JPH10185566A - 自機位置測定装置および方法 - Google Patents

自機位置測定装置および方法

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JPH10185566A
JPH10185566A JP34001796A JP34001796A JPH10185566A JP H10185566 A JPH10185566 A JP H10185566A JP 34001796 A JP34001796 A JP 34001796A JP 34001796 A JP34001796 A JP 34001796A JP H10185566 A JPH10185566 A JP H10185566A
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JP
Japan
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laser beam
light
reflecting means
light reflecting
wavelength
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JP34001796A
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English (en)
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Tomohito Akita
智史 秋田
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COMMUTER HERIKOPUTA SENSHIN GI
COMMUTER HERIKOPUTA SENSHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
COMMUTER HERIKOPUTA SENSHIN GI
COMMUTER HERIKOPUTA SENSHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で広い測定エリアを確保して、迅
速かつ高精度な自機位置の測定が可能な自機位置測定装
置および方法を提供する。 【解決手段】 ビーム整形器12は、レーザビーム源1
1からのパルスレーザビーム5の広がり角を任意に調整
する。撮像素子13は、コーナキューブミラー4からの
戻り光を撮像する。スタートトリガ部23は、パルスレ
ーザビーム5の一部を受光し、スタートトリガ信号を発
生する。ストップトリガ部31は、コーナキューブミラ
ー4からの戻り光の一部を受光して、コンパレータ35
でストップトリガ信号とする。撮像素子13の画像か
ら、コーナキューブミラー4の方向が特定され、スター
トトリガ信号とストップトリガ信号との時間差から、コ
ーナキューブミラー4までの距離が特定され、方向およ
び距離によってコーナキューブミラー4に対するヘリコ
プタ1の位置を特定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機の離着陸、
特にヘリコプタの垂直離着陸やホバリングを支援するた
めに、自機の位置を測定する自機位置測定装置および方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビルの屋上に多くのヘリポー
トが設置されつつあり、安全かつ迅速な離着陸を実行す
るために、自機位置をリアルタイムで正確に測定する必
要がある。
【0003】一般に自機位置の測定には、GPS(Glob
al Positioning System;衛星測定システム)やDGP
S(Differential GPS)が用いられる。GPSの精
度は、地表面に平行な方向で数m程であり、鉛直方向で
数10m程である。DGPSにおいても、地表面に平行
な方向で数10cm程であり、鉛直方向で数m程であ
る。しかし、このような位置精度では、広いスペースで
かつ平坦な地点での離着陸に有効でも、ビルの屋上に設
けられたヘリポートのように、狭いスペースでかつ離着
陸地点の周辺での高さのばらつきが激しい場所では、有
効ではない。
【0004】そこで、高さ方向の精度を補助するため
に、電波高度計を併用することが考えられる。しかし、
電波高度計の性質上、自機から発射した電波を再び自機
に戻さないと、正確な高度値が得られない。すなわち、
ヘリポートの真上まで飛行しないと、正確な数値が得ら
れない。
【0005】このように、GPSや電波高度計を用いた
方法では、ビルの屋上への自動離着陸、特に着陸は事実
上不可能であり、最終的には操縦者の目視に頼ってい
る。
【0006】こうした先行技術の例として、特開昭62
−292596には、レーザを用いてヘリコプタから目
標地点までの距離および方向を測定する装置が記載され
ている。また、特開平6−247394には、同じくレ
ーザを用いて測定した値を演算処理して、航行する船に
対するヘリコプタの相対位置および相対速度を算出する
装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−2925
96では、距離を特定するためのレーザと、方向を特定
するためのレーザを別個に設ける必要があり、システム
全体が大規模で複雑である。また、レーザ照射器から発
射されたレーザビームは光乱反射板によって地上のあら
ゆる方向に放射されるため、レーザビームの利用効率が
悪くなり、結果として充分な測定精度が得られない。
【0008】特開平6−247394では、コーナキュ
ーブリフレクタを用いることによって、レーザビームが
反射した戻り光を効率よく測定に利用しているが、戻り
