JP5926022B2 - 表面処理蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光特性を低下させることなく、耐湿性を大幅に改善することができ、かつ、高い分散性を有する表面処理蛍光体の製造方法及び該表面処理蛍光体の製造方法を用いて得られる表面処理蛍光体、蛍光体含有樹脂組成物、及び、LED発光装置に関する。
近年、白色光を発する半導体発光素子(白色LED)は、低消費電力、高効率、環境にやさしい、長寿命等の長所を兼ね備えているため、次世代光源として注目を浴びている。
白色LEDにおいて、白色光を作り出す方法としては、青色や紫外光のLEDとそれらの光によって励起されうる蛍光体(赤、黄、緑色蛍光体等)との組み合わせる方法が一般的用いられている。
また、アルカリ土類金属元素を有するシリケート(珪酸塩とも呼ばれる)蛍光体は、組成調節により広範囲な発光波長を容易に得られることと、発光効率が高いこと等の特徴を有するため注目されている。なかでも、特許文献1に記載の(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu2+や、特許文献2に記載の(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu2+等の構造を有するシリケート蛍光体が代表例として挙げられる。このシリケート蛍光体では、Srと、Ba又はCaとの相対量を調節することにより発光波長のチューニングが可能である。
しかしながら、このようなアルカリ土類金属元素を有するシリケート蛍光体は、空気中の水蒸気や水分によって表面が分解劣化しやすいという問題があった。そのため、大気中での長時間使用の場合に、発光強度の低下や色調の変化が起こりやすく、蛍光体としての特性が低下し、耐久性に大きな問題があった。
これに対して、蛍光体の耐湿性を改善する方法として、気相法(乾式法)、液相法(湿式法)等を用いて、蛍光体粒子の表面を酸化物等で被覆する方法が検討されている。
例えば、気相法による方法としては、化学的気相成長法(CVD)を用いる方法(特許文献3)や、プラズマ法を用いる方法(特許文献4)によって硫化物蛍光体粒子の表面に酸化アルミニウム膜をコーティングする方法が開示されている。
また、液相法による方法としては、ゾルーゲル反応法と中和沈殿法が挙げられ、例えば、特許文献5には、0〜20℃の反応温度でSi、Ti等のアルコキシド及び/又はその誘導体を多量のアンモニア水の存在下で加水分解、脱水重合により蛍光体粒子への表面処理方法を開示されている。また、特許文献6には、表面に粒子状又は層状のSi含有化合物を載置した蛍光体が開示されている。
更に、特許文献7には、ゾルーゲル法を用いたジルコニア膜の被覆方法が開示されている。特許文献8には、アルミニウム等のイオン含有酸性溶液を、蛍光体を分散させたアルカリ性溶液中に添加し、中和反応によって蛍光体粒子の表面に金属水酸化物を析出する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3及び4に開示された気相法では、微粉末である蛍光体粒子を完全に分散することが困難であるため、1個1個の蛍光体粒子の表面に均一かつ全面に被覆することが現実的に難しく、ピンホールや被覆バラツキ等が生じやすいという問題があった。また、気相法は、通常400℃以上の高温で行われるため、蛍光体の種類によっては処理後に蛍光特性が著しく低下してしまうという問題もあった。更に、装置が大掛かりなものとなるため、製造コストが高くなっていた。
一方、液相法であるゾルーゲル法を用いた場合(特許文献5、6及び7)では、被覆物種類の選択自由度が大きいが、出発原料である金属アルコキシドは通常反応性が高く、蛍光体粒子の表面のみで加水分解反応を起させるための反応条件の制御が非常に難しかった。また、ゾルーゲル法で得られた膜には、不完全な加水分解のため残されたアルコキシル基や加水分解反応で脱離したアルコール等の有機成分が含まれるため、通常緻密な膜が得られにくかった。
更に、特許文献5に開示された被覆方法は、加水分解反応が多量のアンモニア水の存在下で行うため、殆どの原料が蛍光体粒子表面以外の溶液中に反応、消費され、反応効率とコストにも問題点があった。加えて、多量のアンモニア水が含まれるので、処理過程中に蛍光体が加水分解によって劣化する恐れもあった。
特許文献6に開示された方法では、被覆物であるSi含有化合物が粒子状又は層状で蛍光体粒子の表面に載置されるとしているが、実際には、耐湿性の改善は殆ど見られなかった。また、特許文献6の実施例に記載された反応条件では、蛍光体粒子の表面に被覆反応が殆ど起こらず、一部被覆ができたとしても、粒子状被覆の場合には水蒸気を効率的に遮断するのは困難であるという問題点があった。
特許文献7に開示された方法は、長時間の反応と精密な温度及びプロセスの制御が必要であり、効率とコストの点に問題があった。
一方、特許文献8に開示された中和沈殿法では、被覆物を蛍光体粒子の表面に連続膜として析出することは事実上困難であった。
特表2009−515030号公報 特開1997−104863号公報 特開2001−139941号公報 特表2009−524736号公報 特開2008−111080号公報 特開2007−224262号公報 特開2009−132902号公報 特開平11−256150号公報
本発明は、蛍光特性を低下させることなく、耐湿性を大幅に改善することができ、かつ、高い分散性を有する表面処理蛍光体を簡易な製造プロセスで提供することを目的とする。
