JP5922467B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、代謝物質のスペクトルを測定する磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴現象を利用した磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、生体内の各臓器の画像診断に不可欠な手法として広く利用されている。さらに、磁気共鳴イメージング装置は、臓器等を画像として表示するだけでなく、その高磁場装置によって各種の被検体内の代謝物質のスペクトルを測定する磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS:Magnetic Resonance Spectroscopy)を可能にする。
MRSによって測定する代謝物質は、例えば、γ−アミノ酪酸(GABA:gammaaminobutyricacid)、グルタチオン(GSH:glutathione)、グルタミン(Gln:glutamin)又はグルタメート(Glu:glutamate)等の脳内代謝物質が挙げられる。特許文献1は、これらの代謝物質の良好なスペクトルを得るためのMEGA PRESS法及び磁気共鳴イメージング装置を提案している。
特開2007−159928号公報
しかし、特許文献1に開示されたMEGA PRESS法及び磁気共鳴イメージング装置では、体内の低濃度又は微小の代謝物質を測定する場合、自由誘導減衰(FID*Free Induction Decay)又はスティミュレーテッド・エコー(Stimulated echo)等からの信号が、代謝物質のスペクトルにノイズとして混入してしまうことがあった。このようなノイズを低減することは、低濃度の代謝物質を精度よく検出することになる。
そこで、本発明は、ノイズを低減して低濃度の代謝物質を測定する磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
第1の観点の磁気共鳴イメージング装置は、被検体内の原子核のスピンを横磁化励起する横磁化用励起パルス、横磁化用励起パルスに引き続き被検体の選択された部位の原子核のスピンを励起する第1励起パルス、第1励起パルスに引き続きスピンの位相をリフォーカスするリフォーカスパルス、及びリフォーカスパルスに引き続き部位の原子核のスピンを励起する第2励起パルスを有するパルスシーケンスを、被検体に印加するRFパルス印加部と、リフォーカスパルスの印加前後に、スピンの位相を変化させる一対の第1クラッシャー勾配磁場を印加する勾配磁場印加部と、を備える。そして、勾配磁場印加部は、第1クラッシャー勾配磁場と同じ極性で且つ位相変化量が異なる一対の第2クラッシャー勾配磁場を印加する。
パルスシーケンスはスピンエコーシーケンスであり、リフォーカスパルスは180度RFパルスであり、第1クラッシャー勾配磁場及び第2クラッシャー勾配磁場は、互いに異なる3軸の勾配磁場にそれぞれ印加される。
また、第2クラッシャー勾配磁場の位相変化量は、第1クラッシャー勾配磁場の位相変化量よりも小さい。
さらに、パルスシーケンスが連続で印加される際に、勾配磁場印加部は、次回の第1クラッシャー勾配磁場の位相変化量が、前回の第1クラッシャー勾配磁場の位相変化量と第2クラッシャー勾配磁場の位相変化量とを積分した値と異ならせる。
さらに勾配磁場印加部は、空間的に互いに直交する3軸に対して、第1クラッシャー勾配磁場及び第2クラッシャー勾配磁場を印加する。
第2の観点の磁気共鳴イメージング装置は、被検体内の原子核のスピンを横磁化励起する横磁化用励起パルス、横磁化用励起パルスに引き続き被検体の選択された部位の原子核のスピンを励起する第1励起パルス、第1励起パルスに引き続きスピンの位相をリフォーカスするリフォーカスパルス、及びリフォーカスパルスに引き続き部位の原子核のスピンを励起する第2励起パルスを有するパルスシーケンスを、被検体に印加するRFパルス印加部と、リフォーカスパルスの印加前後に、スピンの位相を変化させる一対の第1クラッシャー勾配磁場を印加する勾配磁場印加部と、を備える。そして、RFパルス印加部は、第1励起パルスと第2励起パルスとにそれぞれ異なる送信位相を付与する。
第2の観点の磁気共鳴イメージング装置において、勾配磁場印加部は、第1クラッシャー勾配磁場と同じ極性で且つ位相変化量が異なる一対の第2クラッシャー勾配磁場を印加する。
本発明の磁気共鳴イメージング装置によると、ノイズを低減することができるので、低濃度の代謝物質を正確に測定することができる。
磁気共鳴イメージング装置10の概略構成図である。 従来の方法である基本的なパスルのシーケンスチャートを示す。 ノイズ低減方法1のシーケンスチャートを示す。 ノイズ低減方法2のシーケンスチャートを示す。 ノイズ低減方法3のシーケンスチャートを示す。 (a)は、従来の方法により得られたスペクトルグラフである。 (b)は、ノイズ低減方法3により得られたスペクトルグラフである。 (a)は、従来の方法により得られたスペクトルグラフである。 (b)は、ノイズ低減方法1及び3を同時に適用して得られたスペクトルグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲はこれらの形態に限られるものではない。
