JP5920625B2 - 一方向プリプレグの製造方法 - Google Patents

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本発明は、繊維強化複合材料の製造に用いる一方向プリプレグの製造方法に関する。
繊維強化複合材料は、軽量で優れた機械特性を有する。そのため航空機、車両、船舶、建造物などの構造材料、ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケットなどのスポーツ用具に広く用いられている。
繊維強化複合材料の製造には、複数の強化繊維束を一方向に引き揃えて強化繊維シートとし、これにマトリックス樹脂を含浸させて一方向プリプレグとし、この一方向プリプレグを用いて繊維強化複合材料を製造する方法が広く用いられている。一方向プリプレグに用いられるマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が用いられるが、熱硬化性樹脂が用いられる場合が多い。
一方向プリプレグの製造には、いわゆるホットメルト法が一般的に用いられる。これは、マトリックス樹脂を塗布した離型シートを強化繊維シートと重ね、これらを加圧ロールで挟んで加圧、加熱する方法である。
ホットメルト法により一方向プリプレグを製造する際に発生する第一の問題は以下の通りである。即ち、加圧ロールの前方にマトリックス樹脂溜りが発生し、その結果、強化繊維シートの幅よりも広くマトリックス樹脂がはみ出す。はみ出したマトリックス樹脂は一方向プリプレグの両側端部に過剰に付着するため、一方向プリプレグの取扱性の悪化、及び繊維強化複合材料の強度低下を招く。
ホットメルト法により一方向プリプレグを製造する際に発生する第二の問題は以下の通りである。即ち、加圧ロールで加圧する際に、強化繊維シートの両側端部において、強化繊維束が外側に向かって移動するため、両端部は、中央部が外側に向かって膨れた形状となりやすく、一方向プリプレグの両側端部の強化繊維又はマトリックス樹脂の目付が低くなるため、出荷前に両端部を除去する等の対策が必要であった。
上記第一の問題に対し、特許文献1は、マトリックス樹脂と親和性のテープ材を、強化繊維シートの両側端部に接触配置させる製造方法を提案する。かかる製造方法によれば、はみ出したマトリックス樹脂は、これと親和性のテープ材に伴われて除去されるため、一方向プリプレグ自身からは除去される。
しかしながら特許文献1記載の製造方法は、マトリックス樹脂のはみ出し自体を防止するものではない。従ってこれらが依然として工程の安定性に影響を与える懸念が残存する。
加えて、特許文献1記載の製造方法では、該テープ材が一方向プリプレグの厚み以下であれば、一方向プリプレグが加圧ロールと該テープ材との間から流れて第二の問題を生じる。また、該テープ材が一方向プリプレグよりも厚ければ一方向プリプレグを十分加圧できず、含浸をさせることができない。また、特許文献1記載のマトリックス樹脂に親和性なテープを用いる場合、マトリックス樹脂を余分に含浸させる必要がある上、一度含浸させた該シートは再度使用することができないため、製造コストが上昇してしまう問題があった。
上記第二の問題に対し、特許文献2は、強化繊維シートの両側端部における強化繊維束の引き揃えピッチを、他の部分よりも小さくする製造方法を提案する。かかる製造方法によれば、両側端部における強化繊維束の移動をある程度規制して一方向プリプレグの両側端部分における強化繊維の目付けが低くすることを防止し、幅方向における強化繊維の目付けの均一性を高くすることができる。
しかしながら特許文献2記載の製造方法では第一の問題を解決できない上、特許文献1と同様に工程の安定性に懸念があった。
特開平6−170847号公報 特開2004−250570号公報
本発明は上記事情を鑑みてなされたものである。即ち本発明は、前記第一の問題及び前記第二の問題をいずれも解決でき、しかも強化繊維シート全体にマトリックス樹脂を均一に含浸させることが可能な一方向プリプレグの製造方法を提供することを、その目的とする。
即ち本発明の要旨は、以下のプロセスを有する一方向プリプレグの製造方法である。