本発明は、アルカリ土類金属を含有する表面処理蛍光体の製造方法であって、蛍光体と表面処理液とを混合する工程1、及び、前記蛍光体の表面処理反応を行う工程2を有し、前記蛍光体は、アルカリ土類金属を含有するシリケート蛍光体であり、前記表面処理蛍光体は、厚み10〜500nmの表面処理層を有し、前記表面処理液は、周期律表第4〜6族の元素及びケイ素から選択される少なくとも1種の特定元素とフッ素とを有するフッ化物及び水を含有し、前記フッ化物は錯塩であり、前記表面処理液における前記フッ化物の含有量が、蛍光体の単位表面積(m)に対して1.0×10−5〜5.0×10−1モルである表面処理蛍光体の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、アルカリ土類金属を含有する蛍光体の耐湿性が悪化する理由は、このような蛍光体では水による加水分解反応が起こりやすく、蛍光体の組成や結晶構造が変化したり、アルカリ土類金属イオンの溶出反応が生じたりすることにあることを見出した。
そして、本発明者らは、鋭意検討した結果、アルカリ土類金属を含有する蛍光体を、特定元素とフッ素とを含有するフッ化物を含有する表面処理液を用いて表面処理することで、蛍光体の表面に水に対して安定な被覆層が形成され、その結果、蛍光特性を低下させることなく、耐湿性を大幅に改善することができ、かつ、高い分散性を有する表面処理蛍光体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の表面処理蛍光体の製造方法では、アルカリ土類金属を含有する蛍光体と表面処理液とを混合する工程1を有する。
上記工程1において、表面処理液と蛍光体とを混合する方法としては、蛍光体を表面処理液に分散させて混合させる方法等が挙げられる。
混合条件について、蛍光体を均一に分散できる方法であれば特に限定されず、例えば、磁気スターラー攪拌、モーター付きの機械的な攪拌、ガスバーブリング、液循環、超音波分散、ボールミルやロータリーミキサーのような回転分散、又は上記方法を併用することによって行うことができる。
上記表面処理液は、周期律表第4〜6族の元素及びケイ素から選択される少なくとも1種の特定元素とフッ素とを有するフッ化物を含有する。
上記特定元素とフッ素とを有するフッ化物を含有することで、表面処理工程が水溶液中で行われる場合でも、得られる表面処理蛍光体の蛍光特性が低下することなく、優れた耐湿性を付与することができる。
上記特定元素とフッ素とを含有するフッ化物としては、H、NH又はアルカリ金属を有するものが好ましい。また、上記フッ化物は錯塩であることが好ましい。
なかでも、RAFに示す構造を有するフッ化物(A:周期律表第4族の元素及びケイ素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)、RBFに示す構造を有するフッ化物(B:周期律表第5族の元素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)、RBOFに示す構造を有するフッ化物(B:周期律表第5族の元素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)、又は、RLOに示す構造を有するフッ化物(L:周期律表第6族の元素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)等が挙げられる。
上記特定元素とフッ素とを含有するフッ化物の具体的な例としては、例えば、フッ化ケイ酸アンモニウム((NHSiF)、フッ化ケイ酸(HSiF)、NaSiF、KSiF6、(NHTiF、NaSiF、(NHTiOF、(NHZrF、NaZrF、(NHVOF、NaVOF、(NHVO、NaVO、(NHNbOF、KVF、(NHTaF、(NHTaOF、(NHMoO、(NHWO、RbMoO等が挙げられる。
なかでも、RAFに示す構造を有するフッ化物(A:周期律表第4族の元素及びケイ素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)が特に好ましい。
上記表面処理液における上記フッ化物の含有量の下限は、蛍光体の単位表面積(m)に対して1.0×10−5モル、好ましい上限は5.0×10−1モルである。
上記フッ化物の含有量が1.0×10−5モル未満であると、被覆反応の速度が遅く、水による蛍光体の分解劣化を防げないこととなり、5.0×10−1モルを超えると、反応速度が速すぎて、蛍光体の顕著な変形が生じることと同時に、粒子の凝集も顕著となる。好ましい下限は2.0×10−5モル、より好ましい上限は1.0×10−1モルである。
なお、上記蛍光体の単位表面積(m)当たりのフッ化物の含有量(Q)は、下記式により求めることができる。
Q = W/(M × W × S
ただし、WとMはそれぞれフッ化物の添加量(g)と分子量であり、WとSはそれぞれ蛍光体の仕込量(g)と比表面積(m/g)である。
上記フッ化物の表面処理液中の濃度は、0.0005〜2.0Mであることが好ましい。
上記フッ化物の表面処理液中の濃度が0.0005M未満であると、表面処理反応の速度が遅く、表面処理工程中に蛍光体の加水分解による劣化を生じる恐れがある。一方、上記フッ化物の表面処理液中の濃度が2.0Mを超えると、溶液自身が不安定になるか、反応が速すぎて、良質な膜が得られにくくなることがある。より好ましくは0.001〜1.5M、更に好ましくは0.005〜1.0Mである。
上記表面処理液のpHは、2.0〜10.0とすることが好ましい。上記pHが2.0未満であると、溶液の酸性が強すぎて、処理過程中での蛍光体の分解劣化を完全に抑えることが困難となり、10.0を超えると、処理液が不安定になり、表面被覆層の形成が困難となる。
本発明では、上記表面処理液に使用する溶媒として、水を用いる。これが、本発明の大きな特徴の一つである。通常、水に弱い蛍光体の表面被覆には水をできるだけ避け、アルコール等の有機溶媒を使用される。例えば、ゾル−ゲル法による被覆反応では、蛍光体をアルコールに分散させ、水は被覆物の前駆体である金属アルコキシドの加水分解に必要な最小限の量を使うのが一般的である。
本発明では、水は、上記特定元素とフッ素とを有するフッ化物の溶解性だけではなく、被覆反応にも大きい影響を与える。水を用いることで、上記特定元素とフッ素とを有するフッ化物の加水分解が促進され、蛍光体が水による分解劣化の前にその表面が安定に被覆層が形成されることになる。更に、溶解性、廃液処理等の問題からも好適に使用できる。
