JP5970264B2 - 巻付体、及び、排ガス浄化装置 - Google Patents

巻付体、及び、排ガス浄化装置 Download PDF

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Description

本発明は、巻付体、及び、排ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、COやHC、NOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境や人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体とケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
これらの目的を達成するために、保持シール材の嵩密度は高くなっており、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際、圧入時の組付け性が著しく低下するという問題があった。
そこで、特許文献1では、排ガス処理体表面又は保持シール材の排ガス処理体接触側表面に部分的又は全体的に両面テープを貼る又は接着剤を付けた後、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けてケーシング内に挿入する技術が開示されている。
また、特許文献2では、排ガス処理体に保持シール材を巻き付け、その巻き合わせ部を排ガス処理体に設けた固定部材により固定する技術が開示されている。
特開2000−8844号公報 特開2001−248430号公報
近年では、バス、トラック等の大型車両に用いられる大型の排ガス浄化装置が増加する傾向にある。この大型の排ガス浄化装置では、重量が大きく、自動車の走行等により生じる振動や衝撃が大きいことに加えて、排ガス処理体前後での圧力損失が高く、また、背圧も高い。そのため、保持シール材にはさらに高い保持力が要求されることから、保持シール材の嵩密度はさらに高くなる傾向にある。
しかしながら、特許文献1で開示された技術を用いて、嵩密度の高い保持シール材を組付ける際は、両面テープ又は接着剤で固定した部分の摩擦係数が大きくなるため、圧入時に保持シール材がよれてしまい、保持シール材をうまくケーシング内に収容できない場合がある。また、嵩密度の高い保持シール材は、巻き付け時に元に戻ろうとする力(復元力)が大きく、テープ等で固定する際、テープ等が剥がれる場合がある。さらに、テープ等は有機成分を含む。そのため、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際には、テープ等が分解することに起因して排ガス中の有機成分が増加する。有機成分が多いと、排ガスから悪臭や有毒ガスが生じるため、周囲の環境に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
また、特許文献2で開示された技術を用いて、嵩密度の高い保持シール材を組付ける際は、上記復元力が強く働くため、固定部材では保持シール材をうまく固定できない場合がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際の排ガス中の有機成分の増加を抑制することが可能であって、嵩密度の高い保持シール材であっても排ガス処理体に巻き付け、固定することができ、かつ、ケーシング内に収容する際、保持シール材のずれを防止し得る巻付体、及び、排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の保持シール材は、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなり、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける用途に使用される保持シール材であって、上記マットは、上記排ガス処理体の側面に巻き付けた際、2層以上の上記マットの層が形成されるように構成され、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、上記外側の層から上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記外側の層よりも内側の層に挿入される一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、上記挿入部が挿入される一又は複数の収容部が形成されていることを特徴とする。
上記保持シール材では、マットの層の外側の層に位置する部分には、外側の層から外側の層のマットの間に形成された空隙を通って、外側の層よりも内側の層に挿入される一又は複数の挿入部が形成され、外側の層よりも内側の層となる部分には、挿入部が挿入される一又は複数の収容部が形成されており、前記収容部に挿入された挿入部をしっかりと固定することができる。そのため、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付ける際、嵩密度の高い保持シール材であっても、しっかりと固定することができる。
上記保持シール材では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、テープ等を用いる必要がないため、保持シール材の外側の表面にテープ等が露出しない。その結果、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
また、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際、排ガス中の有機成分の増加を抑制することができる。
請求項2に記載の保持シール材では、上記保持シール材は、少なくとも2枚のマットからなり、外側の層を構成する第一のマットには、第一の端部に第一の挿入部が形成されるとともに、第二の端部に第二の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層を構成する第二のマットには、上記第二の挿入部が挿入される第一の収容部が形成されるとともに、上記第一の挿入部が挿入される第二の収容部が形成されるように構成されている。
上記保持シール材では、排ガス処理体の側面に巻き付けた際、第二の挿入部が挿入された第一の収容部、及び、第一の挿入部が挿入された第二の収容部で固定する。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
請求項3に記載の保持シール材では、上記第一のマットと上記第二のマットとは、互いに少なくとも一部で固定されている。そのため、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
請求項4に記載の保持シール材では、上記保持シール材は、1枚のマットからなり、上記マットは、上記排ガス処理体の側面に巻き付けた際、上記外側の層のマットに形成される空隙となる貫通孔又は切込部を有し、上記外側の層に位置する第一の端部には挿入部が形成されるとともに、上記外側の層よりも内側の層に位置する第二の端部には収容部が形成され、上記挿入部は、上記貫通孔又は上記切込部を通って上記収容部に挿入されるように構成されている。
上記保持シール材は、1枚のマットからなる。そのため、2層以上のマットの層が形成された保持シール材であっても、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
請求項5に記載の保持シール材では、上記貫通孔又は上記切込部の上記マットの長手方向に垂直な方向の長さは、上記挿入部の上記マットの長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内である。
貫通孔又は切込部のマットの長手方向に垂直な方向の長さが上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部を貫通孔又は切込部に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
請求項6に記載の保持シール材では、上記貫通孔又は上記切込部の上記マットの長手方向の長さは、15〜40mmである。
貫通孔又は切込部のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部を貫通孔又は切込部に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
請求項7に記載の保持シール材では、上記収容部に挿入されている上記挿入部の上記マットの長手方向の長さは、10〜100mmである。
収容部に挿入されている挿入部のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部が収容部にしっかりと挿入され、固定される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
請求項8に記載の保持シール材では、上記外側の層に位置する上記マットの外側の表面にスリットが形成されている。
外側の層に位置するマットの外側の表面にスリットが形成されていると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部が収容部に挿入されやすくなる。
請求項9に記載の巻付体では、柱状の排ガス処理体と、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなる保持シール材とから構成され、上記排ガス処理体の側面に上記保持シール材を構成する上記マットが巻き付けられた巻付体であって、上記マットは、2層以上の上記マットの層が形成されるように上記排ガス処理体の側面に巻き付けられ、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されていることを特徴とする。
上記巻付体では、マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、挿入部は、外側の層のマットに形成された空隙を通って、収容部に挿入されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、しっかりと固定することができる。
上記巻付体では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、テープ等を用いる必要がないため、保持シール材の外側の表面にテープ等が露出しない。その結果、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
また、上記巻付体を構成する保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際、排ガス中の有機成分の増加を抑制することができる。
請求項10に記載の巻付体では、上記保持シール材は、少なくとも2枚のマットからなり、外側の層を構成する第一のマットには、第一の端部に第一の挿入部が形成されるとともに、第二の端部に第二の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層を構成する第二のマットには、上記第二の挿入部が挿入される第一の収容部が形成されるとともに、上記第一の挿入部が挿入される第二の収容部が形成され、上記第一の挿入部は、上記第一のマットに形成された空隙を通って、上記第二の収容部に挿入され、上記第二の挿入部は、上記第一のマットに形成された空隙を通って、上記第一の収容部に挿入されている。
上記巻付体では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けた際、第二の挿入部が挿入された第一の収容部、及び、第一の挿入部が挿入された第二の収容部で固定されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
請求項11に記載の巻付体では、上記第一のマットと上記第二のマットとは、互いに少なくとも一部で固定されている。
そのため、巻付体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
請求項12に記載の巻付体では、上記保持シール材は、1枚のマットからなり、上記マットは、上記外側の層のマットに形成された空隙となる貫通孔又は切込部を有し、上記外側の層に位置する第一の端部には挿入部が形成されるとともに、上記外側の層よりも内側の層に位置する第二の端部には収容部が形成され、上記挿入部は、上記貫通孔又は上記切込部を通って上記収容部に挿入されている。
上記巻付体では、上記保持シール材は1枚のマットからなる。そのため、2層以上のマットの層が形成された巻付体であっても、巻付体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
請求項13に記載の巻付体では、上記貫通孔又は上記切込部の上記マットの長手方向に垂直な方向の長さは、上記挿入部の上記マットの長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内である。
貫通孔又は切込部のマットの長手方向に垂直な方向の長さが上記範囲内であると、挿入部を貫通孔又は切込部に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
請求項14に記載の巻付体では、上記貫通孔又は上記切込部の上記マットの長手方向の長さは、15〜40mmである。
貫通孔又は切込部のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、挿入部を貫通孔又は切込部に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
請求項15に記載の巻付体では、上記収容部に挿入されている上記挿入部の上記マットの長手方向の長さは、10〜100mmである。
収容部に挿入されている挿入部のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、挿入部が収容部にしっかりと挿入され、固定される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
請求項16に記載の巻付体では、上記保持シール材は、上記外側の層に位置する上記マットの外側の表面にスリットが形成されている。
外側の層に位置するマットの外側の表面にスリットが形成されていると、挿入部が収容部に挿入されやすくなる。
請求項17に記載の排ガス浄化装置では、柱状の排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなる保持シール材とから構成され、上記排ガス処理体の側面に上記保持シール材を構成する上記マットが巻き付けられた巻付体を備えた排ガス浄化装置であって、上記マットは、2層以上の上記マットの層が形成されるように上記排ガス処理体の側面に巻き付けられ、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されていることを特徴とする。
上記排ガス浄化装置では、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、しっかりと固定することができる。
上記排ガス浄化装置では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、テープ等を用いる必要がないため、保持シール材の外側の表面にテープ等が露出しない。その結果、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