マトリックス樹脂付着プロセス;強化繊維シートの少なくとも一方の面に、マトリックス樹脂を付着させるプロセスであって、前記強化繊維シートは複数の強化繊維束を一方向に引き揃えたシートである。
封止材配置プロセス;前記強化繊維シートの両側端部近傍に封止材を配置するプロセスであって、前記封止材は前記強化繊維シートと間隔を有して配置される。
マトリックス樹脂含浸プロセス;前記強化繊維シートを加圧して前記マトリックス樹脂を含浸させるプロセスであって、前記加圧は、前記強化繊維シートの両面を離型シートで挟んだ状態で行い、かつ前記強化繊維シートを押し広げ、前記強化繊維シートと前記封止材との間隔が無くなる圧力で行う。
封止材除去プロセス;前記強化繊維シートの両側端部から前記封止材を除去し、前記強化繊維シートに前記マトリックス樹脂が含浸された一方向プリプレグを得ることで課題を解決できる。
本発明の一方向プリプレグの製造方法によれば、強化繊維シートの中央部に比べて、両側端部の目付が大きく低下することがない一方向プリプレグを得ることができる。また係る製造方法で得られた一方向プリプレグは、取扱性がよい。
本発明を用いたプリプレグの製造方法の概略図である。
以下、本発明を図1に示した本発明の実施形態の一例を用いて詳細に説明する。
<マトリックス樹脂付着プロセス>
このプロセスは、強化繊維シート3の少なくとも一方の面に、マトリックス樹脂を付着させるプロセスであって、前記強化繊維シート3は複数の強化繊維束2を一方向に引き揃えたシートである。複数の強化繊維束2を一方向に引き揃えて強化繊維シートとする方法は、一方向プリプレグの製造に通常使用される方法を用いることができる。例えば、図1ではボビン1に巻き取られた強化繊維束2を必要な数量準備し、それぞれの強化繊維束を引き出して平行に引き揃え、シート状となす方法を用いている。
強化繊維は各種の無機繊維または有機繊維を用いることができる。例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、高強度ポリエステル繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維などがある。これらの中でも、炭素繊維や黒鉛繊維が好適である。これは難燃性、比強度、比弾性率が良好であるためである。炭素繊維や黒鉛繊維は、用途に応じて様々な炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが可能である。好ましくは引張伸度1.5%以上の高強度炭素繊維である。引張強度4.4GPa以上、引張伸度1.7%以上の高強度高伸度炭素繊維がさらに好ましく、引張伸度1.9%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適している。
強化繊維シートの少なくとも一方の面に、マトリックス樹脂を付着させる。マトリックス樹脂は特に限定はされず、プリプレグに通常使用される公知のマトリックス樹脂を使用することができる。マトリックス樹脂の種類は、繊維強化複合材料に要求される性能に応じて選択すればいい。
マトリックス樹脂は、強化繊維シートに含浸させる必要があるため、本プロセスにおいては液体状である。このようなマトリックス樹脂は、例えばエポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂は、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等がある。これらは必要に応じて、硬化剤、硬化助剤、その他添加剤等を混合させて樹脂組成物となし、マトリックス樹脂とする。
マトリックス樹脂の粘度は、後述するマトリックス樹脂を付着させるプロセス、マトリックス樹脂を含浸させるプロセスを適切に行えれば特に限定はされない。
マトリックス樹脂を付着させる方法は公知の方法を用いることができる。図1では、ダイ4により強化繊維シート3に塗工しているが、その他の例えばタッチロール方式、ディップ方式、ディスペンサー方式、などを用いることができる。また、後述する離型シート10に予め付着させておいて、その離型シートを強化繊維シートに重ねて樹脂を強化繊維シートに付着させても良い。マトリックス樹脂の付着量は、繊維強化複合材料の要求に応じて調節される。例えばプリプレグの質量に対し25〜50質量%であることが好ましい。
<封止材配置プロセス>
このプロセスは、前記強化繊維シート3の両側端部近傍に封止材7を配置するプロセスであって、封止材7は前記強化繊維シート3と間隔を有して配置される。即ち加圧手段が形成する加圧空間、例えば一対の加圧ロール11の間の空間において、強化繊維束の長手方向と直行する方向の加圧空間を遮断する位置に、封止材7が配置される。
このとき、封止材7の配置位置は、得たい一方向プリプレグシートの幅により決定される。即ち(得られる一方向プリプレグのシート幅)=(封止材により遮断される加圧空間の幅)−(封止材の変形により狭められる幅)+(強化繊維シートが封止材を押し広げる幅)となる。従って封止材7と強化繊維シート3との間隔は、強化繊維シート3の幅及び目付、マトリックス樹脂の目付、加圧空間の厚み、加圧圧力、によって変化する。従ってこれらに基づく算術計算及び若干の試行錯誤を通し、封止材7と強化繊維シート3との間隔を決定することができる。
加圧空間において、封止材7は、後述する離型シート10の間に挟まれて、強化繊維シート3及びマトリックス樹脂と共に加圧される。配置される封止材7の供給方法は特に限定されない。例えば、図1のように強化繊維シート3を連続して供給し、2枚の離型シート10を強化繊維シート3のそれぞれの面に、連続して供給して重ね合わせることもできる。この時、重ね合わせるに先立ち、離型シートの一方又は両方の面であって、強化繊維シート3と重ね合わせる面上に、封止材7を封止材クリール6より封止材位置調整装置8を通して連続して供給する。
<マトリックス樹脂含浸プロセス>
このプロセスは、前記強化繊維シート3を加圧して前記マトリックス樹脂を含浸させるプロセスであって、前記加圧は、前記強化繊維シート3の両面を離型シート10で挟んだ状態で行い、かつ前記強化繊維シート3を押し広げ、前記強化繊維シート3と前記封止材7との間隔が無くなる圧力で行う。
離型シート10は、プリプレグ製造に通常使用される離型シートを使用することができる。このような離型シートは、例えばクラフト紙、グラシン紙等に、シリコーン樹脂等をコーティングした離型紙がある。
加圧は、加圧ロールに代表される公知の手段で行うことができる。このとき、温度調節が可能な構造を有する装置を用いて加圧を行うと、マトリックス樹脂の含浸条件をより精密に制御可能となる。このような構造は公知な構造を使用することができる。例えばその内部に温水等の熱媒体を導入可能な構造、表面にヒーターを配した構造、等がある。
加圧に必要な圧力は、前述したとおり、得たい一方向プリプレグシートの幅、封止材と強化繊維シートとの間隔、強化繊維シートの幅及び目付、マトリックス樹脂の目付、マトリックス樹脂の粘度、封止材の硬度、加圧空間の厚みによって変化する。従ってこれらに基づく算術計算及び若干の試行錯誤を通して決定する。
加圧によって強化繊維シート3は押し広げられる。従ってマトリックス樹脂の含浸をより均一とすることができる。この際、強化繊維シート3と封止材7との間隔が無くなる状態とすることがより好ましい。このため、封止材7は加圧空間において、強化繊維シート3の幅方向に強化繊維シート3に押される。このとき封止材7の位置がずれると、得られる一方向プリプレグシートの幅や、端部の強化繊維及び/又はマトリックス樹脂の目付が変動してしまう。従って、離型シート10との間で加圧された状態で、強化繊維シート3に押された際に移動しないようにする必要がある。加えて、加圧した際にできる樹脂溜まりのマトリックス樹脂が漏れ出すことを防止するために、加圧する前は一方向プリプレグの1〜10倍の厚みを持ち、加圧された際に加圧空間よりも小さくなることがない程度の厚みを持つ程度の反発力を有する必要がある。
従って封止材3は、弾力性を有する材質が好ましく、中でも弾性樹脂が好ましい。このような材質には例えば、天然ゴム、合成ゴム、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂等がある。これらの材質は、加圧に必要な圧力と材質の弾性率を考慮してその種類を決定することができる。また、これらを発泡体とすると、許容される圧縮率を大きくすることが可能となるため好ましい。さらに、その発泡体が独立気泡型発泡体であると、発泡体中のそれぞれの気泡が連通していないので、発泡体全体でマトリックス樹脂を吸収することが無く、マトリックス樹脂により発泡体が汚染されることが少なくなるので好ましい。さらに、シリコーン系樹脂を用いた発泡材であると、耐熱性に優れ、高温における圧縮永久歪が小さく、再利用性の優れており好ましい。あるいは、封止材がマトリックス樹脂に対する離型性を有すると、マトリックス樹脂による汚染を少なくし、洗浄性も良好になり、再利用性に優れて好ましい。