なお、上記特定元素とフッ素とを有するフッ化物及び水を含有する表面処理液を調製する方法としては、例えば、上記特定元素とフッ素とを有するフッ化物を所定量の水に溶解させる方法が挙げられる。また、上記フッ化物が入手困難な場合には、特定元素の酸化物をフッ化水素の水溶液に完全に溶解させた後に、表面被覆に適するpH範囲までアルカリ溶液で調整する方法等も挙げられる。
本発明の表面処理蛍光体の製造方法に用いられる蛍光体は、アルカリ土類金属を含有し、特に、アルカリ土類金属の珪酸塩を含有することが好ましい。
上記アルカリ土類金属の珪酸塩を含有する蛍光体としては、例えば、母体結晶構造として、MSiOまたはMSiOの結晶構造と実質的に同じ構造(ただし、MはMg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種を表す)を有し、かつ、付活剤としてFe、Mn、Cr、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群から選択される少なくとも1種を含有する蛍光体が挙げられる。上記「MSiOまたはMSiOの結晶構造と実質的に同じ構造」とは、X線回折法で測定する場合に、MSiOまたはMSiOと同様なX線回折パターンを有することを意味する。
上記アルカリ土類金属の珪酸塩を含有する蛍光体は、アルカリ土類金属以外の金属元素(例えば、Zn、Ga、Al、Y、Gd、Tb)を適量含有してもよい。
また、上記アルカリ土類金属の珪酸塩を含有する蛍光体は、少量のハロゲン元素(例えば、F、Cl、Br)、硫黄(S)またはリン(P)を適量含有してもよい。
上記蛍光体の例としては、例えば、下記一般式(1)のような組成を有する橙色蛍光体、下記一般式(2)のような組成を有する橙色蛍光体等が挙げられる。
(Sr1−xSiO:Eu2+ (1)
式中、MはBa、Ca、Mg及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属であり、0≦x<1.0であり、2.6≦y≦3.3である。
(Sr1−xSiO:Eu2+D (2)
式中、MはBa、Ca、Mg及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属であり、DはF、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンアニオンであり、0≦x<1.0であり、2.6≦y≦3.3である。
また、上記アルカリ土類金属を含有する珪酸塩蛍光体の別の例として、下記一般式(3)のような組成を有する緑色または黄色蛍光体、下記一般式(4)のような組成を有する緑色または黄色蛍光体等が挙げられる。
(Sr1−xSiO:Eu2+ (3)
式中、MはBa、Ca、Mg及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属であり、0≦x<1.0であり、1.8≦y≦2.2である。
(Sr1−xSiO:Eu2+D (4)
式中、MはBa、Ca、Mg及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属であり、DはF、Cl及びBrからなる群より選択されるハロゲンアニオンであり、0≦x<1.0であり、1.8≦y≦2.2である。
上記蛍光体の具体例としては、例えば、SrSiO:Eu2+、(Sr0.9Mg0.025Ba0.075SiO:Eu2+、(Sr0.9Mg0.05Ba0.052.7SiO:Eu2+、(Sr0.9Mg0.025Ba0.075SiO:Eu2+、(Sr0.9Ba0.1SiO:Eu2+、Sr0.97SiO:Eu2+F、(Sr0.9Mg0.12.9SiO:Eu2+F、(Sr0.9Ca0.13.0SiO:Eu2+Fの等組成を有する橙色蛍光体、(Sr0.4Ba0.6SiO:Eu2+、(Sr0.3Ba0.7SiO:Eu2+、(Sr0.2Ba0.8SiO:Eu2+、(Sr0.57Ba0.4Mg0.03SiO:Eu2+F、(Sr0.6Ba0.4SiO:Eu2+Cl、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu2+等の組成を有する緑色蛍光体、(Sr0.7Ba0.3SiO:Eu2+F、(Sr0.9Ba0.1SiO:Eu2+、0.72[(Sr1.025Ba0.925Mg0.05)Si1.03Eu0.050.12]・0.28[SrSi1.02Eu0.60.13]等の組成を有する黄色蛍光体、及び、BaMgSi:Eu2+、BaZnSi:Eu2+等の組成を有する青色蛍光体が挙げられる。
上記蛍光体の粒子径としては特に限定されないが、中央粒径(D50)で通常0.1〜100μm範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.0〜50μm、さらに好ましくは5.0〜30μmである。上記D50が小さすぎると、輝度が低下するだけではなく、基体蛍光体自体が凝集しやくなり、均一な被覆処理が困難になる。また、D50が大きすぎると、樹脂における分散性が悪くなり、発光素子の特性に悪影響を与える恐れがある。
本発明では、次いで、蛍光体の表面処理反応を行う工程2を行う。
なお、工程2でも工程1に引き続き混合を行うことが好ましい。
上記所定のフッ化物を含有する表面処理液で表面処理反応することで、表面処理層が形成される。このような表面処理層は水に難溶であることから、加水分解反応が起こりにくい蛍光体が得られ、その結果、蛍光体の耐湿性を著しく向上させることができる。
また、本発明の表面処理蛍光体の製造方法では、処理過程中の水による蛍光体の劣化が生じることを防止することができる。一般的に、耐湿性に劣る蛍光体を処理する場合には、水溶液の使用を避ける傾向にあるが、本発明では、被覆反応が加水分解反応より早く、蛍光体の劣化が起こる前に上記表面処理層を形成することで、被覆処理を水溶液中で行うことができ、有機溶媒を使用する場合における特殊な廃液処理等の問題がなくなる。
