JP5916231B2 - 電磁回転機構及びそれを備えたチューブポンプ - Google Patents

電磁回転機構及びそれを備えたチューブポンプ Download PDF

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本発明は、平面内2自由度で自転及び公転自在なロータの軸心の変位を出力とする電磁回転機構及びそれを備えたチューブポンプに関する。
従来より、チューブポンプのチューブを押圧する回転体を回転駆動する駆動源として電磁回転機構が知られている。この種の電磁回転機構は、回転体の軸心と電磁回転機構の軸心をずらす偏心機構を介して回転体に取り付けられる。電磁回転機構が駆動されることにより、回転体が偏心運動してポンプケースの円筒状内壁面に配置されたチューブを順次圧閉し、チューブ内の流体が送出される。
また、磁性材料から成る円板状の可動部材の周りを複数の電磁石を有したステータが囲み、これら電磁石が制御部によって通電制御されることにより、チューブの押圧力を可変とした電磁回転機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の電磁回転機構において、電磁石は、ステータの内周面から内側へ突出してコイルが巻回されて成る。電磁石の先端面は、可動部材の軌道面上の外周縁部が入り込むための溝が設けられてコノ字状に形成され、その外周縁部の上下面と非接触で対向している。そのため、電磁石と可動部材との間のギャップが一定に保たれて、磁気抵抗や磁束漏れが少なく、高効率化も可能となっている。
特開2001−169530号公報
しかしながら、上記のような電磁回転機構は、一定の回転力を出力して回転体を回転させるので、チューブの押圧力は一定となり可変制御することは難しい。また、上記特許文献1に示されるようなチューブの押圧力を可変とした電磁回転機構は、可動部材に作用する磁気力は、可動部材が電磁石の溝に入り込むまでの間だけ発生するので、可動部材の移動距離が制約されて必要とされるチューブの押圧力を得ることができない虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、チューブの押圧力を可変制御でき、かつロータの移動距離が制約されることなく必要なチューブの押圧力を得ることができる電磁回転機構、及びそれを備えたチューブポンプを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明の電磁回転機構は、円環状の磁石を有するロータと、前記磁石と平面対向して前記ロータに磁気力を作用させる複数の電磁コイルを円環状に配列したステータと、前記電磁コイルの通電を制御する制御部と、を備え、前記ロータが平面内2自由度でもって自転及び公転自在で、該ロータの軸心の変位を出力とする電磁回転機構であって、前記磁石及び電磁コイルは、それぞれ軸心方向に着磁又は励磁され、かつ該軸心を囲むように配置され、これらのうち少なくとも一方は同心円状に複数列配置され、前記制御部が、前記複数の電磁コイルを順次通電することにより、前記ロータが該電磁コイルから順次吸引力又は反発力を受けて自転及び公転運動することを特徴とする。
上記電磁回転機構において、前記磁石及び電磁コイルは、これらの軸心を合わせた状態において、軸心方向に見たとき、前記磁石及び電磁コイルのうちの列数が少ない方が、該磁石及び電磁コイルのうちの列数が多い方の最外周径と最内周径との間に入るように、いずれか一方が奇数列配置され、他方が偶数列配置されることが好ましい。
上記電磁回転機構において、前記ロータ及びステータを収納するハウジングをさらに備え、前記ロータは、該ロータを自転及び公転自在に支持する軸を有し、この軸は、該軸に設けられた円板を介してベアリングにより前記ハウジングに支持され、前記ベアリングは、前記円板を上下面から挟むように前記ハウジングに設けられて、前記ロータとステータとの間のギャップを一定に維持することが好ましい。
上記電磁回転機構において、前記ロータは、前記磁石の内周側に配置され、かつ軸心方向に着磁された円環状の第2の磁石をさらに備え、前記ステータは、前記電磁コイルの内周側に設けられた、前記第2の磁石よりも大径の円環状の磁性体をさらに備え、前記第2の磁石と前記磁性体との間に働く偏心力により前記吸引力を付勢するようにしたことが好ましい。
上記電磁回転機構において、前記円板の外周上下面に設けられ、かつ軸心方向に着磁された円環状の第3の磁石と、前記第3の磁石よりも外周位置において該第3の磁石を上下方向から挟むように対向して前記ハウジングに設けられた円環状の第2の磁性体と、を備え、前記第3の磁石と前記第2の磁性体との間に働く偏心力により前記吸引力を付勢するようにしたことが好ましい。