光は発射されたレーザビームの僅かな一部を反射したも
のに過ぎず、結局、レーザビームの利用効率は改善され
ていないため、充分な測定精度が得られない。
【0009】本発明の目的は、簡易な構成で広い測定エ
リアを確保し、迅速かつ高精度な自機位置測定が可能な
自機位置測定装置および方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、強度変調され
たレーザビームを発射するレーザビーム源と、レーザビ
ームの広がり角を任意に制御するための光学素子と、レ
ーザビームを進行方向と反対方向に戻す光反射手段と、
光反射手段を撮像して、光反射手段の方向を検出するた
めの撮像素子と、光反射手段からの戻り光を受光して、
光反射手段までの距離を計測するための受光素子とを備
えることを特徴とする自機位置測定装置である。本発明
に従えば、予め測定対象物にコーナキューブミラーなど
の光反射手段を設置しておいて、光反射手段に向けてレ
ーザビームを発射し、撮像して得られた画像内の光反射
手段の位置から、撮像素子の光軸を基準とした光反射手
段の方向、すなわち極座標形式での2つの角度θ、φを
特定することができる。さらに、光反射手段からの戻り
光を受光素子で受光することによって、光反射手段まで
の距離、すなわち極座標形式での半径rを計測できる。
この特定された方向および距離によって、光反射手段と
レーザビーム源との相対的な3次元位置を決定できる。
また、レーザビームの広がり角が任意に制御可能である
ため、光反射手段の位置を広く探索する場合には、レー
ザビームの広がり角を大きく設定することによって、捕
捉エリアを拡大できる。また、距離測定の場合には、レ
ーザビームの広がり角を小さく設定することによって、
戻り光の強度を増加できるため、信号のS/N比を改善
でき、その結果、測定精度を格段に向上できる。なお本
発明は、レーザビーム源を光学素子、撮像素子および受
光素子を自機に設置し、光反射手段を目標地点に設置す
る場合と、光反射手段を自機に設置し、レーザビーム
源、光学素子、撮像素子および受光素子を目標地点に設
置する場合とに適用可能である。
【0011】また本発明は、前記レーザビーム源、光学
素子、撮像素子および受光素子を含む計測ユニットの方
位角を2軸回りで調整する架台と、レーザビーム源の駆
動、光学素子の広り角制御、撮像素子の信号処理および
受光素子の信号処理を行う処理回路とを備えることを特
徴とする。本発明に従えば、レーザビーム源、光学素
子、撮像素子および受光素子は、一体的に2軸回りで調
整可能であるため、自機の姿勢に依存しないで測定光軸
を3次元の任意の方向に向けることができ、測定しなが
ら方位調整を行う自動追尾が可能になる。また、処理回
路では、レーザの駆動タイミングと撮像素子や受光素子
の信号処理タイミングとを関連付けたり、撮像素子や受
光素子の信号強度に基づいて、レーザビームの強度や広
がり角を調整したり、各種の信号処理が可能になる。
【0012】また本発明は、前記撮像素子および受光素
子の受光側に、レーザビームの波長を中心波長とするバ
ンドパスフィルタを備えることを特徴とする。本発明に
従えば、バンドパスフィルタはレーザビームの波長を中
心とする所定の波長範囲の光を通過させるので、自然光
や人工光などの外乱光の影響を低減できるため、さらに
精度よく自機位置を特定することができる。
【0013】また本発明は、前記レーザビームの波長
は、1.4μm〜2.0μmの範囲に設定されることを
特徴とする。本発明に従えば、地上に多く存在する紫外
光、可視光、1.4μm未満の近赤外光の影響を回避で
き、しかも、この波長範囲で、水分子の吸収スペクトル
が存在するため、万が一人間の眼に入射したときでも、
水に吸収されて網膜には届かず安全(アイセーフ)であ
る。
【0014】また本発明は、前記レーザビームの波長
は、1.9μm〜2.0μmの範囲に設定されることを
特徴とする。本発明に従えば、1.9μm〜2.0μm
は水分子の吸収スペクトルの中でも光吸収率が比較的小
さくなる領域であるため、アイセーフを確保しつつ、大
気中の雨や霧の影響を回避することができる。
【0015】また本発明は、所望の目標地点に光反射手
段を設置する工程と、広がり角を大きくしたレーザビー
ムを光反射手段に向けて発射する工程と、撮像素子を用
いて光反射手段からの戻り光を撮像して、光反射手段の
方向を検出する工程と、検出した光反射手段の方向に向
けて、広がり角を小さくしたレーザビームを発射する工
程と、受光素子を用いて光反射手段からの戻り光を受光
して、光反射手段との距離を計測するとともに、撮像素
子を用いて光反射手段の方向を検出する工程とを含むこ
とを特徴とする自機位置測定方法である。本発明に従え
ば、初めに広がり角の大きなレーザビームを発射して光
反射手段を撮像するので、このレーザビームが到達し得
る広いエリアから光反射手段を探索して、光反射手段の
方向を特定することができる。次に、特定した光反射手
段の方向に向けて、広がり角の小さなレーザビームを発
射するので、レーザビームを光反射手段に集中させて、
方向および距離を精度よく測定できる。このように、広
く探索した後にビームを集中させて測定するので、測定
時間を短縮できて、かつ測定精度を向上できる。また、
広がり角の小さなレーザビームを発射したとき、撮像素
子による方位測定と受光素子による距離測定を同時に行
うことによって測定タイミングを一致させることができ
る。
【0016】また本発明は、前記撮像素子および受光素
子の受光側に、レーザビームの波長を中心波長とするバ
ンドパスフィルタを設けて、それぞれ撮像および受光を
行うことを特徴とする。本発明に従えば、自然光や人工
光などの外乱光を除去することができ、測定の精度をさ
らに向上できる。
【0017】また本発明は、レーザビームの波長を1.
