JP5925423B2 - 電極酸化防止有機デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極酸化防止有機デバイスおよび/またはその製造方法に関する。
ポリチオフェン系導電性高分子は、優れた導電性を示すπ共役系導電性高分子および/または優れたホール移動性を示す有機半導体として知られている。
しかし、汎用有機溶媒に溶解せず、また、融点を持たないという、いわゆる不溶不融の性質を持っていることから、従来、加工性が悪く、低コストで有機半導体デバイスまたは有機導電体デバイス(有機伝導体デバイスともいう。)を作成することが困難であった。
ところが、これらの導電性高分子の可溶化に関する数多くの研究の成果により、導電性高分子を汎用有機溶媒に溶解または水溶媒に分散するなど、実質的にまたは見かけ上で可溶化して溶液として得られる導電性高分子が得られるようになり、従来よりも低コストで、有機デバイスを作成することが可能となってきている。
導電性高分子を水溶媒に分散して可溶化しようとする場合には、高分子電解質と水溶媒との両方に可溶性を示す材料である、高分子電解質と混合することが一般的である。
例えば、ポリチオフェン系導電性高分子である、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を水溶媒に可溶化する場合には、高分子電解質としてポリスチレンスルホン酸(PSS)が有名であり、可溶性および印刷性向上等の観点から、これを大量に添加して、PEDOT/PSS水分散液として利用される。また、PSSは、PEDOTの可溶化に寄与するばかりでなく、PSSのスルホン酸基(−SO )が、PEDOTへのドーパントとしての機能を併せ持つことによって、導電性向上にも寄与している。
有機デバイスの応用としては、有機EL素子(エレクトロルミネッセンス)、太陽電池、液晶、電子ペーパー、タッチパネル、ICタグ等があり、フレキシブルなことなど、無機系半導体にはない特徴を利用したものも多い。また、印刷プロセス等を利用して、大量生産・大面積化が容易であり、低コストで有機デバイスを作成することが可能であることから、注目を浴びている。
しかしながら、有機EL等の表示デバイス、太陽電池など、導電性高分子/高分子電解質層を用いたデバイスでは、有機半導体材料や電極材料が水や水蒸気等の水分によって劣化しやすいことが知られている。すなわち、経時的にデバイスの劣化が進行し、表示デバイスでは発光しない部位であるダークスポットの発生の形で、太陽電池等の発電デバイスでは発電できない部位が増加し、セル出力の低下の形で、有機デバイスが劣化することが知られている。
有機デバイスの劣化の原因としては、ごく微量の水分の影響を受けて、水分により酸化しやすい電極(例えば、アルミニウム電極、マグネシウム電極、カルシウム電極等;一般的には、特に、アルミニウム電極)の酸化が進行することが挙げられる。
従来、これらの有機デバイスの製造においては、有機半導体材料を洗浄し、またはろ過精製することにより不純物を取り除いたうえで、有機半導体層の形成後の水分による劣化を低減し、および長寿命化を図るため、封止を強化することによって外部からの水分の侵入を防止する封止技術や、吸湿剤(乾燥剤)等に水分を吸収することによって内部に浸入した水分を除去する吸湿技術が適用されてきた(特許文献1〜5)。
ところが、封止の強化は、有機デバイスの大幅なコストアップを招き、低価格化を阻む素因となりうる。さらに、それによっても、水分の侵入を完全に阻止することはできないので、電極の酸化を防止することはできない。
そのため、極めて厳密な封止が必要ない、酸化しやすい電極の酸化が簡便かつ低コストに防止された、電極酸化防止有機デバイスおよびその製造方法が求められている。
特開2004−119210号公報 特開2007−134099号公報 特開2007−299538号公報 特開2008−98130号公報 特開2009−76232号公報
そこで、本発明は、極めて厳密な封止が必要ない、アルミニウム電極の酸化が簡便かつ低コストに防止された、電極酸化防止有機デバイスおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、導電性高分子/高分子電解質層の表面から高分子電解質が溶解除去されていると、極めて厳密な封止が必要ない、アルミニウム電極の酸化が簡便かつ低コストに防止された、電極酸化防止有機デバイスおよびその製造方法を提供することができることを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に掲げる(1)〜()を提供する。
(1)ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する電極酸化防止有機デバイスの製造方法であって、
前記導電性高分子/高分子電解質層の表面から高分子電解質溶解除去する工程を含む、電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
(2)ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する電極酸化防止有機デバイスの製造方法であって、
高分子電解質を表面に有する導電性高分子/高分子電解質層の表面と、前記高分子電解質に対して可溶である洗浄剤と、を前記洗浄剤が液体の状態で接触させる工程を含む、電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
)前記洗浄剤が、下記構造式(I)で表される有機化合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒を含有する、上記()に記載の電極酸化防止有機デバイスの製造方法:

ここで、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、Rは、Rとは独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、Rは、Rとは独立に、かつ、m≧2でRが複数存在するときは、それらは相互に独立にそれぞれ、水素原子およびアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、ならびに、XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびアシル基からなる群から選択されるいずれか1つである。
)前記有機溶媒が、プロピレングリコール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート、ジエチレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセタートおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つである、上記()に記載の電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
