JP5920233B2 - クラッチおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転駆動力の伝達および遮断を磁気的に行うクラッチおよびその製造方法に関するものである。
従来の電磁クラッチは、エンジン等の回転駆動源からの回転駆動力を受けて回転するロータと、ロータに対して所定の微小間隙を隔てて対向配置され、磁力によってロータに吸着されるアーマチュアと、このアーマチュアを従動側機器の回転軸に連結するハブ構造体とを備えている。
そして、このハブ構造体として、アーマチュアに結合されるアウタハブの筒部と従動側機器の回転軸に連結されるインナハブの筒部との間に、アウタハブの筒部からインナハブの筒部へ回転駆動力を伝達するゴム部材が配置されたハブ構造体が特許文献1に開示されている。このハブ構造体では、ゴム部材は、アウタハブおよびインナハブと別体として成形されているとともに、アウタハブおよびインナハブと非接着の状態である。
特開平6−74258号公報
上記した従来のハブ構造体は、ゴム部材がインナハブと別体として成形されているため、回転駆動力の伝達時に、ゴム部材とインナハブとの間で滑りが発生し、繰り返し使用されることで、ゴム部材が摩耗して、ゴム部材の性能が変化してしまう。
そこで、本発明者は、図9、10に示すように、ゴム部材70がインナハブ(後述するインナハブ第1部材)50と一体に成形されたハブ構造体を検討した。このハブ構造体は、図10に示すように、アーマチュア20に結合されるアウタハブ40のアウタハブ筒部41とインナハブ50のインナハブ筒部51との間にゴム部材70が配置されている点は従来のハブ構造体と同じであるが、アウタハブ筒部41およびインナハブ筒部51の形状が従来のハブ構造体と異なっている。
アウタハブ筒部41は、図11、12に示すように、径方向内側に突出するアウタハブ凸部41aが周方向に複数並んで形成されている。一方、インナハブ筒部51は、図13、14に示すように、径方向外側に突出するインナハブ凸部51aが周方向に複数並んで形成されている。インナハブ50は、インナハブ筒部51の内周側に配置されて回転軸方向に垂直に延びるインナハブ板部52を有している。インナハブ板部52は、貫通穴53が形成されている。
そして、ゴム部材70は、図10、15に示すように、インナハブ筒部51の全面およびインナハブ板部52の貫通穴53を含む部位を覆っており、インナハブ筒部51を内部に含んだ状態にて成形されている。すなわち、ゴム部材70は、インナハブ筒部51の反アーマチュア側(図10左側)の端面513を含む全面を覆っている。また、ゴム部材70は、アウタハブ筒部41に対して圧入されている。このため、ゴム部材70は、インナハブ筒部51およびアウタハブ筒部41に対して非接着の状態で固定されている。
このハブ構造体によれば、ゴム部材70がインナハブ50と一体成形されており、ゴム部材70とインナハブ50との間に滑りが生じないので、ゴム部材70の性能変化を防止できる。しかし、このハブ構造体では、下記の問題が生じることがわかった。
図16に示すように、回転駆動力の伝達時に、ゴム部材70内部のうちインナハブ筒部51の周方向で隣り合うインナハブ凸部51aの間に位置する部位は、図16中の矢印のように、インナハブ凸部51aの径方向外側の面であってインナハブ凸部51aの頂部を挟んだ一面511と他面512のうち一面511側に圧縮される。
すなわち、インナハブ筒部51は、インナハブ凸部51aを構成するインナハブ凸部51aの頂部を挟んだ2つの外周面511、512であって、回転駆動力の伝達時に、ゴム部材70が圧縮されるゴム圧縮側の面511と、その反対側の反ゴム圧縮側の面512とを有している。ゴム圧縮側の面511は、インナハブ凸部51aの頂部を挟んだ2つの面のうち回転進行方向側とは反対側の面であり、反ゴム圧縮側の面512は、インナハブ凸部51aの頂部を挟んだ2つの面のうち回転進行方向側の面である。