上記電磁回転機構において、前記ロータ及びステータの組が運動機構部を成し、前記ベアリング及び円板が支持機構部を成し、前記運動機構部が前記支持機構部を中心に軸心方向上下に対称に設けられることが好ましい。
上記電磁回転機構において、円筒状の内壁面を有するポンプケースと、前記内壁面に沿わせて円環状に配置され液体が流出されるチューブと、前記チューブの内周面において自転及び公転しながら移動することができる回転体と、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された電磁回転機構と、を備え、前記回転体が、前記電磁回転機構により駆動されることにより、該回転体が前記チューブを前記内壁面に対して圧迫して該チューブ内の流体を送出することが好ましい。
本発明の電磁回転機構によれば、制御部が複数の電磁コイルを順次通電してロータに作用する吸引力及び反発力を制御することができるので、チューブの押圧力を可変制御できる。また、少なくとも一方が同心円状に複数列配置された磁石又は電磁コイルが、互いに平面対向して吸引又は反発し合うことによりロータが移動するので、磁石又は電磁コイルの構成を適宜に選択することによって、ロータの移動距離が制約されることなく必要なチューブの押圧力を得ることができる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る電磁回転機構を示す断面図、(b)は同電磁回転機構が備えているロータ及びステータを示す上面図。 (a)は同ロータを示す下方斜視図、(b)は(a)のA−A線断面相当図。 (a)は同ステータを示す上方斜視図、(b)は(a)のA−A線断面相当図。 同電磁回転機構の制御系を示す回路図。 同電磁回転機構が備えているコイルの通電タイミングを示すタイミングチャート図。 (a)乃至(h)は同電磁回転機構の動作を説明するための上面図。 (a)乃至(d)は同電磁回転機構の動作を説明するための断面図。 同電磁回転機構がロータを支持する支持機構部を備えた構成を示す断面図。 同支持機構部の変形例を示す断面図。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る電磁回転機構が備えているロータ及びステータを示す断面図、(b)は同ロータを示す下方斜視図、(c)は同ステータを示す上方斜視図。 (a)は同電磁回転機構の動作を説明するための断面図、(b)はその一部の上面図。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る電磁回転機構が備えているロータ及びステータを示す断面図、(b)は同ロータを示す下方斜視図、(c)は同ステータを示す上方斜視図。 (a)は本発明の第4の実施形態に係る電磁回転機構が備えているロータ及びステータを示す断面図、(b)は同ロータを示す下方斜視図、(c)は同ステータを示す上方斜視図。 本発明の電磁回転機構を備えたチューブポンプを示す断面図。 (a)乃至(c)は同チューブポンプの動作を説明するための断面図。 同チューブポンプの第1の変形例を示す断面図。 同チューブポンプの第2の変形例を示す断面図。 同チューブポンプの第3の変形例を示す断面図。
本発明の第1の実施形態に係る電磁回転機構について、図1乃至図7を参照して説明する。図1乃至図3に示すように、電磁回転機構1は、円環状の磁石3を有するロータ2と、ロータ2に磁気力を作用させる複数の電磁コイル(以下、コイルという)5を有するステータ4と、コイル5の通電を制御する制御部(不図示)と、を備える。ロータ2及びステータ4は、ともに円環状であり、互いに軸心を合わせた状態で平面対向している。磁石3とコイル5は、ロータ2とステータ4との間で互いに接近した状態で平面対向している。磁石3は、ロータ2の軸心を囲むように配置され、軸心方向に着磁されている。すなわち、磁石3のコイル5側は、周方向に沿って同一の磁極を有する。コイル5は、ステータ4の軸心を囲むように同心円状に2列配置され、制御部による通電によって軸心方向に励磁される。制御部がコイル5を周方向に順次通電することにより、コイル5の磁石3側が、磁石3のコイル5側と同極又は異極となり、ロータ2がコイル5から磁気力を受けてロータ2の軸心を変位させる。
ロータ2は、その軸心に沿って軸8を有する。軸8は、その一端がロータ2の中心を通って負荷、例えばチューブポンプの回転体に取り付けられ、他端がステータ4の中心を通って軸受(不図示)に取り付けられてロータ2を自転及び公転自在に支持している。磁石3は、ロータ2の外周縁部上に配置され、コイル5側がN極、それと反対側がS極となるように着磁されている。磁石3としては、永久磁石が用いられる。
