JP5922435B2 - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、都市ガス等の炭化水素を含む原燃料の改質を行う改質器を備えるとともに、改質器で改質された燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池システム及びその制御方法に関する。
従来より、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC:以下単に燃料電池と記す)は、固体電解質である固体酸化物層の両面にアノード又はカソードの電極を配した燃料電池セルに対して、酸化剤ガス(通常空気)と燃料ガスを供給して発電を行うようになっている。また、このような燃料電池では、一個の燃料電池セルで得られる電力量は小さいので、セルを複数個使用して燃料電池スタックを構成して大きな電力になるよう設計されている。
この種の燃料電池においては、都市ガス等の原燃料を水素リッチの燃料ガスに改質(いわゆる水蒸気メタン改質)するために、通常、内部に改質触媒を配置した改質器が用いられている。
また、近年では、燃料電池の起動時に、燃料電池セルのカソード側に酸化剤ガスを供給するとともに、アノード側に燃料ガス及び水蒸気を供給し、その下流でそれらのガスを合流させて燃焼させ、その燃焼熱を利用して、燃料電池スタックや改質器を昇温する方法が開発されている。
更には、上述したガスの燃焼熱を利用するだけでなく、定格発電可能温度未満の状態で部分発電(即ち燃料電池の昇温途中における部分的な発電)を行い、そのジュール熱によって燃料電池スタックを加熱する方法も開発されている。
また、これとは別に、燃料電池を運転する際に、適切な量の燃料ガスを燃料電池スタックに供給するために、発電電流量から燃料消費量を予測する演算処理を行い、燃料供給量を制御する方法が提案されている(特許文献1参照)。
更に、燃料電池スタックの温度維持のために、スタック電圧とスタック電流の目標値を決めることで、ジュール熱による発熱量を制御する方法や、ヒータの様な外部加熱装置で発熱させる方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2008−47329号公報 特開2009−32605号公報
ところで、上述した従来の改質器を備えた燃料電池においては、発電時は、燃料電池スタックで発電に寄与しなかった燃料ガス及び酸化剤ガスの燃焼熱を利用して、改質器を加熱して燃料ガスの改質を行う構成になっていて、通常発電効率を上げるために、燃料の利用率を上げる(つまり、発電に寄与しない燃料ガスの量を少なくする)制御を行うので、燃焼熱は小さい。故に、その燃焼熱が積極的に改質器に伝わるような構成が必要になっている。
しかしながら、そのような構成では、燃料電池の起動時(即ち燃料電池と改質器の昇温時)に、燃料電池の起動時間を短縮する目的で、原燃料の供給量を多くすることとなり、燃焼の熱量が過剰になった場合には、改質器が熱により損傷(熱劣化)し易いという問題があった。
また、逆に、原燃料の供給量を減らすことにより、燃焼の熱量が過少になったときには、燃料電池の温度が速やかに上昇しないので、燃料電池の起動時間が長くなるという問題があった。
つまり、上述した従来技術では、燃料電池を起動する際に、改質器を熱劣化させることなく、速やかに燃料電池や改質器を適切な作動温度に上昇させて、短時間で燃料電池の定常運転を開始させること(即ち燃料電池を起動させること)は容易ではなかった。
この対策として、例えば上述した特許文献1の技術を用いることが考えられるが、この特許文献1の技術とは、燃料ガスとして改質の必要がない水素ガスを用いる技術であるので、改質器を備えた燃料電池、即ち改質器にて改質反応を行ったり残ガスを燃焼させて改質器を加熱する装置にそのまま適用することはできない。つまり、都市ガスのCH4のように改質が必要な原燃料を使用する場合には、改質反応の吸熱を考慮する必要があるが、特許文献1の技術では、この考慮がなされていない。
また、前記特許文献2についても、ジュール熱や外部加熱装置により燃料電池スタックを昇温する記載はあるが、使用する燃料ガスは水素であり、前記特許文献1と同様に、改質器の熱量制御について考慮されていない。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、燃料電池の起動時に、改質器の熱劣化を防止するとともに、速やかに燃料電池を起動することができる燃料電池システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
(1)本発明は、第1態様(燃料電池システムの制御方法)として、吸熱反応によって原燃料の改質を行う改質器と、該改質器にて改質された燃料ガスをアノードに供給するとともにカソードに酸化剤ガスを供給して発電を行う燃料電池と、を備えた燃料電池システムに対して、前記燃料電池の起動後の昇温開始から定格発電開始までの間に、前記燃料電池に前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを供給し、前記燃料電池から排出された前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとを燃焼させ、前記改質器及び前記燃料電池を加熱するとともに、前記燃料電池の定格発電開始前の部分発電の際には、該部分発電のために前記燃料ガスを増量して供給するように制御する燃料電池システムの制御方法において、前記部分発電によって前記燃料電池に流れる電流値を求め、該電流値に基づいて、前記部分発電に使用される前記燃料ガスの消費量分に対応する前記原燃料の第1増量を算出するとともに、前記原燃料の前記第1増量に応じた前記改質器における吸熱反応の吸熱量を算出し、該吸熱量に基づいて、前記改質器に供給する前記原燃料の前記第1増量に係わる前記改質器の熱収支を補正することを特徴とする。
