JP5927005B2 - 巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法 - Google Patents

巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、COやHC、NOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境や人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体とケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
これらの目的を達成するために、保持シール材の嵩密度は高くなっており、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際、圧入時の組付け性が著しく低下するという問題があった。
そこで、特許文献1では、排ガス処理体表面又は保持シール材の排ガス処理体接触側表面に部分的又は全体的に両面テープを貼る又は接着剤を付けた後、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けてケーシング内に挿入する技術が開示されている。
また、特許文献2では、排ガス処理体に保持シール材を巻き付け、その巻き合わせ部を排ガス処理体に設けた固定部材により固定する技術が開示されている。
なお、本明細書において、排ガス処理体に巻き付けられた保持シール材は、排ガス処理体に巻き付ける前の状態をマットといい、マットに打ち抜く前の状態をマット材という。
特開2000−8844号公報 特開2001−248430号公報
近年では、バス、トラック等の大型車両に用いられる大型の排ガス浄化装置が増加する傾向にある。この大型の排ガス浄化装置では、重量が大きく、自動車の走行等により生じる振動や衝撃が大きいことに加えて、排ガス処理体前後での圧力損失が高く、また、背圧も高い。そのため、保持シール材にはさらに高い保持力が要求されることから、保持シール材の嵩密度はさらに高くなる傾向にある。
しかしながら、特許文献1で開示された技術を用いて、嵩密度の高い保持シール材を組付ける際は、両面テープ又は接着剤で固定した部分の摩擦係数が大きくなるため、圧入時に保持シール材がよじれてしまい、保持シール材をうまくケーシング内に収容できない場合がある。また、嵩密度の高い保持シール材は、巻き付け時に平面の板状に戻ろうとする力(復元力)が大きく、テープ等で固定する際、テープ等が剥がれる場合がある。
さらに、特許文献2で開示された技術を用いて、嵩密度の高い保持シール材を組付ける際は、上記復元力が強く働くため、固定部材では保持シール材をうまく固定できない場合がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、嵩密度の高い保持シール材であっても排ガス処理体に巻き付け、固定することが可能であって、また、ケーシング内に収容する際、保持シール材のずれを防止することが可能な巻付体、及び、巻付体の製造方法、並びに、上記巻付体及び上記巻付体の製造方法を用いた排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の巻付体は、排ガス処理体と、無機繊維を含むマット材からなり、上記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、紐状部材とからなる巻付体であって、上記保持シール材は、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合された状態で、上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、上記紐状部材は、上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の巻付体では、上記紐状部材が上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
また、上記紐状部材が上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されているため、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材がほとんど露出しない形態で配置することができる。保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
請求項2に記載の巻付体では、上記スリットが複数設けられている。つまり、複数の箇所で保持シール材を固定することができるため、より確実に排ガス処理体に固定することができる。
請求項3に記載の巻付体では、上記スリットが上記保持シール材の長手方向に沿って形成されている。そのため、保持シール材をより強い力で確実に排ガス処理体に固定することができる。
請求項4に記載の巻付体では、上記スリットが屈曲した形状を有する。また、請求項5に記載の巻付体では、上記スリットが湾曲した形状を有する。そのため、上記スリットに沿って紐状部材を配置した巻付体をケーシングに収容する際に、上記スリットの屈折部や湾曲部で紐状部材が引っかかるので、巻付体から紐状部材が外れにくくなる。
請求項6に記載の巻付体では、上記スリットが上記嵌合部付近に閉曲線で形成されている。そのため、上記スリットの長さを短くすることができ、短い紐状部材でも保持シール材を固定することができる。
請求項7に記載の巻付体では、上記スリットが、上記保持シール材の上記嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されており、凸形状の上記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置は、凹形状の上記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置よりも幅方向の中心部に近い位置に存在する。上記保持シール材の上記嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じることにより、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、凸形状の上記嵌合部をしっかり挟みこみ、嵌合部の隙間からの排気ガスのリークを抑制させることができる。さらに、保持シール材がしっかりと排ガス処理体に固定されるため、巻付体をケーシングに収容する際、保持シール材のずれを抑制することができる。
請求項8に記載の巻付体では、上記位置ずれの長さが0.5〜15mmである。上記位置ずれの長さが0.5〜15mmであると、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、凸形状の上記嵌合部をしっかり挟みこむことができる。
上記位置ずれの長さが0.5mm未満であると、位置ずれの長さが短すぎて、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力が充分に働かず、上記両端部同士の圧着力が充分に得られない場合がある。
上記位置ずれの長さが15mmを超えると、位置ずれの長さが長すぎて、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、保持シール材がずれたり、よれたりする場合がある。
請求項9に記載の巻付体では、上記スリットの深さが上記保持シール材を構成するマットの厚みの1/5〜4/5である。上記スリットの深さが上記保持シール材を構成するマットの厚みの1/5〜4/5であると、配置した紐状部材により上記保持シール材が切断されることがなく、また、紐状部材を配置した際、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出することなく、上記マットを排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しなければ、上記巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがないため、収容時に保持シール材のずれを防止することができる。
上記スリットの深さが上記保持シール材を構成するマットの厚みの1/5未満であると、上記スリットの深さが浅すぎて、紐状部材を配置した際、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出する場合があり、上記巻付体をケーシング内に挿入する際に上記紐状部材が上記スリットから外れるおそれがある。
上記スリットの深さが上記保持シール材を構成するマットの厚みの4/5を超えると、上記スリットの深さが深すぎて、配置した紐状部材により上記保持シール材が切断される場合がある。
請求項10に記載の巻付体では、上記無機繊維の平均繊維長が4〜120mmである。
無機繊維の平均繊維長が上記範囲内にあると、無機繊維同士が互いに絡みやすくなるため、紐状部材の張力により、保持シール材が引き裂かれにくくなる。
請求項11に記載の巻付体では、上記マットは、ニードルパンチング処理が施されている。
上記マットにニードルパンチング処理が施されていると、排ガス処理体に巻き付けた際、上記保持シール材が引き裂かれて分離してしまうことが防止される。
請求項12に記載の巻付体では、上記無機繊維は、低結晶性アルミナ質である。
また、請求項13に記載の巻付体では、上記無機繊維は、ムライト組成の低結晶性アルミナ質である。
無機繊維の材質が低結晶性アルミナ質であると、繊維が折損しにくい。無機繊維の材質がムライト組成の低結晶性アルミナ質であると、繊維がより折損しにくい。
高結晶性アルミナ質であると、硬く脆いため、クッション材として用いられる保持シール材には不向きである。
請求項14に記載の巻付体では、上記保持シール材は、単層構造のマット材からなり、上記単層構造のマット材の厚みは、5〜15mmである。
上記保持シール材が単層構造のマット材からなると、排ガス処理体に巻き付け、固定することが容易となる。
上記単層構造のマット材の厚みが上記範囲内にあると、排ガス処理体に巻き付け、固定することがより容易となる。さらには、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けた際に生じる、保持シール材の外側と内側との周長差による保持シール材割れを抑制することができる。
請求項15に記載の巻付体では、上記保持シール材が多層構造のマット材からなる。
上記保持シール材が多層構造のマット材からなると、保持シール材の保温性能を高めることができる。
また、上記保持シール材が多層構造のマット材からなると、大型の排ガス浄化装置に用いられる重量の大きい排ガス処理体の周囲に巻き付けた場合であっても、クッション性が良く、排ガス処理体に欠損が生じにくくなる。
請求項16に記載の巻付体では、上記多層構造のマット材は、少なくとも上記排ガス処理体に巻き付けた際に最も外側に位置する層にニードルパンチング処理が施されている。
少なくとも上記排ガス処理体に巻き付けた際に最も外側に位置する層にニードルパンチング処理が施されていると、排ガス処理体に巻き付けた際、保持シール材が引き裂かれて分離してしまうことが防止される。
請求項17に記載の巻付体では、上記マットは、識別情報をさらに有する。
識別情報として、例えば、上記マットが上記排ガス処理体に巻き付ける向きを識別可能な識別情報を有すると、マットを排ガス処理体に巻き付ける向きを誤ることを防止することができる。
また、上記マットが上記巻付体をケーシングに収容する際の向きを識別可能な識別情報を有すると、巻付体をケーシングに収容する際の向きを誤ることを防止することができる。
さらに、上記マットが識別情報(特に、製造ロット等のトレーサビリティに係る情報)を有する場合は、上記巻付体が高温下で使用された場合であっても、上記マットに識別情報を残すことができる。
請求項18に記載の巻付体では、上記紐状部材が伸縮可能である。
上記紐状部材が伸縮可能であることにより、上記紐状部材に張力が働き、保持シール材が排ガス処理体により密着しやすくなる。
請求項19に記載の巻付体では、伸縮可能な上記紐状部材の伸び率が100%以上である。
上記紐状部材の伸び率が100%以上であると、上記紐状部材により強い張力が働き、保持シール材が排ガス処理体にさらに密着しやすくなる。
請求項20に記載の巻付体では、伸縮可能な上記紐状部材の伸びに対する荷重は、0.01〜0.10N/mmである。
上記紐状部材の伸びに対する荷重が0.01〜0.10N/mmであると、保持シール材を排ガス処理体にしっかりと固定することができる。
上記紐状部材の伸びに対する荷重が0.01N/mm未満であると、保持シール材を排ガス処理体に固定する力が弱すぎて、保持シール材が排ガス処理体に充分に固定されない場合がある。
上記紐状部材の伸びに対する荷重が0.10N/mmを超えると、上記紐状部材を上記スリットに配置する際、大きな力が必要となり、作業性が悪くなる場合がある。
