JP5920877B2 - 端子半嵌合防止構造 - Google Patents

端子半嵌合防止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5920877B2
JP5920877B2 JP2012012686A JP2012012686A JP5920877B2 JP 5920877 B2 JP5920877 B2 JP 5920877B2 JP 2012012686 A JP2012012686 A JP 2012012686A JP 2012012686 A JP2012012686 A JP 2012012686A JP 5920877 B2 JP5920877 B2 JP 5920877B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal
fitting prevention
accommodating chamber
fitting
inclined surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012012686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013152833A (ja
Inventor
幸寛 川村
幸寛 川村
和田 正弘
正弘 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2012012686A priority Critical patent/JP5920877B2/ja
Publication of JP2013152833A publication Critical patent/JP2013152833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5920877B2 publication Critical patent/JP5920877B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)

Description

本発明は、コネクタや電気接続箱の端子収容室に端子を半嵌合なく完全嵌合させる端子半嵌合防止構造に関するものである。
従来、合成樹脂製のコネクタハウジングの端子収容室に電線付き端子を挿入したり、合成樹脂製の電気接続箱本体の端子収容室に電線付き端子を挿入した際に、電線付き端子がコネクタハウジングや電気接続箱本体の端子収容室に完全に挿入(嵌合)されているか否か、すなわち電線付き端子が端子収容室内の可撓性の係止ランスで完全に係止されているか否かを確認するために、例えば、端子付き電線を引っ張って、電線付き端子が端子収容室から抜き出されるか否かを確認することが一般に行われている。
また、図8(a)(b)に示す如く、電線付き端子51をハウジング52の端子収容室53に挿入して端子収容室53内の係止ランス54で係止させた際のロック音を、作業者が耳で確認したり、係止ランス54の撓み具合を目視で確認することで、端子51の挿入状態を判断することも行われている。
図8(a)は端子51の半嵌合状態、図8(b)は端子51の完全(正規)嵌合状態であり、端子51の挿入時の微妙なストローク量の違いで、端子51の半嵌合、完全嵌合が発生する。図8において、ハウジング52は合成樹脂製のコネクタハウジング又は電気接続箱本体の一部であり、符号55は、係止ランス54の突起54aを係合させる端子51の係合孔、符号56は、相手端子挿入口、符号57a,57bは、電線58に対する端子51の前後の圧着片、をそれぞれ示している。
上記以外の端子半嵌合防止手段として、例えば特許文献1には、コネクタハウジングの端子収容室の内壁面に弾性アーム状の雌端子半挿入防止突起を前方の雄端子挿入口に向けて傾斜状に設け、電線付き雌端子を雌端子半挿入防止突起に押接させつつ端子収容室に挿入(嵌合)し、雌端子の挿入が不完全である場合に(端子収容室内の係止ランスに雌端子が係止されていない場合に)、雌端子半挿入防止突起の反発力で雌端子を端子収容室から後方に押し出すことで、作業者に雌端子の挿入不完全を目視や手感で認識させることが記載されている。
特開2006−147283号公報
しかしながら、上記従来の図8に示す端子半嵌合防止手段にあっては、例えば電線付き端子51をハウジング52の係止ランス54に係止させた際のロック音が工場内の騒音にかき消されてしまったり、特に大きな電気接続箱のハウジング52においては、ロック音が聞き取りにくかったり、係止ランス54の撓み具合を目視確認することが難しいという懸念があった。
また、上記従来の特許文献1に記載された端子半嵌合防止手段にあっては、コネクタハウジングの端子収容室への端子の挿入が不完全であることを作業者が認識した後、端子を再度、端子収容室内に押し込まなければならず、手間がかかると共に、万一、端子の挿入不完全を作業者が見落とした場合に、端子が挿入不完全のまま次工程に流れてしまい兼ねないという懸念があった。
また、コネクタハウジングの端子収容室のように外部から作業者が容易に目視できるものであればよいが、電気接続箱本体の端子収容室のように、端子収容室の端子挿入口が電気接続箱本体の外壁で囲まれて陰になって見え難くなっている場合には、端子挿入口から押し出された不嵌合の端子を目視確認しにくいという懸念があった。
本発明は、上記した点に鑑み、コネクタや電気接続箱における端子収容室への電線付き端子の不完全嵌合を見落としや手間をかけることなく確実に防止することのできる端子半嵌合防止構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る端子半嵌合防止構造は、コネクタや電気接続箱等における端子収容室端子が挿入される構造において、該端子に半嵌合防止ばねが設けられ、該端子収容室の内壁に、該端子の半嵌合時に該半嵌合防止ばねを弾接させて該端子に挿入方向の反発力を発揮させる傾斜面が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、端子収容室に端子を挿入した際に、押し込み力不足で端子が不完全嵌合(半嵌合)となった場合に、端子の半嵌合防止ばねがそのばね力(復元力)で端子収容室の内壁の傾斜面を押して端子を挿入方向に移動(前進)させる。これにより、端子が自動的に完全(正規)嵌合する。
請求項2に係る端子半嵌合防止構造は、請求項1記載の端子半嵌合防止構造において、前記半嵌合防止ばねが前記端子の前側の電気接触部ないしその後方において斜め後方外向きに突出し、内向きに撓み可能であることを特徴とする。
上記構成により、端子が端子収容室に初期挿入された時点で半嵌合防止ばねが端子収容室の内壁面に接触(当接)して内向きに撓み、端子の半挿入(半嵌合)時に半嵌合防止ばねが外向きに復元しつつ端子収容室の傾斜面を斜め後方に押圧し、その反力で端子が前方に移動して完全挿入される。半嵌合防止ばねは自由状態において斜め後方外向きに突出しているので、斜め後方に強い押し力を発揮する。
請求項3に係る端子半嵌合防止構造は、請求項1又は2記載の端子半嵌合防止構造において、前記端子収容室の内壁の中間部において前記傾斜面が端子挿入方向に向かうにつれて漸次外向きに傾斜して設けられたことを特徴とする。
上記構成により、端子が端子収容室に初期挿入された時点で半嵌合防止ばねが端子収容室の内壁面に接触(当接)して内向きに撓み、端子の挿入途中において端子収容室の長手方向中間部における端子挿入方向に向かうにつれて漸次外向きに傾斜した傾斜面に押接しつつ外向きに復元して、傾斜面を端子挿入反対方向に強く押圧することで、端子が端子挿入方向に自動的に完全嵌合する。
請求項4に係る端子半嵌合防止構造は、請求項1〜3の何れかに記載の端子半嵌合防止構造において、前記傾斜面が端子挿入方向の溝部に続いたことを特徴とする。
上記構成により、傾斜面が溝部の始端に形成(配置)され、端子の半嵌合防止ばねが傾斜面に摺接しつつ溝部に沿って端子挿入方向に移動(前進)する。溝部は半嵌合防止ばねに対するガイド部兼位置決め部として作用し、半嵌合防止ばねの横幅方向(端子挿入とは直交する方向)の屈曲や捩れが防止されて、半嵌合防止ばねの復元力が端子の推進力として確実に発揮される。
請求項5に係る端子半嵌合防止構造は、請求項1〜4の何れかに記載の端子半嵌合防止構造において、前記半嵌合防止ばねが前記傾斜面に接触を開始した時点で、前記端子の後端側の電線接続片の後端部が前記端子収容室から突出しており、該端子が該端子収容室に完全嵌合した時点で該後端部が該端子収容室に収容されていることを特徴とする。