このとき、インナハブ凸部51aの反ゴム圧縮側の面512とゴム部材70とは非接着のため、両者の間に隙間90が生じる。上述の通り、ゴム部材70は、インナハブ筒部51の反アーマチュア側(図10左側)の端面513を覆っている。このため、回転駆動力の伝達時では、インナハブ筒部51の端面513を覆うゴム部材70のうち、図17に示すように、インナハブ凸部51aの反ゴム圧縮側の面512の位置を含む領域に引張応力が発生し、その領域では早期に亀裂が発生し易い。その領域に亀裂が発生すると、図17に示すように、それを起点としてアウタハブ筒部41側まで亀裂が進展し、ゴム部材70が破断してしまう。
本発明は上記点に鑑みて、上記した形状を有するインナハブ筒部とアウタハブ筒部との間に非接着状態で配置されるゴム部材の耐久性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
回転駆動源からの回転駆動力を受けて回転するロータ(10)と、
磁力によってロータに吸着されるアーマチュア(20)と、
回転軸方向に延びる筒状のアウタハブ筒部(41)を有し、アーマチュアに連結されるアウタハブ(40)と、
アウタハブ筒部の内周側に配置されて回転軸方向に延びる筒状のインナハブ筒部(51)を有し、従動側機器の回転軸に連結されるインナハブ(50、60)と、
合成ゴム材料からなり、アウタハブ筒部とインナハブ筒部との間に配置され、アウタハブ筒部からインナハブ筒部へ回転駆動力を伝達するゴム部材(70)とを備え、
アウタハブ筒部は、径方向内側に突出するアウタハブ凸部(51a)が周方向に複数並んで形成されており、
インナハブ筒部は、径方向外側に突出するインナハブ凸部(41a)が周方向に複数並んで形成されており、
インナハブ筒部は、インナハブ凸部を構成するインナハブ凸部の頂部を挟んだ2つの外周面であって、回転駆動力の伝達時に、ゴム部材が圧縮されるゴム圧縮側の面(511)と、その反対側の反ゴム圧縮側の面(512)とを有し、
インナハブ筒部は、ゴム部材と非接着の状態で、反アーマチュア側の端面(513)を含む表面がゴム部材に覆われており、
端面を覆うゴム部材の端面を基準とした回転軸方向の厚さは、反アーマチュア側から見たゴム部材の表面における反ゴム圧縮側の面の位置を含む一領域(71)の方が、ゴム圧縮側の面の位置を含む他の領域(72)よりも薄いことを特徴としている。
これによると、回転駆動力の伝達時に引張応力が集中する一領域におけるゴム部材の厚さを薄くすることにより、その一領域にゴム部材の厚さ方向に貫通する亀裂が生じても、ゴム部材の厚さが厚い場合と比較して、その亀裂の大きさを小さくできる。
このため、回転駆動力の伝達時に発生する引張応力によって、インナハブ筒部の端面を覆うゴム部材に初期の亀裂が発生したとしても、アウタハブ側まで亀裂が進展する際の起点となる亀裂が小さいので、亀裂の進展速度を低減できる。
また、請求項1の「一領域の方が他の領域よりも薄い」の記載は、請求項2に記載のように、一領域のゴム部材の厚さが0である場合も含むことを意味する。一領域のゴム部材の厚さが0の場合、図9、10に示す比較例における回転駆動力の伝達時に引張応力が集中する領域にゴム部材が存在しないので、ゴム部材70の亀裂の発生を抑制できる。
よって、本発明によれば、ゴム部材の破断に至るまでの疲労寿命を長くでき、ゴム部材の耐久性を向上できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態におけるクラッチの断面構成を示す図である。 図1のアウタハブ、インナハブ、ゴム部材の左側面図である。 図2の領域A2の拡大図である。 図3のB−B断面図である。 図3のC−C断面図である。 第2実施形態における領域A2の拡大図である。 図6のD−D断面図である。 図6のE−E断面図である。 本発明が解決しようとする課題を説明するための図であって、図10のアウタハブ、インナハブ、ゴム部材等の左側面図である。 図9のF−O−F断面図である。 図10のアウタハブの左側面図である。 図11のG−O−G断面図である。 図10のインナハブの左側面図である。 