JP5922416B2 - 可変容量ポンプの運転状態切換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トランスミッションに作動油を供給すべく、複数の吸入ポートから吸入した作動油を複数の吐出ポートから吐出する可変容量ポンプと、前記可変容量ポンプを、前記複数の吸入ポートが前記複数の吐出ポートから完全に遮断された全容量運転状態あるいは前記複数の吸入ポートの少なくとも一つが前記複数の吐出ポートの少なくとも一つに連通する部分容量運転状態に切り換える運転状態切換手段とを備える可変容量ポンプの運転状態切換装置に関する。
かかる可変容量ポンプは、下記特許文献1により公知である。
自動車のトランスミッション用の可変容量ポンプをエンジンで駆動する場合、ベーンポンプのような容積型ポンプでは吐出流量が回転数に比例するため、エンジン回転数が低い領域で必要な吐出流量を確保しようとすると、エンジン回転数が高い領域で吐出流量が過剰になり、可変容量ポンプを駆動する動力が無駄に消費されてエンジンの燃料消費量が増加する問題がある。
そこで下記特許文献1に記載されたものは、エンジン回転数が所定値未満の領域では可変容量ポンプを全容量運転状態で運転し、エンジン回転数が所定値以上の領域では可変容量ポンプを半容量運転状態で運転することで、エンジンの燃料消費量の節減を図っている。
特開2011−163258号公報
図8(A)に示すように、オイルポンプの半容量運転が許可されるのは、半容量運転状態でのオイルの吐出流量が、トランスミッションの変速、リークおよび潤滑に消費されるオイルの流量を賄っても、更に所定値以上の余裕流量が確保される場合に限られる。オイルポンプが半容量運転状態にあるときのオイルの吐出流量は、オイルポンプの諸元により決定されるが、図8(B)に示すように、変速、リークおよび潤滑に消費される実際のオイルの流量が計算値よりも多い場合や、図8(C)に示すように、半容量運転状態でのオイルの吐出流量がオイルポンプの個体の性能のばらつき等によって予想よりも小さい場合には、半容量運転状態では余裕流量が不足したり全く確保できなくなったりするため、トランスミッションの変速機能や潤滑機能に支障が生じる虞がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、オイルポンプが半容量運転状態にあるときに、吐出流量の不足を的確に判定して全容量運転状態に切り換えることで、トランスミッションの変速機能や潤滑機能を確保することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、トランスミッションに作動油を供給すべく、複数の吸入ポートから吸入した作動油を複数の吐出ポートから吐出する可変容量ポンプと、前記可変容量ポンプを、前記複数の吸入ポートが前記複数の吐出ポートから完全に遮断された全容量運転状態あるいは前記複数の吸入ポートの少なくとも一つが前記複数の吐出ポートの少なくとも一つに連通する部分容量運転状態に切り換える運転状態切換手段とを備える可変容量ポンプの運転状態切換装置であって、前記トランスミッションに設けられた油圧クラッチの滑りを判定する滑り判定手段を備え、前記滑り判定手段は、前記油圧クラッチの入力側と出力側との間の目標スリップ率に対する実スリップ率の偏差が第1閾値以上の状態が第1所定時間以上継続したときに、前記油圧クラッチの滑りを判定するとともに、前記偏差が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上になった回数と、前記偏差が前記第1閾値以上の状態が前記第1所定時間よりも短い第2所定時間以上継続した回数とをカウントし、前記回数が所定回数に達したときに、前記油圧クラッチの滑りを判定し、前記運転状態切換手段は、前記滑り判定手段が前記油圧クラッチの滑りを判定したときに前記部分容量運転状態を禁止することを特徴とする可変容量ポンプの運転状態切換装置が提案される。
尚、実施の形態のロックアップクラッチ44は本発明の油圧クラッチに対応し、実施の形態のオイルポンプOPは本発明の可変容量ポンプに対応し、実施の形態のベルト式無段変速機Tは本発明のトランスミッションに対応し、実施の形態の連続滑りタイマのカウント時間は本発明の第1所定時間に対応し、実施の形態の微小滑りタイマのカウント時間は本発明の第2所定時間に対応する。
