JP5800178B2 - プリプレグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリプレグの製造方法に関する。
繊維強化複合材料は、軽量かつ高強度の特性から様々な用途で用いられている。特に長繊維強化複合材料は、軽量かつ高強度に加え、高剛性の特性を有し、金属材料代替として飛行機、船舶、鉄道車両、自動車、ゴルフクラブ、テニスラケットなど、スポーツ、レジャー用途から自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられている。
繊維強化複合材料の多くは、性能発現性の高さから、炭素繊維などの強化繊維からなる繊維基材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプレプレグを積層し、硬化する方法により製造される。プリプレグを用いて繊維強化複合材料を成形するには、そのプリプレグを所望の厚みまで積層する必要がある。特に、風車、船舶、鉄道車両、自動車等の大型成型物の構造部品は部品厚みが厚いため、プリプレグの積層数を増やす必要がある。そのため、厚みのあるプリプレグの需要が高まっている。プリプレグの製造方法は、例えば特許文献1にはホットメルトフィルム法による製造方法が開示されている。
厚いプリプレグを得るには、繊維基材を厚くすればよい。しかし特許文献1の方法では、連続繊維を引き揃えた繊維基材の片面に樹脂フィルムを貼り付け、外側から加圧して熱硬化性樹脂を含浸させるため、繊維基材の目付けが大きくなると、すなわち繊維基材が厚くなると、片側からでは熱硬化性樹脂を十分に含浸させることができない。上述のホットメルトフィルム法では、その含浸原理から厚みがあり、かつ熱硬化性樹脂が良好に含浸しているプリプレグを作るのは困難である。またプリプレグの目付けが大きくなると、プリプレグが剛直になり、型材形状への追従性、つまりドレープ性が悪くなる。繊維基材に熱硬化性樹脂を良好にかつ速やかに含浸させるためには、樹脂の粘度は低い方が好ましい。
ところが、製造されたプリプレグ中のマトリックス樹脂の粘度が低すぎると、繊維基材を支持する力が弱く、製造時に与えた繊維基材の直進性を保持することが困難になる。繊維基材が直進性を失ったプリプレグの強度は低下する。また、繊維束どうし、更には繊維どうしの樹脂を介した密着力が低下し、プリプレグが繊維束単位や繊維間で解れ易く、プリプレグの繊維方向への引き裂かれ耐性が著しく低下するためにプリプレグの形態保持性が悪くなる。これは、積層作業時にプリプレグを保護しているフィルムや離型紙を剥がす、または積層したプリプレグをリプレースする際に、プリプレグの形態が崩れるなどして、作業効率および物性へ悪影響を及ぼす。
特開昭63−170427号公報
本発明は、厚いプリプレグであっても、マトリックス樹脂を良好にかつ速やかに含浸させることのできる製造方法を提供することを目的とする。
即ち本発明の要旨は、複数の強化繊維を引き揃えてシート状繊維束とし、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA1層を設け、前記A1層上に、30℃における粘度が10〜10Pa・secである樹脂組成物を付着させた複数本のシート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA2層を積層し、さらに前記A2層上に、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA3層を積層し、これらを加圧することにより、前記A1層、A2層及びA3層のそれぞれに前記樹脂組成物を含浸させるプリプレグの製造方法であり、前記A1層とA2層とにおいて、隣接する前記シート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅を前記シート状繊維束幅の4分の1以上2分の1以下として上下方向に重なり合い、かつ前記A2層とA3層とにおいて、隣接する前記シート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅を前記シート状繊維束幅の4分の1以上2分の1以下として上下方向で重なり合う、プリプレグの製造方法、である。
本発明によれば、強化繊維シートが厚い場合であっても、強化繊維基材の繊維束どうしの密着力が向上するために繊維方向への引き裂かれ耐性が上がり、プリプレグの形態保持性が良くなる。
本発明の強化繊維シートの一例を示す概略図である。 本発明の強化繊維シートの別の一例を示す概略図である。 本発明の強化繊維シートの別の一例を示す概略図である。 本発明の強化繊維シートの別の一例を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[強化繊維シート]
強化繊維シートを構成する繊維は、繊維強化複合材料の使用目的に応じた様々なものが使用できる。本発明に用いる繊維の具体例としては、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも比強度、比弾性率に優れる点で、炭素繊維や黒鉛繊維が好適である。炭素繊維や黒鉛繊維は、用途に応じて様々なものを用いることが可能であるが、引張伸度1.5%以上の高強度炭素繊維が繊維強化複合材料の強度発現性が優れるため適している。中でも、引張強度4.4GPa、引張伸度1.7%以上の高強度高伸度炭素繊維がより好ましく、さらに引張伸度1.9%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適している。また、炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維と混合して用いてもよい。
強化繊維シートの目付けは、繊維強化複合材料の使用目的に応じて自由に設定でき、好ましくは190gsm以上で、具体的には300gsm以上が最も適している。繊維目付が大きくなればなるほど、マトリクス樹脂の強化繊維シートへの十分な含浸が困難になることから、良好な含浸状態に対して樹脂の低粘度化の影響は大きくなる。