)前記ポリチオフェン系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であり、かつ、前記高分子電解質がポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸およびポリアクリルアミドスルホン酸からなる群から選択されるいずれか1つである、上記()〜()のいずれかに記載の電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
本発明によれば、極めて厳密な封止が必要なく、アルミニウム電極の酸化が簡便かつ低コストに防止された、電極酸化防止有機デバイスおよびその製造方法が提供される。
本発明の電極酸化防止有機デバイスは、アルミニウム電極の酸化が防止されるため、従来よりも長寿命化を図ることができる。
また、本発明の電極酸化防止有機デバイスの製造方法は、チオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する有機デバイスであれば、特に限定されず、適用することができる。
図1は、表面抵抗の測定方法の概要を表す図である。
[電極酸化防止有機デバイスおよびその製造方法]
本発明の電極酸化防止有機デバイスは、「ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する電極酸化防止有機デバイスであって、前記導電性高分子/高分子電解質層の表面から高分子電解質が溶解除去されている、電極酸化防止有機デバイス」である。
以下、本発明の電極酸化防止有機デバイスについて、以下に詳細に説明する。
1.導電性高分子/高分子電解質層
本発明の電極酸化防止有機デバイスは、ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する。
(1)ポリチオフェン系導電性高分子
ポリチオフェン系導電性高分子は、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、下記式(i)で表される構造を繰返し単位として含むものが好ましい。
上記式(i)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、C〜C20アルキル基またはC〜C20アルコキシ基を表す。
上記アルキル基および上記アルコキシ基は1〜8個の酸素原子および/または硫黄原子が挿入されてもよい。
あるいは、RおよびRは、同時に、置換されていてよいC〜C20ジオキシアルキレン基またはC〜C20ジオキシアリーレン基であってもよい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、また、下記式(ii)で表される構造を繰返し単位として含むものがより好ましい。
上記式(ii)において、Aは、置換されていてよいC〜Cアルキレン基またはC〜C12アリーレン基、好ましくは、置換されていてよいC〜Cアルキレン基である。
Rは、直鎖状または分岐鎖状の、置換されていてよいC〜C18アルキル基、好ましくは、直鎖状または分岐鎖状の、置換されていてよいC〜C14アルキル基;置換されていてよいC〜C12シクロアルキル基;置換されていてよいC〜C14アリール基;置換されていてよいC〜C18アラルキル基;または、置換されていてよいC〜Cヒドロキシアルキル基、好ましくは置換されていてよいC〜C20オキシアルキル基を表す。
xは、0〜8の整数、好ましくは0〜6の整数、より好ましくは0または1を表し、かつ、いくつかの基RがAに直接結合する場合に、これらは同一または異なっていてよい。
上記C〜Cアルキレン基Aとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基等が挙げられる。
上記C〜C12アリーレン基Aとしては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ペンジリデン基、アントラセニリデン基等が挙げられる。
上記C〜C18アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
上記C〜C18アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル等が挙げられる。
〜C12シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
〜C14アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
〜C18アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基等が挙げられる。
〜C20オキシアルキル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、3−メチルブチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、1,1−ジメチルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
上記アルキレン基またはアリーレン基Aとしては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン基、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホネート基、アミノ基、アルデヒド基、ケト基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、カーボネート基、カルボキシレート基、シアノ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、カルボキシルアミド基等が挙げられる。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、また、下記式(iii)で表される構造を繰返し単位として含むものがさらに好ましい。
式(iii)において、Rおよびxは、式(ii)におけるものと同じ意味である。
ポリチオフェン系導電性高分子は、上記の繰返し単位を一つ以上含んでいれば良く、共重合体であっても構わない。
ポリチオフェン系導電性高分子は1または2以上の光学異性体を有してもよい。
ポリチオフェン系導電性高分子は、ラセミ体、エナンチオマー的に純粋な、もしくはジアステレオマーとして純粋な化合物、または任意の割合で光学異性体比を調整してもよい。また、これらの混合物であってもよい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、オリゴチオフェン、オリゴ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリチオフェンおよびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択されるいずれか1つを使用することが好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を使用することが特に好ましい。