請求項1の構成によれば、トランスミッションに作動油を供給すべく、複数の吸入ポートから吸入した作動油を複数の吐出ポートから吐出する可変容量ポンプは、複数の吸入ポートが複数の吐出ポートから完全に遮断された全容量運転状態あるいは複数の吸入ポートの少なくとも一つが複数の吐出ポートの少なくとも一つに連通する部分容量運転状態に切り換え可能である。滑り判定手段がトランスミッションに設けられた油圧クラッチの滑りを判定すると、運転状態切換手段が部分容量運転状態を禁止するので、部分容量運転では作動油の吐出量が不足して油圧クラッチのスリップを阻止できない場合に、部分容量運転から全容量運転に切り換えて油圧クラッチのスリップや耐久性低下を防止するとともに、トランスミッションの変速機能や潤滑機能を確保することができる。
また油圧クラッチの入力側と出力側との間の目標スリップ率に対する実スリップ率の偏差が第1閾値以上の状態が第1所定時間以上継続したときに油圧クラッチの滑りを判定するので、油圧クラッチの連続的な滑りを的確に判定することができ、しかも前記偏差が第1閾値よりも大きい第2閾値以上になった回数と、前記偏差が第1閾値以上の状態が第1所定時間よりも短い第2所定時間以上継続した回数とをカウントし、その回数が所定回数に達したときに油圧クラッチの滑りを判定するので、油圧クラッチの瞬間的な滑りが繰り返し発生するのを的確に判定することができる。
自動車の駆動力伝達系のスケルトン図。 ベルト式無段変速機の油圧回路の一部を示す図。 オイルポンプの全容量運転時の作用説明図。 オイルポンプの半容量運転時の作用説明図。 オイルポンプの運転状態切換装置の制御系のブロック図。 オイルポンプの運転状態切換装置の作用を説明するタイムチャート。 オイルポンプの運転状態切換装置の作用を説明するフローチャート。 オイルポンプの半容量運転状態を許可する条件の説明図。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
先ず、図1に基づいてベルト式無段変速機Tの構造を説明する。エンジンEの駆動力は、トルクコンバータ31、前後進切換機構32、ベルト式無段変速機T、減速機33、ディファレンシャルギヤDおよび左右の足軸34,34を介して左右の駆動輪W,Wに伝達される。
トルクコンバータ31は、エンジンEのクランクシャフト35に接続されたフロントカバー36に固定されたポンプインペラ37と、出力軸38に固定されたタービンランナ39と、ポンプインペラ37およびタービンランナ39間に配置されてワンウエイクラッチ40およびステータ軸41を介してケーシング42に接続されたステータ43と、フロントカバー36およびタービンランナ39を直結可能なロックアップクラッチ44とを備える。ロックアップクラッチ44が係合解除した状態では、クランクシャフト35の駆動力がポンプインペラ37、タービンランナ39およびステータ43間を循環する作動流体によりトルク増幅されて出力軸38に伝達され、ロックアップクラッチ44が係合した状態では、クランクシャフト35の駆動力が直接出力軸38に伝達される。
前後進切換機構32は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構45と、フォワードクラッチ46と、リバースブレーキ47とで構成される。遊星歯車機構45は、サンギヤ48と、リングギヤ49と、キャリヤ50と、キャリヤ50に回転自在に支持されて相互に噛合するとともにサンギヤ48およびリングギヤ49に噛合する複数のインナーピニオン51…およびアウターピニオン52…とを備える。出力軸38に外周にベルト式無段変速機Tのメインシャフト54が同軸に嵌合しており、メインシャフト54はフォワードクラッチ46を介して出力軸38に結合可能である。また遊星歯車機構45のキャリヤ50はメインシャフト54に接続され、リングギヤ49はリバースブレーキ47を介してケーシング42に結合可能である。
従って、前後進切換機構32のフォワードクラッチ46を係合すると、トルクコンバータ31の出力軸38の回転がベルト式無段変速機Tのメインシャフト54に直接伝達されて前進変速段が確立する。また前後進切換機構32のリバースブレーキ47を係合してキャリヤ50をケーシング42に結合すると、トルクコンバータ31の出力軸38の回転が減速され、かつ逆回転となってベルト式無段変速機Tのメインシャフト54に伝達されて後進変速段が確立する。
