JP5920024B2 - フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法及びアニオン性親水基含有界面活性剤の製造方法 - Google Patents

フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法及びアニオン性親水基含有界面活性剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルコール等の極性溶剤の火災にも有効な消火薬剤に含まれるフッ素系界面活性剤の製造に用いるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物を収率良く得ることができる製造方法に関する。
一般に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミン等の極性溶剤の火災の場合、通常の石油火災用消火薬剤を用いて消火に当たっても、泡は燃焼液面に接触すると直ちに消泡してしまい、消火することができない。極性溶剤の火災にも有効な消火薬剤として、例えば、分子中に一級、二級及び三級のカチオン性基を有し、かつ一級のカチオン性基が全体のカチオン性基に対し40質量%以下であり、二級のカチオン性基が全体のカチオン性基に対し35重量%であるカチオン性ポリアミン系高分子化合物(A)と、アニオン性親水基含有界面活性剤(B)を含む消火薬剤が知られており、このアニオン性親水基含有界面活性剤(B)として、例えば、前記特許文献1の段落0027以下に開示された疎水性基として炭素数3〜20のフッ素化脂肪族基を有し、且つ、アニオン性基として4級アンモニウム塩を有するフッ素系界面活性剤が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)。
前記炭素数3〜20のフッ素化脂肪族基とアニオン性基として4級アンモニウム塩を有するフッ素系界面活性剤は、例えば、以下の工程を経て製造される。
チオール化工程:1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−ヨードオクタン等のヨウ素原子とフッ素化アルキル基を有する化合物にチオ尿素を反応させて、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−チオール等の末端チオール系化合物を得る工程。
スルホニルクロライド化工程:前記末端チオール化合物に、塩素を反応させて、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−スルホニルクロライド等のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物を得る工程
スルホニルアミド化工程:前記フッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物に、1,3プロパンジアミン等のジアミンを反応させて、3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタンスルホニルアミノ)−1−プロパンアミン等の片末端にフッ素化アルキル基を有し、且つ、片末端にアミノ基を有する化合物(フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド)を得る工程。
4級アミン化工程:前記フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミドに、モノクロル酢酸ナトリウムなどの化合物を反応させて、最終生成物である4級アンモニウム塩構造を有する化合物を得る工程。
前記スルホニルアミド化工程では、目的物であるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミドと共に、副生成物として前記フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミドのアミノ基に更にフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物が付加した化合物も生成される。この副反応物は溶剤に不要で、しかも、両末端にフッ素化脂肪族基を有し、末端にアミノ基を有していない為、前記4級アミン化工程において4級アンモニウム塩構造を付加させることができない。その為、副生成物は、目的とするフッ素系界面活性剤の原料とはならず、廃棄されていた。
前記スルホニルアミド化工程で得られる目的物と副生成物との生成割合(目的物:副生成物)は、スルホニルアミド化工程の反応の条件にもよるが、通常モル比で3:1程度であり、生成モル量は目的物の方が多い。しかしながら、目的物がフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物を1分子用いて得られるのに対して副生成物が該化合物を2分子用いて得られることから考えると、フッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物の約60%程度しか目的物の生成に使用されておらず、残りの約40%はフッ素系界面活性剤の原料とならない副生成物の生成に使われているのが現状である。
フッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物は、原料として価格が非常に高いフッ素化脂肪族基を有する化合物を用いている。その為、上記のようにスルホニルアミド化工程でフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物の40%がフッ素系界面活性剤の原料とならずに無駄になってしまう事は、前記フッ素系界面活性剤の製造コストを上昇させる要因となる。その為、スルホニルアミド化工程において、目的物であるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミドを得る際に、副生成物の生成を極力少なくすることが求められている。
特開2001−269421号公報
本発明が解決しようとする課題は、前記スルホニルアミド化工程において、フッ素化脂肪族基を含む好ましくない副生成物を極力生成せず、しかも、前記スルホニルクロライド化工程で得られるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物から収率良くフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物を製造するための製造方法及び、該製造方法で得られるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物を用いたアニオン性親水基含有界面活性剤の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を見出した。