<磁気共鳴イメージング装置の構成>
図1は本実施形態の磁気共鳴イメージング(MRI)装置10の概略構成図である。図1を参照して、MRI装置10の構成及びその基本動作について述べる。特にMRI装置10が、代謝物質のスペクトルを測定する場合について説明する。
本実施形態のMRI装置10は、マグネットシステム100、勾配コイル駆動部130、RFコイル駆動部140、データ収集部150、シーケンス制御部160、演算部170、表示部180及び操作部190を有する。
マグネットシステム100は、主磁場コイル部102、勾配コイル部106及びRFコイル部108を有している。これら各コイル部は概ね円筒状の形状を有し、概ね円柱状のボアに互いに同軸状に配置されている。ボア内には被検体HBが寝台110に載置されており、寝台110は、撮影部位に応じて、マグネットシステム100内のボア内を移動可能になっている。
主磁場コイル部102は、マグネットシステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は、概ね被検体HBの体軸の方向に平行であり水平磁場を形成する。主磁場コイル部102は、通常、超伝導コイルを用いて構成されるが、超伝導コイルに限らず永久磁石等を用いて構成してもよい。
勾配コイル部106は、互いに直交する3軸方向において、それぞれ主磁場コイル部102によって形成された静位相変化量に勾配を持たせるための3種の勾配磁場を発生する。勾配コイル部106は、第1スライス軸、第2スライス軸及び第3スライス軸用に図示しない3系統の勾配コイルを有する。このような勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106は、3系統の駆動回路を有する勾配コイル駆動部130に接続されている。勾配コイル駆動部130は、勾配コイル部106に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。
第1スライス軸方向の勾配磁場を第1スライス勾配磁場と言い、第2スライス軸方向の勾配磁場を第2スライス勾配磁場と言い、第3スライス軸方向の勾配磁場を第3スライス勾配磁場と言う。
三次元直交座標系において、静磁場空間における互いに直交する座標軸をX軸,Y軸,Z軸としたとき、いずれの軸も第1スライス軸とすることができる。本実施形態においては、第1スライス軸を被検体HBの体軸の方向をZ軸方向とし、残り2軸のうちの一方を第2スライス軸とし、他方を第3スライス軸とする。なお、第1スライス軸、第2スライス軸及び第3スライス軸は、相互間の直交性を保ったまま、X,Y,Z軸に関して任意の傾きを持たせることも可能である。
RFコイル部108は、静磁場空間に被検体HBの体内のスピンを励起するための高周波磁場を形成する。高周波磁場を形成することをRF励起信号の送信といい、RF励起信号をRFパルスという。RFコイル部108には、RFコイル駆動部140が接続されており、RFコイル駆動部140は、RFコイル部108に駆動信号を与えてRFパルスを送信する。励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号は、RFコイル部108によって受信される。RFコイル部108には、データ収集部150が接続されている。データ収集部150は、RFコイル部108が受信したエコーデータ(又はMR受信信号)をデジタルデータとして収集する。RFコイル部108は、複数のRFパルス間で移送がランダムに分散するように、RFパルスの横磁化を乱して定常状態を“スポイル(spoil)”させることもできる。
シーケンス制御部160は、勾配コイル駆動部130、RFコイル駆動部140及びデータ収集部150に接続されている。シーケンス制御部160は、操作者に入力された撮影条件、すなわち撮影プロトコルに従い、勾配コイル駆動部130及びRFコイル駆動部140を駆動する。
表示部180は、グラフィックディスプレー等で構成されている。表示部180は、演算部170に接続されている。表示部180は、操作画面、及び、被検体の代謝物質についてスペクトルを表示することができる。代謝物質は、例えば、神経伝達物質である、γ−アミノ酪酸(GABA)、グルタミン(Gln)、グルタメート(Glu)である。
操作部190は、ポインティングデバイスを備えたキーボード等で構成される。操作部190は、演算部170に接続されている。操作部190は、操作者によって表示部180を介して操作される。操作部190は、キーボード等の代わりに表示部180にタッチパネルを配置してもよい。
演算部170は、制御部171、記憶部172及びデータ処理部174で構成される。演算部170は、各種データを処理し、プログラムを実行する。制御部171は、操作部190からの操作信号に基づいて、決められたパルスシーケンスを実施するよう、寝台110及びシーケンス制御部160に制御信号を送って制御する。記憶部172は、エコーデータを記憶したり、所定のRFパルスのシーケンスが記憶したりする。記憶部172には、RFパルスのシーケンスのプログラム等がインストールされている。