本第1態様では、燃料電池の起動時には、部分発電によって燃料電池に流れる電流値を求め、その電流値に基づいて、部分発電に使用される燃料ガスの消費量分に対応する原燃料の第1増量を算出するとともに、第1増量に応じた改質器における吸熱反応の吸熱量を算出する。そして、吸熱量に基づいて、改質器に供給する原燃料の第1増量に係わる改質器の熱収支を補正する。以下、本第1態様の原理について説明する。
燃料電池の起動時に、部分発電可能温度まで燃料電池スタックの温度が上昇することにより、部分発電が始まると、部分発電のために燃料ガスが消費されるので、その消費分だけ改質器を昇温するための(即ち燃焼させるための)燃料ガスが不足する。そこで、消費量分だけの燃料ガスを増量する必要があるが、その消費量分に対応する原燃料の増量分(即ち第1増量)は、部分発電によって流れる電流値に対応しているので、この電流値に応じて第1増量を求めることができる。
ところが、部分発電に対応した第1増量分の原燃料が増加した場合には、改質器にて改質される原燃料も増加するが、改質反応は吸熱反応であるので、そのままでは吸熱量が増加して、予想したような温度上昇が得られず、速やかな改質の反応率の向上を実現できない(即ち実質的な改質が開始されない)。
そこで、本第1態様では、この吸熱反応による吸熱量を考慮して、例えば供給する原燃料を増加したり、或いは起動バーナや電気ヒータの様な補助加熱装置を用いて、その吸熱量を補う補正を行う。
これにより、起動時における燃料電池や改質器の温度上昇を、速やかに且つ精度良く所望の範囲に制御できるので、短時間で燃料電池の起動を行うことができるとともに、改質器が過度に温度上昇することによる熱劣化を防止することができる。
また、本第1態様によれば、改質器に熱電対のような温度センサを配置しなくても、改質器の熱劣化の防止や、改質器の温度低下による改質の反応率の低下を防止することも可能である。
(2)本発明では、第2態様として、前記部分発電によって前記燃料電池に流れる電流値を求める電流値検出工程と、前記電流値検出工程によって検出された前記電流値に基づいて、前記部分発電に使用される前記燃料ガスの消費量分に対応する前記原燃料の前記第1増量を算出する第1算出工程と、前記原燃料の前記第1増量に応じた前記改質器における吸熱反応の吸熱量に対応する前記原燃料の第2増量を算出する第2算出工程と、前記原燃料の前記第2増量を加味して前記改質器に供給する原燃料の供給量を決定する原燃料算出工程と、を有することを特徴とする。
本第2態様では、部分発電によって燃料電池に流れる電流値を求め、この電流値に基づいて、部分発電に使用される燃料ガスの消費量分に対応する原燃料の第1増量を算出し、この第1増量に応じた改質器における吸熱反応の吸熱量に対応する原燃料の第2増量を算出し、そして、この第2増量を加味して改質器に供給する原燃料の供給量を決定する。
つまり、本第2態様では、原燃料の第1増量に応じた吸熱量に対する補正を行う場合には、(吸熱量に対応する)原燃料を増量する第2増量を加味して原燃料の供給量を決定する。
これにより、他の補助加熱装置を用いることなく、原燃料の供給量を制御するのみで、吸熱量に対する補正を行うことができるので、制御内容や装置構成を簡略化できるという利点がある。
(3)本発明では、第3態様として、前記吸熱量の少なくとも一部を、補助加熱装置を用いて、前記改質器及び前記燃料電池を加熱することにより賄うことを特徴とする。
本第3態様は、例えば起動バーナや電気ヒータ等のような補助加熱装置を用いる場合を例示しており、この補助加熱装置を用いる場合には、より速やかに燃料電池や改質器の温度を上昇できるという利点がある。
なお、補助加熱装置を用いる場合には、吸熱量の一部を賄うような加熱(残りは燃料ガスの増加で対応)を行ってもよいが、吸熱量の全てを賄うように加熱を行ってもよい。
(4)本発明は、第4態様(燃料電池システム)として、吸熱反応によって原燃料の改質を行う改質器と、該改質器にて改質された燃料ガスをアノードに供給するとともにカソードに酸化剤ガスを供給して発電を行う燃料電池と、を備え、前記燃料電池の起動後の昇温開始から定格発電開始までの間に、前記燃料電池に前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを供給し、前記燃料電池から排出された前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとを燃焼させ、前記改質器及び前記燃料電池を加熱するとともに、前記燃料電池の定格発電開始前の部分発電の際には、該部分発電のために前記燃料ガスを増量して供給するように制御する構成を有する燃料電池システムにおいて、前記部分発電によって前記燃料電池に流れる電流値を求める電流検出手段と、前記電流検出手段によって検出された前記電流値に基づいて、前記部分発電に使用される前記燃料ガスの消費量分に対応する前記原燃料の第1増量を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段によって算出された前記原燃料の前記第1増量に応じた前記改質器における吸熱反応の吸熱量を算出する吸熱量算出手段と、前記吸熱量算出手段によって算出された前記吸熱量に基づいて、前記改質器に供給する前記原燃料の前記第1増量に係わる前記改質器の熱収支を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