1.ジアミン化合物とケトン化合物とを反応させて得られる一つのアミン基と一つのケチミン基を有する化合物はアミノ基を一つしか有していない。その為、この化合物1分子はフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物1分子としか反応せず、前記のようなフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物が1分子用いられた副生成物が生成しない。
2.一つのアミン基と一つのケチミン基を有する化合物とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物とを反応させて得られる反応物に水を加えることにより、該ケチミン基が加水分解されて、フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミドとケトンとなる。
3.ジアミン化合物とケトン化合物との反応は可逆反応であり、ジアミン化合物とケトン化合物とを反応させる反応系には、ジアミン化合物、ケトン化合物、ジアミン化合物1分子とケトン化合物1分子との反応物(一つのアミン基と一つのケチミン基を有する化合物)、ジアミン化合物1分子とケトン化合物2分子との反応物(副生成物)との混合物となるが、反応系に仕込む際のジアミン化合物のアミノ基のモル量とケトン化合物のケトン基のモル量を特定の範囲とすることで、副生成物の生成量を極力抑えつつ、また、ジアミン化合物の量も極力抑えることができる。
4.ジアミン化合物とケトン化合物とを反応させると水が生成する。この反応は平衡反応のため、反応を進行させるためにこの水は反応系から排出する必要があるが、水に溶け易いケトン化合物を用いると、水の排出と共にケトン化合物が系外へと排出されてしまう為、前記3.においてモル量を特定の範囲に仕込んでもケトン化合物が不足してしまい、目的とする一つのアミン基と一つのケチミン基を有する化合物を最大効率下で得にくい。
5.前記4.を解決するためには、沸点が水より高いケトン化合物を用いればよい。
本発明は上記知見に基づき完成したものである。
更に、本発明は、沸点が110〜200℃のケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との比率が、モル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.3以上となる範囲で反応系に仕込み、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との反応と該反応を行う反応系から該反応で生成される水の排出とを行って一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む混合物を得る工程であり、該反応を、仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対してケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応により生成する水が0.6〜1.95モルとなるまで行う第一工程(ただし、前記ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを有機溶剤中で反応させて一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む混合物を得る工程を除く。)と、
該混合物中の化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)とを反応させて、ケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物(C)を得る第二工程と、
該化合物(C)が有するケチミン基を加水分解することにより化合物(C)中にアミノ基を生成する第三工程
を含むことを特徴とするスルホニルアミド化合物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法で得られるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物とハロゲン化有機酸の金属塩とを反応させることを特徴とするアニオン性親水基含有界面活性剤の製造方法を提供するものである。
本発明により、収率良くフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物を製造する方法を提供することができる。また、得られる該スルホニルアミド化合物を用いることにより、消火薬剤を構成する成分であるアニオン性親水基含有界面活性剤を得ることができる。
本発明のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法は、下記第一工程〜第三工程を含む製造方法である。
第一工程:沸点が110〜200℃のケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との比率が、モル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.3以上となる範囲で反応系に仕込み、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との反応と該反応を行う反応系から該反応で生成される水の排出とを行って一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む混合物を得る工程であり、該反応を、仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対してケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応により生成する水が0.6〜1.95モルとなるまで行う工程。
第二工程:前記第一工程で得られる混合物中の化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)とを反応させて、ケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物(C)を得る工程。
第三工程:前記第二工程で得られる化合物(C)が有するケチミン基を加水分解することにより化合物(C)中にアミノ基を生成する工程。
前記第一工程で用いるケトン化合物(a1)は、沸点が110〜200℃である必要がある。沸点が110℃より小さいケトン化合物を用いると水の排出を行うために行う精留工程において水とケトンとが共沸混合物となり、反応系外にケトンが排出されてしまう。その結果、収率良くフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物を製造することが困難となることから好ましくない。沸点が200℃より高いと後述する第三工程において、加水分解反応を進行させにくいことから好ましくない。
本発明で用いるケトン化合物(a1)としては、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキシルケトン等が挙げられる。ケトン化合物(a1)の中でも、第一工程において水と共に排出されにくく、且つ後述する第三工程において系外へ排出しやすく加水分解反応を進行させやすいことから沸点が115〜150℃のケトン化合物が好ましく、中でもメチルイソブチルケトンがより好ましい。