[樹脂組成物]
本発明に用いる樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む。樹脂組成物の粘度は特に限定されないが、含浸性の観点から好ましい範囲として、具体的には30℃における粘度が101 〜10Pa・secである。
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹脂)、シアネートエステル樹脂、トリアジン樹脂等が挙げられる。中でも、強度、耐熱性、成形性に優れる点で、エポキシ樹脂が好ましい。これら熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上の混合物として使用してもよい。また、単体では固体の樹脂でも、混合物としたときに液状であれば使用できる。
エポキシ樹脂としては、例えば分子内に水酸基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、分子内にアミノ基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、分子内にカルボキシル基を有する化合物とエピクロロヒドリンから得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、分子内に二重結合を有する化合物を酸化することから得られる脂環式エポキシ樹脂、またはこれらから選ばれる2種類以上のタイプの基が分子内に混在するエポキシ樹脂などが用いられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応により得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンの反応により得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、レゾルシノールとエピクロロヒドリンの反応により得られるレゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラックとエピクロロヒドリンの反応により得られるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、およびこれらの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体などが挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂の具体例としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類、アミノフェノールやアミノクレゾールのグリシジル化合物類、グリシジルアニリン類、キシレンジアミンのグリシジル化合物などが挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂の具体例としては、フタル酸ジグリシジルエステルや、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、およびこれらの異性体などが挙げられる。市販品を用いることができる。
これらグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等は市販品を用いることができる。
上述したエポキシ樹脂の中でも、耐熱性、靱性の点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、含浸性の観点からは、エポキシ樹脂の粘度は低い方が好ましい。
[硬化剤]
硬化剤としては、アミン、酸無水物(カルボン酸無水物等)、フェノール(ノボラック樹脂等)、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが挙げられるが、上述した熱硬化性樹脂を硬化させうるものであればどのような構造のものでもよい。これらの中でも、アミン型の硬化剤が好ましい。これら硬化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、単体では固体の硬化剤でも、樹脂組成物としたときに液状であれば使用できる。
これらの硬化剤には、硬化活性を高めるために、適当な硬化助剤を組み合わせることができる。好ましい組み合わせとしては、硬化剤としてジシアンジアミドと、硬化助剤として3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン等の尿素誘導体との組み合わせ、硬化剤としてカルボン酸無水物やノボラック樹脂と、硬化助剤として三級アミンとの組み合わせ、硬化剤としてジアミノジフェニルスルホンと、硬化助剤としてイミダゾール化合物、フェニルジメチルウレア(PDMU)等のウレア化合物や、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体等のアミン錯体との組み合わせなどが挙げられる。
[その他]
本発明に用いる樹脂組成物には、添加剤として、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびエラストマーからなる群から選ばれた1種以上の樹脂を含有させることができる。これら添加剤には、マトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)の靭性を向上させ、かつ、粘弾性を変化させて、粘度、貯蔵弾性率およびチキソトロピー性を適正化する役割がある。これら添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、添加剤は、単体では固体であっても、樹脂組成物としたときに液状であれば使用できる。これら添加剤は、熱硬化性樹脂中に溶解して配合されてもよく、微粒子、長繊維、短繊維、織物、不織布、メッシュ、パルプなどの形状でプリプレグの表層に配置されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素−炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合およびカルボニル結合からなる群から選ばれた1種以上の結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。このような熱可塑性樹脂としては、例えばポリアクリレート、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンのようなエンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく用いられる。これらの中でも、耐熱性に優れる点で、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンが特に好ましい。また、熱可塑性樹脂は、靭性向上および熱硬化性樹脂の耐環境性維持の観点から、熱硬化性樹脂との反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基としては、カルボキシル基、アミノ基および水酸基などが挙げられる。
[プリプレグの製造]
本発明では、複数の強化繊維を引き揃えてシート状繊維束とし、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、かつ横方向に隣接する側端部同士を重ね合わせて配列して強化繊維シートとし、前記強化繊維シートに樹脂組成物を含浸させる。
シート状繊維束の横方向に隣接する側端部同士を重ね合わせる方法としては、以下の方法が挙げられる。
方法A.隣接するシート状繊維束を、端から順次上に重ねていく方法(図1及び図2)。この方法によると、強化繊維シートの中間部のシート状繊維束において常に、一端側の側端部が、隣接するシート状繊維束の下となり、他端側の側端部が、別の隣接するシート状繊維束の上となる状態になる。
方法B.隣接するシート状繊維束を、上下交互に重ねる方法(図3及び図4)。この方法によると、強化繊維シートの中間部のシート状繊維束おいて常に、側端部の両方が、それぞれ隣接するシート状繊維束の下となるシート状繊維束と、側端部の両方が、それぞれ隣接するシート状繊維束の上となるシート状繊維束とが、交互に並ぶ状態となる。
方法C.隣接するシート状繊維束を、上下ランダムに重ねる方法(図示せず)。この方法によると、一端側の側端部が、隣接するシート状繊維束の下となり、他端側の側端部が、別の隣接するシート状繊維束の上となる状態、及び、側端部の両方が、それぞれ隣接するシート状繊維束の下となるシート状繊維束と、側端部の両方が、それぞれ隣接するシート状繊維束の上となるシート状繊維束とが、交互に並ぶ状態とが混在する。
束端部同士の重ね合わせ幅は、シート状繊維束幅の8分の1以上2分の1以下が好ましく、より好ましくは繊維束幅の4分の1以上2分の1以下である。あるシート状繊維束が両隣の繊維束と形成する積層幅がそれぞれ異なっても良い。この場合重ね合わせ幅とは幅が狭い方を指す。
方法Aを例えばドラムワインド法で実施する場合、ドラムへの巻きピッチを、開繊したシート状繊維束幅の2分の1以上4分の3以下とすると、隣接するシート状繊維束同士が、強化繊維シートの一端から順次上へと重なり、その重ね合わせ幅がシート状繊維束の4分の1(図1)以上2分の1(図2)以下である強化繊維シートになる。
一方、方法Bを例えばドラムワインド法で実施する場合、二回に分けてドラムにシート状繊維束を巻き付けることとなる。一回目のドラムへのシート状繊維束の巻きでは、巻きピッチを開繊したシート状繊維束の等倍以上2分の3以下とする。この場合、巻きピッチがシート状繊維束幅より大きい時に、シート状繊維束間に隙間(スプリット)が発生する。次いで、二回目のドラムへのシート状繊維束の巻きの際、そのトラバース量を一回目の巻きと同じにし、二回目に巻くシート状繊維束の中心が一回目に巻いた繊維束の中心の中間点に位置するように巻くと、シート状繊維束の側端部の両方が、それぞれ隣接するシート状繊維束の下となるシート状繊維束と、側端部の両方が、それぞれ隣接するシート状繊維束の上となるシート状繊維束とが、交互に並ぶ状態となり、その重ね合わせ幅がシート状繊維束の4分の1(図3)以上2分の1(図4)以下である強化繊維シートになる。なお、図4に示すように、重ね合わせ幅がシート状繊維束の2分の1である場合、隣接するシート状繊維束とは、横方向に重なり合うことなく並ぶシート状繊維束ではなく、上下方向に重なり合うシート状繊維束を指す。
これらの強化繊維シートに樹脂組成物を塗布、含浸してプリプレグとする。
方法Cを例えばドラムワインドで実施する場合、二回に分けてドラムにシート状繊維束を巻きつけるが、一回目のドラムへのシート状繊維束の巻きではスプリットが発生する様に巻きピッチを開繊したシート状繊維束より大きくし、次いで二回目の巻きを一回目の巻きと巻きピッチとシート状繊維束幅を変えて巻く、または方法Aの様に順次繊維束の端部を重ねて巻くなどすることで、ランダムに積層した強化繊維シートになる。
強化繊維シートへ樹脂組成物を付着、含浸させる方法としては特に限定されず、公知の方法を使用できる。具体的には、タッチロール方式、ディップ方式、ダイ方式、ディスペンサー方式、強化繊維シートで樹脂組成物を挟み込み、これを何組かの含浸ロールに挟み込んで加圧および/または加熱して含浸させる方法、何本かの含浸ロールに抱かせて含浸させる方法などなどが挙げられる。含浸させる場合、温度は30〜100℃が好ましい。また、加圧によって含浸させる際の圧力は950N〜20kNが好ましい。
樹脂組成物の付着量は、製造するプリプレグの繊維目付と樹脂含有率により決まる量である。
