JP5925533B2 - 保護継電装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、複数装置間で対向伝送によりデータの授受を行う保護継電装置に関する。
保護継電装置のディジタル化の進展に伴い、電気量データをサンプリングした瞬時値を対向伝送により複数装置間で相互に授受を行い、保護演算を行う保護継電装置が広く適用されている。その代表例が送電線保護用の電流差動保護継電装置である。
この電流差動保護継電装置では、送電線の両端に設置した装置間において、電流量をサンプリングした瞬時値を電気角で30度毎にサイクリック(即ち、周期的な)伝送を行い、同時刻にサンプリングしたデータを突き合わせることにより、差動電流を求める演算を実施している。
図11は電流差動保護継電装置におけるサンプリング同期制御の原理を説明する図である。
図11において、第1の保護継電装置の特定タイミングから、第2の保護継電装置の特定タイミングのデータの受信までの時間をTMとし、第2の保護継電装置の特定タイミングから、第1の装置の特定タイミングのデータ受信までの時間をTFとする。また、第2の保護継電装置から第1の保護権電装置への伝送(以下、「上り伝送」と記す。)の伝送遅延時間をTd1、第1の保護権電装置から第2の保護継電装置への伝送(以下、「下り伝送」と記す。)の伝送遅延時間をTd2、サンプリング同期誤差をΔTとすると、TF、TMとΔTの関係は式(1)で表すことができる。
TM=Td1−ΔT
TF=ΔT+Td2
よって
ΔT=(TF−TM+Td1−Td2)/2・・・(1)
保護継電装置では、TFとTMが計測可能であるため、上り下りの伝送路を同一ルートで同じ伝送装置を用いることで伝送遅延時間Td1とTd2が等しいと仮定すると、
TF−TM=0・・・(2)
となるようにサンプリンタイミングを制御することにより、同一時刻でのサンプリング(サンプリング同期)が実現できる。
このサンプリング同期方式は、上述したように上り下りの伝送遅延時間が等しいという前提条件がある。しかし、上り下りで同一伝送ルート、同一型式の伝送装置を適用した場合でも、伝送装置のデータバッファリング、送信タイミングなどにより、伝送遅延時間にバラツキが生じる。このバラツキは一般的には伝送装置の電源立ち上げ後、一定の伝送遅延時間となるが、上りと下りで伝送遅延時間差が発生する可能性があり、伝送遅延時間差で200μs程度となる場合も観測されている。
特開昭50−49645号公報
上述したように、対向伝送路によりサンプリング同期をとる方式では、同一ルート、同一伝送装置を用いても、上り下りの伝送遅延時間が必ずしも等しいとは限らず、サンプリング同期誤差ΔTが発生する。電流差動保護継電装置の場合、サンプリング同期誤差ΔTは、通過電流Iに対して(3)式の差動電流の誤差となって現れる。
第1の装置のサンプリング後のデータ:I1=I・sin{ω(t+ΔT)+φ}
第2の装置のサンプリング後のデータ:I2=I・sin{ωt+φ}とおくと、
差動電流:Id=I1−I2
=I・[sin{ω(t+ΔT)+φ}−sin{ωt+φ}]
=I・2sin(ωΔT/2)・cos(ωt+φ+ωΔT/2)
誤差の大きさ:I・2sin(ωΔT/2)・・・(3)
一例としてΔT=200μsの場合の(3)式で示す誤差の大きさは、通過電流Iに対し約6%となる。この値は、電流差動継電装置の高感度化の妨げの要因となる。
また、伝送路を2チャンネル化し、第1のチャンネルでサンプリング同期制御を実施し、第2のチャンネルでサンプリング同期誤差を監視している場合に、第1のチャンネルの上り下りの伝送遅延時間差に、第2のチャンネルの伝送遅延時間差が上積みされる方向に重なり、第2のチャンネルの同期誤差が必要以上に大きくなり、不要な同期不良の警報を発するケースも散見される。
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、対向伝送によりサンプリング同期を制御する際に、上り下りの伝送遅延時間に差がある場合でも、精度よくサンプリング同期を確立し、不要な同期不良の警報を出さない保護継電装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態は、 