JP5924612B2 - 耐酸性セメント組成物及びそれを配合した耐酸性モルタル又はコンクリート - Google Patents

耐酸性セメント組成物及びそれを配合した耐酸性モルタル又はコンクリート Download PDF

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Description

本発明は、主に土木・建築業界において使用されるセメント組成物、及び前記セメント組成物を配合したモルタル又はコンクリートに関する。詳しくは、コンクリートやモルタルに配合される耐酸性を向上させる耐酸性セメント組成物、並びに前記耐酸性セメントに、水及び細骨材を加えたモルタル、あるいは水、細骨材及び粗骨材を加えたコンクリートに関する。
近年、日本だけでなく海外各地で道路下の下水道管の劣化によって、道路が陥没する事故が報告されており、下水道コンクリート及び地下構造物において、微生物が介在する硫酸によるコンクリートの劣化が社会的に大きな問題となっている。
このコンクリートの劣化に対する技術として、普通ポルトランドセメントと、シリカフュームと、高炉水砕スラグ粉とからなる3成分系の耐酸性セメント組成物であって、前記高炉水砕スラグ粉の含有量が、前記普通ポルトランドセメントの含有量と同等か又はそれより多く、前記普通ポルトランドセメントが30〜40質量%、前記シリカフュームが12〜25質量%、前記高炉水砕スラグ粉が40〜58質量%で、これら3成分で100質量%となる耐酸性セメント組成物に関する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、ポルトランドセメント10〜30部、高炉スラグ20〜40部、フライアッシュ10〜30部、シリカフューム10〜20部、及び硫酸塩1〜10部を含有してなるセメント組織物に関する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
また、耐酸性コンクリート部材として、セメント質材料としてPFBC灰とセメントとを含み、前記セメント質材料に占める前記PFBC灰の含有率が40質量%以上50質量%以下であり、前記セメント質材料に占める前記セメントの含有率が20質量%以上30質量%以下であるコンクリート部材に関する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特開2010−155734号公報 特開2002−128559号公報 特開2011−88800号公報
しかし、既設下水道コンクリート構造物へ表面被覆の補修材として使用する場合には、下水道使用を長期間止めることができず3日で補修を完了して下水を流す場合がある。この点からみると、特許文献1に記載の発明は、段落[0032]の表4に記載されているように、圧縮強度は材齢7日では3.81〜7.68N/mmであり、かつ材齢28日では実施例1で42.8N/mmであるので、下水道コンクリート自体にセメント組成物を提供する場合はよいが、既設下水道コンクリートの表面被覆の補修材として使用する場合には、補修用セメント混合物に必要とされる圧縮強度を規定した、東京都下水道局の表面被覆材に関する[コンクリート改修技術マニュアル]の材齢3日で25N/mm以上、かつ材齢28日で45N/mm以上という規定を満足していないという問題があった。
特許文献2に記載の発明については、表面被覆材に必要とされる圧縮強度を規定した東京都下水道局の[コンクリート改修技術マニュアル]に規定された圧縮強度に対し、材齢3日や材齢7日の初期における圧縮強度の記載がなく不明であり、かつ段落[0026]表2における材齢28日における圧縮強度はすべて45N/mm以下であるので、少なくとも下水道の表面部の被覆補修用としては適さないという懸念点があった。
また、特許文献3に記載のコンクリート部材は、耐酸性の効果を確認するために圧縮強度試験と質量減少率の結果を開示されているが、硫酸浸透深さについての記載がない。一般的に、耐酸性の効果を確認する試験としてはコンクリートとしての強度発現の早いものと強度発現の遅いものができるため、例えば強度発現の遅いコンクリートの場合は質量減少率が小であっても硫酸がコンクリート内部に浸透していることがあり表面から内部まで硫酸による劣化が進行していることから、圧縮強度試験、質量減少率及び硫酸浸透深さの3つの試験が必要とされる。
特許文献3に記載の技術には混和材として強度発現の遅いフライアッシュやPFBC灰を使用しており、初期にコンクリートの表面部に剥離による質量減少がみられなくても表面から内部に至るまで空隙ができて硫酸が浸透しているというケースがあることから、圧縮強度試験と質量減少率とでは硫酸による劣化が進んでいないようにみえても水和反応が進行していないため、表面から内部に至るまで空隙が多く硫酸が内部まで浸透していることが懸念されるという問題があった。
また、特許文献3によれば、水結合材比は、段落[0034]に30質量%又は40質量%で実施した記載があり、段落[0057]に耐酸性に優れているものとして水結合材比が30質量%の場合を示唆する記載がある。