本第4態様の燃料電池システムの作用効果は、前記第1態様の燃料電池システムの制御方法と同様である。
つまり、本第4態様では、前記第1態様と同様に、上述した吸熱反応による吸熱量を考慮して、例えば供給する原燃料を増加したり、或いは起動バーナや電気ヒータの様な補助加熱装置を用いて、その吸熱量を補う補正を行う。
これにより、起動時における燃料電池や改質器の温度上昇を、速やかに且つ精度良く所望の範囲に制御できるので、短時間で燃料電池の起動を行うことができるとともに、改質器が過度に温度上昇することによる熱劣化を防止することができる。
(5)本発明では、第5態様として、前記補正手段は、前記吸熱量に対応する前記原燃料の第2増量を算出する第2算出手段と、前記原燃料の前記第2増量を加味して前記改質器に供給する原燃料の供給量を決定する原燃料算出手段と、を有することを特徴とする。
本第5態様は、補正手段の内容を例示しており、本第5態様では、原燃料の第1増量に応じた吸熱量に対する補正を行う場合には、原燃料を増量する第2増量を加味して原燃料の供給量を決定する。
これにより、他の補助加熱装置を用いることなく、原燃料の供給量を制御するのみで、吸熱量に対する補正を行うことができるので、制御内容や装置構成を簡略化できるという利点がある。
(6)本発明では、第6態様として、前記補正手段は、前記改質器及び前記燃料電池を加熱する補助加熱装置を備え、前記吸熱量の少なくとも一部を、補助加熱装置を用いて、前記改質器及び前記燃料電池を加熱することにより賄うことを特徴とする。
本第6態様は、例えば起動バーナや電気ヒータ等のような補助加熱装置を用いる場合を例示しており、この補助加熱装置を用いる場合には、より速やかに燃料電池や改質器の温度を上昇できるという利点がある。
・本発明においては、更に、下記の構成を採用できる。
例えば、起動時に改質器が熱劣化しないように、原燃料の上限供給量を求めておき、原燃料の供給量を上限供給量以下の範囲内になるように制御することが望ましい。
なお、熱劣化の有無は、熱による改質器の変形や腐食の発生の有無によって判定できる。そして、予め実験等によって熱劣化が生じる温度を求めておき、この温度に達しないように、原燃料の供給量を制御する。
更に、予め実験等によって、起動時において改質器の改質反応が生じる範囲の原燃料の下限供給量を求めておき、原燃料の供給量を下限供給量以上の範囲内になるように制御することが望ましい。
これにより、適切な反応率で好適に改質反応を行うことが可能になる。
・また、上述した発明において、改質器とは、燃料電池に都市ガス等の原燃料を供給する場合に、より発電に好適な組成に改質(例えば都市ガス等をより水素成分の多い組成のガスに改質)する装置のことである。
更に、前記起動時とは、燃料電池の運転停止の状態から、定常運転の状態に達するまでの昇温の期間を示している。
実施例1の燃料電池システムを模式的に示す説明図である。 実施例1の燃料電池システムの燃料電池モジュールを模式的に示す説明図である。 燃料電池の内部構成を破断して模式的に示す説明図である。 実施例1の燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。 起動時における燃料電池の温度変化の実験結果を示すグラフである。 実験の際の原燃料の増量の変化を示すグラフである。 実施例3の燃料電池システムの燃料電池モジュールを模式的に示す説明図である。 実施例4の燃料電池システムの燃料電池モジュールを模式的に示す説明図である。
以下に、本発明が適用された燃料電池システムとして、固体酸化物形燃料電池システム(以下単に燃料電池システムと記す)の実施例について、図面を用いて説明する。
a)まず、本実施例の燃料電池システムの構成について説明する。
図1に模式的に示す様に、本実施例における燃料電池システム1は、燃料ガス(N)と酸化剤ガス(S)とを用いて発電を行う燃料電池3を備えた燃料電池モジュール5と、燃料電池3によって発電された電力を制御して商用変換系統7に供給するパワーコンディショナー(PC)9と、燃料電池モジュール5やパワーコンディショナー9などの動作を制御するコンピュータを主要とするシステム制御装置11とを備えている。
なお、後に詳述するが、燃料電池1は、燃料電池スタック13や補助器15を備えており、燃料電池モジュール5は、燃料電池1以外に起動バーナ17を備えている。
前記パワーコンディショナー9としては、一般的な直流−交流変換器を使用することができる。このパワーコンディショナー9を用いることで、燃料電池3が発電した直流電力を交流電力に変換して、(例えば200Vの)商用電力系統7に供給することができる。
従って、このパワーコンディショナー9では、燃料電池3から取り出す直流電力の制御や、パワーコンディショナー9への入出力電流制御などを行うことができる。
前記システム制御装置11は、パワーコンディショナー9からの制御情報(例えば発電量)や、燃料電池スタック13に配置された温度センサ19からの温度情報などを入力する。
