JP5800178B2 - プリプレグの製造方法 - Google Patents
プリプレグの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5800178B2 JP5800178B2 JP2011065249A JP2011065249A JP5800178B2 JP 5800178 B2 JP5800178 B2 JP 5800178B2 JP 2011065249 A JP2011065249 A JP 2011065249A JP 2011065249 A JP2011065249 A JP 2011065249A JP 5800178 B2 JP5800178 B2 JP 5800178B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- fiber
- layer
- fiber bundle
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Description
強化繊維シートを構成する繊維は、繊維強化複合材料の使用目的に応じた様々なものが使用できる。本発明に用いる繊維の具体例としては、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも比強度、比弾性率に優れる点で、炭素繊維や黒鉛繊維が好適である。炭素繊維や黒鉛繊維は、用途に応じて様々なものを用いることが可能であるが、引張伸度1.5%以上の高強度炭素繊維が繊維強化複合材料の強度発現性が優れるため適している。中でも、引張強度4.4GPa、引張伸度1.7%以上の高強度高伸度炭素繊維がより好ましく、さらに引張伸度1.9%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適している。また、炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊維と混合して用いてもよい。
本発明に用いる樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む。樹脂組成物の粘度は特に限定されないが、含浸性の観点から好ましい範囲として、具体的には30℃における粘度が101 〜105Pa・secである。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂(BT樹脂)、シアネートエステル樹脂、トリアジン樹脂等が挙げられる。中でも、強度、耐熱性、成形性に優れる点で、エポキシ樹脂が好ましい。これら熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上の混合物として使用してもよい。また、単体では固体の樹脂でも、混合物としたときに液状であれば使用できる。
上述したエポキシ樹脂の中でも、耐熱性、靱性の点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、含浸性の観点からは、エポキシ樹脂の粘度は低い方が好ましい。
硬化剤としては、アミン、酸無水物(カルボン酸無水物等)、フェノール(ノボラック樹脂等)、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが挙げられるが、上述した熱硬化性樹脂を硬化させうるものであればどのような構造のものでもよい。これらの中でも、アミン型の硬化剤が好ましい。これら硬化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、単体では固体の硬化剤でも、樹脂組成物としたときに液状であれば使用できる。
本発明に用いる樹脂組成物には、添加剤として、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびエラストマーからなる群から選ばれた1種以上の樹脂を含有させることができる。これら添加剤には、マトリックス樹脂(熱硬化性樹脂)の靭性を向上させ、かつ、粘弾性を変化させて、粘度、貯蔵弾性率およびチキソトロピー性を適正化する役割がある。これら添加剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、添加剤は、単体では固体であっても、樹脂組成物としたときに液状であれば使用できる。これら添加剤は、熱硬化性樹脂中に溶解して配合されてもよく、微粒子、長繊維、短繊維、織物、不織布、メッシュ、パルプなどの形状でプリプレグの表層に配置されてもよい。
本発明では、複数の強化繊維を引き揃えてシート状繊維束とし、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、かつ横方向に隣接する側端部同士を重ね合わせて配列して強化繊維シートとし、前記強化繊維シートに樹脂組成物を含浸させる。
方法A.隣接するシート状繊維束を、端から順次上に重ねていく方法(図1及び図2)。この方法によると、強化繊維シートの中間部のシート状繊維束において常に、一端側の側端部が、隣接するシート状繊維束の下となり、他端側の側端部が、別の隣接するシート状繊維束の上となる状態になる。
これらの強化繊維シートに樹脂組成物を塗布、含浸してプリプレグとする。
樹脂組成物の付着量は、製造するプリプレグの繊維目付と樹脂含有率により決まる量である。
本発明により得られるプリプレグを用いれば、欠陥が少なく、高強度の繊維強化複合材料を作製することができる。樹脂組成物に低粘度のものを用いても、強化繊維シートのシート状繊維束同士の密着力が向上するために繊維方向への引き裂かれ耐性が上がり、形態保持性の良い繊維強化複合材料を作成することができる。また、本発明を用いれば、マトリクス樹脂の粘度を下げることができ、強化繊維シートに樹脂組成物を速やかにかつ良好に含浸させるこができ、目付けが大きくてもドレープ性が良好な複合材料用中間材料を製造することができる。本発明で製造された目付けの大きい複合材料用中間材料を用いれば積層回数を短縮でき、ドレープ性がよく取り扱い性が良好であるので積層時間を短くでき、厚みが大きい繊維強化複合材料を作製する場合に、特に好適である。
各例で使用した樹脂組成物、繊維強化複合材料の製造方法、および評価方法を以下に示す。
樹脂組成物に用いた原料は以下の通りである。
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER828」)
・エポキシ樹脂B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、「jER1001」)
・硬化剤:ジシアンジアミド(三菱化学株式会社製、「DICY15」)