図13のH−O−H断面図である。 図9の領域A3の拡大図である。 回転駆動力の伝達時における図10のI−I断面図である。 回転駆動力の伝達時における図9の領域A3の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、各図面において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示す本実施形態のクラッチ1は、車両用空調装置において、回転駆動源としての車両走行用のエンジンから出力される回転駆動力を、従動側機器としての圧縮機2へ断続的に伝達するために用いられる。
圧縮機2は、冷媒を吸入して圧縮するものであり、圧縮機吐出冷媒を放熱させる放熱器、放熱器流出冷媒を減圧膨張させる膨張弁、および、膨張弁にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる蒸発器とともに、車両用空調装置の冷凍サイクル装置を構成する。
クラッチ1は、エンジンからの回転駆動力を受けて回転する駆動側回転体を構成するロータ10と、圧縮機2の回転軸2aに連結された従動側回転体を構成するアーマチュア20とを有する。このロータ10とアーマチュア20とを連結したり、切り離したりすることで、エンジンから圧縮機2への回転駆動力の伝達を断続する。なお、図1は、ロータ10とアーマチュア20と切り離した状態を示している。
つまり、クラッチ1がロータ10とアーマチュア20とを連結すると、エンジンの回転駆動力が圧縮機2に伝達されて、冷凍サイクル装置が作動する。一方、クラッチ1がロータ10とアーマチュア20とを切り離すと、エンジンの回転駆動力が圧縮機2に伝達されることはなく、冷凍サイクル装置も作動しない。なお、クラッチ1は、冷凍サイクル装置の各種構成機器の作動を制御する空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
以下、クラッチ1の具体的な構成について説明する。図1に示すように、クラッチ1は、ロータ10、アーマチュア20、ステータ30、アウタハブ40、インナハブ第1部材50、インナハブ第2部材60、ゴム部材70等を備え、回転軸2aを中心に回転する。
ロータ10は、アーマチュア20から離れた側である反アーマチュア20側が開口した断面U字形状の二重円筒構造である。すなわち、ロータ10は、外側円筒部11と、この外側円筒部11の内周側に配置される内側円筒部12と、外側円筒部11および内側円筒部12のアーマチュア20側の端部同士を結ぶように回転軸垂直方向に広がる端面部13とを有している。外側円筒部11、内側円筒部12および端面部13は、鉄等の磁性体で構成されている。
外側円筒部11および内側円筒部12は、圧縮機2の回転軸2aに対して同軸上に配置されている。外側円筒部11の外周側には、Vベルトが掛けられるV溝11aが形成されている。内側円筒部12の内周側には、ボールベアリング14の外側レースが固定されている。
ボールベアリング14は、圧縮機2の外殻を形成するハウジングに対して、ロータ10を回転自在に固定するものである。そのため、ボールベアリング14の内側レースは、圧縮機2のハウジングに設けられたハウジングボス部2bに固定されている。
端面部13には、軸方向から見たときに径方向に2列に並んだ円弧状の複数の断磁スリット13c、13dが形成されている。この断磁スリット13c、13dは、端面部13の一面13aとその反対側の他面13bを貫通している。端面部13の一面13aは、アーマチュア20に対向しており、ロータ10とアーマチュア20が連結された際に、アーマチュア20と接触するロータ10の摩擦面となる。
端面部13の一面13a、すなわち、ロータ10の摩擦面13aの一部には、端面部13の摩擦係数を増加させるための摩擦部材15が配置されている。摩擦部材15は、非磁性材で形成されている。
次に、アーマチュア20は、鉄等の磁性材で構成されている。アーマチュア20は、回転軸垂直方向に広がるとともに、中央部にその表裏を貫通する貫通穴が形成された円板状部材である。このアーマチュア20の回転中心は、圧縮機2の回転軸2aに対して同軸上に配置されている。
