JP5923538B2 - 光ファイバの接続方法 - Google Patents

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本発明は、現場組立形の光コネクタ、メカニカルスプライスなどの光ファイバ接続器を用いて光ファイバを接続する方法に関する。
光ファイバへの組立作業を接続現場にて行うことができる光コネクタ(いわゆる現場組立形の光コネクタ)などの光ファイバ接続器の一例として、フェルールに予め内蔵光ファイバを内挿固定したものがある。
この種の光ファイバ接続器では、フェルールの後端側に設けた接続機構(例えばクランプ部)において、外部光ファイバ(挿入光ファイバ)の端部を、受け側光ファイバ(内蔵光ファイバ)の端部と突き合わせることにより、これらを接続する。
内蔵光ファイバの端部と挿入光ファイバの端部とを突き合わせ接続した部分(接続部)は、前記接続機構によって把持固定され、光ファイバ同士の接続状態が維持される。
内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ接続部には、接続損失の低減を図るため、シリコーン系グリス等の液状の屈折率整合剤を用いることができる(例えば特許文献1を参照)。
光ファイバ接続器を用いて光ファイバを接続するにあたっては、その光ファイバ接続器の仕様に応じた光ファイバの長さ調整のために、挿入光ファイバの切断加工が必要になる。
光ファイバを切断する際には、切断工具(光ファイバカッタ)により光ファイバに初期傷を形成した後、初期傷を成長させるように光ファイバに力を付与することで、鏡面状の切断面を得る。
光ファイバカッタとしては、高精度の切断加工が可能な専用の光ファイバカッタもあるが、専用の光ファイバカッタは高価であるため、安価な簡易型の光ファイバカッタ(例えば切断刃を手動で操作するもの)が用いられることがある。
特開2011−33731号公報
簡易型の光ファイバカッタでは、光ファイバの切断加工の条件を完全に一定にするのが難しいため、全面が鏡面状となった先端面が得られないことがある。例えば、先端面に、ハックルマークなどの微細凹凸や、大きく突出した凸部分が形成されることがある。この場合、前記先端面の凹凸等を原因として接続損失が増大することがある。
内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの接続部に液状屈折率整合剤(シリコーングリス等)を用いれば、端面間の凹凸等の影響を小さくし、接続損失を低減できる。
しかしながら、液状屈折率整合剤を使用した場合、液状屈折率整合剤に混入した気泡や異物が接続損失に悪影響を与えることがある。例えば、接続当初には接続損失が低いが、高温環境下で液状屈折率整合剤の流動性が高くなることによって、液状屈折率整合剤の流動に伴って気泡や異物が前記空隙に入り込み、損失が増大する場合がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、光ファイバ接続器を用いて、外部光ファイバを受け側光ファイバに突き合わせ接続するにあたって、外部光ファイバの先端面に凹凸がある場合でも、前記光ファイバを低損失で光接続できる光ファイバの接続方法を提供することを目的とする。
本発明は、光ファイバ接続器に予め挿入されており、接続端の端面に10μmより大きい厚さの固形の屈折率整合材層を形成した受け側光ファイバと、挿入する次の条件に該当する外部光ファイバとを前記屈折率整合材層を介して突き合わせ接続する光ファイバの接続方法。
(1)前記受け側光ファイバの接続端の端面と平行な、コアを含む面を基準面として、前記基準面から前記受け側光ファイバ側に突出した凸部分の突出高さが10μm未満であり、かつ、コアが最大高さRz(JIS B 0601(2001))が1μm以上、10μm未満の領域である非ミラー部分に含まれる
前記外部光ファイバの接続端の端面は、切断刃の駆動または前記外部光ファイバへの張力付与を手動にて行う簡易型の光ファイバカッタによって切断されていることが好ましい。
前記非ミラー部分である前記外部光ファイバのコアの端面は、その少なくとも一部にハックルマークが形成されていることが好ましい。
前記屈折率整合材層のショア硬度Eおよび厚みは、(ショア硬度E;30、厚み;20μm)、(ショア硬度E;85、厚み;20μm)、(ショア硬度E;85、厚み;40μm)、(ショア硬度E:30、厚み:60μm)で囲まれる範囲内にあることが好ましい。
前記外部光ファイバは、空孔付き光ファイバであって、前記屈折率整合材層のショア硬度Eは、45以上、80以下の範囲にあることが好ましい。
前記光ファイバ接続器は、前記受け側光ファイバが内挿固定されたフェルールと、前記受け側光ファイバに前記外部光ファイバを突き合わせ接続させる接続機構と、を備えた光コネクタであることが好ましい。
前記屈折率整合材層は、湾曲凸面状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、受け側光ファイバと外部光ファイバとの端面間(特にコアの端面間)に屈折率整合材層を介在させることができる。このため、外部光ファイバの端面に凹凸があっても、端面間(特にコアの端面間)に空隙が生じることがなく、低損失の光接続を実現できる。
また、屈折率整合材層が固形であるため、液状屈折率整合剤を使用した場合とは異なり、高温環境下での屈折率整合剤の流動に伴う気泡や異物の侵入により、光ファイバの接続の後に損失が増大するという不都合は生じない。
また、外部光ファイバの端面に凹凸があっても損失を抑えることができるため、安価な簡易型の光ファイバカッタを使用することができ、コスト面で有利になる。