また、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際、排ガス中の有機成分の増加を抑制することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図2(a)は、図1に示した保持シール材のうち第一のマットを模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、図1に示した保持シール材のうち第二のマットを模式的に示す斜視図である。 図3(a)〜図3(c)は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。 図5(a)は、図4に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図5(b)は、図4に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図であり、図5(c)は、図4に示した巻付体のC−C線断面の一部拡大図である。 図6は、マット材から本発明の第一実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図7は、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図8(a)は、排ガス浄化装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)に示した排ガス浄化装置のD−D線断面図である。 図9は、本発明の第二実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図10(a)〜図10(c)は、本発明の第二実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図11は、本発明の第二実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。 図12(a)は、図11に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図12(b)は、図11に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図であり、図12(c)は、図11に示した巻付体のC−C線断面の一部拡大図である。 図13は、マット材から本発明の第二実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図14は、本発明の第三実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図15(a)〜図15(c)は、本発明の第三実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図16は、本発明の第三実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。 図17(a)は、図16に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図17(b)は、図16に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図であり、図17(c)は、図16に示した巻付体のC−C線断面の一部拡大図である。 図18は、マット材から本発明の第三実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図19は、本発明の第四実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図20(a)〜図20(c)は、本発明の第四実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図21は、本発明の第四実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。 図22(a)は、図21に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図22(b)は、図21に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図である。 図23は、マット材から本発明の第四実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図24は、本発明のその他の実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の保持シール材、巻付体、及び、排ガス浄化装置の一実施形態である第一実施形態について説明する。
本実施形態に係る巻付体は、その構成が複雑であるので、まず、そのような構成の巻付体を製造するのに用いられる保持シール材の形状等について説明する。
次に、上記形状の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体を製造する方法について説明し、続いて、上記方法により得られた巻付体について説明する。
その後、上記以外の保持シール材に関する説明、保持シール材の製造方法に関する説明、及び、巻付体の製造方法についての説明を行い、さらに排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置について説明する。
本発明の第一実施形態に係る保持シール材は、少なくとも2枚のマットからなり、外側の層を構成する第一のマットには、第一の端部に第一の挿入部が形成されるとともに、第二の端部に第二の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層を構成する第二のマットには、上記第二の挿入部が挿入される第一の収容部が形成されるとともに、上記第一の挿入部が挿入される第二の収容部が形成されるように構成されている。
また、本発明の第一実施形態に係る巻付体では、保持シール材は、少なくとも2枚のマットからなり、外側の層を構成する第一のマットには、第一の端部に第一の挿入部が形成されるとともに、第二の端部に第二の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層を構成する第二のマットには、上記第二の挿入部が挿入される第一の収容部が形成されるとともに、上記第一の挿入部が挿入される第二の収容部が形成され、上記第一の挿入部は、上記第一のマットに形成された空隙を通って、上記第二の収容部に挿入され、上記第二の挿入部は、上記第一のマットに形成された空隙を通って、上記第一の収容部に挿入されている。
まず、本発明の第一実施形態に係る保持シール材について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。また、図2(a)は、図1に示した保持シール材のうち第一のマットを模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、図1に示した保持シール材のうち第二のマットを模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る保持シール材1は、無機繊維を含む第一のマット11及び第二のマット12からなる。
第一のマット11及び第二のマット12は、それぞれ所定の長手方向の長さ、幅及び厚さを有する、平面矩形状のマットである。
図2(a)に示すように、第一のマット11は、凸形状の第一の端部111及び凹形状の第二の端部112を有する。そして、第一の端部111には第一の挿入部111aが形成されているとともに、第二の端部112には第二の挿入部112a及び112bが形成されている。
第一のマット11では、第一の挿入部111aを含まない第一の端部111から第二の挿入部112a及び112bを含まない第二の端部112までの長手方向の長さをL11、幅をW11、厚さをT11とする。
図2(b)に示すように、第二のマット12は、凸形状の第一の端部121及び凹形状の第二の端部122を有する。そして、第一の端部121には第一の収容部121a及び第一の収容部121bが形成されているとともに、第二の端部122には第二の収容部122aが形成されている。
第二のマット12では、第一の収容部121a及び第一の収容部121bを含む第一の端部121から第二の収容部122aを含む第二の端部122までの長手方向の長さをL12、幅をW12、厚さをT12とする。
図1に示すように、第一のマット11及び第二のマット12は、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける際、第一のマット11が外側の層、第二のマット12が内側の層となるように積層されてなる。
その際、第一のマット11と第二のマット12とは、互いに少なくとも一部で固定されていることが望ましい。固定する方法は特に限定されず、例えば、ミシン糸、接着剤、両面テープ、又は、ステープル(とじ針)等を用いて固定することができる。図1に示す保持シール材1では、第一のマット11及び第二のマット12がミシン糸15によって固定されている。また、これらの方法により設けられた固定部は、第一のマット11及び第二のマット12の長手方向に垂直な幅方向の全体に渡って設けられていてもよいし、図1に示すように、固定部の両端部がマットの長側面から離間して形成されていてもよい。その他、固定に用いられる材料は、着色することにより、ロット判別又は形状等の識別情報が与えられているとなおよい。
また、第一のマット11及び第二のマット12は、第一のマット11の第一の端部111側に第二のマット12の第一の端部121が、第一のマット11の第二の端部112側に第二のマット12の第二の端部122が配置されるようにして、積層されている。
そして、第一のマット11及び第二のマット12を柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける際、第二の挿入部112aが第一の収容部121aに挿入され、第二の挿入部112bが第一の収容部121bに挿入されるとともに、第一の挿入部111aが第二の収容部122aに挿入される。すなわち、第二の挿入部112a及び第一の収容部121a、第二の挿入部112b及び第一の収容部121b、並びに、第一の挿入部111a及び第二の収容部122aは、それぞれが互いに嵌合するような形状となっている。
次に、上記形状の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体を製造する方法について説明する。
図3(a)〜図3(c)は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
図3(a)〜図3(c)に示すように、図1に示す第一のマット11及び第二のマット12を、排ガス処理体13の外周に巻き付ける。
まず、図3(a)に示すように、内側の層となる第二のマット12を排ガス処理体13の外周に巻き付ける。
巻き付けた際、第二のマット12の第一の端部121と第二の端部122との間の最短距離aは0〜50mmであることが望ましい。第二のマット12の第一の端部121と第二の端部122との間の最短距離aが0〜50mmであると、後の工程で挿入部を収容部へ挿入しやすくなる。
次に、図3(b)に示すように、外側の層となる第一のマット11に形成された第二の挿入部112aを、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第一の収容部121aに挿入する。さらに、第一のマット11に形成された第二の挿入部112bを、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第一の収容部121bに挿入する。
具体的には、第一の収容部121a及び121bの付近に第二の挿入部112a及び112bをそれぞれ配置した後、第二の挿入部112a及び112bを内側に向かって軽く押さえつけることにより、第二の挿入部112a及び112bを第一の収容部121a及び121bにそれぞれ収容させることができる。その際、第二の挿入部112a及び112bの根元部分(図3(b)において点線Xで囲われた部分)は、第一の収容部121a及び121bに完全に収容せず、排ガス処理体13から少し離しておくことが望ましい。第二の挿入部112a及び112bの根元部分を排ガス処理体13から少し離しておくと、次の工程において、第一の挿入部111aを第二の収容部122aに挿入しやすくなる。
第二の挿入部112a及び112bの根元部分にできた第二の挿入部112a及び112b間の隙間からは、内側の層を構成する第二のマット12に形成された第二の収容部122aを見ることができる。
最後に、図3(c)に示すように、第一のマット11に形成された第一の挿入部111aを、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第二の収容部122aに挿入する。
具体的には、第一の挿入部111aを、第二の挿入部112a及び112bの根元部分にできた第二の挿入部112a及び112b間の隙間に差し込み、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第二の収容部122aに挿入する。
本実施形態に係る巻付体の製造方法では、第二の挿入部112a及び112bをそれぞれ第一の収容部121a及び121bに挿入後、第一の挿入部111aを第二の収容部122aに挿入したが、各挿入部を各収容部に挿入する順番は特に限定されない。例えば、第一の挿入部111aを第二の収容部122aに挿入後、第二の挿入部112a及び112bをそれぞれ第一の収容部121a及び121bに挿入してもよいし、第一の挿入部111a、第二の挿入部112a及び112bを、それぞれ第二の収容部122a、第一の収容部121a及び121bに同時に挿入してもよい。
次に、上記方法により得られた巻付体について、図4、及び、図5(a)〜図5(c)を用いて説明する。
図4は、本発明の第一実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。
図5(a)は、図4に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図5(b)は、図4に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図であり、図5(c)は、図4に示した巻付体のC−C線断面の一部拡大図である。
図4に示すように、本実施形態に係る巻付体10は、柱状の排ガス処理体13と、無機繊維を含む平面矩形状の第一のマット11及び第二のマット12からなる保持シール材1とから構成され、排ガス処理体13の側面に第一のマット11が外側の層、第二のマット12が内側の層となるように巻き付けられている。
次に、第一のマット11及び第二のマット12が嵌合した嵌合部について説明する。
図5(a)に示すように、第一のマット11を排ガス処理体13に巻き付けた際、第一の端部111と第二の端部112との間には、空隙14aが形成される。第一のマット11に形成された第二の挿入部112aは、空隙14aを通って、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第一の収容部121aに挿入されている。つまり、第二の挿入部112aは、第二のマット12の第二の端部122側から第一の端部121側に向かって挿入されている。
図5(b)に示すように、第一のマット11を排ガス処理体13に巻き付けた際、第一の端部111と第二の端部112との間には、空隙14bが形成される。第一のマット11に形成された第一の挿入部111aは、空隙14bを通って、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第二の収容部122aに挿入されている。つまり、第一の挿入部111aは、第二のマット12の第一の端部121側から第二の端部122側に向かって挿入されている。