下水道コンクリートの劣化の過程として以下の過程が考えられる。下水道内部の下水部に生息する嫌気性の硫酸塩還元細菌が生活排水中に存在する硫酸イオンを食して硫化水素を排出する。排出された硫化水素が流れの乱れる個所で下水道上部にガスとして放散される。下水道上部の大気中好気性環境においては、硫黄酸化細菌やその他種々の細菌が生息しており、これらの細菌が硫化水素ガスを食し硫酸を排出する。この硫酸が、下水道管のコンクリート壁の結露水に溶け込み、その硫酸を含んだ結露水がコンクリート内に浸入してくると、生成された強酸性である硫酸がコンクリート中の強アルカリ性である水酸化カルシウムと激しく反応し、コンクリートの表面部に泥状化した二水石膏が生成され、前記泥状化した二水石膏が表面部から剥離し、下水道コンクリート管上部の劣化に至る。
したがって、本発明の目的は、初期及び中長期における圧縮強度を発現する混和材を有し、新設の下水道構造物の建設工事及び既設下水道構造物のコンクリート又はモルタルの表面部の被覆補修工事の両工事に適応可能な耐酸性セメント組成物を提供するとともに、耐酸性セメント(組成物)を用いた耐酸性のモルタル又はコンクリートを提供することである。
本発明において、「セメント組成物」とは、モルタル又はコンクリートに混合される、ポルトランドセメント又は高炉セメント、シリカフューム、並びに、高炉スラグ微粉末を意味する。なお、ポルトランドセメント又は高炉セメントの質量に対して0.1〜2質量%添加する高性能減水剤や流動化剤などの混和剤を含むセメント組成物もある。
本発明において、「初期強度発現性を有する」とは、モルタル又はコンクリートを打ち込んだときから約7日までの期間においてモルタル又はコンクリートの強度を発現させることを有するということを意味し、「中長期強度発現性を有する」とは、モルタル又はコンクリートを打ち込んだときから約7日以降においてモルタル又はコンクリートの強度を発現させることを有するということを意味する。
本発明において、「成分」とは、セメント質材料に属する、セメント、シリカフューム、高炉フューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、砥石粉又は汚泥などの材料を意味し、「3成分」とは3種類のセメント質材料を意味する。本発明における「成分」には混和剤を含んでいない。
本発明において、「水結合材比」とは、セメント及び混和材との混合物であるセメント組成物をセメント質材料というが、前記セメント質材料の総質量に対する水の質量の比率を意味する。また、「耐酸性セメント組成物」は耐酸性を有するセメントとするために構成される組成物からなるセメント質材料を意味し、「耐酸性セメント」とは耐酸性を有するセメントを意味するので、「耐酸性セメント組成物」と「耐酸性セメント」とは実質的に同義語である。
「発明が解決しようとする課題」に記載した課題を解決するために、請求項1に記載の耐酸性セメント組成物の発明は、ポルトランドセメント又は高炉セメント40超〜50質量%と、ポゾラン反応性を有して初期強度を発現する混和材であるシリカフューム10〜30質量%と、潜在水硬性を有して中長期強度を発現する混和材である高炉スラグ微粉末20〜25質量%とからなり、前記ポルトランドセメント又は高炉セメントと、前記初期強度発現性を有するシリカフュームと、前記中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末とで100質量%となることを特徴とする。
請求項2に記載の耐酸性セメント組成物の発明は、ポルトランドセメント又は高炉セメント40超〜50質量%と、ポゾラン反応性を有して初期強度を発現する混和材であるシリカフューム10〜30質量%と、潜在水硬性を有して中長期強度を発現する混和材である高炉スラグ微粉末20〜25質量%と、前記ポルトランドセメント又は高炉セメントの質量に対して0.1〜2質量%添加する、高性能減水剤や流動化剤などの混和剤とからなり、前記ポルトランドセメント又は高炉セメントと、前記初期強度発現性を有するシリカフュームと、前記中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末と、前記混和剤とで100質量%となることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、下水道、トンネル、地下歩道、地下商店街、地下自動車道などの地下構造物の建設工事、及び既設地下構造物の表面部の被覆補修工事の両工事に適応可能となるという効果を奏する。
また、セメント組成物中のセメント配合量が40質量%以下になるとコンクリート又はモルタルの初期における圧縮強度が発現しにくいし、セメント組成物中のセメント配合量が50質量%超になるとセメントと水との水和反応で水酸化カルシウムが多く生成されコンクリート又はモルタルの耐酸性が低下する。したがって、所要の圧縮強度と耐酸性との両方を実現させることができるという効果を奏する。