4μm〜2.0μmの範囲に設定することを特徴とす
る。本発明に従えば、地上に多く存在する紫外光、可視
光、1.4μm未満の近赤外光の影響を回避でき、しか
も、水分子の吸収スペクトルが存在するため、アイセー
フである。
【0018】また本発明は、レーザビームの波長を1.
9μm〜2.0μmの範囲に設定することを特徴とす
る。本発明に従えば、1.9μm〜2.0μmは水分子
の吸収スペクトルの中でも光吸収率が比較的小さくなる
領域であるため、アイセーフを確保しつつ、大気中の雨
や霧の影響を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を
示す構成図である。計測ユニット2を備えたヘリコプタ
1は、ビル3の屋上ヘリポートに着陸しようとしてい
る。ビル3の屋上ヘリポートには、光を反射するコーナ
キューブミラー4を予め設けている。着陸態勢に入った
ヘリコプタ1は、計測ユニット2からコーナキューブミ
ラー4に向けてパルスレーザビーム5を発射する。計測
ユニット2は、コーナキューブミラー4からの戻り光を
受けて自機位置を認識する。ヘリコプタ1は、自機位置
を認識しながら、所定の着陸経路6に沿って、自動的に
機体をヘリポートへ誘導する。
【0020】図2は、本発明の実施の一形態の光学的構
成を示すブロック図である。レーザビーム源11は、た
とえば半導体レーザや固体レーザなどで構成され、外部
からの駆動信号に応じてパルス幅1nsec程度のパル
スレーザビーム5を発射する。ビーム整形器12は、た
とえば焦点距離が異なる2枚のレンズから成るアフォー
カル光学素子であり、外部の制御信号に基づいてレンズ
間隔を任意に調整することによって、パルスレーザビー
ム5の広がり角を任意に調整できる。コーナキューブミ
ラー4は、入射したパルスレーザビーム5を進行方向と
反対方向に反射する。撮像素子13は、たとえばCCD
(電荷結合素子)カメラなどで構成され、コーナキュー
ブミラー4からの戻り光の一部を受けて、2次元の画像
を撮像する。
【0021】スタートトリガ部23は、ビームスプリッ
タ21および受光素子22から成る。ビームスプリッタ
21は、パルスレーザビーム5の一部を受光素子22へ
反射して、受光素子22は受光してスタートトリガ信号
を発生する。
【0022】ストップトリガ部31は、レンズ33およ
び受光素子34から成る。コーナキューブミラー4から
の戻り光の一部は、レンズ33を通過して、受光素子3
4に受光される。受光素子34からの信号は、コンパレ
ータ35によって2値化され、ストップトリガ信号に変
換される。
【0023】撮像素子13およびストップトリガ部31
の受光側には、それぞれバンドパスフィルタ14,32
が設けられており、パルスレーザビーム5の波長を中心
波長とする所定の波長範囲以外の光を遮断することによ
って、外乱光の影響を解消している。
【0024】図3は、本発明の実施の一形態の電気的構
成を示すブロック図である。計測ユニットI/F(inte
rface)41は、レーザドライバ42、ビーム整形ドラ
イバ49、画像処理ユニット43およびTDC44など
で構成される。レーザドライバ42は、レーザビーム源
11から出射されるパルスレーザビーム5の強度を変調
する。ビーム整形ドライバ49は、ビーム整形器12を
駆動してパルスレーザビーム5の広がり角を任意に制御
する。画像処理ユニット43は、撮像素子13からの画
像信号を処理する。すなわち、撮像素子13が撮像した
画像には、コーナキューブミラー4の像が含まれてお
り、この像の画像内の相対位置を検出して、ヘリコプタ
1からコーナキューブミラー4への方向を特定する。T
DC(Timeto Digital Convertor)44は、スタートト
リガ部23の受光素子22で発生したスタートトリガ信
号と、ストップトリガ部31の受光素子34で発生した
ストップトリガ信号とを受信して、両者の時間差を計測
する。この時間差は、すなわちパルスレーザビーム5の
往復時間であり、この往復時間に光の速度を乗算して2
で除算することによってヘリコプタ1とコーナキューブ
ミラー4との距離が特定される。
【0025】飛行管理計算機(Flight Management Comp
uter;FMC)45は、所定の飛行経路に沿って自機を
誘導、案内する制御を行うためのもので、画像処理ユニ
ット43が特定した方向データと、TDC44が特定し
た距離データとを受け取り、コーナキューブミラー4に
対するヘリコプタ1の相対的な3次元位置を認識する。
【0026】一方、2軸架台47は、ヘリコプタ1の機
体底部に計測ユニット2を配置して計測ユニット2の方
位角を2軸回りで調整する。計測ユニット2を3次元の
任意の方向に向けることができる。2軸方向モニタ48
は機体に対する計測ユニット2の角度を飛行管理計算機
に出力する。上記の飛行管理計算機45は、架台ドライ
バ46にも指令信号を送り、2軸架台47を駆動させ
る。
【0027】図4は、本発明の実施の一形態の動作例を
示すフローチャートである。ここでは、ヘリコプタの着
陸支援に用いた例を示す。まず、予め所望の着陸地点、
たとえばビル3の屋上ヘリポートにコーナキューブミラ
ー4を配置しておく。ステップs1で、コーナキューブ
ミラー4を配置した着陸地点付近に向かう着陸経路に到
着する。次にステップs2では、図2、3に示す自機位
置測定装置を含む着陸支援装置のスイッチをオンにす
る。
【0028】ステップs3では、ビーム整形ドライバ4
9はビーム整形器12のパルスレーザビーム5の広がり
角を、たとえば90度程度に大きく設定する。ステップ
s4では、レーザドライバ42は広がり角の大きいパル
スレーザビーム5をコーナキューブミラー4に向けて発
射する。パルスレーザビーム5は、コーナキューブミラ
ー4で反射して戻ってくる。ステップs5では、撮像素
子13はコーナキューブミラー4からの戻り光を撮像し
て、2次元画像を得る。画像処理ユニット43は、この
画像内に撮ったコーナキューブミラー4の像の重心やピ
ークの位置を計算して撮像素子13の光軸を基準とした
コーナキューブミラー4の方向を検出する。なお、撮像
素子13、パルスレーザビーム5、受光素子31の各光
軸は互いに平行となるように配置されている。
【0029】ステップs6では、架台ドライバ46は2
軸架台47を駆動して、計測ユニット2の方位角を調整
し、パルスレーザビーム5の光軸をステップs5で検出
したコーナキューブミラー4の方向に一致させる。ステ
ップs7では、ビーム整形ドライバ49は、ビーム整形
器12のパルスレーザビーム5の広がり角を、たとえば
1〜2mrad程度に小さく設定する。ステップs8で
は、レーザドライバ42は、小さな広がり角のパルスレ
ーザビーム5を発射する。このとき、パルスレーザビー
ム5の一部はスタートトリガ部23の受光素子22で受
光され、スタートトリガ信号を発生する。コーナキュー
ブミラー4からの戻り光はストップトリガ部31の受光
素子34で受光され、同時に撮像素子13で撮像され
る。受光素子34からの信号はコンパレータ35によっ
て変換されてストップトリガ信号が発生する。ステップ
s9では、TDC44は、ステップs8のスタートトリ
ガ信号とストップトリガ信号との時間差を計測して、ヘ
リコプタ1とコーナキューブミラー4との距離を計算す
る。ステップs10では、画像処理ユニット43はステ
ップs8の撮像素子13からの信号を基に、コーナキュ
ーブミラー4の方向を再び検出する。こうして、レーザ
ビームの広がり角を小さくして距離測定を行うための測
定精度が格段に向上する。
【0030】ステップs11では、飛行管理計算機45
はステップs9で計算した距離とステップs10で検出
した方向とから、2軸方向モニタの出力と自機のジャイ
ロセンサからの出力に基づいて、コーナキューブミラー
4を基準としたヘリコプタ1の位置の3次元座標を計算
する。ステップs12では、飛行管理計算機45は、こ
れよりも上位の管理装置である不図示のFCC(Flight
Controll Computer)内の誘導プログラムにステップs
11の計算結果を渡し、FCCは誘導プログラムを用い
て、自機位置の座標を基に自動的に飛行を誘導する。
【0031】ステップs13では、目標とするコーナキ
ューブミラー4の方向が、計測ユニット2の測定光軸に
一致するかどうかを判断する。一致しない場合はステッ
プs14へ進み、再び計測ユニット2の方向を調整し
て、計測ユニット2の光軸をコーナキューブミラー4の
