JP5925613B2 - ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP5925613B2
JP5925613B2 JP2012141525A JP2012141525A JP5925613B2 JP 5925613 B2 JP5925613 B2 JP 5925613B2 JP 2012141525 A JP2012141525 A JP 2012141525A JP 2012141525 A JP2012141525 A JP 2012141525A JP 5925613 B2 JP5925613 B2 JP 5925613B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ptfe
fusion
preform
molded body
modified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012141525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014004743A (ja
Inventor
義治 高屋
義治 高屋
英将 松本
英将 松本
友也 藤井
友也 藤井
Original Assignee
厚木ヒュ−テック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 厚木ヒュ−テック株式会社 filed Critical 厚木ヒュ−テック株式会社
Priority to JP2012141525A priority Critical patent/JP5925613B2/ja
Publication of JP2014004743A publication Critical patent/JP2014004743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5925613B2 publication Critical patent/JP5925613B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、プレフォーム(原料粒子の圧縮成形体)に着目したポリテトラフルオロエチレン系の複合融着構造体の製造法に関するものである。
さらに詳しくは、融着部の融着が低圧条件下でなされたものであるにもかかわらず、母材部に対する接合部の引張強伸度の維持率がすぐれているポリテトラフルオロエチレン系の複合融着構造体の製造法に関するものである。
(「PTFE」と「変性PTFE」)
以下においては、必要に応じ、ポリテトラフルオロエチレンを「PTFE」、変性ポリテトラフルオロエチレンを「変性PTFE」と略称することにする。
後者の「変性PTFE」は、パーフルオロアルキル基含有モノマーの共重合割合が0.001〜1重量%(殊に0.001〜1重量%)であるテトラフルオロエチレンの共重合体である。
コモノマーであるパーフルオロアルキル基含有モノマーの例は、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロ2−プロポキシプロピルビニルエーテルなどである。
市場で入手しうる上記の「変性PTFE」の代表的なものの例は、ダイキン工業株式会社製の「ポリフロンM−111」や「ポリフロンM−112」、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製の「テフロンTG−70J」、住友スリーエム株式会社製の「ダイニオン(Dyneon)TFM1600」や「ダイニオンTFM1700」などである。(「ポリフロン」、「テフロン」、「ダイニオン」は、いずれも登録商標である。)
なお、「PFA」と称される汎用グレードのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体は、コモノマーであるパーフルオロアルキルビニルエーテル単位の含有量が2.8〜4.0重量%程度の共重合体であり、上記に言う「変性PTFE」には含まれない。
(原料粒子)
上述の「PTFE」や「変性PTFE」のうち成形用の原料は、モールディングパウダーやファインパウダーとして、粒子の状態で原料メーカーから入手することができる。
(プレフォーム(=圧縮成形体、予備成形体))
ところが、周知のようにフッ素系樹脂のうち高融点のものは、一般の熱可塑性樹脂とは異なりそのままでは溶融成形し難いので、まず原料粒子を金型内に充填してから、非溶融条件下に(常温で、場合により若干加熱して)100〜1000kg/cm2程度の加圧下に圧縮する予備成形(プレフォーミング)を行って、「圧縮体(圧縮成形体)」となすのが通常である。(なお、本明細書においては、「平方センチメートル」を「cm2」と表示している。)
このようにして得た「圧縮体(圧縮成形体)」は、「予備成形体(または予備成形品)」あるいは「プレフォーム」と称されるが、本件出願においては「プレフォーム」と称することにする。というのは、「〜成形体」の用語は、先に述べた「圧縮成形体」や、後述の「(焼成後の)成形体」や、「(複合構造の)成形体」などの用語と紛らわしいからである。
上記の予備成形により得られたプレフォームの比重は、原料粒子がPTFEの粒子である場合を例にとると、そのプレフォームを経たPTFEの焼成体(焼成成形体)の真比重(2.2程度)に近いものとなる。
そして、本明細書においては、
・上記のPTFEの圧縮成形体を「PTFEプレフォーム(1A)」、
・上記の変性PTFEの圧縮成形体を「変性PTFEプレフォーム(2A)」
と称することにする。
(成形体(=焼成体、焼成成形体))
このようにして得た「プレフォーム」を炉内において焼成温度(たとえば350〜400℃程度、殊に360〜390℃程度)にまで上昇させてから、燒結が全体に均一に完了するまで保持した後、室温にまで冷却したものが「成形体(焼成体、焼成成形体)」である。このとき、プレフォームは、その焼成過程においてだんだんと膨張し、PTFEの場合を例にとれば、その融点(327℃)を超えると急激に膨張する。焼成の完了は、定性的には、目的物が半透明ないし透明になる度合いで判断することができる。(なお、「燒結」は粒子の結合状態の観点からの用語、「焼成」は操作の観点からの用語であると思われるが、「燒結」と「焼成」とは区別なしに使われることが多い。)
そして、本明細書においては、
・上記のPTFEプレフォーム(1A)の焼成成形体を「PTFE成形体(1)」、
・上記の変性PTFEプレフォーム(2A)の焼成成形体を「変性PTFE成形体(2)」
と称することにする。
(PTFE成形体の融着接合体)
ところで、フッ素系樹脂、殊にPTFEは、耐薬品性、電気的性質、耐熱性などの性質が極めてすぐれているので、化学工業、半導体工業、ガラス基板の取り扱い分野、医療分野をはじめとする種々の分野において、貯蔵容器、処理容器、洗浄容器、搬送容器、配管、弁体などとして使用されている。たとえば、角槽、丸槽、角棒、丸棒、板、円筒、角筒、円錐、円錐筒、タンク、ウェハボックス、ウェハキャリア、フィルターハウジング、バタフライ弁、コネクター、ジョイントなどである。これらの用途は、他のプラスチックスでは代替が困難な用途である。
これらの用途のうち、角棒、丸棒、円筒、角筒、円錐筒、平板、単純湾曲板などシンプルな形状の構造体については、PTFEのみで製造可能であり、またPTFEのみで製造することが好ましいことが多い。しかしながら、角槽、丸槽、タンク、ボックス、ウエハバスケットのような使い方をする構造体においては、平板状や皿状の底体を有するものや、投入用の孔開きの蓋体を有するものや、注出口付きのものや、枝管付きのものや、運搬用の肉厚の補強部を有するものや、オーバーフロー部(溝)を有するものなどを用いることが多いところ、PTFE製の本体に同じくPTFE製の底体、蓋体、注出口、枝管、補強部、オーバーフロー部(溝)などを設けた複合構造体を製造することは容易ではない。というのは、全体を一挙にPTFEで成形したときには目的構造体の歪みや強度不足を生ずることを免れず、一方、融着法により本体部に底体や蓋体や注出口や枝管などを融着接合する場合には、その接合強度が不足したり、融着のために高圧を要したりする上、その融着接合のための装置も複雑になるからである。
(PTFE成形体の融着接合体に関する従来技術)