本発明で用いるジアミン化合物(a2)としては、例えば、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン、芳香族ジアミン等が挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記脂環式ジアミンとしては、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
前記ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
前記芳香族ジアミンとしては、例えば、1,1−メタキシリレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノーN,N―ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン等が挙げられる。
本発明で用いるジアミン化合物(a2)としてはアルコールに対する耐性が高く、且つ、水溶性も具備するアニオン性親水基含有界面活性剤が得られることから脂肪族系ジアミン化合物が好ましく、炭素原子数が2〜6の脂肪族系ジアミン化合物がより好ましく、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミンが更に好ましく、プロパンジアミンが特に好ましい。
前記第一工程では、前記ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との比率が、モル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.3以上となる範囲で反応系に仕込む。仕込む際の比率が、モル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.3よりも小さいと得られる一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)の量が十分でなく、収率良くスルホニルアミド化合物を製造することが困難となることから好ましくない。ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)は、モル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.5〜0.95となる範囲で仕込む事が、得られる一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)の量が十分で、収率良くスルホニルアミド化合物を製造することできることから好ましい。
また、前記第一工程において、上記の通りケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを反応系に仕込み、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)とを反応させて、一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む混合物を得る。反応の際の反応系の温度は通常100〜260℃であり、好ましくは、120〜180℃である。
ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)との反応は、ケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応で副生成物として生成される水の量が、仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対して0.6〜1.95モルとなるまで行う。生成される水の量が仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対して0.6モルより少ないと得られる一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)の量が十分でなく、収率良くスルホニルアミド化合物を製造することが困難となることから好ましくない。また、生成される水の量が仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対して1.95モルより多いと得られる一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)の量が十分でなく、収率良くスルホニルアミド化合物を製造することが困難となることから好ましくない。ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)との反応は、ケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応で副生成物として生成される水の量が、仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対して1.0〜1.85モルとなるまで行うのが好ましい。
前記の通り、ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とのにより水が生成する。ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)との反応を進行させるためには水を反応系から除去する必要がある。反応系から除去するには、例えば、ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを精留塔を備えた反応容器に仕込み、ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)との反応の進行と共に反応系内の水を精留により系外へ排出すればよい。
第一工程においてケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを反応させる時間は、通常4〜30時間であり、6〜20時間がより好ましい。
第一工程により得られる混合物は、一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む。混合物中には、化合物(A)以外の化合物、例えば、ケトン化合物(a1)やジアミン化合物(a2)等の未反応の原料や、化合物(A)のアミノ基に更にケトン基が反応し、更にケチミン基が生成された化合物(ジケチミン体)等の一種以上を含む。この混合物中にジアミン化合物(a2)が多量に存在すると、後述する第二工程でフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)と反応した際、ジアミン化合物(a2)1分子とスルホニルクロライド化合物(B)2分子とか反応した化合物が多量に得られる。この化合物は溶剤に不溶で、4級アミン化もできないことから、この化合物からフッ素系界面活性剤を得ることができない。その為、価格が高いスルホニルクロライド化合物(B)が無駄になり製品コストを引き上げる。本発明においては、得られる混合物中のジアミン化合物(a2)の含有量は混合物100質量部に対して10質量部程度であり、ジアミン化合物(a2)1分子とスルホニルクロライド化合物(B)2分子とか反応した化合物の生成量も従来技術と比べて大幅に少なく、価格が高いスルホニルクロライド化合物(B)を無駄なく使用する事ができる。