・硬化助剤:3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(保土谷化学工業株式会社製、「DCMU99」)
表1に示す配合組成に従って、エポキシ樹脂A、硬化剤、および硬化助剤を攪拌、混合し、得られた混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
表2に示す配合組成に従い、ガラスフラスコにエポキシ樹脂Aを66.4質量部とエポキシ樹脂Bを20質量部採取し、オイルバスを用いて130℃に加熱し混合した。その後60℃程度まで冷却し、60℃ウォーターバスを用いて硬化剤マスターバッチ25質量部を添加し、攪拌・混合して樹脂組成物1を得た。
(測定条件)
・装置:示差走査熱量計(レオメトリクス社製、「DSR−200」)
・使用プレート:40φパラレルプレート
・プレートギャップ:0.5mm
・測定周波数:10rad/sec
・昇温速度:2℃/min
・応力:3000dyne/cm2
円周2mのドラムが設置されたドラムワインドマシンに離型紙を巻きつけた。この上に、炭素繊維2(三菱レイヨン株式会社製、「TR50S 15L」、フィラメント数15000本、引張強度;4.90Gpa、引張弾性率;240Gpa、繊維目付け1.0g/m)を、巻きピッチと同幅5.1mmガイド付きロールで幅制御して通し、巻きピッチ5.1mm(FAW200g/m2の設定で炭素繊維の目付実測値より算出)でシート状繊維束として巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられたシート状物(A4層)とした。
ついで、これらを加熱せずに、圧力0.2MPa、送り速度0.9m/minの条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社、「JR−600S」、処理長1340mm、圧力はシリンダー圧)に3回通し、A4層、A5層、A6層のそれぞれに樹脂組成物が含浸されて一体化されたプリプレグを得た。この方法は前記B法に相当し、A4層とA5層とにおいて、隣接するシート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅をシート状繊維束の2分の1として上下方向に重なり合い、かつA5層とA6層とにおいて、隣接するシート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅をシート状繊維束の2分の1として上下方向で重なり合うことで、強化繊維シートを構成している。
円周2mのドラムが設置されたドラムワインドマシンに離型紙を巻きつけた。別途、レジンバス内の樹脂温度を40℃〜50℃に維持し、ドクターブレードのクリアランスを300〜400μmに設定したタッチロールを用いて、炭素繊維1(三菱レイヨン株式会社製、フィラメント数60000本、引張強度;4.76GPa、引張弾性率;250GPa、目付け3.2g/m)の繊維束一本に樹脂組成物を付着させた。引き続き、予めドラムに巻きつけた離型紙上に、樹脂組成物が付着した繊維束を巻きピッチと同じ幅にしたガイドロールを通して、巻きピッチ5.3mm/周(FAW600g/m2の設定で炭素繊維の目付実測値より算出)、ドラム周速2m/minでシート状繊維束として巻きつけ、シート状繊維束の側端部同士が重ならずに並べられ、かつ樹脂組成物が付着した強化繊維シート(A7層)とした。
次いで、これらを加熱せずに、圧力0.2MPa、送り速度0.9m/minの条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社、「JR−600S」、処理長1340mm、圧力はシリンダー圧)に3回通し、プリプレグを得た。
Claims (2)
- 複数の強化繊維を引き揃えてシート状繊維束とし、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA1層を設け、
前記A1層上に、30℃における粘度が101〜105Pa・secである樹脂組成物を付着させた複数本のシート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA2層を積層し、
さらに前記A2層上に、複数本の前記シート状繊維束を引き揃えて、その側端部同士が重ならないように並べたシート状物であるA3層を積層し、
これらを加圧することにより、前記A1層、A2層及びA3層のそれぞれに前記樹脂組成物を含浸させるプリプレグの製造方法であり、
前記A1層とA2層とにおいて、隣接する前記シート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅を前記シート状繊維束幅の4分の1以上2分の1以下として上下方向に重なり合い、かつ前記A2層とA3層とにおいて、隣接する前記シート状繊維束の側端部同士が、重ね合わせ幅を前記シート状繊維束幅の4分の1以上2分の1以下として上下方向で重なり合う、プリプレグの製造方法。 - 前記強化繊維シートの目付けが190gsm以上である、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011065249A JP5800178B2 (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | プリプレグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011065249A JP5800178B2 (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | プリプレグの製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012201716A JP2012201716A (ja) | 2012-10-22 |
JP2012201716A5 JP2012201716A5 (ja) | 2014-04-24 |
JP5800178B2 true JP5800178B2 (ja) | 2015-10-28 |
Family