上記構成により、作業者が端子挿入過程で端子の後端側の電線接続片(圧着片)を目視確認して、電線接続片が端子収容室から突出している場合は、端子が半嵌合であるという判断をし、電線接続片が見えなくなるまで端子を押し込んで(必ずしも完全挿入させなくともよい)、半嵌合防止ばねの力で自動的に完全嵌合させる。端子が半嵌合であっても(作業者が半嵌合であることに気づいていなくても)、電線接続片が目視で確認できなければ、半嵌合防止ばねの力で端子が自動挿入されるので、問題はない。端子収容室から端子の電線接続片が大きく突出している場合は半嵌合防止ばねによる自動挿入が行われないので、作業者は、電線接続片が端子収容室から後方に突出している場合のみ気を付ければよく、作業者の負担が軽減される。
請求項6に係る端子半嵌合防止構造は、請求項1〜5の何れかに記載の端子半嵌合防止構造において、前記端子収容室内の端子係止ランスと前記端子との摺動抵抗よりも前記半嵌合防止ばねの反発力が大きく設定されたことを特徴とする。
上記構成により、端子の半嵌合時に、係止ランスが端子に押接して外向きに撓み、それと同時に端子の半嵌合防止ばねが端子収容室内の傾斜面に接触を開始し、半嵌合防止ばねの反発力(復元力)が係止ランスの押接力(摺動摩擦抵抗)に打ち勝って、端子が係止ランスに摺接しつつ自動挿入されて完全嵌合し、それと同時に係止ランスが内向きに復元して端子を係止する(端子の係合孔ないし係合段部に係合する)。
請求項1記載の発明によれば、端子の半嵌合防止ばねを端子収容室の内壁の傾斜面に押接させた際のばね反力で端子を自動的に完全挿入させることができるので、コネクタや電気接続箱における端子収容室への電線付き端子の不完全嵌合を見落としや手間をかけることなく確実に防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、斜め後方外向きに突出する半嵌合防止ばねの復元力で端子収容室の傾斜面を強く後方に押圧することで、端子を確実に前進させることができ、端子の半嵌合を確実に防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、端子挿入方向に向かうにつれて漸次外向きに傾斜した傾斜面を半嵌合防止ばねで押圧することで、端子を確実に自動挿入させることができ、端子の半嵌合を確実に防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、傾斜面に続く溝部で端子の半嵌合防止ばねを位置決め・案内して、半嵌合防止ばねの不要な変形を防止し、半嵌合防止ばねの力を端子の自動挿入力として確実に発揮させることができる。
請求項5記載の発明によれば、端子収容室から端子の電線接続片が突出していなければ、たとえ端子が半嵌合であっても、半嵌合防止ばねの力で自動挿入されるので、作業者は電線接続片が大きく突出している場合のみ気を付ければよく、作業者の負担を軽減することができる。
請求項6記載の発明によれば、端子の半嵌合時に係止ランスの押接力に打ち勝って端子をスムーズ且つ確実に自動挿入(完全嵌合)させることができる。
本発明の端子半嵌合防止構造で使用する端子の一実施形態を示す斜視図である。 同じく端子を示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。 端子半嵌合防止構造で使用するハウジングの一実施形態を示す、(a)は斜視図、(b)は縦断面斜視図である。 同じくハウジングを示す、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 本発明の端子半嵌合防止構造における端子の初期挿入状態を示す縦断面図である。 同じく端子の半嵌合状態を示す縦断面図である。 同じく端子の完全嵌合状態を示す縦断面図である。 従来の端子嵌合構造の一形態を示す、(a)は端子の半嵌合状態の縦断面図、(b)は端子の完全(正規)嵌合状態の縦断面図である。