(2)高分子電解質
高分子電解質は、上記導電性高分子のドーパントとなる高分子の電解質であれば、特に限定されないが、上記導電性高分子が水や有機溶媒等に不溶または難溶である場合には、溶解または分散できるものが好ましい。
上記導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である場合には、高分子電解質としては、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸(PVS)、ポリアクリルアミドスルホン酸(PAAS)ならびにこれらの塩および誘導体からなる群から選択されるいずれか1つが好ましく、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がより好ましい。PSSはPEDOTおよび水の両方に可溶性を示し、PEDOT/PSS水分散液とすると、使いやすく、印刷プロセス等に対する適用性も高いからである。
(3)導電性高分子/高分子電解質層
本発明の電極酸化防止有機デバイスが有する導電性高分子/高分子電解質層は、上記ポリチオフェン系導電性高分子および上記高分子電解質を含有する。
上記導電性高分子/高分子電解質層は、所望により、さらに、成膜性の向上や品質強化などを目的として、ドーパント、触媒、高分子電解質、イオン交換樹脂、水、アルコール、グリコール類、アミン系溶剤等溶剤、塩、ワックス、湿潤剤、界面活性剤、導電性強化剤、硬化剤、耐摩耗剤、バインダー等、従来公知の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
本発明の電極酸化防止有機デバイスが有する導電性高分子/高分子電解質層は、その表面から高分子電解質が溶解除去されたものであり、好ましくは、導電性高分子/高分子電解質層の表面と、高分子電解質に対して可溶である洗浄剤(詳細は後述する。)と、をその洗浄剤が液体の状態で接触させて得られるものである。
表面から高分子電解質が溶解除去される前の導電性高分子/高分子電解質層の作成方法は、特に限定されず、従来公知の方法を使用することができる。例えば、導電性高分子、高分子電解質および、所望により添加剤、を含有する水分散液または水溶液混合水溶液を基板に塗布して作成することができる。
塗布の方法としては、従来公知の方法を使用することができるが、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、リップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法等が挙げられる。これらの方法は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の導電性高分子/高分子電解質層は、こうして作成された導電性高分子/高分子電解質層の表面から高分子電解質が除去されたものである。
導電性高分子/高分子電解質層の表面とは、導電性高分子/高分子電解質層の基板側とは反対側の面をいい、導電性高分子/高分子電解質層の作成時には外側になっている面である。
導電性高分子の比重が高分子電解質よりも大きいことなどにより、導電性高分子/高分子電解質層の下層(基板に近い方)では導電性高分子の濃度が高く、上層(基板から遠い方)では高分子電解質の濃度が高くなる傾向があることが知られている。
特に、導電性高分子/高分子電解質分散液から導電性高分子/高分子電解質層を形成する際に、溶媒乾燥・安定化のための熱処理(アニール処理)を施すと、高分子電解質が導電性高分子/高分子電解質層の表面に析出したり、高分子電解質だけで凝集したりすることが知られている。この現象は、導電性高分子の一次粒子の粒子径よりも高分子電解質の粒子径の方が小さく、導電性高分子/高分子電解質層を作成した際に、大きな導電性高分子が導電性高分子/高分子電解質層の下部に沈殿し、凝集するためであるといわれている。さらに、加熱により導電性高分子/高分子電解質層の流動性が高まり、導電性高分子の沈殿・凝集作用が加速されるためであるともいわれている。
さらに、高分子電解質には、ドーパントとしてだけではなく、導電性高分子の可溶化または分散化を促進する働きがあるため、高分子電解質は、ドーパントとして必要な量を超えて過剰量が添加されている。この過剰量は、通常、溶液または分散液の塗布性を向上させるために不可欠である。過剰量の高分子電解質を含むため、層形成後に何らかの処理をしなければ、表層(上層のうち、特に表面に近い部分をいう。)には、高分子電解質が主成分であって、導電性高分子が存在しない部分が存在すると考えられている。
なお、本発明においては、このような導電性高分子/高分子電解質層の表層部分に存在する高分子電解質を、過剰の高分子電解質という場合がある。
溶解除去とは、導電性高分子/高分子電解質層の表面から、高分子電解質を可溶化し、除去すること、またはその状態をいう。
可溶化する方法は特に限定されないが、導電性高分子/高分子電解質層の表面と、その表面に対して可溶である洗浄剤とを接触させることが好ましい。
除去する方法は特に限定されないが、可溶化した導電性高分子/高分子電解質層の表面を、上記洗浄剤で流去することが好ましい。
また、「洗浄剤が液体の状態で」とは、洗浄剤が液体である範囲内の温度、圧力等環境条件で、という意味である。液体の状態で接触することにより、導電性高分子/高分子電解質層の表面から、高分子電解質を溶解除去することができる。
導電性高分子/高分子電解質層の表面と洗浄剤との接触の際、洗浄剤が液体の状態であれば、洗浄剤の温度ならびに雰囲気の温度および圧力は、特に限定されず、例えば、温度は常温(20±15℃)、室温(25℃付近)、有機溶媒の沸点未満の温度等にすればよく、圧力は1気圧(1013hPa)等にすればよい。
導電性高分子/高分子電解質層の表面と洗浄剤とを接触させる具体的な方法は、従来公知の固液接触方法を使用することができ、ディッピング、吹き付け等の方法を挙げることができる。
接触させる時間は、特に限定されないが、本発明の電極酸化防止有機デバイスの製造スループットを低下させない、または向上させるため、接触時間は短い方がよく、好ましくは1時間以下、より好ましくは20分以下、さらに好ましくは5分以下、いっそう好ましくは1分以下、よりいっそう好ましくは30秒以下、さらにいっそう好ましくは5秒以下であり、さらには、1秒以下であってもよい。
(4)電極酸化防止有機デバイスの特徴
本発明の電極酸化防止有機デバイスは、導電性高分子/高分子電解質層の表面から高分子電解質が溶解除去されている。
これは、例えば、基板に対して垂直方向の抵抗率と水平方向の抵抗率との差が小さくなっていることによって、確認することができる。
また、成膜したPEDOT/PSS膜において、分光光学的に、膜中のPSS量の減少を確認することができる。
具体的な方法としては、入射光とラマン効果により散乱された光のエネルギー差から成分を定量するラマン分光法による成分分析、測定対象に赤外線を照射し、吸収された度合い(吸光度)の変化によって成分を算出する赤外分光法による成分分析、光が物質を通過する前後での強度の差(吸光度)と照射した光の波長との関係に基づいて特定の物質を定量する紫外可視分光光度計等によって、行うことができる。
本発明の電極酸化防止有機デバイスは、金属電極の材料は特に限定されず、従来公知の金属を使用することができるが、水分により酸化しやすい電極を使用した場合に、本発明の効果が大きい。水分により酸化しやすい電極としては、アルミニウム電極、マグネシウム電極、カルシウム電極等が挙げられ、これらの中でもアルミニウム電極が一般的であることから、特に有用である。
本発明の電極酸化防止有機デバイスは、具体的には、例えば、有機EL素子、液晶、電子ペーパー等の表示デバイス、太陽電池等の発電デバイス等に利用することができる。有機EL等の表示デバイスでは、発光しない部位であるダークスポットの発生が減少し、太陽電池等の発電デバイスでは、発電できない部位の発生が減少し、セル出力の低下が軽減される。
2.洗浄剤
洗浄剤は、導電性高分子/高分子電解質層の表面に存在する高分子電解質に対して可溶であれば、特に限定はされないが、導電性高分子/高分子電解質層の表面に対して可溶である有機溶媒を含有するものが好ましい。
この洗浄剤と、導電性高分子/高分子電解質層の表面とを、この洗浄剤が液体の状態で接触させると、高分子電解質の対イオン(例えば、PSS、PVS、PAAS等のスルホン酸基を有する高分子電解質の対イオンは、Na、K、H等のカチオンである。)が、上記有機化合物と置換して配位することによって、高分子電解質が上記有機溶媒にゆっくり溶解すると考えられる。これに対して、ドーパントとして導電性高分子との相互作用が強い高分子電解質は、対イオンとしてすでに導電性高分子が配位しているため、上記有機化合物が配位することができず、そのため、溶解もしないと考えられる。これによって、ドーパントとして導電性高分子と相互作用をしているものを除き、導電性高分子/高分子電解質層の表面(高分子電解質リッチである。)から、過剰の高分子電解質を徐々に溶解して除去することができていると考えられる。ただし、このメカニズムに限定されるものではないことを確認的に記載しておく。
上記有機溶媒は、導電性高分子/高分子電解質層の表面に対して可溶であれば特に限定されないが、1分子中に極性基を2つ以上有する有機化合物およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。
上記極性基は、特に限定されないが、具体的には、例えば、ヒドロキシ基、エーテル基(エーテル結合)、カルボニル基等が挙げられ、これらからなる群から重複を許して選択される2つ以上が好ましい。
上記有機溶媒としては、(ポリ)アルキレングリコール、そのモノ/ジエーテル、そのモノ/ジエステルおよびそのモノエーテルモノエステルからなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。なお、本発明において、(ポリ)アルキレングリコールとは、アルキレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールをいうものとする。
上記(ポリ)アルキレングリコール、そのモノ/ジエーテル、そのモノ/ジエステルおよびそのモノエーテルモノエステルからなる群から選択される少なくとも1つとしては、下記構造式(I)で表される有機化合物からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
ここで、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、Rは、Rとは独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、Rは、Rとは独立に、かつ、m≧2でRが複数存在するときは、それらは相互に独立にそれぞれ、水素原子およびアルキル基からなる群から選択される1つであり、ならびにXおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびアシル基からなる群から選択される。
さらに、上記有機溶媒は、下記構造式(II)で表される有機化合物からなる群から選択される少なくとも1つであることがより好ましい。
ここで、nは1以上の整数であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、ならびに、XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびアシル基からなる群から選択されるいずれか1つである。
上記構造式(I)および(II)において、nは、1≦n≦6であることが好ましく、1≦n≦4であることがより好ましく、1≦n≦2であることがさらに好ましくい。
また、上記構造式(I)において、mは、1≦m≦4であることが好ましく、1≦m≦2であることがより好ましい。
さらに、mおよびnは、相互に独立であるが、2≦n×(m+1)≦16であることが好ましく、2≦n×(m+1)≦8であることがより好ましく、2≦n×(m+1)≦4であることがさらに好ましい。
上記構造式(I)および(II)において、Rは、Rとは独立に、水素原子、C〜Cアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであることが好ましく、水素原子、メチル基およびエチル基からなる群から選択されるいずれか1つであることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
上記構造式(I)において、Rは、Rとは独立に、かつ、m≧2でRが複数存在するときは、それらは相互に独立にそれぞれ、水素原子、C〜Cアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであることが好ましく、水素原子、メチル基およびエチル基からなる群から選択されるいずれか1つであることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子であることがいっそう好ましい。
また、上記構造式(II)において、Rは、Rとは独立に、水素原子、C〜Cアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであることが好ましく、水素原子、メチル基およびエチル基からなる群から選択されるいずれか1つであることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子であることがいっそう好ましい。