請求項21に記載の巻付体では、上記紐状部材が環状である。
上記紐状部材が環状であると、保持シール材の排ガス処理体への密着性が良く、また、作業性が良い。
請求項22に記載の巻付体では、環状の上記紐状部材の円周の長さは、上記排ガス処理体に上記保持シール材を巻き付けた際の外周の長さよりも短い。
上記紐状部材の円周の長さが、上記排ガス処理体に上記保持シール材を巻き付けた際の外周の長さよりも短いと、上記紐状部材の張力が働き、保持シール材をより強い力で排ガス処理体に固定することができる。
請求項23に記載の巻付体では、上記紐状部材は、2つの端部を有する線状の紐状部材である。
上記紐状部材が2つの端部を有する線状の紐状部材であると、様々な形状のスリットに沿って、上記紐状部材を配置することができる。
請求項24に記載の巻付体では、上記紐状部材の平均直径が0.2〜1.5mmである。
上記紐状部材の平均直径が0.2〜1.5mmであると、保持シール材のスリットに沿って上記紐状部材を配置することが容易となり、上記紐状部材が上記スリットから外れるのを防止することができ、保持シール材を排ガス処理体に確実に固定することができる。
上記紐状部材の平均直径が0.2mm未満であると、紐状部材が細すぎて、切れる場合がある。
上記紐状部材の平均直径が1.5mmを超えると、上記紐状部材が保持シール材の表面に露出し易くなるため、上記紐状部材が上記スリットから外れ、収容時に保持シール材にずれが生じる場合がある。
請求項25に記載の巻付体では、上記紐状部材の表面に凹凸が形成されている。
上記紐状部材の表面に凹凸が形成されていると、上記紐状部材と保持シール材との摩擦が大きくなり、保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、固定した後に、上記紐状部材がずれにくくなる。
請求項26に記載の巻付体では、上記紐状部材が加熱により消失する。
上記紐状部材が加熱により消失すると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付ける力がなくなるので、ケーシングに収容された保持シール材が本来の面圧で排ガス処理体を保持することができ、保持シール材を排ガス処理体によりしっかりと固定することができる。
請求項27に記載の巻付体では、上記紐状部材が耐熱性材料からなる。
上記紐状部材が耐熱性材料からなると、上記巻付体が高温下で使用された場合であっても、保持シール材を排ガス処理体に固定し続けることができる。
また、上記紐状部材が識別情報(特に、製造ロット等のトレーサビリティに係る情報)を有する場合は、上記巻付体が高温下で使用された場合であっても、上記紐状部材に識別情報を残すことができる。
請求項28に記載の巻付体では、上記紐状部材の耐熱温度が1000℃以上である。
上記紐状部材の耐熱温度が1000℃以上であると、上記巻付体を自動車等の内燃機関に使用した場合であっても、保持シール材を排ガス処理体に固定し続けることができる。
請求項29に記載の巻付体では、上記紐状部材は、識別情報をさらに有する。
識別情報として、例えば、上記紐状部材が上記スリットに配置する向きを識別可能な識別情報を有すると、紐状部材をスリットに配置する向きを誤ることを防止することができる。
また、上記紐状部材が上記巻付体をケーシングに収容する際の向きを識別可能な識別情報を有すると、巻付体をケーシングに収容する際の向きを誤ることを防止することができる。
さらに、上記紐状部材が識別情報(特に、製造ロット等のトレーサビリティに係る情報)を有する場合は、上記巻付体が高温下で使用された場合であっても、上記紐状部材に識別情報を残すことができる。
請求項30に記載の巻付体の製造方法では、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形上のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける巻き付け工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程とを含むことを特徴とする。
請求項30に記載の巻付体の製造方法では、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程とを含む。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付き、固定された巻付体が得られる。
請求項31に記載の巻付体の製造方法では、上記スリット形成工程を上記打ち抜き工程と同時に行う。
上記方法であると、工数を増加させることなくスリットを形成することができる。
請求項32に記載の巻付体の製造方法では、上記スリット形成工程は上記打ち抜き工程の後に行われる。
上記方法であると、スリットの深さ及び位置を細かく調整することができる。
請求項33に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットが複数設けられるように上記スリット形成工程を行う。
上記スリットが複数設けられるように上記スリット形成工程を行うことにより、複数の箇所に紐状部材を配置して、保持シール材がより確実に固定された巻付体が得られる。
請求項34に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットが上記マットの長手方向に沿って形成されるように上記スリット形成工程を行う。
上記スリットが上記マットの長手方向に沿って形成されるように上記スリット形成工程を行うことにより、保持シール材がより強い力で確実に排ガス処理体に固定された巻付体が得られる。
請求項35に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットが屈曲した形状を有するように上記スリット形成工程を行う。
請求項36に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットが湾曲した形状を有するように上記スリット形成工程を行う。
上記スリットが屈曲又は湾曲した形状を有するように上記スリット形成工程を行うことにより、上記スリットに沿って紐状部材を配置した巻付体をケーシングに収容する際に、上記スリットの屈折部や湾曲部で紐状部材が引っかかるので、巻付体から紐状部材が外れにくい巻付体が得られる。
請求項37に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットが上記嵌合部付近に閉曲線で形成されるように上記スリット形成工程を行う。
上記スリットが上記嵌合部付近に閉曲線で形成されるように上記スリット形成工程を行うことにより、上記スリットの長さを短くすることができ、作業性が向上する。
請求項38に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットが、上記保持シール材の上記嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されていて、凸形状の上記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置は、凹形状の上記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置よりも幅方向の中心部に近い位置に存在するように上記スリット形成工程を行う。
上記保持シール材の上記嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるようにスリットを形成することにより、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、凹形状の上記嵌合部が凸形状の上記嵌合部を挟み込むかたちとなり、上記両端部同士の圧着力が高い巻付体が得られる。
請求項39に記載の巻付体の製造方法では、上記位置ずれの長さが0.5〜15mmとなるように上記スリット形成工程を行う。
上記位置ずれの長さが0.5〜15mmとなるように上記スリット形成工程を行うことにより、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、上記両端部同士の圧着力が高い巻付体が得られる。
上記位置ずれの長さが0.5mm未満であると、位置ずれの長さが短すぎて、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力が充分に働かず、上記両端部同士の圧着力が高い巻付体が得られない場合がある。
上記位置ずれの長さが15mmを超えると、位置ずれの長さが長すぎて、上記両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、保持シール材がずれたり、よれたりした巻付体が得られる場合がある。
請求項40に記載の巻付体の製造方法では、上記スリットの深さが上記マットの厚みの1/5〜4/5となるように上記スリット形成工程を行う。
上記スリットの深さが上記マットの厚みの1/5〜4/5となるように上記スリット形成工程を行うことにより、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置した際に、配置した上記紐状部材により上記保持シール材が切断されることがない。また、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置した際に、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しない。上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しなければ、上記巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがないため、上記保持シール材が排ガス処理体からずれることなく、上記巻付体を容易に収容することができる。
上記スリットの深さが上記マットの厚みの1/5未満となるように上記スリット形成工程を行うと、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置した際に、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出する場合があり、上記巻付体をケーシング内に挿入する際に上記紐状部材が上記スリットから外れるおそれがある。
上記スリットの深さが上記マットの厚みの4/5を超えるように上記スリット形成工程を行うと、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置した際に、配置した上記紐状部材により上記保持シール材が切断される場合がある。
請求項41に記載された排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、無機繊維を含むマット材からなり、上記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、紐状部材とからなる排ガス浄化装置であって、上記保持シール材は、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合された状態で、上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、上記紐状部材は、上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されていることを特徴とする。
上記排ガス浄化装置では、上記紐状部材が上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットが上記両端部を横切って形成されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
また、上記紐状部材が上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されているため、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しない。保持シール材の外側の表面に紐状部材が露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
請求項42に記載された排ガス浄化装置の製造方法では、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形上のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける巻き付け工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程と、上記マットを巻き付けた上記排ガス処理体をケーシング内に収容する収容工程とを含むことを特徴とする。
上記排ガス浄化装置の製造方法では、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程とを含む。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付き、固定された排ガス浄化装置を得ることができる。
また、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程を含むため、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材がほとんど露出しない。保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止した排ガス浄化装置が得られる。
図1(a)は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示す保持シール材を構成するマットの一例を模式的に示す正面図である。図1(c)は、図1(b)に示したマットのA−A線断面図である。 図2は、マット材から本発明の第一実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図3(a)及び図3(b)は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図5(a)は、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示した排ガス浄化装置のB−B線断面図である。 図6(a)は、本発明の第二実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)に示す保持シール材を構成するマットの一例を模式的に示す正面図である。 図7(a)は、本発明の第三実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。図7(b)は、図7(a)に示す保持シール材を構成するマットの一例を模式的に示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の一実施形態である第一実施形態について説明する。
まず、本発明の第一実施形態に係る巻付体について説明する。
本発明の第一実施形態に係る巻付体は、排ガス処理体と、無機繊維を含むマットからなり、上記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、紐状部材とからなる巻付体であって、上記保持シール材は、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合された状態で、上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、上記紐状部材は、上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されている。
図1(a)は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示す保持シール材を構成するマットの一例を模式的に示す正面図である。図1(c)は、図1(b)に示したマットのA−A線断面図である。
図1(a)に示したように、本実施形態に係る巻付体100は、多数のセル101がセル壁102を隔てて長手方向に並設された柱状の排ガス処理体10と、排ガス処理体10の外側に配設され、排ガス処理体10を保持する保持シール材11と、排ガス処理体10の周囲に巻き付けられた紐状部材12とから構成されている。
本実施形態に係る巻付体100では、保持シール材11は、凹形状の嵌合部14a及び凸形状の嵌合部14bが嵌合された状態で、排ガス処理体10の周囲に巻き付けられている。
図1(b)は、図1(a)に示した保持シール材11を構成するマット16を模式的に示す正面図である。
マット16は、所定の長手方向の長さ、幅及び厚さを有する、平面視形状略矩形のマットである。
図1(a)及び図1(b)に示すように、保持シール材11(マット16)は、保持シール材11(マット16)の両端部15に、排ガス処理体10に巻き付けた際に嵌合する部位となる嵌合部14を有する。保持シール材11(マット16)の一方の端部15aには、凹形状の嵌合部14aが形成されており、他方の端部15bには、凸形状の嵌合部14bが形成されている。凹形状の嵌合部14aと凸形状の嵌合部14bとを合わせて、嵌合部14となる。
保持シール材11(マット16)の凹形状の嵌合部14a及び凸形状の嵌合部14bは、排ガス処理体10に巻き付けた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっている。
図1(a)に示すように、保持シール材11では、保持シール材11を排ガス処理体10に巻き付けた際に外側となる表面に、両端部15を横切ってスリット13が形成されている。
ここで、スリット13が両端部15を横切るとは、保持シール材11を排ガス処理体10に巻き付けた際に、保持シール材11の表面に形成されたスリット13の一部が、保持シール材11の長手方向(図1(a)において両矢印aで示される方向)に沿って両端部15を横切っている状態をいう。
スリット13が横切る両端部15の箇所は特に限定されず、両端部15に形成された嵌合部14を横切って形成されていてもよいし、嵌合部14が形成されていない両端部15を横切って形成されていてもよい。また、その両方に形成されていてもよい。
本実施形態に係る巻付体では、スリット13が、保持シール材11の長手方向(図1(a)において両矢印aで示される方向)に沿って形成されている。
スリットが保持シール材の長手方向に沿って形成されているとは、図1(b)に示すように、スリットがマット16の長手方向(図1(b)において両矢印Lで示される方向)に沿って、マット16の一方の端部15aから他方の端部15bに向かって形成されている状態をいう。スリット13は、必ずしもマット16の長手方向と平行な方向に形成されている必要はない。また、スリット13は、マット16の長手方向の全体にわたって形成されている必要はなく、一部形成されていない箇所があってもよい。
さらに、スリット13の一部に屈曲した形状、又は、湾曲した形状を有していてもよい。
保持シール材11では、スリット13が複数設けられていることが望ましい。
図1(a)及び図1(b)に示す保持シール材11(マット16)では、3つのスリット13a、13b及び13cが設けられている。図1(a)に示すように、スリット13bは、両端部15に形成された嵌合部14を横切って形成されている。また、スリット13aは、嵌合部14の両側に存在し、嵌合部14が形成されていない両端部15のうちの一方を横切って形成されている。さらに、スリット13cは、嵌合部14の両側に存在し、嵌合部14が形成されていない両端部15のうちのもう一方を横切って形成されている。
スリット13がこのように形成されていると、スリット13a、13b及び13cに沿って紐状部材12を配置した際、保持シール材11をよりしっかりと排ガス処理体10に巻き付け、固定することができる。
スリットの数は1つ以上であれば特に限定されるものではなく、3つ未満であってもよいし、4つ以上であってもよい。
図1(c)は、図1(b)に示したマットのA−A線断面図である。
本実施形態に係る巻付体では、スリット13a、13b及び13cは、どれも同じ形状である。
スリット13の断面形状は、線状であってもよく、図1(c)に示すようにV字状であってもよい。スリット13の断面形状がV字状であると、紐状部材12がスリット13内に埋め込まれやすくなる。その結果、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
図1(c)に示すように、スリットの深さtが保持シール材を構成するマットの厚みTの1/5〜4/5であることが望ましい。また、スリットの深さtは、2〜8mmであることが望ましい。
さらに、スリット13の断面形状がV字状である場合、スリット13の幅Wは、2〜15mmであることが望ましい。
保持シール材11は、無機繊維を含むマット16からなる。
マット16を構成する無機繊維としては、特に限定されず、アルミナ−シリカ繊維であってもよく、アルミナ繊維、シリカ繊維等であってもよい。また、ガラス繊維や生体溶解性繊維であってもよい。耐熱性や耐風蝕性等、保持シール材に要求される特性等に応じて変更すればよい。
この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が望ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより望ましい。加えて、スピネル型化合物を含む無機繊維がさらに好ましい。
ムライト組成の低結晶性アルミナ質及びスピネル型化合物を含む無機繊維は、ムライト結晶含有量が10重量%以下であることが望ましく、0.5〜4重量%であることがより望ましい。ムライト結晶含有量が上記範囲内であると、排ガス処理体に好適なクッション性を与え、繊維が折損しにくい巻付体が得られる。
さらには、肺気腫等を引き起こす可能性が低く、人体に悪影響を及ぼさない材料や繊維径等の形状を有する無機繊維を用いることも望ましい。
保持シール材11を構成するマット16は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
保持シール材11が単層構造のマットからなる場合は、マットの厚みTが5〜15mmであることが望ましい。
保持シール材11が多層構造のマットからなる場合は、例えば、同じ保持シール材を積層させて、多層構造を構成してもよく、さらには、繊維長、繊維径又は繊維材料等の異なる保持シール材を組合せて、多層構造を構成してもよい。これらの組合せは、耐熱温度やクッション性を考慮して、適宜最適な組合せで多層構造を構成することができる。
保持シール材11では、保持シール材11を構成するマット16は、無機繊維からなる素地マットに対してニードルパンチング処理を施して得られるニードルマットであることが望ましい。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。
保持シール材11を構成するマット16では、比較的平均繊維長の長い無機繊維がニードルパンチング処理により3次元的に交絡している。マットは、長手方向に垂直な幅方向でニードルパンチング処理されているが、ニードルパンチング処理を行う方向は特に限定されるものではなく、長手方向に対して斜めの方向であってもよいし、ランダムな方向であってもよい。
また、ニードルパンチング処理は、マットの片側の表面のみから行ってもよいし、両側の表面から行ってもよい。
なお、交絡構造を呈するために、無機繊維はある程度の平均繊維長を有しており、例えば、無機繊維の平均繊維長は、4mm〜120mmであることが望ましい。
ニードルパンチの存在密度は、100cmあたり10〜500個であることが望ましい。
ニードルパンチの存在密度が100cmあたり10個未満であると、排ガス処理体に巻き付けた際、保持シール材が引き裂かれて分離してしまう場合がある。
ニードルパンチの存在密度が100cmあたり500個を超えると、保持シール材を曲げにくくなり、排ガス処理体に巻き付けた際、平面の板状に戻ろうとする力が大きくなる。その結果、スリットに沿って紐状部材を配置した際、紐状部材に大きな張力がかかり、紐状部材が破断する場合がある。
保持シール材11が多層構造のマット16からなる場合は、少なくとも排ガス処理体10に巻き付けた際に最も外側に位置する層にニードルパンチング処理が施されていることが望ましい。
保持シール材11を構成するマット16には、識別情報が設けられていることが望ましい。
識別情報として、インクジェットによる文字やバーコードの印字、油性ペンでのマーキング、テープなどを使用することができる。上記情報表示により、例えば、マット16の少なくとも1つの面上に、排ガス処理体10に巻き付ける向きを「この面が内側」、「この面が外側」と記載することができるが、その他の情報としては、製品名、製品番号、製造番号、品種、重量、製品サイズ、組付け方法、組付け方向、適用車種、注意喚起、連絡先及び会社名から選ばれる少なくとも一つの情報を記載することができる。また、上記文字部で表示される文字は、アルファベット、数字、漢字、ひらがな、カタカナ、記号及びドットから選ばれる少なくとも一つの情報であることが望ましい。
本実施形態に係る巻付体100では、紐状部材12は、保持シール材11の外側の表面に形成されたスリット13に沿って配置されている。
ここで、紐状部材12は、全てスリット13内に埋め込まれていてもよく、また、一部がスリット13の外に出ていてもよい。
紐状部材12は、伸縮可能であることが望ましい。伸縮可能な部材としては、例えば、ゴム、エラストマー、スプリング形状の金属等が挙げられる。その中でも特に、ゴムからなることが望ましい。
伸縮可能な紐状部材12の伸び率は、100%以上であることが望ましく、100〜2000%であることがより望ましい。伸び率が2000%を超えると、保持シール材を排ガス処理体にしっかりと固定できない場合がある。