図1〜図2は、本発明の端子半嵌合防止構造における電線付き端子の一実施形態、図3〜図4は同じくコネクタハウジング又は電気接続箱の端子収容ブロックの一実施形態、図5〜図7は、これら電線付き端子とコネクタハウジング又は電気接続箱の端子収容ブロックとを用いた端子半嵌合防止構造の一実施形態を示すものである。
図1〜図2の如く、本例の端子1は導電金属製の雌端子であり、前半の略矩形箱状の電気接触部2と、後半の電線圧着部(接続部)3と、電気接触部2の後端に一体に設けられた半嵌合防止ばね4とで構成されている。
電気接触部2は、上下左右の壁部で成る周壁5と、周壁5の下側の壁部(図2(d))5bの前端から周壁5内に後向きに折り返された弾性接触片6とで構成されている。弾性接触片6に対向して上側の壁部5aの内面側に雄端子接触用の左右一対の突条7(図2(a)(b))が設けられ、上側の壁部5aの後端に半嵌合防止ばね4が設けられている。
また、周壁5の下側の壁部5bに後述のコネクタハウジング又は電気接続箱の端子収容ブロックといったハウジング8(図3)の端子収容室9内の端子係止ランス10に対する矩形状の係合孔11(図2(d))が設けられ、周壁5の左右の壁部5c,5dの下端に姿勢安定用の板片であるスタビライザ12が設けられている。
なお、明細書における「前後上下左右」の方向性は説明の便宜上のものであり(端子1の先端側を前として説明している)、必ずしも端子1やハウジング8の取付方向と一致するものではない。例えば電気接続箱の端子収容ブロック(ハウジング)8の端子収容室9(図3)は上下方向(垂直)に設けられているので、端子1の「前端」を「上端」、「上下」を「前後」と言い直してもよい。
端子1の半嵌合防止ばね4は、電気接触部2の上側の壁部5aの後端から斜め後方上向き(外向き)に突出した前側の傾斜片部4aと、前側の傾斜片部4aの上端側で略円弧状に屈曲した頂部4bと、頂部4bから下向きないし斜め後方下向きに折り返され、前側の傾斜部4aよりも短い(略半分程度の長さの)後側の傾斜片部(湾曲片部)4cとで、自由状態において略への字状(一辺が長く他辺が短い略逆V字状)に構成されている。
半嵌合防止ばね4は、電気接触部2の上側の壁部5aの外面や、上側の壁部5aの外面を押さえる右側の側壁5cの上端の加締め片5c1や、後側の左右一対の電線圧着片(絶縁被覆圧着片)3bよりも高く突出している。絶縁被覆圧着片3b(図2(c))は電気接触部2の上側の壁部5aの内面と略同じ高さに位置している。
半嵌合防止ばね4(図2(b))は電気接触部2の上壁5aの幅方向中央において上壁5aの後端に配置され、電気接触部2の横幅の略1/3程度の板幅で形成されている。半嵌合防止ばね4の後方に前側の左右一対の電線圧着片(導体圧着片)3aが低く位置している。
半嵌合防止ばね4(図1,図2(b)(c))の下側において電気接触部2の左右の側壁5c,5dは後方の低い左右の側壁13に続き、低い左右の側壁13の間とその上側とに半嵌合防止ばね4を撓ませるための空間14が形成されている。低い左右の側壁13は後方の電線圧着片(導体圧着片)3aに一体に続いている。
図3(a)(b)の如く、合成(絶縁)樹脂製のコネクタハウジング又は合成(絶縁)樹脂製の電気接続箱本体の端子収容ブロックといったハウジング8は、上下左右の壁部(周壁)15と前側の壁部16とで前端の閉止された略矩形筒状に形成され、内側に端子収容室9を有し、端子収容室9の上側の壁部(内壁)15aの長手方向中間部に、端子1(図1)の半嵌合防止ばね4を摺接させる傾斜面17(図3(b))を有している。
傾斜面17の後端17aは上側の壁部15aの内面15a1に続き、傾斜面17の前端17bは、上側の壁部15aに設けられた前後方向(端子収容室長手方向)の細長の溝部18の底面18aに続き、溝部18の底面18aと上側の壁部15aの内面15a1とは平行に位置し、溝部18の前端はハウジング8の前側の壁部16に開口し(開口を符号18bで示す)、傾斜面17は溝部18の後端側に位置し、傾斜面17の後端17aから前端17bにかけて漸次外向きに(上側の壁部15aの外面に向けて)傾斜して位置している。溝部18は、端子1の半嵌合防止ばね4に対する前後方向のガイド部兼左右方向の位置決め部として作用する。