上記構造式(I)および(II)において、Xは、Yとは独立に、水素原子、C〜Cアルキル基、アセチル基、プロピオニル基およびブタノイル基からなる群から、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基およびアセチル基からなる群から選択されることが好ましい。
上記構造式(I)および(II)において、Yは、Xとは独立に、水素原子、C〜Cアルキル基、アセチル基、プロピオニル基およびブタノイル基からなる群から、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基およびアセチル基からなる群から選択されることが好ましい。
上記構造式(I)で表されるアルキレングリコールとしては、具体的には、例えば、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール,ブタン−1,4−ジオール、2−メチルブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,2−ジオール、ペンタン−1,3−ジオール、ペンタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール等が挙げられる。
上記構造式(I)で表されるアルキレングリコールのモノエーテルとしては、例えば、上記アルキレングリコールの2つのヒドロキシ基の水素原子の一方を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
また、上記構造式(I)で表されるアルキレングリコールのジエーテルとしては、例えば、上記アルキレングリコールの2つのヒドロキシ基の水素原子の両方を、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基からなる群から重複を許して選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるアルキレングリコールのモノエステルとしては、例えば、上記アルキレングリコールの2つのヒドロキシ基の水素原子の一方を、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、バレリル基およびカプロイル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるアルキレングリコールのジエステルとしては、例えば、上記アルキレングリコールの2つのヒドロキシ基の水素原子の両方を、それぞれ独立に、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、バレリル基およびカプロイル基からなる群から重複を許して選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるアルキレングリコールのモノエーテルモノエステルとしては、例えば、上記アルキレングリコールの2つのヒドロキシ基の一方を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換し、かつ、他方をアセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、バレリル基およびカプロイル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(1,2−ブチレングリコール、ポリ(1,3−ブチレングリコール)およびポリ(1,4−ブチレングリコール等が挙げられる。
上記構造式(I)で表されるポリアルキレングリコールのモノエーテルとしては、例えば、上記ポリアルキレングリコールの繰返し単位中の2つのヒドロキシ基の水素原子の一方を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
また、上記構造式(I)で表されるポリアルキレングリコールのジエーテルとしては、例えば、上記ポリアルキレングリコールの繰返し単位中の2つのヒドロキシ基の水素原子の両方を、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基からなる群から重複を許して選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるポリアルキレングリコールのモノエステルとしては、例えば、上記ポリアルキレングリコールの繰返し単位中の2つのヒドロキシ基の水素原子の一方を、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、バレリル基およびカプロイル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるポリアルキレングリコールのジエステルとしては、例えば、上記ポリアルキレングリコールの繰返し単位中の2つのヒドロキシ基の水素原子の両方を、それぞれ独立に、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、バレリル基およびカプロイル基からなる群から重複を許して選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記構造式(I)で表されるポリアルキレングリコールのモノエーテルモノエステルとしては、例えば、上記ポリアルキレングリコールの繰返し単位中の2つのヒドロキシ基の一方を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換し、かつ、他方をアセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、バレリル基およびカプロイル基からなる群から選択されるいずれか1つで置換したものが挙げられる。
上記有機溶媒としては、具体的には、好ましくは、エチレングリコール(エタン−1,2−ジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のジアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−sec−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−tert−ブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のテトラエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセタート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセタート類;プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセタート、プロピレングリコール−1−モノ−n−プロピルエーテル−2−アセタート、プロピレングリコール−1−モノイソプロピルエーテル−2−アセタート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセタート類;ジエチレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート、ジエチレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセタート、ジエチレングリコール−1−モノ−n−プロピルエーテル−2−アセタート等のジエチレングリコールモノエーテルモノエステル類;などが挙げられ、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて、使用することができる。