ベルト式無段変速機Tは、メインシャフト54に設けられたドライブプーリ56と、カウンタシャフト55に設けられたドリブンプーリ57と、ドライブプーリ56およびドリブンプーリ57に巻き掛けられた金属ベルト58とで構成される。ドライブプーリ56は固定側プーリ半体59および可動側プーリ半体60を備え、プーリ油室61に供給される油圧を制御することで溝幅を制御可能である。またドリブンプーリ57は固定側プーリ半体62および可動側プーリ半体63を備え、プーリ油室64に供給される油圧を制御することで溝幅を制御可能である。従って、ドライブプーリ56およびドリブンプーリ57のプーリ油室61,64に供給する油圧を変化させることで、変速比を無段階に制御するとともに、ドライブプーリ56およびドリブンプーリ57と金属ベルト58との間のスリップを防止することができる。
減速機33は、ベルト式無段変速機Tのカウンタシャフト55に固設された第1減速ギヤ65と、減速軸66に固設されて第1減速ギヤ65に噛合する第2減速ギヤ67と、減速軸66に固設されたファイナルドライブギヤ68とを備え、ファイナルドライブギヤ68はディファレンシャルギヤDのケースに固設したファイナルドリブンギヤ69に噛合する。
エンジンEのクランクシャフト35とオイルポンプOPとが、ドライブスプロケット70、無端チェーン71およびドリブンスプロケット72を介して接続される。オイルポンプOPが吐出するオイルは、トルクコンバータ31、フォワードクラッチ46、リバースブレーキ47、プーリ油室61,64等に作動油として供給され、また被潤滑部に潤滑油として供給される。
図2には、ベルト式無段変速機Tの油圧回路の一部が示される。ベーンポンプよりなる可変容量のオイルポンプOPは、楕円状のカムリング11と、カムリング11の内部に配置されたロータ12と、ロータ12を回転自在に支持するポンプ軸13と、ロータ12の周囲に径方向に出没自在に支持されてカムリング11の内面に摺接する複数のベーン14…と、カムリング11、ロータ12およびベーン14…により区画された複数の作動室15…と、容積が拡大する作動室15…に連通可能な第1、第2吸入ポート16A,16Bと、容積が縮小する作動室15…に連通可能な第1、第2吐出ポート17A,17Bとを備える。
エンジンEの駆動力でロータ12が矢印方向に回転すると、第1吸入ポート16Aから容積の拡大する作動室15にオイルが吸入され、ロータ12の回転に伴って容積の縮小する作動室15からオイルが第1吐出ポート17Aに吐出される。同様に、第2吸入ポート16Bから容積の拡大する作動室15にオイルが吸入され、ロータ12の回転に伴って容積の縮小する作動室15からオイルが第2吐出ポート17Bに吐出される。
オイルタンク18から延びる油路P1が二股の油路P2,P3に分岐し、一方の油路P2が第1吸入ポート16Aに接続されるとともに、他方の油路P3が第2吸入ポート16Bに接続される。第1吐出ポート17Aから延びる油路P4,P5がベルト式無段変速機Tのプーリ油室、油圧クラッチ、油圧ブレーキ等の油圧アクチュエータ19に接続されており、油路P4および油路P5間に、オイルポンプOPの吐出圧をライン圧に調圧するレギュレータバルブ20が介装される。
ポンプシフトバルブ21はスプリング22で付勢されたスプール23と、シフトソレノイドバルブ24を介してモジュレータ圧が伝達される油路P6に連なるポート21aと、油路P7を介して油路P1に連なるポート21bと、油路P8を介して第2吐出ポート17Bに連なるポート21cと、油路P9を介して油路P4に連なるポート21dと、モジュレータ圧が伝達される油路P10に連なるポート21eとを備える。
次に、オイルポンプOPの容量を切り換える油圧回路の作用を説明する。
図3に示すように、オイルポンプOPの全容量運転時には、常開電磁弁よりなるシフトソレノイドバルブ24は消磁して開弁しており、ポンプシフトバルブ21の右端のポート21aにモジュレータ圧が伝達される。このとき、ポンプシフトバルブ21の左端のポート21eにもモジュレータ圧が伝達されているが、ポンプシフトバルブ21のスプール23はスプリング22の弾発力によって左動する。
その結果、ポート21cおよびポート21dが相互に連通し、オイルポンプOPの第2吐出ポート17Bが油路P8→ポート21c→ポート21d→油路P9の経路で油路P4に連通することで、第1、第2吐出ポート17A,17Bが吐出したオイルが油路P4で合流し、レギュレータバルブ20および油路P5を介して油圧アクチュエータ19や被潤滑部に供給される。
図4に示すように、オイルポンプOPの半容量運転時には、常開電磁弁よりなるシフトソレノイドバルブ24は励磁して閉弁しており、ポンプシフトバルブ21のポート21aへのモジュレータ圧の伝達が遮断されるため、ポンプシフトバルブ21の左端のポート21eに伝達されるモジュレータ圧がスプリング22の弾発力に勝ってスプール23が右動する。