データ処理部174は、記憶部172からエコーデータを読み出し、そのエコーデータに対して画像再構成を行う。そしてデータ処理部174は、代謝物質のスペクトルを算出したりする。
次に、MRI装置10が、RFコイル部108から被検体に印加するスピンエコーシーケンス(以下、SEシーケンスと略記する)の一例を説明する。まず、SEシーケンスの基本的なパルスについて説明する。
<従来の方法である基本的なパルス>
シーケンス制御部160は、ノイズ低減方法1のシーケンスチャートに基づいて、勾配コイル駆動部130及びRFコイル駆動部140を制御し、繰り返し時間(TR)毎にこのシーケンスを繰り返し実行する。そして、シーケンス制御部160は、代謝物質の良好なスペクトルを得るように、勾配コイル駆動部130及びRFコイル駆動部140を制御する。
図2は、SEシーケンスの一繰り返し時間(TR)分のシーケンスチャートを示しており、RF、Gz、Gx、Gy、signalはそれぞれ、RFパルス、第1スライス勾配磁場、第2スライス勾配磁場、第3スライス勾配磁場、エコーデータの軸を表す。以下、図2のSEシーケンスを説明する。
励起RFパルスRF01は、撮影すべき所定のスライスを選択して、そのスライスにおける原子核スピンを励起する例えば90°パルスである。つまり、励起RFパルスRF01は、画像生成に用いるエコーデータECを得るため横磁化させる励起RFパルスである。本明細書では、この励起RFパルスRF01を、他の励起RFパルスと区別するため、横磁化用励起RFパルスと呼ぶ。
スライス勾配磁場パルスGM01は、励起RFパルスRF01と共に印加されることにより被検体の所望の撮影面のみ横磁化に励起されることになる。
RFコイル駆動部140は、励起RFパルスRF01に引き続いて、180°RFパルスRF11をリフォーカス用に印加し、次に、選択された部位の原子核のスピンを励起する第1励起パルスMRF21を印加する。RFコイル駆動部140は、その第1励起パルスMRF21に続いて、180°RFパルスRF12をリフォーカス用に印加する。さらにRFコイル駆動部140は、180°RFパルスRF12に続いて、選択された部位の原子核のスピンを励起する第2励起パルスMRF22を印加する。
180°RFパルスRF11及び180°RFパルスRF12は、横磁化用励起RFパルスRF01により励起された所定のスライスにおいて、原子核スピンのT2緩和もしくはT2*緩和で分散する位相を再集束させるためのリフォーカスパルスである。
勾配コイル駆動部130は、被検体の第2スライス軸方向に勾配磁場パルスGM11を印加し、第3スライス軸方向に勾配磁場パルスGM12を印加する。励起RFパルスRF11およびスライス勾配磁場GM11は、被検体の位相方向のスライスを選択し、励起RFパルスRF12およびスライス勾配磁場GM12は、被検体の周波数方向のスライスを選択する。これによって、横磁化用励起RFパルスRF01により励起された立方体の励起領域を特定している。
第1スライス勾配磁場の軸Gzに印加されるクラッシャー勾配磁場パルスCG01は、横磁化用励起RFパルスRF01によって生じるスティミュレーティッドエコー及び自由誘導減衰(FID)の発生を抑制するために印加される。また、クラッシャー勾配磁場パルスCG02は、クラッシャー勾配磁場パルスCG01の印加量を相殺するための勾配磁場パルスである。クラッシャー勾配磁場パルスCG01は、クラッシャー勾配磁場パルスCG02より小さい印加量である。クラッシャー勾配磁場パルスCG01とCG02とは、基本的に同じ印加量であるが、クラッシャー勾配磁場パルスCG01は、負極性のリフェーズ勾配磁場を含んでいるため、小さい印加量となる。負極性のリフェーズ勾配磁場は、スライス勾配磁場パルスGM01による分散した位相を、元に戻すために印加される。
第2スライス勾配磁場の軸Gx及び第3スライス勾配磁場の軸Gyに示されるように、勾配コイル駆動部130は、クラッシャー勾配磁場パルスCG11及びCG12、並びにクラッシャー勾配磁場パルスCG21及びCG22を、180°RFパルスRF11を挟んで印加する。これらも、横磁化用励起RFパルスRF01によって生じるスティミュレーティッドエコー及びFIDの発生を抑制するために印加される。
次に、SEシーケンスの特徴的なパルスについて説明する。
第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22は、被検体の特定の部位からのエコーデータECを抑制するために印加するパルスである。
第1スライス勾配磁場の軸Gz、第2スライス勾配磁場の軸Gx、及び第3スライス勾配磁場の軸Gyには、それぞれクラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04、クラッシャー勾配磁場パルスCG13及びCG14並びにクラッシャー勾配磁場パルスCG23及びCG24が印加される。クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04、クラッシャー勾配磁場パルスCG13及びCG14並びにクラッシャー勾配磁場パルスCG23及びCG24は、第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22で励起された原子核スピンの位相を分散させる。
クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04は、180°RFパルスRF12を挟んで配置され、対を成している。同様に、クラッシャー勾配磁場パルスCG13及びCG14は、180°RFパルスRF12を挟んで配置され、クラッシャー勾配磁場パルスCG23及びCG24は、180°RFパルスRF12を挟んで配置される。
<ノイズ低減方法1>
さて、第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22は、第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22により発生する定常状態にあるスピンの横磁化のコヒーレンスがスポイル(spoil)するように印加される。第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22は、その位相を毎回の励起においてランダムに変化させてスポイルされる、又は新規の勾配磁場を加えることでスポイルされる。横磁化をスポイルすることにより、横磁化成分により生じる観測されるエコーデータECの横磁化成分を抑制することができる。
図3は、ノイズ低減方法1のシーケンスチャートを示す。
シーケンス制御部160は、ノイズ低減方法1のシーケンスチャートに基づいて、勾配コイル駆動部130及びRFコイル駆動部140を制御し、代謝物質の良好なスペクトルを得る。
ノイズ低減方法1は、従来の方法である基本的なパルスと比較して、RFの位相変化の仕方が異なる。これ以外は同じである。
同じクラッシャー勾配磁場パルスの配置であっても、スポイルされた第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22は、第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22の横磁化成分により生じる観測されるエコーデータの横磁化成分を抑制することができる。
<ノイズ低減方法2>
図4は、ノイズ低減方法2のシーケンスチャートを示す。
シーケンス制御部160は、ノイズ低減方法2のシーケンスチャートに基づいて、勾配コイル駆動部130及びRFコイル駆動部140を制御し、代謝物質の良好なスペクトルを得る。
ノイズ低減方法2は、従来の方法である基本的なパルスと比較して、新たに補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01〜CG22が加えられている。これ以外のパルスは同じである。
図6(a)は、特開2007−159928号公報等に開示された従来の方法により得られたスペクトルグラフである。スペクトルグラフの横軸は、基準物質からの周波数のずれの割合(ppm)を示し、その縦軸はその周波数の波高、つまり水素原子の量を示している。図6(b)並びに図7(a)及び(b)のスペクトルグラフの横軸及び縦軸も同様である。
図6(a)の領域91には、大きなノイズ(不要なFID)が表示され、γ−アミノ酪酸(GABA)、グルタチオン(GSH)、グルタミン(Gln)又はグルタメート(Glu)等の脳内代謝物質の領域93が小さく表示される。不要なノイズは、180°RFパルスRF12と第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22(図4を参照)との信号共鳴によって生じている。このため、この信号共鳴を抑えるためには、第1スライス勾配磁場の軸Gz、第2スライス勾配磁場の軸Gx、及び第3スライス勾配磁場の軸Gyに、さらに大きなクラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04、CG13及びCG14並びにCG23及びCG24を印加するようにすればよい。しかしながら、勾配コイル駆動部130の最大能力以上に、クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04、クラッシャー勾配磁場パルスCG13及びCG14並びにクラッシャー勾配磁場パルスCG23及びCG24を大きくすることはできない。また、180°RFパルスRF12と第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22との信号共鳴を抑えるには、180°RFパルスRF12と第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22とをアンバランスにすればよい。
