JP5921418B2 - 熱源装置の施工方法、熱源装置及び貯湯システム - Google Patents
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Description
また、この種の冷却水としては、不凍剤や防錆剤等の添加剤を上水に対して所定の濃度まで添加したものが利用される。
また、このように冷却水が零れるなどして膨張タンクの液面レベルが満水レベルに満たない状態となってしまった場合には、自動又は手動でその膨張タンクに上水を補給するが、この上水の補給により、冷却水における不凍剤や防錆剤等の添加剤の濃度が、不凍作用及び防錆作用等を発揮するための適切な標準濃度よりも低下してしまう場合がある。そして、かかる添加剤の濃度低下を補うために、膨張タンクに対して添加剤をも補充するというような煩雑な作業が必要となる。
熱を発生して冷却水を加熱する熱発生部と、熱を放出して冷却水を冷却する熱放出部と、前記熱発生部と前記熱放出部との間で冷却水を循環させる冷却水循環流路と、前記冷却水循環流路に配置され冷却水を大気開放状態で内部に一時的に貯留する膨張タンクとを備えた熱源装置を、所定の設置場所へ設置する施工方法であって、その特徴構成は、
前記熱源装置を前記設置場所に移送する前に、前記冷却水循環流路における冷却水の状態を、冷却水に含まれる添加剤の濃度が標準濃度よりも高く且つ液面レベルが標準液面レベルよりも低い高濃度低液面レベル状態とし、
前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記冷却水循環流路に上水を加えて、前記冷却水循環流路における冷却水の状態を、前記添加剤の濃度が前記標準濃度となり且つ液面レベルが前記標準液面レベルとなる標準状態とする点にある。
尚、標準液面レベル及び標準濃度とは、通常の状態で熱源装置が使用される際の冷却水の液面レベル及び濃度である。
また、移送後において、移送前において高濃度低液面レベル状態に調整されている冷却水に対して上水を加えるだけで、冷却水の添加剤の濃度が標準濃度となり且つ冷却水の液面レベルが標準液面レベルとなる標準状態として、容易且つ迅速に冷却水を通常使用する状態とすることができる。
熱を発生して冷却水を加熱する熱発生部と、熱を放出して冷却水を冷却する熱放出部と、前記熱発生部と前記熱放出部との間で冷却水を循環させる冷却水循環流路と、前記冷却水循環流路に配置され冷却水を大気開放状態で内部に一時的に貯留する膨張タンクとを備え、
本発明に係る施工方法で所定の設置場所へ設置される熱源装置であって、その第1特徴構成は、
前記膨張タンク内の冷却水の液面レベルを検出する液面レベル検出手段と、当該膨張タンク内に上水を断続供給して前記液面レベル検出手段で検出される液面レベルを標準液面レベルに維持する給水手段とを備え、
前記給水手段は、前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記高濃度低液面レベル状態にある冷却水に上水を供給して、前記冷却水循環流路における冷却水の状態を、前記標準状態とする点にある。
本発明に係る熱源装置を備えると共に、前記熱源装置の熱放出部が、前記加熱した冷却水との熱交換により被加熱流体を加熱する排熱熱交換器で構成され、
前記排熱熱交換器で加熱された前記被加熱流体を貯留する貯湯タンクを備えた点にある。
つまり、膨張タンク内の冷却水の液面レベルを標準液面レベルよりも低い高濃度低液面レベル状態として、熱源装置を移送することができるので、移送時において、大気開放状態にある膨張タンクの大気開放部から冷却水が零れ落ちることを防止することができる。また、移送後においては、高濃度低液面レベル状態に調整されている冷却水に対して上水を加えるだけで、冷却水を標準状態にすることができる。
前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記給水手段による上水の供給に先立って、前記冷却水循環流路に設けられた冷却水循環ポンプを一時的に作動させて、前記冷却水循環路に冷却水を循環させる一時循環処理を実行する点にある。
前記熱源装置を前記設置場所に移送する前に、前記給水手段の作動を禁止した状態で、前記液面レベル検出手段で検出した液面レベルを判定基準液面レベルとして記録する判定基準液面レベル記録処理を実行し、
前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記液面レベル検出手段で検出した液面レベルが前記判定基準液面レベルと一致した場合に、前記給水手段の作動を許可する液面レベル判定処理を実行する運転制御手段を備えた点にある。
次に、熱源装置を設置場所に移送した後に、運転制御手段が、液面レベル判定処理を実行し、そのときに検出した液面レベルが、移送前に記録した判定基準液面レベルと一致した場合には、移送時に膨張タンクから冷却水が零れ落ちなかったと判断する。この場合、給水手段の作動が許可されて、冷却水が標準状態となるまで上水が加えられるので、容易且つ迅速に冷却水を通常使用する状態とすることができる。