上記工程2における反応温度は、形成する表面処理層の厚みに応じて適宜調整すればよいが、通常、0〜90℃、好ましいは5〜70℃、より好ましいのは10〜50℃である。上記温度が0℃未満であると、反応に時間が掛かり、50℃を超えると、処理過程中に蛍光体の劣化が起こる恐れがある。
上記工程2における反応時間は、目的とする表面処理層の厚み、表面処理液の濃度、温度等の反応条件に応じて適宜調整すればよく、通常、5分〜20時間程度、好ましくは10分〜10時間程度、より好ましくは20分〜5時間程度である。
一般には、仕込みの蛍光体の量が一定であれば、反応時間が長くなるほど表面処理層の厚みが厚くなる。反応時間が短すぎると表面処理層の形成が不完全となる。一方、反応時間が長すぎると非経済的である。
上記工程2を行った後は、ろ過、洗浄、乾燥工程を経て回収する。乾燥は常圧乾燥でもよく、減圧乾燥でもよい。乾燥時の温度は室温〜150℃が好適である。
また、本発明の表面処理蛍光体の製造方法では、上記乾燥した蛍光体を200〜600℃の温度で更に熱処理してもよい。
本発明の表面処理蛍光体の製造方法を用いることで、耐湿性が著しく改善された表面処理蛍光体が得られる。このような表面処理蛍光体もまた本発明の1つである。
このような表面処理蛍光体では、上記表面処理層にアルカリ土類金属のフッ化物と特定元素の酸化物、又は、酸フッ化物が形成されていると推測される。このような物質は水に難溶であることから、加水分解反応が起こりにくい蛍光体が得られ、その結果、蛍光体の耐湿性を著しく向上させることができる。
また、表面処理蛍光体の使用時の耐湿性についても向上されることができる。上記表面処理層はシリケート蛍光体に比べ、水に対する安定性が高いので、使用時の耐湿性改善にも寄与する。
本発明による表面被覆層の形成機構は必ずしも明らかではないが、下記のように考えられる。特定元素とフッ素とを有するフッ化物は、水溶液中に下記(5)式のような加水分解の反応が徐々に進行する。通常、この反応の進行速度は遅く、溶液を数日から数ヶ月間放置しても溶液中に特定元素の酸化物の析出が見られない(溶液が透明のまま)。ところが、アルカリ土類金属を含有する蛍光体が存在すると、短時間にAO酸化物が蛍光体の表面に優先的に析出することが本発明者らの実験から分かった。これは、アルカリ土類金属を含有する蛍光体が存在すると、溶液中に遊離したフッ素イオン(F)が蛍光体表面のアルカリ土類金属イオンと反応し、水に難溶のアルカリ土類金属のフッ化物(例えば、SrF)を形成し、その結果、(5)式の反応が促進されたためだと考えられる。本発明の表面被覆方法によって処理した蛍光体の断面をFE−TEMで観察したところ、被覆層の表面側には特定元素と酸素のリッチ区域が、その内側(蛍光体母体側)にフッ素とストロンチウムのリッチ区域が観察された。
また、本発明では、被覆処理液に、フッ素イオンと安定な錯体を作りうる元素(例えば、ホウ素(B)またはアルミニウム(Al))を含有する化合物を添加してもよい。本発明では、このようなホウ素またはアルミニウムを含有する化合物は遊離のフッ素イオンの濃度を調節する調整剤として使う。ホウ素を含有する化合物及びアルミニウムを含有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記ホウ素を含有する化合物としては、例えば、酸化ホウ素、四ホウ酸ナトリウム、ホウ酸(HBO)等が挙げられる。これらの中では、ホウ酸が好ましい。
上記アルミニウムを含有する化合物としては、例えば、AlCl、AlBr、水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。
上記AF 2−錯体イオンに対する加水分解促進剤の量は特に限定されないが、通常、1モルのAF 2−錯体イオンに対して加水分解促進剤の量が5倍以下、より好ましくは4倍以下である。
上記表面処理層の厚みは0.5〜5000nmであることが好ましい。より好ましくは1.0〜3000nm、更に好ましくは5.0〜1000nm、特に好ましくは10〜500nmである。表面処理層の厚みが薄すぎると、耐湿性が不足となることがあり、厚すぎると、表面処理蛍光体の蛍光特性が低下することがある。
また、上記表面処理層は、単層であることが好ましいが、2層以上であってもよい。
更に、上記表面処理層の上に、水に対してより安定な酸化物層を被覆することにより、長期間使用時における耐湿性を更に向上することもできる。
本発明の表面処理蛍光体は、純水100重量部中に、蛍光体1重量部を10分間浸漬した場合における、水の導電率が100mS/m以下であることが好ましい。
上記水の導電率が100mS/m以下であることで、蛍光体が水による分解劣化が少なく、優れた耐湿性を示すこととなる。
なお、上記水の導電率は、例えば、導電率計等によって測定することができる。
本発明の表面処理蛍光体は、エポキシ樹脂及び/又はシリコーン樹脂に添加することで、蛍光体含有樹脂組成物として使用することができる。
なお、上記蛍光体含有樹脂組成物は公知の形態で使用され、例えば、ペーストとしてディスペンサーで充填されたり、テープ、シート状に加工され積層されたりしても良い。
上記エポキシ樹脂としては、公知の物が使用しても良いが、例えば、ヒドロキシル、カルボキシル又はアミン含有化合物を、金属水酸化物のような塩基性触媒(水酸化ナトリウム等)の存在下で、エピクロロヒドリンと反応させて製造できるもの等が挙げられる。