そこで、ノイズ低減方法2は、勾配コイル駆動部130が補助クラッシャー勾配磁場パルスをさらに印加する。図4に示されるように、第1スライス勾配磁場の軸Gz、第2スライス勾配磁場の軸Gx、及び第3スライス勾配磁場の軸Gyに、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC11及びSC12並びに補助クラッシャー勾配磁場パルスSC21及びSC22を印加する。補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02、SC11及びSC12並びSC21及びSC22は、クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04、CG13及びCG14並びにCG23及びCG24と同じ極性である。
第1スライス勾配磁場の軸Gzの補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01は、第1励起パルスMRF21の後に印加され、その補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01による影響を無くすため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC02が第2励起パルスMRF22の後に印加される。第2スライス勾配磁場の軸Gxの補助クラッシャー勾配磁場パルスSC11は、第1励起パルスMRF21の前に印加され、その補助クラッシャー勾配磁場パルスSC11による影響を無くすため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC12が第2励起パルスMRF22の前に印加される。第3スライス勾配磁場の軸Gyの補助クラッシャー勾配磁場パルスSC21は、第1励起パルスMRF21の前に印加され、その補助クラッシャー勾配磁場パルスSC21による影響を無くすため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC22が第2励起パルスMRF22の後に印加される。
補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02の傾斜磁場強度は、クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04の傾斜磁場強度と異なっている。傾斜磁場強度は、位相変化量の大きさに比例する。クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04の傾斜磁場は、一般に勾配コイル駆動部130の最大能力であるため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02の傾斜磁場強度は、クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04の傾斜磁場より小さい。
1回の繰り返し時間(TR)を考える際に、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02の傾斜磁場強度は、クラッシャー勾配磁場パルスCG03及びCG04の傾斜磁場強度の20〜80%でよい。これはバランスを崩してスティミュレーティッドエコーの発生を抑制するためである。クラッシャー勾配磁場パルスCG03の傾斜磁場強度と補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01の傾斜磁場強度とを積分しても、クラッシャー勾配磁場パルスCG04の傾斜磁場強度と異なるからである。
補助クラッシャー勾配磁場SC11及びSC12並びに補助クラッシャー勾配磁場SC21及びSC22の傾斜磁場強度葉も、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02の傾斜磁場強度と同様な関係である。
このように、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02、SC11及びSC12並びSC21及びSC22が印加されるシーケンスで、エコーデータECを得る。そして、データ処理部174は、そのエコーデータECに基づいて代謝物質のスペクトルを算出し、図6(b)に示されるスペクトルグラフを表示部180に表示する。図6(b)のスペクトルグラフの横軸は、図6(a)の横軸と同じスケールであるが、図6(b)の縦軸は図6(a)の縦軸の10倍で表示してある。図6(b)の領域95に示されるように、不要なノイズは10分の1以下に減少している。
<ノイズ低減方法3>
図5は、ノイズ低減方法3のシーケンスチャートを示す。
ノイズ低減方法3は、ノイズ低減方法2と比較して、クラッシャー勾配磁場パルスCG33〜CG54の配置が異なる。このため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01及びSC02、SC11及びSC12並びSC21及びSC22の配置も異なっている。