ハウジング8の下側の壁部15bの前半には、溝部18に対向して雌端子係止用の可撓性の係止ランス10が設けられ、係止ランス10は、下側の壁部15bの前半側の矩形状の切欠部19内に撓み可能に配置され、切欠部19の後端から端子収容室9に向けて内向きに傾斜状に突出したランス本体10aと、ランス本体10aの前部内面に突出した突起10bとで構成され、突起10bは前側の係止面10b1と後側の傾斜面10b2(図4)を有している。切欠部19は係止ランス撓み空間として作用する。
本例のハウジング8は電気接続箱本体の端子収容ブロックであり、端子収容ブロック8には例えば周壁15に不図示の他の複数の端子収容ブロック(8)が隣接して一体に連結配置されて、接続ブロックを成す。接続ブロックは例えば不図示の枠状のフレーム内に収容され、フレームの上下に不図示のカバーが装着されて、電気接続箱を構成する。図3,図4では便宜上、一つの端子収容ブロック8を電気接続箱本体(接続ブロック)から切り離して示している。ハウジング8がコネクタハウジングの場合は、切欠部19は下側の壁部15bの内側において係止ランス撓み空間として配置され、切欠部19は外部に開口せずに封止される。
図4(a)(b)にも示す如く、端子収容ブロック(ハウジング)8の前側の壁部16には相手雄端子(図示せず)を挿入するための横長の相手端子挿入口20が設けられ、相手端子挿入口20の上下に溝部18の前端18bと係止ランス型抜き兼解除用の切欠孔21とが交差している。相手雄端子としては例えばヒュージブルリンクやリレー等といった電気部品の雄端子が挙げられる。ハウジング8がコネクタハウジングの場合は相手雄端子を収容した相手コネクタのフード部がコネクタハウジング8の外側に嵌合して、雄端子と雌端子1(図1)が相互に接続される。
溝部18の後部側に傾斜面17が位置し、傾斜面17の前方に溝部18内の空間(符号18で代用)が位置し、溝部18の空間は傾斜面17と傾斜面に続く上側の内面18aと左右の内側面18c,18dとで囲まれて構成され、傾斜面17の後端17aに続く上側の壁部15aの内面15a1よりも内側に相手雄端子挿入口20が位置している。傾斜面17の斜め前方下側に対向して係止ランス10が位置している。係止ランス10の突起10bは下側の壁部15bの内面15b1から内向きに突出している。
上側の壁部15aと下側の壁部15bと左右の壁部15c,15dとの各内面で囲まれた略矩形状の空間すなわち端子収容室9の後部開口9aが雌端子挿入口となっている。下側の壁部15bの内面15b1には、端子1(図1)のスタビライザ12を案内する前後方向(端子収容室長手方向)の不図示の溝が設けられている。上側の壁部15aの内面15a1には、端子1(図1)の電気接触部2の上側の壁部5aから少し突出した加締め片5c1に対する逃がし用の不図示の係合溝が前後方向(端子収容室長手方向)に設けられている。
以下に図5〜図7を用いて端子半嵌合防止構造の作用を説明する。なお、図5〜図7においては端子1とハウジング8を図1〜図4とは上下反転させて示している。
先ず、図5の如く、電線22付きの雌端子1をハウジング8の端子収容室9に後部開口9aから矢印A方向(前向き)に挿入する。端子1の半嵌合防止ばね4は、図2(c)の自由状態から挿入時にハウジング8の上側の壁部15aの内面15a1に摺接しつつ内向きに撓んで端子1の進入を許容する。半嵌合防止ばね4の前側の傾斜片部4aは前端の付根4a1(図1)を支点に電気接触部2の上側の壁部5aと同一平面ないしそれに近い位置まで撓んで略平坦に変形する。
端子1の電気接触部2の下側の壁部5bの前端がハウジング8の係止ランス10の突起10bの傾斜面10b2に突き当たる直前において、半嵌合防止ばね4はハウジング8の上側の壁部15aの傾斜面17の手前でハウジング8の上側の壁部15aの内面15a1に接触する。端子1の電線圧着部3のうちの後側の絶縁被覆圧着片(電線接続片)3bは端子収容室9の後部開口9aから外部に完全に露出し、絶縁被覆圧着片3bの前端3b1が後部開口9aと同一平面に位置する。
図5の状態から端子1をさらに挿入することで(端子1の挿入は連続的に行われる)、図6の如く、電気接触部2の下側の壁部5bの前端部分が係止ランス10の突起10bの傾斜面10b2に摺接しつつ係止ランス10を外向きに押して撓ませる。その時点で、端子1の半嵌合防止ばね4が内向きに撓んだ状態でハウジング8の上側の壁部15aの傾斜面17の後端17aに弾性的に接触して位置する。半嵌合防止ばね4の前側の傾斜片部4a(図2(c)参照)の後端部分(頂部4bの近傍部分)が傾斜面17の後端17aに弾性的に接触する。