また、紐状部材12の伸び率は、200〜1000%であることがさらに望ましい。
紐状部材12の伸び量としては、50mm以上が望ましい。
伸縮可能な紐状部材12の伸びに対する荷重は、0.01〜0.10N/mmであることが望ましく、0.05〜0.09N/mmであることがより望ましい。
紐状部材12は、環状であってもよく、2つの端部を有する線状の紐状部材であってもよい。
紐状部材12が環状である場合、紐状部材12の円周の長さは、排ガス処理体10に保持シール材11を巻き付けた際の外周の長さよりも短いことが望ましい。
紐状部材12の平均直径は、0.2〜1.5mmであることが望ましく、0.5〜1.0mmであることがより望ましい。
紐状部材12は、表面に凹凸が形成されていることが望ましい。表面に凹凸が形成されている紐状部材としては、縫糸、ヤーン、ロープ、ゴム、又は、金属バネであることが望ましく、ゴムであることがより望ましい。
紐状部材12は、加熱により消失することが望ましい。加熱により消失する紐状部材としては、加熱した際に有害ガスの発生が小さいものであることが望ましく、ゴム又はエラストマーであることがより望ましい。
紐状部材12は、耐熱性材料からなることが望ましい。また、耐熱温度が1000℃以上であることが望ましい。具体的にはステンレス、銅、Ni系合金、又は、Mg系合金からなることが望ましく、ステンレスからなることがより望ましい。
紐状部材12には、識別情報が設けられていることが望ましい。
識別情報としては、インクジェットによる文字やバーコードの印字、油性ペンでのマーキング、色の異なるテープなどを使用することができる。上記情報表示により、例えば、紐状部材12をスリット13に配置する向きを「この側面が内側」、「この側面が外側」と記載することができるが、その他の情報としては、製品名、製品番号、製造番号、品種、重量、製品サイズ、組付け方法、組付け方向、適用車種、注意喚起、連絡先及び会社名から選ばれる少なくとも一つの情報を記載することができる。また、上記文字部で表示される文字は、アルファベット、数字、漢字、ひらがな、カタカナ、記号、バーコード及びドットから選ばれる少なくとも一つの情報であることが望ましい。
次に、本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法を説明する。
本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形上のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける巻き付け工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程とを含む。
まず、所定の大きさのマット材を準備する。
マット材は、上述したニードルパンチング処理を素地マット材に施すことで作製することができる。素地マット材では、無機繊維が紡糸工程を経て緩く絡み合っている。この緩く絡み合った無機繊維に対してニードルパンチング処理を施すことで、より複雑に無機繊維が絡み合い、交絡構造を有するマット材とすることができる。
マット材には、必要に応じてバインダを付着させる。マット材にバインダを付着させることで、無機繊維同士の交絡構造をより強固なものとすることができるとともに、マット材の嵩高さを抑えることができる。
バインダとしては、アクリル系ラテックスやゴム系ラテックス等を水に分散させて調製したエマルジョンを用いることができる。このバインダをスプレー等を用いてマット材全体に均一に吹きかけて、バインダをマット材に付着させる。
バインダを付着させる量は、繊維量に対して0.01〜15重量%であることが望ましく、0.05〜10重量%であることがより望ましく、0.1〜3重量%であることがさらに望ましい。
その後、バインダ中の水分を除去するために、マット材を乾燥させる。乾燥条件としては、例えば、95〜150℃で1〜30分間乾燥させればよい。乾燥工程を経ることでマット材を作製することができる。
次に、打ち抜き工程を行う。
図2は、マット材から本発明の第一実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図2に示すマット材20は、本実施形態に係るマット26を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図2における実線部分でマット材を切断して、マット26を作製する。
マット材の打ち抜きの方法及びマット材の打ち抜きに使用する装置は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することができる。
例えば、打ち抜き刃としては、マットを打ち抜く際の打ち抜きパターンと同形状に設計された刃を有するトムソン刃を用い、打ち抜き装置としては、油圧プレス機等を用いることができる。
打ち抜いたマット26の形状については、既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
続いて、スリット形成工程を行う。
本実施形態に係る巻付体の製造方法では、図1(b)に示すように、スリット13がマット16の長手方向に沿って形成されるようにスリット形成工程を行う。
スリット13を形成する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することができる。例えば、トムソン刃又はカッターを用いてスリット13を形成したり、型に嵌め込んでスリット13を形成することができる。
スリット13の断面形状が線状である場合は、トムソン刃又はカッターをマット16に垂直に当てることでスリット13を形成する。すなわち、1回の工程でスリット13を形成することができるため、より容易にスリットを形成することができる。
スリット13の断面形状がV字状である場合は、トムソン刃又はカッターをマット16に所定の角度で当て、さらに所定の角度で逆からも当てることでスリット13を形成する。すなわち、2回の工程でスリット13を形成することができる。また、V字型の刃を用いてスリット13を形成してもよい。
スリット形成工程は、打ち抜き工程と同時に、又は、打ち抜き工程の後において行ってもよい。
打ち抜き工程と同時にスリット形成工程を行う場合、スリットとなる部位の刃長が短くなるような段差を有するトムソン刃を用いる方法を用いることができる。この場合、マット材を切断する部位のトムソン刃がマット材を貫通した際に、スリットとなる部位に接触するトムソン刃がマット材の厚さ方向の途中にまで達するようにする。
打ち抜き工程の後にスリット形成工程を行う場合、打ち抜き工程においてマットの外周部分となる部分だけをトムソン刃で打ち抜いた後、スリットとなる部位を厚さ方向の途中にまで達するようにカッターでスリットを形成する方法が挙げられる。
スリット13の数、形状等については、既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
これらの方法では、スリットとなる部位に接触するトムソン刃の刃長やカッターでの切込みの深さを調整することによって、スリットの深さを調整することができる。
また、トムソン刃を用いてスリット形成工程を行う場合、スリット13の数、形状等は、使用するトムソン刃のパターンを変更することで定めることができる。
巻き付け工程の前に、マット16に識別情報を付与することが望ましい。識別情報を付与する情報としては、例えば、インクジェット印字を行う方法等が挙げられる。排ガス処理体に巻き付ける前のマットに識別情報を付与することによって、マットを排ガス処理体に巻き付ける向きを間違えることを防止することができる。
次に、巻き付け工程を行う。
図3(a)及び図3(b)は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
図3(a)に示すように、上記工程で製造した図1(b)に示すマット16を、スリット13が形成された面が外側となるようにして、凹形状の嵌合部14a及び凸形状の嵌合部14bが嵌合するように、排ガス処理体10の外周に巻き付ける。
配置工程の前に、紐状部材12に識別情報を付与することが望ましい。識別情報を付与する情報としては、例えば、インクジェット印字を行う方法等が挙げられる。スリットに沿って紐状部材を配置する前の紐状部材に識別情報を付与することによって、紐状部材をスリットに配置する向きを間違えることを防止することができる。
最後に、配置工程を行う。
図3(b)に示すように、紐状部材12を、上記工程で得られた保持シール材11に形成されたスリット13に沿って配置する。ここで、紐状部材12は、全てスリット13内に埋め込まれていてもよく、また、スリット13の深さを一部浅くしたり、紐状部材12の太さを一部太くしたりして、一部がスリット13の外に出ていてもよい。
紐状部材12の一部がスリット13の外に出ていると、サイジング方式やクラムシェル方式を用いて排ガス処理体をケーシング内に収容する際、排ガス処理体とケーシングを厳密に位置合わせさせるための目印となる。
紐状部材の形状、材質等については、既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
このような方法により、図1(a)に示す本実施形態に係る巻付体100を製造することができる。
次に、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法について説明する。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形上のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける巻き付け工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程と、上記マットを巻き付けた上記排ガス処理体をケーシング内に収容する収容工程とを含む。
図4は、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、本実施形態に係る巻付体の製造方法と同様に、準備工程、打ち抜き工程、スリット形成工程、巻き付け工程、及び、配置工程を行う。これらの工程については既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
これらの工程の後に、収容工程を行う。
図4に示したように、マットを巻き付けた排ガス処理体(巻付体400)を所定の大きさを有する円筒状であって、主に金属等からなるケーシング47に圧入する。
圧入後にシール材が圧縮して所定の反発力(すなわち、ハニカムフィルタを保持する力)を発揮するために、ケーシング47の内径は、保持シール材41を巻き付けた排ガス処理体40の保持シール材41の厚さを含めた最外径より少し小さくなっている。
保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシング内に収容させる方法は、圧入方式(スタッフィング方式)に限定されるものではなく、サイジング方式(スウェージング方式)、及び、クラムシェル方式等も挙げられる。
サイジング方式(スウェージング方式)では、保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシングの内部に挿入した後、ケーシングの内径を縮めるように外周側から圧縮する。クラムシェル方式では、ケーシングを、第1のケーシング及び第2のケーシングの2つの部品に分離可能な形状としておき、保持シール材を巻きつけた排ガス処理体を第1のケーシング上に載置した後に第2のケーシングを被せて密封する。
保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシングに収容する方法の中では、圧入方式(スタッフィング方式)又はサイジング方式(スウェージング方式)が望ましい。圧入方式(スタッフィング方式)又はサイジング方式(スウェージング方式)では、ケーシングとして2つの部品を用いる必要がないため、製造工程の数を少なくすることができるからである。
次に、上記工程により製造した本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置について説明する。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、無機繊維を含むマットからなり、上記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、紐状部材とからなる排ガス浄化装置であって、上記保持シール材は、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合された状態で、上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、上記紐状部材は、上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されている。