また、このシステム制御装置11は、燃料電池3に空気を供給する空気供給流路21に設けられた第1制御弁23、改質器25(図2参照)に原燃料を供給する燃料供給流路29に設けられた第2制御弁31、改質器25に改質水(ka)を供給する改質水供給流路33に設けられた第3制御弁35、起動バーナ17に原燃料及び空気の混合ガス(ko)を供給する混合ガス供給流路37に設けられた第4制御弁39等の動作を制御する。
b)次に、燃料電池モジュール5の構成について説明する。
図2に模式的に示す様に、燃料電池モジュール5では、燃料電池3は、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて、例えば700℃程度の高温にて稼働されるために、断熱容器41に収納されている。
なお、燃料ガスとしては、例えば原燃料である都市ガス等を改質した燃料ガスを用いることができ、酸化剤ガスとしては、例えば空気(詳しくは空気中の酸素)などを用いることができる。
前記燃料電池3は、燃料電池スタック13と、その下方に配置された補助器15とからなり、補助器15は、後述する様に、改質器25と(上側燃焼チャンバー43a及び下側燃焼チャンバー43bを有する)燃焼チャンバー43とからなる。また、補助器15の下方には、燃料電池3の起動時に加熱を行う起動バーナ17が配置されている。
ここで、燃料電池3の構成について更に詳しく説明する。
図3に示す様に、燃料電池スタック13は、複数の燃料電池セル45が積層されたものであり、この燃料電池セル45は、いわゆる燃料極支持膜形タイプの燃料電池セル45である。
つまり、燃料電池セル45は、周知の様に、金属製のインターコネクタ47の間に、燃料ガスが供給される燃料流路49と、燃料流路49に接する様に配置された燃料極51と、例えばZrO2系セラミックスからなる固体電解質である固体酸化物体53と、空気が供給される空気流路55と、空気流路55に接する様に配置された空気極57と、燃料流路49と空気流路55とを分離するセパレータ59などを備えている。
また、空気極57と一方(同図上方)のインターコネクタ47との間に空気極集電体61を備えるとともに、燃料極51と他方(同図下方)のインターコネクタ47との間に燃料極集電体63を備えている。
なお、燃料流路49においては、燃料ガスは、同図左右方向(ここでは同図右側から左側)に流れるように供給され、空気流路55においては、空気は、同図紙面と垂直方向(ここでは紙面裏側から表側)に流れるように供給される。
また、前記補助器15は、上側燃焼チャンバー43aと下側燃焼チャンバー43bとの間に改質器25が積層されたものであり、上側燃焼チャンバー43aと下側燃焼チャンバー43bとは連通孔43cにより連通している。
このうち、改質器25は、燃料電池3に供給される原燃料を水素リッチの燃料ガス(改質ガス)に改質する、いわゆる水蒸気改質を行う板状の装置であり、その内部には、例えばRuからなる改質触媒が充填されている。
この改質器25の上流側(図3左側)は、外部から原燃料が供給される燃料ガス供給流路29と、外部から改質水(Ka)が供給される改質水供給流路33とに接続されている。
一方、改質器25の下流側は、連結部材65の連結流路67を介して、ボルト69が貫通される(燃料電池スタック13内の燃料ガスの供給用の)貫通流路71に接続されている。
また、前記燃焼チャンバー43は、起動時に供給される燃料ガスと空気(即ち酸素)とを反応させ、また、発電後に各燃料電池セル45より排出される残余のガス、即ち発電に使用されなかった残余の燃料ガスと空気とを反応させて燃焼させる板状の装置である。
この燃焼チャンバー43の上側燃焼チャンバー43aには、燃料電池スタック13から排出される残余の燃料ガスなどが導入される導入流路73が設けられ、また、下側燃焼チャンバー43bには、燃焼チャンバー43内で燃焼によって生じた排ガス(H)を断熱容器41外に排出する排ガス流路75が設けられている。
c)次に、燃料電池システム1の基本的な動作と、それに伴うガスの流れについて説明する。
<起動時>
前記図2に示す様に、燃料電池システム1の起動時には、混合気が起動バーナ17に供給され、混合気が燃焼することによって、燃料電池3が加熱される。
それとともに、空気は、空気供給流路21から燃料電池スタック13(詳しくは各燃料電池セル45の空気流路55内)内に導入される。
また、空気の供給と同時に、原燃料は、燃料供給流路29を介して改質器25に導入されるとともに、改質水は、改質水供給流路33を介して改質器25内に導入される。なお、起動時において、改質器21の温度が高くなるにつれて改質の反応率が高くなる(原燃料の改質が進む)。
改質器25から排出された(未改質及び改質後の)燃料ガスは、燃料電池スタック13の各燃料電池セル45の燃料流路49内に導入される。
そして、各燃料電池セル45に導入された燃料ガスと空気とは、燃料電池セル45が所定の温度(一部にて発電が可能な部分発電可能温度:例えば550℃)になっていない場合には、そのまま、それぞれ所定の流路を介して上側燃焼チャンバー43aに導入され、この上側燃焼チャンバー43a内で燃料ガスと空気とが燃焼する。
一方、各燃料電池セル45の温度が、部分発電可能温度になっている場合には、その温度になっている箇所で、燃料ガスと空気との反応によって部分的に発電が行われる。そして、部分発電に使用されなかった残余の燃料ガスと空気とが、前記と同様に、上側燃焼チャンバー43aに導入され、この上側燃焼チャンバー43a内で残余の燃料ガスと残余の空気とが燃焼する。
なお、上側燃焼チャンバー43aは、連通孔43cを介して下側燃焼チャンバー43bと連通しているので、下側燃焼チャンバー43bにおいても、同様に燃料ガスと空気とが燃焼する。