図6の状態は端子1の半嵌合状態であり、もしも作業者がこの状態で端子1の挿入が完了したと勘違いして端子1の挿入作業を止めてしまった場合は、図6の状態から端子1の半嵌合防止ばね4が弾性的に外向きに復元しつつ、復元力でハウジング8の傾斜面17を後向きに押圧し、且つ傾斜面17の後端17aから前端17bにかけて摺接し、半嵌合防止ばね4が傾斜面17を押した反力で端子1が前方(端子挿入方向)に移動して、図7の如く、端子1がハウジング8の端子収容室9に自動的に完全(正規)嵌合される。
図6において、半嵌合防止ばね4の復元反力すなわちハウジング8の傾斜面17を押して端子1を前進(推進)させる力は、外向きに撓んだ係止ランス10が端子1の電気接触部2の外面に押接する力(摩擦力)よりも大きく設定されている。
半嵌合防止ばね4が傾斜面17に押接した際に半嵌合防止ばね4の力は、例えば傾斜面17に直交(交差)する力と、端子挿入とは反対方向の力と、端子挿入とは直交方向の力とに分力され、端子挿入とは反対方向の力が端子1を推進する力となる。本例の半嵌合防止ばね4は、図6の状態から図7の状態に至るまでの間で、前側の傾斜片部4aの傾斜角度(電気接触部2の上側の壁部5aの仮想延長線と前側の傾斜片部4aとのなす角度)がほぼ0°から鋭角的に変化し、傾斜面17に鋭角的に交差するので、傾斜面17を後向き(端子挿入とは反対方向)に押す力すなわち端子1を推進する力が大きい。
図7において、端子1の半嵌合防止ばね4の頂部4bがハウジング8の傾斜面17の前端17bすなわち傾斜面17と上側の壁部15aの溝部18の底面18aとの交差部に接触し、下側の壁部15bの係止ランス10は弾性的に内向きに復元して、係止ランス10の突起10bが端子1の下側の壁部5bの係合孔11に進入係合し、突起10bの前端の係止面10b1が係合孔11の前端11aに当接して端子1の後抜けを防ぐ。端子1の電気接触部2の前端はハウジング8の前側の壁部16の内面に当接してそれ以上の端子1の挿入が阻止される。
また、図6の端子1の半嵌合状態すなわち半嵌合防止ばね4がハウジング8の傾斜面17の後端(始端)17aに接触した状態で、端子1の電線圧着部3のうちの後側の絶縁被覆圧着片3bの後端部はハウジング8の端子収容室9の後部開口9aから外部に短い寸法Lで少し露出(突出)している。この突出した絶縁被覆圧着片3bの後端部を作業者が目視することで、端子1の半嵌合を確認することができる。
そして、絶縁被覆圧着片3bが外部に露出しない程度に端子1を端子収容室9内に押し込むことで、上記半嵌合防止ばね4の作用で端子1を自動的に確実に完全嵌合させることができる。図6の寸法Lで絶縁被覆圧着片3bが少し突出していても、前述の如く端子1の自動挿入は可能であるが、絶縁被覆圧着片3bを突出しないように押し込むことで、一層確実に端子1を自動挿入させることができる。図6の状態から端子1を少し押し込むことで、従来例の図8(a)におけると同じ端子挿入状態(半嵌合状態)となるので、従来の端子半嵌合は確実に防止される。
図7の端子1の完全嵌合状態で、相手端子挿入口20から不図示の雄端子が後向きに挿入されて、雌端子1の電気接触部2内で弾性接触片6と上側の壁部5aの内面の突条23とで挟持接続される。
なお、上記実施形態においては、端子として雌端子1を用いた例で説明したが、端子として不図示の雄端子を用いて、雄端子のタブ(板)状の電気接触部の後方に短い矩形筒状ないし箱状の箱状部を突出形成し、箱状部の後方に電線圧着部3を形成し、箱状部の後端上部に前記同様の半嵌合防止ばね4を一体に設けることも可能である。図1の雌端子1の電気接触部2も箱状部とも言える。
この場合、例えば図5のハウジング8の端子収容室9内に雄端子の箱状部と電線圧着部3とが収容され、ハウジング8の相手端子挿入口20から雄端子のタブ状の電気接触部が前方に突出し、タブ状の電気接触部にヒュージブルリンクやリレー等といった電気部品の相手雌端子が挿入接続される。ハウジング8の前側の壁部16にフード部を一体に設ければ、フード部内に雄端子のタブ状の電気接触部を突出させて、相手雌端子を収容した相手コネクタをフード部内に嵌合接続させることが可能となる。