PTFE成形体とPTFE成形体とを接合一体化する具体的な方法としては、両成形体をフッ素樹脂系粒子からなる溶接材を用いて溶接を行う方法(溶接接合法)や、両成形体の間にフッ素樹脂系のフィルム等の成形体を介在させて加熱融着させる方法(融着接合法)などがあるが、実用に耐えうるような接合強度を得ることは容易ではない。
(変性PTFE介在下のPTFE成形体同士の接合体に関する従来技術)
上記のうち後者の融着接合法にかかるものとして、下記のように、PTFE成形体とPTFE成形体とを直接に融着接合するか、PTFE成形体とPTFE成形体との間に他のフッ素樹脂成形体を介在させた状態で融着接合する方法が提案されている。
[特許文献1]
特公昭60−56611号公報(特開昭52−63274号公報)(特許文献1)には、PTFE成形体同士の突き合せ面を突き合せ溶接により接合する方法が示されている。この方法においては、クランプジョウにより突き合せ面にPTFEの膨張による押圧力が働くように「装置上の特別の工夫」をしながら、その突き合せ面を340〜430℃の温度、60〜300N/cm2(つまり6〜30kgf/cm2)の接触圧力に保持して溶接を行っている。
この公報の6〜7欄にかけての箇所には、接合部(突き合せ部)の引張強さと塊状の出発材料(PTFE成形体)の引張強さとの商(「前者の引張強さ/後者の引張強さ」のこと)である溶接係数はほぼ1であるとの記載がある。
また、この公報の5欄から6欄にかけての箇所には、溶接時間の短縮および溶接温度および圧力の低下は、突き合せ面の間の間隙にFEPまたはPFA共重合体フィルムを挿入することにより、達成されうるとの記載がある。(ただし、この公報には、本発明にいう「変性PTFE」の介在については記載がない。)
そして、その例1においては、厚さ4mmのPTFEシート同士を温度約400℃、圧力約120N/cm2(つまり約12kgf/cm2)で突き合せ接合することにより、溶接されていないPTFE(つまり母材)に比較して、破断強度が0.85よりも大きく、破断時の伸びが0.95よりも大きいという結果を得ている。
また、その例2においては、厚さ5mmのPTFEシート同士をその間にPFAシートを挿入した状態で、温度約350℃、圧力約20N/cm2(つまり約2kgf/cm2)で突き合せ接合することにより、溶接されていないPTFE(つまり母材)に比較して、破断強度が0.90よりも大きく、破断時の伸びが0.95よりも大きいという結果を得ている。
[特許文献2]
特許第4303660号(特開2006−68909号公報)(特許文献2)には、複数の難溶着性フッ素樹脂材料を接合面が対向するように固定し、その接合面の間に熱溶融性のフッ素樹脂材料(PFAまたは変性PTFE)を介在させた状態で、その接合面またはその近傍を加熱手段によりその難溶着性フッ素樹脂材料の溶融温度以上の温度に加熱すると共に、その際にその溶融温度より低い温度に加熱するようにした溶着方法が示されている(その請求項7を参照)。(なお、この文献2における「材料」や「母材」とは、「成形体」のことである。)
ここで、難溶着性フッ素樹脂材料として具体的にあげられているPTFE材料とは、その段落0013に記載のように50mm×50mmの角材(つまり成形体)であり、その角材の端面同士を接合している。
この文献2の溶着方法の発明は、わかりやすく述べれば、PTFE成形体とPTFE成形体との接合に際し、両成形体間にPFAや変性PTFEからなる接合材料を介在させて、接合部付近はPTFE成形体の溶融温度よりも高い温度に保つが、接合部付近以外のPTFE成形体の部位はその溶融温度よりも低い温度に保ちながら、接合を行うということである。
この文献2の実施例によれば、融着接合品の引張強度については、母材(ガラス繊維を15%含むPTFE)の約80%(その表1の数値から算出すれば、18.6MPa/23.0MPa=0.81)の強度が維持できたとある。なお、従来の通常の溶接方法の場合には、引張強度は母材の54%(その表1の数値から算出すれば、12.4MPa/23.0MPa=0.54)」まで低下してしまうとある。
[特許文献3]
上記の特許文献2と同日の出願にかかる特開2006−68910号公報(特許文献3)には、PTFE等の難溶着性フッ素樹脂材料を互いにその接合面が対向するように配置し、その接合面にPFAまたは変性PTFEのような熱溶融性フッ素樹脂材料を介在させて加熱圧着することにより溶着した溶着構造体が示されている。この場合、接合面に凹所を形成してそこに中芯材を嵌入したり、接合面を凹所に突起部が嵌入したりするような工夫を講じている。その段落0019および図面には、50mm×50mmのフッ素樹脂の「角材」10,10の端面同士を熱溶融性フッ素樹脂14を介して溶着接合することが示されている。
(変性PTFE成形体同士の直接接合体に関する従来技術)
下記の特許文献4〜7は、変性PTFE成形体と変性PTFE成形体との接合体(接合部に他の樹脂を介在させない直接接合体)にかかる代表的な文献である。
[特許文献4]
特公昭63−67808号公報(特開昭61−136525号公報)(特許文献4)には、比溶融粘度が1×10の7乗〜1×10の11乗ポイズの変性PTFE成形体同士の接合体(接合面には他の樹脂は介在させていない)が示されている(請求項1)。変性PTFE成形体の試料は、変性PTFEの粒状粉末を機械粉砕して平均粒径約30μmの微粉末を得てから、その微粉末から圧縮成形によりシート状の予備成形物(予備成形体)を作り、ついでこれを370℃で焼成することにより試料シートを作製している。(なお、比溶融粘度は特公昭51−46794記載の方法で測定したとの注記がある。)
[特許文献5]
特開2000−140067号公報(特許文献5)には、金型内に変性PTFEの原料粉末を充填してから圧縮することにより容器本体および蓋体に対応する予備成形体を形成すると共に、これらの予備成形体を焼成して成形体とし、ついで容器本体用の成形体の内面を切削加工してから、融着用金型を用いて容器本体となる成形体と蓋体となる成形体とを融着すると共に再焼成処理することにより、薬液貯蔵用の密封中空容器を製造する技術が示されている。
[特許文献6]
国際公開WO98/24612(特許文献6)には、熱収縮率の異なる少なくとも2つの変性PTFEの予備成形部品を、接合すべき面同士を相互に接触または近接させて配置し、ついでその予備成形部品を焼成することにより該予備成形部品を接合面において接合、一体化するようにした変性ポリテトラフルオロエチレン成形品の接合成形方法が示されている。
この接合一体化方式は、たとえば、小さい収縮率を有する1つの部品の周囲を収縮率の大きい他方の部品で取り囲むようにして加熱することにより、外部からの加圧なしに接合するものであり、いわゆる「焼き嵌め方式」であるということができる。
[特許文献7]
国際公開WO99/62696(特許文献7)には、閉じた内周接合面を有する第1の変性ポリテトラフルオロエチレン予備成形部品(たとえば円筒)と、上記内周接合面の形状に適合する外周接合面を有する第2の変性ポリテトラフルオロエチレン予備成形部品(たとえば円板)とを用いた変性ポリテトラフルオロエチレン成形品の接合成形方法が示されている。変性ポリテトラフルオロエチレンとは、テトラフルオロエチレンとフルオロアルキルビニルエーテルなどの変性モノマーとの共重合体であり、変性度は0.01〜1.0重量%である。
接合成形は、たとえば、第1の予備成形部品を加熱してその直径を大きくした時点で、その内部に第2の予備成型品嵌め込み、ついで昇温−保持−放冷することにより行っているので、上記の特許文献6と同様に、いわゆる「焼き嵌め方式」であるということができる。
特公昭60−56611号公報(特開昭52−63274号公報) 特許第4303660号公報(特開2006−68909号公報) 特開2006−68910号公報 特公昭63−67808号公報(特開昭61−136525号公報) 特開2000−140067号公報 国際公開WO98/24612 国際公開WO99/62696
(特許文献1〜3について)
特許文献1〜3の発明は、「PTFE成形体/PFAや変性PTFEなどの成形体/PTFE成形体」の基本構造を有するものであるが、難溶着性フッ素樹脂であるPTFEの焼成体である成形体同士では加熱条件下において相互融着しないため、PTFE成形体とPTFE成形体との間に熱溶融性フッ素樹脂であるPFAや変性PTFEを介在させた状態で、PTFE成形体同士を溶接接合しようとするものである。