ステータ4は、固定されており、その上面にロータ2及びコイル5を収納するハウジング9が設けられている。コイル5は、ステータ4の軸心回りに配置された外周側コイル6と、内周側コイル7と、から成る。コイル6,7は、それぞれ複数個、ここでは16個あり、その周方向配置位置に対応して説明するときは、コイルa1〜a16、コイルb1〜b16と称する。コイル6,7の径方向の幅は、それぞれ磁石3の径方向の幅と等しくされているが、これに限られるものではない。コイル6,7の磁石3側は、N極又はS極となるように励磁される。磁極の強度は、制御部によって適宜に調整される。コイル5としては、鉄心にコイルが巻回されたものを用いてもよい。
ロータ2の軸心とステータ4の軸心とを合わせた状態において、軸心方向から見たとき、磁石3は、コイル6の外周径とコイル7の内周径との間に入るように配置されることが好ましく、本例では、磁石3の中心が、コイル6の外周径とコイル7内周径との中間に位置している。ここで、磁石3の径方向の移動距離は、コイル6の外周径とコイル7の内周径との間に相当する距離であり、磁石3又はコイル6,7の径方向の幅により決定される。従って、本回転機構がチューブポンプに用いられたとき、チューブの直径に応じて必要な押圧力を考慮して、磁石3又はコイル6,7の径方向の幅を適宜に選択することにより、磁石3の径方向の移動距離を自由に調整することができる。
図4は、電磁回転機構1のコイル6,7を制御するための制御系を示す。制御部11は、8つのチャンネルを有し、各チャンネルに、4個のコイル6,7が直列に接続されている。この4個のコイル6,7は、外周及び内周側で隣接するコイル6,7の、例えば、コイルa5,b5と、これらとステータ4の軸心に対して対称な位置にあるコイル6,7の、例えば、コイルa13,b13に相当する。また、ステータ4の軸心に対して対称な位置関係にあるコイル6,7同士は、互いに逆向きに巻回されている。そのため、制御部11は、ステータ4の軸心に対して対称な位置関係にあるコイル6,7同士を同時に通電し、また、これらのコイル6,7同士が互いに逆向きの磁界を生じて異極となるように励磁される。
図5は、制御部11による通電制御を示し、図6及び図7はそのときのロータ2の経時変位を示す。図5の縦軸は時間tを示し、横軸は外周及び内周側で隣接するコイルの番号n、例えば横軸の「1」及び「16」は、それぞれコイルa1,b1及びコイルa16,b16を示す。制御部11は、t=t1〜t16の各タイミングにおいて、同時に16個のコイル6,7を通電する。この16個のコイル6,7は、隣接する4個のコイル6(図6においてP1,P2などで示す)、これらコイル6と内周側に隣接する4個のコイル7(同)、及びこれら8個のコイル6,7とステータ4の軸心に対して対称な位置にある8個のコイル6,7(図6においてQ1,Q2などで示す)に相当する。また、制御部11は、t=t1〜t16の間、通電するコイル6,7の位置を反時計回りに1つずつずらしていき、ロータ2は、それに伴って16個の異なるポジションに変位する。以下において、t=t1,t3,t5、t7、t9、t11、t13、t15のときについて具体的に説明する。
t=t1のとき、通電が開始されて、コイルa1,a2,a15,a16,b1,b2,b15,b16(以下、通電部P1という)と、コイルa7〜a10,b7〜b10(以下、通電部Q1という)が通電される。このとき、通電部P1及び通電部Q1の磁石3側が、それぞれS極及びN極となるように励磁される。ロータ2の磁石3のコイル5側はN極に着磁されているので、磁石3と通電部P1が互いに吸引し、磁石3と通電部Q1が互いに反発して、ロータ2はステータ4の軸心に対して上方へ変位する(図6(a)及び図7(a))。
t=t3のとき、上記と同様に、コイルa1〜a4,b1〜b4から成る通電部P2、及びコイルa9〜a12,b9〜b12から成る通電部Q2が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して左斜め上方へ変位する(図6(b))。
t=t5のとき、コイルa3〜a6,b3〜b6から成る通電部P3、及びコイルa11〜a14,b11〜b14から成る通電部Q3が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して左方へ変位する(図6(c)及び図7(b))。
t=t7のとき、コイルa5〜a8,b5〜b8から成る通電部P4、及びコイルa13〜a16,b13〜b16から成る通電部Q4が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して左斜め下方へ変位する(図6(d))。
t=t9のとき、コイルa7〜a10,b7〜b10から成る通電部P5、及びコイルa15,a16,a1,a2,b15,b16,b1,b2から成る通電部Q5が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して下方へ変位する(図6(e)及び図7(c))。