また、1以上、好ましくは2以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物と過酸化物(過酸等)との反応で製造されるエポキシ樹脂等も挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aエポキシ樹脂、ビスフェノール−Fエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾール−ノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、4,4’−ビフェニルエポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ジビニルベンゼンジオキシド及び2−グリシジルフェニルグリシジルエーテルが挙げられる。なかでも、脂環式エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記脂肪族エポキシ樹脂としては、1以上の脂肪族基と1以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられ、具体例としては、ブタジエンジオキシド、ジメチルペンタンジオキシド、ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル及びジペンテンジオキシド等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ樹脂としては、1以上の脂環式基と1以上のオキシラン基を有する化合物が挙げられ、具体例としては、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルアルキル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、exo−exoビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、endo−exoビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸ダイマーのジグリシジルエーテル、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、p−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル−5,6−エポキシヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル)、1,2−ビス[5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダノキシル]エタン、シクロペンチルフェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル及びジグリシジルヘキサヒドロフタレート等が挙げられる。
上記シリコーン樹脂としては、公知の物を使用しても良いが、例えば、(−SiR−O−)nポリシロキサン骨格を持つ物が挙げられる。上記Rとしては、炭素数2〜10、特に2〜6のものが好ましく、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等が挙げられる。上記Rとしては、炭素数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基などが代表的なものとして挙げられる。
本発明の表面処理蛍光体は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート及びポリカーボネート及び環状オレフィン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂に分散されることで、波長変換複合体として使用することができる。
上記波長変換複合体は、照明システム、太陽電池用の波長変換部材等として使用される。
上記波長変換複合体の製造方法は特に限定されないが、本発明の表面処理蛍光体は、対応する樹脂に合わせた公知の表面処理がなされていてもよい。また、公知の混練分散方法により樹脂中に分散されていてもよい。
上記波長変換複合体は、シート状に成形することで波長変換シートとして使用することができる。上記シート状に成形する方法は既知の方法を用いることができる。具体的には例えば、本発明の表面処理蛍光体と樹脂からなるマスターバッチを作製し、押出機による製膜する方法、樹脂を溶解する溶媒に樹脂と本発明の表面処理蛍光体を分散させてキャストする方法等が挙げられる。
本発明の波長変換複合体、又は、波長変換シートを用いることで、効率のよい光電変換装置を得ることができる。このような光電変換装置もまた本発明の1つである。
太陽電池に代表される光電変換装置では、受光する光の波長が必ずしも素子自体の効率の良い波長ではないことがある。その際に、受光する光の波長を素子にとって効率のよい波長に変換することにより、光電変換装置の変換効率が向上する。
一方で、従来の蛍光体は、耐湿性が低く好適に使用できなかったが、封止材樹脂に本発明の表面処理蛍光体を分散させ、太陽電池の表面に使用することで効率の良い太陽電池が得られる。
本発明の表面処理蛍光体を用いて蛍光体層を形成することで半導体発光素子を製造することができる。このような半導体発光素子もまた本発明の1つである。
また、LEDチップと、前記LEDチップを囲繞する樹脂フレームと、樹脂フレームが形成する凹部に充填される蛍光体層を備えるLED発光装置において、前記蛍光体層を本発明の表面処理蛍光体と封止樹脂とを含有する構成とすることで、耐湿性に優れたLED発光装置とすることができる。このようなLED発光装置もまた本発明の1つである。
本発明のLED発光装置は、60℃、相対湿度90%、電流20mAの条件で1000時間通電した後の光度保持率が80%以上である。上記光度保持率が80%未満であると、実際使用時に発光強度が経時により低下しやすく、耐久性が足りないことがある。上記光度保持率は、好ましくは90%以上である。
なお、上記光度保持率とは、上述した条件で通電前後の光度の比率[(通電後の光度/通電前の光度)×100]を表し、上記光度は、例えば、オプトロニックラボラトリーズ社製のOL770測定システム等を用いて測定することができる。
また、本発明のLED発光装置は、温度121℃、相対湿度100%環境下で72時間保持した後の光度保持率が50%以上であることが好ましい。