対向する伝送路を用いて周期的なデータ送受信を行う複数の保護継電装置において、前記伝送路は複数のチャンネルを具備し、チャンネル単位毎に、第1の保護継電装置が行ったサンプリングの特定タイミングから第2の保護継電装置が行った特定タイミングのデータを前記第1の保護継電装置が受信するまでの時間(TM)と、前記第2の保護継電装置が行ったサンプリングの特定タイミングから前記第1の保護継電装置が行った特定タイミングのデータを前記第2の保護継電装置が受信するまでの時間(TF)との時間差を計測する計測手段と、第2の保護継電装置から第1の保護継電装置への伝送路の伝送遅延時間(Td1)と、第1の保護継電装置から第2の保護継電装置への伝送路の伝送遅延時間(Td2)との伝送遅延時間差(Td2−Td1)に基づき所定値(TDD)を設定する設定手段と、前記時間差(TF−TM)と前記所定値(TDD)の差を同期誤差(ΔT)として検出する同期誤差検出手段と、前記同期誤差(ΔT)が0となるように前記第1の保護継電装置または前記第2の保護継電装置のサンプリングタイミングを制御する同期制御手段と、を具備し、一方のチャンネルでサンプリング同期制御を実行し、他方のチャンネルでサンプリング同期制御を実行しないようにするチャンネル間の切り替え部と、サンプリング同期制御を実行しないチャンネル側の同期誤差検出手段によって検出した同期誤差を、サンプリング同期制御を実行するチャンネル側の設定手段に反映する同期誤差反映部と、を備えることを特徴とする。
第1の実施形態の電流差動保護継電装置の構成図。 TF、TMと伝送遅延時間Td1、Td2の関係を説明する図。 第1の実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法を示すフローチャート。 第2の実施形態の電流差動保護継電装置の構成図。 第3の実施形態の電流差動保護継電装置の構成図。 第3の実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法を示すフローチャート。 第4の実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法を示すフローチャート。 第5の実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法を示すフローチャート。 第6の実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法を示すフローチャート。 第7の実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法を示すフローチャート。 サンプリング同期制御の原理を説明する図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[第1の実施形態]
(構成)
図1に、本発明の第1の実施形態の電流差動保護継電装置の構成を示す。
保護継電装置10において、1は計器用変流器、2はアナログディジタル変換部(AD部)、3は演算処理部、4は伝送処理部、11はサンプリング同期制御部を示す。AD部2は、計器用変流器1から取り込んだアナログ電流量をサンプリングしてディジタルデータに変換する。演算処理部3は、そのデータを保護演算に使用するとともに、伝送処理部4を介して対向端子へ伝送する。サンプリング同期制御部11は、対向端子より受信したデータを用い、所定の処理を施して、サンプリング信号9をAD部2に受け渡す。
サンプリング同期制御部11において、計測手段5は、自装置のサンプリングの特定タイミングから対向端子の特定タイミングのデータを受信するまでの時間(TM、TF)を計測する。設定手段6は、後述するように、同期誤差ΔTを低減するために所定値(TDD)を設定する。同期誤差検出手段7は、以下の(4)式に基づき、同期誤差ΔTを検出する。
ΔT=TF−TM−TDD・・・(4)
同期制御手段8は、ΔT=0となるように、調整してサンプリング信号9をAD部2に受け渡す。
図2は、TF、TMと伝送遅延時間Td1、Td2の関係を説明する図である。TMは、第1の装置のサンプリングの特定タイミングから第2の装置の特定タイミングのデータを受信するまでの時間を表し、TFは、第2の装置のサンプリングの特定タイミングから第1の装置の特定タイミングのデータを受信するまでの時間を表す。また、Td1は第2の装置から第1の装置への伝送路の伝送遅延時間(上り伝送遅延時間)、Td2は第1の装置から第2の装置への伝送路の伝送遅延時間(下り伝送遅延時間)を表す。
図2においては、サンプリング同期が取れている状態を示しており、
TF−TM=Td2−Td1・・・(5)
であり、
TDD=Td2−Td1・・・・・(6)
と設定することにより、(4)式の同期誤差ΔTを0にすることができることが分かる。
(サンプリングタイミングの同期制御方法)
図3に、本実施形態の保護継電装置10によるサンプリングタイミングの同期制御方法の例を示す。
先ず、計測手段5は、TF及びTMを計測する(S11)。次に、同期誤差検出手段7は、設定手段6で設定する所定値をTDDとした場合に、(4)式に基づき、同期誤差ΔTを検出する(S12)。さらに、同期制御手段8は、ΔT=0となるように、サンプリング同期制御を実施する(S13)。