なお、強化繊維シート3に押された際の幅方向への移動ずれについては、加圧した際の封止材7の変形率が大きいほど、ずれも小さくなる傾向にある。また、封止材の接地面積によっても変化する。即ち封止材7の材質のみならず、封止材7の形状によっても、ずれを小さくすることができる。
即ち封止材の材質及び形状は、空孔率、硬度、加圧空間の厚みに対する封止材の厚み、及び封止材の幅(接地面積)等を考慮し、これらに基づく算術計算及び若干の試行錯誤を通して決定すればよい。
<封止材除去プロセス>
このプロセスは、前記強化繊維シート3の両側端部から前記封止材7を除去し、前記強化繊維シート3に前記マトリックス樹脂が含浸された一方向プリプレグを得る。なお、離型シート10は除去しても、除去しなくてもどちらでもよい。封止材7を除去する方法は特に制限はない。離型シート10を除去しない場合、封止材7は、例えば離型シート10に挟まれた一方向プリプレグの両側端部側から外に向かって、封止材を引き出すことによって除去することができる。離型シート10を除去する場合、図1に示す通り、例えば、離型シート10を離型シート巻取機13で巻き取りながら一方向プリプレグから除去し、更に封止材7を封止材巻取機14で巻き取りながら除去することができる。また、離型シート10と封止材を同時に一つの巻取機で巻き取りながら除去することもできる。除去した離型シート10及び/又は封止材7は、再利用することが好ましい。
以上のプロセスを経て得られた一方向プリプレグはその中央部に比べて、両側端部の目付が大きく低下しておらず、両端部での樹脂付着もないため取扱性がよい。
以下実施例を紹介する。
(原料)
強化繊維束として、三菱レイヨン株式会社製のフィラメント数:60000本、引張強度:4.9GPa、引張伸度:2.0%、引張弾性率250GPa、目付け:3.2g/mの炭素繊維を用い、マトリックス樹脂として以下の材料を用いた。
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、製品名:「jER828」)
・エポキシ樹脂B:オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、製品名:「アラルダイトAER4152」)
・硬化剤:ジシアンジアミド(三菱化学株式会社製、製品名:「DICY15」)
・硬化助剤:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(保土谷化学工業株式会社製、製品名:「DCMU99」)として、エポキシ樹脂Aを8.3質量部、硬化剤を1.0質量部、硬化助剤を4.1質量部採取し攪拌・混合して得られた混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチとして調整しておく。また、ガラスフラスコにエポキシ樹脂Aを75.7質量部とエポキシ樹脂Bを16.0質量部採取し、オイルバスを用いて130℃に加熱し混合した。その後60℃程度まで冷却した。これに、硬化剤マスターバッチを13.4質量部添加し、攪拌・混合して樹脂組成物3を得た。得られた樹脂組成物の30℃における粘度を、以下の測定条件により測定したところ、50Pa・secであった。
(測定条件)
・装置:粘弾性測定装置(Reologica Instruments A.B.社製、製品名:「VAR−100」)
・使用プレート:直径40mmのパラレルプレート
・プレートギャップ:0.5mm
・測定周波数:1.59Hz
・昇温速度:2℃/min
・応力:300Pa
(製造方法)