その結果、ポート21bおよびポート21cが相互に連通し、オイルポンプOPの第2吐出ポート17Bが油路P8→ポート21c→ポート21b→油路P7の経路で油路P1に連通することで、第2吐出ポート17Bが吐出したオイルは第1、第2吸入ポート16A,16B側に戻されてしまい、第1吐出ポート17Aが吐出したオイルだけが油路P4に供給される。オイルポンプOPの半容量運転により発生した油圧は、全容量運転により発生した油圧と同様に油圧アクチュエータ19や被潤滑部に供給される。
図5に示すように、オイルポンプOPを半容量運転状態と全容量運転状態との間で切り換える電子制御ユニットUは、半容量運転状態吐出流量算出手段M1と、必要吐出流量算出手段M2と、滑り判定手段M3と、運転状態切換手段M4とを備える。
半容量運転状態吐出流量算出手段M1は、エンジン回転数センサSaで検出したエンジン回転数と、トランスミッション油温センサScで検出したトランスミッション油温とに基づいて、オイルポンプOPが半容量運転状態にあるときのオイルの吐出流量を算出する。オイルポンプOPはエンジンEのクランクシャフト35によって駆動されるため、その吐出流量はエンジン回転数に比例する。またオイルポンプOPにおけるオイルのリーク量は、油温が上昇してオイルの粘性が低くなると増加する。従って、半容量運転状態におけるオイルポンプOPのオイルの吐出流量は、エンジン回転数および油温に基づいて算出可能である。
必要吐出流量算出手段M2は、車両の諸元や車両の運転状態に基づいて、ベルト式無段変速機Tの変速、リーク、潤滑等を賄うために現在必要とされているオイルポンプOPの必要吐出流量を算出する。
滑り判定手段M3は、エンジン回転数センサSaで検出したエンジン回転数(即ち、トルクコンバータ31の入力回転数)と、タービン回転数センサSbで検出したトルクコンバータ31のタービンランナ39の回転数(即ち、トルクコンバータ31の出力回転数)とから、トルクコンバータ31のスリップ率ETRを、(入力回転数−出力回転数)/入力回転数により算出する。
運転状態切換手段M4は、半容量運転状態吐出流量算出手段M1で算出したオイルポンプOPの吐出流量と、必要吐出流量算出手段M2で算出したオイルポンプOPの必要吐出流量とを比較し、その比較結果に基づいてシフトソレノイドバルブ24を制御することで、オイルポンプOPの運転状態を全容量運転状態または半容量運転状態に切り換える。即ち、オイルポンプOPの必要流量から半容量運転状態での実流量を減算した差分が予め設定した余裕流量を上回ればオイルポンプOPを半容量運転状態とし、前記差分が予め設定した余裕流量を上回らなければオイルポンプOPを全容量運転状態とすることで、オイルポンプOPを駆動するための駆動力を最小限に抑えながら必要な吐出流量を確保する。
但し、オイルポンプOPが半容量運転状態にあるときに滑り判定手段M3がロックアップクラッチ44のスリップを判定した場合には、オイルポンプOPの吐出容量が不足していると判定し、半容量運転を禁止して強制的に全容量運転に切り換える。以下、その作用を、図6および図7に基づいて詳細に説明する。
図6のタイムチャートは、半容量運転状態が禁止される制御非作動状態から半容量運転状態が許可される制御実行状態に移行し、そこから再び半容量運転状態が禁止される制御非作動状態に移行する場合の一例が示される。先ずエンジン回転数が閾値未満になり、車両の運転状態(車速およびエンジン回転数)がロックアップクラッチ44の係合領域になり、かつ半容量運転許可フラグが「1」になって半容量運転が許可されると、それら三つの条件が全て成立した時刻t1に安定タイマがカウントを開始し、安定タイマがカウントダウンした時刻t2に制御実行状態に移行する。
制御実行状態に移行した後、時刻t3にトルクコンバータ31の目標スリップ率に対する実スリップ率の偏差が第1閾値を上回ると、微小滑りタイマおよび連続滑りタイマがカウントを開始し、時刻t4に偏差が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を上回ると、タイマによるカウントに関わらずにLC滑りフラグが「1」になり、LC滑りカウンタのカウント数が「1」になる。時刻t5に前記偏差が第1閾値を下回ったとき、前記微小滑りタイマは未だカウントダウンしていないため、LC滑りフラグは「0」に維持され、また連続滑りタイマは未だカウントダウンしていないため、半容量運転は禁止されない。