そして、燃料ガスと空気とが燃焼して生じた排ガスは、下側燃焼チャンバー43bの排ガス流路75から、断熱容器41外に排出される。
<通常運転時>
燃料電池3の全ての燃料電池セル45にて発電が可能な温度(定格発電可能温度:例えば700℃)となった場合には、燃料電池3の通常の運転(定格発電)が行われる。
具体的には、燃料電池3によって発電を行う場合には、空気は、空気供給流路21から燃料電池スタック13内に導入される。
また、空気の供給と同時に、原燃料は、燃料供給流路29を介して改質器25に導入されるとともに、改質水は、改質水供給流路33を介して改質器25内に導入され、改質器25内にて原燃料の改質が行われる。
改質された燃料ガスは、燃料電池スタック13内に導入される。
そして、各燃料電池セル45内にて、燃料ガスと空気とを用いて発電が行われ、発電後の残余のガス(残余の燃料ガスと空気)とは、それぞれ所定の流路を介して上側燃焼チャンバー43aに導入され、この上側燃焼チャンバー43a内で残余の燃料ガスと残余の空気とが燃焼する。また、同様に、下側燃焼チャンバー43bにおいても、残余の燃料ガスと残余の空気とが燃焼する。
そして、残余の燃料ガスと残余の空気とが燃焼して生じた排ガスは、下側燃焼チャンバー43bの排ガス流路75から、断熱容器41外に排出される。
d)次に、本実施例における制御の原理について説明する。
本実施例では、燃料電池3の起動時に、部分発電によって燃料電池3に流れる電流値を求め、この電流値に基づいて、部分発電に使用される燃料ガスの消費量分に対応する原燃料の第1増量を算出し、更に、この第1増量に応じた改質器25における吸熱反応の吸熱量に対応する原燃料の第2増量を算出し、そして、この第2増量を加味して原燃料の供給量を決定する。
よって、以下では、起動時に改質器25に供給する原燃料の供給量を決定する原理について説明する。
・まず、使用される原燃料の種類に応じた熱力学データを示す。
この熱力学データは、起動時の原燃料の供給量の算出に利用される。
<水蒸気改質の反応熱:700℃>
CH4+2H2O(g)→CO2+4H2−190.4[kJ/mol]
26+4H2O(g)→2CO2+7H2−307.0[kJ/mol]
38+6H2O(g)→3CO2+10H2−431.0[kJ/mol]
410+8H2O(g)→4CO2+13H2−558.8[kJ/mol]
<燃焼熱:25℃、LHV>
CH4+2O2→CO2+2H2O(g)+802.3[kJ/mol]
26+7/2O2→2CO2+3H2O(g)+1427.8[kJ/mol]
38+5O2→3CO2+4H2O(g)+2044.0[kJ/mol]
410+13/2O2→4CO2+5H2O(g)+2657.0[kJ/mol]
・次に、起動時の原燃料の供給量の増量分の算出方法について、具体的に説明する。
燃料電池3の起動時に、起動バーナ17によって燃料電池3を加熱するとともに、燃料電池3に燃料ガスや空気を供給して燃焼チャンバー43で燃焼させると、燃料電池3の温度が徐々に上昇して、一部の燃料電池セル45にて発電が可能な状態(部分発電が可能な状態)となる。
従って、部分発電が可能な温度になった場合に、燃料電池3から電流を取り出すようにすると、部分的に発電が行われ、部分発電の発電量に応じた電流(I)が流れる。
この部分発電の際には、部分発電によってその発電量(即ち電流値)に応じた量の燃料ガスと空気とが消費される。
従って、そのままでは、燃焼チャンバー43で燃焼させる燃料ガスと空気の量が減るので、その減少分だけ燃料ガス及び空気を増量する必要がある。なお、通常、空気は十分に供給されるので、実際には燃料ガスのみ増量すればよい。なお、この原燃料の増量分に対応する原燃料の増量を第1増量とする。
この第1増量は、下記の様にして算出できる。
部分発電によって得られた電流値がIの場合には、発電で消費される燃料ガスの量、詳しくは、燃料ガスの水素のモル量「Δn」は、ファラデーの法則から、下記式(1)で算出できる。
Δn=I/zF ・・・(1)
ここで、I:電流[A]
z:電荷(水素の場合=2)
F:ファラデ−定数(=96485)
例えば、CH4の場合、水蒸気改質によって、水素は投入するCH4の4倍発生するので、発電で消費されたCH4量は、「Δn/4」となり、これが、第1増量である。
また、消費された分だけCH4量(第1増量)を増量する場合は、前記水蒸気改質の反応熱の式より、水蒸気改質の吸熱量は、190.4×Δn/4[kJ/mol]となり、これが第2増量である。
従って、発電で消費されるCH4量分(第1増量)だけ増量し、かつ、水蒸気改質の吸熱量を補うだけの熱量を投入しようとすると(即ち吸熱量を補う第2増量分を更に増量しようとすると)、合計の増量(合計増量)は、下記の式(2)で算出される。
合計増量=Δn/4+A×(190.4×Δn/4)・・(2)
ここで、「A」とは、改質器の形状や材質によって燃焼熱が改質反応に寄与する度合いを示すパラメータであり、実験等により、予め求めることができる。
なお、CH4以外のガスを利用する場合は、それぞれのガスの比率から吸熱量を算出することができる。
また、この合計増量は、起動時に供給するベースとなる基本的な供給量に対する増分であり、基本的な供給量は、燃料電池モジュール5の形状や特性、どの程度の速度で温度上昇させるか等により異なっており、実験等により予め定めることができる。