上記有機溶媒としては、具体的には、より好ましくは、プロピレングリコール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート、ジエチレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセタート等が挙げられ、これらのうちの1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて、使用することができる。
アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールまたはそのモノエーテル、ジエーテル、モノエステル、ジエステルもしくはモノエーテルモノエステルのうちでも、特に、分子量60〜400、かつ、標準沸点300℃以下のものが好ましい。
上記洗浄剤は、上記有機溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、酸化防止剤、安定化剤、希釈剤等が挙げられる。
3.電極酸化防止有機デバイスの製造方法
本発明の電極酸化防止有機デバイスの製造方法は、「ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する電極酸化防止有機デバイスの製造方法であって、高分子電解質を表面に有する導電性高分子/高分子電解質層の表面と、前記高分子電解質に対して可溶である洗浄剤と、を前記洗浄剤が液体の状態で接触させる工程を含む、電極酸化防止有機デバイスの製造方法」である。
本発明の電極酸化防止有機デバイスの製造方法は、高分子電解質を表面に有する導電性高分子/高分子電解質層の表面と、前記高分子電解質に対して可溶である洗浄剤と、を前記洗浄剤が液体の状態で接触させる工程を含み、これにより、表面から高分子電解質が溶解除去された導電性高分子/高分子電解質層を得るものである。
本発明の電極酸化防止有機デバイスの製造方法は、上記工程を含むものであれば特に限定されず、他の工程を付加してもよい。
導電性高分子/高分子電解質層、洗浄剤等については、詳細はすでに上記したとおりである。
4.作用効果のメカニズムの説明
以下に記載するメカニズムによって本発明の作用効果が奏されると考えられるが、必ずしもここに記載したメカニズムに限定されるものではない。
高分子電解質は、極性の高い部位を有しているため、高分子ではあるが、同時にイオン輸送体(イオンを移動する能力を有する化合物またはイオンをいう。)である。ここで、イオン輸送体が移動可能なイオンは、デバイス構成材料中の不純物に由来するイオンだけでなく、水に由来するイオン(水素イオン)も移動可能である。ここで、高分子電解質はイオン輸送体であるばかりでなく、それ自身が極性の高い部位を有しているため、高分子電解質自身がイオンを捕捉する能力が高い。そのため、高分子電解質は、イオンを捕捉し、移動させてしまう働きをする。
一方、イオン電導は、π共役系導電性高分子の導電原理である電子伝達と比較して、伝導速度が極めて遅い特徴を有している。このことは、セルに電場がかかることにより動作するデバイス応用において、イオン輸送体がイオンを捕捉し、補足したイオンを電場に沿ってゆっくり移動させるために、デバイスをゆっくり破壊するデバイス劣化を引き起こす。高分子電解質のイオンを捕捉する性質は、水を捕捉することに繋がり、微量の水分を捕捉した上で移動させてしまうため、微量の水分であってもデバイス劣化を引き起こす。
このことから、導電性高分子/高分子電解質層を形成した後で、そこからイオン輸送体としての高分子電解質を除去すれば、印刷性等を損なわず、デバイス劣化を防止することができることがわかる。
また、PEDOT/高分子電解質溶液から膜を形成する際に、溶媒乾燥・安定化のための熱処理を施すと、高分子電解質が高分子電解質層の表層に偏在もしくは、高分子電解質だけで凝集することが知られている。この現象は、PEDOTの一次粒子よりも高分子電解質の方が小さく、PEDOT/高分子電解質層を作成した際に、大きなPEDOTがPEDOT/高分子電解質層の下部に沈殿し、凝集するためであるといわれている。
これにより、接触する部材と高分子電解質とが直接接触すると、イオンの捕捉・移動による劣化だけでなく、凝集による層の膜または層の厚さの不均一性が生じ、膜または層に印加される電場の不均一性に由来するデバイス劣化の加速が生じる。高分子電解質の表層への偏在または高分子電解質だけでの凝集は、有機デバイスを構成した際に、余分なエネルギーギャップを生じ、性能低下を招いてしまう。
このことからも、導電性高分子/高分子電解質層を形成した後で、そこからイオン輸送体としての高分子電解質を除去すれば、印刷性等を損なわず、デバイス劣化を防止することができることがわかる。
アルキレングリコールは、2カ所以上のエーテルに代表される極性基を有し、アルキレングリコールの極性基が高分子電解質のカチオンに対して配位構造をとることが可能である。高分子電解質の対イオンであるカチオン(ナトリウム、カリウムイオンなど)とアルキレングリコールが配位することにより、高分電解質を溶解する。
一方、ドーピングに用いられている高分子電解質は、高分子電解質のカチオンに相当する部分に導電性高分子が配位しているため、アルキレングリコールがドーパントとしての高分子電解質に配位し、高分子電解質をほとんど溶解させることはない。
これにより、導電性高分子を溶解させることなくイオン輸送体としての高分子電解質のみを溶解すると考えられる。
また、配位させながら溶解するため、溶解速度は遅く、高分子電解質と同時にPEDOT層を崩さない利点もある。
[実施例1]
1.半導体基板の作製
(ガラス基板の洗浄)
ガラス基板としてガラススライド(25mm×38mm)を用いた。
このガラススライドを、ピラニア(Piranha)溶液(濃硫酸:過酸化水素水(30v/v%)=3:1)で1時間洗浄し、その後純水中超音波で10分間洗浄し、60℃のオーブンで1晩以上乾燥した。
(金薄膜層の作成)
乾燥後に、ガラススライドの片面に金を蒸着し、金薄膜を形成した。
金薄膜の厚さは0.2μmとした。これを金電極層とした。
(ポリチオフェン系導電性高分子/高分子電解質層の作成)
金薄膜層の上にポリチオフェン系導電性高分子/高分子電解質層を形成した。