続く時刻t6にトルクコンバータ31の目標スリップ率に対する実スリップ率の偏差が第1閾値を上回ると、微小滑りタイマおよび連続滑りタイマがカウントを開始し、時刻t8に前記偏差が第1閾値を下回る前の時刻t7に微小滑りタイマがカウントダウンするとLC滑りフラグが「1」になり、LC滑りカウンタのカウント数が「2」になる。前記偏差が第1閾値を下回る時刻t8に、連続滑りタイマは未だカウントダウンしていないため、半容量運転は禁止されない。
続く時刻t9にトルクコンバータ31の目標スリップ率に対する実スリップ率の偏差が第1閾値を上回ると、微小滑りタイマおよび連続滑りタイマがカウントを開始し、時刻t12に前記偏差が第1閾値を下回る前の時刻t10に微小滑りタイマがカウントダウンするとLC滑りフラグが「1」になり、LC滑りカウンタのカウント数が「3」になる。時刻t12に前記偏差が第1閾値を下回る前の時刻t11に連続滑りタイマがカウントダウンすると、その時点で半容量運転禁止フラグが「1」になって半容量運転が禁止され、制御実行状態から制御非作動状態に移行する。
以上のように、図6のタイムチャートの例では、ロックアップクラッチ44が連続的にスリップして連続滑りタイマがカウントダウンするため、その時点(時刻t11)で半容量運転が禁止されて全容量運転状態に切り換わる。また図6のタイムチャートの例では、ロックアップクラッチ44が微小スリップする度にカウントアップするLC滑りカウンタのカウント数が「3」になった時点で、ロックアップクラッチ44が連続的にスリップして全容量運転状態に切り換わるが、それ以前にLC滑りカウンタのカウント数が閾値である「4」に達すれば、ロックアップクラッチ44が連続的にスリップしなくても、その時点で半容量運転状態から全容量運転状態に切り換わる。
次に、上記作用を図7のフローチャートに基づいて更に詳細に説明する。
先ずステップS1でLC滑りフラグの前回値を読み込み、ステップS2で半容量運転禁止フラグが「1」であってオイルポンプOPの半容量運転が禁止されていれば、ステップS3で半容量運転禁止フラグをそのまま「1」に維持するとともに、半容量運転許可フラグを「0」にする。前記ステップS2で半容量運転禁止フラグが「0」であってオイルポンプOPの半容量運転が許可されているとき、ステップS4でLC滑りカウンタが閾値(=4)以上になって半容量運転が禁止されれば、前記ステップS3で半容量運転禁止フラグを「1」にするとともに、半容量運転許可フラグを「0」にする。
前記ステップS4でLC滑りカウンタが閾値(=4)未満であって半容量運転が許可されているとき、ステップS5で全容量運転状態にあるか、ステップS6でエンジン回転数が高回転数であるか、あるいはステップS7でロックアップクラッチ44の係合領域外であれば、ステップS8で安定タイマをセットし、ステップS9でLC滑りフラグを「0」(ロックアップクラッチ44滑り無し)にし、ステップS10で半容量運転禁止フラグを「0」に維持するとともに、半容量運転許可フラグを「1」にする。
前記ステップS5で半容量運転状態にあり、前記ステップS6でエンジン回転数が低回転数であり、前記ステップS7でロックアップクラッチ44の係合領域内あり、ステップS11でこの状態が安定タイマでカウントされる時間だけ継続すれば、ステップS12以降でロックアップクラッチ44の滑りを判定し、前記ステップS11で安定タイマがカウントダウンしなければ、前記ステップS9でLC滑りフラグを「0」にし、前記ステップS10で半容量運転禁止フラグを「0」に維持するとともに、半容量運転許可フラグを「1」にする。
ステップS12でトルクコンバータ31の目標スリップ率−実スリップ率<第1閾値であり、ロックアップクラッチ44に微小滑りが発生していなければ、ステップS13で微小滑りタイマをセットし、ステップS14で連続滑りタイマをセットし、ステップS15でLC滑りフラグを「0」にし、ステップS16で半容量運転禁止フラグを「0」に維持するとともに、半容量運転許可フラグを「1」にする。
前記ステップS12でトルクコンバータ31の目標スリップ率−実スリップ率<第1閾値でなく、ロックアップクラッチ44に微小滑りが発生しているとき、ステップS17で|実スリップ率−目標スリップ率|<第2閾値であれば、即ちロックアップクラッチ44の滑りが中程度であれば、ステップS18で微小滑りタイマがカウントダウンするのを待って、ステップS19でLC滑りフラグを「1」(滑り発生)にする。また前記ステップS17で|実スリップ率−目標スリップ率|<第2閾値でなければ、即ちロックアップクラッチ44に大きな滑りが発生していれば、前記ステップS19で直ちにLC滑りカウンタをインクリメントする。