更に、前記合計増量は、計算によって求まる理想的な理論値であり、実際には、改質器25の上限温度(熱劣化を起こす温度)や下限温度(実質的に改質が起こる下限の温度)にならないように、合計増量を補正する。
例えば改質器25の温度をモニタ或いは予測し、改質器25の温度が上限温度を超えて上昇した場合或いは超えることが予想される場合には、合計増量を減少させる。逆に、改質器25の温度が下限温度を超えて下降した場合或いは超えることが予想される場合には、合計増量を増量させる。
e)次に、本実施例の燃料電池システム1の制御処理ついて説明する。
図4のフローチャートに示す様に、燃料電池システム1の起動時には、ステップ(S)100にて、混合ガス供給流路37の第4制御弁39を制御して開弁状態とする。これにより、起動バーナ17に混合ガスを供給して燃焼させて、燃料電池3の加熱を行う。
また、ステップ110では、空気供給流路21の第1制御弁23、燃料供給流路29の第2制御弁31、改質水供給流路33の第3制御弁35を制御して開弁状態とする。これにより、改質器25に原燃料及び改質水を供給することで改質された燃料ガスと、空気とを燃料電池3に供給する。
なお、ステップ100、110の処理は、同時に行ってもよいし、逆の順序でもよい。
そして、ステップ120においては、起動バーナ17による加熱状態と、燃料電池3に対する燃料ガス及び空気の供給状態にて、燃焼チャンバー43における燃料ガスの燃焼と改質器25における水蒸気改質とが行われる。ここで、低温時における燃焼チャンバー43の着火は、着火装置(図示せず)によって行ってもよい。なお、このステップ120は、燃料電池システム1の動作状態を示している。
ステップ130では、温度センサ19からの信号に基づいて、燃料電池スタック13の温度が部分発電可能温度に達したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ140に進み、一方否定判断されるとステップ100に戻る。
そして、ステップ140においては、起動バーナ17による加熱と、部分発電によるジュール熱での加熱と、改質器25における水蒸気改質と、燃焼チャンバー43における燃料ガスの燃焼が行われる。なお、このステップ140は、燃料電池システム1の動作状態を示している。
ステップ150では、部分発電による発電が可能な状態であるので、燃料電池3の電力取り出し用の出力端子(図示せず)に接続されたパワーコンディショナー9の回路(電力取り出し用の回路)をオンし、燃料電池3に流れる電流の電流値を求める。
続くステップ160では、上述した演算手法によって、前記演算式(2)を利用して、前記燃料電池3の電流値に基づいて、第1増量及び第2増量から合計増量を算出する。
続くステップ170では、上述した様に、改質器25の温度が上限温度と下限温度との間に収まるように、供給する原燃料の補正(温度用補正)を行う。
続くステップ180では、基本的な原燃料の供給量に対して、前記ステップ160の合計増量分を増量する補正を行うとともに、前記ステップ170の温度用補正を行って、実際に供給する原燃料の供給量を算出し、その供給量にて改質器25に原燃料の供給を行う。
続くステップ190では、温度センサ19からの信号に基づいて、燃料電池スタック13の温度が定格発電可能温度に達したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ200に進み、一方否定判断されるとステップ140に戻る。
ステップ200では、定格発電が可能な状態であるので、通常の必要が発電量に対応した発電が可能な通常運転を行い、一旦本処理を終了する。
f)次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例について説明する。
本実験例では、本実施例の燃料電池システム1を用いて、起動時に上述した制御(即ち第1増量及び第2増量による合計増量を供給する制御)を行った。
そして、この実験では、燃料電池システム1における起動時から定格発電時において、燃料電池スタック13の温度と改質器25の温度とを測定した。その結果を、図5に示す(実施例は実線A参照)。なお、図6は、部分発電開始後の原燃料の増加の状態を模式的に示したものである。
なお、この実験例における基本的な運転条件は、下記の通りとした。
周囲温度:室温(25℃)
原燃料 :CH4
なお、図5において、上限とは、改質器25が熱劣化する上限温度(1000℃)を示しており、下限とは、改質器25による改質が実質的に可能な反応率(例えば60%)となる下限温度(600℃)を示している。
また、実施例以外に、比較例1〜3についても、同様に起動時の実験を行った。
このうち、比較例1(図5、図6の破線B参照)は、部分発電の際に、必要量以上の燃料増量を行った例、具体的には、第1増量×3の増量を行ったものである。
比較例2(図5、図6の一点鎖線C参照)は、部分発電の際に、発電で消費した消費量分の燃料増量を行った例、具体的には、第1増量の増量を行ったものである。
比較例3(図5の二点鎖線D参照)は、部分発電を行わなかったものである。
図5の実線Aから明らかな様に、本実施例の燃料電池システム1においては、部分発電が開始されると、上述の合計増量による燃料増量の制御が行われるので、速やかに定格発電を開始することができる。また、この制御によって、改質器25の吸熱量が補われるので、改質器25の温度が下限を下回ることはなく、好適に改質を行うことができる。しかも、過度に燃料増量を行うことがないので、改質器25の温度が上限を上回ることがなく、よって、改質器25の熱劣化を防止できる。