t=t11のとき、コイルa9〜a12,b9〜b12から成る通電部P6、及びコイルa1〜a4,b1〜b4から成る通電部Q6が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して右斜め下方へ変位する(図6(f))。
t=t13のとき、コイルa11〜a14,b11〜b14から成る通電部P7、及びコイルa3〜a6,b3〜b6から成る通電部Q7が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して右方へ変位する(図6(g)及び図7(d))。
t=t15のとき、コイルa13〜a16,b13〜b16から成る通電部P8、及びコイルa5〜a8,b5〜b8から成る通電部Q8が、それぞれ磁石3側をS極及びN極とし、ロータ2はステータ4の軸心に対して右斜め上方へ変位する(図6(h))。その後、ロータ2は、再びステータ4の軸心に対して上方へ変位して図6(a)の状態に戻る。
このように本実施形態の電磁回転機構1によれば、制御部11がコイル6,7を通電制御してロータ2に作用する吸引力及び反発力を制御することができるので、ロータ2の径方向に発生する力を可変とし、チューブ102の押圧力を可変制御できる。また、少なくとも一方が同心円状に複数列配置された磁石3又はコイル5が、互いに平面対向して吸引又は反発し合ってロータ2が移動するので、磁石3又はコイル5の構成を適宜に選択することにより、ロータ2の移動距離が制約されることなく必要なチューブの押圧力を得ることができる。
図8は、電磁回転機構1がロータ2を支持する支持機構部20を備えた構成を示す。支持機構部20は、ロータ2及びステータ4の組が成す運動機構部10の下方に設けられたハウジング23内に収納されている。この支持機構部20は、軸8と一体的に設けられる円板81と、円板81をその上下面から挟むようにして設けられるベアリング21,22と、を有する。軸8は、円板81を介してベアリング21,22によりハウジング9に支持されており、軸心方向に固定され、ロータ2の径方向に変位自在となっている。この構成により、ロータ2とステータ4との間のギャップを一定に維持してロータ2を径方向にスムーズに変位させることができる。
図9は、支持機構部20の変形例を示す。この支持機構部20は、円板81の外周上下面に設けられた円環状の磁石24,25(第3の磁石)と、磁石24,25よりも外周位置となるようにハウジング9に設けられた円環状の磁性体26,27(第2の磁性体)と、を有する。磁石24,25は、軸心方向に着磁されており、磁性体26,27は、磁石24,25を上下方向から挟むように近接対向している。そのため、磁石24,25と磁性体26,27との間に働く磁気力が、ロータ2をステータ4の軸心から変位させる偏心力となり、磁石3とコイル5の吸引力が付勢される。そのため、ロータ2の径方向に発生する力を大きくしてチューブの押圧力を高めることができる。なお、磁石24,25がハウジング9に設けられ、磁性体26,27が円板81に設けられても、上記と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る電磁回転機構について、図10及び図11を参照して説明する。図10に示すように、電磁回転機構1aにおいて、ロータ2は、軸心方向に着磁された円環状の磁石30(第2の磁石)を有する。この磁石30は、磁石3の内周側に配置されている。また、ステータ4は、コイル5の内周側に設けられた、磁石30よりも大径の円環状の磁性体40を有する。ロータ2及びステータ4の軸心を合わせた状態では、磁石30が磁性体40を吸引しようと、いずれかの方向へ変位しようとする不安定な状態にある。そのため、図11(a),(b)に示すように、磁石30は、軸心方向から見て、磁石30と磁性体40が重なる面積が最大となるような安定な状態に変位する。この変位の際に生じる偏心力により、磁石3とコイル5の吸引力を付勢するようにしたので、ロータ2の径方向に発生する力を大きくしてチューブの押圧力を高めることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る電磁回転機構について、図12を参照して説明する。電磁回転機構1bにおいて、磁石3は、ロータ2の軸心回りに配置された外周側磁石31と、内周側磁石32と、から成る。磁石31は、コイル5側がN極、それと反対側がS極となるように着磁されている。磁石32は、コイル5側がS極、それと反対側がN極となるように着磁されている。コイル5は、ステータ4の軸心回り円環状に1列配置されている。ロータ2及びステータ4の軸心を合わせた状態において、軸心方向から見たとき、コイル5は、磁石31の外周径と磁石32の内周径との間に入るように配置されることが好ましく、本例では、コイル5の中心が、磁石31の外周径と磁石32の内周径の中間に位置している。