方向に合わせ、ステップs15へ進む。一致する場合
は、直接、ステップs15へ進む。
【0032】ステップs15では、着陸支援装置による
ヘリコプタ1の誘導を終了するかどうかを判断する。終
了しない場合はステップs8へ戻り、位置測定を繰返
す。終了する場合はステップs16へ進み、着陸または
ホバーリング状態で誘導を完了する。
【0033】こうして、自機位置の測定を飛行と共に繰
り返し行うことで、着陸地点までヘリコプタ1を誘導す
ることができ、ホバリング時の高度保持を支援すること
もできる。
【0034】ステップs4〜ステップs16の処理の指
令は、ヘリコプタ1の操縦者が与えてもよいし、飛行管
理計算機45が自動的に与えてもよい。
【0035】なお、波長1.4μm〜2.0μmのレー
ザビーム源11としては、たとえばHo(ホルミウム)
およびTm(ツリウム)をドープしたYAG(YttriumA
luminium Garnet)レーザや、Er(エルビウム)をド
ープしたYAGレーザが使用可能である。
【0036】パルスレーザビーム5の波長については、
1.4μm〜2.0μmの波長範囲に設定されたレーザ
ビームを使用すると、地上に多く存在する紫外光、可視
光、1.4μm未満の近赤外光の影響を回避でき、しか
も、水分子の吸収スペクトルが存在するため、万が一人
間の眼に入射したときでも、水に吸収されて網膜には届
かず安全(アイセーフ)である。さらに、1.9μm〜
2.0μmの波長範囲に設定したレーザビームを使用す
ると、1.9μm〜2.0μmは水分子の吸収スペクト
ルの中でも光吸収率が比較的小さくなる領域であるた
め、アイセーフを確保しつつ、大気中の雨や霧の影響を
回避することができる。アイセーフなレーザなら発振出
力を大きくでき測定範囲を拡大することもできる。
【0037】以上の説明において、パルスレーザの往復
時間を直接測定する構成を示したが、レーザビームを正
弦波状に強度変調して、コーナキューブミラー4からの
戻り光との位相差を検出する構成でもかまわない。
【0038】また、撮像素子13は、CCDカメラの他
にも光像の2次元位置情報が得られるものならば、4分
割フォトダイオードやPSD(光位置検出素子)が使用
可能である。受光素子22および受光素子34について
は、充分な時間分解能を得るために、高速で動作するG
eアバランシェフォトダイオードを使用するのが好まし
い。また、パルスレーザビーム5の波長が1μm以下の
ときはピンフォトダイオードを使用してもよい。
【0039】TDC44の精度については、±0.1n
sec〜±1nsecの時間分解能を有するため、精度
が±1nsecのとき、光速30cm/nsecに対し
て、距離の測定精度は30cm程度である。この精度
は、ビルの屋上に設置された小さなヘリポートに自動で
ヘリコプタを誘導するのに充分な精度である。
【0040】コーナキューブミラー4および計測ユニッ
ト2の配置については、計測ユニット2をヘリポートに
配置し、コーナキューブミラー4をヘリコプタ1に配置
してもよい。また逆に、図1に示したように、計測ユニ
ット2をヘリコプタ1に配置し、コーナキューブミラー
4をヘリポートに配置してもよい。特に、図1の場合、
定期航路以外の用途、たとえば災害などの緊急出動時に
おいても、目標地点にコーナキューブミラー4を設置す
るだけでよく、きわめて簡便である。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、撮像した
画像から光反射手段の方向、すなわち角度θ、φを特定
でき、戻り光を受光して光反射手段までの距離、すなわ
ち半径rを計測できる。この特定された方向および距離
によって、光反射手段とレーザビーム源などとの相対的
な3次元位置が決定される。また、光反射手段の位置を
探索する場合には、捕捉エリアを拡大でき、光反射手段
の方向および距離を測定する場合には、測定精度を向上
できる。
【0042】また本発明によれば、自機の姿勢に依存し
ないで測定光軸を3次元の任意の方向に向けることがで
き、測定しながら方位調整を行う自動追尾が可能にな
る。また、処理回路では、レーザの駆動タイミングと撮
像素子や受光素子の信号処理タイミングとを関連付けた
り、撮像素子や受光素子の信号強度に基づいて、レーザ