それに対して、図5の破線Bから明らかな様に、比較例1の燃料電池システムにおいては、部分発電が開始されると、多くの原燃料の増量を行うので、定格発電は早く開始できるが、改質器の温度が過度に上昇し、熱劣化が生じるので、好ましくない。
また、図5の一点鎖線Cから明らかな様に、比較例2の燃料電池システムにおいては、部分発電が開始されると、僅かな原燃料の増量しか行わないので、本実施例に比べて定格発電の開始が遅く、また、改質器の温度が過度に下降し十分な改質が行われないので、好ましくない。
更に、図5の二点鎖線Dから明らかな様に、比較例3の燃料電池システムにおいては、部分発電を行わないので、定格発電の開始が最も遅く、好ましくない。
g)次に、本実施例の作用効果について説明する。
本実施例では、上述した様に、燃料電池システム1の起動時には、部分発電による燃料ガスの消費分に対応する原燃料の増量補正(第1増量の補正)を行うとともに、改質器25における吸熱反応による吸熱量を考慮して、供給する原燃料の補正(第2増量の補正)を行う。
つまり、原燃料の第1増量を行うとともに、その第1増量に応じて(吸熱量に対応する)原燃料を増量する第2増量を加味し、その合計増量に基づいて原燃料の増量を行う。
これにより、起動時における燃料電池3や改質器25の温度上昇を、速やかに且つ精度良く所望の範囲に制御できるので、短時間で燃料電池3の定格運転を開始することができるとともに、改質器25が過度に温度上昇することによる熱劣化を防止することができる。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の燃料電池システムは、その制御内容に特徴があるので、制御内容について説明する。なお、装置の番号は実施例1と同じものを使用する。
前記実施例1では、部分発電後に、原燃料の合計増量による増量を行い、その増量された原燃料によって燃焼チャンバー43での加熱を増加させたが、本実施例では、その増量された原燃料による加熱に代わり、起動バーナ17による加熱を増加させるものである。
つまり、増量された原燃料に対応する分の混合ガスを増量して起動バーナ17に供給し、起動バーナ17での加熱を増加させ、それによって、同様に改質器25の温度上昇を実現しようとするものである。
なお、この場合は、同じ原燃料の増量であっても、燃焼チャンバー43による加熱と起動バーナ17による加熱とでは、加熱状態が異なるので、実験等によって、改質器25が同様な温度上昇となるように、起動バーナ17に供給する原燃料の供給量を調節しておく。
本実施例でも、前記実施例1と同様な効果を奏する。
また、この変形例として、燃焼チャンバー43による加熱と起動バーナ17による加熱を併用してもよい。
更に、起動バーナ17に代えて、電気ヒータ等を用いることができる。この場合は、電気ヒータによる加熱状態を考慮して、電気ヒータを駆動すればよい。例えば起動バーナ17による(改質器25の)温度上昇と同様になるように、電気ヒータを制御すればよい。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の燃料電池システムは、実施例1とは制御内容は同様であるが、装置構成が異なるので、装置構成について説明する。
図7に示す様に、本実施例では、燃料電池モジュール81として、前記実施例1と同様に、断熱容器83内に、燃料電池スタック85及び補助器87からなる燃料電池89を備えており、補助器87は、燃焼チャンバー91及び改質器93から構成されている。
但し、本実施例では、起動バーナを備えていないので、燃焼チャンバー91に供給する原燃料の増量制御により、同様に改質器93を加熱する。
本実施例でも、前記実施例1と同様な効果を奏する。
なお、本実施例では、起動時には、起動バーナを使用しない分、燃焼チャンバー91で燃焼量を多くするように、ベースとなる原燃料の供給量を制御する。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例2と同様な内容の説明は省略する。
本実施例の燃料電池システムは、実施例2とは制御内容は同様であるが、装置構成が異なるので、装置構成について説明する。
図8に示す様に、本実施例では、燃料電池モジュール101として、断熱容器103内に、燃料電池スタック105を備えている。
この燃料電池スタック105は、筒状の燃料電池セル(図示せず)を立設して、同図の左右方向に平行に配列して積層したものである。
また、燃料電池スタック105の下部には、燃料電池スタック105に(改質された)燃料ガスを供給するマニホールド107が設けられて、燃料電池スタック105の上方には、改質器109が配置されている。
この改質器109の上流側(同図左側)には、原燃料を供給する燃料供給流路111と改質水を供給する改質水供給流路113が設けられ、下流側には、改質された燃料ガスをマニホールド107に供給する中間流路115が上下方向に設けられている。
なお、断熱容器103内に空気を供給する空気供給流路7も設けられている。
本実施例では、燃料電池スタック105の下方から上方に向けて燃料ガスが供給され、燃料電池スタック105の上端から排出される燃料ガス(例えば発電後の残ガスなど)は空気供給流路7から供給される空気と反応して燃焼し、この燃焼熱によって改質器109を加熱するように構成されている。
本実施例によっても、前記実施例2と同様な効果を奏する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、吸熱量を算出する際に、改質器の改質触媒の特性を加味することが好ましい。