この状態から、コイル5が通電されると、ロータ2は、磁石31又は磁石32がコイル5とその直上で対向する範囲内で変位する。本実施形態の電磁回転機構1bによれば、コイル5の配置が簡単となっているので、各コイル6,7内に鉄心を入れて磁極の強度を強くし易くすることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る電磁回転機構について、図13を参照して説明する。電磁回転機構1cにおいて、磁石3は、ロータ2の軸心回りに配置された外周側磁石31よりもさらに外周側に円環状の磁石33を有する。磁石33は、コイル5側がS極、それと反対側がN極となるように着磁されている。コイル5は、ステータ4の軸心回りに配置された外周側コイル6と、内周側コイル7と、から成る。ロータ2及びステータ4の軸心を合わせた状態において、軸心方向から見たとき、コイル5は、磁石33の外周径と磁石32の内周径との間に入るように配置されることが好ましく、本例では、コイル6,7の中心が、磁石33の外周径と磁石32の内周径の中間に位置している。この状態から、コイル5が通電されると、ロータ2は、磁石32及び磁石33が、それぞれコイル7及びコイル6とその直上で対向する範囲内で変位する。本実施形態の電磁回転機構1cによれば、3つの磁石31〜33を用いているので、ロータ2の径方向に発生する力を大きくすることができる。
次に、本発明の電磁回転機構を備えるチューブポンプについて、図14及び図15を参照して説明する。図14に示すように、チューブポンプ100は、ポンプケース101と、ポンプケース101内に配置される可撓性材料で成るチューブ102と、チューブ102を圧迫する回転体103と、回転体103を回転駆動する電磁回転機構1と、を備える。ポンプケース101は、円筒状の内壁面を有する。チューブ102は、その内壁面に沿わせて円環状に配置されている。回転体103は、チューブ102の内周面において自転及び公転しながら移動可能に設けられている。電磁回転機構1は、運動機構部10及び支持機構部20を有し、軸8が回転体103の中心に取り付けられている。
図15(a)に示すように、電磁回転機構1の駆動前、ロータ2及びステータ4の軸心は一致した状態にあり、チューブ102は、回転体103に圧迫されておらず開放状態にある。図15(b)に示すように、電磁回転機構1が駆動して、ロータ2が左方へ変位すると(前述の図6(c)の状態)、回転体103が左方へ変位してチューブ102をポンプケース101の内壁面に対して圧迫する。図15(c)に示すように、ロータ2がさらに回転して右方へ変位すると(前述の図6(g)の状態)、回転体103が右方へ変位してチューブ102を内壁面に対して圧迫する。このように、ロータ2が変位することにより、回転体103が回転しながらチューブ102を順次圧迫するので、チューブ102内の流体が送出される。なお、図15において、支持機構部20の図示は省略されている。本実施形態のチューブポンプ100によれば、回転体103が電磁回転機構1により回転駆動されるので、チューブ102の押圧力を可変制御することができ、また、必要なチューブ102の押圧力を得ることができる。
チューブポンプの第1の変形例について、図16を参照して説明する。チューブポンプ100は、運動機構部10A,10Bが支持機構部20を中心に軸心方向上下に対称に設けられている。すなわち、電磁回転機構1は、運動機構部10Aの下方に支持機構部20を備え、この支持機構部20の下方に運動機構部10Bを備える。この構成により、運動機構部10Aと運動機構部10Bとの間で、磁石3及びコイル5により生じる磁界の向きが、支持機構部20を挟んで互いに逆になる。そのため、ベアリング21,22にかかる引力を打ち消してベアリング21,22を劣化し難くすることができる。
チューブポンプの第2の変形例について、図17を参照して説明する。チューブポンプ100は、支持機構部20の下方に運動機構部10A,10Bが順に設けられている。この構成により、運動機構部10A,10Bにより発生する振動がポンプに直接的に伝わらなくなるので、チューブポンプ100に安定してポンプ作用を行わせることができる。
チューブポンプの第3の変形例について、図18を参照して説明する。チューブポンプ100は、支持機構部20の下方に運動機構部10Cが設けられている。運動機構部10Cは、互いに対向する2つのステータ4の間に、これらステータ4と平面対向するロータ2を備えている。ロータ2は、その上下面の外周縁部上に円環状の磁石3を有している。上下の磁石3とそれぞれ接近して対向するように、各ステータ4上に外周側コイル6、内周側コイル7が設けられている。この構成により、ロータ2に、その上下両面から磁気力を作用することができるので、2組のロータ2とステータ4間の磁気力を相殺するとともに、ロータ2の径方向に発生する力を大きくしてチューブ102の押圧力を高めることができる。