そしてステップS20で連続滑りタイマがカウントダウンして連続滑りが発生していれば、前記ステップS3で半容量運転禁止フラグを「1」にするとともに、半容量運転許可フラグを「0」にし、半容量運転を中止して全容量運転に切り換える。また前記ステップS20で連続滑りタイマがカウントダウンしていない場合に、ステップS21でLC滑りフラグの前回値が「0」で今回値が「1」であれば、ステップS22でLC滑りカウンタをインクリメントする。
以上のように、滑り判定手段M3がロックアップクラッチ44のスリップを判定すると、運転状態切換手段M4が半容量運転を禁止するので、半容量運転では作動油の吐出量が不足してロックアップクラッチ44のスリップを阻止できない場合に、半容量運転から全容量運転に切り換えてロックアップクラッチ44のスリップや耐久性低下を防止するとともに、ベルト式無段変速機Tの変速機能や潤滑機能を確保することができる。
このとき、ロックアップクラッチ44の微小なスリップが連続滑りタイマで計時される比較的に長い時間継続したときにロックアップクラッチ44の滑りを判定するだけでなく、ロックアップクラッチ44の微小なスリップが微小滑りタイマで計時される比較的に短い時間継続したときと、ロックアップクラッチ44に大きなスリップが発生したときとにLC滑りカウンタをインクリメントし、LC滑りカウンタのカウント値が閾値(=4)に達したときにロックアップクラッチ44の滑りを判定するので、ロックアップクラッチ44が如何なる態様でスリップした場合であっても、そのスリップを的確に判定することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の可変容量ポンプは実施の形態のベーンポンプに限定されず、ギヤポンプやトロコイドポンプであっても良い。
また本発明の部分容量運転状態は半容量運転状態に限定されず、全容量運転状態よりも容量の小さい運転状態であれば良い。
また本発明のトランスミッションは実施の形態のベルト式無段変速機Tに限定されず、任意の形式のトランスミッションに置き換えることができる。
また本発明の油圧クラッチは実施の形態のトルクコンバータ31のロックアップクラッチ44に限定されず、トランスミッションに設けられた変速クラッチ等の任意のクラッチやブレーキであっても良い。
16A 吸入ポート
16B 吸入ポート
17A 吐出ポート
17B 吐出ポート
44 ロックアップクラッチ(油圧クラッチ)
M3 滑り判定手段
M4 運転状態切換手段
OP オイルポンプ(可変容量ポンプ)
T ベルト式無段変速機(トランスミッション)

Claims (1)

  1. トランスミッション(T)に作動油を供給すべく、複数の吸入ポート(16A,16B)から吸入した作動油を複数の吐出ポート(17A,17B)から吐出する可変容量ポンプ(OP)と、前記可変容量ポンプ(OP)を、前記複数の吸入ポート(16A,16B)が前記複数の吐出ポート(17A,17B)から完全に遮断された全容量運転状態あるいは前記複数の吸入ポート(16A,16B)の少なくとも一つが前記複数の吐出ポート(17A,17B)の少なくとも一つに連通する部分容量運転状態に切り換える運転状態切換手段(M4)とを備える可変容量ポンプの運転状態切換装置であって、
    前記トランスミッション(T)に設けられた油圧クラッチ(44)の滑りを判定する滑り判定手段(M3)を備え、
    前記滑り判定手段(M3)は、前記油圧クラッチ(44)の入力側と出力側との間の目標スリップ率に対する実スリップ率の偏差が第1閾値以上の状態が第1所定時間以上継続したときに、前記油圧クラッチ(44)の滑りを判定するとともに、前記偏差が前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上になった回数と、前記偏差が前記第1閾値以上の状態が前記第1所定時間よりも短い第2所定時間以上継続した回数とをカウントし、前記回数が所定回数に達したときに、前記油圧クラッチ(44)の滑りを判定し、
    前記運転状態切換手段(M4)は、前記滑り判定手段(M3)が前記油圧クラッチ(44)の滑りを判定したときに前記部分容量運転状態を禁止することを特徴とする可変容量ポンプの運転状態切換装置。
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