しかしながら、そのような工夫を講じても、PTFE成形体−変性PTFE成形体−PTFE成形体の界面における接合強度には限界がある。PTFE成形体側に変性PTFEの分子が入り込んでいないため(つまり分子の絡み合いが乏しいため)であると理解される。接合強度を上げるためには、融着操作時に接合面に加わる圧力をできるだけ高めざるをえないのである。
そして、上記のようにPTFE成形体側に変性PTFEの分子が入り込んでいないことは、接合部に粘りがないことを意味し、その融着構造体を実際に使用したときに変形や湾曲やクラックなどの兆候なしに突然破断などのトラブルを起こすおそれがある。
また、PTFE成形体同士の溶接接合法にあっては、板体の端面同士の融着接合というような単純な構造体の場合は融着装置上の工夫は可能でも、たとえば枠体と底体とからなる薬液槽のような構造物を作製する場合には、外見上は比較的シンプルな構造のように見えても、そのような嵩張る融着構造体の製造のために融着予定部に高圧かつ均一な圧力を加える装置や設備を作ることは容易ではない。そして、そのような装置、設備を製作、建設しえたとしても、そのための費用は直ちに製品の融着構造体のコストに跳ね返るため、製品コストが極めて高くならざるをえない。
(特許文献4〜7について)
特許文献4〜7は、2つの変性PTFE成形体の端面同士を直接に融着接合しようとするものである。このような融着接合は、PTFEに比しては熱溶融性が大きい変性PTFEの成形体の同士であるから達成できるわけであるが(PTFEの成形体同士では容易ではない)、接合構造体の全体(または大部分)が変性PTFE成形体にて構成されることはPTFE成形体のすぐれた特性(耐薬品性、電気的性質、耐熱性など)がフルには利用されないことになるので、PTFE成形体に比しての変性PTFE成形体のデメリットが大きく現れる。
PTFE成形体に比しての変性PTFE成形体のデメリットとは、(ア)原料コストがかなり高くなること、(イ)接合構造体の主たる用途(たとえば半導体分野に用いられる角槽や丸槽)に使用したときの化学薬品や薬液に対する耐性が不足するおそれがあること、などである。そのようなデメリットは、溶融性の点でPTFEに比して優位にある変性PTFEのメリットを超えるものである。
(発明の目的)
本発明は、このような背景下において、耐薬品性、電気的性質、耐熱性などの性質が極めてすぐれているPTFEの利点を生かしながらも、その弱点であるPTFE成形体同士の接合の困難性を解消した複合融着構造体の製造法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、融着部の融着が低圧条件下でなされたものであるにもかかわらず融着接合部の強伸度が大きい(つまり強靭性にすぐれた)複合融着構造体の製造法を提供することを目的とするものである。
本発明のポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法は、
ポリテトラフルオロエチレンを「PTFE」、そのPTFEの圧縮成形体を「PTFEプレフォーム(1A)」、そのPTFEプレフォーム(1A)の焼成体を「PTFE成形体(1)」と称し、かつ、
パーフルオロアルキル基含有モノマーの共重合割合が0.001〜1重量%であるテトラフルオロエチレン共重合体を「変性PTFE」、その変性PTFEの圧縮成形体を「変性PTFEプレフォーム(2A)」、その変性PTFEプレフォーム(2A)の焼成体を「変性PTFE成形体(2)」
と称するとき、
PTFEプレフォーム(1A),(1A)間に変性PTFEプレフォーム(2A)が介在した状態でこれらを焼成すると同時に融着させる「焼成融着法」を実施することにより「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得るか、あるいは、
PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)とが一体化した「(1A)/(2A)」の構造体を焼成した「(1)/(2)」の構造の成形体の複数個を得た後、それらの成形体「(1)/(2)」の(2)側を突き合わせた状態で再焼成して融着させる「再焼成融着法」を実施することにより「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得ること、
を特徴とするものである。
この場合、前記の焼成融着法または再焼成融着法を、融着に必要な温度条件下でかつ融着部における面圧で1kgf/cm2以下の低圧条件下にて実施することが好ましい。
(削除)
(本発明の作用機構)
本発明の製造法のうちの第1態様においては、PTFEプレフォーム(1A),(1A)間に変性PTFEプレフォーム(2A)が介在した状態でこれらを焼成すると同時に融着させ「焼成融着法」を実施することにより、「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得ている。
また、本発明の製造法のうちの第2態様においては、PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)とが一体化した「(1A)/(2A)」の構造体を焼成した「(1)/(2)」の構造の成形体の複数個を得た後、それらの成形体「(1)/(2)」の(2)側を突き合わせた状態で再焼成して融着させる「再焼成融着法」を実施することにより「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得ている。
PTFEプレフォーム(1A)および変性PTFEプレフォーム(2A)のいずれも、その密度はPTFEの成形体の密度である2.2近くであるが、それらのどちらも原料粒子の圧縮体であるので、微視的には粒子間には微細な空隙がある。
そして、PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)とを適当な圧力で突き合せた状態で加熱していくと、しだいに膨張していく(プレフォーム自体は空隙を有しているので加熱溶融により体積は減少するように思われるが、実際には膨張していく)。その膨張の度合いは融点を超えると急激になり、たとえば400℃近くになると10%近くの膨張率となる。(「ふっそ樹脂ハンドブック、1990年11月30日初版1刷発行、日刊工業新聞社発行」の105頁の図II2.1.58を参照。)
そのような熱膨張時には、PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)との界面において、溶融分子が互いのプレフォームの粒子間の空隙の内部にまで若干侵入すると共に、相手側の分子や自分側の分子との間で絡み合いを生ずるものと理解される。この場合、変性PTFEの方がPTFEよりもやや溶融粘度が低いので、PTFEプレフォーム(1A)側に変性PTFE分子が侵入してPTFEプレフォーム(1A)の空隙に侵入しやすくかつその侵入先のPTFE分子と絡み合いを起こしやすいものと理解される。
このような絡み合いを生じた状態で加熱を続けていくと、PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)との双方のプレフォームを構成する粒子の溶融状態が進み、焼成終了後にはPTFE成形体(1)と変性PTFE成形体(2)との融着構造体「(1)/(2)」あるいは「(1)/(2)/(1)」が得られる。
なお、前者の融着構造体「(1)/(2)」を得た場合は、その2つを(2)側を対向させた状態で再度融着操作に供すれば、(2)同士は融着しやすいので、比較的容易に「(1)/(2)/(2)/(1)」の融着構造体を得ることができる。この構造「(1)/(2)/(2)/(1)」は、「(1)/(2/2)/(1)」と表わすことができ、あるいは「(1)/(2)/(1)」と表わすこともできる。
(本発明の効果)
本発明によれば、低圧条件下の融着操作によっても引張強伸度の大きい複合融着構造体を得ることができるので、装置上、操作上の制約が大幅に減少する上、製造に要するエネルギーの点でも有利となる。従って、複合融着構造体の製造コストも最小限に抑えることができる。
本発明の方法により製造された複合融着構造体は、低圧条件下の融着操作によって得られたものであるにもかかわらず、その接合部の引張強伸度(引張強度と引張伸度)は大きく、角槽、丸槽、ボックス、コンテナをはじめとする多種多様の用途に有用である。