本発明のLED発光装置の用途は特に制限されず、通常のLED発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能である。また、単独で、又は複数個を組み合わせて用いても良い。具体的には、例えば、液晶表示素子バックライト、画像表示装置、照明装置等に使用することができる。
上記液晶表示素子バックライトとしての構成は既知のものを使用できる。例えば、表示素子額縁部分に配置されて導光板に向かって発光しても良いし、液晶セル背面に拡散板を挟みそのさらに背面に配置されても良い。
また、上記画像表示装置としては、例えば、少なくとも液晶セルと上記液晶表示素子バックライトと有する液晶表示素子がその1例である。他の例としては、複数のLEDを2次元的に規則的に配列して選択的に発光させることにより画像を形成するLEDディスプレイ等が挙げられる。
更に、上記照明装置としては、特に限定されず、既知のLED発光装置への適用が可能である。上記照明装置は、耐湿性が高いことから、例えば、車両等の交通、運輸に用いられる表示灯、照明灯や、住居、建築物等に用いられる屋内外の照明や、携帯電話、移動体通信端末等に用いられる照明等に使用することができる。
本発明の表面処理蛍光体の製造方法によれば、空気中の水蒸気や水による表面の分解劣化を防止でき、長時間または高温高湿環境での使用においても光度の低下や色調の変化が起こることのない、耐湿性に優れた表面処理蛍光体を得ることができる。
また、本発明の表面処理蛍光体の製造方法によれば、高価な反応装置が必要せず、被覆処理が水溶液中に短時間で行うことができるので、目的の表面処理蛍光体を効率的、経済的に製造することができる。
実施例1で得られた表面処理蛍光体の断面を撮影した断面写真である。 実施例7で得られた表面処理蛍光体の断面を撮影した断面写真である。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
[実施例1]
中央粒径(D50)17μm、比表面積0.2567m/gの橙色シリケート蛍光体(主成分:SrSiO:Eu2+)25gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり7.8×10−2モルのフッ化チタン酸アンモニウム((NHTiF)を含有する水溶液500mlに添加した。
なお、橙色シリケート蛍光体の比表面積は、全自動高速比表面積・細孔分布測定装置(ASAP−2000、島津製作所社製)を用いて、窒素ガス吸着法によって測定した。測定に用いた蛍光体量は0.4gであった。
続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で30分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって蛍光体を回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体をFocused ion Beam(FIB)で断面を形成するように切断し、切断面を透過電子顕微鏡(FE−TEM、JEM−2010FEF)で観察した。FE−TEM断面写真を図1に示す。また、FE−TEM断面写真から、厚みが約330nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例2]
実施例1と同様の蛍光体25gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり7.8×10−3モルのフッ化チタン酸アンモニウム((NHTiF)とそれと当モルのホウ酸を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌する(回転数:250rpm)によって分散しながら、35℃で2時間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約210nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例3]
蛍光体の単位表面積(m)当たりのフッ化チタン酸アンモニウム((NHTiF)の添加量を7.8×10−4モル、反応時間を5時間に変更した以外は、実施例2と同様にして表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約150nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例4]
実施例1と同様の蛍光体130gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり1.5×10−5モルのフッ化チタン酸アンモニウムとそれと当モルのホウ酸を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で60分間を反応させた。反応後に、実施例1と同様な方法でろ過、洗浄および乾燥を行うことにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約45nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例5]
実施例1と同様の蛍光体4.3gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり4.5×10−1モルのフッ化チタン酸アンモニウムとそれと当モルのホウ酸を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で10分間を反応させた。反応後に、実施例1と同様な方法でろ過、洗浄および乾燥を行うことにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約460nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例6]