また、上記実施形態においては、ハウジング8と一体の係止ランス(係止手段)10を設けて端子1を係止させたが、例えば係止ランス10を排除し、別部材のスペーサやリテーナといった係止部材(係止手段)を用いて端子1を係止させることも可能である。
また、上記実施形態においては、コネクタや電気接続箱における端子収容室9に傾斜面17を設けたが、コネクタや電気接続箱以外の接続ブロックや機器等における端子収容室(9)に同様の傾斜面17を設けることも可能である。
また、上記実施形態においては、半嵌合防止ばね4を前側の長い傾斜片部4aと湾曲状の頂部4bと後側の短い傾斜片部4cとで構成したが、後側の傾斜片部4cは湾曲状の頂部4bを形成するためのものであり、傾斜面17にスムーズに摺接できる形状であれば、後側の傾斜片部17cをさらに短くして板ばね状の前側の傾斜片部17aと湾曲状の頂部(後端部)17bのみで半嵌合ばね4を構成することも可能である。半嵌合防止ばね4の外向きの復元力で端子1の推進力を得られれば、半嵌合防止ばね4の形状は適宜変更可能である。
また、上記実施形態においては、半嵌合防止ばね4を雌端子1の電気接触部2の後端に設けたが、半嵌合防止ばね4を雌端子1の電気接触部2の長手方向中間部に相手側雄端子の挿入の邪魔にならないように設けることも可能である。例えば、図5の例における係止ランス10をハウジング8の上側の壁部15aに設けて、係止ランス10で雌端子1の電気接触部2の上部後端(図5の反嵌合防止ばね4を排除した位置)を係止させ、弾性接触片6のある電気接触部2の下側の壁部(基板部)5bの長手方向中間部に半嵌合防止ばね4を切り起こして設け、ハウジング8の下側の壁部15bに傾斜面17を設けることも可能である。
本発明に係る端子半嵌合防止構造は、コネクタや電気接続箱における端子収容室への電線付き端子の不完全嵌合を見落としや手間をかけることなく確実に防止して、雄・雌端子の電気的接続の信頼性を高めるために利用することができる。
1 雌端子(端子)
2 電気接触部
3b 絶縁被覆圧着片(電線接続片)
4 半嵌合防止ばね
9 端子収容室
10 端子係止ランス
15a 上側の壁部(内壁)
17 傾斜面
18 溝部

Claims (6)

  1. コネクタや電気接続箱等における端子収容室に端子が挿入される構造において、該端子に半嵌合防止ばねが設けられ、該端子収容室の内壁に、該端子の半嵌合時に該半嵌合防止ばねを弾接させて該端子に挿入方向の反発力を発揮させる傾斜面が設けられたことを特徴とする端子半嵌合防止構造。
  2. 前記半嵌合防止ばねが前記端子の前側の電気接触部ないしその後方において斜め後方外向きに突出し、内向きに撓み可能であることを特徴とする請求項1記載の端子半嵌合防止構造。
  3. 前記端子収容室の内壁の中間部において前記傾斜面が端子挿入方向に向かうにつれて漸次外向きに傾斜して設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の端子半嵌合防止構造。
  4. 前記傾斜面が端子挿入方向の溝部に続いたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の端子半嵌合防止構造。
  5. 前記半嵌合防止ばねが前記傾斜面に接触を開始した時点で、前記端子の後端側の電線接続片の後端部が前記端子収容室から突出しており、該端子が該端子収容室に完全嵌合した時点で該後端部が該端子収容室に収容されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の端子半嵌合防止構造。
  6. 前記端子収容室内の端子係止ランスと前記端子との摺動抵抗よりも前記半嵌合防止ばねの反発力が大きく設定されたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の端子半嵌合防止構造。