具体的には、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01は、第1励起パルスMRF21の後に印加され、その補助クラッシャー勾配磁場パルスSC01による影響を無くすため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC02が第2励起パルスMRF22の前に印加される。補助クラッシャー勾配磁場パルスSC11は、第1励起パルスMRF21の後に印加され、その補助クラッシャー勾配磁場パルスSC11による影響を無くすため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC12が第2励起パルスMRF22の後に印加される。補助クラッシャー勾配磁場パルスSC21は、第1励起パルスMRF21の前に印加され、その補助クラッシャー勾配磁場パルスSC21による影響を無くすため、補助クラッシャー勾配磁場パルスSC22が第2励起パルスMRF22の前に印加される。
<その他のノイズ低減方法>
ノイズ低減方法1は、第1励起パルスMRF21及び第2励起パルスMRF22をスポイルしてノイズを低減した。また、ノイズ低減方法2及び3は、補助クラッシャー勾配磁場パルスを印加してノイズを低減した。その他のノイズ低減方法は、これら2つの方法を組み合わせることができる。
図7(a)は、従来の方法により得られたスペクトルグラフである。図7(a)のスペクトルグラフは、図6(a)のスペクトルグラフと同じである。図7(b)は、ノイズ低減方法1及びノイズ低減方法2を組み合わせたシーケンスで得られたエコーデータECに基づいて算出されたスペクトルグラフである。図7(b)のスペクトルグラフの横軸は、図7(a)の横軸と同じスケールであるが、図7(b)の縦軸は図7(a)の縦軸の約15倍で表示してある。図6(b)の領域95に示されるように、不要なノイズは20分の1以下に減少している。
なお、発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、第1スライス軸方向を軸とするスライスを撮影スライスとし、エコーデータを抑制したい特定の部位として、第2スライス軸方向や第3スライス軸方向を軸とする所定のスライスを選択している。しかし、第2スライス軸方向や第3スライス軸方向を軸とするスライスを撮影スライスとし、エコー信号を抑制したい特定の部位として、他の方向を軸とする所定のスライスを選択してもよい。
また例えば、上記の実施形態では、リフォーカスパルスを挟んで印加する信号抑制用磁場群を一対としているが、二対以上としてもよい。
10 … 磁気共鳴イメージング装置
100 … マグネットシステム(102… 主磁場コイル部、106… 勾配コイル部、108… RFコイル部)
110 … 寝台
130 … 勾配コイル駆動部
140 … RFコイル駆動部
150 … データ収集部
160 … シーケンス制御部
170 … 演算部
171 … 制御部
172 … 記憶部
174 … データ処理部
180 … 表示部
190 … 操作部

Claims (3)

  1. 被検体内の原子核のスピンを横磁化励起する横磁化用励起パルス、前記横磁化用励起パルスに引き続き前記被検体の選択された部位の原子核のスピンを励起する第1励起パルス、前記第1励起パルスに引き続き前記スピンの位相をリフォーカスするリフォーカスパルス、及び前記リフォーカスパルスに引き続き前記部位の原子核のスピンを励起する第2励起パルスを有するパルスシーケンスを、前記被検体に印加するRFパルス印加部と、
    前記リフォーカスパルスの印加前後に、前記スピンの位相を変化させる一対のクラッシャー勾配磁場を印加するとともに、前記リフォーカスパルスの印加前後に他の一対のクラッシャー勾配磁場を印加する勾配磁場印加部と、を備え、
    前記一対のクラッシャー勾配磁場は、第1のクラッシャー勾配磁場と、前記第1のクラッシャー勾配磁場の後に印加される第2のクラッシャー勾配磁場とを含み、
    前記他の一対のクラッシャー勾配磁場は、前記第1のクラッシャー勾配磁場と前記リフォーカスパルスとの間に印加される第3のクラッシャー勾配磁場と、前記第3のクラッシャー勾配磁場の後に印加される第4のクラッシャー勾配磁場とを含み、
    前記勾配磁場印加部は、
    前記第2のクラッシャー勾配磁場の位相変化量が、前記第1のクラッシャー勾配磁場の位相変化量と前記第3のクラッシャー勾配磁場の位相変化量との積分により得られる値と異なるように、前記一対のクラッシャー勾配磁場および前記他の一対のクラッシャー勾配磁場を印加する、磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記パルスシーケンスはスピンエコーシーケンスであり、
    前記リフォーカスパルスは180度RFパルスであり、
    前記一対の第1クラッシャー勾配磁場は、空間的に互いに直交する3軸に印加され、
    前記他の一対の第1クラッシャー勾配磁場は、空間的に互いに直交する3軸に印加される請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記第3および第4のクラッシャー勾配磁場の位相変化量は、前記第1および第2のクラッシャー勾配磁場の位相変化量よりも小さい請求項1又は請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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