また、セメント量の一部をシリカフューム、高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどに置換して、セメント組成物中のセメントの配合割合を100質量%から減少させることにより、コンクリート又はモルタル中に生成される水酸化カルシウムの生成量を減少させ、強アルカリ性である水酸化カルシウムと強酸性である硫酸との反応によって生成される二水石膏の量を抑制することができるという効果を奏する。
さらに、ポゾラン反応性を有し初期強度を発現するシリカフューム、高炉フューム又は初期における潜在水硬性を有する高炉スラグ微粉末、及び潜在水硬性を有し中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末又はフライアッシュなどを配合させることから、コンクリート又はモルタル中に生成された水酸化カルシウムが硫酸と反応して二水石膏に変化する前に、ポゾラン反応性や潜在水硬性による反応によって初期及び中長期に亘って水酸化カルシウムを消費することから、コンクリートやモルタルが硫酸によりブヨブヨ状態に劣化するのを抑制するという効果を奏する。
そして、モルタル又はコンクリートの長寿命化を実現させることから、下水道コンクリートなどの地下構造物のライフサイクル・コストを低減させることができるという効果を奏する。
そして、20℃水中の標準養生した試料を用いて、コンクリートの圧縮強度試験方法であるJIS A 1108に準じて圧縮強度試験を実施した結果、セメントとして普通ポルトランドセメントを使用した場合で材齢3日の圧縮強度試験で36〜38N/mm の圧縮強度になり、下水道の断面修復モルタルの品質規格に「材齢3日の圧縮強度が25N/mm 以上」の規定を大幅に具備させることができるという効果を奏する。
請求項2の発明は請求項1と同じ効果を奏する。さらに、流動性の優れたモルタル又はコンクリートをつくるため、各種混和剤を用いてそれぞれの用途に応じた効果を得ることができる。
本発明のセメント組成物は、コンクリートやモルタルに使用されるセメント組成物であって、セメント40超〜50質量%と、ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して初期で強度を発現する混和材10〜30質量%と、ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して中長期で強度を発現する混和材20〜50質量%とからなり、前記セメントと前記初期強度発現性を有する混和材と前記中長期強度発現性を有する混和材との3成分〜7成分のセメント質材料で100質量%の耐酸性セメント組成物である。
また、モルタル又はコンクリートの性状によっては、セメントの質量に対して0.1〜2質量%添加する高性能減水剤や流動化剤などの混和剤を含んで、前記セメント、前記混和材及び前記混和剤とで100質量%の耐酸性セメント組成物である場合もあり、高性能減水剤や流動化剤などの混和剤を含まない耐酸性セメント組成物である場合もある。
本発明で使用するセメントとしては、ポルトランドセメント又は高炉セメントである。また、前記ポルトランドセメントとしてはJIS規格に適合したポルトランドセメントでよく、普通、早強、超早強又は中庸熱などのポルトランドセメントのうち、いずれの種類のポルトランドセメントでもよい。また、高炉セメントとしては、スラグ比率によってA種(5〜30%)、B種(30〜60%)、C種(60〜70%)の三種のうち、いずれの種類の高炉セメントでもよい。
セメント組成物に配合されるセメント量の配合割合は、セメント組成物中のセメント配合量が40質量%以下になるとコンクリート又はモルタルの初期における圧縮強度が発現しにくいし、セメント組成物中のセメント配合量が50質量%超になるとセメントと水との水和反応で水酸化カルシウムが多く生成されコンクリート又はモルタルの耐酸性が低下することから、40超〜50質量%がよい。
本発明では、セメント配合率100質量%のセメント組成物の中のセメントの一部を混和材に置換してセメント配合率を減少させている。その混和材として、ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して初期で強度を発現する混和材と、ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して中長期で強度を発現する混和材とを併用することとしており、本発明は、3成分〜7成分のセメント質材料から構成されるセメント組成物である。
さらに、前記初期及び中長期で強度を発現する、それぞれ1種ずつの混和材に加えて、中長期で強度を発現する混和材として、砥石粉を併用させる場合もあり、この場合は中長期強度発現性を有するセメント質材料が1成分増える。
ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して初期に強度を発現する混和材としては、シリカフューム、高炉フューム又は高炉スラグ微粉末等が挙げられ、ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して中長期で強度を発現する混和材としては、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石膏ボードの粉砕物、瓦の粉砕物又は汚泥等が挙げられる。
ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して初期に強度を発現する混和材の配合割合は、セメント40超〜50質量%を要件とした場合、10質量%以下では下水道コンクリートなどの地下構造物の表面部の被覆補修工事に必要とされる初期強度が不足し、30質量%以上になると中長期で強度を発現する混和材が量的に不足することと、シリカフュームが高価であることから、10〜30質量%を設定する。
ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有して中長期で強度を発現する混和材の配合割合は、セメント40超〜50質量%と初期強度発現性を有する混和材10〜30質量%を要件とし、かつ中長期で強度を発現させることを要件として配合割合を設定した。20質量%以下では中長期での強度が確保できないこと、及び50質量%以上になると、セメントや初期強度発現性を有する混和材の最低限の配合割合が確保できないことのため、20〜50質量%を設定した。
さらに、中長期における強度発現を図るために、砥石粉を5〜15質量%配合させる。これは、5質量%未満であると砥石粉による強度発現が顕在化せず、15質量%超になると中長期における水酸化カルシウムの消費量が増加する効果があるが、砥石粉の強度発現性が高炉スラグ微粉末より遅いので、15質量%以下とした。
また、耐酸性セメント(組成物)に水を加えるとセメントペーストになり、前記セメントペーストに細骨材を混合するとモルタルになり、前記セメントペーストに細骨材と粗骨材を混合するとコンクリートとなる。このときにセメントペーストにおける水結合材比によってモルタル又はコンクリートの酸性物質による劣化状態が異なる。水結合材比が50質量%未満の場合はセメント量が多くなって生成される水酸化カルシウムが増大し二水石膏が多く生成され泥状化が進む。また、前記水結合材比が65%超である場合は、モルタル又はコンクリート中に混合されたセメント量が減じられ過ぎ圧縮強度が得られにくい。これにより、水結合材比を50〜65質量%とすることによってモルタル又はコンクリートとしての耐酸性及び圧縮強度を最も高めることができる。
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。まず、本発明である耐酸性セメント組成物に関する実施例を説明する。
実施例で使用した材料の性状を説明する。
ポルトランドセメント(以下、OPCと記載することがある)は、市販されている普通ポルトランドセメントで、密度3.15g/cm、比表面積3,350cm/gのJIS規格適合品を使用した。
高炉セメント(以下、高Cと記載することがある)は、スラグ比率によってA種(5〜30%)、B種(30〜60%)、C種(60〜70%)の三種に分類される中で、B種を使用した。密度3.04g/cm、比表面積3,870cm/gの市販品を使用した。
シリカフューム(以下、SFと記載することがある)は、密度2.23g/cm、比表面積200,000cm/gの市販品を使用した。
高炉フューム(以下、BFFと記載することがある)は、中国の小型溶鉱炉の炉頂から集塵される超微粉末ダストで、平均粒径4μmで、密度2.57g/cm、比表面積21,000cm/gで、主な化学組成を表1に示す。単位は質量%である。
Figure 0005924612
砥石粉(以下、MPと記載することがある)は、刃物を研ぐ砥石を加工する際に副産される微粉末で、密度2.65g/cm、比表面積3,000cm/gで、主な化学組成を表2に示す。単位は質量%である。
Figure 0005924612
高炉スラグ微粉末(以下、BFSと記載することがある)は、水で急冷した高炉スラグを乾燥・粉砕したもの、または前記乾燥・粉砕したものに石膏を添加したものをいう。密度2.85g/cm、比表面積7,800cm/gで、JIS規格における高炉スラグ微粉末8000の市販品を使用した。
フライアッシュ(以下、FAと記載することがある)は、燃料として微粉炭を使用している石炭火力発電所のボイラの煙道に設けられた集塵器で回収される鉱物質の微粉末で、密度2.10〜2.25g/cm、比表面積3,330cm/gで、JIS規格に適合した市販品を使用した。
次に、耐硫酸性試験に供したモルタルは、従来のモルタルのセメント、水、細骨材、及び空気からなるモルタル配合割合から、セメントの一部を、初期強度発現性を有するシリカフューム、高炉フューム及び高炉スラグ微粉末からなる群より選択された1種以上の混和材と、及び中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、砥石粉及び汚泥からなる群より選択された1種以上の混和材と置換したものを使用した。