アーマチュア20には、ロータ10の端面部13と同様に、軸方向から見たときに円弧状の複数の断磁スリット21が形成されている。この断磁スリット21は、アーマチュア20の一面20aとその反対側の他面20bを貫通している。
また、アーマチュア20の一面20aは、ロータ10の摩擦面13aに対向しており、ロータ10とアーマチュア20が連結された際に、ロータ10と接触する摩擦面を形成している。アーマチュア20の他面20bには、アウタハブ40を結合するためのリベット部22が形成されている。
ステータ30は、ロータ10の外側円筒部11、内側円筒部12および端面部13によって囲まれたロータ10の内部空間に配置されている。ステータ30は、鉄等の磁性体で構成されており、内部に電磁コイル31を収納している。電磁コイル31は、樹脂製のコイルスプール32に巻かれているとともに、樹脂部材33で封止されている。
アウタハブ40は、図11、12に示す形状のものであり、金属製の板材をプレス成形したものである。図2、11、12に示すように、アウタハブ40は、回転軸2a方向に延びる筒状のアウタハブ筒部41を備えている。このアウタハブ筒部41は、アウタハブ凸部41aが周方向に複数並んで形成されている。アウタハブ凸部41aの稜線は、回転軸2aに対して平行になっている。
アウタハブ40は、アウタハブ筒部41におけるアーマチュア20側(図12右側)の端部に、アーマチュア20に対向する板状のアウタハブ板部42が形成されている。このアウタハブ板部42は、アウタハブ40を回転軸2a方向から見たときに、アウタハブ凸部41aの径方向外側に位置している。
複数のアウタハブ板部42の一部には、その表裏を貫通する円形状のアウタハブ板部穴43が形成されている。以下の説明では、必要に応じて、アウタハブ板部穴43が形成されたアウタハブ板部42をアウタハブ第1板部42aという。
このアウタハブ第1板部42aは、回転軸2aの垂直方向に延びている。そして、アウタハブ板部穴43にアーマチュア20のリベット部22を挿入した後に、リベット部22の先端側をかしめることにより、アーマチュア20とアウタハブ40が結合されている。
複数のアウタハブ板部42の残部は、図示しないが、アーマチュア20との間に隙間が形成されるように、回転軸2aの垂直方向に対して傾斜している。より詳細には、この傾斜は、径方向内側から径方向外側に行くにしたがってアーマチュア20に近づくような傾斜になっている。以下の説明では、必要に応じて、傾斜しているアウタハブ板部42をアウタハブ第2板部42bという。
インナハブ第1部材50は、図13、14に示す形状のものであり、金属製の板材をプレス成形したものである。図2、13、14に示すように、インナハブ第1部材50は、回転軸2a方向に延びる筒状のインナハブ筒部51を備えている。このインナハブ筒部51は、アウタハブ筒部41の内周側に配置されている。インナハブ筒部51は、インナハブ凸部51aが形成されており、インナハブ凸部51aは、アウタハブ凸部41aと同数設けられている。また、インナハブ凸部51aの稜線は、回転軸2aに対して平行になっている。
インナハブ第1部材50は、インナハブ筒部51におけるアーマチュア20側(図14右側)の端部で且つインナハブ筒部51の内周側に、回転軸2aの垂直方向に延びる板状のインナハブ第1板部52を有している。インナハブ第1板部52における外周部近傍には、インナハブ第1板部52を貫通するインナハブ第1穴53が、周方向に沿って複数個形成されている。インナハブ第1板部52におけるインナハブ第1穴53よりも内周側には、インナハブ第1板部52を貫通するインナハブ第2穴54が、周方向に沿って複数個形成されている。
図1に示すように、インナハブ第2部材60は、回転軸2a方向に延びる円筒状のインナハブボス部61を備えている。このインナハブボス部61が圧縮機2の回転軸2aに被せられ、回転軸2aに設けられたネジ穴にボルト81によって、圧縮機2の回転軸2aに結合されている。