図1記載の製造装置を用いて、クリール1より強化繊維束2を引き出し、幅300mm、繊維目付け630g/mの均一な強化繊維シート3にして、調整したマトリックス樹脂を塗工した。そののち、離型シート10に挟み、同時に封止材7を強化繊維シートの両側端より10mmずつ離れた位置に連続して供給した。これを加圧ロール11を用いて加圧してプリプレグをプリプレグ巻取機15に巻き取ってプリプレグを得た。このとき、離型シート10、並びに封止材7はそれぞれ離型シート巻取機13、封止材巻取機14にて巻き取った。なお、封止材としてシリコーンスポンジゴム(独立気泡型発泡体、空孔率:50%、アスカーC硬度:35度)を用い、封止材の厚みを2mm、幅を20mmとしたものを使用した。
このようにして求めたプリプレグの幅は314mmで炭素繊維目付けは602g/m、樹脂含有量は32.6質量%であった。この一方向プリプレグの両側端には余分な樹脂の付着は見られず、取り扱い性は良好であった。また、20mmごと(端部は各27mm)に分割して繊維含有量と樹脂含有量の変動係数を測定したところ(以下、短冊繊維含有変動係数、短冊樹脂含有変動係数)、4.0%、3.9%であった。
プリプレグを幅方向に20mmごとの短冊状に切断をおこない、各短冊状のプリプレグの質量を測定した。ひきつづき、各短冊の樹脂をアセトンで溶出させてから、乾燥し、各短冊中の繊維の質量を測定した。この測定値の差分を樹脂量とした。各短冊の測定結果より、繊維含有量の変動係数と樹脂含有量の変動係数をそれぞれ求めた。
(比較例1)
封止材を用いず、その他の条件は実施例と同じ条件にしてプリプレグを製造したところ、幅320mm、炭素繊維目付けは589g/m、樹脂含有量は32.9質量%の一方向プリプレグを得た。この一方向プリプレグは側端部に樹脂の付着が見られ、巻き取った離型シートに付着し、離型シートの再利用性に劣っていた。また、同様にして短冊繊維含有変動係数は8.4%、短冊樹脂変動係数は3.1%であった。
(比較例2)
封止材の変わりに強化繊維束と同じ繊維束を幅11mm、厚み0.55mmにして強化繊維束の両端に隙間無く流した他は実施例1と同じ条件にしてプリプレグを製造したところ、幅320mm、炭素繊維目付け591g/m、樹脂含有量33.7質量%の一方向プリプレグを得た。このとき、両端に配置した炭素繊維には樹脂が付着して、この一方向プリプレグは側端部の樹脂が比較例1よりも改善したものの、一部に樹脂の付着が見られた。また、同様にして短冊繊維含有変動係数は9.1%、短冊樹脂変動係数は5.9%であった。
以上の実施例を表1にまとめた。ここで、変動係数は±2%以内(表示値で4%)におさまるものを○とした。また、両側端部における樹脂の付着が見られないものを○、継続的に樹脂が付着しているものを×、間欠的に樹脂が付着するものを△とした。
Figure 0005920625
以上の結果より、実施例1では、端部に樹脂付着の無い繊維含有量、樹脂含有量ともに均一な一方向プリプレグを製造できることがわかる。
1・・・ボビン
2・・・強化繊維束
3・・・強化繊維シート
4・・・ダイ
5・・・樹脂組成物供給装置
6・・・封止材クリール
7・・・封止材
8・・・封止材位置調整装置
9・・・離型シートクリール
10・・・離型シート
11・・・加圧ロール
12・・・ヒートプレート
13・・・離型シート巻取機
14・・・封止材巻取機
15・・・プリプレグ巻取機

Claims (1)

  1. 以下のプロセスを有する一方向プリプレグの製造方法。
    マトリックス樹脂付着プロセス;強化繊維シートの少なくとも一方の面に、マトリックス樹脂を付着させるプロセスであって、前記強化繊維シートは複数の強化繊維束を一方向に引き揃えたシートである。
    封止材配置プロセス;前記強化繊維シートの両側端部近傍に封止材を配置するプロセスであって、前記封止材は前記強化繊維シートと間隔を有して配置される。
    マトリックス樹脂含浸プロセス;前記強化繊維シートを加圧して前記マトリックス樹脂を含浸させるプロセスであって、前記加圧は、前記強化繊維シートの両面を離型シートで挟んだ状態で行い、かつ前記強化繊維シートを押し広げ、前記強化繊維シートと前記封止材との間隔が無くなる圧力で行う。
    封止材除去プロセス;前記強化繊維シートの両側端部から前記封止材を除去し、前記強化繊維シートに前記マトリックス樹脂が含浸された一方向プリプレグを得る。
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