本発明の接続方法の一形態例を適用可能な光コネクタに用いられる内蔵光ファイバの後端部を示す側面図である。 図1の内蔵光ファイバと挿入光ファイバの一例との接続部を示す側面図である。 (a)挿入光ファイバの先端面の一例を示す図である。(b)(a)のI−I線に沿う断面を模式的に示す図である。 挿入光ファイバの先端面の他の例を示す図である。 挿入光ファイバの先端面の他の例を示す図である。 図1の内蔵光ファイバと挿入光ファイバの他の例との接続部を示す側面図である。 内蔵光ファイバと挿入光ファイバの他の例との接続部を示す側面図である。 (a)内蔵光ファイバと挿入光ファイバを示す側面図である。(b)(a)の内蔵光ファイバと挿入光ファイバの接続部を示す断面図である。 挿入光ファイバの先端面の他の例を示す図である。 図1の内蔵光ファイバと挿入光ファイバの他の例との接続部を示す側面図である。 (a)本発明の接続方法の一形態例を適用可能な光コネクタの全体構成を示す模式図である。(b)(a)の光コネクタのクランプ部付きフェルールの断面を示す模式図である。 前図のクランプ部付きフェルールと介挿片との関係を説明する断面図である。 (a)本発明の接続方法の一形態例を適用可能なメカニカルスプライスを示す断面図である。(b)受け側光ファイバの端部を示す側面図である。 本発明の接続方法の一形態例に用いられる屈折率整合材の物性の好ましい範囲を説明する図である。 空孔付き光ファイバである挿入光ファイバと内蔵光ファイバとの接続部を示す一部断面である。 空孔付き光ファイバを用いた場合に、接続損失が大きくなった場合の屈折率整合材層を示す写真である。
図11は、本発明の光ファイバの接続方法の一形態例に用いられる光コネクタ20を示す図である。
図11(a)に示すように、光コネクタ20は、現場組立形の光コネクタであり、光ファイバケーブル21の端末に組み立てられるものである。
光ファイバケーブル21は、例えば、光ファイバ22(外部光ファイバ)と、線状の抗張力体(図示略)とを外被23によって一括被覆したものである。光ファイバ22は、例えば裸光ファイバ22aを被覆で覆った構成の被覆付き光ファイバであり、光ファイバ心線や光ファイバ素線等を例示できる。
光コネクタ20は、スリーブ状の第1ハウジング11と、第1ハウジング11内に設けられたクランプ部付きフェルール12と、第1ハウジング11の後側に設けられた第2ハウジング13と、を備えた光ファイバ接続器である。
光コネクタ20は、例えばSC形光コネクタ(JIS C5973に制定されるF04形光コネクタ。SC:Single fiber Coupling optical fiber connector)、MU形光コネクタ(JIS C 5973に制定されるF14形光コネクタ。MU:Miniature-Unit coupling optical fiber connector)等の単心用光コネクタが使用できる。
以下の説明において、フェルール1の接合端面1bに向かう方向を前方(先端方向)といい、その反対方向を後方ということがある。
図11(b)に示すように、クランプ部付きフェルール12は、光ファイバ2(内蔵光ファイバ2)(受け側光ファイバ)を内挿固定したフェルール1の後側に、クランプ部14(接続機構)を組み立てたものである。
クランプ部14は、内蔵光ファイバ2の後側突出部2aと光ファイバ22の先端部とを把持固定して光ファイバ2、22同士の突き合わせ接続状態を維持する。
クランプ部14は、フェルール1から後側に延出するベース部材15(後側延出片15)(ベース側素子)と蓋部材16、17(蓋側素子)と、これらを内側に一括保持したクランプばね18と、を備えている。
クランプ部14は、ベース部材15と蓋部材16、17との間に、内蔵光ファイバ2の後側突出部2aと光ファイバ22の先端部とを挟み込んで把持固定することができる。
クランプ部付きフェルール12の内蔵光ファイバ2後端に突き合わせ接続する光ファイバ22を、挿入光ファイバ22ともいう。
内蔵光ファイバ2は、フェルール1にその軸線と同軸に貫設された微細孔であるファイバ孔1aに内挿され、接着剤を用いた接着固定等によってフェルール1に固定されている。内蔵光ファイバ2の前端の端面は、フェルール1先端(前端)の接合端面1bに露出している。内蔵光ファイバ2は、例えば裸光ファイバである。
後側延出片15の対向面(蓋部材16、17に対面する面)には、内蔵光ファイバ2の後側突出部2aをフェルール1のファイバ孔1aの後方延長上に位置決めする調心溝19aと、調心溝19aの後端から後方に延在する被覆部収納溝19bが形成されている。
図1は、内蔵光ファイバ2の後端2bおよびその近傍を示す図である。後端2bは、フェルール1の接合端面1b側の端部(先端)とは反対側の端部(接続端)である。後端2bの端面2b1(後端面、接続端面)は、略平坦であって、光軸に垂直であることが好ましい。
端面2b1は、ミラー面であることが望ましい。端面2b1は、最大高さRz(JIS B 0601(2001))が例えば1μm未満であることが好ましい。
内蔵光ファイバ2の端面2b1には、固形の屈折率整合材層10が形成されている。屈折率整合材層10は、内蔵光ファイバ2の端面2b1と、挿入光ファイバ22の端面22b1(先端面)(図2参照)との間に介在するように形成される。
屈折率整合材層10は、屈折率整合性を有する。屈折率整合性とは、屈折率整合材層10の屈折率と、光ファイバ2、22の屈折率との近接の程度をいう。屈折率整合材層10の屈折率は、光ファイバ2、22に近いほどよいが、フレネル反射の回避による伝送損失低減の点から、光ファイバ2、22との屈折率の差が±0.1以内であることが好ましく、さらに好ましくは±0.05以内である。突き合わせ接続される2本の光ファイバ2、22の屈折率が互いに異なる場合には、2本の光ファイバ2、22の屈折率の平均値と屈折率整合材層10の屈折率との差が上記範囲内にあることが望ましい。
屈折率整合材層10の材質としては、例えばアクリル系、エポキシ系、ビニル系、シリコーン系、ゴム系、ウレタン系、メタクリル系、ナイロン系、ビスフェノール系、ジオール系、ポリイミド系、フッ素化エポキ.0シ系、フッ素化アクリル系などの高分子材料を挙げることができる。