図5(c)に示すように、第一のマット11を排ガス処理体13に巻き付けた際、第一の端部111と第二の端部112との間には、空隙14cが形成される。第一のマット11に形成された第二の挿入部112bは、空隙14cを通って、第一のマット11よりも内側の層を構成する第二のマット12に形成された第一の収容部121bに挿入されている。つまり、第二の挿入部112bは、第二のマット12の第二の端部122側から第一の端部121側に向かって挿入されている。
このように、本実施形態に係る巻付体10では、第二の挿入部112aが挿入された第一の収容部121a、第一の挿入部111aが挿入された第二の収容部122a、及び、第二の挿入部112bが挿入された第一の収容部121bの3箇所で保持シール材1が固定されている。
また、第二の挿入部112a、第一の挿入部111a、及び、第二の挿入部112bは、交互に異なる方向に向かって、各収容部へ挿入されている。
そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
第一の収容部121aに挿入されている第二の挿入部112aの第二のマット12の長手方向の長さ、第一の収容部121bに挿入されている第二の挿入部112bの第二のマット12の長手方向の長さ、及び、第二の収容部122aに挿入されている第一の挿入部111aの第二のマット12の長手方向の長さは、それぞれ10〜100mmであることが望ましい。
続いて、上記以外の保持シール材の構成について詳しく説明する。
第二の挿入部112a及び第一の収容部121a、第二の挿入部112b及び第一の収容部121b、並びに、第一の挿入部111a及び第二の収容部122aがそれぞれ互いに嵌合するために、第二の挿入部112a及び第一の収容部121a、第二の挿入部112b及び第一の収容部121b、並びに、第一の挿入部111a及び第二の収容部122aのマットの長手方向に垂直な方向の位置は、それぞれ等しいことが望ましい。
第一のマットでは、挿入部の根元にスリットが形成されていることが望ましい。スリットの位置、本数は特に限定されない。
例えば、図2(a)に示す本実施形態に係る保持シール材では、第一の挿入部111aの根元にスリット113a及び113bが、第二の挿入部112aの根元にスリット113cが、第二の挿入部112bの根元にスリット113dが、第一のマット11の長手方向に沿って形成されている。このようにスリットが形成されていると、第一のマット11の長手方向の長さL11を長くして保持面積を大きくしても、挿入部を収容部に挿入しやすくなる。なお、スリット113の長さは、5〜30mmであることが望ましい。
第一の挿入部111a、第二の挿入部112a及び112bの第一のマット11の長手方向の長さは、それぞれ3〜100mmであることが望ましい。また、第一の収容部121a、第一の収容部121b及び第二の収容部122aの第二のマット12の長手方向の長さは、それぞれ3〜100mmであることが望ましい。
第一の挿入部111a、第二の挿入部112a及び112bの第一のマット11の長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ15〜100mmであることが望ましい。また、第一の収容部121a、第一の収容部121b及び第二の収容部122aの第二のマット12の長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ15〜100mmであることが望ましい。
さらに、第二の挿入部112a及び第一の収容部121aのマットの長手方向に垂直な方向の長さ、第二の挿入部112b及び第一の収容部121bのマットの長手方向に垂直な方向の長さ、並びに、第一の挿入部111a及び第二の収容部122aのマットの長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ等しいことが望ましい。特に、第一の挿入部111a、第二の挿入部112a、第二の挿入部112b、第一の収容部121a、第一の収容部121b及び第二の収容部122aのマットの長手方向に垂直な方向の長さは、全て等しいことがより望ましい。
各挿入部を含まない第一のマット11の長手方向の長さL11は、各収容部を含む第二のマット12の長手方向の長さL12に対して25〜75mm長いことが望ましい。各挿入部を含まない第一のマット11の長手方向の長さL11が上記範囲内であると、第一のマット11に形成された各挿入部を、第二のマット12に形成された各収容部に確実に挿入することができる。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
各挿入部を含まない第一のマット11の長手方向の長さL11、及び、各収容部を含む第二のマット12の長手方向の長さL12は、巻き付けようとしている柱状の排ガス処理体の外周の長さの±95mm以内であることが望ましい。各挿入部を含まない第一のマット11の長手方向の長さL11、及び、各収容部を含む第二のマット12の長手方向の長さL12が上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けた際に隙間ができることがなく、また、保持シール材がずれたり、よれたりすることがない。
第一のマット11の幅W11及び第二のマット12の幅W12は、それぞれ排ガス処理体の長手方向の長さに対して5〜15mm短いことが望ましい。
また、第一のマット11の厚さT11及び第二のマット12の厚さT12は、それぞれ1.5〜15mmであることが望ましい。
マットを構成する無機繊維としては、特に限定されず、アルミナ−シリカ繊維であってもよく、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、又は、生体溶解性繊維等であってもよい。また、ガラス繊維であってもよい。耐熱性や耐風蝕性等、保持シール材に要求される特性等に応じて変更すればよい。
この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が望ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより望ましい。
第一のマット11及び第二のマット12は、無機繊維からなる素地マットに対してニードルパンチング処理を施して得られるニードルマットであることが望ましい。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。
第一のマット11及び第二のマット12では、比較的平均繊維長の長い無機繊維がニードルパンチング処理により3次元的に交絡している。マットは、長手方向に垂直な幅方向でニードルパンチング処理されているが、ニードルパンチング処理を行う方向は特に限定されるものではなく、長手方向に対して斜めの方向であってもよいし、ランダムな方向であってもよい。また、厚さ方向に対して斜めにニードルパンチング処理を行ってもよい。
また、ニードルパンチング処理は、マットの片側の表面のみから行ってもよいし、両側の表面から行ってもよい。
なお、交絡構造を呈するために、無機繊維はある程度の平均繊維長及び平均繊維径を有しており、例えば、無機繊維の平均繊維長は4〜120mm、平均繊維径は4〜8μmであり、繊維径が3μm以下の無機繊維を含まないことが望ましい。上記範囲内である無機繊維は、ニードルパンチング処理により交絡し易い他に、例え無機繊維が飛散したとしても人体に悪影響を与えにくい性質がある。
第一のマット11及び第二のマット12には、識別情報が設けられていることが望ましい。
識別情報としては、インクジェットによる文字やバーコードの印字、油性ペンでのマーキング、テープなどを使用することができる。上記情報表示により、例えば、第一のマット11及び第二のマット12の少なくとも1つの面上に、排ガス処理体に巻き付ける向きを「この面が内側」、「この面が外側」と記載することができるが、その他の情報としては、製品名、製品番号、製造番号、品種、重量、製品サイズ、組付け方法、組付け方向、適用車種、注意喚起、連絡先及び会社名から選ばれる少なくとも一つの情報を記載することができる。また、上記文字部で表示される文字は、アルファベット、数字、漢字、ひらがな、カタカナ、記号及びドットから選ばれる少なくとも一つの情報であることが望ましい。
次に、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法について説明する。
本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法としては、例えば、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、第一の端部に第一の挿入部が形成されるとともに、第二の端部に第二の挿入部が形成される第一のマットと、上記第二の挿入部が挿入される第一の収容部が形成されるとともに、上記第一の挿入部が挿入される第二の収容部が形成される第二のマットとを打ち抜く打ち抜き工程と、上記第一のマットと上記第二のマットとを柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける際、上記第一のマットが外側の層、上記第二のマットが内側の層となるように積層させる積層工程とを含む方法が挙げられる。
上記方法によれば、まず、所定の大きさのマット材を準備する。
マット材は、上述したニードルパンチング処理を素地マット材に施すことで作製することができる。素地マット材では、無機繊維が紡糸工程を経て緩く絡み合っている。この緩く絡み合った無機繊維に対してニードルパンチング処理を施すことで、より複雑に無機繊維が絡み合い、交絡構造を有するマット材とすることができる。
マット材には、必要に応じてバインダを付着させる。マット材にバインダを付着させることで、無機繊維同士の交絡構造をより強固なものとすることができるとともに、マット材の嵩高さを抑えることができる。
バインダとしては、アクリル系ラテックスやゴム系ラテックス等を水に分散させて調製したエマルジョンを用いることができる。このバインダをスプレー等を用いてマット材全体に均一に吹きかけて、バインダをマット材に付着させる。
バインダを付着させる量は、繊維量に対して0.01〜15重量%であることが望ましく、0.05〜10重量%であることがより望ましく、0.1〜3重量%であることがさらに望ましい。
その後、バインダ中の水分を除去するために、マット材を乾燥させる。乾燥条件としては、例えば、95〜150℃で1〜30分間乾燥させればよい。乾燥工程を経ることでマット材を作製することができる。
打ち抜き工程の前に、マット材に識別情報を付与することが望ましい。識別情報としては、インクジェットによる文字やバーコードの印字、油性ペンでのマーキング、テープなどを使用することができる。上記情報表示により、例えば、第一のマット11及び第二のマット12の少なくとも1つの面上に、排ガス処理体に巻き付ける向きを「この面が内側」、「この面が外側」と記載することができるが、その他の情報としては、製品名、製品番号、製造番号、品種、重量、製品サイズ、組付け方法、組付け方向、適用車種、注意喚起、連絡先及び会社名から選ばれる少なくとも一つの情報を記載することができる。また、上記文字部で表示される文字は、アルファベット、数字、漢字、ひらがな、カタカナ、記号及びドットから選ばれる少なくとも一つの情報であることが望ましい。
次に、打ち抜き工程を行う。
図6は、マット材から本発明の第一実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図6に示すマット材100は、本実施形態に係る第一のマット11及び第二のマット12を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図3における実線部分でマット材を切断して、第一のマット11及び第二のマット12を作製する。
マット材の打ち抜きの方法及びマット材の打ち抜きに使用する装置は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することができる。
例えば、打ち抜き刃としては、マットを打ち抜く際の打ち抜きパターンと同形状に設計された刃を有するトムソン刃を用い、打ち抜き装置としては、油圧プレス機等を用いることができる。
打ち抜いた第一のマット11及び第二のマット12の形状については、既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
打ち抜き工程と同時に、もしくは打ち抜き工程の前後において、第一のマット11にスリット113を入れてもよい。
打ち抜き工程の前後でスリットを入れる場合は、第一のマット11及び第二のマット12の外周部分となる部分だけをトムソン刃で打ち抜いた後、もしくは、打ち抜き工程の前に、カッターで切込みを入れる方法が挙げられる。
第一のマット11及び第二のマット12の寸法、スリットの位置及び寸法等は、打ち抜き刃として使用するトムソン刃のパターンを変更することで定めることができる。
上記工程によって得られた第一のマット11及び第二のマット12について、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける際、第一のマット11が外側の層、第二のマット12が内側の層となるように積層させる積層工程を行う。
上記積層工程は、各挿入部を含まない第一のマット11の長手方向の長さL11の中央と、各収容部を含む第二のマット12の長手方向の長さL12の中央が一致するように積層することが望ましい。第一のマット11及び第二のマット12を上記のように積層すると、得られた保持シール材1を排ガス処理体の周囲に巻き付けやすくなる。
上記積層工程の後に、第一のマット11及び第二のマット12を固定する工程を行ってもよい。固定する方法は特に限定されず、例えば、ミシン糸、接着剤等を用いて固定することができる。
以上の工程によって、本実施形態に係る保持シール材を製造することができる。
次に、上記方法により得られた本実施形態に係る保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて、巻付体を製造する。巻付体の製造方法については、図3(a)〜図3(c)を用いて説明しており、得られた巻付体については、図4及び図5(a)〜図5(c)を用いて説明したので、ここではこれらの説明を省略する。
続いて、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法について説明する。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、上述した方法により巻付体を製造し、得られた巻付体をケーシング内に収容する収容工程を行うことにより、排ガス浄化装置を製造する。
図7は、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、本実施形態に係る巻付体の製造方法と同様に、準備工程、打ち抜き工程、積層工程、及び、巻き付け工程を行う。これらの工程については既に説明したため、その詳細な説明は省略する。
これらの工程の後に、収容工程を行う。
図7に示したように、マットを巻き付けた排ガス処理体(巻付体10)を所定の大きさを有する円筒状であって、主に金属等からなるケーシング57に圧入する。
圧入後にシール材が圧縮して所定の反発力(すなわち、ハニカムフィルタを保持する力)を発揮するために、ケーシング57の内径は、保持シール材1を巻き付けた排ガス処理体13の保持シール材1の厚さを含めた最外径より少し小さくなっている。