以下、本実施形態に係る排ガス浄化装置の一例について図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。
図5(a)は、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示した排ガス浄化装置のB−B線断面図である。
図5(a)及び図5(b)に示したように、本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、多数のセル501がセル壁502を隔てて長手方向に並設された柱状の排ガス処理体50と、排ガス処理体50を収容するケーシング57と、排ガス処理体50とケーシング57との間に配設され、排ガス処理体50を保持する保持シール材51と、保持シール材51の周囲に巻き付けられた紐状部材52とから構成されている。
つまり、本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、図1(a)に示した本実施形態に係る巻付体100と、ケーシング57とから構成されている。
本実施形態に係る巻付体100の構成については、既に述べているので省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すケーシング57は、主にステンレス等の金属からなり、その形状は、円筒状である。また、その内径は、ハニカムフィルタ50の端面の直径とハニカムフィルタ50に巻付けられた状態の保持シール材51の厚さとを合わせた長さより若干短くなっており、その長さは、ハニカムフィルタ50の長手方向(図5(a)中、矢印Wの方向)における長さと略同一となっている。
本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、図5(a)及び図5(b)に示すように、排ガス処理体50として、各々のセルにおけるいずれか一方が封止材58によって目封じされたハニカムフィルタ50を用いている。
ハニカムフィルタ50は、主に多孔質セラミックからなり、その形状は円柱状である。また、ハニカムフィルタ50の外周には、ハニカムフィルタ50の外周部を補強したり、形状を整えたり、ハニカムフィルタ50の断熱性を向上させたりする目的で、シール材層58が設けられている。
なお、ハニカムフィルタ50の内部の構成については、上述した本実施形態の排ガス浄化装置の説明で既に述べたとおりである。
上述した構成を有する排ガス浄化装置を排ガスが通過する場合について、図5(b)を用いて以下に説明する。
図5(b)に示したように、内燃機関から排出され、排ガス浄化装置500に流入した排ガス(図5(b)中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、ハニカムフィルタ50の排ガス流入側端面50aに開口した一のセル501に流入し、セル501を隔てるセル壁502を通過する。この際、排ガス中のPMがセル壁502で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面50bに開口した他のセル501から流出し、外部に排出される。
以下に、本発明の第一実施形態に係る巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材が保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、スリットは、保持シール材の両端部を横切って形成されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
(2)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材が保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されているため、保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しない。保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
(3)本実施形態に係る巻付体では、スリットが複数設けられている。つまり、複数の箇所で保持シール材を固定することができるため、より確実に排ガス処理体に固定することができる。
(4)本実施形態に係る巻付体では、スリットが保持シール材の長手方向に沿って形成されている。そのため、保持シール材をより強い力で確実に排ガス処理体に固定することができる。
(5)本実施形態に係る巻付体では、スリットが屈曲した形状、又は、湾曲した形状を有する。そのため、上記スリットに沿って紐状部材を配置した巻付体をケーシングに収容する際に、上記スリットの屈折部や湾曲部で紐状部材が引っかかるので、巻付体から紐状部材が外れにくくなる。
(6)本実施形態に係る巻付体では、スリットの深さがマットの厚みの1/5〜4/5である。そのため、配置した紐状部材により保持シール材が切断されることがなく、また、紐状部材を配置した際、保持シール材の外側の表面に紐状部材が露出することなく、マットを排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがないため、収容時に保持シール材のずれを防止することができる。
(7)本実施形態に係る巻付体では、無機繊維の平均繊維長が4〜120mmである。無機繊維の平均繊維長が上記範囲内にあると、無機繊維同士が互いに絡みやすくなるため、紐状部材の張力により、保持シール材が引き裂かれにくくなる。
(8)本実施形態に係る巻付体では、マットは、ニードルパンチング処理が施されている。
マットにニードルパンチング処理が施されていると、排ガス処理体に巻き付けた際、保持シール材が引き裂かれて分離してしまうことが防止される。
(9)本実施形態に係る巻付体では、無機繊維は、低結晶性アルミナ質又はムライト組成の低結晶性アルミナ質である。高結晶性アルミナ質は、低結晶性アルミナ質と比較して硬く脆い。そのため、無機繊維の材質が低結晶性アルミナ質であると、繊維が折損しにくい。無機繊維の材質がムライト組成の低結晶性アルミナ質であると、繊維がより折損しにくい。
(10)本実施形態に係る巻付体では、保持シール材は、単層構造のマットからなり、単層構造のマットの厚みは、5〜15mmである。保持シール材が単層構造のマットからなると、排ガス処理体に巻き付け、固定することが容易となる。単層構造のマットの厚みが上記範囲内にあると、排ガス処理体に巻き付け、固定することがより容易となる。
(11)本実施形態に係る巻付体では、保持シール材が多層構造のマットからなる。保持シール材が多層構造のマットからなると、保持シール材の保温性能を高めることができる。
また、上記保持シール材が多層構造のマット材からなると、大型の排ガス浄化装置に用いられる重量の大きい排ガス処理体の周囲に巻き付けた場合であっても、クッション性が良く、排ガス処理体に欠損が生じにくくなる。
(12)本実施形態に係る巻付体では、多層構造のマットは、少なくとも上記排ガス処理体に巻き付けた際に最も外側に位置する層にニードルパンチング処理が施されている。そのため、排ガス処理体に巻き付けた際、保持シール材が引き裂かれて分離してしまうことが防止される。
(13)本実施形態に係る巻付体では、マットは、識別情報をさらに有する。識別情報として、例えば、上記マットが上記排ガス処理体に巻き付ける向きを識別可能な識別情報を有すると、マットを排ガス処理体に巻き付ける向きを誤ることを防止することができる。
また、上記マットが上記巻付体をケーシングに収容する際の向きを識別可能な識別情報を有すると、巻付体をケーシングに収容する際の向きを誤ることを防止することができる。
(14)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材が伸縮可能である。紐状部材が伸縮可能であることにより、紐状部材に張力が働き、保持シール材が排ガス処理体により密着しやすくなる。
(15)本実施形態に係る巻付体では、伸縮可能な紐状部材の伸び率が100%以上である。紐状部材の伸び率が100%以上であると、紐状部材により強い張力が働き、保持シール材が排ガス処理体にさらに密着しやすくなる。
(16)本実施形態に係る巻付体では、伸縮可能な上記紐状部材の伸びに対する荷重は、0.01〜0.10N/mmである。そのため、保持シール材を排ガス処理体にしっかりと固定することができる。
(17)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材が環状である。紐状部材が環状であると、保持シール材の排ガス処理体への密着性が良く、また、作業性が良い。
(18)本実施形態に係る巻付体では、環状の上記紐状部材の円周の長さは、排ガス処理体に保持シール材を巻き付けた際の外周の長さよりも短い。そのため、紐状部材の張力が働き、保持シール材をより強い力で排ガス処理体に固定することができる。
(19)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材は、2つの端部を有する線状の紐状部材である。紐状部材が2つの端部を有する線状の紐状部材であると、様々な形状のスリットに沿って、紐状部材を配置することができる。
(20)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材の平均直径が0.2〜1.5mmである。
紐状部材の平均直径が上記範囲内であると、保持シール材のスリットに沿って紐状部材を配置することが容易となり、紐状部材がスリットから外れるのを防止することができ、保持シール材を排ガス処理体に確実に固定することができる。
(21)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材の表面に凹凸が形成されている。紐状部材の表面に凹凸が形成されていると、紐状部材と保持シール材との摩擦が大きくなり、保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、固定した後に、紐状部材がずれにくくなる。
(22)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材が加熱により消失する。
上記紐状部材が加熱により消失すると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付ける力がなくなるので、ケーシングに収容された保持シール材が本来の面圧で排ガス処理体を保持することができ、保持シール材を排ガス処理体によりしっかりと固定することができる。
(23)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材が耐熱性材料からなる。紐状部材が耐熱性材料からなると、巻付体が高温下で使用された場合であっても、保持シール材を排ガス処理体に固定し続けることができる。
また、上記紐状部材が識別情報(特に、製造ロット等のトレーサビリティに係る情報)を有する場合は、上記巻付体が高温下で使用された場合であっても、上記紐状部材に識別情報を残すことができる。
(24)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材の耐熱温度が1000℃以上である。紐状部材の耐熱温度が1000℃以上であると、巻付体を自動車等の内燃機関に使用した場合であっても、保持シール材を排ガス処理体に固定し続けることができる。
(25)本実施形態に係る巻付体では、紐状部材は、識別情報をさらに有する。識別情報として、例えば、上記紐状部材が上記スリットに配置する向きを識別可能な識別情報を有すると、紐状部材をスリットに配置する向きを誤ることを防止することができる。
また、上記紐状部材が上記巻付体をケーシングに収容する際の向きを識別可能な識別情報を有すると、巻付体をケーシングに収容する際の向きを誤ることを防止することができる。
(26)本実施形態に係る巻付体の製造方法では、マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する工程とを含む。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付き、固定された巻付体が得られる。
(27)本実施形態に係る巻付体の製造方法では、スリット形成工程を打ち抜き工程と同時に行う。上記方法であると、工数を増加させることなくスリットを形成することができる。
(28)本実施形態に係る巻付体の製造方法では、スリット形成工程は打ち抜き工程の後に行われる。上記方法であると、スリットの深さ及び位置を細かく調整することができる。
(29)本実施形態に係る排ガス浄化装置では、紐状部材が保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、スリットが両端部を横切って形成されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付き、固定することができる。