一方、移送した後に検出した液面レベルが、移送前に記録した判定基準液面レベルと一致しなかった場合には、移送時に膨張タンクから冷却水が零れ落ちたと判断して、冷却水に上水を加えることなく、例えばエラー表示等を行って、添加剤の補充等の措置を促すことができる。
前記運転制御手段が、前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記液面レベル判定処理に先立って、前記冷却水循環流路に設けられた冷却水循環ポンプを一時的に作動させて、前記冷却水循環流路に冷却水を循環させる一時循環処理を実行する点にある。
よって、液面レベル判定処理において、移送後の液面レベルが判定基準液面レベルと一致するかどうかを正確に判断することができる。
前記膨張タンクの側面の前記標準液面レベルよりも上方に、冷却水を外部へ排出するオーバーフロー用排出口を備え、
前記膨張タンクの内部に前記オーバーフロー用排出口の下縁部側から前記膨張タンクの内側へ向かって延びる仕切板が設けられた点にある。
前記仕切板は、前記膨張タンクの内側に位置する先端部が、前記膨張タンクの側面側に位置する基端部よりも下方に位置するように傾斜されている点にある。
図1に示すように、本実施形態に係る貯湯システム10は、熱源装置としての熱源ユニット40と貯湯ユニット20とが接続されて構成されている。
尚、詳細については後述するが、熱源ユニット40と貯湯ユニット20とは、上水循環流路24に設けられた接続部24aにより、着脱自在に接続されている。
熱源ユニット40は、熱を発生して冷却水Cを加熱する熱発生部41を備える。尚、本実施形態の熱源ユニット40では、図示は省略するが、発電機等を駆動するエンジンや燃料電池等の熱電併給装置を熱発生部41として備えるが、例えば、ボイラなどのように熱のみを発生するものを熱発生部41として備えても構わない。
更に、熱源ユニット40は、熱を放出して冷却水Cを冷却する熱放出部としての排熱熱交換器43と、熱発生部41と排熱熱交換器43との間で冷却水Cを循環させる冷却水循環流路42と、冷却水循環流路42に配置され冷却水Cを大気開放状態で内部に一時的に貯留する膨張タンク50とを備えている。尚、冷却水Cとしては、冷却水Cの凍結を防止する不凍剤、及び、冷却水循環流路42等の内部に錆が発生することを防止する防錆剤等の添加剤を上水Wに添加した溶液が利用される。
そして、熱発生部41において熱を発生している状態で、運転制御手段48により冷却水循環ポンプ44を作動させて、冷却水循環流路42に冷却水Cを循環させると、熱発生部41を通過して加熱された冷却水Cが、排熱熱交換器43を通過することで上水Wとの間で熱交換を行い、再び熱発生部41に供給される。
また、熱発生部41で加熱された冷却水Cの温度、即ち高温側冷却水温度センサ45で検出される高温側冷却水温度が、所定の温度(例えば75℃〜80℃程度)に保たれている。
一方、低液面レベル検出部54bは、熱源ユニット40の通常運転を実施するために最小限必要となる冷却水量に対応する液面レベルである低液面レベル55bを検出するものである。
そして、この液面レベル判定処理によって給水手段47の作動が許可されると、標準液面レベル検出部54aで検出される標準液面レベル55aまで上水Wが膨張タンク50内に供給される。
この仕切板51の基端部51aは、膨張タンク50の側面に沿って膨張タンク50の側面との間に隙間がない状態で固定されている。一方、仕切板51の先端部51bは、膨張タンク50の上面視で中心付近まで延出する形態とされる。また、オーバーフロー用排出口57が形成された排出管58の膨張タンク50の外側には、オーバーフロー用排出口57から排水された冷却水Cが流れる排水チューブ59が設けられている。
先ず、図2に基づいて、熱源ユニット40の移送前の製造工場等における出荷準備方法について説明する。
熱源ユニット40を製造工場等から所定の設置場所に移送する前に、冷却水循環流路42における冷却水Cの状態が、冷却水Cに含まれる添加剤の濃度が標準濃度よりも高く且つ液面レベルが標準液面レベル55aよりも低い高濃度低液面レベル状態となるように、膨張タンク50の給水口56から高濃度の冷却水Cを熱源ユニット40に供給する(#101)。この高濃度低液面レベル状態の冷却水Cの液面レベルは、本実施形態においては、低液面レベル検出部54bで検出される低液面レベル55bとされる。また、高濃度低液面レベル状態の冷却水Cに含まれる添加剤の濃度は、標準濃度より高濃度である。
この高濃度低液面レベル状態における低液面レベル55bは、熱源ユニット40の運転を行うことができる最低限の液面レベルである。
更に、高濃度低液面レベル状態における高濃度の程度は、低液面レベル55bから標準液面レベル55aまでに相当する上水Wを加えた場合でも、濃度が標準濃度を下回ることがない程度の濃度とされている。
そして、この状態で、熱源ユニット40の試運転が行われる(#102)。
熱源ユニット40を設置場所に移送後に、分離された移送された熱源ユニット40と貯湯ユニット20とを接続部24aで接続して、設置場所に設置する(#201)。そして、運転制御手段48によって、冷却水循環流路42に設けられた冷却水循環ポンプ44を一時的に作動させて、冷却水循環流路42に冷却水Cを循環させる一時循環処理を実行することで(#202)、冷却水循環流路42等に混入する空気が大気中に放出される。その後、運転制御手段48によって、低液面レベル検出部54bによって検出される液面レベルが判定基準液面レベルと一致するかを判断する(#203)。
このエラー表示が行われると、例えば、操作者によって、タンク内の液面レベルが確認され、判定液面レベルまで高濃度の冷却水Cが追加供給される。高濃度の冷却水Cは、移送前に供給された冷却水Cと同じ添加剤の濃度とした冷却水Cとされる(#206)。
高濃度の冷却水Cが追加供給により、液面レベルが判定基準液面レベルと一致すると判断され(#203)、冷却水Cが標準状態となるまで上水Wが加えられ(#204)、現地施工を終了して、熱源ユニット40の通常運転を開始することができる。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
21 貯湯タンク
41 熱発生部
42 冷却水循環流路
43 排熱熱交換器(熱放出部)
40 熱源ユニット
44 冷却水循環ポンプ
47 給水手段
48 運転制御手段
50 膨張タンク
51 仕切板
51a 先端部
51b 基端部
52 電磁弁
54 液面レベル検出手段
55a 標準液面レベル
55b 低液面レベル
57 オーバーフロー用排出口
C 冷却水
W 上水(被加熱流体)
Claims (8)
- 熱を発生して冷却水を加熱する熱発生部と、熱を放出して冷却水を冷却する熱放出部と、前記熱発生部と前記熱放出部との間で冷却水を循環させる冷却水循環流路と、前記冷却水循環流路に配置され冷却水を大気開放状態で内部に一時的に貯留する膨張タンクとを備えた熱源装置を、所定の設置場所へ設置する施工方法であって、
前記熱源装置を前記設置場所に移送する前に、前記冷却水循環流路における冷却水の状態を、冷却水に含まれる添加剤の濃度が標準濃度よりも高く且つ液面レベルが標準液面レベルよりも低い高濃度低液面レベル状態とし、
前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記冷却水循環流路に上水を加えて、前記冷却水循環流路における冷却水の状態を、前記添加剤の濃度が前記標準濃度となり且つ液面レベルが前記標準液面レベルとなる標準状態とする熱源装置の施工方法。 - 熱を発生して冷却水を加熱する熱発生部と、熱を放出して冷却水を冷却する熱放出部と、前記熱発生部と前記熱放出部との間で冷却水を循環させる冷却水循環流路と、前記冷却水循環流路に配置され冷却水を大気開放状態で内部に一時的に貯留する膨張タンクとを備え、
請求項1に記載の施工方法で所定の設置場所へ設置される熱源装置であって、
前記膨張タンク内の冷却水の液面レベルを検出する液面レベル検出手段と、当該膨張タンク内に上水を断続供給して前記液面レベル検出手段で検出される液面レベルを標準液面レベルに維持する給水手段とを備え、
前記給水手段は、前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記高濃度低液面レベル状態にある冷却水に上水を供給して、前記冷却水循環流路における冷却水の状態を、前記標準状態とする熱源装置。 - 前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記給水手段による上水の供給に先立って、前記冷却水循環流路に設けられた冷却水循環ポンプを一時的に作動させて、前記冷却水循環路に冷却水を循環させる一時循環処理を実行する請求項2に記載の熱源装置。
- 前記熱源装置を前記設置場所に移送する前に、前記給水手段の作動を禁止した状態で、前記液面レベル検出手段で検出した液面レベルを判定基準液面レベルとして記録する判定基準液面レベル記録処理を実行し、
前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記液面レベル検出手段で検出した液面レベルが前記判定基準液面レベルと一致した場合に、前記給水手段の作動を許可する液面レベル判定処理を実行する運転制御手段を備えた請求項2又は3に記載の熱源装置。 - 前記運転制御手段が、前記熱源装置を前記設置場所に移送した後に、前記液面レベル判定処理に先立って、前記冷却水循環流路に設けられた冷却水循環ポンプを一時的に作動させて、前記冷却水循環路に冷却水を循環させる一時循環処理を実行する請求項4に記載の熱源装置。
- 前記膨張タンクの側面の前記標準液面レベルよりも上方に、冷却水を外部へ排出するオーバーフロー用排出口を備え、
前記膨張タンクの内部に前記オーバーフロー用排出口の下縁部側から前記膨張タンクの内側へ向かって延びる仕切板が設けられた請求項2〜5の何れか1項に記載の熱源装置。 - 前記仕切板は、前記膨張タンクの内側に位置する先端部が、前記膨張タンクの側面側に位置する基端部よりも下方に位置するように傾斜されている請求項6に記載の熱源装置。
- 請求項2〜7の何れか1項に記載の熱源装置を備えると共に、前記熱源装置の熱放出部が、前記加熱した冷却水との熱交換により被加熱流体を加熱する排熱熱交換器で構成され、
前記排熱熱交換器で加熱された前記被加熱流体を貯留する貯湯タンクを備えた貯湯システム。
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