JP5922637B2 - 透析システム - Google Patents

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Description

本発明は、1以上の透析装置と、当該1以上の透析装置に対して透析液や水を供給する液体供給装置と、液体供給装置と1以上の透析装置とを接続する配管と、を備えた透析システムに関し、特に、配管の消毒機能を備えた透析システムに関する。
従来から、複数の患者に対して同時に血液透析治療を行うため、複数台の透析装置と、各透析装置に透析液または透析液生成用の水等を供給する液体供給装置と、を備えた透析システムが広く知られている(例えば特許文献1等)。
図7は、従来の透析システム10の一例を示す図である。この図7に示すように、透析液供給装置16は、配管を介して複数の透析装置20に接続されている。透析用母管24は、透析液供給装置16から送液された透析液が流れる配管である。この透析用母管24は、透析液供給装置16から送液された透析液を加熱ヒータユニット15で循環させるループ状配管となっている。透析用母管24からは、複数の枝管26が分岐しており、この枝管26を介して各透析装置20に透析液が送られる。
かかる透析システム10では、定期的に、あるいは、必要に応じて、透析液等が流れる配管を洗浄および消毒する必要がある。そこで、従来から、加熱洗浄水を利用して配管を洗浄および消毒する技術が利用されている。具体的には、透析液供給装置16から送液された洗浄水(具体的には、クエン酸を含む熱水)を加熱ヒータユニット15にて循環加熱し、この加熱された洗浄液を透析液に替えて配管に流すことで、配管を加熱し、洗浄および消毒をしていた。かかる加熱洗浄液による洗浄および消毒は、微細に入り組んで加熱洗浄液が行きわたりにくい箇所や洗浄液が接しない箇所についても、伝熱作用により消毒が可能であるという優れた利点を有する。
特開2004−16412号公報
ところで、加熱洗浄水で有害な菌を殺菌するためには、消毒箇所、すなわち、配管全体を、十分な時間、高温に維持しなければならない。しかしながら、従来の透析システム10では、各枝管26を高温に維持することが困難であり、ひいては、この枝管26を加熱洗浄水で消毒するには、透析液供給装置16の送液能力により時間がかかるという問題を有していた。
すなわち、透析液供給装置16から送液された加熱洗浄液の温度は、配管を流れる過程で、徐々に低下していく。しかし、透析用母管24に流れた加熱洗浄液は、温度低下しても、加熱ヒータユニット15に戻り再加熱される。つまり、透析用母管24に流れる加熱洗浄液は、定期的に再加熱されるため、当該透析用母管24を高温に維持することは容易であった。一方、透析装置20は、枝管26を介して一定量の加熱洗浄液が供給された後に、透析装置20に配設されたヒータにて、洗浄液を高温に維持しながら循環消毒を行うが、その間、枝管26の加熱洗浄液は滞留した状態となる。そのため、枝管26に滞留した加熱洗浄液については、放熱が進むだけであった。もちろん、透析用母管24の加熱洗浄液から多少の熱伝達はあるものの、その伝達される熱量が少ないため、枝管26に流れた加熱洗浄液を高温に維持することは困難であった。ここで、熱消毒に要する時間は、温度に反比例する。そのため、高温に維持することが困難な枝管を確実に熱消毒するためには多大な時間を要した。
そこで、別の技術として、透析用母管24を、各透析装置20の近傍まで引きまわして、枝管26の距離を極力短くすることも考えられている。枝管26を短くすることにより、透析用母管24からの熱が、比較的、短時間で枝管26全体に行きわたり、ひいては、消毒時間を短くできる。しかし、透析用母管24は、枝管26に比して、大径である。かかる大径の透析用母管24は、透析装置20の近傍で行動する医師や看護師、患者にとって非常に邪魔であった。
そこで、本発明では、透析用母管だけでなく、透析用母管と各透析装置とを接続する枝管も、より確実に熱消毒できる透析システムを提供することを目的とする。
本発明の透析システムは、1以上の透析装置と、当該1以上の透析装置に透析用液体を供給する液体供給装置と、前記液体供給装置から出た透析用液体を循環させるループ状の透析用母管と、前記透析用母管と各透析装置とを接続する1以上の枝管であって、前記透析用母管に流れる透析用液体の一部が分岐して流れる1以上の枝管と、前記透析用母管に流れる透析用液体を加熱する加熱器と、を備え、前記液体供給装置は、前記透析用母管および枝管の洗浄および/または消毒の際には、前記透析用液体に替えて洗浄液を出力し、前記枝管は、前記透析用母管から出て、透析用母管に戻るループ状の1以上のバイパス管を有し、さらに、前記バイパス管の両端と前記透析用母管とを接続する分配器であって、前記バイパス管の上流端と下流端とに差圧を生じさせることにより、前記バイパス管内における上流端から下流端への流れを生成する分配器を備える、ことを特徴とする。
この場合、前記分配器は、前記透析用母管の一部として機能するメイン流路と、前記メイン流路において、前記メイン流路の上流側に向かって開口した流路であって、前記バイパス管の上流端が接続される出発流路と、前記メイン流路において、前記メイン流路の下流側に向かって開口する流路であって、前記バイパス管の下流端が接続される帰還流路と、を備える、ことが望ましい。この場合、前記出発流路および帰還流路は、いずれも、前記メイン流路の流れに対して直交する方向に挿入される筒体に形成された貫通孔であり、前記筒体は、前記メイン流路内に入り込む先端が略錐台状である、ことが望ましい。また、前記分配器は、前記メイン流路の流れに直交する面に対して面対称形状である、ことも望ましい。
他の好適な態様では、前記枝管は、さらに、前記バイパス管と前記透析装置とを連結する連結管を有し、前記バイパス管と前記連結管は、例えば金属材料からなる継ぎ手で連結される。
なお、透析用液体とは、透析液、または、透析液の生成に用いられる液体、例えば、希釈液(水等)のことである。また、洗浄とは、配管内に洗浄液(水または酸)を用いて、配管内を洗浄すること、あるいは透析液から析出する炭酸塩を溶解することを意味する。また、消毒とは、配管内の細菌を殺す(殺菌)することを意味する。配管内に、熱水クエン酸を流す方法は、洗浄と消毒の両者を兼ねる(熱で殺菌、クエン酸で炭酸塩の溶解)方法であるといえる。
本発明によれば、透析用母管と透析装置との間を接続する枝管の一部が、ループ状のバイパス管で構成されているため、透析用母管に流れる加熱洗浄液の一部が枝管にも流れ、循環する。そして、結果として、枝管も熱消毒できる。
本発明の実施形態である透析システムの構成を示す図である。 分配器の断面斜視図である。 分配器の断面図である。 分配器の分解上面図である。 バイパス管と連結管との連結部分を示す図である。 他の透析システムの構成を示す図である。 従来の透析システムの構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である透析システム10の構成ブロック図である。この透析システム10は、二種類の粉末透析溶剤(粉末A剤および粉末B剤)を溶解、混合、希釈して透析液を生成し、生成された透析液を患者に透析治療を施すための透析装置(「透析用監視装置」とも呼ばれる)20に供給するためのシステムである。
この透析システム10は、病院等の透析施設における機械室に設置された逆浸透装置12(以下「RO装置12」という)、透析溶剤溶解装置14、加熱ヒータユニット15、透析液供給装置16と、前記機械室とは隔離された透析室に設置された複数の透析装置20と、を備えている。
RO装置12は、逆浸透膜(RO膜)を用いて水から不純物を除去し、純度の高いRO水を生成する。生成されたRO水は、水供給ライン22を介して、透析溶剤溶解装置14や、透析液供給装置16に供給される。水供給ライン22は、図に示すように、RO装置12から出た後、RO装置12に戻るループ状となっている。なお、本実施形態では、RO装置12を用いて高純度の水を生成しているが、高純度の水が得られるなら、他の装置を用いてもよい。
透析溶剤溶解装置14は、粉末透析溶剤であるA剤およびB剤をRO水で溶解する。ここで、A剤は、電解質成分(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム)や、pH調整剤(例えば酢酸)、糖(例えばグルコース)等を含む薬剤である。また、B剤は、重炭酸ナトリウム等を含む薬剤である。これら粉末A剤および粉末B剤を、それぞれ溶解して得られた液体は、A原液、B原液として、それぞれ、透析原液供給ライン23を介して透析液供給装置16に供給される。
透析液供給装置16は、透析液を出力する液体供給装置として機能するもので、A原液、B原液およびRO水を所定比率で混合し、所定濃度の透析液を生成する。生成された透析液は、必要に応じて濃度測定等されたうえで、透析用母管24および枝管26を介して、複数の透析装置20に供給される。透析用母管24は、透析液が透析液供給装置16から送液された後、加熱ヒータユニット15に戻るループ状となっている。この透析用母管24は、比較的大径であり、前記機械室内で引き回されている。なお、加熱ヒータユニット15には、この透析用母管24を通って還流してきた透析液を濾過して再度出力するための濾過装置が設けられてもよい。
枝管26は、透析用母管24から分岐して、透析液を各透析装置20に導くための配管である。本実施形態では、この枝管26を、透析用母管24から分岐した後、透析用母管24に還流するループ状のバイパス管28と、当該バイパス管28から分岐して透析装置20に向かう連結管30とで構成しているが、これについては、後に詳説する。
ところで、こうした透析システムでは、定期的に、あるいは、必要に応じて、配管の洗浄および消毒が必要となる。配管の洗浄および消毒方法として、従来から加熱洗浄水による洗浄および消毒が採用されている。これは、RO水や透析液に替えて、ヒータ18で加熱した洗浄液や消毒水を配管に流す洗浄および消毒方法である。加熱した洗浄液や消毒水を、一定時間、流し続けることで、配管内が熱で殺菌される。なお、洗浄液としては、水や、クエン酸水等を用いることが望ましい。かかる加熱洗浄水による消毒は、微細に入り組んで洗浄液が行きわたりにくい箇所や洗浄液が接しない箇所についても、伝熱作用により消毒が可能であるという優れた利点がある。なお、外部への放熱を避けるために、通常、透析用母管24や枝管26は、断熱材料からなるカバー等で覆われている。
しかしながら、従来の透析システムでは、透析用母管24から各透析装置20に分岐する枝管26の洗浄や消毒には時間がかかるという問題を有していた。すなわち、透析用母管24のようにループ状の配管の場合、当該配管に流れる洗浄液は、定期的に、加熱ヒータユニット15に戻り、再加熱される。そのため、透析用母管24に流れる加熱洗浄液は、高温に維持され続ける。一方、従来、透析用母管24から分岐する枝管26には、ループ状配管は設けられておらず、片道分の配管しかなかった。そのため、枝管26に流れ込んだ加熱洗浄液は、当該枝管26内で滞留し、再加熱されることがなかった。もちろん、枝管26を含めた配管全体は、放熱を避けるために、断熱性に富んだ材料で構成される。また、透析用母管24の加熱洗浄液から多少の熱伝達はある。しかし、配管の材料の工夫や、透析用母管24の洗浄液からの熱伝達のみで、枝管26に流れた加熱洗浄液を高温に維持することは困難であった。
ここで、一般に、熱消毒に要する時間は、温度に反比例する。したがって、枝管26の加熱洗浄液の温度が低下すると、その分、消毒に要する時間も長くなっていた。かかる問題を避けるために、従来では、加熱洗浄液による熱消毒の他に、薬液による消毒も行っており、非常に煩雑であった。また、別の解決策として、透析用母管24を透析装置の近傍まで引き回し、枝管26の距離を短くする等の工夫もされていた。枝管26を短くすることで、透析用母管24の加熱洗浄液から伝わる熱が、比較的、短時間で、枝管26全体に行き渡る。しかし、枝管26を短くすると、例えば透析装置20のレイアウト変更を行う際の自由度が低くなり、医療従事者に不便を強いることとなる。
そこで、本実施形態では、こうした問題を避けるために、透析用母管24から分岐する枝管26の一部を、ループ状のバイパス管28で構成している。このバイパス管28は、透析装置20の極近傍まで引き回されており、片道状の配管である連結管30が極力短くなるように構成されている。また、バイパス管28は、従来の枝管26と同等程度の小径であるため、透析室で透析装置20を取り扱う際に問題が生じることはない。
かかるループ状のバイパス管28を設けた場合、透析用母管24に流れる高温の洗浄液の一部は、当該バイパス管28に流れ込んだ後、透析用母管24に戻り、最終的には、透加熱ヒータユニット15まで戻り、再加熱される。換言すれば、バイパス管28内で、洗浄液は滞留せず、バイパス管28には、随時、加熱された洗浄液が供給され続けることになる。その結果、透析用母管24だけでなく、バイパス管28内の洗浄液も、高温に維持することができ、比較的、短時間で洗浄および消毒を終えることができる。なお、バイパス管28を、断熱材料からなるカバーで覆うことが望ましい。
連結管30は、片道ラインであるため、当該連結管30内では、洗浄液は滞留してしまう。しかし、本実施形態における連結管30は、非常に短いため、バイパス管28から伝わる熱が、比較的短時間で、当該連結管30全体に行き渡る。つまり、本実施形態によれば、枝管26全体を高温に維持しやすく、ひいては、枝管26の熱消毒に要する時間を短縮することができる。
ただし、透析用母管24に、直接、バイパス管28を取り付けただけの構成の場合、透析用母管24からバイパス管28への洗浄液の流入、および、バイパス管28から透析用母管24への洗浄液の還流が生じにくく、バイパス管28内で洗浄液が滞留しやすい。そこで、本実施形態では、バイパス管28の上流端と下流端とで差圧を生じさせ、これによりバイパス管28内における上流端から下流端への流れを生成する分配器32を設けている。この分配器32について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、分配器32の断面斜視図である。また、図3は、分配器32の断面図である。図4は、分配器32の分解上面図である。分配器32は、透析用母管24の途中に設けられ、バイパス管28の上流端および下流端がそれぞれ接続される継ぎ手である。この分配器32は、メイン流路36が形成された本体34と、出発流路42Sを構成する出発用筒体37Sと、帰還流路42Rを構成する帰還用筒体37Rと、を備える。なお、以下に説明する通り、出発用筒体37Sに関連する構成、帰還用筒体37Rに関連する構成は、原則同じである。そこで、この出発用筒体37Sおよび帰還用筒体37Rに関連する構成の説明のうち、出発用と帰還用との区別を要しない説明については、符号の添え字、R,Sを省略する。
本体34は、その長手方向の一端から他端まで直線状に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔は、その両端に透析用母管24の端部が圧入され、接続されることで、透析用母管24の流路の一部を構成し、メイン流路36として機能する。
また、本体34には、メイン流路36の流れ方向と直交する方向に延びる出発用挿入孔38Sと帰還用挿入孔38Rが形成されている。この二つの挿入孔38S,38Rは、出発用筒体37Sおよび帰還用筒体37Rが挿入される孔で、メイン流路36の流れ方向に間隔を開けて並んでいる。挿入孔38が抜ける面には、筒体37を本体34に取り付けるための雌ネジ40が形成されている。この本体34は、ネジの螺合を受ける関係上、ある程度剛性を有する材質、例えば金属等からなることが望ましいが、螺合を受けられるのであれば、樹脂等の断熱性の高い材質から構成されるのも望ましい。金属等の伝熱性の高い材料からなる場合は、当該本体34を含めた分配器32全体を、断熱材料からなるカバーで覆うことが望ましい。
出発用筒体37Sおよび帰還用筒体37Rは、同じ形状をしている。両筒体37は、いずれも、略筒状を成しており、その上端には外側に張り出すフランジ44が形成されている。フランジ44には、本体34の雌ネジ40に対応する位置に、締結ネジが挿通する締結孔46が形成されている。筒体37の内部に形成された貫通孔は、出発流路42Sまたは帰還流路42Rとして機能する。出発流路42Sおよび帰還流路42Rは、筒体37の上端から下方に向かって軸方向に延びた後、筒体37の先端近傍でメイン流路36の流れに対して平行に近づく方向に屈曲し、筒体37の先端の一面に抜けている。ここで、筒体37の先端は、図2および図3に示すように、略錐台状に形成されている。したがって、出発流路42Sおよび帰還流路42Rは、いずれも、筒体37の先端において略錐台を形成するテーパ-面に抜けていることになる。このように、筒体37の先端を略錐台状とするのは、メイン流路36内での流れの抵抗を低減するためである。
筒体37の外径は、挿入孔38の径とほぼ同じ、または、やや小さく、筒体37は、挿入孔38に挿入される。このとき、筒体37の外周面と挿入孔38の内周面との間には、Oリング50等のシール材が配置されており、液体の外部への漏れが防止されている。また、筒体37は、それぞれの先端に形成された開口48が、互いに反対側を向くように挿入孔38に挿入される。
すなわち、メイン流路36の上流側(透析用母管24の流れの上流側)に位置する筒体37Sは、先端の開口48Sが上流側を向くように、メイン流路36の下流側に位置する筒体37Rは、先端の開口48Rが下流側を向くように、それぞれ挿入孔38S,38Sに挿入される。この筒体37の挿入向きを規定するために、筒体37のフランジ44および本体34の上面には、複数の締結孔46および雌ネジ40が180度回転非対称の配置で形成されている。本実施形態では、図4に示すように、筒体37のフランジ44には、例えば120度間隔で、三つの締結孔46を形成している。また、本体34の挿入孔38の周囲にも、例えば120度間隔で三つの雌ネジ40を形成している。ただし、下流側挿入孔38Rの周囲の雌ネジ40Rは、上流側挿入孔38Sの周囲の雌ネジ40Sに対して、180度回転した配置となっている。したがって、この雌ネジ40に締結孔46を合わせて筒体37を本体34に取り付けた場合、下流側の筒体37Rは、必ず、上流側の筒体37Sに対して180度回転した向きで取り付けられる。そして、結果として、それぞれの開口48Sが、互いに逆向きになる。
また、本実施形態の本体34は、左右対称形(メイン流路の流れに直交する面に対して面対称)であり、この本体34に同形の二つの筒体37が逆向きに取り付けられる。したがって、本体34に筒体37を取り付けた分配器32は、左右対称形となる。そのため、この分配器32は、その一端を、透析用母管24の上流側および下流側のいずれに接続しても同じ形状を維持する。つまり、本実施形態の分配器32は、その向きを考慮することなく、簡易に透析用母管24に取り付けることができる。また、既述した通り、筒体37も、適正な向きにしか取り付けることができないため、この筒体37の本体34への取り付けに際しても向きを考慮する必要がなく、取り付けミスを確実に防止できる。
次に、この分配器32を透析用母管24に接続した際の液体の流れについて説明する。透析液供給装置16から加熱ヒータユニット15を経て送液された液体(透析液または洗浄液)は、透析用母管24に沿って、上流側から下流側へと進むが、その途中で分配器32のメイン流路36に流入する。メイン流路36に流れ込んだ液体の一部は、上流側に位置し、上流側に開口する出発流路42Sに入り込む。このとき、この出発流路42Sの開口は、メイン流路36の流れにほぼ正対しているため、流れの全圧が発生する。一方、下流側に位置する帰還流路42Rの開口は、流れと同じ方向に開口しており、流れの影響は殆ど受けず、全圧より小さい静圧しか発生しない。つまり、この出発流路42Sと帰還流路42Rとの間には、全圧と静圧との差圧が生じることになる。出発流路42Sに流れ込んだ液体は、それ自体の流速に加え、差圧に生じる引き込み作用により、帰還流路42R側へと流れていく。そして、最終的には、帰還流路42Rからメイン流路36に戻っていく。このように、本実施形態では、出発流路42Sと帰還流路42Rとの間に積極的に差圧を生じさせているため、メイン流路36から帰還流路42Rへの逆流や、バイパス管28内での滞留等は生じず、バイパス管28内に潤滑な流れが常に生じる。