ID=47183057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011065249A Active JP5800178B2 (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | プリプレグの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5800178B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3604409B1 (en) | 2017-03-31 | 2024-02-07 | Mitsubishi Chemical Corporation | Prepreg sheet, method for manufacturing same, skin material-provided unitary layer, method for manufacturing article molded from fiber-reinforced composite material, and article molded from fiber-reinforced composite material |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08312699A (ja) * | 1995-05-17 | 1996-11-26 | B F Goodrich Co:The | ニアネットシェイプの繊維構造体およびその製造方法 |
JP2001254255A (ja) * | 2000-03-09 | 2001-09-21 | Toray Ind Inc | 炭素・炭素複合材料用繊維シートおよびその製造方法 |
JP3590346B2 (ja) * | 2000-11-27 | 2004-11-17 | トヨタ自動車株式会社 | Frp構造体 |
JP2002327111A (ja) * | 2001-04-27 | 2002-11-15 | Nippon Oil Corp | 複合材料用樹脂組成物、複合材料用中間材料、及び複合材料 |
JP4770298B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-09-14 | 東レ株式会社 | プリフォーム用基材、プリフォーム、およびこれらを用いた繊維強化複合材料構造物 |
JP2009292976A (ja) * | 2008-06-06 | 2009-12-17 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | プレス成形用プリプレグ及び成形品の製造方法 |
JP5406607B2 (ja) * | 2009-02-16 | 2014-02-05 | 積水化学工業株式会社 | 樹脂管の接合方法、および繊維強化樹脂成形品の成形方法 |
JP5327964B2 (ja) * | 2009-04-16 | 2013-10-30 | 三菱レイヨン株式会社 | プレス成形用プリプレグ、及びそれを用いた成形品の製造方法 |
-
2011
- 2011-03-24 JP JP2011065249A patent/JP5800178B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012201716A (ja) | 2012-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2016365119B2 (en) | Surfacing materials for composite structures | |
JP6440222B2 (ja) | 現場重合型熱可塑性プリプレグ、熱可塑性コンポジット及びその製造方法 | |
JP5985391B2 (ja) | プリプレグの製造方法 | |
DK2640560T3 (en) | Process for the preparation of pre-impregnated fiber materials with a thermosetting polymer | |
JP5739361B2 (ja) | 繊維強化複合材料 | |
TWI723188B (zh) | 預浸漬物及其製造方法 | |
CN110577723A (zh) | 环氧树脂组合物及使用该环氧树脂组合物的膜、预浸料、纤维增强塑料 | |
EP3010963B1 (en) | Improvements in or relating to epoxy resin formulations | |
JP6854880B2 (ja) | 自己接着性プリプレグ、及びその製造方法 | |
JP2009242459A (ja) | 樹脂組成物、プリプレグ、及びそれらの製造方法 | |
JP7255493B2 (ja) | 繊維強化複合材およびこれを用いてなる硬化物 | |
JP5173358B2 (ja) | 保護フィルム付プリプレグ | |
KR20190127685A (ko) | 프리프레그 및 섬유 강화 복합 재료 | |
JP6094792B2 (ja) | プリプレグの製造方法 | |
JP5912920B2 (ja) | 繊維強化複合材料 | |
JP5800178B2 (ja) | プリプレグの製造方法 | |
JP5912922B2 (ja) | 繊維強化複合材料 | |
JP2013060515A (ja) | プリプレグの製造方法 | |
JP5750927B2 (ja) | プリプレグの製造方法 | |
JP5750928B2 (ja) | プリプレグの製造方法 | |
JP2004043653A (ja) | スリットテーププリプレグ、およびその成形品 | |
JP5920625B2 (ja) | 一方向プリプレグの製造方法 | |
JPWO2020100513A1 (ja) | 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂硬化物、プリフォームならびに繊維強化複合材料 | |
JP2006124555A (ja) | 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 | |
JP3864751B2 (ja) | 炭素繊維強化複合材料用樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140312 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140312 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150319 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150730 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150812 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5800178 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |