具体的な構成は特に限定されず、公知の無線通信装置を好適に用いることができる。センサ部104は、照射機11による高出力レーザまたはガイドレーザの照射に有用な各種センサあるいは計測装置で構成されている。代表的には、車両12に搭載された照射機11の位置情報を取得するためのGPS受信機等が挙げられるが、特に限定されない。
入力部105および表示部106は、照射機11の操作、並びに、照射機11によるミラー中継機21の飛行制御を行うために、種々の情報を入力したり表示したりするものである。したがって、入力部105および表示部106は、まとめて1つの「操作部」として構成されてもよい。入力部105および表示部106の具体的な構成は特に限定されず、公知の入力装置、表示装置、入出力兼用装置(例えばタッチパネル表示装置)等を挙げることができる。
追尾照準部107は、ミラー中継機21が備えるミラー部240を追尾して、当該ミラー部240にレーザビームの照準を合わせるものである。その具体的な構成は特に限定されないが、ミラー240の近傍の拡散反射面に向けてレーザビームを照射することにより、ミラー部240までの距離(すなわちミラー中継機21までの距離)を測定する測距センサ、ミラー部240の位置情報を取得する画像センサ等の各種センサからなる構成を挙げることができる。
ここで、ミラー部240の位置情報を取得する方式(すなわちミラー中継機21を追尾する方式)としては、照射機11からミラー中継機21に向けてレーザビームを照射しその反射波を検出するアクティブ方式、または、レーザビームを使用せず、ミラー中継機21の可視画像あるいは赤外画像を撮影するパッシブ方式が挙げられるが、本発明においては、いずれの方式を採用してもよい。なお、パッシブ方式を採用する場合には、照射機11が別途カメラ部を備えていてもよいし、レーザ照射システム11に、ミラー中継機21以外の無人中継機が含まれている場合には、他の無人中継機のカメラ部によりミラー中継機21の画像を撮影してもよい。
制御部108は、照射機11の動作制御を行うとともに、照射機11およびミラー中継機21を含めたレーザ照射システム10A全体の制御も行うように構成されている。したがって、ミラー中継機21は、照射機11の制御部108で生成した制御指令にしたがって飛行制御されることになる。制御部108の具体的な構成は特に限定されず、公知のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、あるいはパーソナルコンピュータ等を好適に用いることができる。
また図2には示さないが、照射機11は、高出力レーザ照射部101、ガイドレーザ照射部102、通信部103、センサ部104、入力部105、表示部106、追尾照準部107、および制御部108以外の構成を含んでいてもよいし、一部の構成が無くてもよい。例えば、照射機11は、独立した記憶部(記憶装置)を備えていてもよいし、レーザビームではない可視光または赤外光等を照射する光源を備えていてもよい。また、照射機11が、例えば車両12から操作可能となっていれば、入力部105および表示部106は備えていなくてもよいし、ガイドレーザの照射が不要であれば、高出力レーザ照射部101のみを備えていてもよい。
本実施の形態では、照射機11は、車両12に搭載されている。したがって、本実施の形態に係る照射機11は車載型のレーザビーム照射装置ということができる。これにより、レーザ照射システム10Aの運用性が向上するため、幅広い地域において目標物40に対するレーザビームの照射が可能となる。
照射機11が搭載される車両12の具体的な構成は特に限定されず、一般的な自動車(装輪車両)であればよいが、車輪の代わりに無限軌道を備える装軌車両であってもよい。また、照射機11は、車両12に一体化された状態で搭載されてもよいが、他の車両12に移し変えたり、車両12から降ろして地上あるいは建造物等に設置したりできるように構成されてもよい。また、照射機11の操作設備(入力部105および表示部106等)は、車両12から独立して設けられてもよいし、車両12の運転席の操作設備に一体化されてもよい。
[ミラー中継機の構成例]
本実施の形態に係るレーザ照射システム10Aで用いられる無人中継機は、無人で飛行する飛行体(無人航空機,UAV)であり、飛行に関しては、高度を維持する機能、ホバリングができる機能、およびピッチングおよびローリングを制御できる機能を有している。本実施の形態では、無人中継機として、前記の通りミラー中継機21を備えている。このミラー中継機21は、図1(a),(b)に示すように、照射機11との間で通信を行うことにより飛行制御され、照射機11から発せられたレーザビームを目標物40まで中継する。
ミラー中継機21は、前述したようにUAVであれば特に限定されず、公知の各種UAVを好適に用いることができる。本実施の形態では、例えば、図3(a)に模式的に示すような、ダクトファン型UAVを用いている。このダクトファン型UAVは、本体部210、操舵部220、通信部230、およびミラー部240を備えており、本体部210の上方に通信部230が設けられ、本体部210の下方に操舵部220が設けられ、本体部210の側方にミラー部240が設けられる構成となっている。また、ミラー中継機21は、図3(b)に示すように、本体部210内に推進部211、カメラ部212、制御部213、および高精度センサ部214を備えている。
通信部230は、照射機11の通信部103との間で通信を可能とするものである。通信部230の具体的な構成は特に限定されず、照射機11の通信部103と同様に、公知の無線通信装置が好適に用いられる。
操舵部220は、制御部213により動作することにより、自機の飛行方向または姿勢等を制御する。操舵部220は、本実施の形態のようなダクトファン型UAVでは、本体部210の下方に複数設けられる操舵翼となっているが、その具体的な構成はこれに限定されず、公知の他の構成であってもよい。
本体部210内には、推進部211が設けられている。この推進部211は、ミラー中継機21を飛行させるための動力手段であり、制御部213により制御される。推進部211は、本実施の形態のようなダクトファン型UAVであれば、モータまたは小型エンジンにより回転するプロペラとなっている。なお、推進部211の具体的な構成は、動力源により回転するプロペラに限定されず、UAVで使用可能な他の推進装置も好適に用いることができる。
カメラ部212は、本体部210の下方に取り付けられ、制御部213の制御により、操舵部220の間から地上画像を撮影する。撮影された画像は、通信部230を介して照射機11に送信され、照射機11の表示部106で表示される(図1(a),(b)の表示部106参照)。また、カメラ部212で撮影された画像は、制御部213による飛行制御にも利用可能である。なお、カメラ部212の具体的な構成は特に限定されず、公知のデジタルカメラ等を好適に用いることができる。また、カメラ部212は、可視画像を撮影する構成であってもよいし、赤外画像を撮影する構成であってもよいし、両方の画像を撮影する構成であってもよい。
高精度センサ部214は、照射機11および目標物40に対する自機の位置を確認する位置確認器として機能する。高精度センサ部214の具体的な構成は特に限定されず、ミラー中継機21の飛行制御、姿勢制御、あるいは相対位置制御等に必要な各種の計測値を計測できる複数のセンサから構成されていればよい。本実施の形態では、例えば、GPS受信機、慣性センサ、高度計等を挙げることができる。なお、以下の説明では、説明の便宜上、ミラー中継機21の飛行制御、姿勢制御、相対位置制御等の制御をまとめて「動作制御」と称する。
ここで、ミラー中継機21は、目標物40に対して高出力レーザおよびガイドレーザを照射するために、比較的高精度な動作制御が必要となる。そのため、高精度センサ部214からの計測値に加え、カメラ部212で撮影された画像情報を用いることもできる。これにより、目標物40に対する飛行位置等をより高精度に把握することができる。言い換えれば、ミラー中継機21においては、高精度センサ部214とともにカメラ部212も位置確認器として用いることができる。
制御部213は、通信部230で受信される飛行制御指令(照射機11から送信)と、前述した位置確認器(高精度センサ部214、必要に応じてカメラ部212)から入力される計測情報と、に基づいて、推進部211および操舵部220を制御して、ミラー中継機21を所望の方向に向かって所望の距離を移動させたり、ミラー中継機21の姿勢を制御したりする。また、カメラ部212を動作させて地上を撮影し、得られた地上の画像情報を、通信部230を介して照射機11に送信する。制御部213の具体的な構成は特に限定されず、公知のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ等を備える制御基板等が好適に用いられる。
ミラー部240は、図3(a)に示すように、本体部210の側方に設けられ、下方に向いた反射面(鏡面)を有している。このミラー部240は、本体部210に対して固定されており、照射機11は、ミラー中継機21を動作制御することにより、レーザビームの反射方向を制御する。ミラー部240の具体的な構成は特に限定されず、レーザビームを反射可能な鏡面を有する公知のミラー部材を好適に用いることができる。
なお、ミラー部240は、本体部210に固定されて照射機11からのレーザビームを反射するだけの構成であるため、図3(b)のブロック図では、ミラー部240に対しては、制御部213から制御指令を示す矢印が延びておらず、ミラー部240を示すブロックのみを独立させて図示している。
[レーザ照射システムの動作例]
次に、前記構成のレーザ照射システム10Aによって、目標物40に対してレーザビームを照射する動作の一例について、図1(a),(b)に加えて、図4および図5に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。なお、図4および図5は、照射機11およびミラー中継機21の制御フローを2図に分けて記載したもので、図4および図5の間では、照射機11のフローがAのノード同士およびCのノード同士でつながっており、ミラー中継機21のフローがBのノード同士でつながっている。