屈折率整合材層10は、一定厚みの層状としてもよいが、端面2b1の中央から周縁に向けて徐々に厚みを減じる形状とすることが好ましい。
例えば、屈折率整合材層10の後面10a(外面)は、後方(接続方向)に突出する湾曲凸面とすることができる。湾曲凸面とは、例えば球面、楕円球面などである。後面10aは、全面が湾曲凸面であってもよいし、一部のみが湾曲凸面であってもよい。
後面10aを湾曲凸面とすることによって、端面22b1の中央部分が最も厚くなるため、端面22b1の中央にあるコア23の端面23aを確実に屈折率整合材層10に当接させ、接続損失を良好にすることができる。
屈折率整合材層10は、端面2b1のうち少なくともコア3の端面3aを覆って形成することが好ましく、端面2b1の全面に形成することがさらに好ましい。図示例の屈折率整合材層10は端面2b1の全面に形成されている。
なお、屈折率整合材層10は、端面2b1だけでなく、後端2b近傍の内蔵光ファイバ2の外周面に達して形成されていてもよい。
屈折率整合材層10は、弾性的に変形可能とすることができる。屈折率整合材層10は、光ファイバ2、22の裸光ファイバに比べて硬度が低い軟質層であり、挿入光ファイバ22を内蔵光ファイバ2に突き当てたときに、突き当てによる衝撃力を緩和することができる。
図14に示すように、屈折率整合材層10のショア硬度E(JIS K 6253に準拠)は、30以上、85以下が好ましい。
屈折率整合材層10のショア硬度Eは、低すぎれば(例えば領域R3内では)、屈折率整合材層10が内蔵光ファイバ2の端面2b1から剥離しやすくなるが、ショア硬度Eを30以上とすることによって、これを防ぐことができる。
具体的には、例えば、調心溝19a内での光ファイバ2,22端部の位置調整や、温度や湿度の変動によって、屈折率整合材層10に大きな力が加えられた場合でも、端面2b1から屈折率整合材層10が剥離するのを防ぐことができる。
また、屈折率整合材層10のショア硬度Eを30以上とすることによって、屈折率整合材層10に、損失増加の原因となる皺形成などの変形が起こるのを防止できる。
屈折率整合材層10のショア硬度Eは、高すぎれば(例えば領域R4では)、未硬化時の屈折率整合材の粘度が高くなるため内蔵光ファイバ2の端面2b1に付着させるのが難しくなるが、ショア硬度Eを85以下とすることによって、屈折率整合材を端面2b1に付着させる操作が容易になり、所定の形状(例えば前述の湾曲凸面をなす形状)の屈折率整合材層10を精度よく形成することができる。
また、屈折率整合材層10のショア硬度Eを85以下とすることによって、光ファイバ2,22端部に対して十分な追従変形が可能となる。このため、例えば調心溝19a内での光ファイバ2,22端部の位置調整や温度や湿度の変動によって屈折率整合材層10に大きな力が加えられた場合でも、損失増加の原因となる隙間等が生じるのを回避できる。
屈折率整合材層10の厚み(例えば図1に示す厚みT1)は、10μmより大きいことが望ましい。特に、20μm以上、60μm以下が好ましい。
屈折率整合材層10の厚みとは、例えばコア3の端面3aの中心における厚みであって、内蔵光ファイバ2の光軸方向の寸法である。図1に示す厚みT1は、屈折率整合材層10の中央部の厚みであり、最大厚みである。
図14に示すように、屈折率整合材層10は、薄すぎれば(例えば領域R5では)、光ファイバ2,22間の距離が大きくなったときに屈折率整合材としての効果を発揮できないが、厚みを20μm以上とすれば、屈折率整合材としての効果を確実に得るうえで有利である。
また、厚みを20μm以上とすることによって、光ファイバ2,22端部に対して十分な追従変形が可能となり、損失増加の原因となる隙間等が生じるのを回避できる。
屈折率整合材層10は、厚すぎれば(例えば領域R6では)光ファイバ2,22の端部の位置が安定せず、初期特性が変動しやすくなる傾向がある。
また、光ファイバ端部位置の安定性は、屈折率整合材層10の硬度の影響を受ける。
ショア硬度E85かつ厚み40μmの点P1と、ショア硬度E30かつ厚み60μmの点P2とを結ぶ直線を直線L1(ショア硬度E=−2.75*整合材層厚み+195)とすると、直線L1より厚みが大きい側の領域(領域R7等)に比べ、直線L1を含めこれより厚みが小さい側の領域(領域R1等)では、前述の光ファイバ端部位置の不安定化が起こりにくい。
よって、屈折率整合材層10のショア硬度Eが30以上、85以下であって、厚みが20μm以上、60μm以下であり、しかも領域R7を除く領域(領域R1)、すなわち (ショア硬度E;30、厚み;20μm)、(ショア硬度E;85、厚み;20μm)、(ショア硬度E;85、厚み;40μm)、(ショア硬度E:30、厚み:60μm)で囲まれる範囲(図14の台形の範囲)内では、屈折率整合材層10の剥離を防ぐとともに、屈折率整合材層10を精度よく形成でき、さらに、初期特性を安定化し接続損失を確実に低く維持できる。
領域R1内であって、ショア硬度Eが45以上、80以下の領域R2では、挿入光ファイバ22が空孔付き光ファイバ(図15参照)である場合に、接続損失を低くできる。
空孔付き光ファイバは、導波方向に対して連続した空孔を複数有する光ファイバである。空孔付き光ファイバ(Holey Fiber、HF)としては、空孔アシストファイバ(Hole-Assisted Fiber、HAF)などがある。
領域R2の屈折率整合材層10の使用により接続損失を良好にできる理由については、次の考察が可能である。
図15に示すように、空孔付き光ファイバ50は、コア71と、その周囲を囲むクラッド部52とを備え、クラッド部52内に複数の空孔53が形成されている。