(効果)
従来例では、(2)式に示すように、TF−TM=0となるように同期制御している。しかし、上りと下りの伝送遅延時間に差がある場合は、(1)式よりTF−TM=0と制御しても、
ΔT=(Td1−Td2)/2・・・・(7)
となり、ΔTが0にならない。
これに対して、本実施形態では、ΔT=0(サンプリング同期誤差が0)とするために、(1)式より、
TF−TM=Td2−Td1・・・・(5)
とすべく、TDDをTd2−Td1に設定する。上りと下りの伝送遅延時間差Td2−Td1が分かっている場合は、その値をTDD値として設定することにより、(4)式のサンプリング同期誤差ΔTを0にできる。
従って、本実施形態によれば、対向伝送によりサンプリング同期を制御する際に、上り下りの伝送遅延時間に差がある場合でも、精度よくサンプリング同期を確立し、不要な同期不良の警報を出さない保護継電装置を提供することができる。
[第2の実施形態]
(構成)
図4に、本発明の第2の実施形態の電流差動保護継電装置の構成を示す。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の保護継電装置20は、伝送路(チャンネル)が2重化されており、それに伴い、伝送処理部4−1,4−2、サンプリング同期制御部11−1,11−2のように伝送処理部及びサンプリング同期制御部が2重化されている。また、切り替え部12が設けられており、その切り替え機能により、チャンネル1側の同期制御手段8−1又はチャンネル2側の同期制御手段8−2のいずれかの信号をAD部2に出力できるようにされている。
(効果)
第1のチャンネルでサンプリングタイミング同期制御を実施し、第2のチャンネルでは、計測手段5−2および同期誤差検出手段7−2は実行するが、同期制御手段8−2は実行しないこととすることにより、第2のチャンネルでサンプリング同期の誤差を容易に監視できる。
また、第1のチャンネルと第2のチャンネルの機能を切り替え、上記とは逆に、第2のチャンネルでサンプリングタイミング同期制御を実施し、第1のチャンネルでは同期制御を実施しないようにすることもできる。これにより、通常サンプリングタイミング同期制御を実施している伝送路に異常が発生したような場合に、このチャンネルで同期制御を実行せず、健全なチャンネルで同期制御を実行することができる。これにより、単一チャンネルの伝送異常に対し、保護継電装置を停止せずに運用が可能となる。
[第3の実施形態]
(構成)
図5に、本発明の第3の実施形態の電流差動保護継電装置の構成を示す。なお、第2の実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の保護継電装置30では、第2の実施形態の保護継電装置20におけるチャンネル2側の同期誤差検出手段7−2と、チャンネル1側の設定手段6−1との間に、さらに、同期誤差反映部13を設けている。この同期誤差反映部13は、同期誤差検出手段7−2により検出された同期誤差をチャンネル1側の設定手段6−1に反映する機能を有する。
本実施形態では、チャンネル1側の同期制御手段8−1によりサンプリング同期制御を実施し、チャンネル2側の同期誤差検出手段7−2により検出された同期誤差を、同期誤差反映部13により、チャンネル1側の設定手段6−1に反映する。
具体的には、チャンネル1側の設定手段6−1の所定値(TDD1とする)として、下記(8)式を適用する。
TDD1=TDD1+k1・ΔT2・・・(8)
ここで、k1は定数(たとえば、0.3など1より小さい正数)である。
(8)式左辺のTDD1を、次の同期制御実施時のTDD1として用いる。以下、この(8)式を用いた同期制御方法について説明する。
(サンプリングタイミングの同期制御方法)
図6に、本実施形態の保護継電装置30によるサンプリングタイミングの同期制御方法の例を示す。
先ず、チャンネル1側の計測手段5−1は、TF1及びTM1を計測する(S31)。ここで、TF1は、チャンネル1側の第2の装置のサンプリングの特定タイミングから第1の装置の特定タイミングのデータを受信するまでの時間であり、TM1はチャンネル1側の第1の装置のサンプリングの特定タイミングから第2の装置の特定タイミングのデータを受信するまでの時間である。
次に、チャンネル1側の同期誤差検出手段7−1は、設定手段6−1で設定する値をTDD1とした場合に、下記(9)式に基づき、同期誤差ΔT1を検出する(S32)。
ΔT1=TF1−TM1−TDD1・・・(9)
さらに、チャンネル1側の同期制御手段8−1は、ΔT=0となるように、サンプリング同期制御を実施する(S33)。