また、インナハブ第2部材60は、インナハブボス部61の一端側から回転軸2aの垂直方向に広がる円板状のインナハブ第2板部62を備えている。インナハブ第2板部62には、インナハブ第2板部62を貫通するインナハブ第4穴63が、周方向に沿って複数個形成されている。
そして、インナハブ第4穴63とインナハブ第1部材50のインナハブ第2穴54にリベット82を挿入した後に、リベット82の先端側をかしめることにより、インナハブ第1部材50とインナハブ第2部材60が結合されている。なお、インナハブ第1部材50とインナハブ第2部材60は、本発明のインナハブを構成している。
ゴム部材70は、合成ゴム材料からなり、加硫成形により成形される。具体的には、成形金型内にインナハブ第1部材50を挿入した状態で、成形金型内に溶融した合成ゴム材料を注入して、インナハブ第1部材50と一体化したゴム部材70が成形される。
図1、2に示すように、インナハブ第1板部52におけるインナハブ第1穴53を含む部位は、ゴム部材70内に埋設されている。したがって、ゴム部材70におけるインナハブ第1板部52の両側に位置する部分は、ゴム部材70におけるインナハブ第1穴53内に侵入した部分により連結され、これにより、ゴム部材70におけるインナハブ第1板部52の両側に位置する部分のめくれが防止される。
また、インナハブ筒部51全体がゴム部材70内に埋設されている。このため、インナハブ筒部51は、反アーマチュア側の端面513(後述する図4、5参照)を含む全面がゴム部材70に覆われている。これにより、ゴム部材70は、インナハブ筒部51と非接着状態であっても、インナハブ第1部材50に保持される。
インナハブ第1部材50と一体化されたゴム部材70は、アウタハブ40に圧入されている。すなわち、ゴム部材70は、接着剤を用いることなく、アウタハブ40およびインナハブ50と一体化されている。
図2に示すように、アウタハブ40とインナハブ50が一体化された状態では、アウタハブ凸部41aとインナハブ凸部51aは、周方向位置がずれている。換言すると、アウタハブ凸部41aとインナハブ凸部51aは、径方向に重ならない位置に配置されている。
ゴム部材70をアウタハブ40に圧入した後、アーマチュア20とアウタハブ40が結合される。そして、ゴム部材70の主要部がアウタハブ筒部41とインナハブ筒部51との間に配置されて、アウタハブ筒部41からインナハブ筒部51へ駆動力が伝達される。また、アウタハブ第2板部42bとアーマチュア20との間の隙間にゴム部材70の一部が配置されて、ゴム部材70とアウタハブ40との回転軸2a方向の相対移動が抑制される。
さらに、ゴム部材70は、アウタハブ40に対してロータ10から離れる方向に弾性力を作用させている。この弾性力により、電磁コイル31に通電されていないときには、図1に示すように、ロータの摩擦面13aとアーマチュア20の摩擦面20aとの間に隙間が形成される。
本実施形態では、図3に示される反アーマチュア側から見たゴム部材70の表面70aにおける一領域71と他の領域72とを比較すると、図4、5に示すように、インナハブ筒部51の端面513を覆うゴム部材70の厚さは、一領域71の厚さt1の方が他の領域72の厚さt2よりも薄くなっている。なお、図4、5は、図1中の領域A1の拡大図に相当する。
ここでいうゴム部材70の厚さとは、インナハブ筒部51の端面513を基準とした回転軸2a方向の厚さである。また、ここでいう一領域71は、インナハブ凸部51aの反ゴム圧縮側の外周面512の位置を含む領域であり、具体的には、インナハブ凸部51aの反ゴム圧縮側の端面513全域を含む領域である。他の領域72は、インナハブ凸部51aのゴム圧縮側の外周面511の位置を含む領域である。