フッ化チタン酸アンモニウムをフッ化チタン酸ナトリウム(NaTiF)に変更した以外は実施例2と同様にして、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約180nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例7]
実施例1と同様の蛍光体25gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり3.9×10−3モルのフッ化ケイ酸アンモニウム((NHSiF)を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で30分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体のFE−TEM断面写真を図2に示す。FE−TEMによる断面分析から、厚みが約145nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例8]
実施例1と同様の蛍光体25gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり3.9×10−3モルのフッ化ケイ酸(HSiF)を含有する水溶液500mlに添加した(溶液のpHは希アンモニア水で4.5まで調整した)。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で10分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約110nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例9]
実施例1と同様の蛍光体7.5gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり1.3×10−2モルのフッ化ジルコン酸アンモニウム((NHZrF)とそれと当モル数のホウ酸を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で2分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約170nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例10]
実施例1と同様の蛍光体7.5gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり3.9×10−3モルのフッ化バナジウム酸アンモニウム((NHVOF)を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で30分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約120nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例11]
実施例1と同様の蛍光体7.5gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり6.5×10−3モルのフッ化タンタル酸アンモニウム((NHTaF)を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌(回転数:250rpm)することによって分散しながら、35℃で30分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約90nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例12]
実施例1と同様の蛍光体7.5gを、蛍光体の単位表面積(m)当たり1.3×10−2モルのフッ化モリブデン酸アンモニウム((NHMoO)を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液をモーター付き攪拌羽根で攪拌する(回転数:250rpm)によって分散しながら、35℃で30分間を反応させた。反応後に、メンブレンフィルタを介して減圧ろ過し、さらに純水で3回洗浄することによって回収した。回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約50nmの被覆層が形成されていることが確認された。
[実施例13]
中央粒径(D50)16μm、比表面積0.1120m/gの緑色シリケート蛍光体(主成分:(Sr,Ba)SiO:Eu2+、発光波長:529nm)25gを、蛍光体の単位面積(m)当たり1.8×10−2モルのフッ化チタン酸アンモニウム((NHTiF)と当モルのホウ酸を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液を攪拌によって分散しながら、35℃で2時間を反応させた。反応後に、ろ過、洗浄工程を経て回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約85nmの被覆層が形成されていることが分かった。
[実施例14]
中央粒径(D50)16.5μm、比表面積0.1485m/gの黄色シリケート蛍光体(主成分:(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu2+、発光波長:550nm)25gを、蛍光体の単位面積(m)当たり1.3×10−2モルのフッ化チタン酸アンモニウム((NHTiF)を含有する水溶液500mlに添加した。続いて、上記蛍光体を添加した混合液を攪拌によって分散しながら、35℃で2時間を反応させた。反応後に、ろ過、洗浄工程を経て回収した蛍光体を120℃で1時間真空乾燥することにより、表面処理蛍光体を得た。
得られた表面処理蛍光体は、FE−TEMによる断面分析から、表面に厚み約70nmの被覆層が形成されていることが分かった。
[比較例1]
表面未処理の中央粒径(D50)約17μmの橙色シリケート蛍光体(主成分:SrSiO:Eu2+)を用いた。
[比較例2]