まず、レーザビームの照射の対象となる目標物40が確認できれば、操作者の操作によって照射機11の制御部108が制御を開始し、照射機11からミラー中継機21に対して飛行開始指令が送信される(ステップS111)。ミラー中継機21は、飛行開始指令に従って飛行を開始する(ステップS211)。
次に、照射機11は、目標物40の位置情報をミラー中継機21に送信する(ステップS112)。ミラー中継機21は目標物40の位置情報を受信し(ステップS212)、目標物40のおよその位置(目標物40の近傍の位置)まで移動を完了する(ステップS213)。なお、この状態ではミラー中継機21は、ホバリング状態にある。
ここでミラー中継機21は、カメラ部212で撮影された画像情報を照射機11に継続的に送信しているので、移動完了後、照射機11は、カメラ部212からの画像に目標物40が含まれている(カメラ部212で目標物40が撮影できる位置にミラー中継機21が移動している)ことを確認する(ステップS113)。この確認は、照射機11の操作者が行えばよいが、制御部108による画像処理で自動的に行ってもよい。また、ミラー中継機21が飛行を開始した後、目標物40付近に到達した状態が、図1(a)に示す状態に対応する。
その後(ステップS113の後)、照射機11は、ミラー中継機21にホバリング指令を送信し(ステップS114)、ミラー中継機21は、ホバリング指令に基づいてホバリング状態を維持する(ステップS214)。さらにその後、照射機11は、追尾照準部107により、ミラー中継機21のミラー部240の追尾を開始し、これに伴って、ミラー中継機21に対して必要に応じてロール指令を送信する(ステップS115)。ミラー中継機21は、ロール指令に基づいてロール制御を行い(ステップS215)、これによりミラー部240を照射機11に向ける。
次に、照射機11は、ガイドレーザ照射部102からガイドレーザの照射を開始する(ステップS116)。例えば、図1(a)の表示部106では、ミラー中継機21のカメラ部212の画面中に目標物40が映し出されており、この状態でガイドレーザGLが発せられると、目標物40から離れた位置にガイドレーザGLが照射されていることが表示部106の照射点LPの表示によりで確認できる。
そこで、照射機11は、カメラ部212の画像内(表示部106の画面内)の目標物40にガイドレーザGLの照射点LPが一致するように、照射機11からミラー中継機21に対して照準指令を送信する。ミラー中継機21は、この照準指令に基づいて姿勢制御を開始する(ステップS216)。ミラー中継機21の制御部213は照準指令に応じて、高精度センサ部214およびカメラ部212(位置確認器)から取得した情報に基づいて、自機の姿勢を制御する。なお、ミラー中継機21に対しては、照射機11の入力部105から操作者が制御指令を直接入力してもよい。この状態では、ミラー中継機21は、地上に向かってガイドレーザGLを照射しながら、目標物40に対してガイドレーザGLが照射されるように、ミラー部240の位置を微調整する。
目標物40に対してガイドレーザGLが照射されれば、図1(b)の表示部106に示すように、ガイドレーザGLの照射点LPと目標物40とが画面上で実質的に一致する。これにより、ミラー中継機21は高出力レーザ(レーザビーム)の照準を目標物40に合わせたことになる。このとき、照射機11は、目標物40からのガイドレーザGLの照射点LPまでの距離が許容範囲に入ったことを確認し(ステップS118)、高出力レーザ照射部101から高出力レーザ(レーザビーム)の照射を開始する(ステップS119)。これにより、図1(b)に示すように、高出力レーザは、ミラー中継機21のミラー部240を反射して下方の目標物40に対して上方から照射されることになる(図中、上方照射高出力レーザHL)。その後、予め設定される所定の条件下で高出力レーザの照射が完了すれば(高出力レーザ照射部101の停止)、ガイドレーザの照射も完了し(ガイドレーザ照射部102の停止)、ミラー中継機21は、姿勢制御を終了する(ステップS217)。
なお、レーザビームの照射に関して予め設定される所定の条件とは、レーザビームの照射の目的に応じた種々の条件を挙げることができる。例えば、目標物40を破壊する(あるいは形状変化させる)目的であれば、所定の条件としてレーザビームの照射エネルギー量を予め設定してもよいし、カメラ部212により破壊または形状変化を操作者が確認する条件であってもよい。また、目標物40に対して所定時間レーザビームを照射する目的であれば、所定の条件としてレーザビームの照射時間を設定すればよい。また、目標物40を破壊したり形状変化させたりする目的の場合には、ミラー中継機21の姿勢制御を終了する前に、目標物40の破壊あるいは形状変化を確認するステップを含めてもよい。
その後、照射機11は、他にレーザビームを照射すべき目標物40が存在するか否かを判定する(ステップS120)。存在していれば(ステップS120でYES)、目標物40の位置情報をミラー中継機21に送信するステップ(ステップS112)に戻るが、存在していなければ(ステップS120でNO)、照射機11は飛行終了指令をミラー中継機21に送信する(ステップS121)。ミラー中継機21は、飛行終了指令を受信すれば、照射機11の位置(車両12の位置)まで帰還して飛行を終了し(ステップS218)、これにより一連の制御が終了する。
このように本実施の形態によれば、UAVである無人中継機(ミラー中継機21)を目標物40に対してレーザビーム(上方照射高出力レーザHL)を照射可能な位置まで移動させて、無人中継機の飛行位置を調整してから、ミラー部240に向けてレーザビームを発する。これにより、照射機11から発せられるレーザビームを、ミラー部240に反射させて目標物40に到達させることができる。それゆえ、簡素な構成で目標物40に対してレーザビームを好適に照射することができる。
[レーザ照射システムの用途]
本実施の形態に係るレーザ照射システム10Aは、静止している目標物40にレーザビームを照射できる用途に広く好適に用いることができるが、代表的な用途としては、(1)地上に存在する異物等の除去、(2)大型構造物等において人間の作業が困難な場所(高所または狭所等)における接合作業、除去作業(あるいはメンテナンス作業)、(3)人間が入り込めない事故現場または災害現場等におけるがれき等の除去、等が挙げられる。下記の説明では、レーザ照射システム10Aを(1)地上に存在する異物の除去に適用した場合を例に挙げる。
例えば、異物等としてIED(Improvised Explosive Device)が地上に存在する環境であれば、IEDを目標物40としてレーザビームを照射することによって当該目標物40(IED)を除去することができる。具体的には、IEDは、通常、火薬等の急激な化学反応を生ずる物質(反応性物質)を外装で被覆した構成を有しているので、IEDに高出力レーザ(レーザビーム)を照射することで外装を除去し、内部の反応性物質を高出力レーザにより反応させて無力化することにより除去することができる。
それゆえ、レーザビームの照射装置および照射装置の操作者は、反応性物質を反応させた影響を受けないように、IEDから十分に離れた位置(安全性が確保できる距離)を保った上で、遠方からレーザビームをIEDに照射する必要がある。
ここで、図6(a)に示すように、車両12に搭載された照射機11から、地上の目標物40(IED等)に対して高出力レーザを直接照射すると、この高出力レーザは、目標物40から見て斜め上方から直進して入射する。このように照射される高出力レーザを、便宜上「斜め照射高出力レーザSL」とすれば、この斜め照射高出力レーザSLは、上方照射高出力レーザHLに比べて目標物40に与えるエネルギー量が少なくなる。
まず、斜め照射高出力レーザSLは、目標物40だけでなくその周囲の地上表面も余分に照射するため、照射機11から発せられる高出力レーザのエネルギーの一部しか目標物40に与えられないことになる。また、斜め上方から照射される斜め照射高出力レーザSLのエネルギー密度は、略上方から照射される上方照射高出力レーザHLに比べて明らかに小さくなる。そのため、全出力のうち目標物40に照射される一部の出力だけで、当該目標物40を無力化しなければならず、高出力レーザ照射部101をより高出力化する必要性が生じる。
これに対して本実施の形態に係るレーザ照射システム10Aでは、図6(a)に示すミラー中継機21が、ミラー部240を介して目標物40の上方から上方照射高出力レーザHLを照射することができる。これにより、照射機11からの高出力レーザを効率的に照射することができるので、斜め上方から照射する場合と比較して無駄なエネルギーを消費することがなく、高エネルギー効率化を図ることができる。しかも、高出力レーザ照射部101の過剰な高出力化を回避することができるので、高出力レーザ照射部101として、相対的に低出力かつ小型のレーザ光源を用いることができる。
次に、例えば、入り組んだ地形等において目標物40を処理する場合には、当該目標物40を照射機11の操作者が直接目視で確認できない場合がある。例えば、図6(b)に模式的に示すように、照射機11と目標物40との間に障害物50が存在していると、照射機11の操作者(車両12に乗車)の視線VCは、障害物50に遮られることになる。また、障害物50の影に隠れた目標物40に対して、照射機11から直接斜め照射高出力レーザSLを照射しようとしても、レーザビームの直進性のために障害物50に遮られてしまい、目標物40を処理することができない。
これに対して本実施の形態に係るレーザ照射システム10Aでは、図6(b)に示すミラー中継機21が、カメラ部212により地上を撮影し、得られた画像データを照射機11に送信するので、照射機11の操作者は、ホバリングしているミラー中継機21から撮影された目標物40の画像を逐次確認することができる。それゆえ、視認性が良好でない環境において、直接目視で確認できない目標物40が存在しても、適切に処理することができる。
さらに、入り組んだ地形だけでなく樹木等が多い森林地帯等であっても、照射機11の操作者が目標物40を確認できない場合がある。本実施の形態に係るレーザ照射システム10Aでは、高い機動性を有するミラー中継機21を用いて、高出力のレーザビームをミラー部240に反射させる。そのため、樹木等のような複雑な形状を有する障害物50が多い森林地帯のような環境であっても、目標物40に対して良好にレーザビームを照射することが可能になる。
[変形例]
前述した構成のレーザ照射システム10Aは、図1(a),(b)または図6(a),(b)に示すように、無人中継機として、1機のミラー中継機21を備えている構成であるが、本発明はこれに限定されず、例えば、2機以上のミラー中継機21を備えている構成であってもよい。目標物40が複数存在している場合には、複数のミラー中継機21それぞれのミラー部240を介してレーザビームが照射されてもよいし、1機目のミラー中継機21で反射したレーザビームを2機目のミラー中継機21で反射させるように、多機のミラー中継機21を介して1つの目標物40にレーザビームを照射してもよい。
また、図3(b)に示すように、本実施の形態で用いられるミラー中継機21は、ミラー部240が本体部210に固定されているが、例えば、図7に示すように、ミラー部240は、ミラー駆動部215によって反射面(鏡面)を変化させるように、移動可能に設けられてもよい。この場合、ミラー部240を移動させるミラー駆動部215は、制御部213により制御されればよい。ミラー駆動部215としては、モータおよびギア等で構成される小型の駆動機構あるいはアクチュエータ等で構成されればよい。また、ミラー駆動部215の制御指令は、照射機11から送信されればよい。
また、照射機11は、ミラー中継機21から目標物40に対して適切にレーザビームを照射することができるのであれば、ガイドレーザを発する機能を有さなくてもよい。ただし、照射機11からガイドレーザを発することができれば、図1(a),(b)に示す表示部106の画面のように、ミラー中継機21のカメラ部212で撮影した画像に、目標物40だけでなくガイドレーザGLの照射点LPも表示することができるので、高出力レーザ(レーザビーム)の光路を画像上で明確に示すことができる。
また、本実施の形態では、図4および図5のフローチャートに示すように、照射機11においては、目標物40のおよその位置が予め判明している場合を例に挙げたが、例えば、目標物40の位置が不明な場合には、ミラー中継機21を探査用のUAVとして用いて、レーザビームの照射前に先行して飛行させてもよい。ミラー中継機21はカメラ部212を備えているので、探査のために先行して飛行させ、カメラ部212により地上を撮影すれば、照射機11の操作者は、未知の目標物40を探査することができる。
また、図4および図5のフローチャートでは、ミラー中継機21は、照射機11から送信される指令に基づいて飛行を開始または終了するが、本発明はこれに限定されず、ミラー中継機21は、操作者の操作等によって飛行を開始または終了してもよい。
(実施の形態2)
図8(a),(b)に示すように、本実施の形態2に係るレーザ照射システム10Bは、前記実施の形態1に係るレーザ照射システム10Aとほぼ同様の構成を有しているが、無人中継機であるミラー中継機21以外に探査機22を備えている点が異なっている。この探査機22は、目標物40の位置情報を取得して照射機11に通信するよう構成されるUAVである。
[探査機の構成例]
本実施の形態で用いられる探査機22は、図9(a)に示すように、基本的には、ミラー中継機21と同様の外観構成を有しており、図9(b)に示すように、ミラー中継機21と同様の制御構成を有している。具体的には、探査機22は、本体部210、操舵部220、および通信部230を備えており、本体部210内には、推進部211、カメラ部212、制御部213、およびセンサ部216等が設けられている。
探査機22が備える本体部210、操舵部220、通信部230、推進部211、カメラ部212、制御部213、およびセンサ部216等の構成は、前記実施の形態1においてミラー中継機21に関して説明した各構成と同様であるので、その具体的な説明は省略する。
ただし、センサ部216については、ミラー中継機21の高精度センサ部214よりも安価なセンサ類で構成することができる。ミラー中継機21は、照射機11からのレーザビームをミラー部240で反射させて目標物40に照射するために、比較的高精度で姿勢制御を行う必要がある。一方、探査機22は、カメラ部212による撮影に差し支えない程度の姿勢制御であればよい。それゆえ、探査機22のセンサ部216としては、ミラー中継機21の高精度センサ部214で用いられるセンサ類よりも相対的に低い水準のセンサ類で済むため、安価なセンサ類で構成することができる。
探査機22による目標物40の探査方法(目標物40に関する情報の取得方法)は特に限定されないが、例えば、予め決められた飛行経路(所定経路)を飛行して、操作者が目標物40の候補を確認し、その候補に関する種々の情報をデータベース化し、再び所定経路を飛行して、操作者(および照射機11の制御部108による自動判定等)により再度確認する方法を挙げることができる。
具体的には、まず、探査機22が最初に所定経路を飛行するときには、探査機22は、カメラ部212で画像(可視画像または赤外画像)を撮影し、照射機11に送信する。照射機11の表示部106では、カメラ部212からの画像等から形状と地形とを重ね合わせて表示する。操作者は、表示部106の表示を確認し、目標物40の可能性がある候補を選別する。次に、操作者は、入力部105の操作により、目標物40の候補のそれぞれについて、所定経路上の位置情報(GPS情報)、当該位置の路面形状、候補となる物体の種類等の情報(候補情報)をデータベース化し、制御部108の記憶部に記憶させる。
次に、探査機22が2回目またはそれ以降に飛行するときには、探査機22は、初回と同様にカメラ部212で画像を撮影して照射機11に送信する。照射機11では、初回と同様に表示部106で画像を表示するが、操作者は、探査機22からの画像と、データベース化されている取得済みの候補情報とを比較(または照合)する。
この比較の結果、任意の候補が、目標物40である可能性が高いと確認されれば、その候補まで探査機22を飛行させ、操作者はその候補について再度確認する。このように、目標物40の候補についての確認を複数回重ねて行うことにより、データベースの精度の向上を図る。また、比較結果、目標物40の候補として選別されたものが、全て目標物40として疑う必要のないものであることが明らかとなれば、操作者は、探査済みの領域は、目標物40が存在しない「不在領域」として判断することができる。
探査機22による探査方法が前記のような構成であれば、初回(1回目)の探査および可能性の高い候補については、操作者により詳細な確認が必要となるものの、2回目以降の探査およびデータベースとの比較(または照合)、並びに「不在領域」の判断については、少なくとも一部の作業を照射機11の制御部108により自動化することが可能となる。それゆえ、人手による作業と照射機11の制御による作業とを組み合わせて探査を行うことで、目標物40の発見確率を向上させることが可能となり、また、探査に関する処理速度の向上も図ることが可能となる。
[レーザ照射システムの動作例]
次に、探査機22を含むレーザ照射システム10Bによって、目標物40に対してレーザビームを照射する動作の一例について、図8(a),(b)に加えて、図10ないし図12に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。
なお、図10ないし図12は、照射機11、ミラー中継機21、および探査機22の制御フローを3図に分けて記載したもので、図10および図11の間では、照射機11のフローがAのノード同士でつながっており、ミラー中継機21のフローがCのノード同士でつながっている。また、図10および図12の間では、探査機22のフローがBのノード同士でつながっており、照射機11のフローがGのノード同士でつながっている。また、図11および図12の間では、照射機11のフローがDのノード同士でつながっているとともにFのノード同士でもつながっており、ミラー中継機21のフローがEのノード同士でつながっている。
まず、操作者の操作により照射機11の制御部108が制御を開始するので、図10のフローチャートに示すように、照射機11からミラー中継機21および探査機22に対して飛行開始指令が送信される(ステップS311)。ミラー中継機21および探査機22は、飛行開始指令に従って飛行を開始する(ステップS411およびステップS511)。
次に、照射機11は、探査指令を探査機22に送信する(ステップS312)。探査機22は、探査指令を受信して前述した所定経路を飛行して探査を行う(ステップS412)。なお、この所定経路は、前述した探査方法であれば、一定の飛行経路として固定されていればよいが、必要に応じて、照射機11の操作者が変更できるようになっていてもよいし、予め決定される飛行経路ではなく、操作者が照射機11を操作することで自由な飛行経路を飛行できるようになっていてもよい。探査機22は、前述したように、所定経路を飛行している間、カメラ部212で地上の画像を撮影するので、操作者は、撮影された画像を表示部106で目視し、前述したように目標物40の有無を確認すればよい。
次に、図8(a)に示すように、探査機22のカメラ部212が目標物40を撮影できれば、探査機22は、カメラ部212およびセンサ部216により目標物40の位置情報を取得し(ステップS413)、この位置情報を照射機11に送信する(ステップS414)。照射機11は、目標物40の位置情報を受信すると(ステップS313)、目標物40の位置情報をミラー中継機21に送信する(ステップS314)。ミラー中継機21は目標物40の位置情報を受信し(ステップS512)、目標物40のおよその位置(目標物40の近傍の位置)まで移動を完了し(ステップS513)、ホバリング状態となる。照射機11は、ミラー中継機21のカメラ部212からの画像に目標物40が含まれていることを確認する(ステップS315)。
次に、照射機11は、ミラー中継機21にホバリング指令を送信し(ステップS316)、ミラー中継機21は、ホバリング指令に基づいてホバリング状態を維持する(ステップS514)。その後、照射機11は、追尾照準部107により、ミラー中継機21のミラー部240の追尾を開始し、これに伴って、ミラー中継機21に対して必要に応じてロール指令を送信する(ステップS317)。ミラー中継機21は、ロール指令に基づいてロール制御を行い(ステップS515)、これによりミラー部240を照射機11に向ける。
次に、照射機11は、ガイドレーザ照射部102からガイドレーザの照射を開始し(ステップS318)、その後、カメラ部212の画像内(表示部106の画面内)の目標物40にガイドレーザGLの照射点LPが一致するように、照射機11からミラー中継機21に対して照準指令を送信する。ミラー中継機は、この照準指令に基づいて姿勢制御を開始する(ステップS516)。なお、ミラー中継機21に対して、照射機11の入力部105から操作者が制御指令を直接入力してもよい。
ミラー中継機21の制御部213は、照準指令に応じて、高精度センサ部214およびカメラ部212(位置確認器)から取得した情報に基づいて、自機の姿勢を制御する。この状態では、ミラー中継機21は、地上に向かってガイドレーザGLを照射しながら、目標物40に対してガイドレーザGLが照射されるように、ミラー部240の位置を微調整する。
目標物40に対してガイドレーザGLが照射されれば、図8(b)の表示部106に示すように、ガイドレーザGLの照射点LPと目標物40とが画面上で実質的に一致し、ミラー中継機21は高出力レーザの照準合わせが完了する。そこで、照射機11は、目標物40からのガイドレーザGLの照射点LPまでの距離が許容範囲に入ったことを確認し(ステップS320)、高出力レーザ照射部101から高出力レーザ(レーザビーム)の照射を開始する(ステップS321)。
これにより、図8(b)に示すように、照射機11から発せられた高出力レーザは、ミラー中継機21のミラー部240を反射することにより、上方照射高出力レーザHLとなって目標物40に照射される。その後、予め設定される所定の条件下で高出力レーザの照射が完了し、ガイドレーザの照射も完了すれば、ミラー中継機21は、姿勢制御を終了する(ステップS517)。なお、前記実施の形態1で説明したように、レーザビームの照射の目的が、例えば、目標物40を破壊したり形状変化させたりする場合には、ミラー中継機21の姿勢制御を終了する前に、目標物40の破壊あるいは形状変化を確認するステップを含めてもよい。
その後、照射機11は、他にレーザビームを照射すべき目標物40が存在するか否かを判定する(ステップS322)。存在していれば(ステップS322でYES)、目標物40の位置情報をミラー中継機21に送信するステップ(ステップS314)に戻るが、存在していなければ(ステップS322でNO)、他にレーザビームを照射すべき目標物40を探査するか否かを判定する(ステップS323)。探査するのであれば(ステップS323でYES)、探査指令を探査機22に送信するステップ(ステップS312)に戻る。
ここで、探査機22が、所定経路の探査を完了している場合には、照射機11は、複数の目標物40の位置情報を全て保有していることになるので、再確認のために探査機22を探査飛行させる。一方、所定経路の探査を完了していない場合には、所定経路の飛行と目標物40の候補の探査(位置情報の取得)とを繰り返すように、探査機22を探査飛行させる。
一方、目標物40を探査しないのであれば(ステップS323でNO)、照射機11は飛行終了指令をミラー中継機21および探査機22に送信する(ステップS324)。ミラー中継機21および探査機22は、飛行終了指令を受信すれば、照射機11の位置(車両12の位置)まで帰還して飛行を終了し(ステップS518およびステップS415)、これにより一連の制御が終了する。
このように本実施の形態によれば、照射機11は、UAVである探査機22から取得した目標物40の位置情報に基づいて、同じくUAVである無人中継機(ミラー中継機21)を飛行制御し、目標物40付近まで到達させてから、ミラー部240を介してレーザビームを目標物40に照射する。これにより、目標物40の位置が予め分からない場合、あるいは、探査したい地域に目標物40があるか否か分からない場合であっても、目標物40を見つけ出して処理することができる。
また、探査機22としては、実質的に無人中継機であるミラー中継機21と同様の構成のUAVを用いることができるので、探査機22は、簡素な構成を有し、簡素な飛行制御を実現できるものとなる。それゆえ、簡素な構成で、レーザ光の減衰を実質的に回避した状態で、目標物40に対してレーザビームを適切に照射することができる。
さらに、探査機22を複数回飛行させて探査結果を比較することにより、目標物40(またはその候補)を認識する精度を向上させることができることに加え、探査飛行の間に新たな目標物40(またはその候補)が設置された(あるいは発生した)場合であっても、適切に認識することができる。加えて、複数回の探査結果により、探査飛行した領域に目標物40として疑われるものが存在しなければ、探査済みの領域を「不在領域」として判定することができる。しかも、新たな目標物40(またはその候補)の設置判定あるいは「不在領域」の判定は、照射機11の制御部108により自動化することが可能となる。
ここで、図10ないし図12のフローチャートでは、前記実施の形態1における図4および図5のフローチャートと同様に、ミラー中継機21および探査機22は、照射機11から送信される指令に基づいて飛行を開始または終了するが、本発明はこれに限定されず、ミラー中継機21および探査機22は、操作者の操作等によって飛行を開始または終了してもよい。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、静止している目標物に対してレーザビームを照射する用途、例えば、地上に存在する異物等の除去、人間の作業が困難な場所における接合作業または除去作業等、あるいは人間が入り込めない事故現場または災害現場等におけるがれき等の除去、等の用途に広く好適に用いることができる。
10A レーザ照射システム
10B レーザ照射システム
11 照射機
12 車両
21 ミラー中継機(無人中継機)
22 探査機
40 目標物
101 高出力レーザ照射部
102 ガイドレーザ照射部
103 通信部
104 センサ部
107 追尾照準部
108 (照射機の)制御部
212 カメラ部(位置確認器)
213 (無人中継機、探査機の)制御部
214 高精度センサ部(位置確認器)
215 ミラー駆動部
216 センサ部(位置確認器)
230 通信部
240 ミラー部
HL 高出力レーザ(レーザビーム)
GL ガイドレーザ

Claims (7)

  1. 静止している目標物に対してレーザビームを照射するために用いられ、
    前記レーザビームを発する照射機と、
    無人で飛行する飛行体であって、前記照射機との間で通信を行うことにより飛行制御され、前記照射機からのホバリング指令に基づいてホバリング状態を維持するとともに、前記照射機からのロール指令に基づいてロール制御を行い、前記照射機から発せられたレーザビームを前記目標物まで中継する無人中継機と、
    を備え、
    前記無人中継機は、当該無人中継機の本体部の側方に固定されて設けられ、当該無人中継機の下方に向いた反射面を有し、前記レーザビームを反射するミラー部を備え、
    前記照射機は、
    前記無人中継機を、前記目標物に対して前記レーザビームを照射可能な位置まで移動させてホバリング状態を維持させるとともに、ロール制御により前記ミラー部を照射機に向けて、当該無人中継機の飛行位置を調整してから、
    前記ミラー部に向けて前記レーザビームを発することにより、前記ミラー部を介して前記目標物に対して前記レーザビームを照射することを特徴とする、
    レーザ照射システム。
  2. さらに、前記目標物の位置情報を取得して前記照射機に通信するよう構成されている、探査機を備え、
    前記照射機は、前記探査機から取得した前記位置情報に基づいて、前記無人中継機を飛行制御することを特徴とする、
    請求項1に記載のレーザ照射システム。
  3. 前記探査機は、予め決められた飛行経路を複数回飛行し、
    前記照射機は、前記探査機の初回の飛行により取得された、前記目標物の候補の位置情報を含む候補情報をデータベース化するとともに、前記探査機の2回目以降の飛行により取得された前記候補情報を、データベース化されている取得済の前記候補情報と比較または照合することを特徴とする、
    請求項2に記載のレーザ照射システム。
  4. 前記無人中継機は、前記照射機および前記目標物に対する自機の位置を確認する位置確認器を備えていることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ照射システム。
  5. 前記照射機は、前記レーザビームよりも低出力のガイドレーザを発するよう構成され、
    前記ミラー部を介して前記目標物に対して前記ガイドレーザを照射することにより、前記無人中継機から前記目標物に対する前記レーザビームの照準を合わせることを特徴とする、
    請求項1ないしのいずれか1項に記載のレーザ照射システム。
  6. 前記照射機は、前記照射機から前記無人中継機に向けてレーザビームを照射しその反射波を検出するか、または、前記無人中継機の画像を撮影することにより、前記無人中継機の前記ミラー部の位置情報を取得し、追尾することを特徴とする、
    請求項1ないしのいずれか1項に記載のレーザ照射システム。
  7. 前記照射機は、車両に搭載されていることを特徴とする、
    請求項1ないしのいずれか1項に記載のレーザ照射システム。
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