本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、磁石3及びコイル6,7の個数は、上記に限られず、任意の個数とすることができ、これらを同心円状に3列以上配置してもよい。また、同時に通電するコイル6,7の数も、適宜に設定することができ、時計回りにコイル6,7を順次通電してもよい。また、支持機構部20は、上記実施例等に示される構成に限られることなく、任意のスラスト軸を用いることができる。
1 電磁回転機構
2 ロータ
3,31,32,33 磁石
4 ステータ
5,6,7,a1〜a16,b1〜b16 電磁コイル
9,23 ハウジング
11 制御部
10,10A,10B,10C 運動機構部
20 支持機構部
21,22 ベアリング
24,25 磁石(第3の磁石)
26,27 磁性体(第2の磁性体)
30 磁石(第2の磁石)
40 磁性体
81 円板
100 チューブポンプ
101 ポンプケース
102 チューブ
103 回転体

Claims (7)

  1. 円環状の磁石を有するロータと、前記磁石と平面対向して前記ロータに磁気力を作用させる複数の電磁コイルを円環状に配列したステータと、前記電磁コイルの通電を制御する制御部と、を備え、前記ロータが平面内2自由度でもって自転及び公転自在で、該ロータの軸心の変位を出力とする電磁回転機構であって、
    前記磁石及び電磁コイルは、それぞれ軸心方向に着磁又は励磁され、かつ該軸心を囲むように配置され、これらのうち少なくとも一方は同心円状に複数列配置され、
    前記制御部が、前記複数の電磁コイルを順次通電することにより、前記ロータが該電磁コイルから順次吸引力又は反発力を受けて自転及び公転運動することを特徴とする電磁回転機構。
  2. 前記磁石及び電磁コイルは、これらの軸心を合わせた状態において、軸心方向に見たとき、前記磁石及び電磁コイルのうちの列数が少ない方が、該磁石及び電磁コイルのうちの列数が多い方の最外周径と最内周径との間に入るように、いずれか一方が奇数列配置され、他方が偶数列配置されることを特徴とする請求項1に記載の電磁回転機構。
  3. 前記ロータ及びステータを収納するハウジングをさらに備え、
    前記ロータは、該ロータを自転及び公転自在に支持する軸を有し、この軸は、該軸に設けられた円板を介してベアリングにより前記ハウジングに支持され、
    前記ベアリングは、前記円板を上下面から挟むように前記ハウジングに設けられて、前記ロータとステータとの間のギャップを一定に維持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁回転機構。
  4. 前記ロータは、前記磁石の内周側に配置され、かつ軸心方向に着磁された円環状の第2の磁石をさらに備え、
    前記ステータは、前記電磁コイルの内周側に設けられた、前記第2の磁石よりも大径の円環状の磁性体をさらに備え、
    前記第2の磁石と前記磁性体との間に働く偏心力により前記吸引力を付勢するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電磁回転機構。
  5. 前記円板の外周上下面に設けられ、かつ軸心方向に着磁された円環状の第3の磁石と、
    前記第3の磁石よりも外周位置において該第3の磁石を上下方向から挟むように対向して前記ハウジングに設けられた円環状の第2の磁性体と、を備え、
    前記第3の磁石と前記第2の磁性体との間に働く偏心力により前記吸引力を付勢するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の電磁回転機構。
  6. 前記ロータ及びステータの組が運動機構部を成し、前記ベアリング及び円板が支持機構部を成し、
    前記運動機構部が前記支持機構部を中心に軸心方向上下に対称に設けられることを特徴とする請求項3又は請求項5に記載の電磁回転機構。
  7. 円筒状の内壁面を有するポンプケースと、前記内壁面に沿わせて円環状に配置され液体が流出されるチューブと、前記チューブの内周面において自転及び公転しながら移動することができる回転体と、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された電磁回転機構と、を備え、
    前記回転体が、前記電磁回転機構により駆動されることにより、該回転体が前記チューブを前記内壁面に対して圧迫して該チューブ内の流体を送出することを特徴とするチューブポンプ。
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