そして、本発明の方法によって得られた複合融着構造体にあっては、PTFEに比しては高価な変性PTFEの使用量はごくわずかであるので、コスト的にも有利である。
また、複合融着構造物に占める変性PTFE部分の割合は極小であるので、たとえば容器や槽のように溶剤や化学薬品や薬液を収容する場合にも、PTFE単独品の場合に比しての耐性の低下は無視しうるほどになる。
加えて、本発明の方法によって得られた複合融着構造体が引張強度のみならず引張伸度も大きいこと(つまり強靭性にすぐれていること)は、信頼感の点でも有利である。
たとえば薬液の収容槽の用途に用いた場合、長期間の使用や不測の衝撃などが加わったときに予兆なく突然に破壊することは、薬液の飛散による人身事故にもつながるので絶対に避けなければならないことである。
しかるに、本発明の方法によって得られた複合融着構造体は引張伸度も大きい(靱性もすぐれている)という特性を有するため、たとえ構造物に歪みが生じても直ちに破壊することはなく、従って、歪みなどの予兆があった時点で交換などの対処を講ずることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(略号)
本明細書においては、必要に応じて次のような略号を用いている。
・PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
・PTFEプレフォーム(1A):PTFEの圧縮成形体(予備成形体)
・PTFE成形体(1):PTFEプレフォーム(1A)の焼成体(焼成成形体)
・変性PTFE:パーフルオロアルキル基含有モノマーの共重合割合が0.001〜1重量%であるテトラフルオロエチレン共重合体
・変性PTFEプレフォーム(2A):変性PTFEの圧縮成形体(予備成形体)
・変性PTFE成形体(2):変性PTFEプレフォーム(2A)の焼成体(焼成成形体)
(ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法)
本発明のポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法の1つは、PTFEプレフォーム(1A),(1A)間に変性PTFEプレフォーム(2A)が介在した状態でこれらを焼成すると同時に融着させる「焼成融着法」を実施することにより、「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得る方法である。各層の長さ(高さ)は種々に設定できるが、(2)は接合のための層であるので、(1)に比して極めて小にするのが通常である。
本発明のポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法の他の1つは、PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)とが一体化した「(1A)/(2A)」の構造体を焼成した「(1)/(2)」の構造の成形体の複数個を得た後、それらの成形体「(1)/(2)」の(2)側を突き合わせた状態で再焼成して融着させる「再焼成融着法」を実施することにより、「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得る方法である。
なお、以下において、圧縮成形は、通常は常温において(場合により若干の加温条件下に)、たとえば100〜1000kg/cm2程度(好ましくは150〜700kg/cm2程度、さらに好ましくは200〜600kg/cm2程度)の圧力下に行われる。なお、充填剤配合品の場合には、その配合割合にも依るが、上記の範囲のうちの比較的高い方の圧力条件が採用されることが多い。
[焼成融着法]
上記のうち「焼成融着法」にはいくつかの態様があるので、先に述べた略号を使って説明する。以下に述べる第1法、第2法が焼成融着法に属する。第3法は再焼成融着法に属する。第4法は焼成融着法と再焼成融着法との中間的な位置にあるが、この焼成融着法の箇所で説明する。
第1法においては、まず、圧縮成形用の型にPTFE(または変性PTFE)の粒子を充填して該粒子の充填層を形成し、続いてその充填層の上から変性PTFE(またはPTFE)の粒子を充填して該粒子の充填層を形成してから、圧縮成形することにより「(1A)/(2A)」の複合プレフォームを得る。
ついで、そのような複合プレフォームの2つを
「(1A)/(2A)」+「(2A)/(1A)」
のように配置してから、焼成することにより、
「(1)/(2)/(2)/(1)」
の構造の複合融着構造体を得る。(なお、この複合融着構造体「(1)/(2)/(2)/(1)」は、「(1)/(2/2)/(1)」と表わすことができ、あるいは「(1)/(2)/(1)」と表わすこともできる。)
第2法においては、まず、圧縮成形用の型にPTFEの粒子を充填してから圧縮成形することにより、プレフォーム(1A)を得る。また、圧縮成形用の型に変性PTFEの粒子を充填してから圧縮成形することにより、プレフォーム(2A)を得る。そして、これらのプレフォームを
「(1A)+(2A)+(1A)」
の順序となるように配置してから、焼成することにより、
「(1)/(2)/(1)」
の構造の複合融着構造体を得る。
上記の第1法と第2法の変形態様として、プレフォームを
「(1A)/(2A)」+(2A)+(1A)
のように配置してから、焼成することにより、
「(1)/(2)/(2)/(1)」
の構造の複合融着構造体を得ることもできる。(なお、この複合融着構造体「(1)/(2)/(2)/(1)」は、「(1)/(2/2)/(1)」と表わすことができ、あるいは「(1)/(2)/(1)」と表わすこともできる。)
また、上記の第1法と第2法の変形態様として、プレフォームを
「(1A)/(2A)」+(2A)+「(2A)/(1A)」
のように配置してから、焼成することにより、
「(1)/(2)/(2)/(2)/(1)」
の構造の複合融着構造体を得ることもできる。(なお、この複合融着構造体「(1)/(2)/(2)/(2)/(1)」は、「(1)/(2/2/2)/(1)」と表わすことができ、あるいは「(1)/(2)/(1)」と表わすこともできる。)
さらに、上記の第1法と第2法の別の変形態様として、まず
「(1A)/(2A)/(1A)」
の複合プレフォームを得てから、その複合プレフォームの(2A)の箇所に
「(2A)/(1A)」
の複合プレフォームの(2A)側を当接するように配置してから、焼成することにより、T字型の複合融着構造体を得ることもできる。
第4法においては、まず、圧縮成形用の型にPTFEの粒子を充填してから圧縮成形することにより、プレフォーム(1A)を得る。
また、別途圧縮成形用の型に変性PTFEの粒子を充填してから圧縮成形することにより、プレフォーム(2A)を得てから、これを焼成することにより、成形体(2)を得る。
そして、前者のプレフォーム(1A)と後者の成形体(2)と前者のプレフォーム(1A)とを
「(1A)+(2)+(1A)」
の順序となるように配置してから、焼成することにより(成形体(2)については再焼成となる)、
「(1)/(2)/(1)」
の構造の複合融着構造体を得る。
このときの接合層には、プレフォーム(2A)ではなく成形体(2)を使っているわけであるが、融点がPTFEよりもやや低い変性PTFEの成形体(2)であるので、相応の融着強度が得られる。
[再焼成融着法]
第3法は、再焼成融着法に相当する。
第3法においては、まず、圧縮成形用の型にPTFE(または変性PTFE)の粒子を充填して該粒子の充填層を形成し、続いてその充填層の上から変性PTFE(またはPTFE)の粒子を充填して該粒子の充填層を形成してから、圧縮成形することにより「(1A)/(2A)」の複合プレフォームを得る。
ついで、そのような複合プレフォーム「(1A)/(2A)」の2つを配置してから、焼成することにより、「(1)/(2)」の構造の複合融着体を得る。
次に、その複合融着体の2つを
「(1)/(2)」+「(2)/(1)」
のように配置してから、再焼成することにより、
「(1)/(2)/(2)/(1)」
の構造の複合融着構造体を得る。(なお、この複合融着構造体「(1)/(2)/(2)/(1)」は、「(1)/(2/2)/(1)」と表わすことができ、あるいは「(1)/(2)/(1)」と表わすこともできる。)
このときの接合層には変性PTFEプレフォーム(2A)ではなく変性PTFE成形体(2)を使っているわけであるが、融点がPTFEよりもやや低い変性PTFEの成形体(2),(2)同士の融着接合であるので、良好な融着強度が得られるのである。
[変形態様1]
上記において、PTFE粒子や変性PTFE粒子からPTFEのプレフォーム(1A)や変性PTFEのプレフォーム(2A)を作製するときには、PTFE粒子と変性PTFE粒子との適宜の割合の混合粒子のプレフォームからなるゾーンを設けてもよい。たとえば、「(1A)」−「(1+2)A」−「(2A)」というように移行する構造を形成するのである。
そのように工夫すると、PTFEのプレフォーム(1A)から変性PTFEのプレフォーム(2A)への移行部分における両粒子の分布が「段階的な配置」または「傾斜配置」になるので、それらのプレフォームを焼成して成形体としたときに、「成形体(1)/成形体(2)」の界面にPTFE相と変性PTFE相の入り組み組織が形成され、接合部の強伸度の点で有利になることがあるからである。
[変形態様2]
プレフォーム(1A)とプレフォーム(2A)との界面は、たとえば縦型の構造の場合を例にとると、水平面とすることが多いが、V字面やその逆のΛ字面、W字面やその逆のM字面、U字面やその逆字面、凹面や凸面のような非水平面とすることも好ましい。
そのような非水平面にすると、プレフォーム(1A)とプレフォーム(2A)との界面における両者間の接触面積が広くなるので、成形体(1)/成形体(2)としたときの接合強度が向上するからである。
[その他の留意事項]
本発明の方法により複合融着構造体を製造するときには、使用時の温度変化に伴う膨張収縮を減ずるため、原料粒子であるPTFE粒子や変性PTFE粒子に、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、金属繊維、炭化ケイ素繊維などの強化繊維を配合したものを用いることもできる。繊維の形状は、短繊維、長繊維、ウィスカーなどのいずれであってもよい。繊維のほかあるいは繊維に代えて、金属粉、セラミックス粉などの各種のフィラーを配合することもできる。
なお、複合融着構造体の製造に際しては、構造体の内部に芯材がインサートされたものを製造してもよい。
[融着に必要な温度tと低圧条件]
上記の焼成融着や再焼成融着は、融着に必要な温度tにおいて行う。この温度tは、355℃程度から400℃(または390℃)程度とすることが多い。350℃程度では融着性が不足する傾向があり、一方必要以上に温度を高めるメリットもない。温度tの好ましい範囲は370±10℃程度である。
そのような温度条件下の焼成融着や再焼成融着は、高圧条件下に行っても差し支えないが、工業的に有利な低圧条件下に行うことが好ましい。そして、本発明によれば、低圧条件下での融着であっても、後述の実施例のようにすぐれた引張強度と引張伸度を有する融着構造体が得られるのである。
ここで低圧条件とは、融着部に加わる面圧で1kgf/cm2以下であり、0.8kgf/cm2以下、0.6kgf/cm2以下、0.4kgf/cm2以下というように、もっと低圧であってもよい。後述の実施例においては、0.1kgf/cm2以下の低圧条件下に融着を行っている。
なお、融着部に加わる面圧とは、「その融着部よりも上部側の部分の自重」に、「必要に応じて追加した荷重」をプラスした圧力のことである。
(ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体)
[低圧融着型の複合融着構造体]
上記の製造法によって得られたポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体は、PTFE成形体(1),(1)間に変性PTFE成形体(2)が介在した「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着体であって、かつその融着が「融着に必要な温度tにてかつ融着部における面圧pが1kgf/cm2以下の低圧条件下にて」なされた低圧融着型の複合融着構造体である。融着に必要な温度tと低圧条件については、すでに述べた。
[引張強伸度]
上記複合融着構造体の構造部分「(1)/(2)/(1)」の各部位を引き離す方向に引張試験を行って破壊させたときの接合部引張強伸度と、上記の構造部(1)の部位のみを引き離す方向に引張試験を行って破壊させたときの母材部引張強伸度との関係は、次の通りである。
「接合部引張強度/母材部引張強度」の比αが0.6以上であること。αは、0.65以上、さらには0.7以上であることが好ましい。αのさらに好ましい範囲は0.8以上、特に好ましい範囲は0.85以上である。
接合部引張伸度/母材部引張伸度の比βが0.3以上であること。βは、0.5以上、0.6以上、さらには0.7以上であることが好ましい。特に好ましい範囲は0.8以上、なかんずく0.85以上、特に0.9以上である。βは1を超えることもある。
なお、後述の実施例のように、PTFE成形体(1)とPTFE成形体(1)との間に変性PTFE成形体(2)を介在させた状態で370℃にて低圧条件下に融着を行っている比較例1(成形体同士を融着させている事例)においては、αは0.43、βは0.09にとどまっている。本発明の製造法により得られる複合融着構造体は、接合部における引張強度の点でも引張伸度の点でも、上記2種の成形体同士を融着させている比較例1よりも確実にすぐれていることがわかる。
(複合融着構造体の用途)
本発明の製造法により得られる複合融着構造体は、耐薬品性、電気的性質、耐熱性などの性質が極めてすぐれているので、化学工業、半導体工業、ガラス基板の取り扱い分野、医療分野をはじめとする種々の分野において、貯蔵容器、処理容器、洗浄容器、搬送容器、配管、弁体などとして好適に使用することができる。
次に比較例と実験例とをあげて本発明をさらに説明する。
図面との対応関係については、比較例1と実験例1〜3とが図1に対応し、実験例4〜6が図2に対応する。
(原料粒子/PTFE)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)としては、ダイキン工業株式会社製の「ポリフロン(登録商標)PTFE M−392」を用いた。このM−392の一般物性の公称値は、見掛け密度が0.86g/ml、平均粒径が480μm、融点が327℃(DSC法(10℃/min))である。
(原料粒子/変性PTFE)
ポリテトラフルオロエチレン共重合変性樹脂(変性PTFE)としては、ダイキン工業株式会社製の「ポリフロン(登録商標)PTFE M−139」を用いた。このM−139の一般物性の公称値、見掛け密度が0.90g/ml、平均粒径が430μm、融点が324℃(DSC法(10℃/min))である。
(プレフォームの作製)
PTFEプレフォーム(1A)は、型内にPTFE粒子を型に詰め、350kg/cm2の成形圧を加えることにより作製した。
変性PTFEプレフォーム(2A)は、型内に変性PTFE粒子を型に詰め、350kg/cm2の成形圧を加えることにより作製した。
PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)とが一体化した「プレフォーム(1A)/(2A)」は、型内にまずPTFE粒子と変性PTFE粒子とのどちらかを詰め、ついで他方を詰めてから、350kg/cm2の成型圧を加えることにより作製した。
(成形体の準備)
これらの「PTFEプレフォーム(1A)」、「変性PTFEプレフォーム(2A)」、「プレフォーム(1A)/(2A)」のそれぞれを、350℃または370℃で焼成することにより、成形体(1)、成形体(2)、複合成形体「(1)/(2)」を準備した。
(複合融着体の作製)
[比較例1]
比較例1においては、上記の成形体(1)と成形体(1)との間に上記の成形体(2)を介在させた状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃での「融着」に供することにより、「(1)/(2)/(1)」の複合融着構造体を製造した。図1の(A)を参照されたい。
[実験例1]
実験例1においては、上記の「プレフォーム(1A)/(2A)」,「プレフォーム(1A)/(2A)」同士を、それぞれの変性PTFEプレフォーム(2A)側が対向するようにした状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃での「焼成と同時の融着」に供することにより、「(1)/(2)/(2)/(1)」の複合融着構造体を製造した。図1の(B)を参照されたい。
なお、この構造体の中間の(2)/(2)は一体化しているので、この実験例1で得られた複合融着構造体は、「(1)/(2/2)/(1)」または「(1)/(2)/(1)」と表わした方が実体に合っている。
[実験例2]
実験例2においては、上記の「プレフォーム(1A)」と「プレフォーム(1A)」との間に「プレフォーム(2A)」を介在させた状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃での「焼成と同時の融着」に供することにより、「(1)/(2)/(1)」の複合融着構造体を製造した。図1の(C)を参照されたい。
[実験例3]
実験例3においては、実験例1のように2つの「プレフォーム(1A)/(2A)」,「プレフォーム(1A)/(2A)」を作製してから、それぞれを別個に焼成して2つの複合成形体「(1)/(2)」,「(1)/(2)」を作製し、ついでそれら2つの複合成形体の(2)側と(2)側とが対向するようにした状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃での「焼成と同時の融着」に供することにより、「(1)/(2)/(2)/(1)」の複合融着構造体を製造した。図1の(D)を参照されたい。
なお、中間の(2)/(2)は一体化しているので、この実験例3で得られた複合融着構造体は、「(1)/(2/2)/(1)」または「(1)/(2)/(1)」と表わした方が実体に合っている。
[実験例4]
実験例4においては、上記の「プレフォーム(1A)」と「プレフォーム(1A)」との間に「成形体(2)」を介在させた状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃での「焼成と同時の融着」に供することにより、「(1)/(2)/(1)」の複合融着構造体を製造した。図2の(E)を参照されたい。
焼成融着に先立ち両側に位置する「プレフォーム(1A)」と「プレフォーム(1A)」とはいずれもプレフォームである上、それらの間に介在させるものがPTFEに比すれば融点がやや低い変性PTFEであるため、実施例2のようにそれらの間に「プレフォーム(2A)」ではなく「成形体(2)」を介在させた状態で焼成融着に供しても、実験例2に比し極端には悪くならない融着強度が得られることが期待されるわけである。
そして、後述の表1のように、結果もその通りとなっている。
[実験例5]
実験例5においては、上記の「プレフォーム(1A)」と「プレフォーム(1A)」とを別々に焼成して「成形体(1)」と「成形体(1)」とを作製し、ついでそれぞれの「成形体(1)」,「成形体(1)」に対して成形体(2),成形体(2)を融着させて「(1)/(2)」の融着体としてから、さらにそれらの「(1)/(2)」の(2)側と「成形体(1)/(2)」の(2)側とが対向するように突き合わせた状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃での「焼成と同時の融着」に供することにより、「(1)/(2)/(2)/(1)」の複合融着構造体を製造した。図2の(F)を参照されたい。
しかしながら、「(1)/(2)」の融着体とした段階においてすでに融着強度が低いであろうことが予想される上、「(1)/(2)/(2)/(1)」の複合融着構造体を作製した後も融着強度が低いであろうことが予想されるところ、後述の表1のように、結果もその通りとなっている。
[実験例6]
実験例6においては、予め準備したPTFEの「成形体(1)」と「成形体(1)」との間に変性PTFEの「プレフォーム(2A)」を介在させた状態で縦姿勢にし、電気炉内において350℃または370℃でその「プレフォーム(2A)」を焼成すると同時に成形体(1),(1)との融着を図るようにしている。図2の(G)を参照されたい。
しかしながら、融着相手がPTFEの「成形体(1)」であるため、「プレフォーム(2A)」を構成する変性PTFEの分子が絡み合いを生ずる手掛かりが乏しく、後述の表1のように結果は劣るものとなっている。
(融着条件、融着操作)
上述の比較例1および実験例1〜6においては、すでに述べたように縦姿勢にして融着操作を行っているが、サンプル体の融着面より上の部分の重量をもって自重とし、その自重にプラスして上端側に加えた荷重との合計を「面圧」とした。比較例1および実験例1〜6の面圧は、いずれも75gf/cm2になるように設定している。
そして、上記のようにこの状態で所定の温度に設定した電気炉内に入れ、縦姿勢にて融着または焼成融着のための加熱を行った。融着温度は、350℃と370℃との2水準である。
上記の融着または焼成融着操作後、融着体を炉内から取り出して室温にまで放冷した。
融着体の寸法は、幅が35mm、厚さが10mm、高さ(長さ)が123mm前後である。中間の変性PTFEの部分の高さは5mmまたは10mmである。
(引張強伸度測定用のサンプル)
得られた角柱状の融着体をフライス(milling cutter)にて2mmの厚さに切削加工した後、強伸度の測定に供した。
ダンベル寸法は、全長が60mm、両端側の掴み部の幅が各15mm、中央部の幅が5mmである。
(引張試験機)
株式会社島津製作所製の島津オートグラフ(型式:AG−5kNIS MS)を使用した。
(試験結果)
接合部/母材部のそれぞれの引張強度(単位はkgf/cm2)の測定結果とそのときの「接合部/母材部」の引張強度比α、接合部/母材部の引張伸度(単位は%)の測定結果とそのときの「接合部/母材部」の引張伸度比βとを、次の表1および表2に示す。
表1は350℃融着品の場合、表2は370℃融着品の場合である。
なお、母材部の引張強伸度は、比較例1、実験例1〜6、そして別途PTFEプレフォーム(1A)を焼成したPTFE成形体(1)の引張強伸度とほとんど変わらないことを確かめているので、それらの引張強伸度の平均値である引張強度297kgf/cm2、引張伸度390%をもって、母材部の引張強伸度とした。
































[表1、2のデータの解析/概略]
表1、2から350℃融着品と370℃融着品とを対比すると、比較例1は350℃融着品の方が370℃融着品よりも引張強度はやや大きくかつ引張伸度はかなり大きい。ただし、いずれの場合も母材部に比しては引張強伸度は半分またはそれ以下であり、母材部に比して低下が大きい。
これに対し、実験例1〜4にあっては、370℃融着品の方が350℃融着品よりも引張強度も引張伸度も大きい。特に実験例1〜3は母材部に比しての低下の度合いが小さい。このことから、実験例1〜3は、比較例1とは作用機構が相違していることがうかがわれる。
上記の比較例1と製造法が似ている実験例5は、その350℃融着品も370℃融着品も、比較例1よりも劣る傾向を示している。
比較例1と実施例6とを対比すると、比較例1においては2つのPFTE成形体(1),(1)間に変性PFTE成形体(2)を挟んだ状態で焼成に供しており、一方実施例6は2つのPFTE成形体(1),(1)間に変性PFTEプレフォーム(2A)を挟んだ状態で焼成に供しているものであるが、比較例1よりも劣る結果となっている。
[表1、2のデータの解析/詳細]
(その1)引張強度について
−1−
比較例1においては、引張強度の絶対値は350℃融着品も370℃融着品も不足しており、しかもその引張強度の絶対値は370℃融着品の方が350℃融着品よりもむしろ低い傾向があることがわかる。
このことから、PTFE成形体とPTFE成形体との間に変性PTFE成形体を介在させた状態で350℃とか370℃で圧着して融着させる方法によっては、融着接合体の引張強度は著しく不足することがわかる。
PTFE成形体とPTFE成形体との間の融着強度を上げるためには、特許文献1,2のような特殊な加圧機構を採用して接合部に加わる面圧を極めて大きくしなければならず、しかもそのように面圧を極めて大きくしても、上記の実験例1や実験例3のような大きな引張強度を得ることは期待できない。
−2−
実験に際しては、まず融着温度をPTFEの融点(327℃)よりも23℃高い350℃に設定して融着接合を行ったところ、全体的には引張強度が不足している傾向があることが判明した。
350℃融着品における引張強度の不足は、接合部位の溶融不足に起因するものと理解される。
−3−
そこで、融着温度を370℃に上げて実験を行ったところ、実験例1〜4においては引張強度が大幅に向上した。
370℃融着品の引張強度の絶対値は「実験例1≧実験例3>実験例2>実験例4」の順であり、特に実験例1と実験例3とがすぐれていた。
実験例5よび実験例6については、融着温度を370℃に上げても、よい結果が得られなかった。
−4−
350℃融着品に比しての370℃融着品の引張強度の上昇の度合いは、実験例1が284/121=2.3倍と大きく、実験例2は226/136=1.7倍であり、実験例4は178/123=1.4倍であった。
実験例3は267/236=1.1倍であったが、それは350℃融着品の引張強度がもともと大きかったからであり、実験例3は融着温度の高低にかかわらず引張強度が高いことを意味している。
−5−
以上を総合してみると、引張強度については実験例1と実験例3とが特にすぐれており、実験例2がそれらの実験例1、2に準じていることがわかる。
(その2)引張伸度について
引張伸度については、実験例1の370℃融着品がすぐれており、実験例3の370℃融着品もすぐれている。なお、実験例3の350℃融着品も良好である。
実験例2の370℃融着品も良好である。
(その3)引張強度と引張伸度
−1−
引張強度は文字通り強度に関する指標であるが、強度が大きいだけではいわゆる粘りが不足することがある。
つまり、ある限度以上の引張力が加わったときに、破壊の兆候を示すことなく突如破壊に至ることがある。また、曲げを伴うような力がかかったときには、接合部の側部の一方には引張力が大きく働くと同時に他方には圧縮力が働くため、当該接合部が破壊しやすくなる。
−2−
外部からの力、容器や槽の場合には内容物の重量、融着構造物の自重などの力が加わったときには、融着構造物が実際に破壊する前に歪みや裂傷などの兆候を示してくれる方が対処が可能となるので、安全なのである。
これらのことを考慮すると、単に引張強度(つまり長さ方向の引っ張りに対する強度)が大きいだけでは、実際の破壊時のトラブルに対処しえないことがある。引張強度が大きくかつ引張伸度も大きい方が、実際の用途に用いるときには適しているのである。
−3−
上記の比較例1においては、350℃融着品の引張伸度は142%であり、基材部分の引張伸度(390%)との対比では、142/390=0.36、つまり36%に低下している。350℃融着品の引張伸度に至っては、36/390=0.09、つまりわずか9%に低下している。このことは、PTFE成形体とPTFE成形体との間に変性PTFEを介在させた状態で融着させた場合は、低圧融着品であっても高圧融着品であっても、曲げ力の加わるような場合(つまり接合部に圧縮と伸びとが同時に起こるような場合)に耐えられないおそれがあることを意味している。
これに対し、上記の実験例1,3の370℃融着品においては、引張伸度は400%前後であり、しかも基材部分のみの引張伸度(390%)が事実上維持されている。
[応用例]
PTFE製の「角槽」や「丸槽」をいくつか成形体を融着接合させることにより作製することは、融着に高圧を要するために実際には容易ではない。
まして、図3〜図4に示したようなフッ素樹脂製の「オーバーフロー槽」は、角槽や丸槽に比べて構造が格段に複雑であるので、PTFEの板状の成形体の融着により製作することは至難である。そのため、大ブロックの成形体を製作してから、切削により不要の部分を除去していくしか方法が見当たらないところ、そのような方法によっては切削除去する部分の割合が極めて大きいので高コストになる上、切削により残す壁の厚みがたとえば15mm程度というように薄いため、切削加工操作の点でも難度が極めて高い。
この応用例は、本発明を構造が複雑なオーバーフロー槽の製造に適用した例である。(角槽や丸槽をはじめとする種々の融着構造体を作製したが、この応用例の項では最も難度の高いオーバーフロー槽の例をあげてある。)
図3において、(a)はオーバーフロー槽の幅方向の縦切断断面図、(b)はその長さ方向の縦切断断面図である。ただし、断面を示すハッチングは省略してある。なお、実際の槽は底部に3つのドレイン(排液管)を備えているが、図3においてはそのドレインの図示を省略してある。実際の使用にあたっては、本槽内にはたとえば超音波洗浄機が取り付けられる。
図4は、図3(a)に対応する模式図(厚みなどを誇張して描いてある)であって、このオーバーフロー槽の組み立て順序の一例を説明した模式的な切断端面図である(接合のための融着のさせ方には種々の態様があるが、その一例を示したものである)。この図4は、各部位がいずれも「プレフォーム」の段階にあるときの図である。
なお、図4においては、「PTFEプレフォーム」は白丸で、それらの「PTFEプレフォーム」同士を接合するための「変性PTFEプレフォーム」は黒丸で示してある。
図4において、(P1)は本槽の4側壁を構成するための壁板、(P2)は本槽を構成するための底板、(P3)はオーバーフロー部を構成するための外壁、(P4)はそのオーバーフロー部を構成するための底板である。
底板(P2)上に壁板(P1)を配置し、さらにその壁板(P1)の周りにオーバーフロー部を構成するための外壁(P3)と底板(P4)とを配置した。これらの部材は、いずれも「プレフォーム」の段階にあるPTFEであり、また上記のように接合部には「変性PTFEプレフォーム」を介在させてある。
そして、このときには、適当な治具、介在体(部材間の間隔を保つためのもの)、支持体、付勢部材を用いて、上記の各部材(P1), (P2), (P3), (P4)間に0.1〜0.5kgf/cm2程度の圧力(低圧である)が加わるように留意しながら、焼成融着を行った。焼成融着温度は370℃である。
このようにして得られた本槽の寸法は、平面視で縦×横が280mm×1130mm、高さが335mmである。オーバーフロー部の寸法は、平面視で縦×横が410mm×1260mmである。
結果は極めて好ましいものであり、実用に耐えうるオーバーフロー槽を作製することができた。融着接合部周りの強伸度は、接合部が多数箇所あるので、その接合部によっても異なるが、接合部引張強度/母材部引張強度の比αが0.6以上でかつ接合部引張伸度/母材部引張伸度の比βが0.3以上という要件を軽く超えるものであった。
本発明の方法により得られるポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体は、耐薬品性、電気的性質、耐熱性などの性質が極めてすぐれているので、化学工業、半導体工業、ガラス基板の取り扱い分野をはじめとする種々の分野において、貯蔵容器、処理容器、洗浄容器、搬送容器をはじめとする多種の用途の構造体として使用することができる。
比較例1と実験例1〜3の態様を示した模式的な説明図である。 実験例4〜6の態様を示した模式的な説明図である。 応用例にかかるオーバーフロー槽の幅方向の縦切断断面図と長さ方向の縦切断断面図である。 図3にかかるオーバーフロー槽の組み立て順序の一例を説明した模式的な切断端面図である。
(1A)…PTFEプレフォーム、
(2A)…変性PTFEプレフォーム、
(1)…PTFE成形体、
(2)…変性PTFE成形体、
(P1)…本槽の4側壁を構成するための壁板、
(P2)…本槽を構成するための底板、
(P3)…オーバーフロー部の外壁、
(P4)…オーバーフロー部の底板

Claims (2)

  1. ポリテトラフルオロエチレンを「PTFE」、そのPTFEの圧縮成形体を「PTFEプレフォーム(1A)、そのPTFEプレフォーム(1A)の焼成体を「PTFE成形体(1)」と称し、かつ、
    パーフルオロアルキル基含有モノマーの共重合割合が0.001〜1重量%であるテトラフルオロエチレン共重合体を「変性PTFE」、その変性PTFEの圧縮成形体を「変性PTFEプレフォーム(2A)」、その変性PTFEプレフォーム(2A)の焼成体を「変性PTFE成形体(2)」
    と称するとき、
    PTFEプレフォーム(1A),(1A)間に変性PTFEプレフォーム(2A)が介在した状態でこれらを焼成すると同時に融着させる「焼成融着法」を実施することにより「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得るか、あるいは、