JP2012012686A 2012-01-25 2012-01-25 端子半嵌合防止構造 Active JP5920877B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012012686A JP5920877B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 端子半嵌合防止構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012012686A JP5920877B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 端子半嵌合防止構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013152833A JP2013152833A (ja) 2013-08-08
JP5920877B2 true JP5920877B2 (ja) 2016-05-18

Family

ID=49049038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012012686A Active JP5920877B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 端子半嵌合防止構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5920877B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002093508A (ja) * 2000-09-13 2002-03-29 Sumitomo Wiring Syst Ltd 端子金具
JP2010225391A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Yazaki Corp コネクタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013152833A (ja) 2013-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4752606B2 (ja) コネクタ
JP4317973B2 (ja) コネクタ
US7144281B2 (en) Female terminal fitting and a blank for a plurality of terminal fittings
US7980880B2 (en) Connector
EP1986284A2 (en) A connector and an assembling method therefor
JP4042674B2 (ja) コネクタ
JP2018018703A (ja) コネクタ
JP2010049896A (ja) コネクタ
JP4836214B2 (ja) ケーブル用電気コネクタと基板用電気コネクタとを有するコネクタ組立体
WO2018070197A1 (ja) コネクタ
CN114175405B (zh) 连接器
JP2021519491A (ja) コネクタ位置保証部材
JP2015099683A (ja) コネクタ
CN113745897A (zh) 连接器锁定结构
US10826229B2 (en) Connector with coupling portion
JP5920877B2 (ja) 端子半嵌合防止構造
JP3741350B2 (ja) 半嵌合防止コネクタ
US10923849B2 (en) Connector
JP3094009B2 (ja) コンタクト保持装置付き電気コネクタ
JP7275274B2 (ja) コネクタ
JP7318311B2 (ja) 雌コネクタ及びコネクタ
JP4893452B2 (ja) コネクタ
JP6641320B2 (ja) コネクタ
JP4498916B2 (ja) コネクタ
JP2017016898A (ja) 防水コネクタハウジング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5920877

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250