本発明の実施例で使用したセメント組成物に含まれる、シリカフューム、高炉フューム、砥石粉、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュなどの各種混和材の配合比率を質量%で表3示す。
Figure 0005924612
本発明の実施例で使用したモルタル試料は、直径50mmで高さ100mmの円柱状の供試体とした。実施例1乃至5における水結合材比は50質量%で実施した。
希硫酸浸漬試験を実施し、質量減少率を求めた。上記の試料を、硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、1週間ごとに硫酸を入替え、硫酸により腐食されブヨブヨ状態となった部分を水道水で洗い流し、残存した部分の質量を求め、前記質量と元の質量との差を元の質量で除した割合を百分率で求め質量減少率とした。
材齢3日のモルタルを硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、浸漬日数が28日及び84日におけるモルタルの質量減少率を表4に示す。表4の数値は元の質量からの質量減少率(%)を表す。
Figure 0005924612
表4より、浸漬28日目において、比較例であるセメント配合割合100質量%の試料1の質量減少率28%に対し、セメントの一部を初期強度発現性及び中長期強度発現性を有する混和材と置換した試料の質量減少率が−3〜5%であり、質量が増加しているものもあり質量減少がほとんど進行しておらず、本発明の効果が示されている。
また、表4において、浸漬28日目で、試料3、試料4、試料5及び試料7に見られるように若干質量が増加しているが、これは、硫酸と水酸化カルシウムとの反応によって二水石膏が生成され、同時にセメント中のアルミン酸三カルシウムと石膏とが反応してエトリンガイドが生成され、前記エトリンガイドが結晶中に多くの水を取り込む膨張性の高い物質であるためであると考えられる。
また、浸漬28日経過時点で質量減少率が僅小であることは、シリカフュームや高炉フュームなどのポゾラン反応によって水酸化カルシウムが消費されたために、二水石膏の生成量が少なくなったためである。
浸漬84日目においても、比較例としてのセメント配合割合100質量%の試料1の質量減少率76%と、セメントの一部を初期強度発現性及び中長期強度発現性を有する混和材と置換した試料の質量減少率とを比較すると本発明の効果が顕れている。
また、表4において、質量減少率が、セメント質材料がポルトランドセメントのみである試料1を除いて、浸漬28日目までは試料間における差が小で、その後から浸漬84日目において試料種間で差が大きくなったのは、浸漬84日目程度までに、ほとんどの試料に配合させた初期強度発現性を有するシリカフューム、高炉フュームによるポゾラン反応によって、それまで生成されていた水酸化カルシウムが消費されるので、硫酸との反応によって生成される二水石膏が少ないために、質量減少率が小さいが、その後は、比較的初期から潜在水硬性による反応が進む高炉スラグ微粉末や中・長期から反応が活発になってくる砥石粉やゆっくりしたポゾラン反応が生じるフライアッシュなどの中長期強度発現性を有する混和材の種別の違いが質量減少率に影響したと考えられる。
表4において、試料2、試料3又は試料5の高炉スラグ微粉末や砥石粉を配合させた試料の質量減少率の方が、試料7のフライアッシュを配合させた試料の場合より質量減少率が小さい。
フライアッシュと砥石粉との効果の比較を、試料4と試料5でみると、砥石粉の方がフライアッシュよりも中長期における質量減少を抑制する効果が示されている。また、高炉スラグ微粉末とフライアッシュとの効果を、試料2と試料7でみると、高炉スラグ微粉末の方がフライアッシュよりも中長期における質量減少を抑制する効果がある。
材齢28日まで標準養生をしたモルタルを硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、浸漬日数が28日目及び84日目におけるモルタルの質量減少率を求め、その結果を表5に示す。表5の数値は元の質量からの質量減少率(%)を表す。
Figure 0005924612
表5より、比較例であるセメント配合割合100質量%の試料1の浸漬日数28日目の質量減少率34%、及び浸漬日数84日目の質量減少率92%に対し、セメントの一部を初期強度発現性及び中長期強度発現性を有する混和材と置換した試料の浸漬日数28日目及び浸漬日数84日目の質量減少率が小であることから、本発明の効果が示されている。
表4と表5から、型枠を脱枠し、そのまま材齢3日で希硫酸に浸漬した試料に比べ、型枠を脱枠し材齢28日まで標準養生した後に希硫酸に浸漬した試料の方が、質量減少が大きいことから硫酸劣化が進行していることがわかる。
高炉セメントB種を使用した場合で、材齢3日のモルタルを硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、浸漬日数が28日目及び84日目におけるモルタルの質量減少率を求め、その結果を表6に示す。表6の数値は元の質量からの質量減少率(%)を表す。
Figure 0005924612
表6より、試料1のポルトランドセメント100%と試料10の高炉セメントB種100%とを比較すると、高炉セメントB種の方が、質量減少率が小であり、高い耐硫酸性を有していることが示されている。
希硫酸浸漬による硫酸浸透深さ試験を実施した。硫酸浸透深さ試験方法は、試料を硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、浸漬日数28日又は91日経過後に取り出し、前記取り出した試料を容量300kNの万能試験機を用いて割裂試験を行い、破断した試料片にフェノールフタレイン5%アルコール溶液を噴霧し、ノギスを用いて硫酸浸透深さを供試体の上部、中部及び下部の三箇所で測定し、それらの測定値の平均値を硫酸浸透深さとした。
希硫酸浸漬による硫酸浸透深さ試験は、普通ポルトランドセメント使用で材齢3日で浸漬した試料、普通ポルトランドセメント使用で材齢28日で浸漬した試料、及び高炉セメント使用で材齢3日で浸漬した試料それぞれの試料に対して、希硫酸浸漬日数が28日目及び91日目における硫酸浸透深さを求めた。
普通ポルトランドセメント使用で材齢3日で浸漬した結果を表7に示し、普通ポルトランドセメント使用で材齢28日で浸漬した結果を表8に示し、高炉セメント使用で材齢3日で浸漬した結果を表9に示す。表7乃至表9のそれぞれの表に記載された硫酸浸透深さの単位はmmである。
Figure 0005924612
Figure 0005924612
Figure 0005924612
表7、表8及び表9より、材齢3日で浸漬した場合よりも材齢28日で浸漬した場合の方が、硫酸浸透深さが深くなっており、硫酸浸透が進むことが示されている。これは、希硫酸浸漬するまでの標準養生期間が長くなるほどモルタル組織が密実になるが、密実になっているのにかかわらず硫酸浸透深さが深くなることを示している。
硫酸浸透深さが深くなるのは、材齢3日から材齢28日に標準養生日数が増えると、水酸化カルシウムの生成量が材齢3日で硫酸浸漬した場合に比べて多くなり、多くなった分、硫酸と激しく反応して二水石膏が多く生成されるために硫酸浸透深さが深くなったためである。
砥石粉を配合させた試料5及び試料6の硫酸浸透深さが小であることから、砥石粉は中長期強度発現性を有していることを示しており、硫酸浸透深さを小にするには砥石粉を配合させた方が、効果がある。
20℃水中の標準養生した試料を用いて、コンクリートの圧縮強度試験方法であるJIS A 1108に準じて圧縮強度試験を実施した。
セメントとして普通ポルトランドセメント又は高炉セメントを使用した場合で、それぞれ材齢3日、7日及び28日について、圧縮強度試験を実施した。普通ポルトランドセメントを使用した場合の結果を表10に示し、高炉セメントを使用した場合の結果を表11に示す。表10及び表11に記載された圧縮強度の単位はN/mmである。
Figure 0005924612
Figure 0005924612
表10及び表11より、いずれの場合も圧縮強度が高いモルタル供試体は、試料2及び試料3のセメント50%でシリカフュームと高炉スラグ微粉末を配合したセメント組成物を含有するモルタルであり、試料8及び試料9のセメント配合割合が20%又は30%のセメント組成物の場合より圧縮強度が高い。
試料4、試料6及び試料7の試料は、セメント配合割合が50%であっても、フライアッシュが配合されたセメント組成物の圧縮強度が低くなることが示されている。また、フライアッシュと砥石粉との比較を試料4と試料5とでみると、砥石粉を配合させた試料5の方が、圧縮強度が高いことが示されている。
特に砥石粉を配合させた試料の場合は、初期強度は比較的小さいが中長期における圧縮強度の増加割合が大きいことから、中長期における水酸化カルシウムの消費が大きくなり、中長期に硫酸劣化を抑制するようになると思われる。
次に、本発明である、耐酸性セメント(組成物)を配合した耐酸性モルタルに対して、水結合材比に関する実施例を説明する。モルタルは、セメント(組成物)、水及び細骨材を混合して造られ、コンクリートはセメント(組成物)、水、細骨材及び粗骨材を混合して造られる。モルタル又はコンクリートの硫酸劣化の腐食は、先に骨材を取り巻くセメント(組成物)の領域が硫酸劣化し泥状化した後に、骨材の表面に硫酸が浸透し骨材の硫酸劣化による腐食が始まる。
そこで、セメント(組成物)と水との混合割合を示す水結合材比による耐酸性評価を実施した。以下、水結合材比別に、質量減少率、硫酸浸透深さ及び圧縮強度を試験した。実施例で使用したモルタルに含まれる各種混和材や細骨材の配合比率を質量%で表12に示す。細骨材は石灰石骨材を使用した。水結合材比はOPC、SF及びBFSのセメント質材料の総質量に対する水の質量の配合割合を示し、細骨材の欄の比率はOPC、SF及びBFSのセメント質材料の総質量に対する細骨材の質量の比率を示す。例えば、「1:3」は「OPC、SF及びBFSのセメント質材料の総質量」:「細骨材の質量」を示している。
Figure 0005924612
表12に示したモルタル試料を、実施例1乃至5に供した供試体と同じ大きさである、直径50mmで高さ100mmの円柱状の供試体とした。ここで、モルタル試料の配合において、空気量を約6質量%とし、高性能AE減水剤を0.2〜1質量%使用した。
実施例6乃至9における試料は、モルタルをハンドミキサーで作製後円柱型枠に入れ、締め固めを行い、材齢3日で脱枠、材齢7日まで標準養生(20℃水中)、材齢7日目に硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬、希硫酸浸漬日数を変えて測定した。
希硫酸浸漬試験を実施し質量減少率を求めた。材齢3日のモルタルを硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、1週間ごとに希硫酸を入替え、浸漬日数が56日におけるモルタル試料を取り出し、前記試料を硫酸により腐食されブヨブヨ状態となった部分を水道水で洗い流し、残存した部分の質量を求め、前記質量と元の質量との差を元の質量で除した割合を百分率で求め質量減少率とした。浸漬日数が56日におけるモルタルの質量減少率を表13に示す。表13の数値は元の質量からの質量減少率(%)を表す。
Figure 0005924612
表13より、試料番号23(水結合材比40質量%)、24(水結合材比50質量%)、25(水結合材比65質量%)は同じ配合割合のセメント質材料及び細骨材を使用したが、水結合材比が65質量%が最も質量減少率が小さい。また、水結合材比50質量%をみると、セメント質材料に占める割合がポルトランドセメント100%よりポルトランドセメント、シリカフューム及び高炉スラグ微粉末を混合させた方が質量減少率が小さい。
このことは、セメント量の配合割合が多い場合には、セメントと水とが混合されると水和反応が生じ、硬い物質であるC−S−Hゲルと水酸化カルシウムCa(OH)が生成されやすく、そして、水酸化カルシウムが強酸である硫酸HSOと反応し、泥状化された状態の二水石膏CaSO・2HOが生成され硫酸劣化が進みやすいことを示している。
また、水結合材比が大きいほど空隙の大きいモルタル又はコンクリートが造られ、通常の気中にある場合は、耐久性は劣るが、硫酸環境下では逆に耐硫酸性が得られていることがわかる。これは、水酸化カルシウムCa(OH)の生成量が減少して硫酸と反応する量が減少するため二水石膏CaSO・2HOの生成量が減少するためと考えられる。
さらに、シリカフュームや高炉スラグ微粉末は実施例1乃至5から得られた結果から、ポラゾン反応や潜在水硬性による反応によって水酸化カルシウムCa(OH)を消費してしまうので、二水石膏CaSO・2HOの生成の要件となる水酸化カルシウムCa(OH)を減少させたと考えられる。
以上から、耐酸性セメントの組成物であるセメント質材料及び細骨材の配合割合が同じで水結合材比が異なる場合のモルタルにおいては、水結合材比が65質量%の場合が最も質量減少率が小さく、40質量%の場合より50質量%乃至65質量%の場合が質量減少率が小さいことがわかる。
希硫酸浸漬による硫酸浸透深さ試験を実施した。硫酸浸透深さ試験方法は、モルタル試料を硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、浸漬日数28日経過後、及び56日経過後に取り出し、前記取り出した試料を容量300kNの万能試験機を用いて割裂試験を行い、破断した試料片にフェノールフタレイン5%アルコール溶液を噴霧し、ノギスを用いて硫酸浸透深さを供試体の上部、中部及び下部の三箇所で測定し、それらの測定値の平均値を硫酸浸透深さとした。
表14に硫酸浸透深さ試験方法による硫酸浸透深さを示し、表14に記載され
た硫酸浸透深さの単位はmmである。
Figure 0005924612
表14より、試料番号23(水結合材比40質量%)、24(水結合材比50質量%)、25(水結合材比65質量%)は同じ配合割合のセメント質材料及び細骨材を使用したが、水結合材比が65質量%が最も硫酸浸透深さが小さい。また、水結合材比50質量%をみると、セメント質材料に占める割合がポルトランドセメント100%の場合よりポルトランドセメント、シリカフューム及び高炉スラグ微粉末を混合させた方が、硫酸浸透深さが小さい。
このことは、水結合材比が大きくなるほど、セメント量が減じられ、これによって水酸化カルシウムの生成量が減じられて耐酸性が得られることを示している。
セメントと水とが混合されると水和反応が生じ、硬い物質であるC−S−Hゲルと水酸化カルシウムCa(OH)が生成されるが、シリカフューム(SF)は非晶質のシリカSiOが90%程度あるため反応性が大きいことから前記シリカSiOと水酸化カルシウムCa(OH)とが反応(ポゾラン反応)して早期強度が得られ、また高炉スラグ微粉末(BFS)は潜在水硬性を有しているのでセメント水和生成物中の水酸化カルシウムCa(OH)によるアルカリ刺激剤によって水和反応(潜在水硬性)が生じセメント硬化体が得られる。したがって、ポゾラン反応性又は潜在水硬性を有する物質を混合させることによって水酸化カルシウムCa(OH)を消費するため、水酸化カルシウムと硫酸HSOとの反応によって生成される二水石膏CaSO・2HOが減じられ、そのため硫酸劣化が進まないことも示されている。
以上から、耐酸性セメントの組成物であるセメント質材料及び細骨材の配合割合が同じで水結合材比が異なる場合のモルタルにおいては、水結合材比が65質量%の場合が最も硫酸浸透深さが小さく、50質量%乃至65質量%の場合が50質量%未満の場合より硫酸浸透深さが小さいことがわかる。
次に、圧縮強度試験を実施した。20℃水中の標準養生した試料を用いて、コンクリートの圧縮強度試験方法であるJIS A 1108に準じて圧縮強度試験を実施した。
圧縮強度試験は材齢7日及び28日について実施し、その結果を表15に示す。なお、表15に記載された圧縮強度の単位はN/mmである。
Figure 0005924612
表15より、試料番号23(水結合材比40質量%)、24(水結合材比50質量%)、25(水結合材比65質量%)は耐酸性セメント組成物の配合割合が同じ場合であるが水結合材比が異なる場合のモルタルにおいては、水結合材比が65質量%が最も圧縮強度が小さいが、材齢28日における設計基準強度24N/mmは超える圧縮強度を有している。
このことは、耐酸性セメントの組成物であるセメント質材料及び細骨材の配合割合が同じで水結合材比が異なる場合のモルタルにおいては、水結合材比を40質量%、50質量%、65質量%と変えたときは、水結合材比が大きいほど圧縮強度が小さくなるが、水結合材比65質量%であっても材齢28日における設計基準強度以上を有していることが示されている。
モルタルをハンドミキサーで作製後、直径50mm、高さ100mmの円柱型枠に入れ、締固めを行い、材齢3日で脱枠、材齢7日まで20℃水中で標準養生し、材齢7日に硫酸濃度5%の希硫酸に浸漬し、希硫酸浸漬日数28日で外観の剥離状態を目視で比較した。
前記目視確認結果を表16に示し、外観に剥離現象がほとんど見られない状態を「○」、剥離が部分的に見られる状態を「△」、全体的に剥離状態になっている状態を「×」で示している。
Figure 0005924612
表16より、セメント質材料中に、初期強度発現性を有するシリカフューム及び中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末を混合させていないでポルトランドセメントのみの場合である試料20及び21は、水結合材比が50質量%であっても供試体の表面のほぼ全域に剥離が生じており、試料番号23(水結合材比40質量%)、24(水結合材比50質量%)、25(水結合材比65質量%)はセメント質材料及び細骨材の配合割合が同じであるが、水結合材比が40質量%では供試体の表面のほぼ全域に剥離が生じ、50質量%では部分的にしか剥離が生じておらず、65質量%では外観に剥離現象がないことがわかる。
以上から、耐酸性セメントの組成物であるセメント質材料及び細骨材の配合割合が同じで水結合材比が異なる場合のモルタルにおいては、水結合材比が65質量%の場合が最も表面に剥離現象が見られず、50質量%乃至65質量%の場合が外観に剥離現象が部分的に生じるか又は生じないことがわかる。水結合材比が40質量%と小さい場合は、供試体表面部の劣化が大きいことがわかる。

Claims (2)

  1. ポルトランドセメント又は高炉セメント40超〜50質量%と、ポゾラン反応性を有して初期強度を発現する混和材であるシリカフューム10〜30質量%と、潜在水硬性を有して中長期強度を発現する混和材である高炉スラグ微粉末20〜25質量%とからなり、前記ポルトランドセメント又は高炉セメントと、前記初期強度発現性を有するシリカフュームと、前記中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末とで100質量%となることを特徴とする耐酸性セメント組成物。
  2. ポルトランドセメント又は高炉セメント40超〜50質量%と、ポゾラン反応性を有して初期強度を発現する混和材であるシリカフューム10〜30質量%と、潜在水硬性を有して中長期強度を発現する混和材である高炉スラグ微粉末20〜25質量%と、前記ポルトランドセメント又は高炉セメントの質量に対して0.1〜2質量%添加する、高性能減水剤や流動化剤などの混和剤とからなり、前記ポルトランドセメント又は高炉セメントと、前記初期強度発現性を有するシリカフュームと、前記中長期強度発現性を有する高炉スラグ微粉末と、前記混和剤とで100質量%となることを特徴とする耐酸性セメント組成物。
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