(30)本実施形態に係る排ガス浄化装置では、紐状部材が保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されているため、保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しない。保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
(31)本実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となるマットの表面に、両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、スリットに沿って紐状部材を配置する配置工程とを含む。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、排ガス処理体に巻き付き、固定された排ガス浄化装置を得ることができる。
(32)本実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、スリットに沿って紐状部材を配置する配置工程を含むため、保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しない。保持シール材の外側の表面に紐状部材がほとんど露出しなければ、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止した排ガス浄化装置が得られる。
(第二実施形態)
以下、本発明の巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の一実施形態である第二実施形態について説明する。
本発明の第二実施形態に係る巻付体は、保持シール材の外側の表面に形成されたスリットが、嵌合部付近に閉曲線で形成されている点で、本発明の第一実施形態の場合と異なる。
まず、本発明の第二実施形態に係る巻付体について説明する。
図6(a)は、本発明の第二実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)に示す保持シール材を構成するマットの一例を模式的に示す正面図である。
図6(a)に示す本実施形態に係る巻付体600は、多数のセル601がセル壁602を隔てて長手方向に並設された柱状の排ガス処理体60と、排ガス処理体60の外側に配設され、排ガス処理体60を保持する保持シール材61と、排ガス処理体60の周囲に巻き付けられた紐状部材62とから構成されている。
本実施形態に係る巻付体600では、保持シール材61の外側の表面に形成されたスリット63が、嵌合部64付近に閉曲線となるように形成されている。
すなわち、保持シール材61を排ガス処理体60に巻き付けた際に、スリット63が嵌合部64を囲うように形成されている。従って、スリット63の一部は、嵌合部64の両側に存在し、嵌合部64が形成されていない2箇所の両端部65を、それぞれ横切って形成されている。
スリット63は、閉曲線で形成されていればよく、略円形状であってもよいし、図6(a)に示すように略矩形状であってもよい。
図6(a)に示す保持シール材61では、保持シール材61を排ガス処理体60に巻き付けた際に、1つのスリット63が設けられている。
図6(b)に示すように、保持シール材61を排ガス処理体60に巻き付ける前のマット66では、凹形状の嵌合部64aを囲うコの字状のスリット63a、及び、凸形状の嵌合部64bを囲うコの字状のスリット63bが形成されている。保持シール材61を排ガス処理体60に巻き付けた際は、スリット63a及び63bが合わさって、図6(a)に示すスリット63となる。
スリット63の深さは、2〜8mmであることが望ましい。スリット63の深さが上記範囲内であれば、紐状部材62がスリット63内に挿入され、保持シール材61をしっかりと固定することができる。また、図6(a)に示す巻付体では、紐状部材62がスリット63から飛び出し易いので、接着剤等を用いて紐状部材62をスリット63の内部に固定してもよい。
スリットの数は特に限定されるものではなく、2つ以上であってもよい。
この場合、2つ目以上のスリットは、スリット63の内側(嵌合部64に近い側)及び/又は外側(嵌合部64から遠い側)に形成される。
次に、本発明の第二実施形態に係る巻付体の製造方法を説明する。
本発明の第二実施形態に係る巻付体の製造方法は、スリット形成工程において形成するスリットの形状が異なる点で、本発明の第一実施形態の場合と異なる。
スリット63の数、形状等については、既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法と同様に、スリット63の形成は、トムソン刃又はカッターを用いて行う。スリット63を形成する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することができる。例えば、トムソン刃又はカッターを用いてスリット63を形成したり、型に嵌め込んでスリット63を形成することができる。
トムソン刃を用いてスリット形成工程を行う場合、スリット63の数、形状等は、使用するトムソン刃のパターンを変更することで定めることができる。
上記に説明した以外の、巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の実施形態については、本発明の第一実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第二実施形態では、本発明の第一実施形態において説明した効果(1)〜(3)、(6)〜(32)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(33)本実施形態に係る巻付体では、スリットが嵌合部付近に閉曲線で形成されている。そのため、スリットの長さを短くすることができ、短い紐状部材でも保持シール材を固定することができる。
(34)本実施形態に係る巻付体の製造方法では、スリットが嵌合部付近に閉曲線で形成されるようにスリット形成工程を行う。スリットが嵌合部付近に閉曲線で形成されるようにスリット形成工程を行うことにより、スリットの長さを短くすることができ、作業性が向上する。
(第三実施形態)
以下、本発明の巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本発明の第三実施形態に係る巻付体は、保持シール材の外側の表面に形成されたスリットが、保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されている点で、本発明の第一実施形態の場合と異なる。
まず、本発明の第三実施形態に係る巻付体について説明する。
図7(a)は、本発明の第三実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。図7(b)は、図7(a)に示す保持シール材を構成するマットの一例を模式的に示す正面図である。
図7(a)に示す本実施形態に係る巻付体700は、多数のセル701がセル壁702を隔てて長手方向に並設された柱状の排ガス処理体70と、排ガス処理体70の外側に配設され、排ガス処理体70を保持する保持シール材71と、排ガス処理体70の周囲に巻き付けられた紐状部材72とから構成されている。
図7(a)及び図7(b)に示すように、本実施形態に係る巻付体700では、保持シール材71の外側の表面に形成されたスリット73a及び73bが保持シール材71の嵌合部74を有する両端部75で、幅方向(図7(a)中において両矢印Wで示される方向)に位置ずれが生じるように形成されている。
すなわち、凸形状の嵌合部74bを有する端部75bにおけるスリット73aの幅方向の位置B1は、凹形状の嵌合部74aを有する端部75aにおけるスリット73aの幅方向の位置A1よりも幅方向の中心部に近い位置に存在する。
また、凸形状の嵌合部74bを有する端部75bにおけるスリット73bの幅方向の位置B2は、凹形状の嵌合部74aを有する端部75aにおけるスリット73bの幅方向の位置A2よりも幅方向の中心部に近い位置に存在する。
位置ずれの長さdは、0.1〜19.5mmであることが望ましく、0.3〜15mmであることがより望ましい。
位置ずれの長さdとは、図7(a)に示すように、排ガス処理体70に巻き付けられた保持シール材71の位置A1とB1との間の長さ、又は、排ガス処理体70に巻き付けられた保持シール材71の位置A2とB2との間の長さをいう。
図7(a)及び図7(b)に示すように、スリット73a及び73bは、保持シール材71(マット76)の長手方向(図7(a)中において両矢印aで示される方向、又は、図7(b)中において両矢印Lで示される方向)に沿って形成されている。しかしながら、長手方向に平行な方向には形成されていない。
スリット73a及び73bは、図7(b)に示すように、マット76の幅方向(図7(b)中において両矢印Wで示される方向)の中心線78を中心として、対称に形成されていることが望ましい。
図7(a)及び図7(b)に示す保持シール材71(マット76)では、2つのスリット73a及び73bが設けられている。
スリットの数は特に限定されるものではないが、マット76の幅方向の中心線78を中心として、同じ数のスリットが対称に形成されていることが望ましい。紐状部材の張力が均等に働き、凸形状の嵌合部74bをしっかり挟みこむことができるからである。
スリット73は、両端部75付近で保持シール材71を貫通していることが望ましい。スリット73が両端部75付近で保持シール材71を貫通してれば、紐状部材72が位置ずれ部分では保持シール材71の内側を通るため、紐状部材72が外れにくくなる。その結果、保持シール材71をしっかりと固定することができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る巻付体の製造方法を説明する。
本発明の第三実施形態に係る巻付体の製造方法は、スリット形成工程において形成するスリットの形状が異なる点で、本発明の第一実施形態の場合と異なる。
スリット73の数、形状等については、既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法と同様に、スリット73の形成は、トムソン刃又はカッターを用いて行う。スリット73を形成する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することができる。例えば、トムソン刃又はカッターを用いてスリット73を形成したり、型に嵌め込んでスリット73を形成することができる。
トムソン刃を用いてスリット形成工程を行う場合、スリット73の数、形状等は、使用するトムソン刃のパターンを変更することで定めることができる。
上記に説明した以外の、巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の実施形態については、本発明の第一実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第三実施形態では、本発明の第一実施形態において説明した効果(1)〜(32)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(35)本実施形態に係る巻付体では、スリットが、保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されており、凸形状の嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置は、凹形状の嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置よりも幅方向の中心部に近い位置に存在する。保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じることにより、両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、凸形状の嵌合部をしっかり挟みこみ、嵌合部の隙間からの排気ガスのリークを抑制させることができる。
(36)本実施形態に係る巻付体では、位置ずれの長さが0.5〜15mmである。位置ずれの長さが上記範囲内であると、両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、凸形状の嵌合部をしっかり挟みこむことができる。
(37)本実施形態に係る巻付体の製造方法では、スリットが、保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されていて、凸形状の嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置は、凹形状の嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置よりも幅方向の中心部に近い位置に存在するようにスリット形成工程を行う。保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるようにスリットを形成することにより、両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、凹形状の上記嵌合部が凸形状の上記嵌合部を挟み込むかたちとなり、両端部同士の圧着力が高い巻付体が得られる。