図16は、空孔付き光ファイバ50において、固形の屈折率整合材を使用して接続損失が大きくなった場合の屈折率整合材層10を示す写真である。屈折率整合材層10の表面は平坦ではなく、凹凸による段部10aが形成されている。段部10aは、その形状から見て、光ファイバ2、22により屈折率整合材層10に加えられた力によって、屈折率整合材層10の表面に皺が寄るような変形が生じることによって形成された可能性がある。このことから、次のような推測が可能である。
挿入光ファイバ22が空孔付き光ファイバ50である場合には、内蔵光ファイバ2との突き合わせにより、屈折率整合材層10の表面は、空孔53を有する端面22b1に応じた凹凸を有する形状となるため、屈折率整合材層10は、端面22b1に対して当該面方向には滑り移動しにくくなる。
屈折率整合材層10の硬度が低すぎる場合には、この状態で介挿片31が抜き去られ、クランプばね18の弾性によって、光ファイバ2,22が調心溝19a内で位置調整されると、挿入光ファイバ22の端面22b1により、屈折率整合材層10に当該面方向の大きなせん断力が加えられ、損失増加の原因となる皺形成などの変形が起こるおそれがある。
一方、屈折率整合材層10の硬度が高すぎる場合には、調心溝19a内での光ファイバ端部の位置調整の際に十分な追従変形ができず、損失増加の原因となる隙間等が生じるおそれがある。
これに対し、領域R2(ショア硬度Eが45以上、80以下)の屈折率整合材層10を使用すれば、位置調整される光ファイバ端部に対して十分な追従変形が可能であるから損失増加の原因となる隙間等が生じず、しかも皺形成などの変形が起こりにくくなる。従って、接続損失を低くできる。
屈折率整合材層10は、例えば次の方法により形成することができる。
内蔵光ファイバ2を帯電させた状態で、後端2bの端面2b1を液状屈折率整合材の液面に近接させ、この液状屈折率整合材を内蔵光ファイバ2の端面2b1に吸着(付着)させた後、硬化させ、屈折率整合材層10とする。
また、屈折率整合材層10の形成に先立って、放電を利用して端面2b1を清浄化してもよい。
なお、屈折率整合材層10は、液状屈折率整合材を電気的に吸着させる方法に限らず、液状屈折率整合材を他の方法により端面2b1に塗布することにより形成することもできる。
図12に示すように、後側延出片15と蓋部材16、17との間には、スプライス用工具50の介挿片51が抜き去り可能に介挿できる。
図11(a)に示すように、第2ハウジング13は、光ファイバケーブル21の端末を引き留めることができるように構成することができる。
次に、光コネクタ20を用いた光ファイバの接続方法の一形態例を詳しく説明する。
(光ファイバの切断)
まず、挿入光ファイバ22の切断加工を行う。
光ファイバ22の切断加工は、光ファイバ22の口出し長を、光コネクタ20の仕様に応じて定められた長さに調整するとともに、ミラー面である端面22b1を形成する工程である(図2参照)。
光ファイバ22を切断する際には、切断刃により光ファイバ22に初期傷を形成した後、この初期傷を成長させるように挿入光ファイバ22に張力を付与することで、挿入光ファイバ22を劈開により切断する。
光ファイバの切断工具(光ファイバカッタ)としては、簡易型のものを使用できる。
簡易型の光ファイバカッタとしては、切断刃の駆動または挿入光ファイバ22への張力付与を手動にて行うものを挙げることができる。
簡易型の光ファイバカッタの具体例としては、例えば、光ファイバを保持する保持部と、これから延出する一対のアームと、それらの先端に設けられた把持部とを備えた光ファイバカッタがある(例えば、特開2012−226252号公報、特願2013−141144を参照)。
前記光ファイバカッタは、手動で切断刃により光ファイバに初期傷を形成するとともに、操作者が手指により把持部を操作して光ファイバを挟み込んで光ファイバに引張力を加えることによって光ファイバの切断を促す。
ここに例示する光ファイバカッタでは、光ファイバを長さ方向に引張ることによって引張力を作用させる方式が採用されているが、光ファイバに曲げ方向の力を加えることによって引張力を作用させる方式を採用してもよい。
簡易型の光ファイバカッタでは、切断加工の条件を完全に一定にするのが難しい。特に、光ファイバに形成される初期傷の深さ、および光ファイバに加えられる引張力を精度よく調整するのが難しい。
初期傷の深さの調整が難しいのは、切断刃の移動速度や切断位置などを一定にするのが、装置構造上、容易でないからである。例えば、切断刃の駆動を手動で行う場合、切断刃の移動速度や切断位置などの条件を正確に定めるのは容易でない。
引張力の調整が難しいのは、光ファイバの把持位置が変動しやすく、また、光ファイバに加える力を一定にするのが、装置構造上、容易でないからである。例えば、張力付与を手動で行う場合、精度の高い張力の調整は難しい。
初期傷については、例えば深さが不足する場合(傷が浅い場合)に、初期傷の成長より速く破断(クラック形成)が進行しやすくなるため、切断面に凹凸(例えばハックルマーク(後述))が形成されやすいと推測できる。
引張力については、例えば過大である場合に、初期傷の成長より速く破断(クラック形成)が進行しやすくなるため、切断面に凹凸が形成されやすいと推測できる。
簡易型の光ファイバカッタを用いた場合には、初期傷の深さ、光ファイバに加えられる引張力等を精度よく調整するのが難しいため、全面が鏡面状となった切断面が得られないことがある。
本発明の接続方法の対象となる外部光ファイバの端面は、以下の2つのケースのいずれかに該当する。
ケース1:基準面から突出した凸部分の突出高さが10μm未満であり、かつ、コアが非ミラー部分に含まれる。
ケース2:凸部分の突出高さは10μm以上、屈折率整合材層の厚み以下である。
なお、ミラー面とは、例えば、最大高さRz(JIS B 0601(2001))が1μm未満の面である。ミラー面であるコア23の端面23aにおける光透過率(光コネクタ20に使用される光の透過率)は、例えば95%以上(好ましくは99%以上)であり、「非ミラー面」であるコア23の端面23aにおける光透過率は、例えばこの範囲を外れる値である。
以下、各ケースについて説明する。
(ケース1)
ケース1は、挿入光ファイバの端面(切断面)の凸部分の突出高さが10μm未満であり、かつ、コアが非ミラー部分に含まれる場合である。
挿入光ファイバ22の端面22b1には、例えば、ハックルマークなどの微細な凹凸が形成されることがある。ハックルマークは、光ファイバの切断の進行方向に沿って形成される筋状の凹凸であって、例えば、光ファイバの切断の際に光ファイバに大きな力(引張力等)が加えられたときに、複数の破面形成が並行して進行して形成されるものである。
図3は、ケース1の第1の例を示す図である。図3(a)は、この例の挿入光ファイバ22(22A)の端面22b1の平面図である。図3(b)は、ハックルマーク25の断面を模式的に示す図であって、図3(a)のI−I線に沿う断面を模式的に示す図である。
この例では、端面22b1は、挿入光ファイバ22の光軸に対して垂直な面であって、略平坦面である(図2参照)。略平坦面とは、例えば、コア23の端面23aを含む面(主面)から突出する部分(突出高さ10μm以上)(図6参照)がない面をいう。「略平坦面」は、最大高さRz(JIS B 0601(2001))が10μm未満と規定してもよい。
図3(a)に示すように、この例の端面22b1は、初期傷の開始点28を含むミラー面領域26と、ミラー面領域26の外側の領域であるハックルマーク領域27(非ミラー部分)とを有する。ハックルマーク領域27は、1または複数のハックルマーク25を有する領域である。
図3(b)に示すように、ハックルマーク25は端面22b1に形成された微細な凹凸である。ハックルマーク25の凸部の高さH1は、例えば1μm以上、10μm未満であってよい。
高さH1は、ハックルマーク領域27における所定領域内の凹凸の最大高低差であってよい。
ここでいう凹凸(微細凹凸)は、最大高さRz(JIS B 0601(2001))が前記範囲(1μm以上、10μm未満)であるものと規定することができる。
なお、ここでいう高さとは、端面22b1に対して垂直な方向、すなわち光軸方向の寸法である。
図3(a)に示すように、ハックルマーク25は、例えば、ハックルマーク領域27の内縁27aから外縁27b(端面22b1の外周縁)に向かって、放射状に延出して形成されている。この例のハックルマーク25は、初期傷の開始点28またはその近傍を集約点とする放射状に形成されている。
この例では、コア23(23A)の端面23aは、その全域がハックルマーク領域27に含まれているため、「非ミラー面」である。
図3(a)に示す端面22b1は、突出高さ10μm以上の凸部分がないため「凸部分の突出高さが10μm未満」に含まれる。なお、凸部分とは、基準面から内蔵光ファイバ2側に突出した部分である。基準面とは、受け側光ファイバの接続端の端面と平行な、外部光ファイバのコアを含む面(例えばコアの端面の中心を含む面)である。
図2に示すように、この例では、端面2b1は内蔵光ファイバ2の光軸に垂直な面であり、端面22b1は挿入光ファイバ22の光軸に垂直な面であるから、端面22b1は、端面2b1と平行である。また、端面22b1はコア23の端面23aを含む(詳しくはコア23の中心23a1を含む)。よって、端面22b1は、挿入光ファイバ22における基準面24(24A)である。
端面22b1は略平坦面であって、基準面24(24A)から突出した高さ10μm以上の凸部分はない。
図4は、ケース1の第2の例を示すものである。この例の挿入光ファイバ22(22B)では、ミラー面領域26はなく、端面22b1の全域がハックルマーク領域27となっている。コア23(23B)の端面23aは、ハックルマーク領域27に含まれているため、「非ミラー面」である。
図3の場合と同様に、端面22b1には、基準面24(24A)から突出した高さ10μm以上の凸部分はない。
図5は、ケース1の第3の例を示すものである。この例の挿入光ファイバ22(22C)では、コア23の端面23aは、一部の領域がハックルマーク領域27にある。このため、コア23(23C)の端面23aは非ミラー面であり、コア23は非ミラー部分に含まれるとみなすことができる。
図3の場合と同様に、端面22b1には、基準面24(24A)から突出した高さ10μm以上の凸部分はない。
図3〜図5に示す例では、ミラー面領域26は、初期傷の開始点28またはその近傍を中心とする略円弧状の周縁26bを有する領域である。開始点28から周縁26bまでの距離(端面22b1の径方向の距離)をミラー半径Rという。
光ファイバ22の破断強度α(g/mm)と、ミラー半径Rとの間には、式(1)および表1に示す関係があることが報告されている(佐藤正博、「光ファイバの機械的強度と信頼性」、フジクラ技報、株式会社フジクラ、1983年3月、第65号、p.1〜8を参照)。
α=6800/R1/2(g/mm) ・・・(1)
式(1)および表1に基づけば、破断強度が大きくなるほどミラー面領域26の面積比率は小さく、ハックルマーク領域27の面積比率は大きくなる。
挿入光ファイバ22の端面22b1(切断面)に形成される微細凹凸はハックルマークに限らない。例えばリブマーク(例えばウォルナー線、アレスト線)などがある。
ハックルマーク以外の微細凹凸の場合でも、ハックルマークと同様に、凸部の高さ(または最大高さRz)は、例えば1μm以上、10μm未満であってよい。
図2に示すように、内蔵光ファイバ2のコア3の端面3aと、挿入光ファイバ22のコア23の端面23aとの距離D1(以下、コア間距離D1という)は、屈折率整合材層10の厚みT1(コア3の端面3aでの厚み)(図1参照)以下であることが好ましい。コア間距離D1は、20μm以下であることが好ましい。