なお、本実施形態では、筒体37の先端の開口48(出発流路42Sおよび帰還流路42Rの端部開口)が、メイン流路36の略中心付近に位置するようにしている。これは、当該中心付近の流速、流圧が最も高いためである。出発流路42Sの開口48Sを、この流速・流圧が高い中心付近に位置させることにより、当該出発流路42Sに発生する全圧が高くなり、ひいては、出発流路42Sと帰還流路42Rとの差圧を大きくすることができる。そして、結果として、出発流路42Sから帰還流路42Rへの流れを、より潤滑に生じさせることができる。ただし、当然ながら、出発流路42Sから帰還流路42Rへの流れが生じるのであれば、二つの流路42R,42Sの開口は、メイン流路36の中心からずれていてもよい。
以上の説明のとおり、本実施形態によれば、バイパス管28内には、常に新しい液体が供給され続け、メイン流路36を経て加熱ヒータユニット15に戻されることになる。管体の洗浄時、このバイパス管28に供給され続ける液体は、加熱ヒータユニット15で再加熱された液体であるため、バイパス管28の温度の低下を効果的に防止することができる。そして、結果として、比較的、短時間で、バイパス管28を含めた管体全体を熱消毒することができる。
次に、バイパス管28と連結管30との連結部分について、図5を参照して説明する。図5は、バイパス管28と連結管30との連結部分を示す図である。本実施形態では、このバイパス管28を、金属製の継ぎ手52および連結管30を介して透析装置20に連結している。連結管30は、その一端が透析装置20に接続された管体である。この連結管30は、金属等の伝熱性の高い材料で構成されることが望ましいが、その距離が短いのであれば、樹脂等の伝熱性が乏しい材料で構成されてもよい。継ぎ手52は、伝熱性の高い金属、例えば、ステンレス等の耐食性を有する部材からなる。この継ぎ手52は、バイパス管28の一部を構成するU字状部と、当該U字状部から分岐して連結管30の一部として機能する直線部とを有している。この継ぎ手52を、伝熱性の高い金属材料で構成するのは、連結管30に熱を伝達するためである。すなわち、既述した通り、バイパス管28は、ループ状とすることにより、加熱された洗浄液が循環するが、連結管30は、片道状の流路であり、洗浄液は、循環することなく、滞留する。この場合、熱消毒に必要な温度を維持することが困難である。そこで、本実施形態では、高温の洗浄液が流れるバイパス管28と連結管30とを、伝熱性の高い金属材料からなる継ぎ手52で接続している。これにより、バイパス管28に流れる液体の熱が継ぎ手52を介して連結管30にも効率的に伝わる。その結果、連結管30内で液体が滞留したとしても、連結管30を高温に維持することが可能となり、ひいては、比較的短時間で、連結管30を熱消毒できる。なお、図5では、継ぎ手52および連結管30を外部に露出させた状態で図示しているが、当該継ぎ手52や連結管30は、断熱材料からなるカバー等で覆われることが望ましい。
以上の説明から明らかな通り、本実施形態によれば、バイパス管28および連結管30を含む配管を、比較的短時間で熱消毒できる。また、本実施形態では、透析用母管24と透析装置20とを接続する枝管26の構成を変更しているだけである。換言すれば、ヒータの追加や熱容量アップ等の設計変更が不要であり、既存の透析システムをそのまま利用することができる。そのため、熱消毒の時間短縮のために投資するコストを大幅に低減できるという利点もある。また、本実施形態のバイパス管28は、従来の枝管26と同程度の小径であるため、透析装置20の極近傍まで引き回したとしても、透析装置20を取り扱う際に問題が生じることはない。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、枝管26の一部をループ状とするのであれば、その他の構成は、適宜変更されてもよい。例えば、分配器32を、透析用母管24の一部を構成するメイン流路36と、バイパス管28の上流端および下流端に接続する出発流路42Sおよび帰還流路42Rを有するのであれば、どのような形式であってもよい。本実施形態では、本体34と筒体37とを別部品として構成したが、これらは一体形成されてもよい。また、分配器32そのものを、バイパス管28や透析用母管24と一体形成してもよい。
また、本実施形態の技術は、複数の透析装置20それぞれにおいて、透析液の配合・希釈を行うシステムにも適用できる。図6は、こうした透析システム10の一例を示す図である。かかる透析システム10では、病院等の透析施設における機械室にRO装置12、透析室に複数の透析装置20が設置されている。透析装置20は、透析液の原料(A原液およびB原液)を保有しており、この原料を各患者の状態に応じた比率で配合、希釈する。こうした透析システムでは、RO装置12が、透析液の生成に用いる液体を供給する液体供給装置として機能する。RO装置12には、RO水が流れるループ状の透析用母管24(水供給ライン)が設けられている。そして、洗浄および消毒の際には、RO水に替えて、RO装置12のヒータ19で加熱した洗浄液を配管に流して洗浄および消毒する。
かかるシステムにおいても、透析用母管24と透析装置20とを接続する枝管26を、ループ状のバイパス管28と連結管30とで構成すれば、洗浄および消毒に要する時間を短縮できる。このとき、バイパス管28と透析用母管24との継ぎ手部分には、バイパス管28の上流端と下流端との差圧により、バイパス管28内における上流端から下流端への流れを生成する分配器32を設置することが望ましい。さらに、バイパス管28と連結管30との継ぎ手は、伝熱性の高い金属からなる継ぎ手を用いることも望ましい。
10 透析システム、12 RO装置、14 透析溶剤溶解装置、15 加熱ヒータユニット、16 透析液供給装置、18,19 ヒータ、20 透析装置、22 水供給ライン、23 透析原液供給ライン、24 透析用母管、26 枝管、28 バイパス管、30 連結管、32 分配器、34 本体、36 メイン流路、37 筒体、38 挿入孔、40 雌ネジ、42R 帰還流路、42S 出発流路、44 フランジ、46 締結孔、48 開口、50 Oリング、52 継ぎ手。

Claims (5)

  1. 1以上の透析装置と、
    当該1以上の透析装置に透析用液体を供給する液体供給装置と、
    前記液体供給装置から出た透析用液体を循環させるループ状の透析用母管と、
    前記透析用母管と各透析装置とを接続する1以上の枝管であって、前記透析用母管に流れる透析用液体の一部が分岐して流れる1以上の枝管と、
    前記透析母管に流れる透析用液体を加熱する加熱器と、
    を備え、
    前記液体供給装置は、前記透析用母管および枝管の洗浄および/または消毒の際には、前記透析用液体に替えて洗浄液を出力し、
    前記枝管は、前記透析用母管から出て、透析用母管に戻るループ状の1以上のバイパス管を有し、さらに、
    前記バイパス管の両端と前記透析用母管とを接続する分配器であって、前記バイパス管の上流端と下流端とに差圧を生じさせることにより、前記バイパス管内における上流端から下流端への流れを生成する分配器を備える、
    ことを特徴とする透析システム。
  2. 請求項に記載の透析システムであって、
    前記分配器は、
    前記透析用母管の一部として機能するメイン流路と、
    前記メイン流路において、前記メイン流路の上流側に向かって開口した流路であって、前記バイパス管の上流端が接続される出発流路と、
    前記メイン流路において、前記メイン流路の下流側に向かって開口する流路であって、前記バイパス管の下流端が接続される帰還流路と、
    を備える、ことを特徴とする透析システム。
  3. 請求項に記載の透析システムであって、
    前記出発流路および帰還流路は、いずれも、前記メイン流路の流れに対して直交する方向に挿入される筒体に形成された貫通孔であり、
    前記筒体は、前記メイン流路内に入り込む先端が略錐台状である、ことを特徴とする透析システム。
  4. 請求項からのいずれか1項に記載の透析システムであって、
    前記分配器は、前記メイン流路の流れに直交する面に対して面対称形状である、ことを特徴とする透析システム。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の透析システムであって、
    前記枝管は、さらに、前記バイパス管と前記透析装置とを連結する連結管を有し、
    前記バイパス管と前記連結管は、金属材料からなる継ぎ手で連結される、
    ことを特徴とする透析システム。
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