(38)本実施形態に係る巻付体の製造方法では、位置ずれの長さが0.5〜15mmとなるようにスリット形成工程を行う。位置ずれの長さが上記範囲内となるようにスリット形成工程を行うことにより、両端部の隙間に位置する紐状部材の張力により、両端部同士の圧着力が高い巻付体が得られる。
(実施例)
以下に、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明の実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜6では、図1(a)及び図5(a)に示す本発明の第一実施形態をより具体的に示す。
(実施例1)
アルミナ−シリカ組成を有するアルミナ繊維製の素地マットとして、組成比がAl:SiO=72:28である素地マットを用意した。この素地マットに対し、ニードルパンチング処理を施すことで、嵩密度が0.15g/cmであり、目付量が1050g/mであるニードルマットを作製した。
別途、アクリル系ラテックスを水に充分に分散させることで、アクリル系ラテックスエマルジョンを調製しておき、これをバインダとして用いた。
次に、ニードルマットを平面視寸法で全長1100mm×幅1280mmに裁断した。裁断したニードルマットのアルミナ繊維量に対し1.0重量%となるように、裁断したニードルマットに対してスプレーを用いてバインダを均一に吹き付けた。
その後、バインダを付着させたニードルマットを140℃の温度で6分間通気乾燥させることにより、マット材を作製した。
続いて、マット材から図1(b)に示すような形状のマットを打ち抜き、同時にスリットの形成を行った。
マット材の打ち抜き及びスリットの形成は、トムソン刃及び油圧プレス機を用いて行った。
打ち抜いたマットの寸法は、長手方向の長さがL=507mm、幅がW=145mm、厚さがT=9.1mm、凹形状及び凸形状の嵌合部の長手方向の長さがL=50mmである。
スリットは、マットの長手方向に平行な方向に3つ形成した。図1(b)に示すように、1つ目のスリットは、マットを排ガス処理体に巻き付けた際に、両端部15に形成された嵌合部14を横切るように形成した。2つ目のスリットは、嵌合部14の両側に存在し、嵌合部14が形成されていない両端部15のうちの一方を横切るように形成した。3つ目のスリットは、嵌合部14の両側に存在し、嵌合部14が形成されていない両端部15のうちのもう一方を横切るように形成した。
スリットの深さがt=4.0mmである。
スリットの形状等を表1に示す。
次に、直径152.4mm(6inch)、長さ152.4mm(6inch)の排ガス処理体(SiC製ハニカムフィルタ)にマットを巻き付けた。
その後、スリットに沿って輪ゴム(株式会社共和製オーバンド#18、内径44.5mm×幅1.1mm)を配置することにより、保持シール材を排ガス処理体に固定し、巻付体を作製した。
最後に、巻付体を圧入方式を用いてケーシング(内径164.4mm、長さ180mm)内に収容し、排ガス浄化装置を製造した。
(巻付け時の固定性)
保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材が固定されているかどうかを目視で評価した。
評価基準は、○:しっかりと固定される、△:固定されるがしわが発生、×:固定され難い の3段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:しっかりと固定される”の評価となった。
(収容時のずれ)
巻付体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生している程度を目視で評価した。
評価基準は、○:ずれがない、△:小さいずれが発生、×:大きなずれが発生 の3段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:ずれがない”の評価となった。
(収容時のスリット部分の切れ)
巻付体をケーシング内に収容した際に、保持シール材のスリット部分が切れてしまうかどうかを目視で評価した。
評価基準は、○:切れがない、×:切れが発生 の2段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:切れがない”の評価となった。
表2における「固定時の追加有機分」は、保持シール材を固定する手段として有機成分を用いた場合にその有機成分の含有量を保持シール材全体の重量を100%として示した量(%)である。
有機成分が多いと、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際に、排ガスから悪臭や有毒ガスが生じる。従って、有機成分の含有量は小さい方が好ましい。
実施例1では、保持シール材を固定する手段として輪ゴムを用いているので、この値は0.43%であった。
(実施例2)
表1に示すように、スリットの数を1つにした他は、実施例1と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
スリットは、マットを排ガス処理体に巻き付けた際に、両端部に形成された嵌合部を横切るように形成した。
スリットの形状等及び評価結果を表1及び表2に示した。
(実施例3〜6)
表1に示すように、スリットの深さを変更した他は、実施例2と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
スリットの深さは、スリットとなる部位に接触するトムソン刃の刃長を調整することによって変更した。
スリットの形状等及び評価結果を表1及び表2に示した。
実施例7〜11では、図7(a)に示す本発明の第三実施形態をより具体的に示す。
(実施例7)
保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向にそれぞれ0.5mmの位置ずれが生じるように2つのスリットを形成した他は、実施例1と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
スリットの形状等及び評価結果を表1及び表2に示した。
(実施例8〜11)
表1に示すように位置ずれ量を変更した他は、実施例1と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
スリットの形状等及び評価結果を表1及び表2に示した。
(実施例12)
実施例12では、図6(a)に示す本発明の第二実施形態をより具体的に示す。
嵌合部付近に閉曲線のスリットを形成した他は、実施例1と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
スリットの形状等及び評価結果を表1及び表2に示した。
(比較例1)
スリットを形成せずに、排ガス処理体の外周面に両面テープ(モリトク社製、幅15mm)を貼り付けた後、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けた他は、実施例1と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
両面テープは、排ガス処理体の排ガス流入側及び流出側の2箇所の外周面に、一周分貼り付けた。
保持シール材の固定方法等及び評価結果を表1及び表2に示した。
(比較例2)
スリットを形成せずに、金属ケーシングの内側に両面テープ(ニチバン社製、クレープテープ No.331、幅50mm)を貼り付けた後、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体を金属ケーシング内に収容した他は、実施例1と同様にして巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
両面テープは、金属ケーシング内側の排ガス流入側及び流出側の2箇所の表面に、一周分貼り付けた。
保持シール材の固定方法等及び評価結果を表1及び表2に示した。
Figure 0005927005
Figure 0005927005
表2の実施例1〜6の結果からわかるように、保持シール材の長手方向にスリットが形成されていると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材がしっかりと固定された。また、このような保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生しなかった。
また、形成したスリットの深さが2.0〜7.0mm(スリット深さの比率が0.22〜0.77)である実施例1〜5では、配置した紐状部材により保持シール材のスリット部分に切れが発生することがなかった。
表2の実施例7〜10の結果からわかるように、保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向にそれぞれ0.5〜15mmの位置ずれが生じるように2つのスリットが形成されていると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材がしっかりと固定された。また、このような保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生しなかった。
保持シール材の嵌合部を有する両端部で、幅方向にそれぞれ20mmの位置ずれが生じるように2つのスリットが形成されている実施例11では、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材が固定されるがしわが発生した。また、このような保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に収容した際に、保持シール材に小さいずれが発生した。
表2の実施例12の結果からわかるように、嵌合部付近に閉曲線のスリットが形成されていると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材がしっかりと固定された。また、このような保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生しなかった。
比較例1及び2で作製した巻付体及び排ガス浄化装置では、保持シール材の固定に両面テープを用いているため、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材が剥がれ易く、固定され難かった。また、ケーシング内に収容した際に、保持シール材に大きなずれが発生した。
さらに、保持シール材の固定に両面テープを用いているため、固定における追加有機分が増加していた。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態に係る巻付体及び排ガス浄化装置を構成する保持シール材に形成された凹部及び凸部の形状は、凹部と凸部とが嵌合することができる形状であれば特に限定されないが、一組の凹部及び凸部からなる場合には、幅10mm×長さ10mm〜幅300mm×長さ100mmの大きさに渡って突出した凸部が形成されており、それに嵌合する形状の凹部が形成されていることが望ましい。
このような凹部及び凸部の形状を有する保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する場合には、保持シール材で排ガス処理体を確実に保持することができるので、取り扱い性に優れることとなる。
凸部の大きさが、幅10mm×長さ10mmよりも小さい場合、及び、幅300mm×長さ100mmよりも大きい場合には、排ガス処理体に保持シール材を巻き付けた際に、保持シール材の端面同士との接触面積が少ないため、保持シール材の端面同士が当接されにくくなる。その結果、保持シール材が排ガス処理体を保持しにくくなる。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の形状は、柱状であれば特に限定されず、略円柱状の他に、例えば、略楕円柱状や略角柱状等任意の形状、大きさのものであってもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体としては、コージェライト等からなり、一体的に形成された一体型ハニカム構造体であってもよく、あるいは、炭化ケイ素等からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体を主にセラミックを含む接着材層を介して複数個結束してなる集合型ハニカム構造体であってもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体には、触媒が担持されていてもよい。