以上説明したように、本発明によれば、厚いプリプレグを製造する場合でも、強化繊維シートに樹脂組成物を速やかに含浸でき、プリプレグにドレープ性を与えると共に、プリプレグの繊維方向への耐引き裂かれ性能を与えて形態保持性を高めたプリプレグを製造する方法を提供することができる。
本発明により得られるプリプレグを用いれば、欠陥が少なく、高強度の繊維強化複合材料を作製することができる。樹脂組成物に低粘度のものを用いても、強化繊維シートのシート状繊維束同士の密着力が向上するために繊維方向への引き裂かれ耐性が上がり、形態保持性の良い繊維強化複合材料を作成することができる。また、本発明を用いれば、マトリクス樹脂の粘度を下げることができ、強化繊維シートに樹脂組成物を速やかにかつ良好に含浸させるこができ、目付けが大きくてもドレープ性が良好な複合材料用中間材料を製造することができる。本発明で製造された目付けの大きい複合材料用中間材料を用いれば積層回数を短縮でき、ドレープ性がよく取り扱い性が良好であるので積層時間を短くでき、厚みが大きい繊維強化複合材料を作製する場合に、特に好適である。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
各例で使用した樹脂組成物、繊維強化複合材料の製造方法、および評価方法を以下に示す。
[樹脂組成物]
樹脂組成物に用いた原料は以下の通りである。
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER828」)
・エポキシ樹脂B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER1001」)
・硬化剤:ジシアンジアミド(三菱化学株式会社製、「DICY15」)
・硬化助剤:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(保土谷化学工業株式会社製、「DCMU99」)
「硬化剤マスターバッチの調製」
表1に示す配合組成に従って、エポキシ樹脂A、硬化剤、および硬化助剤を攪拌、混合し、得られた混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
「樹脂組成物の調製」
表2に示す配合組成に従い、ガラスフラスコにエポキシ樹脂Aを66.4質量部とエポキシ樹脂Bを20質量部採取し、オイルバスを用いて130℃に加熱し混合した。その後60℃程度まで冷却し、60℃ウォーターバスを用いて硬化剤マスターバッチ25質量部を添加し、攪拌・混合して樹脂組成物1を得た。
得られた樹脂組成物1の30℃における粘度を以下の測定条件により測定したところ、9×10Pa・secであった。
(測定条件)
・装置:示差走査熱量計(レオメトリクス社製、「DSR−200」)
・使用プレート:40φパラレルプレート
・プレートギャップ:0.5mm
・測定周波数:10rad/sec
・昇温速度:2℃/min
・応力:3000dyne/cm
円周2mのドラムが設置されたドラムワインドマシンに離型紙を巻きつけた。この上に、炭素繊維1(三菱レイヨン株式会社製、フィラメント数60000本、引張強度;4.76GPa、引張弾性率;250GPa、繊維目付け3.2g/m)を巻きピッチと同幅9.4mmガイド付きロールで幅制御して通し、巻きピッチ9.4mm(FAW(目付け)333g/mの設定)でシート状繊維束として巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A1層)とした。
別途、レジンバス内の樹脂温度を40℃〜50℃に維持し、ドクターブレードのクリアランスを500〜670μmに設定したタッチロールを用いて、炭素繊維1の繊維束一本に樹脂組成物を付着させた。引き続き、樹脂組成物が付着した繊維束をA1層作成時と同じガイドロールを通し、該繊維束の中心が、予めドラムに巻きつけたA1層の一周目と二周目に巻いたシート状繊維束のそれぞれの中心同士の中央となる位置から、巻きピッチ9.4mm/周(FAW333g/mの設定で炭素繊維の目付実測値より算出)、ドラム周速2m/minでシート状繊維束として巻きつけ、樹脂組成物が付着した、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A2層)とした。
さらに、樹脂組成物が付着したA2層上に、炭素繊維1の繊維束をA1層作成時と同じガイドロールを通し、A1層の巻き始めと同位置から、巻きピッチ9.4mm/周(FAW333g/mの設定)でシート状繊維束として巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A3層)とした。
そして、A3層上に離型紙を貼り付け、これらをドラムから外した。ついで、これらを加熱せずに、圧力0.2MPa、送り速度0.9m/minの条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社、「JR−600S」、処理長1340mm、圧力はシリンダー圧)に3回通し、A1層、A2層、A3層のそれぞれに樹脂組成物が含浸されて一体化されたプリプレグを得た。この方法は前記B法に相当し、A1層とA2層とにおいて、隣接するシート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅をシート状繊維束の2分の1として上下方向に重なり合い、かつA2層とA3層とにおいて、隣接するシート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅をシート状繊維束の2分の1として上下方向で重なり合うことで、強化繊維シートを構成している。
<実施例2>