ポリチオフェン系導電性高分子/高分子電解質として、PEDOT/PSS水分散液(PEDOT:PSS=1:2.5(質量比)、固形分1.1wt%;CLEVIOS P、H.C.スタルク社)を使用し、これを前記の金薄膜上に3000rpmでスピンコートした。
なお、本工程で作成したポリチオフェン系導電性高分子/高分子電解質層を、以下、「PEDOT/PSS層」という。
2.基板の洗浄
PEDOT/PSS層を形成したガラス基板を、未乾燥のまま、室温、大気圧条件下で、下記洗浄剤に、下記接触時間の間接触させた。その後、大気雰囲気下で130℃−20分間の加熱乾燥をし、厚さ90nmのPEDOT/PSS層を形成した。
洗浄剤:プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート
接触時間:10分
3.表面抵抗値の測定試験
図1に示すような表面抵抗測定装置1を用いて、表面抵抗値の測定を行った。
PEDOT/PSS層は垂直方向に不均一な層であり、上層部はPSSリッチな高抵抗の層が形成されている。したがって、表面抵抗値の低下は、PSSリッチな層の少なくとも部分的な除去を示唆する。したがって、表面抵抗値が低下していることは、デバイス劣化の防止、すなわち、アルミニウム電極の経時的劣化(酸化)が防止されていることを意味する。
表面抵抗値の測定は、金電極層16と可動探針12との間の抵抗を、圧力が印加可能な可動探針12で測定した。
PEDOT/PSS層15への荷重を0gから100gまで増大させ、その抵抗値をモニタリングした。探針の接触面積は約1mmであった。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例1の欄に示す。
[実施例2]
「2.基板の洗浄」工程において、PEDOT/PSS層を形成したガラス基板を、大気雰囲気下で130℃−20分間の加熱乾燥をした後に洗浄を行った点および洗浄後の加熱乾燥を大気雰囲気下で130℃−10分間の条件で行った点を除き、実施例1と同様にして行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例2の欄に示す。
[実施例3]
洗浄剤と基板との接触時間を5分とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例3の欄に示す。
[実施例4]
洗浄剤と基板との接触時間を20分とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例4の欄に示す。
[実施例5]
洗浄剤と基板との接触時間を1時間とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例5の欄に示す。
[実施例6]
洗浄剤と基板との接触時間を1秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例6の欄に示す。
[実施例7]
洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例7の欄に示す。
[実施例8]
洗浄剤と基板との接触時間を30秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例8の欄に示す。
[実施例9]
洗浄剤と基板との接触時間を1分とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例9の欄に示す。
[実施例10]
洗浄剤としてジエチレングリコールジメチルエーテルを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例10の欄に示す。
[実施例11]
洗浄剤としてテトラエチレングリコールジメチルエーテルを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例11の欄に示す。
[実施例12]
洗浄剤としてジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタートを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例12の欄に示す。
[実施例13]
洗浄剤としてエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタートを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例13の欄に示す。
[実施例14]
洗浄剤としてジエチレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセタートを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例14の欄に示す。
[実施例15]
洗浄剤としてプロピレングリコールを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を5秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示した荷重を表1の実施例15の欄に示す。
[比較例1]
「2.基板の洗浄」工程において、PEDOT/PSS層を形成した未乾燥のガラス基板を、大気雰囲気下、130℃−20分間の条件で加熱乾燥して、厚さ90nmのPEDOT/PSS層を形成し、その後、さらに、大気雰囲気下、130℃−10分間の条件で加熱乾燥した点を除いて実施例1と同様にして基板の作製および表面抵抗値の測定を行った。
荷重を100gにしても、抵抗値が0.3Ωまたは0.5Ωを示すことはなかった。結果を表1の比較例1の欄に示す。
[比較例2]
洗浄剤としてアセトンを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を10分とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および基板の洗浄を行った。
基板をアセトンと接触させてすぐに、PEDOT/PSS層がアセトンに分散した。
表面抵抗値の測定をすることはできなかったため、表1の比較例2の欄には「膜保持不可」と記載した。
[比較例3]
洗浄剤としてアセトンを使用し、洗浄剤と基板との接触時間を1秒とした点を除き、実施例1と同様にして基板の作製および基板の洗浄を行った。
基板をアセトンと接触させてすぐに、PEDOT/PSS層がアセトンに分散した。
表面抵抗値の測定をすることはできなかったため、表1の比較例3の欄には「膜保持不可」と記載した。
[実施例16]
酸化錫インジウム(ITO)透明電極付きガラス基板を、RCA洗浄およびトルエン、エタノール中で5分間超音波洗浄した。純水で4回すすぎ、さらに純水中超音波で10分洗浄し、60℃のオーブンで一晩以上乾燥した。
ポリチオフェン系導電性高分子/高分子電解質としてPEDOT/PSS水分散液(PEDOT:PSS=1:2.5(質量比)、固形分1.1wt%;CLEVIOS P,H.C.スタルク社)を使用した。PEDOT/PSS水分散液を金薄膜上に3000rpmでスピンコートし、PEDOT/PSS層を形成した。PEDOT/PSS層を形成した基板を室温、大気圧条件下、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートに10分間接触させて、130℃−20分加熱乾燥し、正孔輸送層として厚さ約90nmのPEDOT/PSS層を形成した。
次に、電子輸送層上に、真空蒸着装置を用いて、圧力2.0×10−5Pa、蒸着速度0.1Å/秒の条件で抵抗加熱法により、発光層として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)を50nm蒸着した。
最後に、真空蒸着装置を用いて、圧力2.0×10−5Pa、蒸着速度2Å/秒の条件で、抵抗加熱法によってアルミニウムを蒸着し、厚み200nmの陰極を得て、有機EL素子を完成した。
得られた有機EL素子に通電し駆動させたところ、発光層に由来する発光が確認できた。
無封止の状態で、大気中(23℃、相対湿度50%RH)において、8Vで通電し、ダークスポットが全体の5%程度発生する時間(DS5%時間)を計測した。結果を表2の実施例16の欄に示す。
[比較例4]
同様に比較実験として、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートでの洗浄工程以外は同様にして有機ELデバイスを作製した。
無封止の状態で、大気中(23℃、相対湿度50%RH)において、8Vで通電し、ダークスポットが全体の5%程度発生する時間(「DS5%時間」という。)を計測した。結果を表2の比較例4の欄に示す。
[実施例1、2、比較例1]
比較例1では荷重100gまで上げても表層のPSS濃度の高い層のため、0.5Ω以下はもちろんのこと、測定限界である100Ωにも達しなかった。
実施例1、2に示したように、PEDOT/PSS層の表面とプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートとを接触させたばあいには、低荷重で良好な導通を得ることができた。これは、表面のイオン輸送性の高分子電解質のみ除去できたことを示唆する。
実施例1、2の結果は、アニールの前後によらず、本発明の方法を適用することができることを示唆する。
さらに、(1)STMによる測定結果、(2)実施例1および2はともに導電性薄膜の表面抵抗の大幅減少、(3)紫外可視吸光計による導電性高分子に相当する吸収の変化なし、(4)PEDOTの層厚変化なし、(5)紫外可視吸光計によるPSSに相当する吸収の減少、(6)熱重量測定(Tg/dTA)を用いた分析の結果、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートの沸点付近に重量変化は観察されず、導電性薄膜にプロピレングリコール−1−モノエステル−2−アセタートが残留していないことを確認できた。これらの結果より、イオン輸送性の高分子電解質のみが除去されたことが確認でき、本発明の方法の有効性が確認できた。
[実施例3〜9]
接触時間を1秒から1時間の間で変更しても、イオン輸送性の高分子電解質のみが除去できることが確認できた。
すなわち、本発明の方法では、厳密な接触時間の制御が不要であるため、制御が容易であることが確認できた。
[実施例10〜15、比較例2、3]
様々な洗浄剤を接触させた例である。
洗浄剤を変更してもイオン輸送性の高分子電解質のみを除去できることが確認できた。
一方、アセトンは、PEDOTおよびPSSの両方に対して可溶性であるため、比較例2、3では接触後すぐにPEDOT/PSS層が溶解し、膜保持不可となった。
[実施例16、比較例4]
アルキレングリコール系洗浄剤でポリチオフェン系導電性高分子/高分子電解質層を洗浄することにより、アルミニウム電極の劣化速度を遅くできることが予測できる。
11 表面抵抗測定装置
12 可動探針
13 圧力計
14 抵抗計
15 PEDOT/PSS層
16 金電極層
17 ガラス基板
18 リード線

Claims (5)

  1. ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する電極酸化防止有機デバイスの製造方法であって、
    前記導電性高分子/高分子電解質層の表面から高分子電解質溶解除去する工程を含む、電極酸化防止有機デバイスの製造方法
  2. ポリチオフェン系導電性高分子および高分子電解質を含有する導電性高分子/高分子電解質層を有する電極酸化防止有機デバイスの製造方法であって、
    高分子電解質を表面に有する導電性高分子/高分子電解質層の表面と、前記高分子電解質に対して可溶である洗浄剤と、を前記洗浄剤が液体の状態で接触させる工程を含む、電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
  3. 前記洗浄剤が、下記構造式(I)で表される有機化合物からなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒を含有する、請求項に記載の電極酸化防止有機デバイスの製造方法:

    ここで、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、Rは、Rとは独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、Rは、Rとは独立に、かつ、m≧2でRが複数存在するときは、それらは相互に独立にそれぞれ、水素原子およびアルキル基からなる群から選択されるいずれか1つであり、ならびに、XおよびYは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびアシル基からなる群から選択されるいずれか1つである。
  4. 前記有機溶媒が、プロピレングリコール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート、ジエチレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセタートおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項に記載の電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
  5. 前記ポリチオフェン系導電性高分子がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であり、かつ、前記高分子電解質がポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸およびポリアクリルアミドスルホン酸からなる群から選択されるいずれか1つである、請求項のいずれかに記載の電極酸化防止有機デバイスの製造方法。
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