排ガス処理体に担持されている触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、酸化セリウム等の金属酸化物等が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置において、排ガス処理体がハニカム構造体である場合、セルに封止材が設けられずに、セルの端部が封止されていなくてもよい。この場合、排ガス処理体は、白金等の触媒を担持させることによって、排ガス中に含まれるCO、HC又はNOx等の有害なガス成分を浄化する触媒担体として機能する。
本発明の巻付体は、排ガス処理体と、無機繊維を含むマットからなり、上記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、紐状部材とからなる巻付体であって、上記保持シール材は、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合された状態で、上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、上記紐状部材は、上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されていることが必須の構成要素である。
また、本発明の巻付体の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する工程と、上記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形上のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する工程とを含むことが必須の構成要素である。
本発明の排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、無機繊維を含むマットからなり、上記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、紐状部材とからなる排ガス浄化装置であって、上記保持シール材は、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合された状態で、上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、上記紐状部材は、上記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、上記スリットは、上記両端部を横切って形成されていることが必須の構成要素である。
また、本発明の排ガス浄化装置の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形上のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、上記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる上記マットの表面に、上記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、凹形状及び凸形状の上記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける巻き付け工程と、上記スリットに沿って上記紐状部材を配置する配置工程と、上記マットを巻き付けた上記排ガス処理体をケーシング内に収容する収容工程とを含むことが必須の構成要素である。
係る必須の構成要素に、本発明の第一実施形態〜第三実施形態、及び、本発明のその他の実施形態で詳述した種々の構成(例えば、嵌合部の大きさ、排ガス処理体の形状等)を適宜組み合わせることにより所望の効果を得ることができる。
10、40、50、60、70 排ガス処理体
11、41、51、61、71 保持シール材
12、42、52、62、72 紐状部材
13(13a、13b、13c)、43、53、63(63a、63b)、73(73a、73b) スリット
14、64、74 嵌合部
14a、64a、74a 凹形状の嵌合部
14b、64b、74b 凸形状の嵌合部
15、65、75 両端部
16、26、66、76 マット
47、57 ケーシング
100、400、600、700 巻付体
500 排ガス浄化装置

Claims (42)

  1. 排ガス処理体と、
    無機繊維を含むマット材からなり、前記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、
    紐状部材とからなる巻付体であって、
    前記保持シール材は、凹形状及び凸形状の前記嵌合部が嵌合された状態で、前記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、
    前記紐状部材は、前記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、
    前記スリットは、前記両端部を横切って形成されていることを特徴とする巻付体。
  2. 前記スリットは、複数設けられている請求項1に記載の巻付体。
  3. 前記スリットは、前記保持シール材の長手方向に沿って形成されている請求項1又は2に記載の巻付体。
  4. 前記スリットは、屈曲した形状を有する請求項3に記載の巻付体。
  5. 前記スリットは、湾曲した形状を有する請求項3に記載の巻付体。
  6. 前記スリットは、前記嵌合部付近に閉曲線で形成されている請求項1又は2に記載の巻付体。
  7. 前記スリットは、前記保持シール材の前記嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されており、凸形状の前記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置は、凹形状の前記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置よりも幅方向の中心部に近い位置に存在する請求項1〜6のいずれかに記載の巻付体。
  8. 前記位置ずれの長さは、0.5〜15mmである請求項7に記載の巻付体。
  9. 前記スリットの深さは、前記保持シール材を構成するマットの厚みの1/5〜4/5である請求項1〜8のいずれかに記載の巻付体。
  10. 前記無機繊維の平均繊維長は、4〜120mmである請求項1〜9のいずれかに記載の巻付体。
  11. 前記マットは、ニードルパンチング処理が施されている請求項に記載の巻付体。
  12. 前記無機繊維は、低結晶性アルミナ質である請求項1〜11のいずれかに記載の巻付体。
  13. 前記無機繊維は、ムライト組成の低結晶性アルミナ質である請求項1〜12のいずれかに記載の巻付体。
  14. 前記保持シール材は、単層構造のマット材からなり、前記単層構造のマット材の厚みは、5〜15mmである請求項1〜13のいずれかに記載の巻付体。
  15. 前記保持シール材は、多層構造のマット材からなる請求項1〜14のいずれかに記載の巻付体。
  16. 前記多層構造のマット材は、少なくとも前記排ガス処理体に巻き付けた際に最も外側に位置する層にニードルパンチング処理が施されている請求項15に記載の巻付体。
  17. 前記マットは、識別情報をさらに有する請求項9又は11に記載の巻付体。
  18. 前記紐状部材は、伸縮可能である請求項1〜17のいずれかに記載の巻付体。
  19. 伸縮可能な前記紐状部材の伸び率は、100%以上である請求項18に記載の巻付体。
  20. 伸縮可能な前記紐状部材の伸びに対する荷重は、0.01〜0.10N/mmである請求項18又は19に記載の巻付体。
  21. 前記紐状部材は、環状である請求項1〜20のいずれかに記載の巻付体。
  22. 環状の前記紐状部材の円周の長さは、前記排ガス処理体に前記保持シール材を巻き付けた際の外周の長さよりも短い請求項21に記載の巻付体。
  23. 前記紐状部材は、2つの端部を有する線状の紐状部材である請求項1〜20のいずれかに記載の巻付体。
  24. 前記紐状部材の平均直径は、0.2〜1.5mmである請求項1〜23のいずれかに記載の巻付体。
  25. 前記紐状部材は、表面に凹凸が形成されている請求項1〜24のいずれかに記載の巻付体。
  26. 前記紐状部材は、加熱により消失する請求項1〜25のいずれかに記載の巻付体。
  27. 前記紐状部材は、耐熱性材料からなる請求項1〜26のいずれかに記載の巻付体。
  28. 前記紐状部材は、耐熱温度が1000℃以上である請求項1〜27のいずれかに記載の巻付体。
  29. 前記紐状部材は、識別情報をさらに有する請求項1〜28のいずれかに記載の巻付体。
  30. 無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、
    前記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、
    前記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる前記マットの表面に、前記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、
    凹形状及び凸形状の前記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に前記マットを巻き付ける巻き付け工程と、
    前記スリットに沿って状部材を配置する配置工程とを含むことを特徴とする巻付体の製造方法。
  31. 前記スリット形成工程は、前記打ち抜き工程と同時に行われる請求項30に記載の巻付体の製造方法。
  32. 前記スリット形成工程は、前記打ち抜き工程の後に行われる請求項30に記載の巻付体の製造方法。
  33. 前記スリットが複数設けられるように前記スリット形成工程を行う請求項30〜32のいずれかに記載の巻付体の製造方法。
  34. 前記スリットが前記マットの長手方向に沿って形成されるように前記スリット形成工程を行う請求項30〜33に記載の巻付体の製造方法。
  35. 前記スリットが屈曲した形状を有するように前記スリット形成工程を行う請求項34に記載の巻付体の製造方法。
  36. 前記スリットが湾曲した形状を有するように前記スリット形成工程を行う請求項34に記載の巻付体の製造方法。
  37. 前記スリットが前記嵌合部付近に閉曲線で形成されるように前記スリット形成工程を行う請求項30〜33に記載の巻付体の製造方法。
  38. 前記スリットが、前記マットの前記嵌合部を有する両端部で、幅方向に位置ずれが生じるように形成されていて、凸形状の前記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置は、凹形状の前記嵌合部を有する端部におけるスリットの幅方向の位置よりも幅方向の中心部に近い位置に存在するように前記スリット形成工程を行う請求項30〜37に記載の巻付体の製造方法。
  39. 前記位置ずれの長さが0.5〜15mmとなるように前記スリット形成工程を行う請求項38に記載の巻付体の製造方法。
  40. 前記スリットの深さが前記マットの厚みの1/5〜4/5となるように前記スリット形成工程を行う請求項30〜39に記載の巻付体の製造方法。
  41. 排ガス処理体と、
    前記排ガス処理体を収容するケーシングと、
    無機繊維を含むマット材からなり、前記排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する保持シール材と、
    紐状部材とからなる排ガス浄化装置であって、
    前記保持シール材は、凹形状及び凸形状の前記嵌合部が嵌合された状態で、前記排ガス処理体の周囲に巻き付けられており、
    前記紐状部材は、前記保持シール材の外側の表面に形成されたスリットに沿って配置されており、
    前記スリットは、前記両端部を横切って形成されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  42. 無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、
    前記マット材から、排ガス処理体に巻き付けた際に嵌合する部位となる凹形状及び凸形状の嵌合部を両端部に有する平面視矩形のマットを打ち抜く打ち抜き工程と、
    前記マットを排ガス処理体に巻き付けた際に外側となる前記マットの表面に、前記両端部を横切るようにスリットを形成するスリット形成工程と、
    凹形状及び凸形状の前記嵌合部が嵌合するように、排ガス処理体の周囲に前記マットを巻き付ける巻き付け工程と、
    前記スリットに沿って状部材を配置する配置工程と、
    前記マットを巻き付けた前記排ガス処理体をケーシング内に収容する収容工程とを含むことを特徴とする排ガス浄化装置の製造方法。
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