一方、チャンネル2側の計測手段5−2は、TF2及びTM2を計測する(S34)。ここで、TF2は、チャンネル2側の第2の装置のサンプリングの特定タイミングから第1の装置の特定タイミングのデータを受信するまでの時間であり、TM2はチャンネル2側の第1の装置のサンプリングの特定タイミングから第2の装置の特定タイミングのデータを受信するまでの時間である。
次に、チャンネル2側の同期誤差検出手段7−2は、設定手段6−2で設定する値をTDD2とした場合に、下記(10)式に基づき、同期誤差ΔT2を検出する(S35)。
ΔT2=TF2−TM2−TDD2・・・(10)
さらに、同期誤差反映部13は、チャンネル2側の同期誤差検出手段7−2により検出された同期誤差ΔT2を、下記(11)式に基づき、チャンネル1側の設定手段6−1に反映する(S36)。
TDD1=TDD1+k1・ΔT2・・・(11)
即ち、同期誤差反映部13は、同期誤差(ΔT2)の値に、所定の係数(k1)を乗じた値を補正値とし、同期制御を実行する側のチャンネル1の設定手段6−1で設定する所定値(TDD1)に補正値を加算する。
(効果)
これにより、本実施形態では、伝送路を2チャンネル具備した構成において、同期誤差検出手段7−2により検出した同期誤差(ΔT2)を、設定手段6−1で設定する所定値(TDD1)にフィードバックしていくことになり、同期誤差を軽減していくことができる。
[第4の実施形態]
本実施形態では、第3の実施形態と同様に、図5に示す保護継電装置30を用いる。以下、保護継電装置30を用いた本実施形態のサンプリングタイミングの同期制御方法について説明する。
(サンプリングタイミングの同期制御方法)
図7に、本実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法の例を示す。なお、(m)は、m回目の演算のデータを示す添え字である。
先ず、チャンネル1側の計測手段5−1は、m回目の演算において、TF1(m)及びTM1(m)を計測する(S41)。
次に、チャンネル1側の同期誤差検出手段7−1は、設定手段6−1で前回設定した値をTDD(m−1)とした場合に、下記(12)式に基づき、同期誤差ΔT1(m)を検出する(S42)。
ΔT1(m)=TF1(m)−TM1(m)−TDD1(m−1)・・・(12)
さらに、チャンネル1側の同期制御手段8−1は、ΔT=0となるように、サンプリング同期制御を実施する(S43)。
一方、チャンネル2側の計測手段5−2は、TF2(m)及びTM2(m)を計測する(S44)。次に、チャンネル2側の同期誤差検出手段7−2は、設定手段6−2で設定する値をTDD2とした場合に、下記(13)式に基づき、同期誤差ΔT2(m)を検出する(S45)。
ΔT2(m)=TF2(m)−TM2(m)−TDD2・・・(13)
同期誤差反映部13は、同期誤差ΔT2(m)の絶対値と、前回の同期誤差ΔT2(m−1)の絶対値とを比較(S46)する。同期誤差ΔT2(m)の絶対値が前回の同期誤差ΔT2(m−1)の絶対値よりも大きくなっている(S46でYes)ときは、下記の(14)式に示すように、チャンネル1側の設定手段6−1に反映する(S47)。
TDD1(m)=TDD1(m−1)−k1・ΔT2(m)・・・(14)
これに対して、絶対値が小さくなっている(S46でNo)ときは、下記の(15)式に示すように、チャンネル1側の設定手段6−1に反映する(S48)。
TDD1(m)=TDD1(m−1)+k1・ΔT2(m)・・(15)
これにより、次の(m+1)回目の演算では、同期誤差を低減する方向に制御可能となる。
(効果)
チャンネル1の上りと下りの伝送遅延時間差とチャンネル2の上りと下りの伝送遅延時間差が逆極性となっている場合は、補正が逆方向となって誤差を拡大させてしまう虞があるが、本実施形態によれば、このような場合に、補正値(k1・ΔT2(m))を減算することで同期誤差を軽減させることが可能になる。
[第5の実施形態]
本実施形態では、第3の実施形態と同様に、図5に示す保護継電装置30を用いる。以下、保護継電装置30を用いた本実施形態のサンプリングタイミングの同期制御方法について説明する。
(サンプリングタイミングの同期制御方法)
図8に、本実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法の例を示す。
本実施形態では、チャンネル2側で検出した同期誤差ΔT2を用い、チャンネル1側の設定手段6−1で設定する所定値TDD1を補正するまでの手順(S51〜S56)は、第3の実施形態における手順(S31〜S36)と同様である。
本実施形態では、さらに、同期誤差反映部13が、チャンネル2側の設定手段6−2で設定する所定値TDD2についても、下記(16)式で示すような補正を行う(S57)。
TDD2=TDD2+k2・ΔT2・・・(16)