また、前記ジケチミン体はスルホニルクロライド化合物(B)とは反応せず、後述する第三工程後にフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物を溶解させる溶剤として使用しても良いし、第三工程後に回収して加水分解することによりケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)を再生し、これらの化合物を再利用しても良い。
本発明の第二工程は、前記第一工程で得られた混合物中の化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)とを反応させて、ケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物(C)を得る工程である。この工程では化合物(A)中のアミノ基とスルホニルクロライド化合物(B)中のスルホニルクロライド基とを反応させる。
前記スルホニルクロライド化合物(B)としては、例えば、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−スルフォニルクロライド1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−モノデカフルオロヘキサン−1−スルフォニルクロライド、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルフォニルクロライド、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサン−1−スルフォニルクロライド等が挙げられる。
化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)とを反応させる際の反応温度としては、例えば、0〜80℃であり、好ましくは5〜50℃である。また、反応時間は例えば、0.5〜6時間であり、好ましくは1〜4時間である。
化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)との反応割合としては、フッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)が有するスルホニルクロライド基1モルに対して化合物(A)が有するアミノ基が1.5〜10となる範囲が収量を多くケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物(C)を得ることができることから好ましく、3〜9となる範囲がより好ましい。
第三工程は、第二工程により得られるケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物(C)が有するケチミン基を加水分解することにより化合物(C)中にアミノ基を生成させる工程である。加水分解する際の反応系の温度は例えば、80〜160℃であり、好ましくは100〜140℃である。また、反応時間は例えば、12〜48時間である。尚、第三工程では、加水分解を進行させるために、加水分解により生成するケトン化合物(a1)を排出させる。
前記第一工程〜第三工程を含む本発明の製造方法によりフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物が高収率で得られる。更に、フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物とハロゲン化有機酸の金属塩とを反応させることにより、アルコール等の極性溶剤の火災にも有効な消火薬剤の構成成分として好適なアニオン性親水基含有界面活性剤を製造することができる。
前記ハロゲン化有機酸の金属塩としては、例えば、クロロ酢酸ナトリウム、3−モノクロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム等を好ましく例示できる。本発明においては、クロロ酢酸ナトリウムと3−モノクロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムとを併用するのが、アルコールに対する耐性が高く、且つ、水溶性も具備するアニオン性親水基含有界面活性剤が得られることから好ましい。
フッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物とハロゲン化有機酸の金属塩とを反応させる際の反応割合としては、アルコールに対する耐性が高く、且つ、水溶性も具備するアニオン性親水基含有界面活性剤が得られることからフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物1モルに対してハロゲン化有機酸の金属塩を2〜10モルが好ましく、3〜8モルがより好ましい。
本発明の製造方法で得られるアニオン性親水基含有界面活性剤は、例えば、分子中に一級、二級及び三級のカチオン性基を有し、かつ一級のカチオン性基が全体のカチオン性基に対し40重量%以下であるカチオン性ポリアミン系高分子化合物と混合することによりアルコール等の極性溶剤の火災にも有効な消火薬剤を得ることができる。
前記カチオン性ポリアミン系高分子化合物とは、アミノ基、アンモニウム基、ピリジニウム基、又は四級アンモニウム基の如きカチオン性基を含む高分子化合物をいい、通常水への溶解度が0.1重量%以上である水溶性高分子化合物である。
上記カチオン性基は、一級、二級、三級の種類があり、これらのカチオン性基はポリアミン系高分子化合物の主鎖にあっても側鎖にあってもよい。
カチオン性基の、一級、二級、三級の量的割合は、特に限定されないが、一級のカチオン性基が全体のカチオン性基に対し40重量%以下含むことが好ましい。
該カチオン性ポリアミン系高分子化合物の重合度は、水への溶解性に規制されるが、オリゴマー領域から重合度が数万以上、即ち分子量が、数平均分子量で1,000〜1,000,000程度、更に4,000〜300,000のものが好ましく、最も優れた極性溶剤に対する消火性能、及び耐焔性、耐液性を発現する上では重合度が50,000〜100,000のものが特に好ましい。
前記カチオン性ポリアミン系高分子化合物の具体例としては、次の如きものが挙げられる。
A−I ポリエチレンイミン
A−II N−置換体ポリエチレンイミン
前記N−置換体として例えば−CnH2n+1、−CONHCnH2n+1、−COCnH2n+1、または −(CH2CH2O)n−H(但し、nは1〜6の整数を表す。)等が挙げられる。
Figure 0005920024
