以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムを含む通信システムの一例を示す図である。
通信システム1は、情報処理システム10と、IP−PBX30と、1以上の電話機20とを備える。情報処理システム10は、1以上のユーザ端末11とサーバ装置12とを備える。図1においては、通信システム1が、便宜的に、1つのユーザ端末11と、1つの電話機20とを備える場合を例示している。
1以上のユーザ端末11は、例えばインターネット等のようなネットワーク2と通信可能に接続される。
サーバ装置12は、IP−PBX30と通信可能に接続される。
IP−PBX30は、1以上の電話機20と通信可能に接続される。
ユーザ端末11は、ユーザによって利用される情報処理装置である。ユーザ端末11としては、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Data Assistance)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末等が利用される。ユーザ端末11は、ネットワーク2を介して、外部の各種サーバ装置(例えば、Webサーバ装置、メールサーバ装置等)と通信可能に接続される。また、ユーザ端末11では、ブラウザが動作する。ユーザ端末11でブラウザ又はメーラーなどの閲覧プログラムが動作することにより、ユーザ端末11は、ネットワーク2を介して提供される各種データを表示することができる。以下、本実施形態では、ユーザ端末11がWebサーバ装置からネットワーク2経由でWebページを取得する場合を例として説明する。しかしながら、例えば、ユーザ端末11がメールサーバ装置からネットワーク2経由で電子メールを取得する場合にも、本実施形態を適用可能である。
ユーザは、ユーザ端末11に加えて、電話機20を利用可能である。本実施形態において、ユーザ端末11を利用するユーザによって利用可能な電話機20は、例えばIP(Internet Protocol)電話サービスを利用可能とする。しかしながら、電話機20は、他の種別の携帯電話機又は固定の電話機等でもよい。
サーバ装置12は、1以上のユーザ端末11と通信可能に接続される。サーバ装置12は、情報処理システム10に備えられる1以上のユーザ端末11と、各ユーザ端末11に対応する電話機20に割り当てられている電話番号との関係を管理する。サーバ装置12によって管理されているユーザ端末11と電話機20の電話番号との対応関係は、ユーザ端末11からの命令に応じて、変更可能としてもよい。
IP−PBX30は、IPネットワーク内において、例えば企業、部署、組織などのグループ内における内線電話の相互接続、及び内線と外線との交換を行う装置である。このIP−PBX30は、例えば、ユーザ端末11に対応する電話機20から他の電話機への発信及び例えば他の電話機からユーザ端末11に対応する電話機20への着信に対する制御を実行する。例えば、IP−PBX30は、IPでなない他のプロトコルに適用される接続・交換装置としてもよい。
なお、上記した図1に示す情報処理システム10(ユーザ端末11及びサーバ装置12)及びIP−PBX30は、CTI(Computer Telephony Integration)システムを構成する。
CTIシステムは、例えばClickToCall機能、ClickToCallback(Vコール)機能及び着信ポップアップ機能等の各種機能を備える。
ClickToCall機能は、例えばユーザ端末11において電話番号が指定された際に、当該電話番号を当該ユーザ端末11に対応する電話機20から発信する機能である。
ClickToCallback機能は、例えばユーザ端末11において電話番号が指定された際に、当該ユーザ端末11に対応する電話機20に割り当てられている電話番号をIP−PBX30から発信し、当該発信に対してユーザが応答した場合に、当該ユーザ端末11において指定された電話番号をIP−PBX30から発信する機能である。
着信ポップアップ機能は、例えばユーザ端末11に対応する電話機20の着信時に、当該電話機20に対して発信している電話機に割り当てられている電話番号及び当該電話番号を使用しているユーザに関する情報等をユーザ端末11に表示(ポップアップ表示)する機能である。なお、電話番号に対応するユーザに関する情報は、CTIシステム内において管理されている。
ここでは、ClickToCall機能、ClickToCallback機能及び着信ポップアップ機能について説明したが、CTIシステムは、例えばユーザ端末11に対応する電話機20の着信時に、当該着信を転送及び保留するような機能も備えている。
このようなCTIシステムによれば、コンピュータ及び電話の機能を統合したサービスを提供することが可能となる。
図2は、ユーザ端末11のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
ユーザ端末11は、不揮発性メモリ11a、プロセッサ11b、メインメモリ11c、通信部11d、表示装置(ディスプレイ)11e及び入力装置11f等を備える。
不揮発性メモリ11aは、各種ソフトウェアを格納する。この各種ソフトウェアには、オペレーティングシステム(OS)、ブラウザ、メーラー、及び各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
プロセッサ11bは、例えば不揮発性メモリ11aに格納されている各種ソフトウェア(プログラム)を実行する。プロセッサ11bは、ユーザ端末11全体を制御する。プロセッサ11bとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Microprocessor Unit)、DSP(Digital Signal Processing)等が利用される。
メインメモリ11cは、例えばプロセッサ11bが各種ソフトウェアを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
通信部11dは、インターネットのようなネットワークを介した各種サーバ装置等との通信及びサーバ装置12との無線通信又は有線通信を制御する機能を備える。通信部11dは、例えば無線LAN等の無線通信機能を備えるとしてもよい。
表示装置11eは、例えば液晶表示パネル及び表示制御を行う駆動回路を備えることにより、各種データ等を表示する装置である。具体的には、表示装置11eには、例えばネットワーク2を介して提供されるWebページ等が表示される。
入力装置11fは、ユーザ端末11に対して各種入力操作を行うために使用される装置である。入力装置11fとしては、例えばマウス及びタッチパネル等のポインティングデバイス、又は、キーボード等が用いられる。
図3は、サーバ装置12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
サーバ装置12は、不揮発性メモリ12a、プロセッサ12b、メインメモリ12c及び通信部12d等を備える。
不揮発性メモリ12aは、各種ソフトウェアを格納する。この各種ソフトウェアには、オペレーティングシステム(OS)、データ管理プログラム、及び各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
プロセッサ12bは、例えば不揮発性メモリ12bに格納されている各種ソフトウェア(プログラム)を実行する。なお、プロセッサ12bは、サーバ装置12全体の制御を司るものである。プロセッサ11bとしては、例えば、CPU、MPU、DSP等が利用される。
メインメモリ12cは、例えばプロセッサ12bが各種ソフトウェアを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
通信部12dは、ユーザ端末11との無線通信又は有線通信、及び、IP−PBX30との無線通信又は有線通信を制御する機能を備える。通信部12dは、例えば無線LAN等の無線通信機能を備えるとしてもよい。
なお、図3においては、サーバ装置12は、不揮発性メモリ12a、プロセッサ12b、メインメモリ12c及び通信部12dを備えるものとして説明したが、上述したユーザ端末11と同様に例えば表示装置及び入力装置等を更に備えていてもよい。
図4は、本実施形態に係る情報処理システム10の主として機能構成を示すブロック図である。
情報処理システム10に備えられるユーザ端末11は、取得部111、パターン格納部112、解析部113、リンク設定部114、表示処理部115及び送信処理部116を含む。
本実施形態において、取得部111、解析部113、リンク設定部114、表示処理部115及び送信処理部116は、プロセッサ11b(すなわち、ユーザ端末11のコンピュータ)が不揮発性メモリ11aに格納されているプログラム(以下、情報処理プログラムと表記)を実行することにより実現されてもよい。この情報処理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよいし、例えばネットワークを介してユーザ端末11にダウンロードされてもよい。パターン格納部112は、例えば不揮発性メモリ11aに含まれる。
なお、上記した情報処理プログラムが実行される際には認証処理が実行されるが、当該情報処理プログラムにおける認証設定は、当該情報処理プログラムの初回実行時に行われるものとする。この認証設定においては、例えばユーザ端末11を利用するユーザを識別するためのユーザID及びパスワード等の入力が要求される。なお、2回目以降の情報処理プログラムの実行時には自動認証が行われるため、ユーザID及びパスワード等の入力操作は不要である。
取得部111は、上記したようにネットワーク2を介して提供されるWebページを取得する。なお、取得部111によって取得されるWebページには、例えば電話番号が含まれる。
パターン格納部112は、例えばWebページから電話番号を抽出するために用いられる各種の抽出パターン、Webページから抽出された電話番号に基づいて呼制御リンクを生成し、生成された呼制御リンクをWebページに設定する(組み込む)ためのリンク設定パターン、不適切なWebページを検出するパターン、を予め格納する。
解析部113は、パターン格納部112に格納されている各種の抽出パターンに基づいて、取得部111によって取得されたWebページを解析し、当該Webページに含まれる電話番号を抽出(認識)する。
また、解析部113は、パターン格納部112に格納されているパターンに基づいて、処理対象のWebページが不適切か否か判断し、不適切なWebパターンと判断されたWebページに対する表示禁止信号を表示処理部115に送る。
リンク設定部114は、パターン格納部112に格納されているリンク設定パターンに基づいて、解析部113によって抽出された電話番号に対する呼制御リンクを生成し、当該生成された呼制御リンクをWebページに設定する。
なお、リンク設定パターンは、パターン格納部112に格納されておらず、予めリンク設定部114の機能として含まれていてもよい。
換言すると、リンク設定部114は、Webページを、抽出された電話番号がポインティングデバイスにより指定可能な状態で表示されるように、かつ、電話番号がポインティングデバイスにより指定された場合に、ユーザ端末11を識別するための識別子(以下、端末IDと表記)と抽出された電話番号とをサーバ装置12に送る命令がWebページに組み込まれるように、変換する。
表示処理部115は、リンク設定部114によって電話番号に呼制御リンクが設定されたWebページをユーザ端末11の画面(つまり、表示装置11e)に表示する。
また、表示処理部115は、解析部113から表示禁止信号を受けた場合に、処理対象のWebページが表示禁止であることをユーザ端末11の画面に表示する。
送信処理部116は、表示処理部115によって表示されたWebページで電話番号がユーザによって指定された場合、当該指定された電話番号及びユーザ端末11の端末IDを、通信部11dを介してサーバ装置12に送信する。
情報処理システム10に備えられるサーバ装置12は、管理情報格納部121、電話番号特定部122及び発信処理部123を含む。
本実施形態において、管理情報格納部121は、不揮発性メモリ12aに含まれる。また、電話番号特定部122及び発信処理部123は、プロセッサ12b(すなわち、サーバ装置12のコンピュータ)が不揮発性メモリ12aに格納されているプログラムを実行することにより実現されるものとする。
管理情報格納部121には、情報処理システム10に備えられるユーザ端末11の端末IDと、選択された電話番号に電話を掛ける電話機20の識別情報とを関係付けた管理情報が予め格納されている。本実施形態において、電話機20の識別情報として、電話機20に割り当てられている電話番号が利用される。しかしながら、電話機20を識別可能な情報であれば、電話機20の電話番号ではない他の情報が、管理情報に含まれるとしてもよい。
電話番号特定部122は、ユーザ端末11に含まれる送信処理部116によって送信された端末ID及び電話番号(以下、発信先電話番号と表記)を受信する。電話番号特定部122は、管理情報格納部121に格納されている管理情報に基づいて、受信された端末IDによって識別されるユーザ端末11に対応する電話機20に割り当てられている電話番号を特定する。以下の説明においては、電話番号特定部122によって特定された電話番号を発信元電話番号と称する。
発信処理部123は、発信先電話番号(つまり、ユーザ端末11において指定された電話番号)をユーザ端末11に対応する電話機(つまり、発信元電話番号が割り当てられている電話機)20から発信させるために、当該発信先電話番号及び発信元電話番号を含む発信要求をIP−PBX30に送信する。
なお、サーバ装置12は、当該サーバ装置12の管理者の操作等に応じて、上記した管理情報格納部121に格納されている管理情報の登録、編集及び削除を行う機能を備えるとしてもよく、ユーザ端末11による操作に基づいて、管理情報の登録、編集及び削除を行う機能を備えるとしてもよい。
ここで、図5は、図4に示す管理情報格納部121に格納されている管理情報のデータ構造の一例を示す。
図5に示すように、管理情報格納部121に格納されている管理情報には、ユーザ端末11の端末ID及び電話機20の電話番号が対応づけて含まれる。上述のように、端末IDは、情報処理システム10に含まれるユーザ端末11を識別するための識別子である。電話番号は、対応づけられている端末IDによって識別されるユーザ端末11に対応する電話機20の電話番号である。
図5に示す例では、管理情報格納部121には、管理情報121a及び121bが格納されている。
管理情報121aには、端末ID「X」及び電話番号「xx−xxxx−xxxx」が含まれる。この管理情報121aによれば、端末ID「X」によって識別されるユーザ端末11に対応する電話機20に割り当てられている電話番号が「xx−xxxx−xxxx」であることが示されている。
同様に、管理情報121bには、端末ID「Y」及び電話番号「yy−yyyy−yyyy」が含まれる。この管理情報121bによれば、端末ID「Y」によって識別されるユーザ端末11に対応する電話機20に割り当てられている電話番号が「yy−yyyy−yyyy」であることが示されている。
図5においては管理情報121a及び121bのみが示されているが、管理情報格納部121には、情報処理システム10に備えられている全てのユーザ端末11(つまり、サーバ装置12において管理されている全てのユーザ端末11)についての管理情報が格納されている。
以下、図6のシーケンスチャートを参照して、主として本実施形態に係る情報処理システム10(ユーザ端末11及びサーバ装置12)の処理手順について説明する。
まず、取得部111は、ユーザ端末11(に備えられる入力装置11f)に対するユーザの操作に応じて、ネットワーク2を介して提供されるWebページを取得する(ステップS1)。具体的には、取得部111は、例えばユーザ端末11においてユーザによって入力された所望の検索条件に基づいて検索されたWebページを取得する。ここで取得部111によって取得されたWebページには、電話番号が含まれているものとする。
なお、取得部111によって取得されるWebページは、例えばユーザ端末11内部に予め保存されていたWebページ等であっても構わない。以下の説明においては、取得部111によって取得されたWebページを対象ページと称する。
次に、解析部113は、対象ページを解析することによって、当該対象ページに含まれる電話番号を抽出する(ステップS2)。
ここで、パターン格納部112には、例えば電話番号の桁数及びWebページ上における電話番号の表示態様に基づいて予め用意(規定)されている抽出パターンが格納されているものとする。解析部113は、対象ページを記述しているHTML(Hyper Text Markup Language)テキストに対してパターン格納部112に格納されている抽出パターンを適用することによって、当該抽出パターンに合致する電話番号を抽出する。なお、パターン格納部112に想定される複数の抽出パターンを格納しておくことによって、Webページ毎に異なる表記がされている場合であっても、高い精度で電話番号を抽出することが可能となる。
リンク設定部114は、解析部113によって抽出された電話番号に対応づけられた呼制御リンクを生成する。リンク設定部114は、生成された呼制御リンクを、対象ページ(中の、解析部113によって抽出された電話番号)に設定する(ステップS3)。
表示処理部115は、呼制御リンクが設定された対象ページ(つまり、Webページ)をユーザ端末11に備えられる表示装置11eに表示する(ステップS4)。表示処理部115によって表示される対象ページ上には、上記した呼制御リンクが設定された電話番号が含まれている。なお、対象ページは、ユーザ端末11上で動作するブラウザ(ウェブブラウザ)によって表示される。
ここで、ユーザ端末11を利用するユーザは、表示された対象ページ上で、呼制御リンクが設定された電話番号を指定することができる。このような電話番号の指定は、ユーザ端末11に備えられている入力装置11fを操作することによって行われる。
このようにユーザによって対象ページ上で電話番号が指定された場合、送信処理部116は、当該電話番号(つまり、発信先電話番号)及びユーザ端末11の端末IDをサーバ装置12に送信する(ステップS5)。
サーバ装置12に含まれる電話番号特定部122は、ユーザ端末11(に含まれる送信処理部116)によって送信された発信先電話番号及び端末IDを受信する。電話番号特定部122は、管理情報格納部121を参照して、受信された端末IDによって識別されるユーザ端末11に対応する電話機20に割り当てられている電話番号(つまり、発信元電話番号)を特定する(ステップS6)。この場合、電話番号特定部122は、受信された端末IDに対応づけて管理情報に含まれる電話番号を発信元電話番号として特定する。なお、以下の説明においては、発信元電話番号が割り当てられている電話機(つまり、電話番号特定部122によって受信された端末IDによって識別されるユーザ端末11に対応する電話機)20を発信元電話機と称する。
次に、発信処理部123は、電話番号特定部122によって受信された発信先電話番号及び電話番号特定部122によって特定された発信元電話番号を含む発信要求(ここでは、ClickToCall命令)をIP−PBX30に送信する(ステップS7)。
IP−PBX30は、サーバ装置12(に含まれる発信処理部123)によって送信された発信要求を受信する。IP−PBX30は、発信元電話機20に対して、発信要求に含まれる発信先電話番号(発信命令)を送信する(ステップS8)。
IP−PBX30によって送信された発信先電話番号が発信元電話機20において受信されると、当該発信元電話機20は、当該発信先電話番号を発信する(ステップS9)。換言すれば、発信元電話機20は、発信先電話番号を用いて、当該発信先電話番号が割り当てられている電話機(以下、発信先電話機と表記)に対して発信する。このような発信に対して発信先電話機が応答した場合、発信元電話機20と発信先電話機との間での通話が可能となる。
上記した図6に示す処理によれば、Webページから抽出された電話番号(つまり、リンクが設定された電話番号)がユーザ端末11の表示装置11eに表示された当該Webページ上でユーザによって指定された場合、当該ユーザ端末11に対応する電話機20(つまり、ユーザ端末11とは異なる端末)から当該指定された電話番号が自動的に発信される。これにより、ユーザは、任意のWebページにおいて記述されている電話番号を用いてClickToCall機能を利用することができる。
ここでは、Webページにおいて記述されている電話番号を用いてClickToCall機能が利用される場合について説明したが、上述したClickToCallback機能が利用されても構わない。
ここで、図7のシーケンスチャートを参照して、本実施形態においてClickToCallback機能が利用される場合の情報処理システム10の処理手順について簡単に説明する。
まず、前述した図6に示すステップS1〜S7の処理に相当するステップS11〜S17の処理が実行される。なお、前述した図6に示すステップS7においてはClickToCall命令がサーバ装置12からIP−PBX30に送信されるものとして説明したが、ステップS17においては、ClickToCallback命令(発信要求)がサーバ装置12からIP−PBX30に送信される。
この場合、IP−PBX30は、発信元電話番号を用いて発信元電話機20に対して発信する(ステップS18)。なお、発信元電話機20に対して発信されると、当該発信元電話機20では呼出音が鳴り(つまり、発信元電話機20が鳴動し)、当該発信元電話機20に対して発信されていることがユーザに通知される。
このような発信に対して発信元電話機20が応答した場合、当該発信に対する応答がIP−PBX30に返される(ステップS19)。
発信に対する応答が発信元電話機20から返されると、IP−PBX30は、発信先電話番号を発信する(ステップS20)。換言すれば、IP−PBX30は、発信先電話番号を用いて発信先電話機に対して発信する。このような発信に対して発信先電話機が応答した場合、IP−PBX30を介して発信元電話機20と発信先電話機との間での通話が可能となる。
上記した図7に示す処理によれば、ユーザは、任意のWebページにおいて記述されている電話番号を用いてClickToCallback機能を利用することができる。
なお、ClickToCallback機能を利用する場合、発信元電話機は、上記したユーザ端末11の近傍に設置されている電話機20ではなく、当該ユーザ端末11を利用するユーザが所持する携帯電話等であっても構わない。
すなわち、本実施形態においては、上述した図6及び図7において説明したように、任意のWebページにおいて記述されている電話番号を用いてClickToCall機能及びClickToCallback機能(以下、CTI機能と表記)を利用することが可能となる。
ここで、図8〜図10を参照して、ユーザ端末11に備えられる表示装置11eに表示されるWebページについて説明する。
ここでは、ユーザが、ユーザ端末11を操作することによって、インターネットを介して例えば当該ユーザによって指定された地点の近傍に位置するホテルを検索した場合を想定する。
図8は、この場合においてユーザ端末11(に含まれる取得部111)によって取得されたWebページ(以下、検索結果ページと表記)の一例を示す。図8に示す検索結果ページには、上記したように検索された各ホテルのホテル名、電話番号及びユーザによって指定された地点からの距離等が含まれている。
この場合、ユーザ端末11においては、検索結果ページから各ホテルの電話番号が自動的に抽出(自動認識)され、当該電話番号に対応づけられた呼制御リンクが検索結果ページ上の当該電話番号に自動設定(自動付与)される。このように各ホテルの電話番号に呼制御リンクが設定された検索結果ページは、ユーザ端末11に備えられる表示装置11eに表示される。
図9は、ユーザ端末11に備えられる表示装置11eに表示された検索結果ページの一例を示す。
図9に示すように、ユーザ端末11に備えられる表示装置11eに表示された検索結果ページでは、呼制御リンクが設定されていることをユーザが容易に把握することが可能な態様で電話番号が表示される。このように本実施形態において呼制御リンクが設定された電話番号は、一般的にWebページ等に設けられているハイパーリンクとは異なる態様で表示されることが好ましい。本実施形態においては、電話番号に呼制御リンクが設定されていることにより、ユーザは、検索結果ページ上で所望の電話番号(発信先電話番号)を指定することができる。
ここで、例えばユーザがマウスを操作することにより、マウスカーソルをJホテルの電話番号の領域(以下、電話番号領域と表記)50上に移動した(つまり、当該電話番号を指定した)場合を想定する。この場合、図10に示すように、電話番号領域50の近傍には、マウスオーバーによりメニュー領域51が表示される。メニュー領域51には、例えば「ClickToCall」、「ClickToCallback(Vコール)」、「電話帳登録」及び「電話帳表示」等の項目が表示される。
ユーザは、例えばマウスを更に操作することにより、メニュー領域51に表示されている項目のいずれかを選択(指定)することができる。この場合、ユーザ端末11では、ユーザによって選択された項目に応じた処理が実行される。
具体的には、メニュー領域51に表示されている「ClickToCall」(の項目)がユーザによって選択された場合には、上述したClickToCall機能により、電話番号領域50に記述されている電話番号(ここでは、Jホテルの電話番号)が発信される(つまり、図6に示すステップS5〜S9の処理が実行される)。
一方、メニュー領域51に表示されている「ClickToCallback」(の項目)がユーザによって選択された場合には、上述したClickToCallback機能により、電話番号領域50に記述されている電話番号(ここでは、Jホテルの電話番号)が発信される(つまり、図7に示すステップS15〜S20の処理が実行される)。
また、メニュー領域51に表示されている「電話帳登録」(の項目)がユーザによって選択された場合には、電話番号領域50に記述されている電話番号(ここでは、Jホテルの電話番号)が例えばユーザ端末11において利用可能な電話帳に登録される。なお、ユーザ端末11において利用可能な電話帳には、当該ユーザ端末11内で管理されている電話帳及び例えば企業内ポータル等で運用されている電話帳等が含まれる。これらの電話帳の管理は、適宜ユーザ端末11またはサーバ装置12等で行われるものとする。
また、メニュー領域51に表示されている「電話帳表示」(の項目)がユーザによって選択された場合には、上記したユーザ端末11において利用可能な電話帳が表示される。これによれば、ユーザは、例えば電話番号領域50に記述されている電話番号(ここでは、Jホテルの電話番号)が既に電話帳に登録されているか否か等を確認することができる。
なお、ClickToCallback機能を利用する場合には、発信元電話機としては電話機20及びユーザが所持する携帯電話等を使用することができる。したがって、例えば「ClickToCallback」がユーザによって選択された場合であって、ClickToCallback機能を利用する際に使用することが可能な電話機が複数存在する場合には、図11に示すように、電話番号領域50に記述されている電話番号(発信先電話番号)を発信する発信元電話機(に割り当てられている発信元電話番号)を選択可能なメニュー領域52が更に表示されるようにしてもよい。図11に示す例では、メニュー領域52には発信元電話番号1〜3が表示されており、ユーザは、発信元電話番号1〜3の各々が割り当てられている3つの電話機の中から発信元電話機を選択することができる。
上記したように本実施形態においては、任意のWebページ(ネットワーク2を介して提供されるWebページ)に含まれる電話番号を自動的に抽出し、当該抽出された電話番号に呼制御リンクが設定された当該Webページを表示し、ユーザの操作に応じて当該表示されたWebページに含まれる呼制御リンクが設定された電話番号が指定された場合に、当該指定された電話番号(発信先電話番号)がIP−PBX30に送信される。このようにIP−PBX30に対して送信された発信先電話番号は、ユーザによって使用される電話機(つまり、Webページが表示されたユーザ端末11とは異なる端末)20から発信される。
本実施形態においては、このような構成により、導入が容易であり、ユーザ端末11の画面に電話番号が表示されている場合に、当該ユーザ端末ではない別の端末により当該ユーザ端末の画面に表示されている電話番号に対して容易に電話を掛けることが可能であるため、例えば容易にCTIシステム(が備えるCTI機能)を利用することができる。また、CTIシステムを利用する際に一般的に導入される専用の電話帳システムには多くの機能が組み込まれている場合が多いが、本実施形態においては、ブラウザによって提供される使い慣れたユーザインタフェース(UI)を用いてCTIに特化したシンプルな機能を利用することができため、当該専用の電話帳システムへのログイン及びアクセスといった煩雑、かつ、不慣れな操作を回避することが可能となる。
また、本実施形態においては、パターン格納部112に格納されている抽出パターンをWebページ(HTMLテキスト)に適用することによって当該Webページに含まれる電話番号を抽出する構成することにより、高い精度で当該電話番号を抽出することができる。
また、本実施形態においては、煩雑な操作を行うことなく、Webページ上でユーザによって指定された電話番号をユーザ端末11において利用可能な電話帳に登録すること等が可能であるため、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
更に、本実施形態においては、ユーザによって使用される電話機が複数存在する場合には、上述した図11に示すメニュー領域52において電話機を指定することが可能であるため、ユーザにとって所望な電話機から発信先電話番号を発信することが可能となる。
なお、本実施形態においてはWebページから抽出された全ての電話番号に対して呼制御リンクが設定されるものとして説明したが、例えば警戒を要する電話番号に対しては呼制御リンクが設定されないような構成とすることも可能である。警戒を要する電話番号は、例えばサーバ装置12等において予め管理されていてもよいし、インターネット等を介して検索されてもよい。同様に、警戒を要するWebページがユーザ端末11において取得された場合には、当該Webページに電話番号が含まれていたとしても、当該電話番号には呼制御リンクが設定されないような構成としてもよい。
一方、Webページに電話番号が含まれているにもかかわらず、当該電話番号が特殊な態様(すなわち、パターン格納部112に格納されているパターンに合致しない態様)で記述されているような場合には、当該Webページから電話番号が抽出されない場合が想定される。この場合には、例えばユーザがマウス等を操作することによって、Webページ上の電話番号を手動で指定することができるような構成とすることも可能である。この場合には、ユーザによって手動で指定された電話番号がユーザ端末11からサーバ装置12に送信されればよい。
また、本実施形態においては、ネットワーク2を介して提供される任意のWebページに記述されている電話番号を用いてCTI機能を利用するものとして説明したが、例えばイントラネット等の企業内ネットワークを介して提供されるページに記述されている電話番号を用いてCTI機能を利用するような構成とすることも可能である。
具体的には、例えば企業内ポータル等で運用されている電話帳に登録されている電話番号の一覧ページに記述されている電話番号を用いてCTI機能を利用するような構成とすることも可能である。このような構成によれば、専用の電話帳システムへのデータ移行や登録作業を行うことなく、企業内ポータル等で運用されている電話帳をそのまま利用することができるため、容易にCTI機能を利用することが可能となる。更に、例えばユーザ端末11において受信されたメールに電話番号が記述されているような場合には、当該メールに記述されている電話番号を用いてCTI機能を利用するようなことも可能である。
なお、上記したようにCTI機能によって発信された電話番号(発信先電話番号)の履歴は、サーバ装置12(またはIP−PBX30)等において管理されるものとする。したがって、この履歴を例えばユーザ端末11において表示するような構成も可能である。
更に、本実施形態においては、上述したようにClickToCall機能及びClickToCallback機能を利用することができるが、例えばユーザ端末11(に含まれる取得部111)において取得されたページの種別に応じて、当該利用される機能を自動的に切り替えるような構成とすることも可能である。具体的には、ユーザ端末11において取得されたページがインターネットを介して提供されるページ(つまり、Webページ)である場合にはClickToCallback機能により当該ユーザ端末11を利用するユーザが所持する携帯電話から発信するようにし、ユーザ端末11において取得されたページがイントラネットを介して提供されるページである場合にはClickToCall機能により当該ユーザ端末11に対応する電話機20から発信するようにすることも可能である。
また、本実施形態においては、サーバ装置12及びIP−PBX30が別個の装置であるものとして説明したが、当該サーバ装置12及びIP−PBX30は1の装置として実現されても構わない。
なお、上記した実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
更に、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であってもよい。
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。