これにより、チャンネル2側の上り下りの伝送遅延時間差により生じる同期誤差を補正する。
即ち、本実施形態では、同期制御を実行する側のチャンネル1の設定手段6−1で設定する所定値(TDD1)に第1の補正値(k1・ΔT2)を加えるとともに、同期制御を実行しない側のチャンネル2の設定手段6−2で設定する所定値(TDD2)に第2の補正値(k2・ΔT2)を加えるものである。
(効果)
本実施形態では、同期制御手段を実行しないチャンネル2側の上り下りの伝送遅延時間差により生じる過剰に検出された同期誤差を補正し、不要な同期誤差の検出を抑制することができる。
[第6の実施形態]
本実施形態では、第3の実施形態と同様に、図5に示す保護継電装置30を用いる。以下、保護継電装置30を用いた本実施形態のサンプリングタイミングの同期制御方法について説明する。
(サンプリングタイミングの同期制御方法)
図9に、本実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法の例を示す。
本実施形態では、同期制御を実行しているチャンネル1側において、同期誤差(ΔT2(m))の絶対値が拡大する方向となった場合は、所定値(TDD1(m−1))から第1の補正値(k1・ΔT2(m))を減算した値を新たな所定値(TDD1(m))とし、逆に同期誤差の絶対値が減少する方向となった場合は、所定値(TDD1(m−1))に第1の補正値(k1・ΔT2(m))を加算した値を新たな所定値(TDD1(m))とするまでの手順(S61〜S68)は、第4の実施形態における手順(S41〜S48)と同様である。
本実施形態では、さらに、同期誤差反映部13がチャンネル2側の設定手段6−2で設定する所定値TDD2についても、下記(17)式で第2の補正値(k2・ΔT2(m))の加算を行う(S69)。
TDD2(m)=TDD2(m−1)+k2・ΔT2(m)・・・(17)
これにより、チャンネル2側の上り下りの伝送遅延時間差により生じる同期誤差を補正する。
(効果)
本実施形態では、同期制御を実行しないチャンネル2側の所定値にも第2の補正値(k2・ΔT2(m))を加えることにより、チャンネル2側の上り下りの伝送遅延時間差により生じる過剰に検出された同期誤差を補正できる。これにより、不要な同期誤差の検出を抑制することが可能となる。
[第7の実施形態]
本実施形態では、第3の実施形態と同様に、図5に示す保護継電装置30を用いる。以下、保護継電装置30を用いた本実施形態のサンプリングタイミングの同期制御方法について説明する。
(サンプリングタイミングの同期制御方法)
図10に、本実施形態によるサンプリングタイミングの同期制御方法の例を示す。
チャンネル2側で検出した同期誤差ΔT2を用いるまでの手順(S71〜S75)は、第5の実施形態における手順(S51〜S55)と同様である。
本実施形態では、同期誤差反映部13が、同期誤差ΔT2の絶対値と、予め設定されたk3とを比較(S76)する。大きいか等しい場合は、第5の実施形態と同様に、同期制御を実行する側の設定手段6−1で設定する所定値(TDD1)に第1の補正値(k1・ΔT2)を加え(S56)、さらに、同期制御を実行しない側の設定手段6−2で設定する所定値(TDD2)に第2の補正値(k2・ΔT2)を加える(S57)。
これに対して、ΔT2の絶対値が、予め設定されたk3より小さい場合は、S56及びS57をバイパスする。
(効果)
本実施形態では、ΔT2の絶対値がk3より小さい場合は、第5の実施形態のS56及びS57の工程を省略することにより、同期誤差が小さい場合に不要な所定値の補正を実施することがなく、安定したサンプリング同期制御が可能となる。
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態では保護継電装置として電流差動保護継電装置を例に示したが、対向でサンプリング同期をとる装置であれば良く、電流差動保護継電装置に限定されない。
(2)第2〜第7の実施形態では、伝送路(チャンネル)が2重化されている例を示したが、伝送路はさらに多重化されていても良い。
(3)第3〜第7の実施形態では、チャンネル1でサンプリング同期制御を実施し、他方、チャンネル2ではサンプリング同期誤差の検出までを行い、サンプリング同期制御を実施しない例を示したが、チャンネル1とチャンネル2の機能を逆にしても良い。
(4)以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…計器用変流器
2…アナログディジタル変換部(AD部)
3…演算処理部
4,4−1,4−2…伝送処理部
5,5−1,5−2…計測手段
6,6−1,6−2…設定手段
7,7−1,7−2…同期誤差検出手段
8,8−1,8−2…同期制御手段