保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシング内に収容させる方法は、圧入方式(スタッフィング方式)に限定されるものではなく、サイジング方式(スウェージング方式)、及び、クラムシェル方式等も挙げられる。
サイジング方式(スウェージング方式)では、保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシングの内部に挿入した後、ケーシングの内径を縮めるように外周側から圧縮する。クラムシェル方式では、ケーシングを、第1のケーシング及び第2のケーシングの2つの部品に分離可能な形状としておき、保持シール材を巻きつけた排ガス処理体を第1のケーシング上に載置した後に第2のケーシングを被せて密封する。
保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシングに収容する方法の中では、圧入方式(スタッフィング方式)又はサイジング方式(スウェージング方式)が望ましい。圧入方式(スタッフィング方式)又はサイジング方式(スウェージング方式)では、ケーシングとして2つの部品を用いる必要がないため、製造工程の数を少なくすることができるからである。
最後に、上記工程により製造した本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置について説明する。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置は、柱状の排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなる保持シール材とから構成され、上記排ガス処理体の側面に上記保持シール材を構成する上記マットが巻き付けられた巻付体を備えた排ガス浄化装置であって、上記マットは、2層以上の上記マットの層が形成されるように上記排ガス処理体の側面に巻き付けられ、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されていることを特徴とする。
以下、本実施形態に係る排ガス浄化装置の一例について、図8(a)及び図8(b)を用いて説明する。
図8(a)は、排ガス浄化装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)に示した排ガス浄化装置のD−D線断面図である。
図8(a)及び図8(b)に示したように、本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、多数のセル501がセル壁502を隔てて長手方向に並設された柱状の排ガス処理体13と、排ガス処理体13を収容するケーシング57と、排ガス処理体13とケーシング57との間に配設され、排ガス処理体13を保持する保持シール材1とから構成されている。
つまり、本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、図1に示した本実施形態に係る保持シール材1と、排ガス処理体13と、ケーシング57とから構成されている。また、本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、図4に示した本実施形態に係る巻付体10と、ケーシング57とから構成されている。
本実施形態に係る保持シール材1及び巻付体10の構成については、既に述べているので省略する。
図8(a)及び図8(b)に示すケーシング57は、主にステンレス等の金属からなり、その形状は、円筒状である。また、その内径は、排ガス処理体13の端面の直径と排ガス処理体13に巻付けられた状態の保持シール材1の厚さとを合わせた長さより若干短くなっており、その長さは、排ガス処理体13の長手方向(図8(a)中、両矢印Wで示される方向)における長さと略同一となっている。
本実施形態に係る排ガス浄化装置500は、図8(a)及び図8(b)に示すように、排ガス処理体13として、各々のセルにおけるいずれか一方が封止材58によって目封じされたハニカムフィルタ13を用いている。
ハニカムフィルタ13は、主に多孔質セラミックからなり、その形状は円柱状である。また、ハニカムフィルタ13の外周には、ハニカムフィルタ13の外周部を補強したり、形状を整えたり、ハニカムフィルタ13の断熱性を向上させたりする目的で、シール材層59が設けられている。
なお、ハニカムフィルタ13の内部の構成については、上述した本実施形態の排ガス浄化装置の説明で既に述べたとおりである。
上述した構成を有する排ガス浄化装置を排ガスが通過する場合について、図8(b)を用いて以下に説明する。
図8(b)に示したように、内燃機関から排出され、排ガス浄化装置500に流入した排ガス(図8(b)中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、ハニカムフィルタ13の排ガス流入側端面50aに開口した一のセル501に流入し、セル501を隔てるセル壁502を通過する。この際、排ガス中のPMがセル壁502で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面50bに開口した他のセル501から流出し、外部に排出される。
以下に、本発明の第一実施形態に係る巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態に係る保持シール材では、マットの層の外側の層に位置する部分には、外側の層から外側の層のマットの間に形成された空隙を通って、外側の層よりも内側の層に挿入される一又は複数の挿入部が形成され、外側の層よりも内側の層となる部分には、挿入部が挿入される一又は複数の収容部が形成されている。そのため、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付ける際、嵩密度の高い保持シール材であっても、しっかりと固定することができる。
(2)本実施形態に係る保持シール材では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、テープ等を用いる必要がないため、保持シール材の外側の表面にテープ等が露出しない。その結果、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。また、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際、排ガス中の有機成分の増加を抑制することができる。
(3)本実施形態に係る保持シール材では、排ガス処理体の側面に巻き付けた際、第二の挿入部が挿入された第一の収容部、及び、第一の挿入部が挿入された第二の収容部で固定する。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
(4)本実施形態に係る保持シール材では、上記第一のマットと上記第二のマットとは、互いに少なくとも一部で固定されている。そのため、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
(5)本実施形態に係る保持シール材では、上記収容部に挿入されている上記挿入部の上記マットの長手方向の長さが10〜100mmである。収容部に挿入されている挿入部のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部が収容部にしっかりと挿入され、固定される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
(6)本実施形態に係る保持シール材では、上記外側の層に位置する上記マットの外側の表面にスリットが形成されている。外側の層に位置するマットの外側の表面にスリットが形成されていると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部が収容部に挿入されやすくなる。
(7)本実施形態に係る巻付体では、マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、挿入部は、外側の層のマットに形成された空隙を通って、収容部に挿入されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、しっかりと固定することができる。
(8)本実施形態に係る巻付体では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、テープ等を用いる必要がないため、保持シール材の外側の表面にテープ等が露出しない。その結果、巻付体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。
また、上記巻付体を構成する保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際、排ガス中の有機成分の増加を抑制することができる。
(9)本実施形態に係る巻付体では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けた際、第二の挿入部が挿入された第一の収容部、及び、第一の挿入部が挿入された第二の収容部で固定されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
(10)本実施形態に係る巻付体では、上記第一のマットと上記第二のマットとは、互いに少なくとも一部で固定されている。そのため、巻付体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
(11)本実施形態に係る巻付体では、上記収容部に挿入されている上記挿入部の上記マットの長手方向の長さは、10〜100mmである。収容部に挿入されている挿入部のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、挿入部が収容部にしっかりと挿入され、固定される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
(12)本実施形態に係る巻付体では、上記保持シール材は、上記外側の層に位置する上記マットの外側の表面にスリットが形成されている。外側の層に位置するマットの外側の表面にスリットが形成されていると、挿入部が収容部に挿入されやすくなる。
(13)本実施形態に係る排ガス浄化装置では、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されている。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、しっかりと固定することができる。
(14)本実施形態に係る排ガス浄化装置では、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、テープ等を用いる必要がないため、保持シール材の外側の表面にテープ等が露出しない。その結果、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に引っ掛かることがほとんどなくなるため、収容が容易となり、保持シール材のずれを防止することができる。また、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際、排ガス中の有機成分の増加を抑制することができる。
(第二実施形態)
以下、本発明の保持シール材、巻付体、及び、排ガス浄化装置の一実施形態である第二実施形態について説明する。
本発明の第二実施形態に係る保持シール材は、1枚のマットからなり、上記マットは、上記排ガス処理体の側面に巻き付けた際、上記外側の層のマットに形成される空隙となる貫通孔を有し、上記外側の層に位置する第一の端部には挿入部が形成されるとともに、上記外側の層よりも内側の層に位置する第二の端部には収容部が形成され、上記挿入部は、上記貫通孔を通って上記収容部に挿入されるように構成されている。
また、本発明の第二実施形態に係る巻付体では、保持シール材は、1枚のマットからなり、上記マットは、上記外側の層のマットに形成された空隙となる貫通孔を有し、上記外側の層に位置する第一の端部には挿入部が形成されるとともに、上記外側の層よりも内側の層に位置する第二の端部には収容部が形成され、上記挿入部は、上記貫通孔を通って上記収容部に挿入されている。
まず、本発明の第二実施形態に係る保持シール材について説明する。
図9は、本発明の第二実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図9に示すように、本実施形態に係る保持シール材2は、無機繊維を含むマット21からなる。マット21は、それぞれ所定の長手方向の長さ、幅及び厚さを有する、平面矩形状のマットである。
マット21は、凸形状の第一の端部211、凹形状の第二の端部212及び貫通孔214を有する。そして、第一の端部211には挿入部211aが形成されているとともに、第二の端部212には収容部212aが形成されている。
マット21では、挿入部211aを含まない第一の端部211から収容部212aを含む第二の端部212までの長手方向の長さをL、幅をW21、厚さをT21とする。また、Lのうち、挿入部211aを含まない第一の端部211から貫通孔214の中央までの長手方向の長さをL21、貫通孔214の中央から収容部212aを含む第二の端部212までの長手方向の長さをL22とする。
マット21は、第二の端部212から貫通孔214までが内側の層、貫通孔214から第一の端部211までが外側の層となるように、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付けられる。つまり、貫通孔214は、内側の層から外側の層にまたがるように形成される。
そして、挿入部211aが貫通孔214を通って収容部212aに挿入される。すなわち、挿入部211a及び収容部212aは、互いに嵌合するような形状となっている。
次に、上記形状の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体を製造する方法について説明する。
図10(a)〜図10(c)は、本発明の第二実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
図10(a)〜図10(c)に示すように、上記工程で製造した図9に示すマット21を、排ガス処理体23の外周に巻き付ける。
まず、図10(a)に示すように、内側の層となる第二の端部212から貫通孔214までを排ガス処理体23の外周に巻き付ける。その際、貫通孔214が内側の層から外側の層にまたがるように配置される。すなわち、排ガス処理体23の外周にマット21を巻き付けた際、貫通孔214が存在する部分の近傍で、最初に巻き付けたマット21上に重なるように巻き付ける。そのため、巻き付けられたマット21における貫通孔214の位置は、第二の端部212に形成された収容部212aに対してごく近い位置になり、かつ、排ガス処理体23の外周に対して貫通孔214が斜めに位置するようになる。従って、貫通孔214を通じて収容部212aの一部を見ることができ、挿入部211aの挿入も比較的容易になる。
次に、図10(b)に示すように、外側の層となる貫通孔214から第一の端部211までを排ガス処理体23の外周に巻き付ける。
最後に、図10(c)に示すように、挿入部211aを貫通孔214に差し込み、内側の層に形成された収容部212aに挿入する。
次に、上記方法により得られた巻付体について、図11、及び、図12(a)〜図12(c)を用いて説明する。
図11は、本発明の第二実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。