    PTFEプレフォーム(1A)と変性PTFEプレフォーム(2A)とが一体化した「(1A)/(2A)」の構造体を焼成した「(1)/(2)」の構造の成形体の複数個を得た後、それらの成形体「(1)/(2)」の(2)側を突き合わせた状態で再焼成して融着させる「再焼成融着法」を実施することにより「(1)/(2)/(1)」の構造部分を有する融着構造体を得ること、
    を特徴とするポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法。
  2. 前記の焼成融着法または再焼成融着法を、融着に必要な温度条件下でかつ融着部における面圧で1kgf/cm2以下の低圧条件下にて実施すること、
    を特徴とする請求項記載の製造法。
JP2012141525A 2012-06-25 2012-06-25 ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法 Expired - Fee Related JP5925613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141525A JP5925613B2 (ja) 2012-06-25 2012-06-25 ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141525A JP5925613B2 (ja) 2012-06-25 2012-06-25 ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014004743A JP2014004743A (ja) 2014-01-16
JP5925613B2 true JP5925613B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=50102936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012141525A Expired - Fee Related JP5925613B2 (ja) 2012-06-25 2012-06-25 ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5925613B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6488351B2 (ja) * 2017-10-12 2019-03-20 中興化成工業株式会社 フッ素樹脂成形品
KR20200118830A (ko) * 2018-02-09 2020-10-16 도호 카세이 가부시키가이샤 도전성 용접재 및 그 제조 방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CS225323B1 (en) * 1981-12-01 1984-02-13 Zdenek Ing Csc Zapletal The slab splicing of the viscosity of melt more than 103 poise
JPS62109827A (ja) * 1985-11-08 1987-05-21 Agency Of Ind Science & Technol ポリ四フツ化エチレン樹脂の接着方法
JPS63122522A (ja) * 1986-11-13 1988-05-26 Asahi Glass Co Ltd 新規な複層隔膜の接合方法
JPH07308973A (ja) * 1994-05-17 1995-11-28 Nitto Denko Corp エンドレスベルト用基材および該基材を用いるエンドレスベルトの製造法
JPH11207812A (ja) * 1998-01-22 1999-08-03 Daikin Ind Ltd テトラフルオロエチレン系重合体成形品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014004743A (ja) 2014-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW200821136A (en) Joining of concentric section polymer composite components
US7943003B2 (en) Low stress to seal expanded PTFE gasket tape
US6392208B1 (en) Electrofusing of thermoplastic heating elements and elements made thereby
TWI738964B (zh) 一體成形體及其製造方法
JP2008004500A (ja) 燃料電池電解質膜用の多孔質膜とその製造方法
JP5925613B2 (ja) ポリテトラフルオロエチレン系複合融着構造体の製造法
US10265922B2 (en) Fluoropolymer molded article
WO2003013821A1 (en) Method of manufacturing a pfte preform compression moulding
US20080217379A1 (en) Method for cohesively bonding metal to a non-metallic substrate
Raimondi et al. Lattice material infiltration for hybrid metal-composite joints: Manufacturing and static strenght
JP2013014113A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂の接合方法
US20110209811A1 (en) Production Process For Parts Of A Perfluoropolymer Composition
JP6093131B2 (ja) プレス成形用熱可塑性樹脂系繊維強化複合材料の製造方法
JP4303660B2 (ja) 溶着装置及び溶着方法
EP1800029B1 (en) Low stress to seal expanded ptfe gasket tape
JP2020049925A (ja) 炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合材の製造方法
EP0947309B1 (en) Method for joining modified polytetrafluoroethylene mouldings
Bates et al. Shear strength and meltdown behavior of reinforced polypropylene assemblies made by resistance welding
Jandali et al. Vibration welding of continuous-fiber thermoplastic matrix composites
JP2011079587A (ja) 樹脂シートおよび充填豆腐用容器
JP7544123B2 (ja) 双極板、電池セル、セルスタック、及びレドックスフロー電池
JP7233040B1 (ja) 熱可塑性樹脂溶接方法、及び熱可塑性樹脂溶接構造物
JPS62201943A (ja) フツ素樹脂多孔体
JP3572183B2 (ja) 流量計の検出子及びその製造方法
TW200410874A (en) Covering material for welding, jointed structure, welding procedure, welded article and composite article

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5925613

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees