JP5922498B2 - 給湯システム提案支援装置及び給湯システム提案支援プログラム - Google Patents

給湯システム提案支援装置及び給湯システム提案支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するための、給湯システム提案支援装置及び給湯システム提案支援プログラムに関する。
従来、対象物件に適した給湯機器を提示するための提案支援装置が知られている。例えば、特許文献1(特開2009−48244号公報)には、年間光熱費(ランニングコスト)等の指標に基づいて、給湯機器を含む住宅設備機器の組合せを評価して順位付けし、その順位に基づいて、住宅設備機器の組合せのリストを並べ替えて表示する提案支援装置(選定支援システム)が開示されている。
このような支援装置は、住宅向けに給湯機器を提案するばかりではなく、ホテルや飲食店といった多量の湯を必要とする商業施設に給湯システムを提案する上でも、そのニーズが高い。特に、商業施設においては、その給湯システムを導入したとすれば、どれだけランニングコストが減るのか、つまりどれだけの経済的利益があるのかをできるだけ正確に把握したいという強い要求がある。
ところで、商業施設での給湯システムの特徴として、一般家庭に比べ湯量の変動が大きいという特徴がある。例えば、1週間の中でも、曜日によって必要な湯量が大きく変動する場合がある。ところが、特許文献1のシステムでは、このような曜日変動を考慮したランニングコストの算出は行われていないことを本願発明者は見出した。
本発明の課題は、使用湯量の変動を考慮して経済的利益を把握し、その結果を用いて対象物件に好適な給湯システムを提示する、給湯システム提案支援装置及び給湯システム提案支援プログラムを提供することにある。
本発明の第1観点に係る給湯システム提案支援装置は、対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するためのものであって、記憶部と、組合せ生成部と、消費量算出部と、ランニングコスト算出部と、選択部と、出力部と、を備える。記憶部は、複数の給湯機器に関する機器情報と、条件としての、対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報及び対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報と、を記憶する。組合せ生成部は、最大使用湯量に関する情報及び機器情報を用いて、対象物件において給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せとして、夏季及び冬季に、最大使用湯量を2日間連続して使用しても給湯システムにおいて湯切れが発生しない給湯機器の組合せを生成する。消費量算出部は、曜日別給湯負荷に関する情報及び機器情報を用いて、組合せ別に、エネルギー消費量を算出する。ランニングコスト算出部は、エネルギー消費量を用いて、組合せ別にランニングコストを算出する。選択部は、ランニングコストを用いて、組合せの中から、少なくとも1の組合せを、好適な給湯システムとして選択する。出力部は、選択部に選択された好適な給湯システムを出力する。組合せ生成部は、電気ヒートポンプ式の給湯機器である第1種類の給湯機器と、燃焼式の給湯機器である、第1種類とは異なる第2種類の給湯機器とを含む給湯機器の組合せが、検討すべき給湯機器の組合せに含まれるか否かを判定する。組合せ生成部は、第1種類の給湯機器と第2種類の給湯機器とを含む給湯機器の組合せが検討すべき給湯機器の組合せに含まれると判定される場合に、最大使用湯量を2日間連続して使用しても給湯システムにおいて湯切れが発生しない、第1種類の給湯機器と第2種類の給湯機器とを含む組合せを、給湯機器の組合せとして生成する。
ここでは、最大使用湯量に適応可能な給湯機器の組合せが作成され、組合せ別に曜日別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出され、さらにランニングコストが算出される。そして、ランニングコストを用いて、少なくとも1の給湯機器の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。曜日別給湯負荷が考慮されることでランニングコストの算出精度が高くなるため、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第2観点に係る給湯システム提案支援装置は、第1観点に係る給湯システム提案支援装置であって、記憶部には、対象物件の業種に関する情報が、条件として更に記憶される。曜日別給湯負荷に関する情報は、業種別の、曜日別給湯負荷のデフォルト値である。消費量算出部は、業種に関する情報を更に用いて、エネルギー消費量を算出する。
ここでは、エネルギー消費量が、業種別にデフォルト値として準備された曜日別給湯負荷を用いて算出される。そのため、対象物件個別の曜日別給湯負荷が入手できない場合であっても、対象物件の業種だけで、ある程度精度の良いランニングコストが算出でき、対象物件に好適なシステムを提示できる。
本発明の第3観点に係る給湯システム提案支援装置は、第1観点又は第2観点に係る給湯システム提案支援装置であって、消費量算出部は、月別、曜日別かつ時刻別にエネルギー消費量を算出する。ランニングコスト算出部は、月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー消費量を用いて、ランニングコストを算出する。
ここでは、月別、曜日別、かつ時刻別のエネルギー消費量が算出される。つまり、エネルギー消費量が詳細に算出される。そして、詳細なエネルギー消費量を用いて年間ランニングコストが算出されるため、より現実に近いランニングコストが算出可能で、対象物件に好適なシステムを提示できる。
本発明の第4観点に係る給湯システム提案支援装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る給湯システム提案支援装置であって、記憶部には、対象物件の月別給湯負荷に関する情報が、対象物件の条件として更に記憶される。消費量算出部は、月別給湯負荷に関する情報を更に用いて、エネルギー消費量を算出する。
ここでは、曜日別給湯負荷に加え、月別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出される。そのため、曜日別給湯負荷だけを用いる場合に比べ、更に精度の高いランニングコストの算出が可能である。その結果、対象物件に好適な給湯システムが提示できる。
本発明の第5観点に係る給湯システム提案支援装置は、第1観点から第4観点のいずれかに係る給湯システム提案支援装置であって、ランニングコストを用いて、組合せ別に投資回収年数を算出する回収年数算出部を更に備える。選択部は、複数の組合せを好適な給湯システムとして選択する。出力部は、複数の好適な給湯システムを、それぞれの投資回収年数と共に一覧で出力する。
ここでは、複数の好適な給湯システムの候補が投資回収年数と共に一覧で出力されるため、柔軟性のある給湯システムの提案をすることが可能である。つまり、対象物件に関し、選択の幅を持たせた給湯システムの提案が可能である。
本発明の第6観点に係る給湯システム提案支援装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係る給湯システム提案支援装置であって、記憶部は、曜日別給湯負荷の実測値を、曜日別給湯負荷に関する情報として、又は、曜日別給湯負荷に関する情報を補完する情報として記憶する。
ここでは、曜日別給湯負荷の実測値が、曜日別給湯負荷に関する情報として、又は、入力値を補完する情報として用いられるため、より現実に近いランニングコストの算出が可能になる。その結果、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第7観点に係る給湯システム提案支援装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係る給湯システム提案支援装置であって、記憶部に記憶される情報の少なくとも一部を入力として受けつける受付部を更に備える。
ここでは、受付部を備えることで、対象物件の条件等を容易に変更可能である。そのため、容易に、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第8観点に係る給湯システム提案支援装置は、第7観点に係る給湯システム提案支援装置であって、受付部は、少なくとも最大使用湯量に関する情報を受け付ける。最大使用湯量に関する情報は、対象物件に係る簡易物件情報、対象物件に係る詳細物件情報、又は、燃料消費実績値に係る情報のいずれかである。
ここでは、給湯システムを提示する際に、入手可能な情報が限られている場合にも、入手可能な範囲の情報、例えば簡易物件情報を用いて、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。つまり、容易に対象物件に好適な給湯システムを提示することができる。
一方、対象物件に係る詳細物件情報、や、燃料消費実績値に係る情報を得ることが可能な場合には、実際の対象物件の運用状況に近い条件でランニングコストが算出できる。つまり、詳細な情報に基づいて、より現実に則した好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第9観点に係る給湯システム提案支援プログラムは、対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するためのものであり、コンピュータに、呼出ステップと、組合せ生成ステップと、消費量算出ステップと、ランニングコスト算出ステップと、選択ステップと、出力ステップと、を実行させる。コンピュータは、複数の給湯機器に関する機器情報と、対象物件の条件としての、対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報及び対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報と、を記憶した記憶部を有する。呼び出しステップでは、記憶部から、機器情報と、最大使用湯量に関する情報と、曜日別給湯負荷に関する情報と、が呼び出される。組合せ生成ステップでは、最大使用湯量に関する情報及び機器情報を用いて、対象物件において、給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せとして、夏季及び冬季に、最大使用湯量を2日間連続して使用しても給湯システムにおいて湯切れが発生しない給湯機器の組合せが生成される。消費量算出ステップでは、曜日別給湯負荷に関する情報及び機器情報を用いて、組合せ別に、給湯機器のエネルギー消費量が算出される。ランニングコスト算出ステップでは、エネルギー消費量を用いて、組合せ別にランニングコストが算出される。選択ステップでは、ランニングコストを用いて、給湯機器の組合せの中から、少なくとも1の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。出力ステップでは、選択された好適な給湯システムが出力される。組合せ生成ステップは、第1サブステップと、第2サブステップと、を含む。第1サブステップでは、電気ヒートポンプ式の給湯機器である第1種類の給湯機器と、燃焼式の給湯機器である、第1種類とは異なる第2種類の給湯機器とを含む給湯機器の組合せが、検討すべき給湯機器の組合せに含まれるか否かが判定される。第2サブステップでは、第1サブステップにおいて、第1種類の給湯機器と第2種類の給湯機器との組合せが検討すべき給湯機器の組合せに含まれると判定される場合に、最大使用湯量を2日間連続して使用しても給湯システムにおいて湯切れが発生しない、第1種類の給湯機器と第2種類の給湯機器とを含む組合せが、給湯機器の組合せとして生成される。