つまり、同じ温度でも、例えばRu系触媒やNi系触媒での改質反応率が異なるため、改質にかかる吸熱量が異なる。例えばRu系の方が、低い温度で高い反応率を示す。
従って、吸熱量を算出する際に、改質触媒の種類に応じた算出式やマップを用意して、吸熱量を求めることが望ましい。
1…燃料電池システム
3、89…燃料電池
5、81、101…燃料電池モジュール
13、85、105…燃料電池スタック
15、87…補助器
17…起動バーナ
25、93、109…改質器
43、91…燃焼チャンバー
45…燃料電池セル

Claims (6)

  1. 吸熱反応によって原燃料の改質を行う改質器と、該改質器にて改質された燃料ガスをアノードに供給するとともにカソードに酸化剤ガスを供給して発電を行う燃料電池と、を備えた燃料電池システムに対して、
    前記燃料電池の起動後の昇温開始から定格発電開始までの間に、前記燃料電池に前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを供給し、前記燃料電池から排出された前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとを燃焼させ、前記改質器及び前記燃料電池を加熱するとともに、
    前記燃料電池の定格発電開始前の部分発電の際には、該部分発電のために前記燃料ガスを増量して供給するように制御する燃料電池システムの制御方法において、
    前記部分発電によって前記燃料電池に流れる電流値を求め、該電流値に基づいて、前記部分発電に使用される前記燃料ガスの消費量分に対応する前記原燃料の第1増量を算出するとともに、前記原燃料の前記第1増量に応じた前記改質器における吸熱反応の吸熱量を算出し、該吸熱量に基づいて、前記改質器に供給する前記原燃料の前記第1増量に係わる前記改質器の熱収支を補正することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  2. 前記部分発電によって前記燃料電池に流れる電流値を求める電流値検出工程と、
    前記電流値検出工程によって検出された前記電流値に基づいて、前記部分発電に使用される前記燃料ガスの消費量分に対応する前記原燃料の前記第1増量を算出する第1算出工程と、
    前記原燃料の前記第1増量に応じた前記改質器における吸熱反応の吸熱量に対応する前記原燃料の第2増量を算出する第2算出工程と、
    前記原燃料の前記第2増量を加味して前記改質器に供給する原燃料の供給量を決定する原燃料算出工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法。
  3. 前記吸熱量の少なくとも一部を、補助加熱装置を用いて、前記改質器及び前記燃料電池を加熱することにより賄うことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システムの制御方法。
  4. 吸熱反応によって原燃料の改質を行う改質器と、該改質器にて改質された燃料ガスをアノードに供給するとともにカソードに酸化剤ガスを供給して発電を行う燃料電池と、を備え、
    前記燃料電池の起動後の昇温開始から定格発電開始までの間に、前記燃料電池に前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを供給し、前記燃料電池から排出された前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとを燃焼させ、前記改質器及び前記燃料電池を加熱するとともに、
    前記燃料電池の定格発電開始前の部分発電の際には、該部分発電のために前記燃料ガスを増量して供給するように制御する構成を有する燃料電池システムにおいて、
    前記部分発電によって前記燃料電池に流れる電流値を求める電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって検出された前記電流値に基づいて、前記部分発電に使用される前記燃料ガスの消費量分に対応する前記原燃料の第1増量を算出する第1算出手段と、
    前記第1算出手段によって算出された前記原燃料の前記第1増量に応じた前記改質器における吸熱反応の吸熱量を算出する吸熱量算出手段と、
    前記吸熱量算出手段によって算出された前記吸熱量に基づいて、前記改質器に供給する前記原燃料の前記第1増量に係わる前記改質器の熱収支を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 前記補正手段は、
    前記吸熱量に対応する前記原燃料の第2増量を算出する第2算出手段と、
    前記原燃料の前記第2増量を加味して前記改質器に供給する原燃料の供給量を決定する原燃料算出手段と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記補正手段は、
    前記改質器及び前記燃料電池を加熱する補助加熱装置を備え、
    前記吸熱量の少なくとも一部を、補助加熱装置を用いて、前記改質器及び前記燃料電池を加熱することにより賄うことを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
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