一領域71でのゴム部材70の厚さを薄くする方法としては、加硫成形時、すなわち、成形金型の内部にインナハブ第1部材50を挿入した状態で、成形金型の内部に合成ゴム材料を注入してゴム部材70を成形する成形工程の際に、インナハブ筒部51の端面513のうち、上記した一領域71に対応する領域をスプリング付きのピンで押さえながら、ゴム部材70を成形する方法が挙げられる。スプリング付きのピンで押さえることで、一領域71でのゴム部材70の厚さを薄くすることが可能となるとともに、一領域71でのゴム部材70の厚さを均一にできる。このとき、スプリングの長さ等によってピンが押さえる力を調整することで、一領域71でのゴム部材70の厚さを任意に設定することができる。
次に、本実施形態の作動について説明する。電磁コイル31の通電時では、電磁コイル31が発生する電磁吸引力によって、アーマチュア20がロータ10の摩擦面13aに吸着され、ロータ10とアーマチュア20とが連結する。これにより、エンジンからの回転駆動力が、ロータ10、アーマチュア20、アウタハブ40、ゴム部材70、インナハブ第1部材50、インナハブ第2部材60を介して、圧縮機2へ伝達される。
一方、電磁コイル31の通電が遮断されると、すなわち、電磁コイル31の非通電時では、電磁吸引力が発生しないので、ゴム部材70の弾性力によって、アーマチュア20がロータ10の摩擦面13aから切り離される。これにより、エンジンからの回転駆動力は圧縮機2へ伝達されない。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、インナハブ筒部51の端面513を覆うゴム部材70の厚さは、図3に示されるゴム部材70の表面70aにおける一領域71の方が他の領域72よりも薄くなっている。この一領域71は、上記発明が解決しようとする課題の欄での説明の通り、インナハブ凸部51aの反ゴム圧縮側の外周面512の位置を含む領域であり、回転駆動力の伝達時に、引張応力が集中し、早期に亀裂が発生し易い領域である(図16参照)。
これによると、一領域71におけるゴム部材70の厚さを薄くしているので、その一領域にゴム部材70の厚さ方向に貫通する亀裂が生じても、図9、10に示すように、一領域71におけるゴム部材70の厚さが厚い場合と比較して、その亀裂の大きさを小さくできる。なお、図9、10に示す比較例では、一領域71と他の領域72のゴム部材70の厚さは同じである。
ここで、合成ゴム材料の亀裂進展による疲労寿命は下記の式で推定できることが一般に知られている。
Figure 0005920233

式中のNは疲労寿命であり、Wは歪エネルギーであり、C、β、mは係数であり、aはゴム中の初期欠陥の大きさである。この推定式より、初期に発生する亀裂(初期欠陥)を小さくすれば、亀裂が進展して破断に至るまでの疲労寿命が長くなり、耐久性を向上できることがわかる。
このため、本実施形態によれば、回転駆動力の伝達時に発生する引張応力によって、インナハブ筒部51の端面513を覆うゴム部材70に初期の亀裂が発生したとしても、アウタハブ40側まで亀裂が進展する際の起点となる亀裂が小さいので、亀裂の進展速度を低減でき、ゴム部材70の耐久性を向上できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図6に示される反アーマチュア側から見たゴム部材70の表面70aにおける一領域71は、図7に示すように、インナハブ筒部51の端面513がゴム部材70から露出している。
このため、本実施形態においても、図7、8を比較してわかるように、インナハブ筒部51の端面513を覆うゴム部材70の厚さは、一領域71では厚さが0であり、一領域71の方が他の領域72の厚さt2よりも薄くなっていると言える。なお、図7、8は、図1中の領域A1の拡大図に相当する。
これによると、図9、10に示す比較例における引張応力が集中する領域にゴム部材が存在しないので、図9、10に示す比較例と比較して、亀裂(初期欠陥)の発生を抑制でき、ゴム部材70の耐久性を向上できる。
なお、本実施形態は、第1実施形態と同様に、上記した一領域71に対応する領域をスプリング付きのピンで押さえながら、ゴム部材70を成形することで実現可能である。第1実施形態よりも、ピンが押さえる力を強くする等により、インナハブ筒部51の端面513をゴム部材70から露出させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)上記各実施形態では、インナハブ凸部51aとアウタハブ凸部41aの数を、同一としたが、異ならせても良い。また、上記各実施形態においては、インナハブ凸部51aとアウタハブ凸部41aとを、径方向に重ならない位置に配置したが、径方向に重なる位置に配置しても良い。
(2)上記各実施形態では、ロータからアーマチュアへの回転駆動力の伝達および遮断を、電磁石への通電の断続によって行う電磁式クラッチに本発明を適用したが、これに限らず、磁力を利用して行う他のクラッチにも本発明の適用が可能である。他のクラッチとしては、例えば、特開2011−80579号公報等に記載のように、永久磁石の磁力を利用してロータとアーマチュアとを連結し、電磁石への通電によってロータとアーマチュアとを切り離す、いわゆる自己保持型のクラッチが挙げられる。
(3)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
10 ロータ
20 アーマチュア
40 アウタハブ
41 アウタハブ筒部
41a アウタハブ凸部
50 インナハブ第1部材(インナハブ)
51 インナハブ筒部
51a インナハブ凸部
511 インナハブ筒部のゴム圧縮側の外周面
512 インナハブ筒部の反ゴム圧縮側の外周面
513 インナハブ筒部の反アーマチュア側の端面
60 インナハブ第2部材(インナハブ)
70 ゴム部材

Claims (3)

  1. 回転駆動源からの回転駆動力を受けて回転するロータ(10)と、
    磁力によって前記ロータに吸着されるアーマチュア(20)と、
    回転軸方向に延びる筒状のアウタハブ筒部(41)を有し、前記アーマチュアに連結されるアウタハブ(40)と、
    前記アウタハブ筒部の内周側に配置されて回転軸方向に延びる筒状のインナハブ筒部(51)を有し、従動側機器の回転軸に連結されるインナハブ(50、60)と、
    合成ゴム材料からなり、前記アウタハブ筒部と前記インナハブ筒部との間に配置され、前記アウタハブ筒部から前記インナハブ筒部へ回転駆動力を伝達するゴム部材(70)とを備え、
    前記アウタハブ筒部は、径方向内側に突出するアウタハブ凸部(51a)が周方向に複数並んで形成されており、
    前記インナハブ筒部は、径方向外側に突出するインナハブ凸部(41a)が周方向に複数並んで形成されており、
    前記インナハブ筒部は、前記インナハブ凸部を構成する前記インナハブ凸部の頂部を挟んだ2つの外周面であって、回転駆動力の伝達時に、前記ゴム部材が圧縮されるゴム圧縮側の面(511)と、その反対側の反ゴム圧縮側の面(512)とを有し、
    前記インナハブ筒部は、前記ゴム部材と非接着の状態で、反アーマチュア側の端面(513)を含む表面が前記ゴム部材に覆われており、
    前記端面を覆う前記ゴム部材の前記端面を基準とした回転軸方向の厚さは、前記反アーマチュア側から見た前記ゴム部材の表面における前記反ゴム圧縮側の面の位置を含む一領域(71)の方が、前記ゴム圧縮側の面の位置を含む他の領域(72)よりも薄いことを特徴とするクラッチ。
  2. 前記一領域では、前記インナハブ筒部の前記端面が露出していることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ。
  3. 型の内部に前記インナハブの一部を挿入した状態で、前記型の内部に合成ゴム材料を注入して前記ゴム部材を成形する成形工程を備え、
    前記成形工程の際、前記インナハブ筒部の前記端面のうち、前記一領域に対応する領域をスプリング付きのピンで押さえながら、前記ゴム部材を成形することを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチの製造方法。

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