ここでは、コンピュータにプログラムを実行させることで、最大使用湯量に適応可能な給湯機器の組合せが作成され、組合せ別に曜日別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出され、さらにランニングコストが算出される。そして、ランニングコストを用いて、少なくとも1の給湯機器の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。曜日別給湯負荷が考慮されることでランニングコストの算出精度が高くなるため、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第1観点に係る給湯システム提案支援装置では、最大使用湯量に適応可能な給湯機器の組合せが作成され、組合せ別に曜日別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出され、さらにランニングコストが算出される。そして、ランニングコストを用いて、少なくとも1の給湯機器の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。曜日別給湯負荷が考慮されることでランニングコストの算出精度が高くなるため、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第2観点から第4観点のいずれかに係る給湯システム提案支援装置では、精度良くランニングコストが算出されるため、好適な給湯システムを顧客に提示できる。
本発明の第5観点に係る給湯システム提案支援装置では、柔軟性のある(選択の幅を持たせた)給湯システムの提案が可能になる。
本発明の第6観点に係る給湯システム提案支援装置では、精度良くランニングコストが算出されるため、好適な給湯システムを顧客に提示できる。
本発明の第7観点の給湯システム提案支援装置では、好適な給湯システムを顧客に容易に提示できる。
本発明の第8観点の給湯システム提案支援装置では、対象物件に関して入手可能な情報が限られていても、容易に好適な給湯システムを提示できる。一方、対象物件に関して詳細な情報を入手可能であれば、より現実に則した好適な給湯システムを提示できる。
本発明の第9観点に係る給湯システム提案支援プログラムでは、コンピュータにプログラムを実行させることで、最大使用湯量に適応可能な給湯機器の組合せが作成され、組合せ別に曜日別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出され、さらにランニングコストが算出される。そして、ランニングコストを用いて、少なくとも1の給湯機器の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。曜日別給湯負荷が考慮されることでランニングコストの算出精度が高くなるため、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
本発明の一実施形態に係る給湯システム提案支援装置のブロック図である。 図1に係る給湯システム提案支援装置のメイン情報入力画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、浴場関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、浴場関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、浴場関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、浴場関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、厨房関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、配管の保温関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の詳細物件情報の入力画面の一例である。特に、配管の保温関連の情報を入力する画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の燃料消費量に関する情報の入力画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の曜日別の負荷比率の入力画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置の月別の負荷比率の入力画面の一例である。 図1に係る給湯システム提案支援装置による処理の流れ(給湯システム提案支援プログラムがコンピュータに実行させる処理の流れ)を説明するためのフローチャートである。 図13のフローチャートの組合せ生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図13のフローチャートのエネルギー消費量の算出処理(消費量算出処理)の流れを説明するためのフローチャートである。 図1に係る給湯システム提案支援装置の演算結果の出力の一例である。 変形例Aに係る給湯システム提案支援装置のブロック図である。 変形例Dに係る給湯システム提案支援装置のブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る給湯システム提案支援装置10及び給湯システム提案支援装置10上で実行される給湯システム提案支援プログラムについて説明する。なお、下記の本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)全体構成
図1は、給湯システム提案支援装置10の構成を示すブロック図である。給湯システム提案支援装置10は、例えば給湯システムの営業員が、顧客の物件(対象物件)に関して入手した条件(推測される条件も含む)に基づいて、顧客に好適な給湯システムを提示することを支援するためのコンピュータである。なお、給湯システムとは、給湯機器(付属ユニット(貯留タンク等)も含む)の組合せ(給湯機器が1台の場合も含む)である。また、好適な給湯システムとは、本実施形態では投資回収年数の短い給湯システムを指すが、これに限定されるものではなく、例えば、ランニングコストの安い給湯システム等でもよい。
給湯システム提案支援装置10は、主に、給湯システム提案支援装置10の使用者からの各種情報及び各種操作の入力を受け付ける入力部20と、入力情報や演算結果等の各種情報が出力される出力部30と、各種情報や各種プログラム等が記憶される記憶部40と、各種演算や処理を行う演算処理部50と、を備える。
(2)詳細構成
以下に、給湯システム提案支援装置10について詳細を説明する。
(2−1)入力部
入力部20は、受付部の一例である。入力部20は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルディスプレイ等の各種入力機器である。入力部20は、給湯システム提案支援装置10の使用者からの各種情報及び各種操作の入力を受け付ける。
(2−2)出力部
出力部30は、例えば、ディスプレイやプリンタ等の各種出力機器である。出力部30には、入力部20から入力された情報や、演算処理部50による演算結果等の各種情報が出力される。
(2−3)記憶部
記憶部40は、ハードディスク、ROM、及びRAMを含んで構成される。記憶部40には、入力部20が受け付けた各種情報、演算処理部50で実行される給湯システム提案支援プログラムを含む各種プログラム、及び、演算処理部50の演算処理に必要な各種データ等が記憶される。
記憶部40は、物件基本情報記憶領域40a、機器基本情報記憶領域40b、機器運用等情報記憶領域40c、簡易物件情報記憶領域40d、詳細物件情報記憶領域40e、燃料消費量記憶領域40f、曜日別負荷記憶領域40g、月別負荷記憶領域40h、気象情報記憶領域40i、エネルギー料金情報記憶領域40j、エネルギー単価情報記憶領域40k、カレンダー情報記憶領域40m、積算情報記憶領域40n、演算結果記憶領域40o、業種別情報記憶領域40p、及び地域別情報記憶領域40qを有する。
(2−3−1)物件基本情報記憶領域
物件基本情報記憶領域40aには、対象物件に関する基本情報が記憶される。対象物件に関する基本情報には、対象物件の名称、業種、営業時間、休業日、及び所在地を含む。所在地は、対象物件の位置する都道府県名の情報である。
対象物件に関する基本情報は、給湯システム提案支援装置10の使用者により、出力部30に含まれるディスプレイに表示される図2のような入力画面を介して、入力部20から入力される。
(2−3−2)機器基本情報記憶領域
機器基本情報記憶領域40bは、給湯システムを構成しうる、複数の給湯機器(貯蔵タンク等の付属ユニットも含む)の、基本情報が記憶される。給湯機器の基本情報は、給湯機器に関する機器情報の一例である。給湯機器には、電気ヒートポンプ式給湯機器、ガス燃焼式給湯機器、液体燃料(灯油,A重油等)燃焼式給湯機器等が含まれる。給湯機器の基本情報には、例えば、後述する組合せ生成部51が検討すべき給湯機器の組合せ、給湯機器熱源の能力、燃焼式給湯器の効率、給湯機器に内蔵される又は付属ユニットのタンクの容量、及び給湯機器の価格等が含まれる。
給湯機器の基本情報は、機器基本情報記憶領域40bに予め記憶されている。しかし、これに限定されるものではなく、給湯機器の基本情報は、入力部20からの入力により更新可能であってもよい。
(2−3−3)機器運用等情報記憶領域
機器運用等情報記憶領域40cは、複数の給湯機器の、運用等に関する情報が記憶される。給湯機器の運用等に関する情報は、給湯機器に関する機器情報の一例である。給湯機器の運用等に関する情報には、例えば、沸上温度、曜日別の目標水位に対して沸きあげることのできる湯量の上限値、熱源の運転時間、節電モード運転に関する情報、貯湯タンクの容量及び高さに関する情報、貯湯タンクの時刻別の目標水位に関する情報、燃焼式給湯機器に使用される燃料の種類の情報等が含まれる。
給湯機器の運用等に関する情報は、予め機器運用等情報記憶領域40cに記憶されている。ただし、入力部20から給湯機器の運用等に関する情報の入力がある場合には、その情報に置き換えられる。
(2−3−4)簡易物件情報記憶領域
簡易物件情報記憶領域40dは、対象物件に係る簡易物件情報が記憶される。対象物件に係る簡易物件情報は、対象物件の所定期間(ここでは1日)あたりの最大使用湯量に関する情報の一例である。
対象物件に係る簡易物件情報には、例えば、1日の使用湯量が最大となる日の対象物件の利用人数や、使用湯量原単位(利用人数1人あたりの使用湯量)が含まれる。対象物件が飲食店である場合には、利用人数に代えて対象物件の席数が用いられてもよい。
対象物件に係る簡易物件情報は、出力部30に含まれるディスプレイに表示される図2のような入力画面を介して、入力部20から入力され、簡易物件情報記憶領域40dに記憶される。ただし、使用湯量原単位については、入力部20から、値を直接入力する代わりに、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の業種に対応する数値を、後述する業種別情報記憶領域40pから呼び出し、簡易物件情報記憶領域40dに記憶してもよい。
(2−3−5)詳細物件情報記憶領域
詳細物件情報記憶領域40eには、対象物件に係る詳細物件情報が記憶される。対象物件に係る詳細物件情報は、対象物件の所定期間(ここでは1日)あたりの最大使用湯量に関する情報の一例である。
対象物件に係る詳細物件情報の内容は、対象物件の業種によって異なる。例えば、対象物件の業種が老健施設、ホテル、ゴルフ場等であれば、対象物件に係る詳細物件情報は、主に浴場関連の情報、厨房関連の情報、配管の保温関連の情報を含む。例えば、対象物件の業種が給食センターや飲食店であれば、対象物件に係る詳細物件情報は、主に厨房関連の情報を含む。例えば、対象物件の業種が理容室や美容院であれば、対象物件に係る詳細物件情報は、主にシャワー関連の情報を含む。
詳細物件情報記憶領域40eには、入力部20から入力された対象物件に係る詳細物件情報が記憶される。例えば、対象物件の業種が老健施設であれば、出力部30に含まれるディスプレイに表示される図3〜図9のような入力画面を介して、対象物件に係る詳細物件情報が入力部20から入力され、詳細物件情報記憶領域40eに記憶される。
対象物件に係る詳細物件情報は、図3〜図9の入力画面から明らかなように、例えば、個別の設備(シャワー、浴槽、厨房等)の時刻別の使用湯量や給湯温度、曜日別の設備の使用(浴槽の湯張り)の有無、設備(浴槽)や配管の保温状態等を含み、対象物件に係る簡易物件情報に比べ詳細な情報である。
(2−3−6)燃料消費量記憶領域
燃料消費量記憶領域40fには、対象物件の燃料消費量に係る情報が記憶される。後述するように、燃料消費量記憶領域40fに対象物件の燃料消費量に係る情報が記憶された場合には、その情報を用いて、対象物件の1日あたりの最大使用湯量が算出される。つまり、対象物件の燃料消費量に係る情報は、対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報の一例である。
対象物件の燃料消費量に係る情報は、対象物件で使用される燃料の種類及び月別の燃料消費量である。月別の燃料消費量には、対象物件における月別の燃料消費実績値(燃料消費量の実績)が用いられることが好ましい。対象物件の燃料消費量に係る情報は、出力部30に表示される図10のような入力画面を介して、入力部20から入力され、燃料消費量記憶領域40fに記憶される。
(2−3−7)曜日別負荷記憶領域
曜日別負荷記憶領域40gには、対象物件の曜日別の負荷比率が記憶される。対象物件の曜日別の負荷比率は、対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報の一例である。対象物件の曜日別の負荷比率は、最大負荷日(使用湯量が最大となる日)を100とした場合の曜日別の負荷(使用湯量)を表した数値である。
曜日別負荷記憶領域40gには、基本的にはデフォルト値が記憶される。より具体的には、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の業種に対応するデフォルト値が業種別情報記憶領域40pから呼び出され、曜日別負荷記憶領域40gに記憶される。ただし、出力部30に含まれるディスプレイに表示される図11のような入力画面を介して、入力部20から数値が入力された場合には、入力された数値が、対象物件の曜日別の負荷比率として曜日別負荷記憶領域40gに記憶される。
(2−3−8)月別負荷記憶領域
月別負荷記憶領域40hには、対象物件の月別の負荷比率が記憶される。対象物件の月別の負荷比率は、対象物件の月別給湯負荷に関する情報の一例である。対象物件の月別の負荷比率は、使用湯量が最大となる月の平均日の負荷を100とした場合の、各月の平均日の負荷(使用湯量)を表した数値である。
月別負荷記憶領域40hには、基本的にはデフォルト値が記憶される。より具体的には、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の業種に対応するデフォルト値が業種別情報記憶領域40pから呼び出され、月別負荷記憶領域40hに記憶される。ただし、出力部30に含まれるディスプレイに表示される図12のような入力画面を介して、入力部20から数値が入力された場合には、入力された数値が、対象物件の月別の負荷比率として月別負荷記憶領域40hに記憶される。
(2−3−9)気象情報記憶領域
気象情報記憶領域40iには、気象条件に関する情報が記憶される。気象条件に関する情報は、対象物件における、冬期及び夏期の平均外気温及び平均給水温と、月別の平均外気温及び平均給水温とを含む。
気象情報記憶領域40iには、基本的にはデフォルト値が記憶される。より具体的には、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の所在地(都道府県名)に対応するデフォルト値が地域別情報記憶領域40qから呼び出され、気象情報記憶領域40iに記憶される。ただし、入力部20から、対象物件の気象条件に関する情報が直接入力された場合には、入力された情報が、気象情報記憶領域40iに記憶される。
(2−3−10)エネルギー料金情報記憶領域
エネルギー料金情報記憶領域40jには、各種エネルギー(電気、ガス、灯油等)の料金情報(基本料金、従量料金等)が記憶される。契約プラン等に応じて異なる料金が設定されている場合には、同種のエネルギーに対して、複数の料金情報を有する場合もある。
エネルギー料金情報記憶領域40jには、予め各種エネルギーの料金情報が記憶されている。エネルギー料金情報記憶領域40jに記憶された各種エネルギーの料金情報は、入力部20からの入力により更新可能である。
(2−3−11)エネルギー単価情報記憶領域
エネルギー単価情報記憶領域40kには、後述する組合せ作成部51により作成された給湯機器の組合せ別に、最適なエネルギー単価の情報が記憶される。最適なエネルギー単価の情報とは、エネルギー料金情報記憶領域40jに、あるエネルギーについて複数の契約プランが記憶されている場合には、消費量算出部52によって算出されたエネルギー消費量に対して適用可能な契約プランのうち、最も安価にそのエネルギーの供給を受けられる契約プランのエネルギー単価の情報である。あるエネルギーについて契約プランが1種類しかない場合には、その契約プランのエネルギー単価の情報である。
最適なエネルギー単価の情報は、後述するエネルギー単価情報作成部53により、後述する消費量算出部52によって算出されたエネルギー消費量と、エネルギー料金情報記憶領域40jの情報とを用いて作成される。最適なエネルギー単価の情報は、月別、曜日別、かつ時刻別の情報である。
なお、組合せ作成部51により作成されたある給湯機器の組合せが、複数のエネルギーを用いるものであった場合(例えば、電気ヒートポンプ式給湯機器とガス燃焼式給湯機器との組合せであった場合)には、その給湯機器の組合せに対し、複数のエネルギー別に、最適なエネルギー単価の情報が作成され、エネルギー単価情報記憶領域40kに記憶される。
(2−3−12)カレンダー情報記憶領域
カレンダー情報記憶領域40mには、カレンダー情報が記憶される。カレンダー情報には、ある年のある月に、月曜日〜日曜日がそれぞれ何日あるかという情報を含む。
カレンダー情報は、予めカレンダー情報記憶領域40mに記憶されている。しかし、これに限定されるものではなく、演算処理部50で演算によりカレンダー情報が適宜作成され、カレンダー情報記憶領域40mに記憶されてもよい。
(2−3−13)積算情報記憶領域
積算情報記憶領域40nには、簡易積算に関する情報が記憶される。簡易積算に関する情報には、簡易積算の範囲(給湯機器だけか、オプションユニット(移送ポンプ等)を含むか)等に関する情報が記憶される。
積算情報記憶領域40nには、予め初期情報が記憶されているが、入力部20からの入力により更新可能である。
(2−3−14)演算結果記憶領域
演算結果記憶領域40oには、後述する演算処理部50による各種演算結果が記憶される。演算結果には、組合せ生成部51によって生成された給湯機器の組合せ(対象物件において給湯システムと適用可能と判断された給湯機器の組合せ)や、組合せ生成部51によって生成された給湯機器の組合せ別の、消費量算出部52により算出されるエネルギー消費量、ランニングコスト算出部54により算出されるランニングコスト、簡易積算部55により算出される初期コスト、及び回収年数算出部56aにより算出される投資回収年数が含まれる。
(2−3−15)業種別情報記憶領域
業種別情報記憶領域40pには、業種別に、曜日別の負荷比率及び月別の負荷比率のデフォルト値が記憶されている。また、業種別情報記憶領域40pには、業種別に、時刻別の負荷パターンや給湯温度が情報として記憶されている。時刻別の負荷パターンとは、1日の使用湯量を100とした場合に、各時刻にどれだけの湯量が使用されるかという情報である。また、業種別情報記憶領域40pには、業種別に、使用湯量原単位(リットル/利用者数、リットル/席数、リットル/調理食数、リットル/シャワー利用時間等)や、時刻別の貯湯タンクの目標水位等も記憶される。なお、全ての種類の情報が業種別に存在するわけではなく、その業種に該当しない(不必要な)情報は記憶されない。
業種別情報記憶領域40pには、予め情報が記憶されている。しかし、これに限定されるものではなく、業種別情報記憶領域40pの情報は、入力部20からの入力により更新可能なものであってもよい。
(2−3−16)地域別情報記憶領域
地域別情報記憶領域40qには、対象物件の所在地別に、気象条件に関する情報が記憶されている。
(2−4)演算処理部
演算処理部50は、記憶部40に記憶された各種プログラムを読み出して実行し、各種の演算及び処理を行うCPU等の演算処理ユニットである。
特に、演算処理部50は、記憶部40に記憶された給湯システム提案支援プログラムを読み出して実行し、組合せ生成部51、消費量算出部52、エネルギー単価情報作成部53、ランニングコスト算出部54、簡易積算部55、及び選択部56として機能する。
(2−4−1)組合せ生成部
組合せ生成部51は、所定期間(ここでは1日)あたりの最大使用湯量に関する情報及び機器情報を用いて、対象物件において給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せを生成する。より具体的には、組合せ生成部51は、簡易物件情報記憶領域40d、詳細物件情報記憶領域40e、燃料消費量記憶領域40fのいずれかに記憶された情報と、機器基本情報記憶領域40b及び機器運用等情報記憶領域40cに記憶された情報とを用いて、対象物件において給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せを生成する。給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せとは、最大使用湯量で湯切れ(給湯すべき湯がない状態)が発生しない給湯機器の組合せを基本的に意味する。
組合せ生成部51は、最大負荷演算部51aを有する。最大負荷演算部51aは、最大使用湯量の日(使用湯量が最大の日)が2日間続くと仮定して、2日間の給湯量、使用湯量、貯湯量のバランス計算(時系列に給湯量、使用湯量、及び貯湯量を把握する計算)を実行する。
組合せ生成部51の機能については、後ほど詳述する。
(2−4−2)消費量算出部
消費量算出部52は、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、曜日別給湯負荷に関する情報、月別給湯負荷に関する情報、及び機器情報を用いて、エネルギー消費量を算出する。より具体的には、消費量算出部52は、曜日別負荷記憶領域40gに記憶された曜日別の負荷比率と、月別負荷記憶領域40hに記憶された月別の負荷比率と、機器基本情報記憶領域40b及び機器運用等情報記憶領域40cに記憶された情報とを用いて、エネルギー消費量を算出する。エネルギー消費量は、エネルギー種別に、かつ、月別、曜日別かつ時刻別に算出される。消費量算出部52は、1年間のトータルのエネルギー消費量も算出する。
消費量算出部52の機能については、後ほど詳述する。
(2−4−3)エネルギー単価情報作成部
エネルギー単価情報作成部53は、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、消費量算出部52で算出されたエネルギー消費量及びエネルギー単価情報記憶領域40kに記憶された各種エネルギーの料金情報を用いて、月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー単価情報を作成する。
具体的には、例えば、あるエネルギーについて契約プランが複数存在する場合には、エネルギー単価情報作成部53は、消費量算出部52で算出されたエネルギー消費量に対して適用可能な契約プランを判断する。更に、適用可能な契約プランの中で、最も安価な契約プランが選択される。そして、この最も安価な契約プランの月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー単価が、エネルギー単価情報として作成される。
(2−4−4)ランニングコスト算出部
ランニングコスト算出部54は、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、消費量算出部52で算出されたエネルギー消費量を用いて、1年間のトータルのランニングコストを算出する。
ランニングコスト算出部54の機能は、後ほど詳述する。
(2−4−5)簡易積算部
簡易積算部55は、機器基本情報記憶領域40bに記憶された給湯機器の基本情報を用いて、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に簡易積算を行う。つまり、簡易積算部55は、機器基本情報記憶領域40bに記憶された給湯機器の基本情報(主に給湯機器の価格情報)を用いて、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、初期コストを算出する。簡易積算の範囲には、給湯機器の価格のほか、オプション(移送ポンプ等)の価格も含めることが可能である。
簡易積算部55の機能については、後ほど詳述する。
(2−4−6)選択部
選択部56は、ランニングコスト算出部54で算出されたランニングコストを用いて、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せから、2つの組合せを好適な給湯システムとして選択する。より具体的には、選択部56は、ランニングコスト算出部54で算出されたランニングコストを用いて投資回収年数を算出し、投資回収年数の短い順に好適な給湯システムを選択する。
選択部56は、投資回収年数を算出する回収年数算出部56aを有する。回収年数算出部56aは、簡易積算部55により算出された初期コスト及びランニングコスト算出部54で算出されたランニングコストを用いて、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に投資回収年数を算出する。
選択部56の機能については、後ほど詳述する。
(3)給湯システム提案支援装置による処理の流れ
図13は、給湯システム提案支援装置10による処理の流れ(給湯システム提案支援プログラムによってコンピュータに実行される処理の流れ)を示すフローチャートである。図14は、組合せ生成部51が給湯機器の組合せを生成する、組合せ生成処理の流れを示すフローチャートである。図15は、消費量算出部52がエネルギー消費量を算出する、消費量算出処理の流れを示すフローチャートである。
図13〜図15を用いて、給湯システム提案支援装置10の処理の流れを説明する。
(3−1)受付処理
ステップS101からステップS107では、給湯システム提案支援装置10の使用者が、入力部20から各種情報を入力する。言い換えれば、ステップS101からステップS107では、入力部20は、使用者からの各種情報の入力を受け付ける。
ステップS101では、対象物件の基本情報が、入力部20から入力され、物件基本情報記憶領域40aに記憶される。
ステップS102では、1日あたりの最大使用湯量に関する情報が、入力部20から入力される。最大使用湯量に関する情報には、対象物件に係る簡易物件情報、対象物件に係る詳細物件情報、及び対象物件の燃料消費量に係る情報、の3種類がある。使用者は、入手可能な情報に合わせていずれか1つの情報だけを入力する。対象物件に係る簡易物件情報、対象物件に係る詳細物件情報、及び対象物件の燃料消費量に係る情報は、それぞれ簡易物件情報記憶領域40d、詳細物件情報記憶領域40e、及び燃料消費量記憶領域40fに記憶される。
ステップS103では、対象物件の曜日別の負荷比率が、入力部20から入力され、曜日別負荷記憶領域40gに記憶される。
ステップS104では、対象物件の月別の負荷比率が、入力部20から入力され、月別負荷記憶領域40hに記憶される。
ステップS105では、給湯機器の運用等に関する情報が、入力部20から入力され、機器運用等情報記憶領域40cに記憶される。
ステップS106では、簡易積算に関する情報が、入力部20から入力され、積算情報記憶領域40nに記憶される。
ステップS107では、その他の情報、例えば気象条件に関する情報が、入力部20から入力される。
以上のステップS101からステップS107までの入力の順番は、これに限られるものではなく、入力順序が前後してもよい。また、ステップS103からステップS107までの入力は任意であり、入力の省略も可能である。ステップS101からステップS107の情報の入力が終了すると、ステップS108に進む。
ステップS108では、給湯システム提案支援装置10の使用者は、出力部30に含まれるディスプレイに表示される図2のような入力画面において、OKボタンを押す。OKボタンがおされると、ステップS109に進み、演算処理部50において以下の処理が実行される。
(3−2)組合せ生成処理
ステップS109では、組合せ生成部51が、1日あたりの最大使用湯量に関する情報及び機器情報を用いて、対象物件において給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せを生成する。
組合せの生成では、図13のように、ステップS109(及びステップS110からステップS114)が反復して実行され、基本的に、機器基本情報記憶領域40bに記憶された全ての検討すべき給湯機器の組合せ(提案できる可能性のある給湯機器の組合せ)に対して、対象物件において給湯システムとして適用可能であるか否かの検討が行われる。対象物件において給湯システムとして適用可能であるか否かは、最大使用湯量で湯切れ(給湯すべき湯がない状態)が発生しない給湯機器の組合せか否かで基本的に判断される。
例えば、検討すべき給湯機器の組合せとして、電気ヒートポンプ式給湯機器A(貯湯タンク容量一定)を1〜4台使用するパターンと、電気ヒートポンプ式給湯機器Aを1台とガス燃焼式給湯機器を使用するパターンと、電気ヒートポンプ式給湯機器B(貯湯タンク容量10種類)を使用するパターンと、電気ヒートポンプ式給湯機器B及びガス燃焼式給湯機器を使用するパターンと、ガス燃焼式給湯機器だけを利用するパターンが、機器基本情報記憶領域40bに記憶されていたとする。この場合、上記の全てのパターンについて、以下に示すステップS109の演算が行われ、対象物件に適用可能な全ての給湯機器の組合せを生成する。
ただし、能力的に過剰な給湯機器の組合せについては、給湯システムとして適用可能であるか否かの検討は行われなくてもよい。例えば、上記の例において、電気ヒートポンプ式給湯機器Aが2台使用されるパターンが、対象物件において給湯システムとして適用可能である場合には、電気ヒートポンプ式給湯機器Aが3台以上の組合せについては、検討が行われなくてもよい。
ステップS109で実行される処理の内容について、図14のフローチャートを用いて詳細に説明する。
ステップS201では、組合せ生成部51は、簡易物件情報記憶領域40d、詳細物件情報記憶領域40e、又は燃料消費量記憶領域40fに記憶されたいずれかの情報(使用者が入力した1の情報)を呼び出し、1日あたりの最大使用湯量(対象物件で1日あたり最大使用される湯量)を算出する。
具体的には、対象物件に係る簡易物件情報が呼び出された場合には、例えば、1日の使用湯量が最大となる日の対象物件の利用人数及び使用湯量原単位から、1日あたりの最大使用湯量が算出される。対象物件に係る詳細物件情報が呼び出された場合には、例えば図3〜図9の入力画面から入力された使用湯量等から、1日あたりの最大使用湯量が算出される。また、対象物件の燃料消費量に係る情報が呼び出された場合には、例えば、燃料消費量と、業種別情報記憶領域40pに記憶された対象物件の業種における給湯温度及び気象情報記憶領域40iに記憶された水温の情報とを用いて、1日あたりの最大使用湯量が算出される。ステップS201終了後、ステップS202に進む。
ステップS202では、組合せ生成部51の最大負荷演算部51aが、同じ種類の給湯機器の組合せ(例えば、電気ヒートポンプ式給湯機器Aだけの組合せ、ガス燃焼式給湯機器だけの組合せ等)について、冬期に、ステップS201で算出された最大使用湯量が2日間連続して使用される場合の、給湯量、使用湯量、及び貯湯量のバランス計算(時系列に給湯量、使用湯量、及び貯湯量の変化を把握する計算)を実行する。
ステップS201で、最大使用湯量の算出に対象物件に係る簡易物件情報又は対象物件の燃料消費量に係る情報が使用された場合には、最大負荷演算部51aは、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の業種に応じた時刻別の負荷パターン及び給湯温度を、業種別情報記憶領域40pから呼び出す。また、最大負荷演算部51aは、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の所在地に応じた冬期の平均外気温及び平均給水温を、気象情報記憶領域40iから呼び出す。さらに、最大負荷演算部51aは、給湯機器の基本情報及び運用等に関する情報を、機器基本情報記憶領域40b及び機器運用等情報記憶領域40cから呼び出す。そして、最大負荷演算部51aは、これらの呼び出された情報を用いて、1時間刻みで給湯量、使用湯量及び貯湯量のバランス計算を実行する。
ステップS201で、最大使用湯量の算出に対象物件に係る詳細物件情報が使用された場合には、最大負荷演算部51aは、給湯温度と時刻毎の給湯量に関する情報を、詳細物件情報記憶領域40eから呼び出す。また、最大負荷演算部51aは、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の所在地に応じた冬期の平均外気温及び平均給水温を、気象情報記憶領域40iから呼び出す。さらに、最大負荷演算部51aは、給湯機器の基本情報及び運用等に関する情報を、機器基本情報記憶領域40b及び機器運用等情報記憶領域40cから呼び出す。そして、最大負荷演算部51aは、これらの呼び出された情報を用いて、1時間刻みで給湯量、使用湯量及び貯湯量のバランス計算を実行する。
ステップS202終了後、ステップS203に進む。
ステップS203では、ステップS202の算出の結果を用いて、最大使用湯量を2日間連続して使用する場合に、湯切れ、すなわち給湯すべき湯がない状態が発生するか否かが、組合せ生成部51により判定される。湯切れが発生しない場合にはステップS204に、湯切れが発生する場合にはステップS210に進む。
ステップS204では、最大負荷演算部51aが、ステップS202で最大負荷演算が実行された給湯機器の組合せについて、夏期に、ステップS201で算出された最大使用湯量が2日間連続して使用される場合の、給湯量、使用湯量、及び貯湯量のバランス計算を実行する。ステップS204は,最大負荷演算部51aが、気象情報記憶領域40iから夏期の平均外気温及び平均給水温を呼び出して用いる以外は、ステップS202と同様であるため、説明は省略する。ステップS204終了後、ステップS205に進む。
ステップS205では、ステップS204の算出の結果を用いて、最大使用湯量を2日間連続して使用する場合に、湯切れが発生するか否かが、組合せ生成部51により判定される。湯切れが発生しない場合には、ステップS206に進む。一方、湯切れが発生する場合にはステップS210に進む。
ステップS206では、組合せ生成部51は、検討された給湯機器の組合せを、対象物件に適用可能な給湯機器の組合せとして作成する。言い換えれば、検討された給湯機器の組合せが対象物件に適用可能である旨が、演算結果記憶領域40oに記憶される。また、ステップS202で算出された最大使用湯量も、作成された給湯機器の組合別に、演算結果記憶領域40oに記憶される。その後、図13のステップS110に進む。
ステップS210では、機器基本情報記憶領域40bに記憶された検討すべき給湯機器の組合せに、現在検討中の型の給湯機器と、他の型の給湯機器との組み合わせが含まれるかが、組合せ生成部51により判定される。特に、ここでは、電気ヒートポンプ式給湯機器と燃焼式給湯機器の組合せ(以下、ハイブリットと呼ぶ)が、機器基本情報記憶領域40bに記憶された検討すべき給湯機器の組合せに含まれるかが、組合せ生成部51により判定される。ハイブリッドの組合せが検討すべき組合せに入っている場合には、ステップS211に進む。ハイブリッドの組合せが検討すべき組合せに入っていない場合には、ステップS214に進む。
ステップS211では、ハイブリッドを検討する場合に、給湯機器の運用等が変更されるか否かが、組合せ生成部51により判定される。給湯機器の運用等の変更には、例えば、ハイブリットの場合に、夜間に燃焼式給湯機器を優先して使う等の条件を追加する、貯湯タンクの目標水位を変更する等が含まれる。給湯機器の運用等が変更されるか否かは、機器基本情報記憶領域40bに記憶されている。ハイブリッドの場合に給湯機器の運用等が変更される場合には、ステップS212に進む。一方、給湯機器の運用等が変更されない場合には、ステップS213へ進む。
ステップS212では、給湯機器の運用等がハイブリッド時の内容(HB条件)に変更される。その後ステップS213に進む。
ステップS213では、組合せ生成部51は、ステップS202又はステップS204で不足すると判断された湯量が、追加される給湯機器で補われるよう給湯機器の能力を決定し、ハイブリットの給湯機器の組合せをとして作成する。言い換えれば、そのハイブリットの給湯機器の組合せが対象物件に適用可能である旨が、演算結果記憶領域40oに記憶される。また、ステップS202又はステップS204で検討された給湯機器の組合せは、対象物件に適用できない旨が演算結果記憶領域40oに記憶される。具体例を挙げて説明すると、例えば、電気式ヒートポンプ式給湯機器Aが1台のケースについてステップS202又はステップS204で最大負荷演算が実施され、ステップS203又はステップS205で湯切れが発生すると判断された場合に、湯切れを発生させない燃焼式給湯機器が決定され、電気式ヒートポンプ式給湯機器A1台と決定された燃焼式給湯機器とがハイブリットの給湯機器の組合せをとして作成される。そして、このハイブリットの給湯機器が対象物件に適用可能である旨が、演算結果記憶領域40oに記憶される。電気式ヒートポンプ式給湯機器A1台については、対象物件に適用できない旨が演算結果記憶領域40oに記憶される。さらに、ステップS202で算出された最大使用湯量も、演算結果記憶領域40oに記憶される。その後、図13のステップS110に進む。
ステップS214では、検討された給湯機器の組合せは、対象物件には適用できない旨が演算結果記憶領域40oに記憶される。その後、図13のステップS114に進む。
(3−3)消費量算出処理
ステップS110では、消費量算出部52が、曜日別給湯負荷に関する情報、月別給湯負荷に関する情報及び機器情報を用いて、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー消費量を算出する。
具体的な処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。なお、図15のフローチャートでは、繰り返し演算のため、月変数及び曜日変数の2つのパラメータが使用される。
まずステップS301では、月変数が1月に設定される。その後ステップS302に進む。
ステップS302では、曜日変数が月曜日に設定される。その後ステップS303に進む。
ステップS303では、消費量算出部52は、月変数に対応する月別給湯負荷に関する情報と、曜日変数に対応する曜日別給湯負荷に関する情報を用いて、1日の使用湯量を算出する。その後ステップS304に進む。
ステップS303は、ステップS102で、1日あたりの最大使用湯量に関する情報としていずれの情報が入力されたかで、処理が一部異なる。
ステップS102で、対象物件に係る簡易物件情報又は対象物件に係る詳細物件情報が入力された場合には、消費量算出部52は、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件に関する基本情報と、演算結果記憶領域40oに記憶された、演算対象の給湯機器の組合せに関する最大使用湯量と、月別負荷記憶領域40hに記憶された月変数に対応する月の負荷比率と、曜日別負荷記憶領域40gに記憶された曜日変数に対応する曜日の負荷比率とを呼び出し、月変数に対応する月であって曜日変数に対応する曜日の1日の使用湯量を算出する。より具体的には、消費量算出部52は、最大使用湯量と、月変数に対応する月の負荷比率と、曜日変数に対応する曜日の負荷比率との積を、月変数に対応する月であって曜日変数に対応する曜日の1日の使用湯量として算出する。なお、曜日変数が、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の休業日である場合には、使用湯量は0となる。
ステップS102で、対象物件の燃料消費量に関する情報が入力された場合には、消費量算出部52は、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件に関する基本情報と、燃料消費量記憶領域40fに記憶された月変数に対応する月の燃料消費量と、曜日別負荷記憶領域40gに記憶された曜日変数に対応する曜日の負荷比率と、カレンダー情報記憶領域40mのカレンダー情報とを呼び出し、月変数に対応する月であって曜日変数に対応する曜日の1日の使用湯量を算出する。より具体的には、カレンダー情報によりある月に各曜日が何日あるかが把握されるため、曜日変数に対応する曜日の負荷比率を用いて、各曜日の燃料消費量の合計が、月変数に対応する月の燃料消費量と一致するように、月変数に対応する月であって曜日変数に対応する曜日の1日の使用湯量が算出される。なお、曜日変数が、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の休業日である場合には、使用湯量は0となる。
ステップS304では、消費量算出部52は、演算対象の給湯機器の組合せについて、月変数に対応する月であって曜日変数に対応する曜日の、給湯量、使用湯量及び貯湯量の1時間刻みのバランス計算を実行する。その後ステップS305に進む。
ステップS304は、ステップS102で、1日あたりの最大使用湯量に関する情報としていずれの情報が入力されたかで、処理が一部異なる。
ステップS102で、対象物件に係る簡易物件情報又は対象物件の燃料消費量に関する情報が入力された場合には、消費量算出部52は、業種別情報記憶領域40pに記憶された対象物件の業種に応じた負荷パターン(給湯温度と時刻毎の給湯負荷変化)と、気象情報記憶領域40iに記憶された対象物件の所在地に応じた月別の平均外気温及び平均給水温と、機器基本情報記憶領域40b及び機器運用等情報記憶領域40cに記憶された給湯機器に関する情報とを呼び出す。そして、消費量算出部52は、これらの呼び出された情報と、ステップS303で算出された1日の使用湯量とを用いて、1時間刻みの給湯量、使用湯量及び貯湯量のバランス計算を実行する。なお、ステップS212でHB条件が設定されている場合には、HB条件も考慮されたバランス計算が実行される。
ステップS102で、対象物件に係る詳細物件情報が入力された場合には、消費量算出部52は、詳細物件情報記憶領域40eに記憶された、設備別の、給湯温度設定及び時刻毎の給湯量と、気象情報記憶領域40iに記憶された対象物件の所在地に応じた月別の平均外気温及び平均給水温と、機器基本情報記憶領域40b及び機器運用等情報記憶領域40cに記憶された給湯機器に関する情報とを呼び出す。そして、消費量算出部52は、これらの呼び出された情報と、ステップS303で算出された1日の使用湯量とを用いて、1時間刻みの給湯量、使用湯量及び貯湯量のバランス計算を実行する。なお、ステップS212でHB条件が設定されている場合には、HB条件も考慮されたバランス計算が実行される。
ステップS305では、消費量算出部52は、ステップS304で行われたバランス計算の結果を用いて、対象物件での給湯に必要な熱量等から、1時間毎の給湯機器のエネルギー消費量を算出する。エネルギー消費量は、電気ヒートポンプ式給湯機器であれば電力[kWh]であり、ガス燃焼式給湯機器であればガス使用量[m3N]であり、灯油燃焼式給湯機器であれば灯油使用量[kL]である。ステップS305の算出結果は、算出の対象となった給湯機器の組合せと関連付けて、月別、曜日別及び時刻別の情報として、演算結果記憶領域40oに記憶される。その後ステップS306に進む。
ステップS306では、曜日変数を1進める処理が実行される。例えば、曜日変数が月曜日であれば曜日変数を火曜日に、曜日変数が火曜日であれば曜日変数を水曜日に、曜日変数が日曜日であれば曜日変数を月曜日に変更する。その後ステップS307に進む。
ステップS307では、曜日変数の判定が行われ、曜日変数が月曜日であればステップS308に進み、それ以外の場合にはステップS303に戻る。
ステップS308では、月変数を1進める処理が実行される。例えば、月変数が1月であれば月変数を2月に、月変数が2月であれば月変数を3月に、月変数が12月であれば月変数を1月に変更する。その後ステップS309に進む。
ステップS309では、月変数の判定が行われ、月変数が1月であればステップS310に進む。それ以外の場合にはステップS302に戻る。
ステップS310では、消費量算出部52により、エネルギー消費量の集計処理が行われる。具体的には、消費量算出部52は、カレンダー情報記憶領域40mからカレンダー情報を読み出し、ある1年間についてトータルのエネルギー消費量を積算する。より具体的には、カレンダー情報により各月に月曜日〜日曜日のそれぞれが何日存在するかが分かるため、ステップS304により算出された月別、曜日別のエネルギー消費量を用いて、1年間のトータルのエネルギー消費量が算出される。算出結果は、算出の対象となった給湯機器の組合せと関連付けて演算結果記憶領域40oに記憶される。その後、図13のステップS111に進む。
なお、ステップS304でバランス計算が実行される際に、貯湯量データは次回のバランス計算に持ち越される。例えば、1月の月曜日についてバランス計算を実行し、次に1月の火曜日についてバランス計算が実行される際には、1月の月曜日の夜12時の残湯量を持ち越して、1月の火曜日についてバランス計算が実行される。また、月を跨ぐ場合、例えば1月の日曜日についてバランス計算が実行された後に、2月の月曜日のバランス計算が実行される場合にも、1月の日曜日の夜12時の残湯量を持ち越す。これにより、近似的ではあるが、連続性のある、残湯量も考慮に入れた精度のよいエネルギー消費量の算出が可能になる。なお、貯湯量データの持ち越しは、休業日を挟む場合については行われなくてもよい。
(3−4)エネルギー単価情報作成処理
ステップS111では、エネルギー単価情報作成部53が、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、消費量算出部52により算出された月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー消費量と、エネルギー料金情報記憶領域40jに記憶された情報とを用いて、月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー単価情報を作成する。作成されたエネルギー単価情報は、給湯機器の組合せ別に、エネルギー単価情報記憶領域40kに記憶される。その後ステップS112に進む。
(3−5)ランニングコスト算出処理
ステップS112では、ランニングコスト算出部54は、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、1年間のランニングコストを算出する。
具体的には、ランニングコスト算出部54は、算出の対象となる組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せに対し、演算結果記憶領域40oに記憶された月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー消費量と、エネルギー単価情報記憶領域40kに記憶された月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー単価と、を呼び出し、月別かつ曜日別に1日あたりのエネルギー価格を算出する。さらに、ランニングコスト算出部54は、カレンダー情報記憶領域40mからカレンダー情報を読み出し、ある1年間についてエネルギー価格、すなわち1年間のランニングコストを算出する。
ステップS112の算出結果は、算出の対象となった給湯機器の組合せと関連付けて演算結果記憶領域40oに記憶される。その後ステップS113に進む。
(3−6)簡易積算処理
ステップS113では、簡易積算部55は、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、簡易積算を行う。言い換えれば、簡易積算部55は、組合せ生成部51で生成された給湯機器の組合せ別に、初期コストの算出を行う。
具体的には、簡易積算部55は、積算情報記憶領域40nから簡易積算に関する情報を、機器基本情報記憶領域40bから給湯機器及び付属ユニットの価格を、それぞれ呼び出す。簡易積算部55は、これらの情報を使用して初期コストを算出する。初期コストは、算出の対象となった給湯機器の組合せと関連付けて演算結果記憶領域40oに記憶される。その後、ステップS114に進む。
(3−7)全組合せ検討終了判定処理
ステップS114では、上述のように、検討すべき給湯機器の組合せの全てに対して検討が終了したかが判定される。検討が終了していないと判定された場合には、ステップS109に戻る。全ての組合せに対して検討が終了していると判定された場合には、ステップS115に進む。
(3−8)組合せ選択処理
ステップS115では、選択部56が、ステップS110で算出されたランニングコストを用いて、組合せ生成部51で生成された給湯機器の全ての組合せの中から、2つの組合せを、好適な給湯システムとして選択する。
具体的には、選択部56は、組合せ生成部51で生成された全ての給湯機器の組合せ別に、演算結果記憶領域40oに記憶されたランニングコストを用いて投資回収年数を算出し、投資回収年数の少ない順に、2つの給湯機器の組合せを好適な給湯システムとして選択する。
より、具体的には、まず選択部56の回収年数算出部56aが、演算結果記憶領域40oに記憶されたランニングコストを用いて、組合せ生成部51で生成された全ての給湯機器の組合せについて、投資回収年数を算出する。
投資回収年数は、例えば、1の給湯機器の組合せの初期コストを、燃焼式給湯機器だけの組合せを用いた場合のランニングコストから、その給湯機器の組合せのランニングコストを引いたもので除すことで算出する。また、対象物件で既に給湯機器が使用されている場合には、給湯システム提案支援装置10の使用者が、現在のランニングコストを入力部20から入力し、1の給湯機器の組合せの初期コストを、現在のランニングコストから、その給湯機器の組合せのランニングコストを引いたもので除すことで、投資回収年数が算出されてもよい。さらに、これに限定されるものではなく、経済的なメリットを把握できるよう、投資回収年数が計算されればよい。投資回収年数は、算出の対象となった給湯機器の組合せと関連付けて、演算結果記憶領域40oに記憶される。
ランニングコストを用いて全ての組合せについて投資回収年数が算出された後、選択部56は、投資回収年数の少ない順に、2つの給湯機器の組合せを好適な給湯システムとして選択する。投資回収年数が同一の場合には、例えば、初期コストの安い順、ランニングコストの安い順などで更に順位付けが行われ、給湯システムとして選択されてもよい。
ステップS115で給湯システムが選択されると、ステップS116に進む。
(3−9)結果出力処理
ステップS116では、演算結果記憶領域40oに記憶された演算結果が、出力部30に出力される。出力は、ディスプレイに表示されるものであってもよいし、プリンタで印刷されるものであってもよい。
出力部30には、図16のように、2つの好適な給湯システムがA案、B案として、機器構成、投資回収年数、ランニングコスト、簡易積算結果等と共に表示される。また、対比のため、例えば燃焼式給湯機器だけの組合せがC案として並列で表示される。
また、出力部30には、組合せ生成部51で検討が行われた全ての給湯機器の組合せについて、一覧表の形で投資回収年数が表示される。さらに、出力部30には、画面を切り替えることで、組合せ生成部51で検討が行われた全ての給湯機器の組合せについて、一覧表の形でランニングコストや初期コストが表示される。給湯システム提案支援装置10の使用者は、一覧表の各種演算結果に基づいて、給湯機器の組合せを入力部20から選択し、A〜C案と共に、D案として表示することができる。
さらに、給湯システム提案支援装置10の使用者は、A案〜D案について工事費用を入力部20から入力可能で、入力された工事費用は、A案〜D案に関する情報として出力部30に合わせて出力される。更に、工事費用が入力部20から入力された場合には、簡易積算に工事費用を含めた場合の投資回収年数が自動で計算されて表示される。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10は、対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するためのものであって、記憶部40と、組合せ生成部51と、消費量算出部52と、ランニングコスト算出部54と、選択部56と、出力部30と、を備える。記憶部40は、複数の給湯機器に関する機器情報と、条件としての、対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報及び対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報と、を記憶する。組合せ生成部51は、最大使用湯量に関する情報及び機器情報を用いて、対象物件において給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せを生成する。消費量算出部52は、曜日別給湯負荷に関する情報及び機器情報を用いて、組合せ別に、エネルギー消費量を算出する。ランニングコスト算出部54は、エネルギー消費量を用いて、組合せ別にランニングコストを算出する。選択部56は、ランニングコストを用いて、組合せの中から、少なくとも1の組合せを、好適な給湯システムとして選択する。出力部30は、選択部56に選択された好適な給湯システムを出力する。
ここでは、最大使用湯量に適応可能な給湯機器の組合せが作成され、組合せ別に曜日別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出され、さらにランニングコストが算出される。そして、ランニングコストを用いて、少なくとも1の給湯機器の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。曜日別給湯負荷が考慮されることでランニングコストの算出精度が高くなるため、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
(4−2)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10では、記憶部40には、対象物件の業種に関する情報が、条件として更に記憶される。曜日別給湯負荷に関する情報は、業種別の、曜日別給湯負荷のデフォルト値である。消費量算出部52は、業種に関する情報を更に用いて、エネルギー消費量を算出する。
ここでは、エネルギー消費量が、業種別にデフォルト値として準備された曜日別給湯負荷を用いて算出される。そのため、対象物件個別の曜日別給湯負荷が入手できない場合であっても、対象物件の業種だけである程度精度の良いランニングコストが算出でき、対象物件に好適なシステムを提示できる。
(4−3)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10では、消費量算出部52は、月別、曜日別かつ時刻別にエネルギー消費量を算出する。ランニングコスト算出部54は、月別、曜日別かつ時刻別のエネルギー消費量を用いて、ランニングコストを算出する。
ここでは、月別、曜日別、かつ時刻別のエネルギー消費量が算出される。つまり、エネルギー消費量が詳細に算出される。そして、詳細なエネルギー消費量を用いて年間ランニングコストが算出されるため、より現実に近いランニングコストが算出可能で、対象物件に好適なシステムを提示できる。
(4−4)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10では、記憶部40には、対象物件の月別給湯負荷に関する情報が、対象物件の条件として更に記憶される。消費量算出部52は、月別給湯負荷に関する情報を更に用いて、エネルギー消費量を算出する。
ここでは、曜日別給湯負荷に加え、月別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出される。そのため、曜日別給湯負荷だけを用いる場合に比べ、更に精度の高いランニングコストの算出が可能である。その結果、対象物件に好適な給湯システムが提示できる。
(4−5)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10では、ランニングコストを用いて、給湯機器の組合せ別に投資回収年数を算出する回収年数算出部56aを更に備える。選択部56は、複数の組合せを好適な給湯システムとして選択する。出力部30は、複数の好適な給湯システムを、それぞれの投資回収年数と共に一覧で出力する。
ここでは、複数の好適な給湯システムの候補が投資回収年数と共に一覧で出力されるため、柔軟性のある給湯システムの提案をすることが可能である。つまり、対象物件に関し、選択の幅を持たせた給湯システムの提案が可能である。
(4−6)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10では、記憶部40に記憶される情報を入力として受けつける入力部20を更に備える。
ここでは、入力部20を備えることで、対象物件の条件等を容易に変更可能である。そのため、容易に、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
(4−7)
本実施形態の給湯システム提案支援装置10では、入力部20は、少なくとも最大使用湯量に関する情報を受け付ける。最大使用湯量に関する情報は、対象物件に係る簡易物件情報、対象物件に係る詳細物件情報、又は、燃料消費量に係る情報のいずれかである。
ここでは、給湯システムを提示する際に、入手可能な情報が限られている場合にも、入手可能な範囲の情報、例えば簡易物件情報を用いて、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。つまり、容易に対象物件に好適な給湯システムを提示することができる。
一方、対象物件に係る詳細物件情報、や、燃料消費実績値に係る情報を得ることが可能な場合には、実際の対象物件の運用状況に近い条件でランニングコストが算出できる。つまり、詳細な情報に基づいて、より現実に則した好適な給湯システムを提示できる。
(4−8)
本実施形態の給湯システム提案支援プログラムは、対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するためのものであり、給湯システム提案支援装置10に、呼出ステップと、組合せ生成ステップと、消費量算出ステップと、ランニングコスト算出ステップと、選択ステップ(組合せ選択ステップ)と、出力ステップ(結果出力ステップ)と、を実行させる。給湯システム提案支援装置10は、複数の給湯機器に関する機器情報と、対象物件の条件としての、対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報及び対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報と、を記憶した記憶部40を有する。呼び出しステップでは、記憶部から、機器情報と、最大使用湯量に関する情報と、曜日別給湯負荷に関する情報と、が呼び出される。組合せ生成ステップでは、最大使用湯量に関する情報及び機器情報を用いて、対象物件において、給湯システムとして適用可能な給湯機器の組合せが生成される。消費量算出ステップでは、曜日別給湯負荷に関する情報及び機器情報を用いて、組合せ別に、給湯機器のエネルギー消費量が算出される。ランニングコスト算出ステップでは、エネルギー消費量を用いて、組合せ別にランニングコストが算出される。選択ステップでは、ランニングコストを用いて、給湯機器の組合せの中から、少なくとも1の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。出力ステップでは、選択された好適な給湯システムが出力される。
ここでは、給湯システム提案支援装置10(コンピュータ)にプログラムを実行させることで、最大使用湯量に適応可能な給湯機器の組合せが作成され、組合せ別に曜日別給湯負荷を用いてエネルギー消費量が算出され、さらにランニングコストが算出される。そして、ランニングコストを用いて、少なくとも1の給湯機器の組合せが、好適な給湯システムとして選択される。曜日別給湯負荷が考慮されることでランニングコストの算出精度が高くなるため、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
(5−1)変形例A
上記実施形態では、各種入力は入力部20から入力されるが、これに限定されるものではなく、LANやインターネット等の通信回線とネットワークを構成し、図17のように、通信部25からネットワークを介して各種入力を受け付けてもよい。
さらに、出力部30に各種結果等を出力するのに代えて、通信部25からネットワークを介して各種結果等を出力してもよい。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、選択部56は2つの給湯機器の組合せを好適な給湯システムとして選択するが、これに限定されるものではなく、3つ以上の給湯機器の組合せを好適な給湯システムとして選択してもよい。また、1つの給湯機器の組合せを好適な給湯システムとして選択してもよい。
ただし、対象物件に対し、選択の幅のある提案を行うためには、複数の給湯機器の組合せを好適な給湯システムとして選択するほうが望ましい。
(5−3)変形例C
上記実施形態では、選択部56は投資回収年数に基づいて、給湯機器の組合せを好適な給湯システムを選択するが、これに限定されるものではない。例えば、選択部56はランニングコストの低い順に、給湯機器の組合せを好適な給湯システムを選択してもよい。
(5−4)変形例D
上記実施形態において、曜日別負荷記憶領域40gに記憶されるための情報として、入力部20から対象物件の曜日別の負荷比率が入力されるが、これに限定されるものではなく、例えば、対象物件の曜日別の給湯量、特に給湯量の実測値が入力され、エネルギー消費量の計算等に用いられてもよい。