蛍光体の単位表面積(m)あたりのフッ化チタン酸アンモニウムの含有量を1.0×10モルとした以外は実施例1と同様にして表面処理蛍光体を得た。得られた表面処理蛍光体は、変色が顕著であった。
[比較例3]
蛍光体の単位表面積(m)あたりのフッ化チタン酸アンモニウムの含有量を5.0×10−6モルとした以外は実施例1と同様にして表面処理蛍光体を得た。
[比較例4]
表面未処理の中央粒径(D50)約16μmの緑色シリケート蛍光体(主成分:(Sr,Ba)SiO:Eu2+)を用いた。
[比較例5]
表面未処理の中央粒径(D50)約16.5μmの黄色シリケート蛍光体(主成分:(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu2+)を用いた。
(評価方法)
<蛍光体の耐湿性評価−PCT試験>
実施例及び比較例で得られた表面処理蛍光体又は蛍光体をシリコーン樹脂(ダウー・コーニング社製、OE6630)100重量部に対して8重量部混合分散し、更に脱泡することにより蛍光体含有樹脂組成物を調製した。次に、調製した蛍光体含有樹脂組成物を、基板に実装したLEDパッケージ(発光ピーク波長460nm)の上に注入、充填し、更に150℃で2時間加熱することにより、樹脂組成物を硬化させた。上記工程により、LED発光装置を作製した。
得られた白色LED発光装置を温度121℃、相対湿度100%の密閉耐圧装置において耐湿性試験を行った(Pressure Cooker Test(PCT試験))。
蛍光体の耐湿性は、PCT試験前後のLEDチップの発光特性を測定し、光度の変化量から評価した。具体的には、PCT試験前の光度に対し、PCT試験72時間後の光度の保持率(PCT72h光度保持率)でサンプル間の相対耐湿性を評価した。
PCT72h光度保持率(%)=(PCT72時間処理後の光度/処理前の光度)×100
なお、測定装置には、オプトロニックラボラトリーズ社製のOL770測定システムを用いた。結果を表1に示した。
<蛍光体の耐湿性評価−水中浸漬試験>
実施例及び比較例で得られた表面処理蛍光体又は蛍光体1gを、攪拌しながら純水300gに添加し、添加後10分経過した時点における分散液の導電率を導電率計(ES−51、堀場製作所社製)を用いて測定した。
<蛍光体の分散性評価>
蛍光体の樹脂における分散性は遠心沈降・光透過方式の分散安定性分析装置(L.U.M社製LUMiSizer612)を用いて評価した。具体的には、シリコーン樹脂に対して蛍光体を8重量%の割合で分散した蛍光体−シリコーン樹脂組成物約1mlをガラス製分析セルに入れ、その上澄み液に光を照射し、1時間あたりの透過する光量の変化量の積分値を求め、分散性を評価した。本発明では、未処理の蛍光体−樹脂組成物の透過光量の変化量を1.00とし、その他の蛍光体は未処理蛍光体の場合と比較してその分散性を評価した。
本発明によれば、蛍光特性を低下させることなく、耐湿性を大幅に改善することができ、かつ、高い分散性を有する表面処理蛍光体の製造方法及び該表面処理蛍光体の製造方法を用いて得られる表面処理蛍光体、蛍光体含有樹脂組成物、LED発光装置を提供することができる。

Claims (8)

  1. アルカリ土類金属を含有する表面処理蛍光体の製造方法であって、
    蛍光体と表面処理液とを混合する工程1、及び、前記蛍光体の表面処理反応を行う工程2を有し、
    前記蛍光体は、アルカリ土類金属を含有するシリケート蛍光体であり、
    前記表面処理蛍光体は、厚み10〜500nmの表面処理層を有し、
    前記表面処理液は、周期律表第4〜6族の元素及びケイ素から選択される少なくとも1種の特定元素とフッ素とを有するフッ化物及び水を含有し、
    前記フッ化物は錯塩であり、
    前記表面処理液における前記フッ化物の含有量が、蛍光体の単位表面積(m)に対して1.0×10−5〜5.0×10−1モルである
    ことを特徴とする表面処理蛍光体の製造方法。
  2. 特定元素とフッ素とを有するフッ化物は、H、NH又はアルカリ金属を有することを特徴とする請求項1記載の表面処理蛍光体の製造方法。
  3. 特定元素とフッ素とを有するフッ化物は、RAF(A:周期律表第4族の元素及びケイ素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)に示す構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面処理蛍光体の製造方法。
  4. 特定元素とフッ素とを有するフッ化物は、RBF(B:周期律表第5族の元素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)に示す構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面処理蛍光体の製造方法。
  5. 特定元素とフッ素とを有するフッ化物は、RBOF(B:周期律表第5族の元素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)に示す構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面処理蛍光体の製造方法。
  6. 特定元素とフッ素とを有するフッ化物は、RLO(L:周期律表第6族の元素から選択される少なくとも1種の特定元素、R:H、NH又はアルカリ金属)に示す構造を有することを特徴とする請求項1記載の表面処理蛍光体の製造方法。
  7. 工程2は、0〜90℃の温度で行われることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の表面処理蛍光体の製造方法。
  8. 工程2は、5分〜20時間行われることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の表面処理蛍光体の製造方法。
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