前記消火薬剤には、さらに多塩基酸化合物を添加することが好ましい。多塩基酸化合物は非界面活性の化合物であり、例えば芳香族基、脂肪族基、複素環等を有する炭素数3〜24の二塩基酸、三塩基酸、四塩基酸、五塩基酸、六塩基酸等およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、酸基としてはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等を包含する
多塩基酸化合物は単独であっても二種以上で構成されるものであってもよい。多塩基酸化合物を添加することにより、前記水溶性カチオン性高分子化合物と静電的相互作用をすることにより、耐焔性、耐液性をさらに向上させることができる。多塩基酸化合物は、分子中に酸基を有する化合物であれば、酸基の種類及び数、炭素鎖の長さ、分子量等には制限なく、どのようなものでも構わない。これらのなかでも、多塩基酸化合物としては、相溶性の点で炭素数4〜18の二塩基酸化合物を用いることが望ましい。本発明の係る多塩基酸化合物の具体的化合物としては、以下のものを例示することができる。
Figure 0005920024
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前記消火薬剤においては、さらに各種添加剤を加えることができる。添加剤として例えば、付加的泡安定剤、凝固点降下剤、防錆剤、pH調整剤等が挙げられる。
付加的泡安定剤は、主に発泡倍率あるいはドレネージを調節するために添加され、例としてグリセリン脂肪族エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド等の非イオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、ポリプロピレングリコール、ポリビニル樹脂等が挙げられる。
凝固点降下剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ類(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ)、カルビトール類(エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、オクチルカルビトール)、低級アルコール(イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール)、あるいは尿素などが挙げられる。
防錆剤、pH調整剤は当該業界周知の種々のものを使用でき、特に限定されるものではない。
前記消火薬剤は、種々の方法で、即ち空気、炭酸ガス、窒素、ジフロロジクロロメタンのような低沸点フロロカーボン類または他の適当な不燃気体を吹き込むか混ぜることによって適用できる。即ち、前記消火薬剤原液の粘度は比較的低いので、濃厚原液を備蓄タンクに貯蔵し、使用時に通常の方法、例えば消火装置または泡ノズルに至る途中から水流中に吸い込ませることにより希釈度を調節し、空気等の不燃気体を吹き込むか混合することによって発泡させ、火炎の上方または表面下より泡を放射または送り込む方法により使用することもできる。あるいはあらかじめ水で使用濃度に希釈して、消火器、駐車場消火設備、危険物固定消火設備、パッケージ型消火設備等に充填して使用することも可能である。
前記消火薬剤を放射する方法については、種々の消火薬剤用途に使用される公知慣用の放射ノズルであればいずれのノズルを使用することができ、所望の性能を発揮することができる。
ノズルとしては、例えば石油タンク等に最も汎用に用いられるフォームチャンバーやISO規格に則したノズル、UL規格に則したノズル、MIL規格に則したノズル、化学消防車等に付属されているハンドノズル、エアフォームハンドノズル、SSI用ノズル、日本舶用品協会規定のHKノズルや、駐車場消火設備に用いられるフォームヘッド、更に噴霧ヘッド等が挙げられる。
前記消火薬剤は、前記の如く多種多様な放射方法で使用することができる。これまで従来の消火薬剤に比して広範囲の用途における使用に供することができる。具体的な用途としては、公設消防機関が保有する化学消防車、原液搬送車への配備が可能なことは勿論であり、加えて原油タンクや危険物施設を所有する石油基地や工場関係、空港施設、危険物が積載される港湾施設および船舶、ガソリンスタンド、地下駐車場、ビル、トンネル、橋梁等が挙げられる。また、液体危険物火災以外の一般火災、例えば家屋等の木材火災、タイヤ等のゴム、及びプラスチック火災に対しても好適に使用することができる。また更に、本発明の消火薬剤は、耐液性、耐焔性、耐熱性に起泡性にも優れていることから、濃厚原液もしくは低希釈度水溶液を、燃焼油面に直接注入することにより、天ぷら油またはサラダ油等の火災の窒息もしくは冷却消火に適している。また本発明の消火薬剤は希釈溶解安定性にも優れていることから、希釈液をスプレー缶に充填して、簡易型家庭用初期消火器として使用することができる。また、本発明の消火薬剤からなる泡は、水を基体とする水溶液、ゾル−ゲル状物質、汚泥、汚物や各種有機溶剤、有機化合物上にて安定に存在しうるため、これらの物質から揮散する物質の蒸発抑制が可能であり、引火物の着火防止や臭気発生防止に使用することができる。
また、本発明の消火薬剤は、重炭酸ソーダ、重炭酸カリ、重炭酸マグネシウム、硫酸アンモン、リン酸アンモン、炭酸カルシウムなどを成分とする粉末消火剤、蛋白泡消火薬剤、合成界面泡消火薬剤等と併用することができる。
実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
精留塔を備えた清浄な3Lセパラブルフラスコに1,3−プロパンジアミンを216.7g、メチルイソブチルケトン526.1gを仕込んだ。フラスコ内の反応系内の温度を150℃まで昇温し、6時間かけて1,3−プロパンジアミンとメチルイソブチルケトンとの反応と、生成される水の精留による系外への排出を行い、一つのアミノ基と一つのケチミン基を有する化合物を含む混合物を得た。脱水停止後、反応系内の温度を30℃まで降温した。この反応で得られた水の生成量は1.2モルであった。
別容器にて3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−スルフォニルクロライド78.4gをトルエン313.2gに溶解した溶液を調製した。この溶液を前記混合物が入っているセパラブルフラスコに投入し、発熱が収まった後、45℃にて2時間攪拌し、ケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物を得た。
次に、3Lセパラブルフラスコに水を加えてケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物以外の化合物(1,3−プロパンジアミン、一つのアミノ基と一つのケチミン基を有する化合物等)の除去を行った。具体的には、ケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物入っているセパラブルフラスコにイオン交換水300.6gを投入し、30℃まで降温し1時間攪拌し、1時間静置し該化合物のケチミン基の加水分解を行った。その後、セパラブルフラスコから水層を分液した。分液した水層は406.3重量部であった。更に、セパラブルフラスコにイオン交換水250.5gを投入し、45℃で1時間攪拌後、1時間静置し、該化合物のケチミン基の加水分解を行った。その後、セパラブルフラスコから水層を分液した。分液した水層は294.8gであった。再度、同様の水洗操作を行い、油層872.1gを得た。
この油層にイオン交換水76.6gを加え系内を88℃に保ち1時間かけて加水分解反応を行うと共に、生成されたメチルイソブチルケトンを系外へ排出した。この操作を更に4回繰り返し、系内に残存する生成物を乾燥させ固形分76.6gを得た。この固形分をGC−MSにて分析したところ、分子量484であり、目的物である片末端アミノ基を有するフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物であることが確認された。反応に用いた3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−スルフォニルクロライドに対する片末端アミノ基を有するフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の収率(モル換算)は収率88.5質量%であった。
比較例
清浄な3Lセパラブルフラスコに1,3−プロパンジアミンを148.2g、トルエン134gを仕込んだ。3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−スルフォニルクロライド89.3gをトルエン356.9gに溶解した溶液を調製した。攪拌中の3Lセパラブルフラスコに該溶液を仕込んだ。発熱が収まった後、45℃で2時間攪拌した。1−ブタノール400gとイオン交換水342gとを投入し、80℃へ昇温した。80℃へ到達後、攪拌を停止し、45℃へ降温した。45℃へ到達後、1時間静置し、水層を分液した。分液した水層は390gであった。
前記セパラブルフラスコにイオン交換水286gを投入し、45℃で1時間攪拌後、1時間静置し、水層を分液した。分液した水層は413gであった。再度、同様の水洗操作を行い、油層840gを得た。この油層から溶剤部分を減圧脱溶剤し、固形分60.0gを得た。この固形分をGC−MSにて分析したところ、分子量484であり、目的物である片末端アミノ基を有するフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物であることが確認された。反応に用いた3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクタン−1−スルフォニルクロライドに対する片末端アミノ基を有するフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の収率(モル換算)は収率61.9質量%であった。

Claims (7)

  1. 沸点が110〜200℃のケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との比率が、モル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.3以上となる範囲で反応系に仕込み、ケトン化合物(a1)が有するケトン基(a1−1)とジアミン化合物(a2)が有するアミノ基(a2−1)との反応と該反応を行う反応系から該反応で生成される水の排出とを行って一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む混合物を得る工程であり、該反応を、仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対してケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応により生成する水が0.6〜1.95モルとなるまで行う第一工程(ただし、前記ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを有機溶剤中で反応させて一つのアミノ基と一つのケチミン基とを有する化合物(A)を含む混合物を得る工程を除く。)と、
    該混合物中の化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)とを反応させて、ケチミン基を有するフッ素化脂肪族基含有化合物(C)を得る第二工程と、
    該化合物(C)が有するケチミン基を加水分解することにより化合物(C)中にアミノ基を生成する第三工程
    を含むことを特徴とするスルホニルアミド化合物の製造方法。
  2. 前記第一工程において、ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを、ケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)とのモル比〔(a1−1)/(a2−1)〕で0.5〜0.95となる範囲で仕込む、請求項1記載のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法。
  3. 前記第一工程において、仕込んだジアミン化合物(a2)1モルに対してケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応により生成する水が1.0〜1.85モルとなるまでケトン基(a1−1)とアミノ基(a2−1)との反応を行う請求項1記載のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法。
  4. 前記ケトン化合物(a1)がメチルイソブチルケトンで、ジアミン化合物(a2)が1,3−プロパンジアミンである請求項1記載のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法。
  5. 前記第二工程において、フッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)が有するスルホニルクロライド基1モルに対して化合物(A)が有するアミノ基が1.5〜10となる範囲で化合物(A)とフッ素化脂肪族基を含むスルホニルクロライド化合物(B)とを反応させる請求項1記載のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法。
  6. 前記ケトン化合物(a1)とジアミン化合物(a2)とを120〜180℃の環境下で反応させる請求項1記載のフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法で得られるフッ素化脂肪族基を含むスルホニルアミド化合物とハロゲン化有機酸の金属塩とを反応させることを特徴とするアニオン性親水基含有界面活性剤の製造方法。
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