また、図18のように、記憶部40は実測曜日別負荷記憶領域40rをさらに有し、実測曜日別負荷記憶領域40rには、対象物件の曜日別の負荷比率を補完する情報として、給湯量の実測値が記憶されてもよい。この場合、業種別情報記憶領域40pに記憶されたデフォルトの対象物件の曜日別の負荷比率、又は入力部20から入力された対象物件の曜日別の負荷比率が、実測曜日別負荷記憶領域40rに記憶される給湯量により補正され、曜日別負荷記憶領域40gに記憶される。ここで、補正とは、例えば、デフォルト値または入力値としての対象物件の曜日別の負荷比率と、実測曜日別負荷記憶領域40rに記憶されるエネルギー消費量を用いて算出される曜日別の負荷比率と、の平均値を曜日別負荷記憶領域40gに記憶する等の処理である。
曜日別給湯負荷の実測値が、曜日別給湯負荷に関する情報として、又は、曜日別給湯負荷を補完する情報として用いられることで、より精密なランニングコストの算出が可能になる。その結果、対象物件に好適な給湯システムを提示できる。
(5−5)変形例E
上記実施形態において、曜日別負荷記憶領域40gには、対象物件の業種に応じたデフォルト値が基本的に記憶され、入力部20から対象物件の曜日別の負荷比率が入力された場合のみ入力値が記憶されるが、これに限定されるものではない。
入力部20から対象物件の曜日別の負荷比率が入力されない場合には、曜日別負荷記憶領域40gには何も情報が記憶されなくてもよい。この場合、消費量算出部52は、演算を行う際に、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の業種を用いて、業種別情報記憶領域40pから曜日別の負荷比率のデフォルト値を呼び出して使用する。
月別の負荷比率についても同様である。
(5−6)変形例F
上記実施形態において、曜日別負荷情報、月別負荷情報、対象物件の定休日の情報等を踏まえてエネルギー消費量及びランニングコストが算出されるが、これに限定されるものではない。例えば、カレンダー情報記憶領域40mのカレンダー情報を用いて、更に祝日についても考慮したエネルギー消費量及びランニングコストの算出を可能としてもよい。
(5−7)変形例G
上記実施形態において、業種別情報記憶領域40pには、業種別に、適用することのできない給湯機器に関する情報が記憶されていてもよい。この場合には、組合せ生成部51により検討すべき給湯機器の組合せが、物件基本情報記憶領域40aに記憶された対象物件の情報と、業種別情報記憶領域40pに記憶された情報と、を用いて制限される。
(5−8)変形例H
上記実施形態において、給湯システム提案支援装置10は、複数の業種や、複数の所在地に対し好適な給湯システムを提示するものであるが、これに限定されるものではなく、特定の業種や、特定の地方についてのみ好適な給湯システムを提示するものであってもよい。
ただし、対象物件に対して幅広く給湯システムを提示するためには、複数の業種や、所在地に対し好適な給湯システムを提示するものであることが望ましい。
(5−9)変形例I
上記実施形態において、消費量算出部52は、曜日別及び月別の負荷比率の両方を用いてエネルギー消費量を算出するが、これに限定されるものではない。
例えば、月別の負荷比率が用いられずに(月変動は無いものとして)、エネルギー消費量が算出されてもよい。ただし、ランニングコストを正確に算出し、好適な給湯システムを提示するためには、月別の負荷比率も用いた計算が行われることが望ましい。
本発明は、対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示する給湯システム提案支援装置及び給湯システム提案支援プログラムとして有用である。
10 給湯システム提案支援装置
20 入力部(受付部)
25 通信部(受付部、出力部)
30 出力部
40 記憶部
51 組合せ生成部
52 消費量算出部
54 ランニングコスト算出部
56 選択部
56a 回収年数算出部
特開2009−48244号公報

Claims (9)

  1. 対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するための給湯システム提案支援装置(10)であって、
    複数の給湯機器に関する機器情報と、前記条件としての、前記対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報及び前記対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報と、を記憶する記憶部(40)と、
    前記最大使用湯量に関する情報及び前記機器情報を用いて、前記対象物件において前記給湯システムとして適用可能な前記給湯機器の組合せとして、夏季及び冬季に、前記最大使用湯量を2日間連続して使用しても前記給湯システムにおいて湯切れが発生しない前記給湯機器の組合せを生成する組合せ生成部(51)と、
    前記曜日別給湯負荷に関する情報及び前記機器情報を用いて、前記組合せ別に、エネルギー消費量を算出する消費量算出部(52)と、
    前記エネルギー消費量を用いて、前記組合せ別にランニングコストを算出するランニングコスト算出部(54)と、
    前記ランニングコストを用いて、前記組合せの中から、少なくとも1の前記組合せを、前記好適な前記給湯システムとして選択する選択部(56)と、
    前記選択部に選択された前記好適な前記給湯システムを出力する出力部(25,30)と、
    を備え、
    前記組合せ生成部は、電気ヒートポンプ式の給湯機器である第1種類の前記給湯機器と、燃焼式の給湯機器である、前記第1種類とは異なる第2種類の前記給湯機器とを含む前記給湯機器の組合せが、検討すべき前記給湯機器の組合せに含まれるか否かを判定し、前記第1種類の前記給湯機器と前記第2種類の前記給湯機器とを含む前記給湯機器の組合せが検討すべき前記給湯機器の組合せに含まれると判定される場合に、前記最大使用湯量を2日間連続して使用しても前記給湯システムにおいて湯切れが発生しない、前記第1種類の前記給湯機器と前記第2種類の前記給湯機器とを含む組合せを、前記給湯機器の組合せとして生成する、
    給湯システム提案支援装置。
  2. 前記記憶部には、前記対象物件の業種に関する情報が、前記条件として更に記憶され、
    前記曜日別給湯負荷に関する情報は、前記業種別の、前記曜日別給湯負荷のデフォルト値であり、
    前記消費量算出部は、前記業種に関する情報を更に用いて、前記エネルギー消費量を算出する、
    請求項1に記載の給湯システム提案支援装置。
  3. 前記消費量算出部は、月別、曜日別かつ時刻別に前記エネルギー消費量を算出し、
    前記ランニングコスト算出部は、前記月別、前記曜日別かつ前記時刻別の前記エネルギー消費量を用いて、前記ランニングコストを算出する、
    請求項1又は2に記載の給湯システム提案支援装置。
  4. 前記記憶部には、前記対象物件の月別給湯負荷に関する情報が、前記条件として更に記憶され、
    前記消費量算出部は、前記月別給湯負荷に関する情報を更に用いて、前記エネルギー消費量を算出する、
    請求項1から3のいずれかに記載の給湯システム提案支援装置。
  5. 前記ランニングコストを用いて、前記組合せ別に投資回収年数を算出する回収年数算出部(56a)を更に備え、
    前記選択部は、複数の前記組合せを前記好適な前記給湯システムとして選択し、
    前記出力部は、前記複数の前記好適な前記給湯システムを、それぞれの前記投資回収年数と共に一覧で出力する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の給湯システム提案支援装置。
  6. 前記記憶部は、前記曜日別給湯負荷の実測値を、前記曜日別給湯負荷に関する情報として、又は、前記曜日別給湯負荷に関する情報を補完する情報として記憶する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の給湯システム提案支援装置。
  7. 前記記憶部に記憶される情報の少なくとも一部を入力として受けつける受付部(20,25)を更に備える、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の給湯システム提案支援装置。
  8. 前記受付部は、少なくとも前記最大使用湯量に関する情報を受け付け、
    前記最大使用湯量に関する情報は、前記対象物件に係る簡易物件情報、前記対象物件に係る詳細物件情報、又は、燃料消費実績値に係る情報のいずれかである、
    請求項7に記載の給湯システム提案支援装置。
  9. 対象物件の条件に応じた好適な給湯システムを提示するための給湯システム提案支援プログラムであって、
    複数の給湯機器に関する機器情報と、前記条件としての、前記対象物件の所定期間あたりの最大使用湯量に関する情報及び前記対象物件の曜日別給湯負荷に関する情報と、を記憶した記憶部(40)を有するコンピュータ(10)に、
    前記記憶部から、前記機器情報と、前記最大使用湯量に関する情報と、前記曜日別給湯負荷に関する情報と、を呼び出す呼出ステップと、
    前記最大使用湯量に関する情報及び前記機器情報を用いて、前記対象物件において、前記給湯システムとして適用可能な前記給湯機器の組合せとして、夏季及び冬季に、前記最大使用湯量を2日間連続して使用しても前記給湯システムにおいて湯切れが発生しない前記給湯機器の組合せを生成する組合せ生成ステップと、
    前記曜日別給湯負荷に関する情報及び前記機器情報を用いて、前記組合せ別に、前記給湯機器のエネルギー消費量を算出する消費量算出ステップと、
    前記エネルギー消費量を用いて、前記組合せ別にランニングコストを算出するランニングコスト算出ステップと、
    前記ランニングコストを用いて、前記組合せの中から、少なくとも1の前記組合せを、前記好適な前記給湯システムとして選択する選択ステップと、
    選択された前記好適な前記給湯システムを出力する出力ステップと、
    を実行させ、
    前記組合せ生成ステップは、
    電気ヒートポンプ式の給湯機器である第1種類の前記給湯機器と、燃焼式の給湯機器である、前記第1種類とは異なる第2種類の前記給湯機器とを含む前記給湯機器の組合せが、検討すべき前記給湯機器の組合せに含まれるか否かを判定する第1サブステップと、
    前記第1サブステップにおいて、前記第1種類の前記給湯機器と前記第2種類の前記給湯機器との組合せが検討すべき前記給湯機器の組合せに含まれると判定される場合に、前記最大使用湯量を2日間連続して使用しても前記給湯システムにおいて湯切れが発生しない、前記第1種類の前記給湯機器と前記第2種類の前記給湯機器とを含む組合せを、前記給湯機器の組合せとして生成する第2サブステップと、
    を含む、
    給湯システム提案支援プログラム。
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