コア間距離D1をこの範囲とすることによって、屈折率整合材層10を挿入光ファイバ22のコア23の端面23aに当接させ、屈折率整合効果を確実に得ることができる。
なお、コア間距離とは、例えば2つの光ファイバのコアの端面の中心間の距離である。
(ケース2)
次に、ケース2について説明する。
ケース2は、挿入光ファイバの端面(切断面)が前記凸部分を有し、その突出高さは10μm以上、屈折率整合材層の厚み以下である場合である。
図6は、ケース2の第1の例を示す図である。図6に示す例では、挿入光ファイバ22(22D)の端面22b2(先端面)に、主面29a1を有する主部29aと、主面29aから先端方向に突出する凸部分29bとが形成されている。
主面29a1は、挿入光ファイバ22の光軸に垂直な略平坦面であり、コア23の端面23aを含む。この例では、主面29a1は、凸部分29bの凸部分端面29b1より面積が大きい。
凸部分29bは、主面29a1に対して傾斜する略平坦な凸部分端面29b1を有する。凸部分端面29b1は、コア23から離れるほど高さを増す方向に傾斜している。
端面2b1は内蔵光ファイバ2の光軸に垂直な面であり、主面29a1は挿入光ファイバ22の光軸に垂直な面であるから、主面29a1は、端面2b1と平行である。また、主面29a1はコア23の端面23aの中心23a1を含む。
よって、主面29a1は、挿入光ファイバ22における基準面24(24B)である。
凸部分29bは、主面29a1(基準面24(24B))から端面2b1に向けて突出して形成されている。
凸部分29bの突出高さH2は、主面29a1からの高さであって、挿入光ファイバ22の光軸方向の寸法である。高さH2は、コア23の端面23a(例えば中心23a1)を基準とした凸部分29bの高さともいえる。
凸部分29bの高さH2は、10μm以上、屈折率整合材層10の厚みT1(コア3の端面3aでの厚み)以下とされる。凸部分29bの高さH2は、例えば10μm以上、20μm以下である。
高さH2をこの範囲とすることによって、屈折率整合材層10を挿入光ファイバ22のコア23の端面23aに確実に当接させ、屈折率整合効果を得ることができる。
この例では、コア23の端面23aはミラー面であってもよいし、非ミラー面であってもよい。
なお、図6の例では、主面29a1は端面22b2内で最大面積を有する面であるが、主面29a1は最大面積を有する面でなくてもよい。
また、図6に示す端面22b2は、主面29a1と凸部分端面29b1とからなるが、挿入光ファイバの端面(切断面)は、主面と凸部分端面以外の他の面を含んでいてもよい。
例えば、挿入光ファイバの端面は、主面を有する主部と、主面から先端方向に突出する凸部分と、主面に対し凹状に形成された凹部分とを有していてもよい。この場合、挿入光ファイバの端面は、主面と、凸部分端面と、凹部分端面とからなる。
内蔵光ファイバ2のコア3の端面3aと、挿入光ファイバ22のコア23の端面23aとの距離D2(以下、コア間距離D2という)は、屈折率整合材層10の厚みT1(コア3の端面3aでの厚み)以下であることが好ましい。コア間距離D2は、20μm以下であることが好ましい。
図6に示す主面29a1は、挿入光ファイバ22の光軸に対して垂直な面であるが、主面は当該垂直面に対して傾斜していてもよい。
図7は、ケース2の第2の例を示す図であって、主面が傾斜面である例を示す。
内蔵光ファイバ2の端面2b2は内蔵光ファイバ2の光軸に垂直な面に対し傾斜した略平坦面である。
挿入光ファイバ22(22E)の端面22b3には、主面30a1を有する主部30aと、主面30aから先端方向に突出する凸部分30bとが形成されている。
主面30a1は、挿入光ファイバ22の光軸に垂直な面に対し傾斜した略平坦面であり、コア23の端面23aを含む。凸部分30bは、主面30a1に対して傾斜する略平坦な凸部分端面30b1を有する。
挿入光ファイバ22の主面30a1は、内蔵光ファイバ2の端面2b2に平行な傾斜面であって、コア23の端面23aの中心23a1を含む。
よって、主面30a1は、挿入光ファイバ22における基準面24(24C)である。
凸部分30bは、主面30a1(基準面24(24C))から端面2b2に向けて突出して形成されている。
凸部分30bの突出高さH3は、主面30a1からの高さであって、光軸方向の寸法である。高さH3は、10μm以上、屈折率整合材層10の厚みT2(コア3の端面3aでの厚み)以下とされる。凸部分30bの高さH3は、10μm以上、20μm以下であることが好ましい。
屈折率整合材層10の厚みT2は、内蔵光ファイバ2の光軸方向の寸法である。
内蔵光ファイバ2のコア3の端面3aと、挿入光ファイバ22のコア23の端面23aとの距離D3(以下、コア間距離D3という)は、屈折率整合材層10の厚みT2(コア23の端面23aでの厚み)以下であることが好ましい。コア間距離D3は、20μm以下であることが好ましい。
この例においても、コア23の端面23aはミラー面であってもよいし、非ミラー面であってもよい。
図8は、ケース2の第3の例を示す図であって、図8(a)は挿入光ファイバ22と内蔵光ファイバ2の形状を示す図であり、図8(b)は挿入光ファイバ22と内蔵光ファイバ2との接続部を示す断面図である。
内蔵光ファイバ2の端面2b2は、図7に示す第2の例と同様に、内蔵光ファイバ2の光軸に垂直な面に対し傾斜した略平坦面である。挿入光ファイバ22(22F)の端面22b4も、挿入光ファイバ22の光軸に垂直な面に対し傾斜した略平坦面である。端面2b2と端面22b4の傾斜角度は互いに同じである。
図8(a)に示すように、この例では、端面2b2の主線2cと端面22b4の主線22cの方向が互いに異なるため、端面2b2と端面22b4の傾斜方向は一致していない。なお、主線とは、例えば、傾斜した端面の先端と中心とを通る線である。
図8(b)に示すように、端面2b2と平行であって、コア23の端面23aの中心23a1を含む面を基準面24(24D)とする。
挿入光ファイバ22(22F)の端面22b4は略平坦面であるが、前述の傾斜方向の不一致により、その一部は、基準面24(24D)よりも内蔵光ファイバ2側に突出している。
図8(b)では、コア23の端面23aより下方側の部分は、基準面24(24D)から端面2b2に向けて突出した凸部分31bである。
凸部分31bの突出高さH4は、基準面24(24D)からの高さであって、挿入光ファイバ22の光軸方向の寸法である。高さH4は、10μm以上、屈折率整合材層10の厚みT2以下とされる。凸部分31bの高さH4は、10μm以上、20μm以下であることが好ましい。
内蔵光ファイバ2のコア3の端面3aと、挿入光ファイバ22のコア23の端面23aとの距離D4(以下、コア間距離D4という)は、屈折率整合材層10の厚みT2(コア23の端面23aでの厚み)以下であることが好ましい。コア間距離D4は、20μm以下であることが好ましい。
(光ファイバの突き合わせ)
図11(b)に示すように、光ファイバケーブル21の端末から突出する挿入光ファイバ22を、クランプ部付きフェルール12の調心溝19aに送り込み、挿入光ファイバ22先端の裸光ファイバ22aを内蔵光ファイバ2後端に突き合わせる。
図12に示すように、クランプ部付きフェルール12のクランプ部14から介挿片31を抜き去ると、クランプばね18の弾性によって、後側延出片15と蓋部材16、17との間に挿入光ファイバ22先端の裸光ファイバ22aが把持固定される。
これにより、クランプ部付きフェルール12の内蔵光ファイバ2に対する挿入光ファイバ22の突き合わせ接続状態を安定に保つことができる。
ケース1(図3〜図5参照)では、図2に示すように、内蔵光ファイバ2の後端2bの端面2b1(後端面)に、挿入光ファイバ22の先端22b(接続端)の端面22b1(先端面)が、屈折率整合材層10を介して突き合わせされ、光ファイバ2と光ファイバ22とが光接続される。
屈折率整合材層10は、厚み方向に弾性的に圧縮変形し、後面10aは、中央部分10bで端面22b1に当接する。
圧縮変形した状態の屈折率整合材層10の後面10aは、例えば端面22b1に当接する円形の中央部分10bと、その周囲の湾曲凸面をなす環状(円環状)の周縁部分10cとを有する形状であってよい。
図示例では、屈折率整合材層10の中央部分10bは、コア23の端面23aを含む部分に当接している。
ケース1(図3〜図5参照)では、挿入光ファイバ22のコア23の端面23aにハックルマーク25などの微細凹凸が形成されているが、内蔵光ファイバ2の端面2b1には屈折率整合材層10が設けられているため、内蔵光ファイバ2と挿入光ファイバ22との端面2b1、22b1間(特にコア3、23の端面3a、23a間)に屈折率整合材層10を介在させることができる。
このため、端面22b1に凹凸があっても、屈折率整合材層10がそれに沿う形状となることから端面2b1、22b1間(特に端面3a、23a間)に空隙が生じることがなく、低損失の光接続を実現できる。
また、屈折率整合材層10が固形であるため、液状屈折率整合剤を使用した場合とは異なり、高温環境下での屈折率整合剤の流動に伴う気泡や異物の侵入により光ファイバの接続の後に損失が増大するという不都合は生じない。
また、挿入光ファイバ22の端面に凹凸があっても損失を抑えることができるため、安価な簡易型の光ファイバカッタを使用することができ、コスト面で有利になる。
ケース2(図6〜図8参照)では、挿入光ファイバ22の端面22b2〜22b4に凸部分29b、30b、31bが形成されているが、内蔵光ファイバ2の端面2b1に屈折率整合材層10が設けられているため、内蔵光ファイバ2と挿入光ファイバ22との端面間(特にコア3、23の端面3a、23a間)に屈折率整合材層10を介在させることができる。
このため、端面2b1、22b2間に空隙が生じることがなく、低損失の光接続を実現できる。
また、屈折率整合材層10が固形であるため、液状屈折率整合剤を使用した場合とは異なり、高温環境下での屈折率整合剤の流動に伴う気泡や異物の侵入により、光ファイバ接続の後に損失が増大するという不都合は生じない。
図9および図10は、本発明の接続方法の対象外となるケースを示す図である。
図9は、対象外のケースの第1の例を示すものである。この例の挿入光ファイバ22(22G)では、図3の場合に比べてミラー面領域26が広く、コア23(23D)の端面23aは全域がミラー面領域26内にある。
コア23(23D)の端面23aがミラー面であるため、この例の端面22b1はケース1には該当しない。
また、端面22b1は略平坦面であり、高さ10μm以上の凸部分はないことから、ケース2にも該当しない。
よって、この例の挿入光ファイバ22の端面22b1は、本発明の接続方法の対象外となる。
図10は、対象外のケースの第2の例を示すものである。この例では、挿入光ファイバ22(22H)の端面22b5に、主面32a1(基準面24(24E))を有する主部32aと、主面32a1から突出する凸部分32bとが形成されている。凸部32bは、主面32a1に対して傾斜する凸部端面32b1を有する。
主面32a1(基準面24(24E)に対する凸部32bの突出高さH5は、屈折率整合材層10の厚みT1より大きい。
本例には、コア23の端面23aがミラー面である場合と、非ミラー面である場合との両方が含まれる。
この例は、主面32a1に対する凸部32bの突出高さH5が屈折率整合材層10の厚みT1を越えるため、ケース1にもケース2にも該当しない。
よって、図10に示す挿入光ファイバ22の端面22b5は、本発明の接続方法の対象外となる。
図10に示すように、この例の端面22b5は、凸部32bが高く形成されているため、凸部32bが内蔵光ファイバ2の端面2b1に当たる。凸部32bの高さH5は屈折率整合材層10の厚みT1より大きいため、屈折率整合材層10はコア23の端面23aに到達せず、屈折率整合効果が得られない。
図13に示すように、本発明の接続方法は、光コネクタに限らず、メカニカルスプライス(光ファイバ接続器)に適用することもできる。
以下、メカニカルスプライス40の構造を説明した後、これを用いて光ファイバを接続する方法について説明する。前述の光コネクタ20の接続方法との共通部分については、同じ符号を付して説明を省略することがある。
図13(a)に示すように、メカニカルスプライス40は、ベース部材41(ベース側素子)と、蓋部材42(42a、42b、42c)(蓋側素子)と、これらを一括保持したクランプばね43と、を備えている。
メカニカルスプライス40は、ベース部材41と蓋部材42との間に、受け側光ファイバ44と挿入光ファイバ22とを挟み込んで把持固定することができる。
図13(b)に示すように、受け側光ファイバ44は、口出しされた裸光ファイバ44aの先端44bの端面44b1に、図1に示す内蔵光ファイバ2と同様に、固形の屈折率整合材層10が形成されている。なお、符号45はコアであり、45aはコア45の端面である。
(受け側光ファイバの挿入)
受け側光ファイバ44を、メカニカルスプライス40の一端側から、ベース部材41と蓋部材42との間に挿入する。これによって、受け側光ファイバ44はメカニカルスプライス40に内挿される。
(挿入光ファイバの切断)
切断刃により光ファイバ22に初期傷を形成した後、この初期傷を成長させるように挿入光ファイバ22に引張方向の力を付与することで、挿入光ファイバ22を劈開により切断する。
光ファイバの切断工具(光ファイバカッタ)としては、上述の簡易型のものを使用できる。
次いで、挿入光ファイバ22を、メカニカルスプライス40の他端側から、ベース部材41と蓋部材42との間に送り込み、裸光ファイバ22aの先端22bを受け側光ファイバ44の先端44b(接続端)の端面44b1に突き合わせる。
メカニカルスプライス40においても、挿入光ファイバ22の切断面(先端面)は、上述のケース1およびケース2のいずれかに該当する場合が対象となる。
挿入光ファイバ22の端面22b1がケース1(図3〜図5参照)の場合は、挿入光ファイバ22のコア23の端面23aにハックルマーク25などの微細凹凸が形成されているが、屈折率整合材層10がそれに沿う形状となることから、端面44b1、22b1間(特に端面45a、23a間)に空隙が生じることがなく、低損失の光接続を実現できる。
ケース2(図6〜図8参照)の場合は、挿入光ファイバ22の端面22b2〜22b4に凸部分29b、30b、31bが形成されているが、内蔵光ファイバ2の端面2b1に屈折率整合材層10が設けられているため、端面44b1、22b1間(特に端面45a、23a間)に屈折率整合材層10を介在させることができる。
このため、端面44b1、22b2間に空隙が生じることがなく、低損失の光接続を実現できる。
2・・・内蔵光ファイバ(受け側光ファイバ)、2b・・・後端(接続端)、2b1・・・端面、10・・・屈折率整合材層、20・・・光コネクタ(光ファイバ接続器)、22・・・挿入光ファイバ(外部光ファイバ)、22b・・・先端(接続端)、22b1、22b2・・・端面、23・・・コア、23a・・・端面、23a1・・・中心、24・・・基準面、27・・・ハックルマーク領域(非ミラー部分)、29b、30b、31b・・・凸部分、40・・・メカニカルスプライス(光ファイバ接続器)、44・・・受け側光ファイバ、44b・・・先端(接続端)、44b1・・・端面。

Claims (7)

  1. 光ファイバ接続器に予め挿入されており、接続端の端面に10μmより大きい厚さの固形の屈折率整合材層を形成した受け側光ファイバと、挿入する次の条件に該当する外部光ファイバとを前記屈折率整合材層を介して突き合わせ接続する光ファイバの接続方法。
    (1)前記受け側光ファイバの接続端の端面と平行な、コアを含む面を基準面として、前記基準面から前記受け側光ファイバ側に突出した凸部分の突出高さが10μm未満であり、かつ、コアが最大高さRz(JIS B 0601(2001))が1μm以上、10μm未満の領域である非ミラー部分に含まれる。
  2. 前記外部光ファイバの接続端の端面は、切断刃の駆動または前記外部光ファイバへの張力付与を手動にて行う簡易型の光ファイバカッタによって切断されている請求項1に記載の光ファイバの接続方法。
  3. 前記非ミラー部分である前記外部光ファイバのコアの端面は、その少なくとも一部にハックルマークが形成されている請求項1または2に記載の光ファイバの接続方法。
  4. 前記屈折率整合材層のショア硬度Eおよび厚みは、(ショア硬度E;30、厚み;20μm)、(ショア硬度E;85、厚み;20μm)、(ショア硬度E;85、厚み;40μm)、(ショア硬度E:30、厚み:60μm)で囲まれる範囲内にある請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光ファイバの接続方法。
  5. 前記外部光ファイバは、空孔付き光ファイバであって、
    前記屈折率整合材層のショア硬度Eは、45以上、80以下の範囲にある請求項4に記載の光ファイバの接続方法。
  6. 前記光ファイバ接続器は、前記受け側光ファイバが内挿固定されたフェルールと、前記受け側光ファイバに前記外部光ファイバを突き合わせ接続させる接続機構と、を備えた光コネクタである請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光ファイバの接続方法。
  7. 前記屈折率整合材層は、湾曲凸面状に形成されている請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の光ファイバの接続方法。
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