ビームの強度や広がり角を調整したり、各種の信号処理
が可能になる。
【0043】また本発明によれば、万が一人間の眼に入
射したときでも、水に吸収されて網膜には届かず安全
(アイセーフ)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態の光学的構成を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明の実施の一形態の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図4】本発明の実施の一形態の動作例を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 ヘリコプタ 2 計測ユニット 4 コーナキューブミラー 5 パルスレーザビーム 11 レーザビーム源 12 ビーム整形器 13 撮像素子 14、32 バンドパスフィルタ 34 受光素子 45 飛行管理計算機 47 2軸架台

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強度変調されたレーザビームを発射する
    レーザビーム源と、 レーザビームの広がり角を任意に制御するための光学素
    子と、 レーザビームを進行方向と反対方向に戻す光反射手段
    と、 光反射手段を撮像して、光反射手段の方向を検出するた
    めの撮像素子と、 光反射手段からの戻り光を受光して、光反射手段までの
    距離を計測するための受光素子とを備えることを特徴と
    する自機位置測定装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザビーム源、光学素子、撮像素
    子および受光素子を含む計測ユニットの方位角を2軸回
    りで調整する架台と、 レーザビーム源の駆動、光学素子の広り角制御、撮像素
    子の信号処理および受光素子の信号処理を行う処理回路
    とを備えることを特徴とする請求項1記載の自機位置測
    定装置。
  3. 【請求項3】 前記撮像素子および受光素子の受光側
    に、レーザビームの波長を中心波長とするバンドパスフ
    ィルタを備えることを特徴とする請求項1記載の自機位
    置測定装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザビームの波長は、1.4μm
    〜2.0μmの範囲に設定されることを特徴とする請求
    項1記載の自機位置測定装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザビームの波長は、1.9μm
    〜2.0μmの範囲に設定されることを特徴とする請求
    項1記載の自機位置測定装置。
  6. 【請求項6】 所望の目標地点に光反射手段を設置する
    工程と、 広がり角を大きくしたレーザビームを光反射手段に向け
    て発射する工程と、 撮像素子を用いて光反射手段からの戻り光を撮像して、
    光反射手段の方向を検出する工程と、 検出した光反射手段の方向に向けて、広がり角を小さく
    したレーザビームを発射する工程と、 受光素子を用いて光反射手段からの戻り光を受光して、
    光反射手段との距離を計測するとともに、撮像素子を用
    いて光反射手段の方向を検出する工程とを含むことを特
    徴とする自機位置測定方法。
  7. 【請求項7】 前記撮像素子および受光素子の受光側
    に、レーザビームの波長を中心波長とするバンドパスフ
    ィルタを設けて、それぞれ撮像および受光を行うことを
    特徴とする請求項6記載の自機位置測定方法。
  8. 【請求項8】 レーザビームの波長を1.4μm〜2.
    0μmの範囲に設定することを特徴とする請求項6記載
    の自機位置測定方法。
  9. 【請求項9】 レーザビームの波長を1.9μm〜2.
    0μmの範囲に設定することを特徴とする請求項6記載
    の自機位置測定方法。
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