9…サンプリング信号
10…保護継電装置
11,11−1,11−2…サンプリング同期制御部
12…切り替え部
13…同期誤差反映部
20…保護継電装置
30…保護継電装置

Claims (6)

  1. 対向する伝送路を用いて周期的なデータ送受信を行う複数の保護継電装置において、
    前記伝送路は複数のチャンネルを具備し、チャンネル単位毎に、
    第1の保護継電装置が行ったサンプリングの特定タイミングから第2の保護継電装置が行った特定タイミングのデータを前記第1の保護継電装置が受信するまでの時間(TM)と、前記第2の保護継電装置が行ったサンプリングの特定タイミングから前記第1の保護継電装置が行った特定タイミングのデータを前記第2の保護継電装置が受信するまでの時間(TF)との時間差を計測する計測手段と、
    第2の保護継電装置から第1の保護継電装置への伝送路の伝送遅延時間(Td1)と、第1の保護継電装置から第2の保護継電装置への伝送路の伝送遅延時間(Td2)との伝送遅延時間差(Td2−Td1)に基づき所定値(TDD)を設定する設定手段と、
    前記時間差(TF−TM)と前記所定値(TDD)の差を同期誤差(ΔT)として検出する同期誤差検出手段と、
    前記同期誤差(ΔT)が0となるように前記第1の保護継電装置または前記第2の保護継電装置のサンプリングタイミングを制御する同期制御手段と、を具備し、
    一方のチャンネルでサンプリング同期制御を実行し、他方のチャンネルでサンプリング同期制御を実行しないようにするチャンネル間の切り替え部と、
    サンプリング同期制御を実行しないチャンネル側の同期誤差検出手段によって検出した同期誤差を、サンプリング同期制御を実行するチャンネル側の設定手段に反映する同期誤差反映部と、を備えることを特徴とする保護継電装置。
  2. 前記同期誤差反映部は、前記同期制御を実行していない側のチャンネルの同期誤差検出手段により検出した同期誤差に所定の係数を乗じて補正値を作成し、同期制御を実行する側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値に補正値を加算することを特徴とする請求項記載の保護継電装置。
  3. 前記同期誤差反映部は、前記同期制御を実行していない側のチャンネルの同期誤差検出手段により検出した同期誤差に所定の係数を乗じて補正値を作成し、前記同期誤差が、前回演算時の同期誤差と比較して絶対値が増大している場合には、同期制御を実行する側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値から前記補正値を減算することを特徴とする請求項記載の保護継電装置。
  4. 前記同期誤差反映部は、前記同期制御を実行していない側のチャンネルの同期誤差検出手段により検出した同期誤差にそれぞれ第1、第2の所定の係数を乗じて第1、第2の補正値を作成し、同期制御を実行する側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値に前記第1の補正値を加算するとともに、同期制御を実行しない側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値に前記第2の補正値を加算することを特徴とする請求項記載の保護継電装置。
  5. 前記同期誤差反映部は、前記同期制御を実行していない側のチャンネルの同期誤差検出手段により検出した同期誤差にそれぞれ第1、第2の所定の係数を乗じて第1、第2の補正値を作成し、前記同期誤差が、前回演算時の同期誤差と比較して絶対値が増大している場合には、同期制御を実行する側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値から前記第1の補正値を減算するとともに、前回演算時の同期誤差との関係に拘らず、同期制御を実行しない側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値に前記第2の補正値を加算することを特徴とする請求項記載の保護継電装置。
  6. 前記同期誤差反映部は、前記同期制御を実行していない側のチャンネルの同期誤差検出手段により検出した同期誤差が予め設定した値以上である場合のみに、同期制御を実行する側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値に前記第1の補正値を加算するとともに、同期制御を実行しない側のチャンネルの前記設定手段で設定した前記所定値に前記第2の補正値を加算することを特徴とする請求項記載の保護継電装置。
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