円周2mのドラムが設置されたドラムワインドマシンに離型紙を巻きつけた。この上に、炭素繊維2(三菱レイヨン株式会社製、「TR50S 15L」、フィラメント数15000本、引張強度;4.90Gpa、引張弾性率;240Gpa、繊維目付け1.0g/m)を、巻きピッチと同幅5.1mmガイド付きロールで幅制御して通し、巻きピッチ5.1mm(FAW200g/mの設定で炭素繊維の目付実測値より算出)でシート状繊維束として巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A4層)とした。
別途、レジンバス内の樹脂温度を40℃〜50℃に維持し、ドクターブレードのクリアランスを150〜250μmに設定したタッチロールを用いて、炭素繊維2の繊維束一本に樹脂組成物を付着させた。引き続き、樹脂組成物が付着した繊維束をA4層作成時と同じガイドロールを通し、該繊維束の中心が、予めドラムに巻きつけたA4層の一周目と二周目に巻いたシート状繊維束のそれぞれの中心同士の中央となる位置から、巻きピッチ5.1mm/周、ドラム周速2m/minで巻きつけ、樹脂組成物が付着した、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A5層)とした。
さらに、樹脂組成物が付着したA5層上に、炭素繊維2の繊維束をA4層作成時と同じガイドロールを通し、A4層の巻き始めと同位置から、巻きピッチ5.1mm/周で巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A6層)とした。
そして、A6層上に離型紙を貼り付け、これらをドラムから外した。
ついで、これらを加熱せずに、圧力0.2MPa、送り速度0.9m/minの条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社、「JR−600S」、処理長1340mm、圧力はシリンダー圧)に3回通し、A4層、A5層、A6層のそれぞれに樹脂組成物が含浸されて一体化されたプリプレグを得た。この方法は前記B法に相当し、A4層とA5層とにおいて、隣接するシート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅をシート状繊維束の2分の1として上下方向に重なり合い、かつA5層とA6層とにおいて、隣接するシート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅をシート状繊維束の2分の1として上下方向で重なり合うことで、強化繊維シートを構成している。
<比較例1>
円周2mのドラムが設置されたドラムワインドマシンに離型紙を巻きつけた。別途、レジンバス内の樹脂温度を40℃〜50℃に維持し、ドクターブレードのクリアランスを300〜400μmに設定したタッチロールを用いて、炭素繊維1(三菱レイヨン株式会社製、フィラメント数60000本、引張強度;4.76GPa、引張弾性率;250GPa、目付け3.2g/m)の繊維束一本に樹脂組成物を付着させた。引き続き、予めドラムに巻きつけた離型紙上に、樹脂組成物が付着した繊維束を巻きピッチと同じ幅にしたガイドロールを通して、巻きピッチ5.3mm/周(FAW600g/mの設定で炭素繊維の目付実測値より算出)、ドラム周速2m/minでシート状繊維束として巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられ、かつ樹脂組成物が付着した強化繊維シート(A7層)とした。
そして、A7層上に離型紙を貼り付け、これらをドラムから外した。
次いで、これらを加熱せずに、圧力0.2MPa、送り速度0.9m/minの条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社、「JR−600S」、処理長1340mm、圧力はシリンダー圧)に3回通し、プリプレグを得た。
実施例1および実施例2で得られたプリプレグについて、それぞれ指でほぐそうとしたところ、繊維束同士が樹脂組成物を介して強く接着しており容易にはほぐすことができなかった。一方、比較例1で得られたプリプレグをほぐそうとしたところ、繊維束間の接着力が弱く、容易に引き裂かれるものであった。従って、本発明の製造方法によると、低粘度の樹脂組成物を用いても、強化繊維基材の繊維束どうしの密着力が向上するために繊維方向への引き裂かれ耐性が上がり、プリプレグの形態保持性が良いプリプレグを製造できることが示された。

Claims (2)

  1. 複数の強化繊維を引き揃えてシート状繊維束とし、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA1層を設け、
    前記A1層上に、30℃における粘度が10〜10Pa・secである樹脂組成物を付着させた複数本のシート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA2層を積層し、
    さらに前記A2層上に、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA3層を積層し、
    これらを加圧することにより、前記A1層、A2層及びA3層のそれぞれに前記樹脂組成物を含浸させるプリプレグの製造方法であり、
    前記A1層とA2層とにおいて、隣接する前記シート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅を前記シート状繊維束幅の4分の1以上2分の1以下として上下方向に重なり合い、かつ前記A2層とA3層とにおいて、隣接する前記シート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅を前記シート状繊維束幅の4分の1以上2分の1以下として上下方向で重なり合う、プリプレグの製造方法。
  2. 前記強化繊維シートの目付けが190gsm以上である、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
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