図12(a)は、図11に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図12(b)は、図11に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図であり、図12(c)は、図11に示した巻付体のC−C線断面の一部拡大図である。
図11に示すように、本実施形態に係る巻付体20は、柱状の排ガス処理体23と、無機繊維を含む平面矩形状のマット21からなる保持シール材2とから構成され、排ガス処理体23の側面にマット21が巻き付けられている。
次に、マット21の挿入部211a及び収容部212aが嵌合した嵌合部について説明する。
図12(a)及び図12(c)に示すように、マット21は、排ガス処理体23の外周を一周して内側の層を形成した後、第二の端部212の外側を通り、排ガス処理体23の外周をさらに一周して外側の層を形成している。
図12(b)に示すように、貫通孔214が内側の層から外側の層にまたがって配置されることにより、貫通孔214が、挿入部211aが通るための空隙となる。外側の層を構成するマット21の第一の端部211に形成された挿入部211aは、貫通孔(空隙)214を通って、内側の層を構成するマット21の第二の端部212に形成された収容部212aに挿入されている。
このように、本実施形態に係る巻付体20では、挿入部211aが挿入された収容部212aで保持シール材2が固定されている。
収容部212aに挿入されている挿入部211aのマット21の長手方向の長さは、10〜100mmであることが望ましい。
続いて、上記以外の保持シール材の構成について詳しく説明する。
挿入部211a及び収容部212aが互いに嵌合するために、挿入部211a、収容部212a及び貫通孔214のマット21の長手方向に垂直な方向の位置は、それぞれ等しいことが望ましい。特に、マット21の長手方向に垂直な方向において、挿入部211a、収容部212a及び貫通孔214の中央が、マット21の幅21の中央と一致することが望ましい。さらに、挿入部211a、収容部212a及び貫通孔214のマット21の長手方向に垂直な方向の長さは、15〜100mmであることが望ましい。
貫通孔214の形状は、挿入部211aを通すことができる大きさであれば、特に限定されない。
例えば、図9に示す本実施形態に係る保持シール材では、貫通孔214の形状は長方形状である。貫通孔214のマット21の長手方向の長さは、15〜40mmであることが望ましい。また、貫通孔214のマット21の長手方向に垂直な方向の長さは、30〜80mmであることが望ましい。さらに、貫通孔214のマット21の長手方向に垂直な方向の長さは、挿入部211aのマット21の長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内であることが望ましい。
貫通孔214は、挿入部211aを含まない第一の端部211から貫通孔214の中央までの長手方向の長さL21と、貫通孔214の中央から収容部212aを含む第二の端部212までの長手方向の長さL22とが等しくなる位置に形成されていることが望ましい。
収容部212aを含む第二の端部212から貫通孔214の中央までの長さL22は、排ガス処理体の直径をD、マット21の厚さをT21、挿入部211aのマット21の長手方向の長さをLCV、外側の層を除くマットの層の数をnとしたとき、以下の式を満たすことが望ましい。
{D+2(n+1/2)T21}×π−2LCV≦L22≦{D+2(n+1/2)T21}×π−5
例えば、図1に示す本実施形態に係る保持シール材の場合は、外側の層を除くマットの層の数nが1であるから、以下の式を満たすことが望ましい。
(D+3T21}×π−2LCV≦L22≦(D+3T21)×π−5
22が上記の式を満たすと、挿入部が貫通孔を容易に通って、収容部に挿入される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
挿入部211aの根元には、スリットが形成されていることが望ましい。スリットの位置、本数は特に限定されない。例えば、図9に示すように、挿入部211aの根元にスリット213a及び213bがマット21の長手方向に沿って形成される。このようにスリットが形成されていると、マット21の長手方向の長さLを長くして保持面積を大きくしても、挿入部を収容部に挿入しやすくなる。なお、スリット213の長さは、5〜30mmであることが望ましい。
挿入部211aのマット21の長手方向の長さは、30〜100mmであることが望ましい。また、収容部212aのマット21の長手方向の長さは、30〜100mmであることが望ましい。
挿入部211aのマット21の長手方向に垂直な方向の長さは、15〜100mmであることが望ましい。また、収容部212aのマット21の長手方向に垂直な方向の長さは、30〜100mmであることが望ましい。
さらに、挿入部211aのマット21の長手方向に垂直な方向の長さは、収容部212aのマット21の長手方向に垂直な方向の長さと等しいことが望ましい。
マット21の幅W21は、排ガス処理体の長手方向の長さと等しいことが望ましい。
また、マット21の厚さT21は、1.5〜15mmであることが望ましい。
次に、本発明の第二実施形態に係る保持シール材の製造方法について説明する。
本発明の第二実施形態に係る保持シール材の製造方法としては、例えば、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、外側の層のマットに形成される空隙となる貫通孔を有し、上記外側の層に位置する第一の端部には挿入部が形成されるとともに、上記外側の層よりも内側の層に位置する第二の端部には収容部が形成されるマットを打ち抜く打ち抜き工程とを含む方法が挙げられる。
本実施形態に係る保持シール材の製造方法の準備工程は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法と同様であるが、打ち抜き工程において、マット材から1枚のマットを打ち抜く際の態様が異なるので、以下に説明する。
図13は、マット材から本発明の第二実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図13に示すマット材200は、図6に示すマット材100と同様に、本実施形態に係るマット21を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図13における実線部分でマット材を切断して、マット21を作製する。
貫通孔214及びスリット213は、打ち抜き工程と同時に、もしくは打ち抜き工程の前後において作製してもよい。
打ち抜き工程の前後で貫通孔及びスリットを作製する場合は、マット21の外周部分となる部分だけをトムソン刃で打ち抜いた後、もしくは、打ち抜き工程の前に、カッターで切込みを入れる方法が挙げられる。
次に、上記方法により得られた本実施形態に係る保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて、巻付体を製造する。巻付体の製造方法については、図10(a)〜図10(c)を用いて説明しており、得られた巻付体については、図11及び図12(a)〜図12(c)を用いて説明したので、ここではこれらの説明を省略する。
上記に説明した以外の、保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法の実施形態については、本発明の第一実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第二実施形態では、本発明の第一実施形態において説明した効果(1)、(2)、(5)〜(8)、(11)〜(14)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(15)本実施形態に係る保持シール材は、1枚のマットからなる。そのため、2層以上のマットの層が形成された保持シール材であっても、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
(16)本実施形態に係る保持シール材では、貫通孔のマットの長手方向に垂直な方向の長さが、挿入部のマットの長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内である。貫通孔のマットの長手方向に垂直な方向の長さが上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部を貫通孔に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
(17)本実施形態に係る保持シール材では、貫通孔のマットの長手方向の長さが、15〜40mmである。貫通孔のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付けて固定する際、挿入部を貫通孔に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
(18)本実施形態に係る巻付体では、保持シール材が1枚のマットからなる。そのため、2層以上のマットの層が形成された巻付体であっても、巻付体をケーシング内に挿入する際に、マット間の位置ずれを防止することができる。
(19)本実施形態に係る巻付体では、貫通孔のマットの長手方向に垂直な方向の長さは、挿入部のマットの長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内である。
貫通孔のマットの長手方向に垂直な方向の長さが上記範囲内であると、挿入部を貫通孔に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
(20)本実施形態に係る巻付体では、貫通孔のマットの長手方向の長さが15〜40mmである。
貫通孔のマットの長手方向の長さが上記範囲内であると、挿入部を貫通孔に容易に通すことができる。そのため、保持シール材にしわが生じることなく、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、固定することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の保持シール材、巻付体、及び、排ガス浄化装置の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本発明の第三実施形態に係る保持シール材は、貫通孔の代わりに、マットの長手方向と平行な方向の第一の側面及び第二の側面にそれぞれ切込部が形成されている点で、本発明の第二実施形態と異なる。
まず、本発明の第三実施形態に係る保持シール材について説明する。
図14は、本発明の第三実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図14に示すように、本実施形態に係る保持シール材3は、無機繊維を含むマット31からなる。マット31は、それぞれ所定の長手方向の長さ、幅及び厚さを有する、平面矩形状のマットである。
マット31は、凹形状の第一の端部311、凸形状の第二の端部312、マット31の長手方向と平行な方向の第一の側面315、及び、マット31の長手方向と平行な方向の第二の側面316を有する。第一の端部311には挿入部311a及び311bが形成されているとともに、第二の端部312には収容部312a及び312bが形成されている。また、第一の側面315には第一の切込部314aが形成されているとともに、第二の側面316には第二の切込部314bが形成されている。
マット31では、挿入部311a及び311bを含まない第一の端部311から収容部312a及び312bを含む第二の端部312までの長手方向の長さをL、幅をW31、厚さをT31とする。また、Lのうち、挿入部311a及び311bを含まない第一の端部311から第一の切込部314a及び第二の切込部314bの中央までの長手方向の長さをL31、第一の切込部314a及び第二の切込部314bの中央から収容部312a及び312bを含む第二の端部312までの長手方向の長さをL32とする。
マット31は、第二の端部312から第一の切込部314a及び第二の切込部314bまでが内側の層、第一の切込部314a及び第二の切込部314bから第一の端部311までが外側の層となるように、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付けられる。つまり、第一の切込部314a及び第二の切込部314bは、内側の層から外側の層にまたがって形成される。
そして、挿入部311aが第一の切込部314aを通って、収容部312aに挿入されるとともに、挿入部311bが第二の切込部314bを通って、収容部312bに挿入される。すなわち、挿入部311a及び収容部312a、並びに、挿入部311b及び収容部312bは、それぞれが互いに嵌合するような形状となっている。
マット31を柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける方法については、後述する本実施形態に係る巻付体の製造方法にて詳細を説明する。
次に、上記形状の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体を製造する方法について説明する。
図15(a)〜図15(c)は、本発明の第三実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
図15(a)〜図15(c)に示すように、上記工程で製造した図14に示すマット31を、排ガス処理体33の外周に巻き付ける。
まず、図15(a)に示すように、内側の層となる第二の端部312から第一の切込部314a及び第二の切込部314bまでを排ガス処理体33の外周に巻き付ける。その際、第一の切込部314a及び第二の切込部314bが、内側の層から外側の層にまたがるように配置される。すなわち、排ガス処理体33の外周にマット31を巻き付けた際、第一の切込部314a及び第二の切込部314bが存在する部分の近傍で、最初に巻き付けたマット31上に重なるように巻き付ける。そのため、巻き付けられたマット31における第一の切込部314a及び第二の切込部314bの位置は、第二の端部312に形成された収容部312a及び312bに対してごく近い位置になり、かつ、排ガス処理体33の外周に対して第一の切込部314a及び第二の切込部314bが斜めに位置するようになる。従って、第一の切込部314a及び第二の切込部314bを通じて収容部312a及び312bの一部を見ることができ、挿入部311a及び311bの挿入も比較的容易になる。
次に、図15(b)に示すように、外側の層となる第一の切込部314a及び第二の切込部314bから第一の端部311までを排ガス処理体33の外周に巻き付ける。
最後に、図15(c)に示すように、挿入部311aを第一の切込部314aに差し込み、内側の層に形成された収容部312aに挿入するとともに、挿入部311bを第二の切込部314bに差し込み、内側の層に形成された収容部312bに挿入する。
次に、上記方法により得られた巻付体について、図16、及び、図17(a)〜図17(c)を用いて説明する。
図16は、本発明の第三実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。
図17(a)は、図16に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図17(b)は、図16に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図であり、図17(c)は、図16に示した巻付体のC−C線断面の一部拡大図である。
図16に示すように、本実施形態に係る巻付体30は、柱状の排ガス処理体33と、無機繊維を含む平面矩形状のマット31からなる保持シール材3とから構成され、排ガス処理体33の側面にマット31が巻き付けられている。
次に、マット31の挿入部311a及び収容部312a、並びに、挿入部311b及び収容部312bが嵌合した嵌合部について説明する。
図17(a)に示すように、第一の切込部314aが内側の層から外側の層にまたがって配置されることにより、第一の切込部314aが、挿入部311aが通るための空隙となる。外側の層を構成するマット31の第一の端部311に形成された挿入部311aは、第一の切込部(空隙)314aを通って、内側の層を構成するマット31の第二の端部312に形成された収容部312aに挿入されている。
図17(b)に示すように、マット31は、排ガス処理体33の外周を一周して内側の層を形成した後、第二の端部312の外側を通り、排ガス処理体33の外周をさらに一周して外側の層を形成している。
図17(c)に示すように、第二の切込部314bが内側の層から外側の層にまたがって配置されることにより、第二の切込部314bが、挿入部311bが通るための空隙となる。外側の層を構成するマット31の第一の端部311に形成された挿入部311bは、第二の切込部(空隙)314bを通って、内側の層を構成するマット31の第二の端部312に形成された収容部312bに挿入されている。
このように、本実施形態に係る巻付体30では、挿入部311aが挿入された収容部312a、及び、挿入部311bが挿入された収容部312bの二箇所で保持シール材3が固定されている。
続いて、上記以外の保持シール材の構成について詳しく説明する。
挿入部311a及び収容部312a、並びに、挿入部311b及び収容部312bがそれぞれ互いに嵌合するために、挿入部311a、収容部312a及び第一の切込部314aのマット31の長手方向に垂直な方向の長さはそれぞれ等しいことが望ましく、挿入部311b、収容部312b及び第二の切込部314bのマット31の長手方向に垂直な方向の長さはそれぞれ等しいことが望ましい。特に、挿入部311a、収容部312a及び第一の切込部314aのマット31の長手方向に垂直な方向の長さ、並びに、挿入部311b、収容部312b及び第二の切込部314bのマット31の長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ15〜100mmであることが望ましい。
第一の切込部314a及び第二の切込部314bの形状は、挿入部311a及び311bを通すことができる大きさであれば、特に限定されない。
例えば、図14に示す本実施形態に係る保持シール材では、第一の切込部314a及び第二の切込部314bの形状は長方形状である。第一の切込部314a及び第二の切込部314bのマット31の長手方向の長さは、15〜40mmであることが望ましい。また、第一の切込部314a及び第二の切込部314bのマット31の長手方向に垂直な方向の長さは、25〜100mmであることが望ましい。さらに、第一の切込部314a及び第二の切込部314bのマット31の長手方向に垂直な方向の長さは、第一の挿入部311a及び第二の挿入部311bのマット31の長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内であることが望ましい。
第一の切込部314a及び第二の切込部314bは、挿入部311a及び311bを含まない第一の端部311から第一の切込部314a及び第二の切込部314bの中央までの長手方向の長さL31と、第一の切込部314a及び第二の切込部314bの中央から収容部312a及び312bを含む第二の端部312までの長手方向の長さL32とが等しくなるように形成されていることが望ましい。
また、第一の切込部314a及び第二の切込部314bは、マット31の長手方向において、第一の切込部314aの中央と第二の切込部314bの中央とが等しくなる位置に形成されていることが望ましい。
収容部312a及び312bを含む第二の端部312から第一の切込部314a及び第二の切込部314bの中央までの長さL32は、排ガス処理体の直径をD、マット31の厚さをT31、挿入部311a及び311bのマット31の長手方向の長さをLCC、外側の層を除くマットの層の数をnとしたとき、以下の式を満たすことが望ましい。
{D+2(n+1/2)T31}×π−2LCC≦L32≦{D+2(n+1/2)T31}×π−5
例えば、図14に示す本実施形態に係る保持シール材の場合は、外側の層を除くマットの層の数nが1であるから、以下の式を満たすことが望ましい。
(D+3T31}×π−2LCC≦L32≦(D+3T31)×π−5
収容部312a及び312bを含む第二の端部312から第一の切込部314a及び第二の切込部314bの中央までの長さL32が上記の式を満たすと、挿入部が切込部を容易に通って、収容部に挿入される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
挿入部311a及び311bの根元には、スリットが形成されていることが望ましい。スリットの位置、本数は特に限定されない。例えば、図14に示すように、挿入部311a及び311bの根元にそれぞれスリット313a及び313bがマット31の長手方向に沿って形成される。このようにスリットが形成されていると、マット31の長手方向の長さLを長くして保持面積を大きくしても、挿入部を収容部に挿入しやすくなる。なお、スリット313a及び313bの長さは、5〜30mmであることが望ましい。
次に、本発明の第三実施形態に係る保持シール材の製造方法について説明する。
本実施形態に係る保持シール材の製造方法の準備工程は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法と同様であるが、打ち抜き工程において、マット材から1枚のマットを打ち抜く際の態様が異なるので、以下に説明する。
図18は、マット材から本発明の第三実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図18に示すマット材300は、図6に示すマット材100と同様に、本実施形態に係るマット31を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図18における実線部分でマット材を切断して、マット31を作製する。
第一の切込部314a及び第二の切込部314b、並びに、スリット313a及び313bは、打ち抜き工程と同時に、もしくは打ち抜き工程の前後において作製してもよい。
打ち抜き工程の前後で切込部及びスリットを作製する場合は、マット31の外周部分となる部分だけをトムソン刃で打ち抜いた後、もしくは、打ち抜き工程の前に、カッターで切込みを入れる方法が挙げられる。
次に、上記方法により得られた本実施形態に係る保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて、巻付体を製造する。巻付体の製造方法については、図15(a)〜図15(c)を用いて説明しており、得られた巻付体については、図16及び図17(a)〜図17(c)を用いて説明したので、ここではこれらの説明を省略する。
上記に説明した以外の、保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法の実施形態については、本発明の第二実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第三実施形態では、本発明の第一実施形態において説明した効果(1)、(2)、(5)〜(8)、(11)〜(14)、及び、本発明の第二実施形態において説明した効果(15)〜(20)を発揮することができる。
(第四実施形態)
以下、本発明の保持シール材、巻付体、及び、排ガス浄化装置の一実施形態である第四実施形態について説明する。
本発明の第四実施形態に係る保持シール材は、マットの長手方向と平行な方向の第一の側面に切込部が形成されている点で、本発明の第三実施形態と異なる。
まず、本発明の第四実施形態に係る保持シール材について説明する。
図19は、本発明の第四実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図19に示すように、本実施形態に係る保持シール材4は、無機繊維を含むマット41からなる。マット41は、それぞれ所定の長手方向の長さ、幅及び厚さを有する、平面矩形状のマットである。
マット41は、L字形状の第一の端部411、L字形状の第二の端部412、及び、マット41の長手方向と平行な方向の第一の側面415を有する。第一の端部411には挿入部411aが形成されているとともに、第二の端部412には収容部412aが形成されている。また、第一の側面415には、挿入部411aが形成されている。挿入部411aが形成された第一の側面415には、さらに、切込部414が形成されている。
マット41では、挿入部411aを含まない第一の端部411から収容部412aを含む第二の端部412までの長手方向の長さをL、幅をW41、厚さをT41とする。また、Lのうち、挿入部411aを含まない第一の端部411から切込部414の中央までの長手方向の長さをL41、切込部414の中央から収容部412aを含む第二の端部412までの長手方向の長さをL42とする。
マット41は、第二の端部412から切込部414までが内側の層、切込部414から第一の端部411までが外側の層となるように、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付けられる。つまり、切込部414は、内側の層から外側の層にまたがって形成される。
そして、挿入部411aが切込部414を通って、収容部412aに挿入される。すなわち、挿入部411a及び収容部412aは、互いに嵌合するような形状となっている。
マット41を柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける方法については、後述する本実施形態に係る巻付体の製造方法にて詳細を説明する。
次に、上記形状の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体を製造する方法について説明する。
図20(a)〜図20(c)は、本発明の第四実施形態に係る巻付体の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
図20(a)〜図20(c)に示すように、上記工程で製造した図19に示すマット41を、排ガス処理体43の外周に巻き付ける。
まず、図20(a)に示すように、内側の層となる第二の端部412から切込部414までを排ガス処理体43の外周に巻き付ける。その際、切込部414が、内側の層から外側の層にまたがるように配置される。すなわち、排ガス処理体43の外周にマット41を巻き付けた際、切込部414が存在する部分の近傍で、最初に巻き付けたマット41上に重なるように巻き付ける。そのため、巻き付けられたマット41における切込部414の位置は、第二の端部412に形成された収容部412aに対してごく近い位置になり、かつ、排ガス処理体43の外周に対して切込部414が斜めに位置するようになる。従って、切込部414を通じて収容部412aの一部を見ることができ、挿入部411aの挿入も比較的容易になる。
次に、図21(b)に示すように、外側の層となる切込部414から第一の端部411までを排ガス処理体43の外周に巻き付ける。
最後に、図20(c)に示すように、第一の挿入部411aを切込部414に差し込み、内側の層を構成する第二の端部412に形成された第一の収容部412aに挿入する。
次に、上記方法により得られた巻付体について、図21、図22(a)及び図22(b)を用いて説明する。
図21は、本発明の第四実施形態に係る巻付体の一例を模式的に示す斜視図である。
図22(a)は、図21に示した巻付体のA−A線断面の一部拡大図であり、図22(b)は、図21に示した巻付体のB−B線断面の一部拡大図である。
図21に示すように、本実施形態に係る巻付体40は、柱状の排ガス処理体43と、無機繊維を含む平面矩形状のマット41からなる保持シール材4とから構成され、排ガス処理体43の側面にマット41が巻き付けられている。
次に、マット41の挿入部411a及び収容部412aが嵌合した嵌合部について説明する。
図22(a)に示すように、切込部414が内側の層から外側の層にまたがって配置されることにより、切込部414が、挿入部411aが通るための空隙となる。外側の層を構成するマット41の第一の端部411に形成された挿入部411aは、切込部(空隙)414を通って、内側の層を構成するマット41の第二の端部412に形成された収容部412aに挿入されている。
図22(b)に示すように、マット41は、排ガス処理体43の外周を一周して内側の層を形成した後、第二の端部412の外側を通り、排ガス処理体43の外周をさらに一周して外側の層を形成している。
このように、本実施形態に係る巻付体40では、挿入部411aが挿入された収容部412aで保持シール材4が固定されている。
続いて、上記以外の保持シール材の構成について詳しく説明する。
挿入部411a及び収容部412aが互いに嵌合するために、挿入部411a、収容部412a及び切込部414のマット41の長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ等しいことが望ましい。特に、挿入部411a、収容部412a及び切込部414のマット41の長手方向に垂直な方向の長さは、30〜150mmであることが望ましい。
切込部414の形状は、挿入部411aを通すことができる大きさであれば、特に限定されない。
例えば、図19に示す本実施形態に係る保持シール材では、切込部414の形状は長方形状である。切込部414のマット41の長手方向の長さは、15〜40mmであることが望ましい。また、切込部414のマット41の長手方向に垂直な方向の長さは、30〜150mmであることが望ましい。さらに、切込部414のマット41の長手方向に垂直な方向の長さは、挿入部411aのマット41の長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内であることが望ましい。
切込部414は、第一の挿入部411aを含まない第一の端部411から切込部414の中央までの長手方向の長さL41と、切込部414の中央から収容部412aを含む第二の端部412までの長手方向の長さL42とが等しくなるように形成されていることが望ましい。
第一の挿入部411aを含まない第一の端部411から切込部414の中央までの長さL41は、排ガス処理体の直径をD、マット41の厚さをT41、第一の挿入部411aのマット41の長手方向の長さをL、外側の層を除くマットの層の数をnとしたとき、以下の式を満たすことが望ましい。
{D+2(n+1/2)T41}×π−2L≦L41≦{D+2(n+1/2)T41}×π−5
例えば、図19に示す本実施形態に係る保持シール材の場合は、外側の層を除くマットの層の数nが1であるから、以下の式を満たすことが望ましい。
(D+3T41}×π−2L≦L41≦(D+3T41)×π−5
第一の挿入部411aを含まない第一の端部411から切込部414の中央までの長さL41が上記の式を満たすと、挿入部が切込部を容易に通って、収容部に挿入される。そのため、嵩密度の高い保持シール材であっても、よりしっかりと排ガス処理体に巻き付け、固定することができる。
挿入部411aの根元には、スリットが形成されていることが望ましい。スリットの位置、本数は特に限定されない。例えば、図19に示すように、第一の挿入部411aの根元にスリット413がマット41の長手方向に沿って形成される。このようにスリットが形成されていると、マット41の長手方向の長さLを長くして保持面積を大きくしても、挿入部を収容部に挿入しやすくなる。なお、スリット413の長さは、5〜30mmであることが望ましい。
マット41の幅W41は、排ガス処理体の長手方向の長さと等しいことが望ましく、排ガス処理体の長手方向の長さに対して5〜15mm短いことがより望ましい。
本実施形態に係る保持シール材は、排ガス処理体の長手方向の長さが短い場合であっても、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、しっかりと固定することができる。
次に、本発明の第四実施形態に係る保持シール材の製造方法について説明する。
本実施形態に係る保持シール材の製造方法の準備工程は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法と同様であるが、打ち抜き工程において、マット材から1枚のマットを打ち抜く際の態様が異なるので、以下に説明する。
図23は、マット材から本発明の第四実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図23に示すマット材400は、図6に示すマット材100と同様に、本実施形態に係るマット41を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図23における実線部分でマット材を切断して、マット41を作製する。
切込部414及びスリット413は、打ち抜き工程と同時に、もしくは打ち抜き工程の前後において作製してもよい。
打ち抜き工程の前後で切込部及びスリットを作製する場合は、マット41の外周部分となる部分だけをトムソン刃で打ち抜いた後、もしくは、打ち抜き工程の前に、カッターで切込みを入れる方法が挙げられる。
次に、上記方法により得られた本実施形態に係る保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて、巻付体を製造する。巻付体の製造方法については、図20(a)〜図20(c)を用いて説明しており、得られた巻付体については、図21、図22(a)及び図22(b)を用いて説明したので、ここではこれらの説明を省略する。
上記に説明した以外の、保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、巻付体の製造方法、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法の実施形態については、本発明の第二実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第四実施形態では、本発明の第一実施形態において説明した効果(1)、(2)、(5)〜(8)、(11)〜(14)、及び、本発明の第二実施形態において説明した効果(15)〜(20)を発揮することができるとともに、以下の効果を発揮することができる。
(21)本実施形態に係る保持シール材は、マットの第一の端部及び第二の端部がL字形状であるため、排ガス処理体の長手方向の長さが短い場合であっても、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、しっかりと固定することができる。
(22)本実施形態に係る巻付体は、排ガス処理体の長手方向の長さが短い場合であっても、マットの第一の端部及び第二の端部がL字形状であるため、保持シール材を排ガス処理体の側面に巻き付け、しっかりと固定することができる。
以下、本発明の第一実施形態〜第四実施形態に係る保持シール材及び巻付体についてまとめる。
本発明の第一実施形態〜第四実施形態に係る保持シール材は、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなり、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける用途に使用される保持シール材であって、上記マットは、上記排ガス処理体の側面に巻き付けた際、2層以上の上記マットの層が形成されるように構成され、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、上記外側の層から上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記外側の層よりも内側の層に挿入される一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、上記挿入部が挿入される一又は複数の収容部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の第一実施形態〜第四実施形態に係る巻付体は、柱状の排ガス処理体と、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなる保持シール材とから構成され、上記排ガス処理体の側面に上記保持シール材を構成する上記マットが巻き付けられた巻付体であって、上記マットは、2層以上の上記マットの層が形成されるように上記排ガス処理体の側面に巻き付けられ、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されていることを特徴とする。
本発明の第一実施形態〜第四実施形態において、保持シール材を構成するマットを排ガス処理体に巻き付けることにより得られた巻付体では、上記マットの層の外側の層に位置する部分には挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されている。
ここで、上記挿入部とは、本発明の第一実施形態(図1及び4)における第一の挿入部111a並びに第二の挿入部112a及び112b、本発明の第二実施形態(図9及び11)における挿入部211a、本発明の第三実施形態(図14及び16)における第一の挿入部311a及び311b、並びに、本発明の第四実施形態(図19及び21)における挿入部411aのことである。すなわち、挿入部とは、排ガス処理体に巻き付けたマットを固定するために用いる1種の固定具の役割を果たすものであるが、挿入部に固定具としての機能を持たせるために、空隙と収容部とが必要となる。上述したように、本発明では、この挿入部を空隙を介して収容部に挿入することにより、他の補助具等を用いることなく、排ガス処理体にマットが巻き付けられた巻付体の状態を確実に維持することができる。
また、上記空隙とは、本発明の第一実施形態(図1及び4)における空隙14a、14b及び14c、本発明の第二実施形態(図9及び11)における貫通孔214、本発明の第三実施形態(図14及び16)における第一の切込部314a及び第二の切込部314b、並びに、本発明の第四実施形態(図19及び21)における切込部414のことである。すなわち、空隙とは、挿入部を収容部に挿入するために形成された空間であり、保持シール材に形成された切込部や貫通孔が空隙の役割を果たすが、第一実施形態のように、保持シール材の長さを調整することによっても、挿入部を収容部に挿入するための空隙を形成することができる。
さらに、上記収容部とは、本発明の第一実施形態(図1及び4)における第一の収容部121a及び121b並びに第二の収容部122a、本発明の第二実施形態(図9及び11)における収容部212a、本発明の第三実施形態(図14及び16)における第一の収容部312a及び312b、並びに、本発明の第四実施形態(図19及び21)における収容部412aのことである。すなわち、収容部は、挿入部を収容するための空間であり、その大きさは特に限定されるものではないが、なるべく挿入される挿入部の形状に近いことが望ましい。排気ガスが収容部を通って通過するのを防止することができるからである。
(実施例)
以下に、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明の実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1及び2では、図1、図4及び図8に示す本発明の第一実施形態をより具体的に示す。
(実施例1)
アルミナ−シリカ組成を有するアルミナ繊維製の素地マットとして、組成比がAl:SiO=72:28である素地マットを用意した。この素地マットに対し、ニードルパンチング処理を施すことで、嵩密度が0.15g/cmであり、坪量が1400g/mであるニードル処理マットを作製した。
別途、アクリル系ラテックスを水に充分に分散させることで、アクリル系ラテックスエマルジョンを調製しておき、これをバインダとして用いた。
次に、ニードル処理マットを平面視寸法で全長1100mm×幅1000mmに裁断した。裁断したニードル処理マットのアルミナ繊維量に対し1.0重量%となるように、裁断したニードルマットに対してスプレーを用いてバインダを均一に吹き付けた。
その後、バインダを付着させたニードルマットを140℃の温度で6分間通気乾燥させることにより、マット材を作製した。
続いて、マット材から図2(a)及び図2(b)に示すような形状の2枚のマットを打ち抜いた。
マット材の打ち抜き及びスリットの形成は、トムソン刃及び油圧プレス機を用いて行った。
打ち抜いた2枚のマットの寸法は、第一のマットの長手方向の長さがL11=455mm、幅がW11=104mm、厚さがT11=9.1mmであり、第二のマットの長手方向の長さがL12=305mm、幅がW12=104mm、厚さがT12=9.1mmである。
第一の挿入部及び第二の挿入部の第一のマットの長手方向の長さは、それぞれ60mmである。また、第一の収容部及び第二の収容部の第二のマットの長手方向の長さは、それぞれ60mmである。
第一の挿入部及び第二の収容部のマットの長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ35mmであり、第二の挿入部及び第一の収容部のマットの長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ34mmである。
次に、直径105mm、長さ106mmの排ガス処理体(SiC製ハニカムフィルタ)に第一のマット及び第二のマットを巻き付けた後、第二の挿入部を第一の収容部へ挿入するとともに、第一の挿入部を第二の収容部へ挿入して固定した。
最後に、巻付体を圧入方式を用いてケーシング(内径122.2mm、長さ180mm)内に収容し、排ガス浄化装置を製造した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に示す。
(巻付け時の固定性)
保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材が固定されているかどうかを目視で評価した。
評価基準は、◎:しっかりと固定される、○:固定される、△:剥がれやすい、×:剥がれる、の4段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:固定される”の評価となった。
(収容時のずれ)
巻付体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生している程度を目視で評価した。
評価基準は、○:ずれがない、△:ずれやすい、×:大きなずれが発生 の3段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:ずれがない”の評価となった。
表2における「固定時の追加有機分」は、保持シール材を固定する手段として有機成分を用いた場合にその有機成分の含有量を保持シール材全体の重量を100%として示した量(%)である。
有機成分が多いと、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際に、排ガスから悪臭や有毒ガスが生じる。従って、有機成分の含有量は小さい方が好ましい。
実施例1では、保持シール材を固定する手段として有機成分を用いていないので、この値は0%であった。
(実施例2)
実施例2では、第一のマットと第二のマットとをミシンで縫合して固定した他は、実施例1と同様にして保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に、評価結果を表2に示した。
実施例3では、図9及び図11に示す本発明の第二実施形態をより具体的に示す。
(実施例3)
実施例3では、マット材から図9に示すような形状の1枚のマットを打ち抜いた。
打ち抜いた1枚のマットの寸法は、マットの長手方向の長さがL=760mm、幅がW31=104mm、厚さがT31=9.1mmである。
貫通孔は、挿入部を含まない第一の端部から貫通孔の中央までの長手方向の長さL31=320mmであり、貫通孔の中央から収容部を含む第二の端部までの長手方向の長さL32=360mmである位置に設けられている。
貫通孔の形状は長方形状であり、マットの長手方向の長さは30mm、マットの長手方向に垂直な方向の長さは34mmである。
挿入部のマットの長手方向の長さは、80mmである。また、収容部のマットの長手方向の長さは、80mmである。
挿入部及び収容部のマットの長手方向に垂直な方向の長さは34mmであり、貫通孔のマットの長手方向に垂直な方向の長さと等しい。
次に、直径105mm、長さ106mmの排ガス処理体(SiC製ハニカムフィルタ)にマットを巻き付けた後、挿入部を貫通孔を介して収容部へ挿入することにより固定した。
その他は、実施例1と同様にして保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に、評価結果を表2に示した。
実施例4では、図14及び図16に示す本発明の第三実施形態をより具体的に示す。
(実施例4)
実施例4では、マット材から図14に示すような形状の1枚のマットを打ち抜いた。
打ち抜いた1枚のマットの寸法は、マットの長手方向の長さがL=760mm、幅がW41=104mm、厚さがT41=9.1mmである。
2つの切込部は、マットの長手方向と平行な方向の第一の側面及び第二の側面にそれぞれ、挿入部を含まない第一の端部から切込部の中央までの長手方向の長さL41=290mmであり、切込部の中央から収容部を含む第二の端部までの長手方向の長さL42=320mmである位置に設けられている。
切込部の形状は長方形状であり、マットの長手方向の長さは20mm、マットの長手方向に垂直な方向の長さは35mmである。
挿入部のマットの長手方向の長さは、50mmである。また、収容部のマットの長手方向の長さは、50mmである。
挿入部及び収容部のマットの長手方向に垂直な方向の長さは35mmであり、切込部のマットの長手方向に垂直な方向の長さと等しい。
次に、直径105mm、長さ106mmの排ガス処理体(SiC製ハニカムフィルタ)にマットを巻き付けた後、挿入部を切込部を介して収容部へ挿入することにより固定した。
その他は、実施例1と同様にして保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に、評価結果を表2に示した。
実施例5では、図19及び図21に示す本発明の第四実施形態をより具体的に示す。
(実施例5)
実施例5では、マット材から図19に示すような形状の1枚のマットを打ち抜いた。
打ち抜いた1枚のマットの寸法は、マットの長手方向の長さがL=760mm、幅がW51=55mm、厚さがT51=9.1mmである。
切込部は、マットの長手方向と平行な方向の側面のうち挿入部が形成された側面に、挿入部を含まない第一の端部から切込部の中央までの長手方向の長さL51=290mmであり、切込部の中央から収容部を含む第二の端部までの長手方向の長さL52=320mmである位置に設けられている。
切込部の形状は長方形状であり、マットの長手方向の長さは20mm、マットの長手方向に垂直な方向の長さは27.5mmである。
挿入部のマットの長手方向の長さは、60mmである。また、収容部のマットの長手方向の長さは、27.5mmである。
挿入部及び収容部のマットの長手方向に垂直な方向の長さは27.5mmであり、切込部のマットの長手方向に垂直な方向の長さと等しい。
その他は、実施例4と同様にして保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に、評価結果を表2に示した。
(比較例1)
比較例1では、マット材から2枚のマットを打ち抜いた。
打ち抜いた2枚のマットの寸法は、内側の層を構成するマットの長手方向の長さが355mm、幅が104mm、厚さが9.1mmであり、外側の層を構成するマットの長手方向の長さが405mm、幅が104mm、厚さが9.1mmである。
内側の層を構成するマットの挿入部及び外側の層を構成するマットの挿入部のマットの長手方向の長さは、それぞれ80mmである。また、内側の層を構成するマットの収容部及び外側の層を構成するマットの収容部のマットの長手方向の長さは、それぞれ60mmである。
内側の層を構成するマットの挿入部及び収容部、並びに、外側の層を構成するマットの挿入部及び収容部のマットの長手方向に垂直な方向の長さは、それぞれ35mmである。
まず、排ガス処理体の排ガス流入側及び流出側の2箇所の外周面に、両面テープ(モリトク社製、幅15mm)を一周分貼り付けた後、内側の層を構成するマットを巻き付け、挿入部を収容部へ挿入して固定した。さらに、内側の層を構成するマットの排ガス流入側及び流出側の2箇所の表面に、両面テープを一周分貼り付けた後、外側の層を構成するマットを巻き付け、挿入部を収容部へ挿入して固定した。
その他は、実施例1と同様にして保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に、評価結果を表2に示した。
(比較例2)
両面テープを使用せずに、内側の層を構成するマット及び外側の層を構成するマットを排ガス処理体に巻き付けた後、外側の層を構成するマットの排ガス流入側及び流出側の2箇所の表面に片面テープ(ニチバン社製、幅50mm)を一周分貼り付けて固定した他は、比較例1と同様にして保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置を作製した。
巻付体の嵌合部の構造及び保持シール材の固定方法等を表1に、評価結果を表2に示した。
Figure 0005970264
Figure 0005970264
表2の実施例1〜5の結果からわかるように、外側の層に形成された挿入部が内側の層に形成された収容部へ挿入することにより、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材がしっかりと固定された。また、このような保持シール材を巻き付けた巻付体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生しなかった。さらに、保持シール材を固定する手段としてテープ等を用いていないので、固定における追加有機分を抑えることができた。
また、表2の実施例2の結果からわかるように、2枚のマット同士を固定することにより、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材がしっかりと固定された。
さらに、表2の実施例4及び5の結果からわかるように、外側の層に形成された挿入部が、切込部を介して内側の層に形成された収容部へ挿入することにより、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材がしっかりと固定された。
比較例1で作製した保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置では、保持シール材の固定に両面テープを用いているため、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材が剥がれてしまい、固定できなかった。また、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定できなかったため、ケーシング内に収容できず、収容時のずれを評価できなかった。
さらに、保持シール材の固定に両面テープを用いているため、固定における追加有機分が増加した。
比較例2で作製した保持シール材、巻付体及び排ガス浄化装置では、保持シール材の固定に片面テープを用いているため、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて固定した際に、保持シール材が剥がれやすく、固定され難かった。また、ケーシング内に収容した際に、保持シール材がずれやすかった。
さらに、保持シール材の固定に片面テープを用いているため、固定における追加有機分が増加した。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態に係る保持シール材において積層するマットの枚数は、2枚に限定されるわけではなく、3枚以上のマットを積層するようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る保持シール材において、挿入部及び収容部の数は特に限定されない。例えば、保持シール材を巻き付ける排ガス処理体53の長手方向の長さが長い場合は、図24に示すように、本発明の第一実施形態に係る保持シール材1が幅方向に5つ繋がったような形状であって、挿入部(511a、512b等)及び収容部(522a、521b等)がそれぞれ11個形成された保持シール材であってもよい。また、挿入部や収容部の大きさは排ガス処理体や保持シール材の厚さなどを考慮して、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けできるように適宜変更することができる。
このような保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、ケーシング内に挿入することにより製造された排ガス浄化装置は、トラックやトレーラーなどの大型車両又は重機車両等に好適に用いられる。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の形状は、柱状であれば特に限定されず、略円柱状の他に、例えば、略楕円柱状や略角柱状等任意の形状、大きさのものであってもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体としては、コージェライト等からなり、一体的に形成された一体型ハニカム構造体であってもよく、あるいは、炭化ケイ素等からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体を主にセラミックを含む接着材層を介して複数個結束してなる集合型ハニカム構造体であってもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体には、触媒が担持されていてもよい。
排ガス処理体に担持されている触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、酸化セリウム等の金属酸化物等が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置において、排ガス処理体がハニカム構造体である場合、セルに封止材が設けられずに、セルの端部が封止されていなくてもよい。この場合、排ガス処理体は、白金等の触媒を担持させることによって、排ガス中に含まれるCO、HC又はNOx等の有害なガス成分を浄化する触媒担体として機能する。
本発明の保持シール材は、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなり、柱状の排ガス処理体の側面に巻き付ける用途に使用される保持シール材であって、上記マットは、上記排ガス処理体の側面に巻き付けた際、2層以上の上記マットの層が形成されるように構成され、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、上記外側の層から上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記外側の層よりも内側の層に挿入される一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、上記挿入部が挿入される一又は複数の収容部が形成されていることが必須の構成要素である。
また、本発明の巻付体は、柱状の排ガス処理体と、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなる保持シール材とから構成され、上記排ガス処理体の側面に上記保持シール材を構成する上記マットが巻き付けられた巻付体であって、上記マットは、2層以上の上記マットの層が形成されるように上記排ガス処理体の側面に巻き付けられ、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されていることが必須の構成要素である。
また、本発明の排ガス浄化装置では、柱状の排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、無機繊維を含む平面矩形状のマットからなる保持シール材とから構成され、上記排ガス処理体の側面に上記保持シール材を構成する上記マットが巻き付けられた巻付体を備えた排ガス浄化装置であって、上記マットは、2層以上の上記マットの層が形成されるように上記排ガス処理体の側面に巻き付けられ、上記マットの層の外側の層に位置する部分には、一又は複数の挿入部が形成され、上記外側の層よりも内側の層となる部分には、一又は複数の収容部が形成され、上記挿入部は、上記外側の層のマットに形成された空隙を通って、上記収容部に挿入されていることが必須の構成要素である。
係る必須の構成要素に、本発明の第一実施形態〜第四実施形態、及び、本発明のその他の実施形態で詳述した種々の構成(例えば、積層するマットの枚数、排ガス処理体の形状等)を適宜組み合わせることにより所望の効果を得ることができる。
1、2、3、4 保持シール材
10、20、30、40 巻付体
11、12、21、31、41 マット(第一のマット、第二のマット)
13、23、33、43、53 排ガス処理体
14a、14b、14c 空隙
57 ケーシング
111、121、211、311、411 第一の端部
111a、112a、112b、211a、311a、311b、411a、511a、512b 挿入部(第一の挿入部、第二の挿入部)
112、122、212、312、412 第二の端部
121a、121b、122a、212a、312a、312b、412a、521b、522a 収容部(第一の収容部、第二の収容部)
214 貫通孔(空隙)
314a、314b、414 切込部(空隙)
500 排ガス浄化装置

Claims (9)

  1. 柱状の排ガス処理体と、
    無機繊維を含む少なくとも2枚のマットを積層した保持シール材とから構成され、
    前記排ガス処理体の側面に前記保持シール材を構成する前記マットが巻き付けられた巻付体であって、
    それぞれのマットは、平面視矩形状の第一の端部に凸形状部が設けられるとともに第二の端部に凹形状部が設けられ、前記第一の端部では、前記凸形状部が挿入部として機能するか、前記凸形状部の両側が収容部と機能するように構成され、前記第二の端部では、前記凹形状部が収容部として機能するか、前記凹形状部の両側が挿入部として機能するように構成され、
    前記マットの外側の層を構成する第一のマットでは、前記第一の端部及び前記第二の端部は挿入部として機能し、
    前記外側の層よりも内側の層を構成する第二のマットでは、前記第一の端部及び前記第二の端部は収容部として機能し、
    前記第一のマットの挿入部として機能する凸形状部は、前記第一のマットの第二の端部と前記第二のマットの第一の端部との間に形成された空隙を通って、前記第二のマットの収容部として機能する凹形状部に挿入され、
    前記第一のマットの挿入部として機能する凹形状部の両側は、前記第一のマットの第一の端部と第二のマットの第二の端部との間に形成された空隙を通って、前記第二のマットの収容部として機能する凸形状部の両側に挿入されていることを特徴とする巻付体。
  2. 前記第一のマットと前記第二のマットとは、互いに少なくとも一部で固定されている請求項1に記載の巻付体。
  3. 柱状の排ガス処理体と、
    無機繊維を含む1枚のマットからなる保持シール材とから構成され、
    前記排ガス処理体の側面に前記保持シール材を構成する前記マットが、2層以上の前記マットの層が積層されるように巻き付けられた巻付体であって、
    前記マットは、平面視矩形状の第一の端部に凸形状部が設けられるとともに第二の端部に凹形状部が設けられ、前記第一の端部では、前記凸形状部が挿入部として機能するか、前記凸形状部の両側が収容部と機能するように構成され、前記第二の端部では、前記凹形状部が収容部として機能するか、前記凹形状部の両側が挿入部として機能するように構成され、
    さらに、前記マットは、前記外側の層のマットに形成された空隙となる貫通孔、又は、前記マットの長手方向と平行な方向の二つの側面の同じ位置に形成された2つの切込部を有し、
    挿入部として機能する第一の端部の凸状部は、前記貫通孔を通って、収容部として機能する第二の端部の凹形状部に挿入されているか、又は、
    前記挿入部として機能する第二の端部の凹形状部の両側は、前記2つの切込部を通って、前記収容部として機能する凸形状部の両側に挿入されていることを特徴とする巻付体。
  4. 柱状の排ガス処理体と、
    無機繊維を含む1枚のマットからなる保持シール材とから構成され、
    前記排ガス処理体の側面に前記保持シール材を構成する前記マットが、2層以上の前記マットの層が積層されるように巻き付けられた巻付体であって、
    前記マットは、長さ方向に平行な方向に第一の側面及び前記第二の側面を有し、平面視矩形状の第一の端部に、第一の側面が延長された形状の側面を有する平面視矩形状の挿入部が付設されるとともに、第二の端部及び第二の側面の一部を含む部分が平面視矩形状に切り取られた形状の収容部が設けられており、
    さらに、前記外側の層のマットには、前記第一の側面に切込部が形成され、
    前記第一の端部の挿入部は、前記切込部を通って、前記第二の端部の収容部に挿入されていることを特徴とする巻付体。
  5. 前記貫通孔又は前記切込部の前記マットの長手方向に垂直な方向の長さは、前記凸状部又は凹形状部の凹部分の両側の前記マットの長手方向に垂直な方向の長さに対して±1mm以内である請求項3又は4に記載の巻付体。
  6. 前記貫通孔又は前記切込部の前記マットの長手方向の長さは、15〜40mmである請求項3〜5のいずれかに記載の巻付体。
  7. 前記収容部に挿入されている前記挿入部の前記マットの長手方向の長さは、10〜100mmである請求項1〜6のいずれかに記載の巻付体。
  8. 前記保持シール材は、前記外側の層に位置する前記マットの外側の表面にスリットが形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の巻付体。
  9. 柱状の排ガス処理体と、
    前記排ガス処理体を収容するケーシングと、
    無機繊維を含むマットからなる保持シール材とから構成され、
    前記排ガス処理体の側面に前記保持シール材を構成する前記マットが巻き付けられた巻付体を備えた排ガス浄化装置であって、
    前記巻付体は、請求項1〜8のいずれかに記載の巻付体からなることを特徴とする排ガス浄化装置。
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